不法就労通報、茨城県が報奨金 全国最多も、差別助長の懸念

茨城県は2026年度から、不法就労する外国人に関する情報を募り、県警の摘発につながった場合に謝礼を支払う「通報報奨金制度」を始める。不法就労の外国人が全国最多という背景がある一方で、識者からは差別や偏見を助長し、監視を奨励する恐れがあるとの批判がある。
出入国在留管理庁によると、24年の全国の不法就労者は1万4453人。うち茨城県は3452人を占め、3年連続で最多だった。多くが農業に従事しているという。
県によると、寄せられた情報を基に県が事実確認し、事実と認められる場合のみ県警に通報する。不法に雇用する事業者に関する情報提供が増えると想定し、金額は1万円程度を検討している。都道府県による報奨金制度は珍しいという。
大井川和彦知事は18日の記者会見で「まじめにやっている労働者まで不安に陥れるような、身もふたもないような話には絶対にならない」と話した。
一方、人種差別問題に詳しい宮下萌弁護士は、外国人に対する偏見を県民に植え付け、差別を助長する恐れがあると指摘した。

外国勢力の情報活動、報告義務=自民素案、近く首相に提言

高市早苗首相が掲げる情報活動の強化に関し、自民党のインテリジェンス戦略本部がまとめた提言の素案が21日、判明した。米英などの「外国代理人登録法」が外国勢力の代理人に届け出を義務付け活動内容を報告させているとして、「同様の法的措置導入に向けた制度設計を進めるべきだ」と明記した。近く決定し、首相に提出する。
素案は外国勢力の諜報(ちょうほう)活動をけん制・摘発するため既存法に不十分な点がないか検証した上で、「必要があれば新たな立法を検討する」と記した。諸外国では防諜(ぼうちょう)のため、首相官邸など重要な政府施設に携帯電話を持ち込んだり電気自動車が乗り入れたりすることを禁じるケースが増えていると説明。日本でも「抜本的な見直しが求められる」と訴えた。
対外情報収集については、通信や電波、電子信号などを収集、分析する「シギント」能力の強化が「圧倒的に重要」と指摘。「必要な法制や実施体制の論点整理を進める必要がある」とした。人的諜報(ヒューミント)能力にも言及。外務省の国際テロ情報収集ユニットなどの人員や予算を拡充しつつ、対外情報庁(仮)の設置も視野に検討を進めると盛り込んだ。
また、中長期的な情報活動の在り方をまとめた「国家情報戦略」の策定を要請。政府が今夏設置する「国家情報局」のトップとなる国家情報局長を、次官級から政務官級に格上げするよう提案した。こうした能力強化の具体化に向け、夏をめどに有識者会議を設置することも求めた。
党戦略本部は小林鷹之政調会長が本部長を務める。スパイ活動防止に関する議論を続け、今夏にも新たな提言を取りまとめる。 [時事通信社]

予算3月中成立へ早くも攻防 与党「審議短縮を」、野党は反発

国会は連休明けの24日から、衆参両院で高市早苗首相の施政方針演説など政府4演説に対する代表質問を実施する。与党は衆院選に圧勝した「数の力」を背景に、2026年度予算案の3月中成立へ審議時間短縮を「予告」した。野党は、丁寧な国会運営と充実審議を求めて強く反発。本格論戦を前に、早くも与野党の攻防が始まっている。
政府は例年、1月召集の通常国会冒頭に予算案を提出し、衆参計2カ月程度の審議で3月末に成立させてきた。今年は通常国会冒頭で衆院が解散された影響で、提出が約1カ月遅れの2月20日となった。
首相は20日の施政方針演説で、自身が掲げる「強い経済」実現に向けて「迅速な審議をお願いする」と述べ、野党に協力を呼びかけた。
与党は26日までの代表質問終了後、翌27日にも衆院予算委員会を開き、予算案の実質審議に入りたい意向だ。衆院予算委の斎藤健・与党筆頭理事(自民党)は20日、野党筆頭理事の長妻昭氏(中道)に「3月13日衆院通過」の日程を提案し、審議時間は計58時間になると伝達。長妻氏は即刻拒否した。

昼の歌舞伎町「トー横」で42人補導 少女のカバンに薬140錠

歌舞伎町(東京都新宿区)の「トー横広場」周辺を居場所にする若者の間で、薬物の過剰摂取「オーバードーズ(OD)」が後を絶たない。警視庁は12~18日の昼間、12~19歳の少年少女42人を補導した。中学3年生の少女(15)のカバンから睡眠薬や精神安定剤140錠が見つかるなど、4人に薬物乱用の疑いがあったという。
警視庁によると、補導の理由は他に、喫煙(28人)や家出(5人)など。カバンの中に大量の薬が入っていた少女(15)は、酒も飲んでいた。喫煙をしていた別の中学生の少女(14)が「2日前にODした」と話すなど、ODの習慣を口にした少女らは4人以外にもいたという。
ODにより深酔い状態になることは「パキる」と呼ばれ、10代の中では軽いファッション感覚で薬を口にする実態がある。市販薬でも転売は医薬品医療機器法で禁じられているが、歌舞伎町では個人間での売買や譲渡が常態化しているとみられる。【菅野蘭】

在留外国人が最多更新の中、日本語学校の整備に遅れ…文科省認定校は全国で64校のみ

日本に住む外国人が過去最多を更新する中、日本語の学習環境の整備が課題になっている。国は日本語学校の審査を厳格化して質の向上を図るが、学校や教室自体がない自治体も多く、受け皿は広がっていない。専門家は「国と自治体が一体となって学習機会の増加を目指すべきだ」としている。(宇田和幸)
在留外国人最多395万人
「東大寺は奈良で有名なお寺です。かわいいシカを見てみたいです」。今月18日午前、名古屋市内にある日本語学校「ニューワールド国際学院」の教室では、18人の外国人留学生が、校外学習で訪れる予定の奈良市の魅力を日本語でスピーチした。
ネパール出身の19歳は2024年秋に来日した。当初はあいさつが分かる程度の日本語能力だったが、今ではアルバイトの採用面接もなんなくこなす。3月に卒業予定で、「短大に進学し、日本で介護の仕事に就きたい」と夢を語った。
同校は文部科学省から「日本語教育機関」に認定されており、生徒たちは「留学」の在留資格が得られる。バングラデシュやスリランカなど9か国・地域の計83人が、日本の大学や専門学校への進学を目指して学んでいる。地域住民との交流イベントや防災教育にも力を入れ、同校の三木忠晴学院長(58)は「進学だけでなく、地域に必要とされる人材を育てたい」と話す。
教育課程の編成「ノウハウない」
外国人が学ぶ日本語学校はこれまで、在留資格の審査を行う法務省が認可していた。法務省の所管する日本語学校(告示校)は24年末現在、全国に873校と10年前の約2倍に急増したが、在籍管理や日本語指導が不十分な学校も目立っている。
国は24年度に日本語教育機関認定法を施行し、所管が文科省に移行。進学や就職、生活など目的に応じた教育課程の編成や、国家資格の「登録日本語教員」による指導などの条件を義務づけた。
告示校は29年3月までに文科省の認定を受けなければ留学生を受け入れられなくなるが、認定校は現在全国で64校にとどまる。
北陸の語学学校運営会社は、認定校の新設を目指して文科省に2度申請したが、いずれも不認定だった。担当者は「告示校の運営はしているが、『教育課程の編成』と言われてもノウハウがない」と嘆く。
一方で、約1700人の外国人らが学ぶ千駄ヶ谷日本語学校(東京)では、教員8人がかりで1年近くかけて教育課程を練り、24年10月に認定された。新山忠和副校長(61)は「日本語学校は定員100人程度の小規模校も多い。教育課程の作成など認定に必要な人材や時間は限られる」と話す。
武蔵野大学の神吉宇一教授(日本語教育)は「日本語学校は、進学目的の『予備校』としての側面が強かった。新しい制度はコミュニケーションを重視しており、対応できていない学校がある。教育の質と学習機会のバランスが求められる」と分析している。
自治体38%「学習拠点なし」
日本語を学ぶ外国人の受け皿の確保や日本語教師の育成は急務だ。
日本で暮らす在留外国人は2025年6月末で過去最多の395万人を記録した。日本語学校などで学ぶ日本語学習者は24年度で29万人と、通信制高校の在籍者数に匹敵する。一方で、日常会話や生活ルールなどを学ぶ日本語の学習拠点がない「空白地域」は、全国の自治体の38・2%を占め、在留外国人は約17万人が住む。
学習拠点の偏在などで日本語教師の雇用環境も整っていない。文部科学省の調査では、24年度に活動した日本語教師約5万人のうち2万7000人がボランティアだった。
教育支援会社「エルロン」(東京)の石川陽子社長(44)は「職業として安定していなければ日本語教師の担い手は増えにくい。教師の処遇改善を日本語教育の質改善とセットで考える必要がある」と話す。
明治大学の山脇啓造教授(多文化共生論)は「大人の外国人に対する日本語教育は生活や子育て、地域社会に参加する力を育むという社会包摂の視点が重要だ。国や自治体、就労先の企業が連携する仕組みを整えることが求められる」と指摘している。

多摩川河川敷で火災、4万平米焼ける けが人の情報なし 東京・府中

21日正午ごろ、東京都府中市の多摩川河川敷で火災が発生していると消防に通報があった。火災は府中市小柳町6で発生していて、午後2時現在で消火に至っていない。
消防によると約4万平方メートルが焼けており、10台の消防車両が出動して午後1時過ぎに延焼が食い止められたという。けが人や逃げ遅れた人の情報はない。
警視庁府中署が出火原因を調べている。【白川徹、遠藤浩二】

万引き防止に最も効果のあったメッセージは? スーパーで実験 福島

福島県警は新年度、県内のスーパーなどの店舗内で特定の音声を流し、万引き防止につなげる取り組みを始める。昨年に県内のスーパーで実証実験を行って一定の効果があるとされたメッセージで、「ナッジ」と呼ばれる心理的な効果を狙ったものだ。
ナッジとは行動経済学の用語で、メッセージの伝え方を工夫することで、好ましい選択を後押しする方策だ。
県警の犯罪防止アドバイザーも務める福島大の鈴木あい特任准教授(犯罪科学)が、万引き防止に効果がありそうなメッセージを6種類作成。県警と協力し、昨年8~11月に県内のスーパー「いちい」など16店舗で、それぞれ1種類の音声を音声販売促進機器「呼び込み君」を使って流した。そして、店内にあるはずのものがなくなっている商品の割合「ロス率」が、前年同月と比べて変化があったかを品目ごとに調べた。
最も安定した効果があるとみられたのが「万引きはお店の経営に大きな影響を及ぼします。場合によっては、商品の値上げや品ぞろえの縮小にもつながりますので、万引きはやめましょう」というメッセージ。袋チョコやカミソリなど幅広い品目に効果が見られた。鈴木特任准教授は「道徳的規範、倫理観に響いた」と分析する。
一方、「万引きは犯罪です」や「警備員が巡回しています」といった、万引きの存在を強調するメッセージでは、逆に万引きを誘発させる可能性があることも分かった。
効果の高いメッセージでも特定の品目では逆の効果が出たほか、カップ麺やポケットサイズのお菓子類ではどのメッセージも効果が確認できなかった。鈴木特任准教授は「今後は違う店舗や地域での検証、犯人像の理解を進める必要性もある」と話している。
県警は新年度、「経営に影響する」とするメッセージなど効果が見られた2種類のメッセージを収録したCD―Rを用意。各警察署を通じて地域のスーパーなどに配布し、実際に店舗で活用してもらう考えだ。【松本光樹】

国民・元候補の入江伸子容疑者(63)自ら運動員集めを依頼か公職選挙法違反疑いで逮捕 玉木代表「党として厳正に対処」

今月の衆議院選挙で、国民民主党から立候補した入江伸子容疑者(63)らが運動員に報酬を支払ったとして逮捕された事件で、入江容疑者本人が陣営のSNS運用を担当する女に運動員集めを依頼していたことがわかりました。
衆院選で国民民主党の公認候補として立候補し落選した入江伸子容疑者(63)と、陣営でSNS運用を担当していた菅原京香容疑者(25)ら3人は、女子大学生の運動員5人に選挙運動の報酬として27万円を支払った公職選挙法違反の疑いがもたれています。
その後の警視庁への取材で入江容疑者が自ら、菅原容疑者に運動員を集めるよう依頼していたことがわかりました。
入江容疑者らは他にも5人以上に報酬を支払ったとみられていますが、多くが菅原容疑者の会社のインターンだったということで、警視庁は余罪を調べています。
国民民主党の玉木代表は自身のXで「事実であれば選挙の公平性を揺るがす極めて遺憾な事態」と投稿し、謝罪したうえで、「党としても厳正に対処します」としています。

実行役「100万円の報酬を受け取った」地上げ目的の放火疑いで不動産会社の男ら逮捕 周辺でマンション建設に向けた土地買収進む

地上げ目的とみられる放火の疑いで不動産会社の男ら6人が逮捕された事件で、放火の実行役とされる男が「100万円の報酬を受け取った」と供述していることがわかりました。
不動産会社の男が地上げ目的で放火か
この事件は、不動産会社社員の内藤寛己容疑者(31)が実行役の男5人と共謀し、去年、東京・品川区のアパートに放火した疑いで逮捕されたものです。周辺ではマンション建設に向けた土地の買収が進んでいて、地上げ目的の犯行と見られています。
近隣住民 「(このあたりは)便利になったから土地柄、値も高くなったでしょ。だから地上げ屋が邪魔な家を退かそうということになるんじゃないですか」
実行役「100万円の報酬を受け取った」
その後の捜査関係者への取材で、実行役として逮捕された男が「100万円の報酬を受け取った」と供述していることがわかりました。
警視庁は内藤容疑者が勤める不動産会社と事件との関連についても調べています。

総合図書館3人刺傷事件 逮捕の男「包丁は自宅から持ってきた」計画的犯行か

19日、福岡市の図書館で男女3人が包丁で襲われた事件で、逮捕された男が、「包丁を自宅から持ってきた」と供述していることが新たに分かりました。この事件は19日夜、福岡市早良区にある福岡市総合図書館で男女3人が包丁で襲われ、無職の吉井辰夫容疑者が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されたものです。
その後の捜査関係者への取材で吉井容疑者が、「包丁を自宅から持ってきた」と供述していることが新たに分かりました。
また、福岡市によると一連の犯行の様子が防犯カメラに映っていて、3人は、数十秒の短い間に次々と襲われたとみられています。
吉井容疑者と3人に面識はなく、警察は吉井容疑者が無差別に人を襲おうと計画し、犯行に及んだ可能性があるとみて捜査しています。