28日に熊本で最大震度7を観測した地震は、10年前の熊本地震を引き起こした断層の「割れ残り」の影響が指摘されています。専門家は、同じような地震は福岡でも起こる恐れがあると指摘しています。
防災工学が専門の九州大学工学研究院、浅井光輝教授は、今回の地震について、10年前の熊本地震を引き起こした「日奈久断層」の“割れ残り”を指摘します。
■九州大学 工学研究院・浅井光輝教授
「日奈久断層が、今回の熊本地震は大きく絡んでいて、 1回目(10年前)の熊本地震の時には、日奈久断層の北の端で起きている地震が前震でした。それで、日奈久断層は刺激を受けた状態が続いていて、まだ壊れていない中部から南部の方の断層は壊れやすい状態がずっと継続していて、そのうちの1個が今回壊れた。」
同じような“割れ残り”のリスクを抱えているのが、福岡市の中心部を走る警固断層帯です。
2005年の福岡県西方沖地震は、警固断層帯の北西部で発生しましたが、南東部は動かずにそのまま残っています。
政府の地震調査研究推進本部は、警固断層帯南東部と日奈久断層帯を、最も危険性が高い「Sランク」に分類しています。
■浅井教授
「福岡県西方沖地震が警固断層の一部だと考えることもできるし、延長上にある断層なので、そこで刺激を受けている状態に今、警固断層はあると思ってもらった方がいい。震度の強さで言うと、6強から、場所によっては7というのは、十分考えられる震度です。日頃から備えた方がいいということを、今回の熊本地震から学んでもらえるといいかなと思います。」
福岡県が想定している、警固断層帯南東部を震源とする地震が起きた場合の被害です。
地震の規模はマグニチュード7.7で、観測される最大震度は7です。
死者は1800人、災害関連死は800人、ケガ人は1万2000人、避難者は31万9000人、建物の全壊・全焼は3万6000棟に上ると想定されています。
他人事ではなく、私たちも、いつ地震が起きてもおかしくないという意識を持つ必要がありそうです。
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年7月30日午後5時すぎ放送
投稿者「F.Krueger」のアーカイブ
8月3日、熊本県内は最高気温40度の「酷暑日」予想…熱中症に注意呼びかけ
28日に地震が発生した熊本県の被災地では、約1万人に上る避難者が猛暑の中で過ごしており、熱中症のリスクも高まっている。専門家は、できるだけ涼しい場所で過ごし、こまめに水分を補給するなどの対応を呼びかけている。
熱中症は、体温が調整できなくなったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりして、頭痛や吐き気、意識障害が出る。
避難所にエアコンがない場合の対策について、日本医科大の横堀将司教授(救急医学)は、扇風機の使用や換気、カーテンで直射日光を遮ることが重要だと語る。水と塩分の摂取も、熱中症予防の基本的な対策となる。トイレの回数を減らそうと水分を控えるのではなく、のどが渇く前に、意識的に水分を補給することが大切だという。
車中で過ごす時は、▽日陰に車を止める▽換気をする▽エアコンを使う――などが対策になる。日中は涼しい場所に移り、夜だけ車中で寝泊まりする方法もある。横堀教授は「高齢者や子どもは熱中症になりやすい。周りが定期的に体調を確認してほしい」と話す。
避難所や車中で長い時間動かずにいると、脚などにできる血の塊(血栓)が肺の血管に詰まるエコノミークラス症候群になる恐れがある。こまめに姿勢を変え、数時間おきに歩くなどして予防したい。
気象庁によると、熊本県内は30日、八代市で最高気温35・2度の「猛暑日」になるなど厳しい暑さとなった。この暑さは8月上旬にかけて続くとみられ、同3日は最高気温40度の「酷暑日」の予想になっている。同庁は、熱中症などへの注意を呼びかけている。
破壊規模は「爆轟に近い」 イオンモール熊本”爆発”の全貌 地震から80分後というタイムラグが意味するもの
熊本地震が発生した28日、イオンモール熊本では地震発生の約80分後に大規模な爆発が起きました。なぜ、揺れの直後ではなく、時間が経過してから爆発に至ったのか。そして、なぜこれほどの規模の爆発が起きたのか。元東京消防庁・警防部長の佐藤康雄氏の解説です。 28日午後4時27分ごろに地震が発生し、その約80分後の午後5時50分ごろ、イオンモール熊本で大規模な爆発が発生しました。 イオンの吉田社長は29日に会見を開き、「ガス爆発の可能性が高い」と説明しました。同施設では都市ガスではなくLPガスを使用しており、供給タンクおよび飲食店内にそれぞれ遮断弁が設置されていたといいます。また、爆発が起きたのは飲食店エリアではなく、南側中央部付近であったことも明らかにされています。 佐藤氏は、この「80分というタイムラグ」がLPガス漏れによる爆発を強く示唆していると指摘し「もし地震が起きてすぐに爆発するということだと、ガスはそこまで溜まる時間がないので、ガス以外だろうと思います」と述べました。 つまり、爆発までに時間がかかったこと自体が、漏れたガスが館内に徐々に蓄積していったプロセスを物語っている、というのが佐藤氏の見立てです。 今回の事故を理解するうえで、LPガスの特性を押さえておく必要があります。LPガスと都市ガスの主な違いは以下の通りです。・原料:LPガスは液化石油ガス(LPG)、都市ガスは液化天然ガス(LNG)・発熱量:LPガスは1mあたり約2万4000kcalと大きく、都市ガスは約1万1000kcalと小さい・重さ:LPガスは空気より重く、都市ガスは空気より軽い この「空気より重い」という特性が、今回の事故において重要な意味を持ちます。 佐藤氏は、LPガスについて「軽いガスと比べて、溜まる場所が違う」と分析します。LPガスは低い場所(床下や建物の下部)に滞留しやすく、広大な商業施設の構造においては、漏れていても気づきにくい状況が生じやすいといいます。 また、LPガスも都市ガスも本来は無色・無臭ですが、漏れた際にすぐ気づけるよう人工的に匂いが付けられています。それでも佐藤氏は、「一般家庭で漏れることを想定していて、これだけ広いところで漏れて、床下等の隙間に溜まっていると、なかなかその匂いに気づかないこともあるのでは」と述べ、大型施設という環境における匂いによる感知の限界を指摘しました。 イオンモール熊本の敷地内にはLPガスの大型タンクが設置されており、そこから供給管を通じて館内にガスが届けられる構造になっています。 また、爆発が起きたのはフードコートエリアではなく、テナントが入るエリアであったことも確認されています。佐藤氏は「主配管と枝配管は施設全体に広がっており、何らかのきっかけで引火・爆発した可能性がある」と分析します。 さらに、館内の広域へのガスの拡散については、猛暑による密閉環境が影響した可能性にも言及しました。「当然窓を閉め切って冷房をかけていますから、その冷房のダクトが館内に巡らされているので、場合によってはそのダクトの中を伝わってあちこちにガスが拡散したことも考えられる」という見解を示しました。 遮断弁は本来、地震が発生した際に作動してガスを自動的に止める役割を担っています。では、なぜ今回はガスが漏れ出したのか。佐藤氏は爆発の原因として考えられるシナリオを次の3つに整理しました。 遮断弁は電磁弁であり、電気的な信号によって閉まる仕組みになっています。佐藤氏は「地震の影響かもしれませんが、遮断弁そのものが故障してしまって作動しなかったかどうか」という可能性を挙げました。ただし、タンクのそばにある遮断弁は被害を受けていない可能性があり、「調べてみれば作動したかどうかというのはすぐに分かるかと思います」とも述べています。 遮断弁は地震計と連動しており、設定された震度以上の揺れを感知して初めて作動します。佐藤氏は「通常は震度5強ぐらいで被害が生じると言われているので、仮に震度5強で設定していたとしても、震度5弱程度の地震が発生した場合、配管のほうは損傷したけれども、遮断弁はまだ作動する強さになっていないのでそのまま開きっぱなしになっていた」という可能性を説明しました。今回のイオンモール付近の詳細な震度は、この時点ではまだ発表されていないといいます。 遮断弁が正常に作動してガスの供給が止まった場合でも、配管の内部にはガスが残留しています。そのガスが、地震による配管のずれから漏れ出した可能性です。ただし佐藤氏は「3番については量的にはかなり限られますので、あれだけの施設が破壊されるにはそれなりのエネルギーが要る。可能性としては1ないし2が大きいかと考えています」と述べ、原因の優先度を示しました。 これらの3つのシナリオは、今後の現地調査によって絞り込まれていく見通しです。佐藤氏は「現物はある程度残っていると思うので、目処はつく」と述べています。 今回の爆発では、約80メートル離れた場所にあったトラックが大きな衝撃を受け、約180メートル離れた場所にまで外壁の破片が飛び散ったとみられます。ガードレールも大きく折れ曲がっています。 佐藤氏はこの破壊規模について「爆轟(ばくごう)に近い」と評しました。爆轟とは、マッハ(音速)を超える強力な衝撃波を伴う激しい爆発のことです。 なぜプロパンガスでそのような爆発が起きたのか。佐藤氏はその背景を次のように解説しました。 「爆轟が起こるのは、水素やヘリウムのように非常に小さな分子が酸素とすぐ結びつきやすいためです。プロパンガスは炭素がいくつも連なった分子なので、酸素と結びつくのに順番が必要で、時間がかかる。表現的にはメラメラと燃えるような燃え方なので、なかなか爆轟にはなりにくい」 それでも今回これだけの破壊力が生まれた背景として、佐藤氏は建物の構造的特性に注目しました。「爆発というのは、頑丈なものに閉じ込めて、それが破裂するほど圧力が強くなる。ALC(軽量コンクリートパネル)で覆われていた、つまりかなり頑丈な作りになっていたということは、爆発した瞬間はぐっと溜め込んでおいて、それが耐えきれなくなって瞬間的にすっ飛んだという形ですと、衝撃力が非常に強くなります」 さらに夏場の密閉環境が、ガスの拡散と内圧の上昇に寄与したとも分析します。頑丈な壁材と密閉度の高さ、それに大量に蓄積したガスという複数の要素が重なり合い、「爆轟に近い」激しい爆発が引き起こされた可能性があるというのが佐藤氏の見解です。 今回の爆発は、一般的に「防災の拠点」と位置づけられる大型商業施設で起きました。 現在の調査では、遮断弁が実際に作動したかどうかも含め、多くの事実関係が未確定のまま残っています。佐藤氏は「遮断弁が作動したときにはガス会社でないと対応できない。直接信号が行っている可能性もあるが、まだその確認はできていない」と述べています。 地震は「いつ、どこで起きるかわからない」という現実があります。LPガスを使用する大型施設において、地震時の遮断システムがどのような条件下で機能し、どのような条件下で機能しないのかを明確にすることが、今後の防災対策において不可欠です。 佐藤氏が挙げた3つの原因シナリオを軸に、遮断弁の作動状況、配管のずれの有無、そして館内へのガス拡散の経路を含む詳細な原因究明が急がれます。同様の構造を持つ施設が全国に存在することを踏まえれば、この調査の結果は単一の事故の教訓にとどまらない広がりを持っています。(『newsおかえり』7月30日放送分より)
県議会に根回しせず「高額海外視察」を調査対象に…福岡県知事「疑念深まっている、もう待てない」
福岡県の服部誠太郎知事は30日、高額な費用が疑問視されている県議会の海外視察について、日本弁護士連合会の指針に基づく県設置の第三者委員会の調査対象とする方針を表明した。蔵内勇夫議長ら議会側は第三者委設置に否定的だが、服部氏は根回しせず、経費を含む関係書類の提出を求めるという強硬な姿勢を示した。
服部氏は議会に対し、経費の公表を求め、第三者委設置の判断を待っていたと説明。県議会が対応しない状況が続き、「県民の疑念が深まっている。もう待てない」と調査対象に加える理由を明かした。
方針決定にあたり、蔵内氏とは話していないという。「県執行部と県議会とのいびつな関係が疑念を持たれ、県の信頼を損ねる状況になっている。調整を行っていくことはあり得ない」と強調した。
がれきに埋まった1人救助、心肺停止状態に機動隊員「非常に心苦しい」…困難極めたイオンモール熊本での救助活動
爆発が起きた商業施設「イオンモール熊本」で救助活動にあたった福岡県警警部補で第1機動隊の平野俊幸・レスキュー小隊長(38)が30日、福岡に戻り、報道陣の取材に応じた。平野さんは施設内について「がれきが散乱し、金属がむき出しになり、凄惨(せいさん)な状態だった」と振り返った。
天井が崩落して垂れ下がる電線、足の踏み場がないほどのがれき――。県警から報道機関に提供された動画では、荒れ果てた施設内で一つひとつがれきを手でどけながら活動する機動隊員らの様子が確認できる。
28日から順次、機動隊員ら計約230人を被災地に派遣した福岡県警。平野さんの部隊は28日午後10時半頃、イオンモールに入って活動を開始した。施設内で勤務をしていて連絡が取れなくなっていた人の職場周辺を重点的に捜索し、29日午後4時半頃、がれきに埋まった状態の1人を救助したが、心肺停止だった。
平野さんは「足場が悪く、作業は非常に困難を極めた。気温が高い中、余震が続いていたので、熱中症対策や二次被害防止などにも気を使った」としたうえで、救助した人が心肺停止だったことについて「非常に心苦しく思っている」と表情を曇らせた。
同じく現場に入った警視で第1機動隊の田島稔也隊長(52)も取材に応じ、「正直、爆発でここまで建物が損壊するのかというのが第一印象。一刻の猶予も許さないという気持ちで人命救助にあたった」と振り返った。
首相、8月3日にも熊本入り 地震の被災状況把握
高市早苗首相は熊本地震の被災状況を把握するため、8月3日にも熊本県入りする調整に入った。現地の受け入れ態勢や天候を見極めて最終判断する。複数の政府関係者が30日、明らかにした。
現地では停電や断水が続き、猛暑の中で車中泊をする被災者も少なくない。首相は自治体関係者らと意見交換し、今後の復旧・復興対策に生かしたい考えだ。
首相は30日の非常災害対策本部会議で「自治体のニーズを踏まえ、政府一丸となって取り組む」と述べ、必要な物資の確保やインフラ復旧に全力を挙げるよう関係閣僚に指示した。
地鳴りとともに横揺れに襲われた日本製紙作業員、死亡した8人には知り合いも「ショックで何も言葉が出ない」
28日に震度6強の激しい揺れに襲われた熊本県八代市の日本製紙八代工場は、複数の煙突が折れるなどして、これまでに8人の死亡が確認された。同工場に勤める60歳代の男性が30日、読売新聞の取材に応じ、地震発生時の緊迫した状況を振り返った。
男性は工場内の機器のメンテナンスを担当し、28日は朝から敷地内で点検作業を行っていた。午後4時頃に工場東側の事務所に戻り、休憩していたところ、「ドドド」という地鳴りとともに、大きな横揺れに襲われた。座っている椅子ごと飛ばされ、体は宙に浮いた。
揺れが収まり、他の作業員らとともに屋外に出た。張り巡らされている金属パイプは折れ曲がったり、建屋1階部分がひしゃげたりしていた。
避難場所となっていた敷地内の広場にたどりついた時、見慣れた煙突が折れて見えなくなっていることに気がついた。「まさかあの大きな煙突も折れるなんて。煙突の下にいた可能性もあると思えば恐ろしくてたまらない」と述べた。
死亡が確認された8人のなかには知り合いもいた。男性は「今はショックで、何も言葉が出ない」と話した。
工場では30日も消防や自衛隊などが救助活動にあたり、手作業でがれきを撤去する様子が見られた。従業員らが敷地周辺を見て回り、倒壊した建屋を確認するなどしていた。
日本製紙によると、この日は従業員同士で工場の被災状況について情報共有を行ったという。
市災害対策本部によると、午後5時半頃に同工場で取り残されていた最後の従業員の救助が完了したと明らかにした。容体や性別は明らかにしていない。
虐待などの公益通報後に「解雇・異動」看護師らが無効訴えた裁判で“全面勝訴”「職場から排除しようとしていたものと推認」大阪地裁堺支部
虐待などを公益通報した後に解雇されたなどとして看護師らが訴えた裁判。「解雇は無効」の勝訴判決です。
(原告・朝倉隆介さん)「虐待のころから考えると、5年6年7年闘ってきて、この3人が同時に闘うことができたのでなんとか乗り切られた」
判決のあと会見を行った原告の看護師ら。訴状によりますと、堺市の障がい者施設で看護師として働いていた3人は、2019年から2022年にかけ、施設内での利用者に対する虐待の疑いや無資格の職員によるレントゲン撮影について、堺市などに公益通報を行いました。
自治体の調査結果についてMBSが情報公開請求で得た資料では「虐待があったこと」「著しく不適切な行為があったこと」が認定され、3人によると施設側も非を認めたといいます。
しかし、施設を運営する法人側は3人に対し4か月から6カ月半にわたる自宅待機を命じ、その後、朝倉さんは解雇、2人は異動となりました。
3人は「公益通報に対する不当な報復人事で解雇や自宅待機命令は違法だ」として解雇の無効や賠償を求めて提訴していました。
7月30日の判決で大阪地裁堺支部は「解雇は合理的な理由を欠き解雇権を濫用して無効」「原告らを職場から排除しようとしていたものと推認できる」などとして、未払いの賃金や慰謝料など約2000万円の賠償を命じました。
一方で「公益通報の報復目的でされたものと推認することはできない」としました。
(原告の女性)「看護師の正義感で声をあげたために、こんなことになってしまった。安心して声をあげられる制度に早くなってほしいなと、いまも思っています」
判決を受け法人側は、「係争中のため詳しいコメントは差し控えます」としています。
「ギャンブルに使った」信用金庫職員が7800万円余を着服 客の口座を無断で解約 和歌山
和歌山市に本店を置くきのくに信用金庫の職員が客の定期預金を無断で解約し、7800万円あまりを着服していたことが分かりました。
(きのくに信用金庫の会見)
「本当にこの度はご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした」
きのくに信用金庫によりますと、30代の男性職員が、今年4月までの5年間で、営業担当として客から預金証書を預かった際、一部を無断で解約するなどの手口で、14人分7827万円を着服していたことを明らかにしました。
(きのくに信用金庫 青山栄三 常務理事)
「(払い戻し書を)余分に1枚、もう1枚書いていただいて印鑑をもらって、それも窃取してというケースなんです。それを後日お客様から依頼があったように装って出金の手続きをしてた」
今年5月に客から「口座の残高が少ない」と職員が勤務する湯浅支店の窓口に相談があり、調査の結果、職員は着服を認め、ギャンブルや借金の返済に使ったと話しているということです。
信用金庫はこの職員を懲戒解雇とし、被害額のすべてを客に弁済した上で警察に被害届を提出しました。
毎日10億円が… 特殊詐欺被害、上半期で1816億円 過去最悪
2026年上半期(1~6月)に全国の警察が認知した特殊詐欺の被害額は前年同期比51・7%(618億8000万円)増の1816億2000万円(暫定値)となったことが30日、警察庁のまとめで判明した。上半期として過去最悪。1日当たり10億円の被害が出ている。
著名人になりすまし詐欺、増加
過去最悪となった25年の下半期(約2060億円)を下回ったが、警察庁は「対策をかいくぐる手口もみられ、依然として危機的状況だ」としている。
手口別の被害額では、著名人らになりすまして投資を誘う「SNS型投資詐欺」が前年同期比で2・3倍に増え、797億9000万円で最多。警察官をかたる「ニセ警察詐欺」の507億9000万円(同27・3%増)と恋愛感情を抱かせる「SNS型ロマンス詐欺」の246億6000万円(同2・6%増)が続いた。警察庁は25年までニセ警察詐欺などの「特殊詐欺」と、SNS型詐欺を別々に集計していたが、26年からこれらを「特殊詐欺」としている。
認知件数は、前年同期比18・3%増の2万2031件。1件当たりの被害額は同28・1%増の840万円となった。摘発人数は同245人増の1381人。このうち匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)のメンバーとみられるのは1288人だった。
エース「かけ子」当て、巧妙に
警察は金融機関と連携し、口座を悪用した被害を防止する体制を強化しているが、被害者に金塊を購入させる手口は155件、81億円の被害を確認。仮想通貨(暗号資産)で送金させる被害は前年同期より約75%増の409億円。警察庁は「資産の保有状況を聞き出し、多額の資産保有が判明するとエース級の(電話をかける)『かけ子』を当て、効率的にだまし取るなど手口が巧妙化している」と警戒を強める。
SNS型投資詐欺では、詐欺グループからの最初の接触手段は約半数がバナー広告で、警察庁はつながりを絶つ取り組みを強化。6月からはユーチューブ上の詐欺広告を自動で抽出する「日本サイバー犯罪対策センター(JC3)」のシステムを使い、運営する米グーグルへの削除要請を始め、209件の詐欺広告が削除されたという。【深津誠】