選挙のたびに繰り返されるデマや誹謗中傷。そのきっかけとなったのが2024年の兵庫県知事選挙です。
今なお膨大な数の誹謗中傷と闘い続ける県議会議員がいます。彼を突き動かしているのは「このままでは社会が壊れるのではないか」という強い危機感です。
デマ・誹謗中傷が奪った命「このままでは社会が壊れる」
選挙期間中のSNSを使ったデマや誹謗中傷を防ぐための法整備について、いま、与野党が協議を続けている。
自民党 逢沢一郎衆院議員 「ネット空間SNSから誹謗中傷でありますとか、あるいはフェイク、偽情報、誤情報、そういったものを排除して政治や選挙の健全性・公正さを確保していく」
中道改革連合 落合貴之衆院議員 「わざと偽情報・誤情報を流しちゃいけないということも全く法律に規定されていないので。そういう当たり前のことぐらいは、法律の文言に入れましょうという話をしています」
嘘や誤った情報が拡散することを防ぐため、政治系切り抜き動画について選挙期間中の収益化の停止も議論になっている。
大きなきっかけとなったのが、2024年11月の兵庫県知事選挙だ。
NHK党の立花孝志党首が自ら出馬して斎藤知事を支援するという異例の2馬力選挙を展開した。その標的となったのは…
NHK党 立花孝志党首 「丸尾とか竹内とか、いじめの原則でいじめるときっていっぱいいじめたらだめなんですよ。誰か一人にいくんですよ」(2024年11月)
斎藤知事のパワハラ疑惑などを調査する、兵庫県議会百条委員会の委員を務めていた二人の県議だ。
一人は竹内英明元県議。立花党首やその支持者からSNSで誹謗中傷をうけ、2025年1月自ら命を絶った。
立花党首 「竹内県議めっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのはたぶん間違いない」(2024年12月) 「竹内元県議会議員どうも明日逮捕される予定だったそうです」(2025年1月) 「そもそも政治家が中傷されたぐらいで死ぬなボケ」(2025年3月)
2025年11月、竹内元県議の名誉を毀損したとして、立花党首は逮捕・起訴された。
竹内元県議の妻 「なかったことにはできないし、忘れて生活できないじゃないですか」
竹内元県議の妻は、今も夫や自分に対する誹謗中傷が続いていることに苦しんでいる。
竹内元県議の妻 「なんでこうなってしまったのか、まだその答えが見つからなくって。その後も亡くなってもずっとまた攻撃を受け続けて、攻め続けられて、声を上げられずに苦しんでいる人がいて、それを放置している」
そして、もう一人が丸尾牧県議だ。今も膨大な数の誹謗中傷と戦い続けている。
この日も裁判所に向かっていた。
兵庫県 丸尾牧県議 「大きな課題を背負ったというか、非常に大きな問題だと思いますので、立花さんの動画を拡散した人たちの責任を問う。また新たな仕事が始まったな」
「責任問う」誹謗中傷との闘い
斎藤知事の再選後、丸尾県議への誹謗中傷が激しさを増した。
SNS上で匿名のアカウントから大量の投稿が…
匿名の投稿(現在は削除) 「大ボラ吹き」 「斎藤おろしの黒幕の一人」
SNS上だけでなく、匿名の脅迫電話や嫌がらせが毎日のように続いた。
録音された留守電 「県民や、死んでしまえ、ぼけ、あほ」 「丸尾、いい加減にせえよ、はよ辞めろ、ばかやろう」
村瀬キャスター 「これは参りますね」
丸尾県議 「そう、これで精神がやられちゃいますね」
他にも身に覚えのない商品が届いたり、保険の契約を勝手に結ばれたり様々な嫌がらせを受けた。
村瀬キャスター 「群集化したエネルギーを特定のターゲットに向けられる恐怖を、丸尾さんは感じられたんじゃないですか?」
丸尾県議 「信じられない状況にいきなり陥ってしまって、どう手立てしたらいいのかもわからないし。デマ、切り取り動画がバンバン出されて殴られ続けているという感覚ですよね、無抵抗のままで」
丸尾県議の裁判を担当する石森雄一郎弁護士も…
石森雄一郎弁護士 「昔の誹謗中傷というか、そういったものとはちょっとレベルが違って、誹謗中傷の言葉がイナゴのように集団で襲ってくるというような特徴もあると思うんですよ」
丸尾県議は、投稿者を特定するため100件を超える「開示請求」を裁判所に行っている。
そのほとんどがXやYouTubeへの投稿だ。特定できた投稿者の1人は、事実とは違うこんな書き込みをしていた。
2024年10月15日の投稿(現在は削除) 「既得権益に溺れた丸尾まき」 「尼崎の駅前開発についても、かなりの裏金を得たらしいと聞きました」
この人物に損害賠償を求めるため、開示請求を担当する弁護士が電話をかけると…
特定された投稿者たちの主張
笠原一浩弁護士 「裁判所に対して発信者情報開示請求を行いまして」
相手 「本人死亡しているんです」
笠原弁護士 「え、本人死亡してる?そうしましたら私の方で調査します」
「投稿した人物は死亡した」と当初は主張した。その後、本人であると認めたものの損害賠償の支払いを拒否。このため丸尾県議は裁判に踏み切った。
さらに…
この日、丸尾県議は亡くなった竹内元県議の妻を訪ねた。
竹内元県議と丸尾県議を誹謗中傷してきたアカウント。「斎藤知事を貶めた主犯格」と題した動画を掲載していた。
丸尾県議が開示請求を行うと、投稿者からこんな手紙が届いた。
投稿者からの手紙 「私自身YouTubeの収入で家族を支えてきましたが、現在は生活面でも困難が続いており、別の収入手段を摸索しております。該当動画の削除はもちろんの事、必要であれば訂正や謝罪の内容を動画等で公開することも検討しております。今後事実に基づかない内容については一切動画を公開しないことをここに誓約いたします。穏便にご対応いただきますよう心よりお願い申し上げます」
ところが…
丸尾県議 「この件に関しては、竹内さんのご遺族にも謝罪してほしいということで、連絡入れてですね。それから返事待ちの状態になったんですけど、その後もう返事ナシなんですよ」
一部の動画は削除されたものの、竹内元県議を誹謗中傷する動画は今もアップされている。
竹内元県議の妻 「これだけ問題が深刻になっている。それでもなお、そういうことをするっていうのは…亡くなった人間をなんで中傷できるんでしょうね」
丸尾県議 「難しいのは、まさにルールがきちんと整ってなくて、やった者勝ちみたいな」
投稿者の特定 法制度上の高いハードル
投稿者たちに誹謗中傷をやめさせることの難しさ。丸尾県議はそもそも投稿者を特定する作業自体に、法制度上の高いハードルがあると訴える。
丸尾県議 「なかなか相手先の氏名住所までたどり着けない」
丸尾県議は100件を超える開示請求をしたが、その結果、氏名まで特定できたのは5人だけ。一体どういうことなのか。
発信者を特定するためには、一般的に裁判所に対し2段階の開示請求が必要とされる。
被害者はプラットフォームに対し、どのプロバイダが使われたか開示請求をする。丸尾県議の場合、ここまではかなりの数が開示されている。それが判明したら今度はプロバイダに発信者の住所や氏名などの開示を求める。
ところが、この2段階の開示請求の間にプロバイダの通信記録の保存期間が過ぎてしまい、特定できないケースが相次いでいるのだ。
例えば、2024年11月2日に投稿されたYouTube映像。
丸尾県議は2025年9月18日にYouTube側に開示請求をしたが、プロバイダが判明したのは2026年1月9日、約4か月後だった。
結局、このプロバイダからは通信記録の保存期間は93日、約3か月しかなく、すでに消去されていると回答があった。
丸尾県議 「やってみてこれだけ時間かかるというのがわかったという部分もありますけど。ただ入口でそれがわかってたら、最初からやはり責任を問うことを断念してた可能性がありますよね」
そもそも裁判所が「開示命令」を出しても、アメリカに本社を持つXなどのプラットフォームはすみやかに応じないケースもあるという。
その場合、強制的に開示命令に従わせる手続きを裁判所にとる必要があり、さらに時間がかかる。
丸尾県議 「それこそ被害者の立場で言うと、ずっと心理的な負担が続いてる状況ですよね。終わりのないものと闘って、結論がまだまだ見えないという不安感と、ちょっとストレスと様々な思いがありますね」
この1年半で開示請求にかかった弁護士費用は600万円にものぼる。もともと政治家への誹謗中傷は表現の自由との兼ね合いが議論になりやすい。
それでも費用と労力をかけて投稿者の特定を進めるのは何故なのか。
丸尾県議 「公職者だからもちろん一定の批判は当然許容しないといけない。ただそこに虚偽が含まれると、一般の人以上にその攻撃は厳しくなりますから。一つ一つきちんと責任を問うていくことが必要なんだろうな、それが再発防止に繋がるんだろうなという風に強く思ったのは間違いない」
SNSの誹謗中傷問題に取り組み、これまで1000件以上の開示請求を行ってきた清水陽平弁護士は、制度の問題点をこう指摘する。
清水陽平弁護士 「プロバイダの方に開示請求したけれども、『ログ(通信記録)の特定ができませんでした』と言われるケースも一定程度あるというのが現状です。対応が遅いがゆえに間に合わないというケースは、ほとんど外国の会社。平気で半年、1年後に開示してくる、それぐらい遅い」
村瀬キャスター 「被害者側からしたら、とても重要な時間ですよね」
清水弁護士 「そこが一番のネックになっているところかなと思います。国内の事業者だと、そこまでかかることはないんですよね。2~3週間、かかっても1か月以内には大体回答してくれるので、あまり問題になることはないと思うんですけど」
2021年の法改正によって手続きの一部が簡略化されたが、開示のハードルは依然高いままだと話す。
清水弁護士 「プラットフォーマー側の善意に頼っているような制度に現実的にはなっているという形なので、対応までの期間に制限をつけて、それに対して対応しなければ罰則なり過料なりというところまでやらないと、特に海外の事業者は対応しないんじゃないか。そういうところ、何かしら動かすためのサンクション(制裁)をつけるということは、重要なんじゃないかなというふうに思います」
立花党首の演説「デマ」と認定 日本社会に希望を与える判決
石森雄一郎弁護士 「立花孝志がデマを言ったということが完全に認められました。完全勝訴です」
2026年1月、画期的な判決が言い渡された。
丸尾牧県議 「こういうことが二度と起こらないようにということで、一つの警鐘になる判決でしょう」
丸尾県議が立花党首を訴えた裁判。兵庫県知事選で行った演説の内容がデマだったとして、賠償が命じられた。
立花党首の演説動画(現在は削除) 「実は丸尾とかが書いたんですって、嘘を。あの告発文書を書いたのは竹内だけじゃなくてこの丸尾牧も書いとるんです。丸尾いつでもかかってこいよ」(2024年11月2日)
斎藤知事のパワハラなどを告発した文書に、丸尾県議と竹内元県議が関わっていたというデマだった。
この演説の動画は立花党首の支持者たちによってSNSで拡散され、丸尾県議は激しい誹謗中傷を受けた。
丸尾牧県議 「かなり攻撃的なコメントがたくさん残されてて、多分この中には命を狙うんだとか、そんなこともやっぱ想像してしまいます、そんな勢いでいろんな発信がこっちに届いてるということでは、まさに恐怖ですね」
裁判で立花党首は、当時真実だと信じたことには相当の理由があったと主張した。
だが裁判所は…
裁判所 「被告は虚偽内容であることを知りつつ、あえて本件街頭演説を行ったものと認められるから、デマを用いてでも世論を誘導する意図でこれを行ったものと評さざるを得ない」 「民主制の過程の根幹である選挙活動において、虚偽の内容を流布し、有権者の判断を歪めることを辞さない態度が認められるから、誠に悪質と言わざるを得ない」
こう述べて、立花党首に慰謝料など330万円の支払いを命じた。
判決の直後、丸尾県議が電話をかけたのは亡くなった竹内元県議の妻だ。
丸尾県議 「告発文書のお話、竹内さんと一緒に作成したという話だったから、それがデマだと認定してもらって」
竹内元県議の妻 「何より夫が喜んでいると思います。報告しておきます」
丸尾県議の代理人を務める石森弁護士は、判決が立花党首の演説について事実誤認ではなく、デマと表現したことに驚いたと話す。
石森雄一郎弁護士 「書かれ方として事実誤認っていう風に書かれる可能性もあるわけですよ。これはデマですというのと、まず意味合いが全然違うわけです。今回はっきりデマですと書かれただけじゃなくて、それを世論を誘導するためにやった。そこまで書かれているんですよ。広く日本社会そのものに、希望を与える判決になったんじゃないかなと思います」
立花党首は判決を不服として控訴した。
兵庫県知事選挙が大きなきっかけとなった、選挙戦でのSNSの誹謗中傷問題。
その責任の所在が問われている。
丸尾県議 「やはり目の前で被害者が出たということも含めて、このままいくと、社会は壊れるんじゃないかなという、非常に強い危機感を持っています。きちんと責任を取ってもらう、けじめをつけていくということが、まさにXだとかYouTubeだとか、SNSの中でのそのルール作りに必ず繋がるとは思いますので。そこはやはり、逃げ得は許さないと、きちんと最後まで責任は問うていきたいなとは思います」
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文科省の違反認定の撤回要求 京都弁護士会、辺野古転覆
沖縄県名護市辺野古沖の船転覆事故で、文部科学省が同志社国際高(京都府)の平和学習を教育基本法に違反すると認定したことは教育への不当介入だとして、京都弁護士会(谷口直大会長)は12日までに、文科省に認定撤回を求める会長声明を発表した。
声明は11日付。教育基本法が禁じるのは、特定の政党を支持・反対する目的で、生徒が主体的に考え判断することを妨げるような政治教育や政治的活動だと指摘。同校の平和学習は、学校側が生徒に反対運動への支持を強制したものではなく、同法に違反しないとした。
さらに、学校と運航団体の安全管理体制などを客観的に精査する必要があり、事故原因と教育内容を区別するべきだと主張した。
栃木・那須町長の当選無効=全票再点検で逆転―県選管
栃木県選挙管理委員会は12日、現職・平山幸宏町長が1票差で勝利した3月22日投開票の同県那須町長選について、平山氏の当選を無効とする裁決を発表した。次点だった新人・小山田典之氏の異議申し立てを受け、全票を再点検した結果、小山田氏が2票上回ると判断した。首長選を巡っては、茨城県神栖市長選でも県選管が4月、現職の当選を無効とする判断を示している。
同町長選投開票時点の得票数は平山氏5099票に対し、小山田氏5098票。小山田氏側は町選管に異議を申し立てたものの平山氏勝利は変わらず、県選管に審査を申し立てていた。
審査の結果、小山田氏が5106票となり、平山氏の5104票を2票上回った。両氏の下の名前を「平山のりゆき」「小山田ゆきひろ」と取り違えて誤記した投票用紙を県選管が有効と判断し、複数票がそれぞれに上積みされるなどしたことで逆転した。
裁決に不服がある場合、30日以内に東京高裁に訴訟を提起できる。裁決を受け、平山氏は「内容を精査し、訴訟を起こすか検討する」とのコメントを出した。 [時事通信社]
物流センターの井戸水からPFAS検出 指針の1200倍 千葉
千葉県市原市は12日、素材大手「AGC」の千葉物流センター(同市五井金杉2)の敷地内で採取された井戸水から、国の指針値の最大1200倍に当たる有機フッ素化合物(PFAS)の一種が検出されたと発表した。
市によると、井戸は飲用には使われていないという。市が物流センター周辺に設置した観測用井戸の検査でも指針値を超える値が検出されており、市は周辺の民家に井戸がないか確認する。
市によると、AGCが昨年7月、敷地内の井戸2カ所で指針値(PFOS、PFOAの合計値が水1リットル当たり50ナノグラム)を超える値を検出したと市に報告した。外部機関が詳しく分析したところ、1リットル当たり6万ナノグラム、同3900ナノグラムを検出した。
これを受けて、市が近くの公園に観測用井戸を設置して水質調査したところ、同1600ナノグラムの値が検出された。【宮田哲】
「人殺しやないか」兵庫県知事の会見でフリー記者が発言 斎藤知事が名誉毀損の疑いで刑事告訴
兵庫県の斎藤元彦知事が、記者会見中の発言で名誉を傷つけられたとしてフリージャーナリストの男性を刑事告訴しました。 フリージャーナリストの男性は、今月3日の斎藤知事の定例記者会見で、知事の疑惑を告発する文書を作成し、その後亡くなった元県民局長の懲戒処分をめぐる別の記者の質疑応答の最中に「人殺しやないかお前は」などと発言していました。 知事の代理人弁護士によりますと、この発言について兵庫県警生田署に名誉棄損の疑いで刑事告訴し、9日付で受理されたということです。 斎藤知事は当時の会見で「発言を取り消さない限り退室する」などとしたうえで、記者会見を今後開かない可能性にも言及していました。 一方、兵庫県政記者クラブはフリージャーナリストの男性について、会見中に不規則な発言があったとして、翌週の定例会見から当面の間、出入り禁止の処分にしています。
禁止薬剤、調製時混入の可能性=10代患者死亡で報告書―埼玉県立小児医療センター
埼玉県立小児医療センター(さいたま市)で、抗がん剤の「髄腔(ずいくう)内注射」を受けた患者1人が死亡するなどした問題で、同センターの医療事故調査委員会は12日、報告書の概要を公表した。患者の髄液から髄腔内注射で使用が禁じられている抗がん剤「ビンクリスチン」が検出されたことについて、薬の調製時に混入した可能性は否定できないとした。
報告書は、髄腔内注射薬の調製時にビンクリスチンとの分離がなされていない工程があったと指摘。混入を防ぐ観点からは、作業環境として十分とは言い難い状況だったとした。
再発防止策として、髄腔内への投与が禁じられる抗がん剤との分離や薬剤師2人によるダブルチェック体制の導入などを提言した。
記者会見した岡明病院長は「院内でも話し合うなどし、意識を変えていかないといけないと強く思う」と話した。事案発生後、中止している髄腔内注射の再開については「(さいたま市の)保健所や県と相談していく」とした。 [時事通信社]
「名大祭」の自衛隊ブース、中止に 実行委「見立て甘かった」
名古屋大の「名大祭」で13日に予定されていた自衛隊ブースが、急きょ出展中止となったことが判明した。学生でつくる実行委員会が明かした。出展を巡っては、名大職員組合が12日に「名大祭の開催趣旨から外れる」などとして中止を求める声明を出していた。
自衛隊ブースは、実行委メンバーが「災害派遣などの活動を知ってほしい」との思いで初めて誘致。高機動車の展示や防災知識の紹介を予定し、大学からも承認されていた。
一方、職員組合は12日、「自衛隊の本質が軍事組織であることを覆い隠し、学生や地域住民に『かっこよさ』や『安心感』を植え付ける一面的な宣伝活動だ」などとして中止を求める声明を出した。
実行委によると、大学側から同日、「声明が出た以上、安全に開催される保証がない」として中止を求められたという。実行委は取材に「(全企画が中止になった)東大の五月祭のようになる恐れもあり少しでもリスクを取り除きたい。見立てが甘かった」と話した。【川瀬慎一朗】
国への賠償命令確定=立証活動の違法認定、双方控訴せず―名古屋
検察官が証拠を故意に隠したため詐欺罪で有罪判決を受けたとして、その後に無罪が確定した名古屋市の男性(63)が国に損害賠償を求めた訴訟で、名古屋地検は12日、国に110万円の賠償を命じた名古屋地裁判決について、控訴しない方針を明らかにした。男性側も控訴せず、賠償命令が確定した。
地裁は5月29日の判決で、証拠が起訴内容と矛盾することを把握できたのに検察官が訴因変更などの対応を取らなかったのは違法と判断した。
地検は「控訴審で判決を覆すほどの新たな主張や立証が見当たらない」と説明。男性は「この判決で冤罪(えんざい)防止に役立つ有意義な方向に進むことを切に願う」とコメントした。 [時事通信社]
高級かんきつ中国流出疑い 農水省がブランド保護の新機関設立へ
約20年かけて愛媛県が開発した高級かんきつが中国に流出したとみられる問題で、鈴木憲和農相は12日の閣議後記者会見で「愛媛県と緊密に連携して海外流出の抑止に取り組む」と述べた。農林水産省は、日本で開発された独自ブランド品種の保護を強化し海外に無断で流出させないよう、今夏に官民連携の機関を設立する。
高級かんきつは愛媛県が開発した「紅プリンセス(品種名・愛媛果試第48号)」。鈴木氏は「昨年、類似の名称の苗木が中国で販売されている事実を把握して、愛媛県とも共有をしている」と明らかにした。
産地にちなんだブランド農産品を守る「地理的表示」を巡っては、農水省は現在、海外での模倣品の調査をしている。模倣品の情報を確認したら、ブランド品種を開発した県や研究機関などへ情報提供するなどの対策をしている。
さらに、電子商取引(EC)サイトで模倣品が取引されていれば、運営者に削除要請をしている。
鈴木氏は今回の中国への流出疑いも「この(対策の)一環で把握できた」と話した。
また、ブランド品種を保護するために設立する官民連携の機関では、ブランド品種を開発した県や研究機関に代わり、海外への品種登録の出願や海外契約、無断栽培者への損害賠償請求などを進める。【鶴見泰寿】
〈17歳女子高生殺害〉「河原で花火をして復縁迫り、断られ…」これまで何度も迫っていた茶髪の塗装工(19)は仕事も転々…父は「朝4時に警察が来た」「普通の子として育ててきた」
〈〈相模原・17歳女子高生殺害〉「復縁を迫ったが断られ…」首を絞めて殺害? 元交際相手で19歳容疑者の父は「交際していたことも知らなかった」「トラブル聞いてない」〉から続く
神奈川県相模原市の相模川河川敷で座間市の高校3年生・佐藤唯来(ゆら)さん(17)が殺害された事件で、県警が殺人容疑で逮捕した元交際相手の自称塗装工の男(19)=相模原市南区=の横顔が取材で浮かび上がってきた。男は佐藤さんが通う県立高校のOBで、SNSを通じて交際関係に発展したが、まもなく解消され、復縁をしつこく迫っていたという。
《画像》「復縁を迫ったが…」逮捕された茶髪で塗装工の19歳“元カレ”の画像、父親は「どこにでもいる普通の子」と語っていた
SNSで出会ったセンパイ、事件当日に最初は花火をしていた
殺害現場や男の住む相模原市南区と座間市は隣接しており、佐藤さんと男の生活圏は重なっていたとみられる。社会部記者が解説する。
「2人は県立高校の同窓で2学年離れていますが、在学中は面識がなかったとみられます。男はTikTokの動画で佐藤さんの存在を知り、メッセージ機能を利用して『告白』、交際にこぎつけた。
しかし、交際関係は佐藤さんの申し出でまもなく解消され、納得できない男がたびたび呼び出しては復縁を迫っていたようです。事件のあった10日夜もそうした流れで、男は県警の取り調べに『最初は花火をしていた』と供述しており、実際に河川敷で花火の痕跡があったようです」
楽しい思い出でも語らおうと思ったのだろうか。しかし、真っ暗な河川敷での花火作戦は佐藤さんの冷めた心に再び火を灯すことはなかったようだ。
男は粗暴でイキがるようなタイプではなかったという。男の自宅アパート近くに住む女性はこう話した。
「あのお宅はお父さんもお母さんもごく普通で、会えば挨拶もするしっかりした方たちですよ。捕まった子は19歳の男の子でしょ? その子なら朝早く私服で出かけていくけど、会えばいつもニコニコと挨拶もしてくれる子ですよ」
「1年で3回ほど転職をしています」
別の女性住民は、容疑者が乳飲み子の頃から家族ぐるみで付き合いがあったという。
「私はあの子が赤ん坊の頃から知っているし、今もつき合いがありますけど本当に優しくていい子ですよ。だから今度の事件も、とっさのことだったんじゃないかとしか思えません……。
小さい頃は家の前で水遊びをしたりするのをよく見かけて、話もよくしました。その頃は、言葉遣いが悪かったり汚かったりしたら叱ったりもしましたが、素直に言うことを聞いてくれました。
地元の中学を出て、高校に進学したけど中退をしてしまったと聞いています。家の前で友達と一緒にいたりすることはたまにあったけど、暴力沙汰を起こしたり警察のお世話になった記憶もありません。
高校の時にできた彼女が家に遊びに来ているという話は聞いたことがありますが、実際に一緒にいるところは見たことありません。最後に彼を見たのは数日前の朝、仕事に出かけるところですよ。いつもの通りでした。最近女性問題で悩んでいるとも聞いたことなかったしね」
男の父親は12日、自宅で集英社オンラインの取材に応じた。
「息子は高校2年生の最初に中退しました。進級はできましたが勉強についていけなかったとか、先生と合わなかったとかが理由です。その後、土木・建築系の仕事を始めましたが、どれも1年とは続かず、3回ほど転職をしています。
今の塗装系の仕事は半年以上続いています。自分なりに働き先を探して、応募して面接を受けたみたいです。朝7時には自転車で勤務先に出かけ、夕方に帰ってきていました。
納期が近く忙しくなると帰りが夜遅くなることもありました。バイクの免許はありませんが、機械いじりは好きだったので、興味はあったかと思います」
「中学ではバドミントン部に所属していたが…」
父親は息子と佐藤さんが交際していたことは、全く知らなかったという。
「親から見て、いたって普通の子どもでした。事件のあった10日朝も仕事に出かけ、私が午後8時過ぎに帰宅したときには姿が見えず、12時前ぐらいに玄関がガシャっと開いたので、息子が帰ってきたんだと確認できました。
花火に行くことは知りませんでした。刑事さんが11日午前4時ごろに『とにかく話を聞きたい』と来られて、寝ていた息子を起こしました。そして外に連れていかれました」
プライベートに関しては、容疑者が父との会話で話題にすることはほとんどなかったという。
「ここ数年、思春期ならではというか、親に対する言葉遣いもそうだし、行動にしてもそうだし、年相応の感じではあったかなとは思います。タバコは吸っていましたが、タトゥーを入れたりはしていません。
妹とは普通に接していて仲良かったと思います。あと家にはお金を入れてくれていました。プライベートや交友関係は本当にわからないんですよね。でも、帰りが遅くなるときは連絡もくれるし、ご飯も朝は家でちゃんと食べてました。
(今回の事件は)理解もできないし、想像もつかなかったことですよね。補導歴など前歴などもありません。暴走族など非行グループへ参加したこともないはずです。でも、(免許なしに)バイクに乗っていたことも知らないし、私たちの知らないところで何していたかはわかんないです」
容疑者は、高校では勉強についていけずに中退したが、中学時代は活発だったようだ。父はこう続けた。
「中学ではバドミントン部に所属していて、頑張っていたそうです。学校も真面目に通っていました。高校に入ってからはアルバイトを始めたので、部活にも所属しませんでした。どこにでもいる、いたって普通の子なんです。そう育ててきましたから」
いたって「普通」の “先輩”につきまとわれ、ついには未来を奪われた佐藤さん。二人の間に何があったのか、捜査の進展が待たれる。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班