結局、行かないのか──。石破首相はトランプ米次期大統領との会談について、今月20日の就任式の前には行わない方向だと、昨年末の30日に新聞テレビが一斉に報じた。トランプ氏側から、今月中旬なら会談に応じられるとの連絡を受け、訪米を調整していたとされるが、どうやら見送るようだ。「就任前では十分な成果が得られない」「就任後に落ち着いて正式な首脳会談を開く方が双方にとって望ましい」と判断したなどと解説されている。
「外務省の審議官クラスには、『行くチャンスがあれば行った方がいい』という意見もありました。しかし、どういう形で会えるかが大事。多人数の場所で短時間会うだけなら意味がない。急ぐのは得策ではないという判断なのでしょう。石破氏は早期に中国にも行きたいと考えているようで、訪中より先に訪米したい。就任式後の早い時期、2、3月ごろの訪米を調整するとみられます」(ジャーナリスト・山田惠資氏)
石破首相は、昨年11月の南米訪問の帰途に米国に立ち寄る形でトランプ氏との会談を模索したが、その際は「就任前は法律上の制約から他国の首脳と会わない」と突っぱねられていた。しかし、トランプ氏は先月15日に安倍元首相の妻・昭恵氏に面会すると、翌16日の記者会見で、就任前の石破首相との会談について「あり得る」と態度を一変させていた。
■どちらに転んでも…
2月以降の訪米で再調整ということだが、就任直後のトランプ氏が日本に構っていられるのかどうか。石破首相にしても、少数与党のため来年度予算案の成立に苦慮するのは必至で訪米するチャンスがあるのかどうか。そうなると、5月の大型連休か、下手したら6月のG7サミットまで会えない可能性もある。やっぱり就任前に会う方がよかったのか。
「会わないと『トランプ氏は昭恵氏とは会ったのに』と保守派や野党から批判される。会ったとしても、日米地位協定見直しの話を出せなかったり、高い注文を付けられたりとトランプペースになったら批判される。どちらに転んでも石破さんにはマイナスでしょう」(山田惠資氏)
国際ジャーナリストの春名幹男氏もこう言う。
「石破首相は何事にも慎重ですから、トランプ氏に積極的には会いたくないのでしょうね。もちろん、早い訪米が必ずしも成功するわけではない。いま訪米しても、トランプ氏が喜ぶような土産もない。一方、トランプ氏も記者に質問されたので『会ってもいいよ』と答えただけで本心はよくわからない。ただ、トランプ氏のことですから、1月中旬なら可能と伝えたのに来なかった、とへそを曲げる可能性はある」
石破の対米外交……先が思いやられる。
投稿者「F.Krueger」のアーカイブ
「日本のお正月」を日本人以上に楽しんでいる…観光客でも留学生でもない「日本語が話せない中国人たち」の正体
近年、日本で急速に中国人が増えているのをご存じだろうか。出入国在留管理庁の統計によると、2010年の在日中国人は約68万7000人だったが、23年には約82万2000人にまで増加した。在住者の資格は「永住」や「留学」ビザ、その他、会社員が取得するビザの保有者が全体の約7割を占めている。
だが、昨今、増えているのは「留学」でも「就職」でもない人々だ。彼らは「経営・管理」などのビザを取得して来日しているが、彼らの場合、従来の在日中国人とは大きく異なり、日本語がほとんどできない。日本に対する「興味」「憧れ」「愛着」などはなく、ただ「中国から脱出したい」という理由で、日本にやってきたからだ。
しかし、彼らと話してみると、意外にも「日本語が話せなくて困った」という話はあまり聞かない。また、「日本語が話せないから日本移住を躊躇した」こともないようだ。かつてなら、まず中国の学校で日本語を学んだり、来日後に日本語学校で日本語を学んだりしてから日本社会に入っていくという人が多かったが、現在では、そうした「手順」を踏まないで、いきなり日本移住する。
しかも、その後も、日本で生活するのに、日本語を学ぼうというモチベーションは低い。「日本語が話せない」ことは移住のハードルにはならないようなのだが、その理由は何なのか。
まず、日本は漢字を使用する、中国以外では唯一の国で、漢字を見ればだいたいの意味を理解することができるという点が大きい。町を歩いていても、看板や標識も漢字が多いのでたいていのことは推測できる。それはもちろんずっと以前からだったが、最近では、誰かと会話しなければならない場面でも、スマホに翻訳アプリを入れておけばいいし、タクシーに乗って行き先を説明することも可能だ。漢字だけで筆談もできる。この点は欧米人にはできないので、中国人ならではの利点だ。
次に、在日中国人の手助けがあることが非常に大きい。近年の移住者を除いたとしても、在日中国人は70万人以上おり、彼らが日本での経験を活かし、案内役となってくれる。それを可能にしてくれるのが中国のSNSだ。
以前も、在日中国人の友人がいればその人を頼っていたことは同じだったが、SNSの時代になって以降、見ず知らずの同胞(中国人)とのやりとりも可能になった。それが「日本語が話せなくても」まったく困らないことを後押ししている。
来日後、不動産の賃貸や購入も中国系不動産会社の中国人社員が担当してくれるし、身の回りのことも、中国系不動産会社や中国人の行政書士などに相談すれば、それに詳しい在日中国人を紹介してくれる。中国のSNS、ウィーチャットで問いかければ、知りたいことの大半は1時間以内に解決できるといっていい。
「経営・管理」ビザで来日すると日本で事業を行う必要があるが、それについても、在日中国人の友人や、コンサルタント、知り合いなどのツテで準備を進めることができる。飲食店などを開業したとしても、中国人のアルバイトや運転手を雇えばいい。いまの日本には、富裕層、中間層、労働層と、あらゆる階層の中国人が住んでいるからだ。
以前の記事〈なぜ「日本語が話せない」在日中国人が急増しているのか…国内にじわじわ広がる「巨大中国経済圏」の実態〉でも紹介したが、すでに日本に定住している在日中国人同士も、彼らだけでビジネスのネットワークを築いている。
たとえば、中国人の顧客(家主)からマンションのリフォームを依頼された中国人の建築リフォーム会社は、中国人が経営する建築資材会社から資材を購入してリフォームを行い、中国人顧客に納品する、といったように、日本に住んでいながら、日本人を一切介さずに仕事を完結している。
インバウンドでも、中国人旅行客から依頼を受けた在日中国人が空港まで迎えに行き、観光案内、病院での検診、通訳などもすべて行い、中国人経営の民泊に泊まり、知り合いの中国人のガチ中華料理店で食事をする、という形態だ。
近年来日した人々も、このように、日本にすでに出来上がっている中国経済圏の中に入り込めばいいだけで、それは同じ言葉が通じる中国人同士なので簡単だ。中国経済の悪化から、中国では儲けが薄くなっているため、資金を日本に移し、日本で、日本語が堪能な在日中国人と組んで、新たなビジネスを始める人も多い。
中には「経営・管理」ビザではなく、ホワイトカラーが取得する「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得して、日本で就職しようとする人もいるが、彼らは日本企業ではなく、日本の中国系企業に就職するため、日本語が話せなくても全然問題はないのだ。日本には、中国人社長の上場企業も少なくとも30~40社はあるし、中小企業を含めれば無数にある。
余談だが、2~3年前に取材した20代の中国人男性は、都内の私立大学を卒業後、池袋にある中国系チェーン店に入社。いきなり幹部となり、店舗の運営などを任されていた。私はその店舗でその男性と知り合ったが、日本語は少ししかできなかった。
日本の大学を卒業しているのにおかしいな、と思ったが、聞いてみると、大学のゼミの教授も中国人、同級生も中国人ばかりで、在学中に知り合ったチェーンの経営者の会社にコネで就職したという話だった。
東京・高田馬場には中国人が経営する大学受験予備校が多数あるが、そこで、日本の大学の合格ノウハウを中国語で教えてくれる講師も、現役の中国人大学生だから、日本語のレベルが低くても、どこかの大学に合格できるのだろう。
以前なら、日本の大学を卒業したら、日本の一流企業に就職し、日本に定住するというのが、留学生のひとつの成功パターンだったが、現在では、日本人大学生と一緒にあくせく就活しなくても、日本の中国系企業に就職すればいいと考える人も増えている。中国に住む親が資金を提供してくれる場合は、「留学」ビザから「経営・管理」ビザへと切り替えて、大学卒業後に独立し、経営者になることも可能だ。
このように、「日本語が話せない」ことは、日本移住のハードルにならない。それどころか、そもそも日本語を話す必要がないという環境がこの日本国内に整っている。あるいは、日本語を話すシチュエーションがほとんどない、という状況になってきているともいえる。
先日、中国で日本語教師として働く知人が「以前は日本語をしっかり学んで日本の大学院に進学したり、日本の企業に就職したりするという『日本留学組』がいた。日本語を学ぶことは、英語を学ぶことと同様、将来の仕事にプラスになると考えてコツコツ学ぶ人が多かったが、いまは全然違う。日本語を学ぶ、学ばないは日本移住と相関関係がない」と話していたが、その通りとなっている。これもSNSの力、そして、在日中国人の人口の多さから可能となっていることだ。
そのため、日本のお正月(年末年始)や中国の春節(旧正月)時期に中国に帰省しなくても全然寂しくない、といった現象も起きている。「日本のなかの中国」で生活が成り立っているので、お正月のパーティーで食べる中華食材や中華調味料、中国酒もすぐにSNSで調達できるし、春節気分も、日本のガチ中華の店で十分に味わえるからだ。春節前夜に中国で放送される国民的テレビ番組「春節連歓晩会」(略して「春晩」)も、ネットで視聴できるので、中国に住んでいる友だちとも情報を共有できる。
中国に帰省すれば、空港や駅の民族大移動の大混雑にぶつかってしまうし、親戚にお土産を配らなければならないなど面倒なことが多くて疲れるが、日本にいる中国人の友だちと会っていれば気楽で、そうしたことに巻き込まれないで済む。
中国に住む家族や両親も、中国国内ならば、何としても帰省して親に顔を見せろ、とうるさくいうだろうが、日本にいれば「日本の仕事の都合」や「航空券の高さ」などを理由に帰省できない、と言い訳することができる。
日本は中国から適度に離れている「外国」だが、日本にも中国人コミュニティが成り立っているので、お正月の三が日に店が閉まっていても「つまらない。寂しい」といったこともないのだ。それどころか、日本でいう県人会のようなものが存在し、「黒竜江省〇〇市同郷会」や「北京の〇〇大学同窓会」なども、大型連休中に行われたりするので、逆にふだんよりも彼らは忙しいくらいなのだ。
だが、ここまで日本に中国人コミュニティが出来上がっていると、日本の社会を知り、日本のルールやマナーを守ろうという意識も希薄になるのではないかという懸念がある。マイノリティーであれば、その影響力も少ないかもしれないが、82万人といえば日本の一都道府県に相当する人口だ。
「赤信号、皆で渡れば怖くない」という言葉もある通り、日本語を理解しない中国人の数が増えることによって、結果として、日本社会でのルールやマナーを守らない中国人が増えていくことも考えられる。
ヨーロッパの小国、オランダでは、永住権を取得したり、長期滞在したりするためには、オランダ語の読み書きやスピーキング、オランダの社会常識について出題される「市民化テスト」というものを受験し、それに合格する必要があるという。
日本も今後、中国人に限らず、海外からの移住者が増えることが予想されるが、日本に住む外国人には、日本語ができなければならないといった決まりや条件はなく、不動産購入も、日本は外国人に制限をかけていない。
いったん、正式な在留資格を得てしまえば、日本語ができなくても日本人と同等の権利や自由が与えられ、日本国籍を取得することも可能だが、それが果たして、日本にとって本当によいことなのだろうか、と考えさせられる。
———-
———-
(フリージャーナリスト 中島 恵)
Uターンの混雑がピークに 9連休も終盤、鉄道も空も満席
最長で9連休の年末年始休みが終盤となった4日、古里や行楽地で過ごした人のUターンラッシュがピークを迎え、首都圏へ向かう鉄道や空の便は満席が相次いだ。各地の駅や空港はスーツケースを引く利用者であふれ「実家でのんびりできた」と満足げに話す人も。高速道路は午後にかけて渋滞が激しくなり、上り線を中心に長い車列が続いた。
土産袋を抱えた人らで混雑したJR仙台駅の新幹線ホーム。大阪府の男性会社員(36)は帰省先の盛岡市で休暇を満喫した。初めての雪遊びでかまくらをつくったという息子(4)は「楽しかった」と声を弾ませた。
新大阪駅は朝から家族連れの姿が目立った。堺市の祖父母宅に滞在し、弟や親戚とゲームやサッカーをしたという東京都西東京市の小学4年、金原丞志さん(9)は「いっぱい遊べた。東京に戻っても楽しい1年にしたい」と笑顔だった。
JR各社によると、東海道、東北、北陸新幹線は4日午後、上りの指定席がほぼ埋まった。全日空と日航の国内線は、羽田行きの便が終日ほぼ満席となった。
小田原の県道で事故 自転車に軽ワゴン車が追突 男性死亡
4日午前2時20分ごろ、神奈川県小田原市新屋の県道で、自転車に乗っていた近くに住む会社員の男性(57)が軽ワゴン車にはねられた。男性は頭などを強く打ち、搬送先の病院で死亡が確認された。
神奈川県警小田原署は同日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、軽ワゴン車を運転していた同市小台、運送業の男(33)を現行犯逮捕。容疑を過失致死に切り替えて調べる。
署によると、現場は片側1車線の直線。軽ワゴン車が追突したという。
ラッコのリロ、死ぬ 17歳 国内で飼育中のラッコは2頭に 福岡
福岡市東区の水族館「マリンワールド海の中道」は4日、同館で飼育していた国内唯一の雄のラッコ、リロが死んだと発表した。17歳で人間に例えれば70歳ぐらいだった。国内で飼育中のラッコは、鳥羽水族館(三重県鳥羽市)の20歳のメイと16歳のキラのいずれも雌の2頭のみとなった。
リロは、2007年3月に和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」での国内繁殖で生まれ、12年にマリンワールド海の中道に来た。餌の時間に飼育員の合図でポーズを決めるなどのパフォーマンスが人気で、休日のラッコプール前は多くの来館者であふれていた。
同館は24年12月27日、朝からリロに体調不良が見られたため、同日からの展示の中止を発表。元日に予定していた餌やり体験も中止となっていた。
国内の水族館でラッコの飼育が始まったのは1982年。ピーク時の94年には全国で計122頭が飼育されたが、米国やロシアからの輸入が途絶える一方、国内での繁殖も難しいため、飼育頭数は年々減少した。国際自然保護連合(IUCN)はラッコを絶滅危惧種に指定している。【松本光央】
「無断で家の中に入りました」 看護師の女が元交際相手の男性宅に住居侵入の疑い 北海道網走市
北海道・網走警察署は2025年1月4日午前2時40分ごろ、網走市緑町に住む看護師の女(25)を住居侵入の疑いで逮捕しました。
女は2024年12月29日午前10時57分ごろから午前11時35分ごろまでの間、オホーツク総合振興局管内の男性(20代)の自宅に侵入した疑いがもたれています。
警察によりますと、女と男性は元交際関係にあり、男性が被害を届け出たことで捜査が始まりました。
女は「無断で家の中に入りました」と容疑を認めていて、警察は詳しい状況を調べています。
「ストーブを切り忘れて1階から出火」住人が消防に通報 2階建て住宅火災で10代から40代の男女3人が病院搬送 札幌市西区
4日朝、札幌市西区の一軒家から火が出て、3人が病院に運ばれました。3人とも意識はあり、症状は軽いということです。
火事があったのは、札幌市西区福井8丁目にある2階建ての一軒家です。
4日午前6時すぎ、「ストーブを切り忘れて1階から出火した」と住人から消防に通報がありました。
消防によりますと、火はおよそ1時間後にほぼ消し止められ、この家に住む40代女性と20代男性、10代男性の合わせて3人が喉に痛みを訴えて、病院に運ばれました。
いずれも意識があり、症状は軽いということです。
警察と消防が、火の出た原因を調べています。
横浜・南区の京急線沿線で火事、11時間半運転見合わせ15万人影響 踏切警報機や架線の一部も焼く
4日午前2時35分ごろ、横浜市南区南太田2丁目、無職の男性(77)方で、炎と煙が出ているのを近くの住民が発見し、110番通報した。木造2階建ての住宅と車庫計約175平方メートルを全焼し、隣の住宅を焼いた。けが人はなかった。
現場は京急線南太田─井土ケ谷間の線路に隣接しており、踏切警報機や架線の一部も焼損した。京急電鉄によると、影響で横浜─上大岡間が約11時間半にわたり運転を見合わせるなどダイヤが乱れ、上下線で計304本が運休、約15万人に影響した。
南署によると、男性は2人暮らし。出火当時は家にいたが、すぐに避難したという。
近所の男性は「『バーン』という爆発音で目が覚めた。玄関のドアを開けたら、出火した家のガレージの辺りから火が上がっていたため避難した」と驚いた様子だった。
「総理在職日数ベスト10」で振り返る”昭和100年” 3位は吉田茂、2位は佐藤栄作で…1位は?
今年、2025年は昭和100年の年である。
この間、時代は昭和から平成、令和へと移り変わった。
そこで、昭和が始まった1926年からの100年間を振り返り、政界を牽引した歴代の内閣総理大臣のなかから、在職日数ベスト10をピックアップしてみた。
こうしてみると、長期政権を維持するには、総理大臣には就任の巡り合わせをめぐる運も多分に作用していることがわかる。
石破内閣の船出は、これ以上になく厳しかったが……。
大正天皇の死で「昭和」が始まったのは、1926年12月25日のことである。
【写真で見る】昭和初期、瞬く間に150万部のミリオン・セラー田河水泡作の漫画『のらくろ』
時の内閣総理大臣は若槻礼次郎。以来、現在の石破茂まで51人が内閣総理大臣を務めた。その平均在職日数は721日である(前総理の岸田文雄までを集計)。
では、在職日数が長かった総理は誰だろうか。
ベスト10で紹介しながら、昭和・平成・令和の100年を振り返る。
10位から順に見ていこう。
戦前・戦中に通算1000日以上在職した2人
10位 東条英機〔1009日〕
9位 近衛文麿〔1035日〕
在職日数の9、10位は、戦前の総理が並んだ。
貴族院議員出身の近衛文麿は、国民的人気を背景に戦前に総理の座に就きながら、日中戦争の拡大にも、日米開戦阻止にも有効な手を打てずに政権を投げ出した。
ヒトラー、ムッソリーニの全盛期に、近衛は親ファシズム的なキャラクターを売りに、「大東亜共栄圏」の確立を図るための「新体制運動」を推進、開戦時の東条内閣の商工大臣・岸信介も、同時代の革新官僚の一人として満州国の構築に携わった。
昭和15(1940)年に近衛が大政翼賛会を作り、大正デモクラシーの遺産を食い潰すように、憲政史上はじめて「無政党時代」に突き進もうとしたとき、昭和天皇は「まるで、むかしの幕府ができるようなものではないか」と警告したらしい(山本七平『昭和天皇の研究』参照)。
その近衛のあとをうけて総理になったのが、近衛内閣の陸軍大臣・東条英機である。
腰の低い東条英機は、ある時期まで昭和天皇のお気に入りだったらしいが、国民的人気はなかった。
戦時中、「米機撃滅」のスローガンは掲げられても、「英機撃滅」はタブー(不敬罪)という暗黙の国民的了解があったくらいだ。
東条は在任中、首相兼陸相兼参謀総長だったが、参謀本部に出向くときのみ参謀肩章を付け、自分なりにけじめをつけていたらしい。
軍人が総理大臣になった時代
だまし取った85万円を回収した疑い 沖縄県警、男2人を逮捕
沖縄県警は1日までに、県内に住む2人の女性からだまし取った現金85万円を回収したとして、いずれも那覇市に住む自称建築作業員の容疑者(32)と、自称建設作業員の容疑者(29)を詐欺と窃盗、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕した。県警は2人を特殊詐欺(預貯金詐欺)グループの「現金回収役」とみているが、捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
2人の逮捕容疑は、2024年9月19日午後6時40分ごろ、南風原町のコインランドリーで封筒に入って置かれていた現金85万円を回収した疑い。県警によると、この現金は昨年9月、複数の人物が共謀し、金融機関の職員を装って豊見城市の70代女性と八重瀬町の80代女性からだまし取った150万円の一部という。
県警は、防犯カメラ映像や既に逮捕されたグループの一員とみられる男の供述などを基に2人を特定。他にも関与した事案があるとみて捜査を進めている。