羽田空港で昨年1月、日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故は、旅客機の乗員乗客379人が全員脱出に成功した。運輸安全委員会が昨年末に公表した経過報告は「安全設計の想定を大きく超える」事故だったと分析した。2日で事故発生から1年。なぜ旅客機の乗員乗客は全員脱出できたのか。背景を報告書から読み解く。
昨年1月の事故では日航機は滑走路に接地した直後、前方に止まった海保機に乗り上げ、制御不能のまま約1700メートル滑走した。左右両エンジンは海保機の主翼にぶつかり損傷を受けたが、主脚が無事だったため、機体は横転しなかった。
衝突した2機の位置関係や機体構造の違いから、日航機のコックピットや客室にその後の非常脱出に支障が出るほどの損壊がなかったことも幸いした。事故の衝撃で身動きができなくなる負傷者もおらず、多くの乗客が機長や客室乗務員の指示に従い、冷静に行動した。379人が脱出したのは衝突から11分後、非常脱出の開始から7分後だった。
火災は両エンジンと主脚格納室付近から発生した。非常脱出中は客室内の延焼は免れたが、後方付近は相当量の煙が充満し視界も悪かった。全員が脱出した直後に客室内にも燃え広がり、約8時間半後に鎮火した。
炎上した日航機は、エアバスの最新鋭機A350-900型。軽量で強度も高い炭素繊維と樹脂の複合材を機体全体の53%に使用している。アルミ合金を多用した従来機と同等の耐久性、耐火性を持ち、ロールス・ロイス社製エンジンを搭載したことでも知られる。
ただ、羽田事故では燃えた複合材の粉塵(ふんじん)に、多くの消防士や鎮火後に現場入りした安全委の調査官がさらされた。粉塵防護の装備品も持っていなかった。経過報告によると、短期的には健康への影響も懸念されるという。
安全委は、被害軽減の観点から①2機の損傷状況②日航機による非常脱出③消火・救難-の状況分析を今後も進める。報告書は、事故が安全設計上の想定を大きく超えていたと指摘した上で「諸条件が違えば人的被害が拡大していた可能性がある」と分析した。(白岩賢太)
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避難所情報共有のID利用せず 46都道府県、防災システム
内閣府が地震や津波などの災害時に備え、国と都道府県・市町村で避難所の状況を共有するため全国の指定避難所を特定するために割り振った共通IDについて、長崎県を除く46都道府県が利用していないことが2日、各都道府県への取材で分かった。
共通IDは2022年に内閣府が整備。都道府県は自前の防災情報システムを改修する必要があるなどとして当面の対応を見送っている。大規模災害時の避難所の状況共有に遅れが生じ、自衛隊や災害派遣医療チーム(DMAT)などと一体となった救助・支援態勢の構築に時間がかかる可能性もある。
共通IDは「全国共通避難所・避難場所ID」。約7万4千カ所の指定避難所と約11万2千カ所の指定緊急避難場所に割り振った。
共通IDを使うことで指定避難所などの場所が特定され、国の防災システムと都道府県の防災システムが情報を共有しやすくなる。具体的には市町村が都道府県のシステムに避難所の開設時期や避難者の人数などを入力すると、国や県が情報を瞬時に把握できるため救助や支援に役立つ。
<独自>緊急時の管制手順、「着陸復行」システム優先に 羽田事故受け国交省がルール化へ
国土交通省は、航空機の滑走路誤進入を防ぐ監視システムが切迫時に警報アラートを出した際、管制官が直ちに「着陸復行(ゴーアラウンド)」をパイロットに指示する管制手順をルール化する方針を固めた。航空管制は人間の目視が基本だが、緊急時に限りシステムの異常検知を優先する。同省は関係規則を改正し、来年度中の運用開始を目指す。
2日に発生から1年を迎えた羽田航空機衝突事故では、誤進入を知らせる注意喚起が管制官の卓上画面に1分以上表示されていたが、これに気づいていなかったことが運輸安全委員会の調査で判明した。管制官がシステムの注意喚起に気づき着陸のやり直しを指示していれば、事故を回避できた可能性もある。
システムの名称は「滑走路占有監視支援機能」。過去に相次いだ誤進入事案の対策として平成22年度以降、国内主要7空港で順次導入されてきたが、羽田事故を受けて異常検知を音で知らせる聴覚的機能を追加。来年度中には、より切迫した状況下で警報アラートを発動する仕様が追加され、発動時には自動音声で「ゴーアラウンド」とパイロットに伝える。
ただ、この場合、管制官の指示が自動音声より遅れて発出されることが想定され、パイロットもどちらの指示に従うべきか迷う恐れがある。このため国交省は管制指示の混同を避けるため、管制手順のルール化が必要と判断した。
具体的には、管制手順を記した航空保安業務規程を見直し、「警報が発動した場合、直ちに着陸復行等を指示する」などと明記。緊急時の対応としてルール化する。
「安全で幸せな1年に」明治神宮、初詣でにぎわう 外国人観光客も
新年を迎え、2日も各地の神社は初詣客でにぎわった。明治神宮(東京都渋谷区)でも多くの参拝客が無病息災や家内安全を願った。
例年正月の時期に300万人が訪れるという明治神宮は新型コロナウイルス禍で参拝客が減少したが、コロナが落ち着き外国人観光客などが増え、コロナ禍前の水準に人出が戻りつつあるという。この日も境内まで長蛇の列をつくって手を合わせたり、お守りや縁起物を求めたりする人たちであふれていた。
神奈川県の会社員、山中宏樹さん(40)は「人が多いと思ったが、参拝はスムーズにできた。この1年は子どもとの時間を大切にしたい」と生後10カ月の長男を抱えながら話した。
ベトナム人留学生のブ・ミン・アインさん(23)は戦争や紛争が続く国際情勢を心配し「多くの国の人が安全で幸せに過ごせる年になってほしい」と願った。【宮城裕也】
青森空港が一時停電、大雪による倒木で高圧線が切断…6便が欠航
青森市の青森空港で2日午前10時55分頃、停電が発生した。同空港管理事務所などによると、停電は午後4時頃に解消したが、空港内では一時、2か所ある保安検査場のうち、1か所が使用できない状況となった。
東北電力ネットワークによると、停電は大雪による倒木で高圧線が切断されたためで、空港周辺の住宅など計約70戸でも停電が発生したという。
空港周辺は大雪に見舞われており、この日同空港を発着する6便の欠航が決まっている。
摩耶ロープウェー「刺激臭の液体まかれた」 6人体調不良 神戸
2日午後3時ごろ、神戸市灘区摩耶山(まやさん)町の「摩耶ロープウェー」の星の駅の駅員から「ゴンドラ内で刺激臭の液体をまかれた」と119番通報があった。神戸市消防局と兵庫県警灘署によると、ゴンドラは同駅から「虹の駅」行きで25人が乗っていたが、全員がすぐに降りたという。6人が体調不良を訴えたが、重症者はおらず救急搬送はされていない。
摩耶ロープウェーは、ショッピングセンターの運営などをする「こうべ未来都市機構」(神戸市)が運営。摩耶山の山の上とふもとをロープウエーとケーブルカーで結んでおり、神戸の市街地が一望できる観光コースとして人気を集めている。【中尾卓英】
餅を詰まらせ東京都内で男女7人が救急搬送、板橋と練馬で2人死亡…「小さく切りゆっくり食べて」
東京消防庁は2日、元日から2日午後3時までに都内で20~80歳代の男女7人が餅を喉に詰まらせて救急搬送され、このうち70~80歳代の男性2人が死亡したと発表した。
発表によると、死亡した70歳代の男性は1日午後0時40分頃、板橋区の自宅で餅を食べた際に喉に詰まらせ、家族が119番した。2日午前8時55分頃には、練馬区の80歳代の男性が病院に搬送され、その後、死亡が確認された。
正月は餅を食べる機会が多く、同庁は「餅を小さく切り、急がずにゆっくり食べてほしい」と注意を呼びかけている。
皇居内トイレに落書き疑い=一般参賀中、男逮捕―皇宮警察
皇居内のトイレに落書きをしたとして、皇宮警察は2日、器物損壊容疑で造園業の男(46)=神奈川県座間市=を現行犯逮捕した。容疑を認めているという。
この日は皇居・宮殿東庭で新年一般参賀が行われ、トイレは参賀者が退出する道筋にあった。男は参賀者として皇居に入ったとみられ、皇宮警察は動機などを調べている。
逮捕容疑は2日午前10時35分ごろ、皇居内にある蓮池参集所近くのトイレ設備のパイプに落書きした疑い。トイレ前のマンホールにも落書きがあり、皇宮警察は関連を調べる。
[時事通信社]
【速報】6人が気分不良訴える 摩耶ロープウェイ「ゴンドラ内で刺激臭の液体まかれた」との通報 神戸・灘区
神戸市消防局によりますと、2日午後3時ごろ灘区摩耶山町にある「摩耶ロープウェー星の駅」で「ゴンドラ内で刺激臭の液体をまかれた」と駅員から通報がありました。
6人が不調を訴えていて、全員意識はあるということです。
警察によりますと、当時25人ほどがゴンドラに乗っていたとみられます。
これを受けロープウェーは運休しています。
週間天気予報 Uターンラッシュに寒気影響 仕事始めは広く雨の予想
4日頃に寒気ピーク Uターン影響注意
年始は4日(土)頃にかけて冬型の気圧配置が続きます。寒気の流れ込みのピークは4日(土)頃で、このタイミングでは北日本だけでなく北陸や山陰なども寒気の影響を受け、日本海側を中心に一時風雪が強まる可能性があります。Uターンラッシュに影響がでる可能性があるためご予定のある方はご注意ください。
太平洋側は晴れる日が多いものの、東日本や東北では1月3日(金)頃に気圧の谷の影響を受けて雲が広がる見通しです。4日未明に見頃となる「しぶんぎ座流星群」の観測にも影響がありそうです。
仕事始めは広く雨の可能性
仕事始めの方が多い6日(月)から7日(火)に、低気圧が日本海と太平洋をそれぞれ東進し、冬型の際に晴れることが多い地域でも天気が崩れる可能性があります。寒気の流れ込みは弱まるため、東日本や西日本の平地では雪ではなく雨の見込みです。
来週中頃からは再び冬型の気圧配置となるため寒気が流れ込み始めます。降水の範囲や雪や雨かの予想が難しくなっていますので、今後の情報にご注意ください。
日々の気温差にも注意
北日本ではしばらく気温が平年並みか低めの日が続く予想です。初詣などへ出かける際は例年以上に寒さがつらくなりそうです。
東日本や西日本は3日(金)頃までは平年並みか高めですが、4日(土)~5日(日)は平年より低い所もありそうです。晴れる日の朝は一段と冷え込みが強まり、西日本の市街地でも0℃前後まで最低気温が下がる可能性もあります。路面凍結などにご注意ください。
また、6日(月)~7日(火)には所により気温が上がる可能性があります。日々の寒暖差にもご注意ください。