地元で募る不信「東電は何も学んでいない」…原発テロ対策不備に

東京電力柏崎刈羽原子力発電所で侵入者を検知する複数のテロ対策設備が長期間機能していなかった問題で、新潟県民からは「全国民に関わる問題だ」「再稼働は考えられない」など、怒りや不安の声が相次いだ。所員が他人のIDカードを使って中央制御室に不正進入した事案や安全対策工事未完了の相次ぐ判明と、同原発で深刻な不祥事が続発している事態に、東電に対する不信感はかつてないほど高まっている。

東電にとって、福島第一原発事故後初となる再稼働を目指す柏崎刈羽原発7号機。これまで一貫して再稼働容認の立場を示してきた品田宏夫・刈羽村長は「東電が長年にわたり発電をしなかったことで、原子力に関する管理能力がさびたのだろう」と指摘した。「結果として、再稼働が遅れることも仕方がない」と前置きしつつ、「東電自らが士気を上げ、課題を解決するしかない」と話した。
今回のテロ対策不備の発覚を受けて原子力規制庁が実施する追加検査には、「1年以上かかる」(更田豊志・原子力規制委員長)とされる。同原発の早期再稼働は事実上不可能になった。
再稼働に向けて前向きに検討してきた自民党県連の小野峯生幹事長は「東電は立ち止まるのではなく、原点に立ち返らないといけない。原子力部門から撤退するかどうかの瀬戸際だ」と痛烈に批判。規制委には「東電が原発の運転を任せるに足る企業なのかどうか、厳しく精査してほしい」と強く求めた。

柏崎刈羽原発の地元住民や、福島第一原発事故を経験した避難者からも厳しい声が相次いだ。
「震災で原発の恐ろしさがわかったはずなのに、東電は何も学んでいないのか」
原発事故後、福島県南相馬市から避難してきた新潟県三条市の会社員男性(32)は怒りをあらわにし、「原発事故は子供や孫の世代まで影響が及ぶ。被災者みんなで再稼働反対の声を上げていくべきだ」と話した。
反原発の市民団体で活動する新潟県刈羽村十日市の主婦(75)は「あまりにも無責任で無防備。会社の体裁を保っていない」と厳しく指摘。「現状は(柏崎刈羽原発の事故時の)避難の議論も不十分なのに、テロが起きたら村民はどうなるのか」と語気を強めた。

原発事故時に屋内退避などが求められる原発5~30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)。同区域にあたる同県上越市柿崎区で旅館を経営する男性(78)は「不正進入や工事未完了に続き、今回の事案がわかった。東電は危機感を持っていないのではないか。事故が起きれば、放射能に汚染されなくても風評被害を受ける」と憤った。
同区の民宿の社長(46)は「原発によって地元経済が潤う面はあるが、事故は絶対にあってはならない。東電はこれを機に、二度と不祥事が起こらないよう管理してほしい」と注文した。
先日、柏崎刈羽原発を見学し、「しっかり管理されているとの印象をもった」と語るのは同県津南町の農業男性(41)。「すでにある原発なら動かしてもいいのではとの気持ちもあった」と振り返ったが、「今回の事案で裏切られた」と語った。
日本海を挟んで同原発の対岸にある同県佐渡市。同市鷲崎、内海府漁業協同組合組合長は「電気は大事だが、自分たちの命を守る方が先」と強調。福島第一原発事故で海産物などへの風評被害があったことも例に挙げ、「何かあったら地元が大変なことになる」と話した。

最悪の結末に関係者当惑 女子中学生誘拐、キャンプ場に遺体 静岡

静岡県浜松市の女子中学生が連れ回された未成年者誘拐事件は、天竜区の山間部にあるキャンプ場で遺体が発見されるという最悪の結末を迎えた。県警は福岡市東区の無職、入江大(だい)容疑者(33)を逮捕。2人が知り合った経緯などについて捜査を進める。中学生を知る関係者らは突然の悲劇に当惑を隠せない様子だった。
逮捕容疑は、15日午後1時半ごろ、浜松市の女子中学生(15)を市内で車に乗せて、連れ回したとされる。捜査関係者によると、入江容疑者は女子中学生と一緒にいたことを認めて、「心中を図ろうとした」などと供述をしているという。
事件を受けて、女子中学生の父親は「私たちはいまだ心の整理が付かない状態です」とのコメントを出した。
女子中学生の近所の男性は毎日新聞の取材に「女子中学生の父親は医師、母親は薬剤師として自宅近くで営んでいるが、共に穏やかな人柄で近所で好かれていた。家族が悲惨な事件に巻き込まれて、かける言葉も見つからない」と悲しみをこらえながら答えた。
女子中学生が在籍していたとみられる中学校は17日が卒業式だった。校長は「(女子中学生は)卒業式を欠席した。警察からは何も聞いていない。学校でのトラブルなどは聞いていない」と話した。
2人が滞在し、遺体が見つかったキャンプ場の男性管理人は「2人は15日夜、来場した。午後7時ごろ、従業員がキャンプ場の利用料を集金しに行ったとき、2人に特に変わった印象はなかった」と驚いていた。【深野麟之介、古川幸奈、太田圭介】

女子高生、元ユーチューバーにわいせつ画像40枚「写真送れば通話できる」

女子高校生にスマートフォンでわいせつな画像を送らせたとして、警視庁は17日、「ワタナベマホト」の名前で活動していた元ユーチューバー、渡辺

摩萌峡
( まほと ) 容疑者(28)(東京都品川区勝島)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)容疑で逮捕した。
発表によると、渡辺容疑者は昨年11月、高校1年の女子生徒(当時15歳)にスマホでわいせつな画像を撮影させ、自分のスマホに送信させた疑い。「弁護士に相談してから話す」と認否を留保している。
渡辺容疑者は若者に人気のユーチューバーで、チャンネル登録者数は約500万人に上っていた。女子生徒は渡辺容疑者のファンで、「写真を送れば通話できる」と言われて、30~40枚のわいせつ画像を送っていた。
女子生徒が今年1月、別のユーチューバーに相談して事件が発覚。渡辺容疑者は所属事務所から契約を解除され、今月2日にツイッターで引退を表明していた。

「ワクチンは殺人兵器」「闇の勢力が計画」…県議が接種しないよう呼びかけ

福井県議会の最大会派・県会自民党に所属する斉藤

新緑
( しんりょく ) 県議(64)が、新型コロナウイルスに関して「ワクチンは殺人兵器」などと記し、接種しないよう呼びかける文書を支援者ら1万数千人に配っていたことがわかった。斉藤県議は17日、取材に「信念に基づいており、撤回するつもりはない」と話した。
斉藤県議は2月22日付で発行した活動報告書で、「新型コロナ騒動は『闇の勢力』が随分前から計画したもの」「(計画は)ウイルスを開発し、ドローンを使って世界に散布する」などと記載。そのうえで、ワクチンを世界中の人々に強制接種させ、人口を削減する狙いがあるなどと主張し、「人類初の遺伝子組み換えワクチンで、『殺人兵器』ともいわれている」などとも書いている。
いずれも根拠のない情報だが、同趣旨の陰謀論はSNSなどで拡散している。
同県議会には数件、抗議の声が寄せられているが、畑孝幸議長は「あくまでも議員個人の見解で、議会としてコメントするつもりはない」としている。
斉藤県議は同県坂井市選出。1999年に初当選し、6期目。県議会議長や自民党県連幹事長などを歴任した。

賭けマージャン4回、黒川元検事長を略式起訴…「止められる立場」も勘案

黒川弘務・元東京高検検事長(64)らの賭けマージャン問題を巡り、東京地検は18日、不起訴(起訴猶予)とした後、東京第6検察審査会から「起訴相当」と議決された黒川元検事長を単純賭博罪で東京簡裁に略式起訴した。同審査会が「不起訴不当」とした産経新聞記者2人と朝日新聞元記者については、再び起訴猶予とした。
発表などでは、黒川元検事長ら4人は新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令されていた昨年4~5月、産経記者宅で4回にわたり賭けマージャンをしたとしている。
関係者によると、地検の事実認定は起訴猶予とした時点から変更はないが、黒川元検事長については、検察官としての職責や、3人よりも年長者で賭けマージャンを止めることができる立場だったことなどを考慮し、略式起訴が相当だと判断を変えたという。
賭けマージャン問題は昨年5月に発覚。4人は同月以降、常習賭博容疑などで複数の市民団体から刑事告発された。地検は同7月、「旧知の間柄の娯楽だった」として常習性は認めなかった一方、単純賭博罪にあたると認定。その上で、黒川元検事長が訓告処分を受け、辞職したり、記者ら3人が懲戒処分を受けたりしたことも踏まえ、全員を起訴猶予としていた。
これに対し、同審査会は同12月、黒川元検事長について、「刑罰法規を承知し、賭博行為を自制・抑止すべき立場にあった以上、起訴猶予の判断は誤りだ」として、起訴が相当だと議決。記者ら3人については、「黒川氏を取材対象とする記者らが賭けマージャンを定期的に行った動機や事情が判然としない」として不起訴不当と議決したため、地検が再捜査していた。
単純賭博罪の法定刑は50万円以下の罰金か科料。

行動自粛を呼びかけた4日後 市長ら4人でゴルフ 岐阜

岐阜市の柴橋正直市長が昨年末、各務原市内のゴルフ場で同市の浅野健司市長、関市の尾関健治市長、美濃加茂市の藤井浩人前市長の計4人でゴルフをしていたことが17日、岐阜市議会の一般質問で明らかになった。昨年末は新型コロナウイルスの感染拡大期にあたり、服部勝弘市議(無所属クラブ)は「市民に行動自粛を呼びかけるなかでのゴルフは、好ましくない」と指摘している。
県内では昨年末から年始にかけ、連日50人前後の感染者が確認され、古田肇知事が12月25日、医療体制の悪化を示す「医療危機事態宣言」を発表。4人はその4日後の29日にゴルフをプレーしていた。柴橋市長は休日だった。柴橋市長は2日後の31日、古田知事と共同記者会見に臨み、県民に外出自粛を呼びかけていた。
柴橋市長は3月17日の市議会でゴルフをしていたことを認め「大人数での飲食や正月三が日の初詣など、高感染リスクの場を回避することが求められており、状況を十分に踏まえた行動だった」と答弁し、問題はないとの認識を示した。また報道陣の取材に対し「ゴルフは屋外で『3密』ではない。昼食は共にしたが、距離を取った『マスク会食』だった」と主張している。【井上知大】

「不倫相手の行動監視」 ストーカー容疑で警察官を書類送検 新潟

不倫関係にあった女性の行動を監視しているという趣旨の書き込みを、インターネットの掲示板に複数回投稿したとして、新潟県警は県内の警察署所属の男性巡査長をストーカー規制法違反容疑で書類送検した。県警への取材で17日判明した。
県警監察官室などによると、この巡査長はこの女性を含む計3人と不倫関係にあった。巡査長は2月に減給3カ月(10分の1)の懲戒処分を受け、その後依願退職した。
巡査長は2020年5月16~18日にこの女性についての書き込みを投稿。女性が県警に相談して発覚した。監察官室は「調査から私的な非違行為と認定したことと、被害者のプライバシー保護の観点から公表しなかった」としている。【露木陽介】

羽鳥慎一アナ、東京五輪演出家の辞意に「渡辺直美さんに対して本当に失礼なアイデア」

18日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)で、東京五輪・パラリンピックの開閉会式の演出を統括するクリエイティブディレクター・佐々木宏氏が開会式に出演予定だったタレントの渡辺直美の容姿を侮辱する演出案を考案していたと文春オンラインに報じられた問題を受け辞意を表明したことを報じた。
番組では、文春の報道を紹介した。それによると、佐々木氏は演出チーム内のLINEに渡辺が豚に変身する演出案を送り、豚と「オリンピック」をかけて「オリンピッグ」などと書き、豚の絵文字まで使っていたがチーム内の批判を浴び、撤回に追い込まれたという。
この報道が明らかになると組織委は17日に佐々木氏の謝罪文を公表。文書には「渡辺直美さんに対しては、大変な侮辱となる私の発案、発言となること。これは取り返しのつかないことです。心から反省して、ご本人、そして、このような内容でご不快になられた方々に、心からお詫び申し上げます。文春さんから電話取材を受けた段階で、この私のLINE上での、大失言が表に出て、渡辺直美さんにも伝わるときが来たら、責任をとって辞表を出すべきと考えて来ました。あと数ヶ月に近づいたオリンピック・パラリンピック開閉会式を日々死にものぐるいで準備するメンバーにも、本当に申し訳ない気持ちです。先程、橋本会長には、夜分ではありますが、お電話で、私の辞意をお伝えしました。あらためて、辞表を書かせて頂き、お届けするつもりです」と辞意を表明していた。
司会の羽鳥慎一アナウンサーは「すぐに周囲が指摘したように、渡辺直美さんに対して本当に失礼なアイデアなんだなと思います」と指摘した。一方でチーム内での打ち合わせ段階のアイデアが問題となったことに「時代というか、クリエイターが本当に初期の段階で内々で出したアイデア。周りがすぐに何を言っているんですか?って言って否定したところが公になって辞任にまで至ってしまう時代なんだな」とコメントしていた。

文化芸術支援、1週間で不交付6000件! 笑いながら「対象外」と言い放った萩生田文科大臣の文化芸術への無関心ぶり

◆文化芸術への支援を訴えた3月15日の吉良よし子議員の質疑

当サイトでも以前取り上げた通り、第3次補正予算は計上されたものの、現場ニーズとあまりにかけ離れた制度設計となっている文化芸術支援。昨年2月26日に安倍晋三総理(当時)が最初にイベント自粛を呼びかけてから実に1年以上が経過。その間、ライブハウスの閉店やミニシアターの閉館は相次ぎ、芸術活動の継続自体を諦めるアーティストも続出している。

2021年3月15日の参議院予算委員会、この状況を以前から問題視していた共産党・吉良よし子議員は自民党・萩生田光一文科大臣を始めとする閣僚に対して、文化芸術の補償について約18分間にわたって質問。先月27日に自ら出演した #SaveOurSpace とChooseLifeProjectの共同企画であるオンライン番組「音楽の現場、もう限界です」で文化芸術関係者から聞いた窮状を国会で代弁した。

本記事では、この質疑の中で文化芸術活動の継続支援事業の審査中案件が焦点となり、わずか1週間で6000件が一気に不交付となっていた実態が明らかにされた約5分間の質疑をノーカットで信号機で直感的に視覚化していく。具体的には、信号機のように3色(青はOK、黄は注意、赤はダメ)で直感的に視覚化する。(※なお、色表示は配信先では表示されないため、発言段落の後に( )で表記している。色で確認する場合は本体サイトでご確認ください)

吉良よし子議員からの質問4問に対する萩生田大臣の回答を集計した結果、次のような結果になった。

<色別集計・結果>

●萩生田文科大臣(計335字):赤信号80% 青信号14% 灰色6%

*小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100%にはならない

萩生田文科大臣は赤信号が実に8割。つまり、質問された内容に全くと言って良いほど回答していない。いったいどのような質疑だったのかはこれから詳しく見ていく。

〈*記事中の動画リンクが表示されない配信先で読んでいる場合、動画は筆者のyoutubeチャンネル「赤黄青で国会ウォッチ」で視聴できます〉

◆8000件あったはずの文化芸術活動の継続支援事業の審査中案件はどうなった?

吉良よし子議員は文化芸術活動の継続支援事業の不交付と取り下げの多さを指摘しつつ、2021年2月末までに公演を行うことが支援条件にもかかわらず、期限を過ぎた3月に入っても審査中のままという異常な状況に陥っている件数を確認していく。その過程で、さらに異常な状況が浮き彫りになっていく。その質疑は以下の通り。(下記の動画リンクの0分10秒~)

吉良よし子(1問目):

『(文化芸術活動の継続支援事業の)不交付が1万2000件、そして取り下げが4600件なんですけども、2万件近くが支援が届いていない。これ取り下げたのは、『制度の対象にならないから』ではなくてですね、諦めたからなんですよ。一番の問題は交付までに時間がかかり過ぎるからなんです。

私のところにもですね、いつまでたっても連絡がなくて、交付されるかどうかわからないので事業をすること自体も諦めようとか、取り下げようとか、そんな相談が次々寄せられました。相談される方には、もうしばらく待ってくれと。言い続けて、励まし続けてきたんですけれども、「企画していた本番の日にもう間に合わないから」と、だからもう持ち出すわけにもいかないし、諦めてしまった方も出てきてしまった。本当に私も悔しい思いなんです。

今、3月になってですね、まだ交付決定できてない審査中の案件というのはあるんでしょうか。件数をお答えください。』

萩生田光一文科大臣:

『えー、現在17件が審査中となっております。(青信号)』

吉良よし子(2問目):

『これ、おかしな話なんです。先々週の3月5日時点では、8000件、審査案件があったんです。それが一週間でゼロに近くになった。17件になった。どういうことですか? 』

萩生田光一文科大臣:

『えー、文化庁においてはこれまで毎週金曜日の14時頃に実施事務局から交付決定の情報をメールで受けて、17時頃にホームページを更新してます。実施事務局でこれまでは14時の時点で各個人等への通知基準が・・、通知準備が整った状態であったため14時以降の報告を受けていましたが、今回は件数が多く、その後に不交付決定の通知準備が、あー、整ったため、各個人等に通知することとしましたが、文化庁への報告が遅れたことが原因と承知しております。(赤信号)』

萩生田大臣は審査中の件数を問われた1問目には回答しており、8000件あったはずの審査案件がわずか1週間で17件に激減したという驚くべき事実が明らかになる。繰り返しになるが、支援条件は2021年2月末までに公演を行うことである。つまり、もう公演を行うべき期限が過ぎた後、審査中だった約8000件がわずか17件を除いて突如として消えてしまったことを意味している。

この異常事態の詳細を問われた2問目については、萩生田大臣は以下のように論点をすり替えており、赤信号とした。

【質問】審査案件の激減理由

↓ すり替え

【回答】審査案件の結果通知遅れの理由

質問と回答がまるで噛み合っていないし、いったい何の話をしているのかさえも理解できない。

◆17件以外はどこに消えた?

先ほどの萩生田大臣の頓珍漢な答弁に対して、吉良よし子議員は審査案件が17件に激減した理由や、消えた8000件弱の案件がどうなってしまったのかを根気強く質問していく。その質疑は以下の通り。(下記の動画リンクの2分22秒~)

吉良よし子(3問目):

『そうじゃないです。8000件あったのが1週間で17件になった。7000件を一気に交付決定したってことですか?どうなったんですか?』

萩生田光一文科大臣:

『あの、先週段階まであった8000件については継続的にですね、交付の準備をしていたのが整ったということでございます。(赤信号)』

吉良よし子(4問目):

『17件以外は全部交付されたと。それでよろしいですか?』

*萩生田大臣は後ろに控えていた官僚に耳打ちされてから答弁に向かう

萩生田光一文科大臣:

『えっと、全て交付決定したんじゃなくて、8000件のうち、約6000件が交付決定してて、2000件は・・・ (赤信号)』

*後ろに控えていた官僚が萩生田大臣に声をかけて内容を訂正させる

萩生田光一文科大臣:

『逆? 2000件が交付決定していまして、6000件が、えー、対象外ということになると思います。(青信号)』

*萩生田大臣は数字が逆だったことについて、吹き出して笑いながら答弁

吉良よし子:

『要するに6000件、この1週間で一気に切り捨てたってことですよね。これはあまりに酷い話だと思うんですよ。連絡待ちながら一生懸命、慣れない申請作業していた文化芸術関係者の皆さんがね、心が折れながらも頑張ってたのに6000件、一気に不交付決定。もうそもそもね、この2月末までに何かやれと、そういうやり方がね、問題なんですよ。で、この期間内に新しい公演行うのが、どれだけ大変か。持ち出す資金のない若手のアーティストの皆さんは、もうすごい高いハードルで、それでも頑張って申請してみたけど交付決定がなかなか来ないから諦めるって、そういう悪循環になってるんですよ。申請すること自体できなかったって話も聞いています。』

質疑は以上である。

◆萩生田文科相は「6000件が対象外」と笑いながら言った

消えた8000件がどうなってしまったのかという問いに対して、最後にようやく2000件が交付決定して、6000件が不交付となったという回答が得られた。だが、そこに至るまでに3問目では8000件全てが交付されたかのような答弁を行い、4問目では「6000件が交付決定」という事実と真逆の答弁を行っている。いずれも萩生田大臣の認識誤りであり、赤信号とした。

このやり取りから見えてくることは、萩生田光一氏は文部科学大臣でありながら、一週間で6000件が一気に不交付にされたことを答弁中に初めて知ったということである。

萩生田大臣はこれまでの国会答弁でも度々、文化芸術への無関心さが垣間見えていた。例えば、約1ヶ月半前の1月28日の参議院予算委員会における共産党・小池晃議員とのやり取り。民間の寄付に頼っており、1000万円に到達した後で助成が開始される仕組みとなっている文化芸術復興創造基金について現時点の寄付額を質問された際、萩生田大臣は答弁時に手元の原稿を見て初めて金額を知ったことがはっきり分かる様子で答弁していた。具体的には、昨年11月時点で711万円だった寄付額が、2ヶ月経っても僅か50万円程度しか増えておらず、その少なさに思わず失笑しながら「766万円」と答弁。その様子は以下の下記の動画リンクの7分5秒からハッキリと確認できる。

今回の質疑でも「6000件が交付決定、2000件が不交付」と逆に答弁したことに気づいた際に見せた、吹き出すような笑い方とそっくりだ。

国会で萩生田文科大臣は聞こえの良い言葉で物腰柔らかに答弁しているが、1000万円を超えないと助成が開始されない文化芸術復興創造基金の寄付額を意識すらしておらず、文化芸術活動の継続支援事業が1週間で6000件も不交付決定されたことを国会質疑の場で初めて知り、その事実を笑って伝えることができるほどに、実際は文化芸術の支援に全くもって無関心であることが伺えたのである。

<文・図版作成/犬飼淳>

【犬飼淳】

TwitterID/@jun21101016

いぬかいじゅん●サラリーマンとして勤務する傍ら、自身のnoteで政治に関するさまざまな論考を発表。党首討論での安倍首相の答弁を色付きでわかりやすく分析した「信号無視話法」などがSNSで話題に。noteのサークルでは読者からのフィードバックや分析のリクエストを受け付け、読者との交流を図っている。また、日英仏3ヶ国語のYouTubeチャンネル(日本語版/ 英語版/ 仏語版)で国会答弁の視覚化を全世界に発信している。

政府、首都圏の緊急宣言解除へ=21日期限、今夜決定

政府は18日午前、新型コロナウイルスに関する基本的対処方針等諮問委員会を開き、首都圏4都県に発令中の緊急事態宣言を21日で解除する方針を示し、了承された。午後5時半から開く対策本部で正式決定する。
西村康稔経済再生担当相は諮問委の冒頭、首都圏の病床使用率に関し、「千葉県、埼玉県も30%台まで低下してきている」として、解除の基準を満たしたと説明。「今後も小さな流行は起こり得る。息の長い取り組みが必要だ」と訴え、解除後も自治体と協力して感染対策を徹底する考えを示した。
[時事通信社]