自民党内で、旧派閥の枠組みを基にした議員同士の会合が活発になっている。新たなグループ化や、派閥の再結集などにつながるかどうかが注目される。
旧茂木派(平成研究会)に所属した衆院議員十数人は30日、国会内に集まって一緒に昼食をとった。先の党総裁選で5位だった茂木外相を支えたメンバーで、鈴木貴子・党広報本部長らを中心に今後も定期的に会合を開く予定だ。
これとは別に、旧茂木派の参院側では、新たな勉強会発足に向けた動きが出ている。解散した「参院平成研究会」のメンバーらが中心になるとみられ、衆院側とは一線を画す構えだ。
29日夜には、総裁選で3位だった林総務相の慰労会が東京都内で開かれ、旧岸田派の小野寺五典税制調査会長ら約30人が出席した。総裁選で林氏支持を鮮明にしなかった岸田文雄・元首相の姿はなかった。
党内で唯一の派閥である麻生派は、鈴木幹事長らが要職に起用されて主流派となった。同派が存在感を増す中、派閥や政策集団が再び自民内で注目を集めている向きがある。
同派は30日、国会近くで定例会合を開き、会長の麻生副総裁は「高市外交は良いスタートを切った。内政でも一つひとつ結果を出していかなければならない」と述べ、結束を呼びかけた。
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4カ所の銃創、山上被告の発砲と「矛盾しない」…解剖医が証言、「第三者犯行説」を否定
令和4年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判第3回公判が30日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれ、安倍氏を司法解剖した奈良県立医科大の粕田(かすだ)承吾教授の証人尋問が行われた。事件を巡っては「別方向から狙撃した真犯人がいる」といった言説があったが、計4カ所のいずれの銃創も、被告の放った弾丸によるものとみて「矛盾しない」と述べた。
こうした言説が生まれたきっかけは、安倍氏の治療にあたった救命医が事件当日の記者会見で述べた所見と、奈良県警が翌日発表した司法解剖結果の齟齬(そご)だった。
救命医は「首から入った弾丸によって心臓の壁に大きな穴が開いた」と説明した一方、県警は「左上腕部から入った弾丸で左右鎖骨下動脈を損傷したことによる失血死」とした。腕から入った弾丸は体内で発見されておらず、首から弾丸が入った角度を疑問視する一部見解もあり、「第三者犯行説」につながったとみられる。
この日の証人尋問で粕田氏は、弾丸による傷は4カ所と指摘。左上腕と右前頸部(けいぶ)から体内に入った2発による傷と、前頸部と胸の傷だった。
左上腕に当たった弾丸は体内を右胸腔(きょうくう)まで約30センチ進み、心臓に近い左右の鎖骨下動脈を傷つけた。粕田氏は、損傷による大量出血で多臓器不全に陥り、「即死に近い状態だった」と指摘した。見つかっていない弾丸については、救命措置を行う中で「胸腔内の血液を吸引したときに一緒に吸引された」と推測した。
一方で、首に当たった弾丸は体内で右胸を通り、右の上腕骨にめり込んで止まっていたと指摘した。この傷を巡っては、道路上にいた被告が台に立って演説していた安倍氏を「下から上方向」に撃ったのに、弾丸の進み方は首から腕という「上から下方向」で、向きが食い違う-と一部で疑問視する声があった。
しかし、安倍氏は撃たれた際にマイクを右手で持ち、肘が上がった状態だった。粕田氏は「姿勢によっては(弾丸の進む方向は)横方向だ」と強調。被告の手製銃による傷だとみて「矛盾しない」と述べた。さらに、この弾丸は重要な血管を損傷しておらず、致命傷にはつながらなかったとした。
粕田氏はこのほか、左胸の打撲擦過傷は、胸ポケットに入れていた議員バッジに弾丸が当たり、粉砕された衝撃によるものだと考えられるとも指摘。検察側は今後、バッジを法廷で示すとした。
公判では弁護側も殺人罪の起訴内容を認めており、複数犯かどうかという争いはない。その中で、銃創と被告の犯行を結びつける質問を丁寧に重ねたことについて、検察関係者は「〝陰謀論〟を意識しているわけではないが、裁判員、ひいては世間の人たちが持つかもしれない疑問は解消していく必要がある」と述べた。
みらい党首、比例定数削減に反対=れいわ幹部も批判
チームみらいの安野貴博党首は30日の記者会見で、自民党と日本維新の会が合意した衆院比例代表を念頭に置いた議員定数の1割削減に反対を表明した。「われわれみたいなスタートアップ政党が出てこられなくなってしまう」と指摘。規模の大きい政党でも新人の当選が難しくなるとの認識を示した。
れいわ新選組の高井崇志幹事長も会見で、衆院議員定数削減について「少数政党、うるさい政党にダメージを与えるもくろみでやっているのだろう」と批判した。 [時事通信社]
ライフル銃でのクマ駆除、対応の警察官は機動隊員ら想定 警察庁検討
警察庁は30日、警察官が人の生活圏でライフル銃を使ってクマを駆除できるようにする方向で検討していると明らかにした。クマによる人身被害の深刻化を受け、踏み込んだ対策が必要と判断した。実際に対応にあたるのは都道府県警の機動隊員らを想定している。
木原稔官房長官は30日の記者会見で「クマに関する知識を習得し訓練した警察官の確保や、装備・資機材の整備なども含め、ライフル銃を使用したクマの駆除について早急に対応していく」と述べた。
駆除では、自治体判断で猟友会のメンバーらが発砲できる「緊急銃猟」が始まっているが、ハンターの人手不足が指摘されている。
緊急銃猟とは別に、警察官職務執行法では、クマなどの鳥獣が人里に現れて具体的な危険が生じ、特に急を要する場合に、警察官は発砲できると規定されている。ところがクマは皮下脂肪の厚さや頭蓋(ずがい)骨の硬さなどから、拳銃では致命傷を与えられないため、これまで拳銃は発砲してこなかった。
人身被害の拡大で、クマの捕獲活動を強化する必要があることから、威力があるライフル銃を取り扱う技術がある警察官による駆除の検討を始めた。
ライフル銃などの特殊銃の使用に関する現行の国家公安委員会規則では、クマの駆除は目的に含まれていない。警察庁はこの規則を見直すなどの対応を検討する。【深津誠】
トランプ氏の核実験指示に被爆地抗議 長崎市長「断じて容認できぬ」
トランプ米大統領が30日、国防総省に核実験を開始するよう指示したと明らかにしたことに対し、被爆地からは激しい怒りと抗議の声が上がった。
2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員で広島県原爆被害者団体協議会理事長の箕牧智之(みまき・としゆき)さん(83)は「核兵器を使ったらどうなるかは広島、長崎の被爆者が一番よく知っている。核兵器は一発たりとも使ってほしくないし、作ってほしくない」と強調した。トランプ氏のコメントについて「アメリカが世界で優位に立つことを強調しようとしている」と感じたという。今月、来日した際に被爆地を訪れなかったことについても「最初から被爆の実相を知ろうとしていなかったからではないか」と批判した。
15歳の時に被爆した広島市安佐南区の切明(きりあけ)千枝子さん(95)は「恐ろしい。私の友達もいとこも、けが一つないのに高熱を出し、血を吐いて亡くなった。核兵器がどんなに恐ろしいか、実態を知ってほしい」と話した。在日韓国人2世で、女学校1年の時に被爆した広島市西区の朴南珠(パク・ナムジュ)さん(93)は被爆後、乳がんや皮膚がんなどに苦しんだ。「後遺症は本当にひどく、家族を含めてずいぶん苦労した。核兵器によってどんな苦しみを受けて生きてきたか、トランプさんに言いたいくらいだ」と語気を強めた。
平和記念公園(広島市中区)を訪れていた岡山県の女性会社員(31)は「核兵器を持つ国同士がけん制し合い、戦争を防げるという考え方があるが、核実験は絶対にしてはいけないと思う。日本の首相はそのことをしっかり訴えるべきだ」と述べた。
米カリフォルニア州から旅行で広島を訪れた米国人女性(30)は「アメリカ社会は今、分断している。核兵器に反対する人もいるが、トランプ(大統領)を支持する人も多く、これからどうなるのか心配」と話した。そのうえで「核軍備増強に賛成する人こそ、広島に来て原爆の惨状を知ってほしい」と望んだ。
長崎市の被爆者で元小学校教諭の山川剛さん(89)は「核実験に対する抗議は50年以上しているが、核保有国が核政策を維持する限り核実験はなくならない。(核実験開始の)意思を表明しただけでも到底許せない」と憤った。この日も小学生を前に被爆体験の講話をしており、「子供たちが核兵器を考える基礎となる講話を続けることこそ、トランプ氏に対する抵抗だ」と語気を強めた。
被爆者団体「長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会」の川野浩一議長(85)は「我々の常識ではとても考えられない発言だ。我々はいかなる核実験にも反対する」と語った。
長崎市の鈴木史朗市長は、この日の定例記者会見で「核兵器のない世界を実現するため血のにじむような努力を続けてきた被爆者や世界中の人々の思いを踏みにじる行為で、断じて容認できない」と批判し、指示の即刻撤回を求めた。
日本被団協の浜住治郎事務局長も30日、「核実験の実施表明に強く抗議する」との談話を発表した。
談話では、核実験の実施は米国も参加する核拡散防止条約(NPT)で義務づけられた核軍縮に逆行すると指摘。「核兵器のない平和な世界を求めて努力している各国に真っ向から反対するものであり、到底許すことはできない」と抗議した。【井村陸、武市智菜実、根本佳奈、尾形有菜、樋口岳大、稲垣衆史】
森山氏、税調インナー退任=自民
自民党の森山裕前幹事長が、党税制調査会の非公式幹部会合(インナー)のメンバーを退任し、上月良祐参院議員が新たに加わったことが30日、分かった。党税調幹部が明らかにした。
森山氏は、財務省の政務官と副大臣を歴任し、財政規律派として知られる。高市政権発足後、インナーのメンバーには山際大志郎元経済再生担当相や西村康稔元経済産業相ら商工族が新たに入り、経済成長を重視する「高市カラー」が色濃くなっている。 [時事通信社]
日韓関係、未来志向の発展確認=高市首相、李大統領と初会談
【慶州(韓国)時事】高市早苗首相は30日夕、韓国の李在明大統領と同国南東部・慶州で初の首脳会談を行い、両国関係を未来志向で安定的に発展させていくことで一致した。ロシアと軍事協力を強める北朝鮮などへの対応を念頭に、米国を含めた日米韓3カ国が連携していく重要性を確認。首脳が相互に訪問する「シャトル外交」を引き続き推進していくことも申し合わせた。
会談は予定の20分を超え、約40分間行われた。高市氏は「築き上げてきた基盤に基づき、日韓関係を未来志向で安定的に発展させていくことが両国にとって有益だ」と指摘。李氏は「経験を共有して協力できれば、国内問題だけではなく国際的な問題もうまく解決していける」と強調した。
高市氏は「シャトル外交を活用し、しっかり意思疎通したい」と伝達。李氏は石破茂前首相による9月末の韓国・釜山訪問を踏まえて「次は東京ではなく日本の地方都市で会いたい」と希望し、高市氏は前向きに検討する考えを示した。
高市氏は北朝鮮の完全な非核化に向けた日米韓の連携、拉致問題解決の重要性を指摘した。韓国大統領府によると、歴史認識に関するやりとりはなかったという。
会談後、高市氏は「隣国ゆえに立場の異なる諸懸案はあるが、リーダーシップで管理していく」と記者団に語った。 [時事通信社]
山口大、来年度入学の学部生から授業料2割値上げ…修士課程は27年度入学者から
山口大(山口市)は30日、2026年度に入学する学部生から授業料を2割値上げすると発表した。授業料は現在の年間53万5800円から64万2960円となる。国からの交付金の減少や物価高騰による経営圧迫が主な理由という。
国立大の授業料は文部科学省令で定められ、05年度以降は現在の標準額(53万5800円)で据え置かれてきた。しかし、各国立大は標準額から最大2割まで増額が可能で、19年度以降、首都圏を中心に東京大など複数の大学が授業料を値上げした。西日本の大学では山口大が初めてという。
今回の改定では、大学院修士課程などでも27年度の入学者から2割値上げする。一方で、修士課程を修了して博士課程に進む人や在学生の授業料は値上げしない。改定に伴う増収は初年度で1億6000万円程度を見込んでいる。
この日の記者会見で、谷沢幸生学長は「将来にわたって大学の魅力を高め、学びの環境を作ることにつながる」と理解を求めた。一方、十分な説明がないとして、学生有志が反対署名を谷沢学長に手渡した。
列島震撼、西日本にも広がるクマの脅威 京都・嵐山にも出没「目撃は長い間なかった」
東北など東日本を中心にクマによる被害が多発する中、西日本各地でもクマの出没が相次ぎ、一部では負傷者も出ている。市街地に出現する「アーバンベア」が課題となる中、国内外の人でにぎわう観光地の周辺のほか、生態エリアとされていなかった場所でも出没があり「経験不足」の自治体は対応に苦慮。研究機関の担当者はクマと人間の棲み分けを進め、遭遇するリスクを減らす対策が重要と指摘している。
世界遺産の寺院や渡月橋などの名所で知られる京都市の嵯峨嵐山やその周辺では今月24~28日、8件の目撃情報が市に寄せられた。観光客でにぎわう「竹林の小径(こみち)」付近でも出没したという。
「目撃は長い間なかったので驚いた」と嵐山商店街の石川恵介会長。商店街に注意喚起をしたり、クマを寄せ付けないようゴミをこまめに片付けたりし、警戒を続けている。京都市は観光客への周知も検討している。
京都府によると今年度の目撃情報は30日時点で919件。8日には舞鶴市の民家近くで男性が襲われ負傷する事案があった。
気がかりなのが、府南部での目撃情報の増加だ。生態エリアとされていなかった木津川市では5月、府が記録を始めた平成19年以降、初めての目撃例があった。その後もクマらしき動物を見たという通報が相次いでいる。
木津川市によると、クマはどこから来たか分かっておらず、市民からは捕獲を求める意見が多数寄せられている。しかし、人に危害を加えていない個体への対応には限界がある。国のガイドラインが、そうしたクマはわなで捕獲して人への恐怖を学ばせ、山奥に放つよう規定しているためだ。ただ市内に山深い地域が少なく、放獣は住民や周辺自治体の同意を得られにくい。現時点では小中学校の児童生徒にクマよけの鈴を配ったり、目撃情報を周知したりするなどの対応にとどまっている。
関西一円で目撃情報が増えている。兵庫県豊岡市では4、5月の目撃情報が昨年同期の約2倍に達した。5月には農作業中の男性が襲われる被害もあった。大阪府高槻市や和歌山県串本町、奈良市などでもクマとみられる動物を含めた目撃情報がある。
自治体の危機感も高まっている。神戸市は昨年度、山間部の野生動物を対象とした監視カメラを約100台増設。映像を人工知能(AI)で分析し、クマやシカを自動検知するシステムを導入している。クマの検知例はまだないが、市は「侵入や定着を未然に防ぐため警戒を続けたい」とする。
続出するクマ出没の背景には、猛暑で餌となるドングリが育たず山を下りてくる個体の増加に加え、農村部の人口減少、耕作放棄地の拡大などがあると指摘されている。兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)の河野賢治・森林動物専門員は「クマを寄せ付ける不要な果樹の伐採や、農地への電気柵設置などでクマを人に遭遇させない対策が必要だ」と述べた。(東九龍、小野田銀河)
祖谷のかずら橋で70代男性が転落し死亡 「10mほど下で男性が倒れている」と119番通報 徳島・三好市
観光地としても有名な徳島県三好市の吊り橋「祖谷のかずら橋」で70代とみられる男性が転落し、死亡が確認されました。
消防によりますと、30日午後3時10分ごろ、橋の近くを通りかかった人から「10mほど下で男性が倒れている」と119番通報がありました。
救急隊が到着した際、70代とみられる男性が橋の近くの川岸に倒れていて、その場で死亡が確認されました。
警察によりますと、男性は橋の南側部分から転落したということです。現場には観光で訪れていたという情報もあり、警察は男性が誤って転落した可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べています。