政府、宣言解除へ調整続行=18日に正式決定―新型コロナ

政府は16日、新型コロナウイルス対策として首都圏4都県に発令中の緊急事態宣言の全面解除に向けて調整を続けた。専門家の意見も踏まえて菅義偉首相が解除の可否を最終判断。18日に対策本部を開いて正式決定する。
首相は16日、宣言解除をめぐり「発症数、病床使用率とか客観的な数字を参考にしながら、専門家の意見を聞く中で判断したい。もうしばらく時間をかけたい」と述べ、慎重に対応する考えを示した。東京都内で記者団の質問に答えた。
この後、首相は西村康稔経済再生担当相ら関係閣僚と協議。東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県の感染状況などについて報告を受けるとともに、解除した場合の検査態勢強化などを話し合ったとみられる。
政府は17日、新型コロナ対策に関する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」の会合を開き、感染状況を分析する見通しだ。
[時事通信社]

柏崎刈羽原発でテロ対策設備が機能せず…不正侵入許す状態で核防護評価「赤」

原子力規制委員会は16日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で昨年3月以降、侵入者を検知する複数のテロ対策設備が機能していなかったと発表した。組織的な管理機能が低下し、不正な侵入を許す状態になっていたとして、核物質防護に関わる4段階評価のうち最も深刻なレベルの「赤」と暫定評価した。
規制委の新検査制度は原子炉等規制法に基づき昨年4月から始まり、「赤」の評価は初めて。規制委は追加検査を行う方針で、記者会見した

更田豊志
( ふけたとよし ) 委員長は「検査には1年以上かかるだろう」と述べた。東電は同原発の再稼働を目指しているが、梶山経済産業相は「このままでは再稼働できる段階にない」と厳しい見方を示した。
規制委によると、設備の不備は2月下旬までに規制委が抜き打ちなどで検査した際に判明。東電は「代替措置をとった」と主張したが、規制委は「有効でない」と判断した。設備は現在、全て復旧している。
規制委は不備のあった設備の種類や数などについて「テロ対策上、公表できない」としている。東京電力によると、故障箇所は16か所あり、うち10か所は30日以上、機能喪失の状態と指摘を受けたという。
同原発を巡っては、原発所員が昨年9月、他人のIDカードを利用して不正に中央制御室に進入していた問題も発覚した。更田委員長は「今回は第三者が不法に入れる可能性のある箇所が複数、長期間あった点で深刻だ。インパクトが違う。(重大さは)ほかの事案とは比較不可能だ」と話した。
規制委は、東電から異議がなければ1週間以内に評価を確定する。その上で、半年以内に第三者機関による問題の検証も含めた再発防止策などを報告するよう東電に指示する。より厳しい追加検査を行い、行政処分も視野に入れる。
東京電力は「厳しい評価を重大に受け止めている」とコメントした。

菅首相が初のコロナワクチン接種=「痛くない」安全性アピール

菅義偉首相は16日、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)を訪れ、4月前半に予定する米国訪問を前に、新型コロナウイルスワクチンを初めて接種した。この後、記者団に「痛そうだったが、そんなに痛くもなく、スムーズに終えることができた」と語った。
首相は、ワクチン接種の安全性をアピールするため接種の様子を公開。沖縄の夏服「かりゆしウエア」に着替え、医師の診察を受けてから左上腕部に接種を受けた。記者団には「国民の皆さんに接種してもらえるような環境もしっかりつくっていきたい」と強調した。
[時事通信社]

黄砂まもなく日本列島に飛来の可能性 中国・北京などで過去10年で最大規模

昨日15日(月)、中国の北京などで黄砂により、景色が黄色く霞んでいる様子が様々なメディアでも取り上げられました。この黄砂が対馬海峡まで飛来してきています。
朝鮮半島で黄砂を観測
今日16日(火)は中国大陸の東部や朝鮮半島で、黄砂が観測されています。東に行くほど徐々に視程の悪化の程度は小さく、徐々に薄まっていると思われますが、日本列島に近づいていることが衛星画像を見てもわかります。
茶色い部分が黄砂と見られるもので、日本海や対馬海峡にまで飛来していると見られます。
明日にかけて日本にも黄砂飛来
現在、日本列島を通過している前線が抜けた後、今夜~明日17日(水)にかけては黄砂が日本列島にも飛来する見込みです。ただ、中国で見られたように非常に視界が悪くなることはなく、空がうっすらと霞むかどうかくらいになる予想です。念のため、駐車場に停めてある車にカバーを掛けるなどしておくと安心です。また、花粉症の方は黄砂の影響が重なると、症状がひどくなることがありますので、対策を万全におこなってください。

加藤官房長官、アイヌ差別放送は「不適切」=再発防止策検討へ

加藤勝信官房長官は16日、北海道アイヌ協会の大川勝理事長と首相官邸で面会した。大川氏は日本テレビの情報番組内でアイヌ民族に対する差別的な表現があったとして何らかの対応を取るよう要請。加藤氏は「アイヌの人々を傷つける極めて不適切な放送だ」と指摘し、放送当日の12日に厳重に抗議したと伝えた。また、再発防止策を関係省庁で検討する方針を示した。
加藤氏はこの後の記者会見で「アイヌの人々がいわれのない差別を受けない社会の実現に向け、国民の理解を深めていきたい」と述べた。
[時事通信社]

変異ウイルスに感染、初の死亡事例…神奈川の70代と50代男性

神奈川県は16日、新型コロナウイルス感染で今月死亡した県内在住の70歳代男性と50歳代男性から、変異したウイルスが検出されたと発表した。県によると、国内で変異ウイルスによる死亡事例が確認されたのは初めて。2人に海外滞在歴はなく、今後、国立感染症研究所が遺伝子解析を実施する。
発表では、70歳代男性は新型コロナに感染して入院し、死亡後に変異ウイルス感染がわかった。50歳代男性は死亡後に新型コロナ感染が確認され、その後、変異ウイルスだったと判明した。

全高齢者分のワクチン確保も…予断許さぬ変異株リスク 感染者数はリバウンド傾向 尾身会長「カラオケに行ってるような高齢者も要因」

コロナ禍収束の切り札と期待される米ファイザー製ワクチンについて、河野太郎行政改革担当相は6月末までに約1億回分(約5000万人分)を調達できると表明。全高齢者約3600万人分の接種のめどが立った。一方で変異株の拡大と感染者数のリバウンドは予断を許さない。専門家は「高齢者のカラオケも一因」と警鐘を鳴らす。

ワクチンについて河野氏は、欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週、最大約1000万回分が日本に到着、6月は「5月を上回る供給」を見込むと述べた。
全高齢者約3600万人分については6月末までに市区町村に届ける方針も重ねて示した。7月以降の一般向け接種へ向けて前進した格好だ。
不透明感のあったワクチン接種計画がようやくクリアになってきたが、21日が期限の首都圏の緊急事態宣言解除については微妙な情勢だ。
厚生労働省が公表した10日時点の病床使用率は、千葉県が44%、埼玉県が41%、東京都が27%、神奈川県が26%。いずれもステージ3(感染急増)の水準で、一定の成果は出ている。
ただ、東京の直近7日間で平均した1日当たりの人数は12日時点で273・6人となり、前週から横ばい。都のモニタリング会議では、「変異株などにより急激に再拡大が起こる可能性があり、対策を徹底する必要がある」と指摘された。
宣言を解除した大阪府でも12日、新たに11人の変異株の陽性が確認され、計103人になった。担当者は「直ちに市中感染と判断する状況ではない」と話す。
フィリピン由来の変異株も空港検疫で確認されるなど国内を急速に侵食している様子がうかがえる。
最近のリバウンド傾向をめぐり、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は、感染者の下げ止まりについて「アクティブなシニア」の行動を挙げる。「カラオケに行ってるような高齢者と同時に、若者も元の生活に戻っていることが1つの要因になっていることはたぶん間違いない」との見解を示した。
ワクチン接種と変異株感染抑制の二正面作戦はこれからが正念場だ。

首都圏知事、対立激化! 緊急事態宣言解除めぐり…延長要請「当然あり得る」「解除の方向がいい」 実績の違いも影響か

懸念されていた事態だ。千葉県内で新型コロナウイルスの変異株によるクラスター(感染者集団)が発生、高齢者による昼間のカラオケで感染が広がった。政府は21日の期限通りに首都圏4都県の緊急事態宣言を解除する意向だが、4人の知事の見解はバラバラで、政府に対して主導権を握れない状況だ。

千葉県の森田健作知事は15日、県内で新たに17人が変異株に感染していたことを明らかにした。うち12人は地域の高齢者仲間などで、昼間のカラオケによるクラスターと認定された。歌うときにマスクをしていない人もいたという。
森田知事は宣言解除について「16日あたりどうなるのかみて判断していかなければならない」と賛否は保留。変異株感染も「もちろん影響する」との認識を示した。
埼玉県の大野元裕知事は「現状では解除を要請する段階にはない」と述べ、延長を要請する可能性も「当然あり得る」と付け加えた。
東京都の小池百合子知事は解除の是非に直接言及せず、都民向けに「意識をしながら行動してほしい」と述べた。
「解除の方向がいい」と明言したのが神奈川県の黒岩祐治知事。宣言について「効果が薄れてきており、延長しても(県民ら)皆さんの気持ちが続かない」と言及。「いったん解除し時短要請などの規制を段階的に緩和するときに来ている」と強調した。
近く知事協議を開くが、黒岩氏は「ワンボイスにするかは分からない」とまとまらない可能性まで示唆した。黒岩氏は今月初旬の再延長をめぐり、小池氏が事実と異なる説明で延長要請を取りまとめようとしたと暴露した経緯もある。
内閣官房がまとめた14日時点のコロナ感染「6指標」の分析のうち、1週間の新規感染者数を前週と比べた指標は、東京は1・10、埼玉は1・19で、宣言延長前の期限だった7日時点より悪化した。千葉は0・86、神奈川は0・93だった。
重症者用の病床使用率は東京、埼玉がステージ3相当。千葉、神奈川はこれを下回った。埼玉は7日時点よりも状況が厳しくなっている。
こうした「実績」の違いが発言内容にも反映されているようだ。

競馬の予想会社を立ち上げ…借金まみれで“起死回生”を狙った男性がつけ込まれた手口

起訴された案件だけで7人が死亡している「北九州監禁連続殺人事件」。
もっとも凶悪な事件はなぜ起きたのか。新証言、新資料も含めて、発生当時から取材してきたノンフィクションライターが大きな“謎”を描く(連載第49回)。

新たな“金づる”として目をつけられた男性
松永太と緒方純子は、これまで松永が結婚をちらつかせることで“金づる”としてきた末松祥子さん(仮名)が、1994年3月31日に大分県の別府湾で水死したことから、新たな収入源を見出す必要に迫られた。
まずは緒方が母親の和美さん(仮名)に送金を頼むことで急場をしのぐことにしたが、それだけでは心もとない。そこで松永が目をつけたのが、福岡県北九州市の不動産会社に勤める広田由紀夫さん(仮名)だった。
由紀夫さんは松永らが福岡県柳川市から逃亡し、最終的に北九州市に辿り着いた1992年10月に、彼らが住む「熊谷アパート」20×号室を仲介。その後も、1993年10月までの間に、松永らに複数の他人名義の部屋を仲介してきた。
後の公判での検察側の冒頭陳述では、由紀夫さんを標的とした理由と、取り込むための工作の流れについて、以下のことが述べられている。
緒方を“上客”と意識していた由紀夫さん
〈被告人松永は、当初、甲女の父(由紀夫さん)との接触はすべて被告人緒方に任せ、自ら甲女の父と接触することはなかったが、被告人緒方の報告により、甲女の父には比較的安易に他人名義での賃貸借契約を仲介するようないい加減さがあると思っていた。

さらに、平成6年(1994年)3月31日に丙女(末松祥子さん)が死亡した際、被告人両名は、急きょ丙女名義で賃借していたDマンション(「三郎丸ビル」=仮名)を退去しようとしたが、前記のとおり指名手配中であったことから退去点検の立会を避けようとして、被告人松永は、同緒方に指示して、甲女の父に謝礼を与え、その結果、上記立会を免れることができたことがあり、被告人松永は、同年4月ころ、同緒方に対し、「甲女の父はカネに弱く、カネのためならなんでもするだろう。嘘の儲け話にもすぐに飛びつき、カネを騙しやすいのではないか。」などと話した。

そして、被告人両名は、甲女の父を騙す相談をした上、平成6年4月ころ、同緒方が甲女の父に対し、「新会社を設立するので投資して儲けないか。」などと嘘の投資話を持ち掛けたところ、甲女の父から現金30万円を簡単に入手することができた〉
由紀夫さんはそれまで数多くの部屋を斡旋してきた緒方に対して、いくつもの部屋を借りる余裕のある“上客”との意識を持って接しており、以前から緒方に対して、借金を抱えていることを打ち明けたり、「いいカネ儲けの話はないですかね」などと相談するなどしていた。そうしたことから、緒方の持ちかけた投資話にすぐに乗ってしまったのである。
「コンピューターで競馬予想」という投資話を持ちかけて
緒方から由紀夫さんが投資話に乗り気で、カネを出しそうだとの報告を受けた松永は、みずからが乗り出すことにした。その際の状況については、後の公判での判決文にある、検察側による〈事実認定の補足説明〉(以下、〈補足説明〉)に詳しい。
〈松永は、緒方を通じて、自己(松永)を由紀夫に紹介させ、由紀夫に会った。松永は、由紀夫に対し、「宮崎」と名乗り(緒方は「田中」)、「自分はコンピューター関係の仕事をしている。」などと嘘を言い、コンピューターで競馬の予想をして儲ける投資話を持ちかけた。松永は、その後も由紀夫と頻繁に会い、一緒に飲食するなどして、関係を深めた〉
この連日の飲酒を伴う飲食の際に、松永は由紀夫さんから生活環境などを細かく聞き出し、家庭生活の愚痴などを引き出している。そのなかには、後に由紀夫さんを脅すための材料となる話もあったようだ。先の検察側の冒頭陳述は次のように述べている。
〈被告人松永は、甲女の父が、当時勤務していたA社において、顧客から依頼を受けた居室の消毒作業を、実際には行っていないにもかかわらず、顧客にはこれを行ったなどと偽り、受領した作業代金を領得して小遣い稼ぎをしていることなども、言葉巧みに聞き出した〉
ちなみに、4月に三郎丸ビルを出た松永らは、かねてから松永が知人女性名義で借りていた北九州市小倉北区にある「東篠崎マンション」(仮名)70×号室に移り住んでいた。一方で由紀夫さんは、同市門司区にある「上二十町マンション」(仮名)に娘の清美さん(仮名)と、内縁関係にあった安田智子さん(仮名)、智子さんの連れ子である3人の子どもの計6人で住んでいた。
借金を抱えていた由紀夫さん
後の公判での松永弁護団による冒頭陳述は、その当時の由紀夫さんが置かれた状況について触れている。
〈由紀夫は、当時700万円くらいの借金があり、由紀夫の内妻には、「別れた妻が300万円くらい借金しており、別れた後自分が代わりに返済している。」などと言っており、月々その返済をしている〉(※当時の内妻・智子さんへの取材では、借金の名目については内容が異なり、実際の借金返済はほとんど智子さんが行っていた旨の証言がある)
そうした状況の由紀夫さんに対して、松永はコンピューターを使った競馬予想会社を立ち上げようと誘いかけた。起死回生を狙った由紀夫さんは、その申し出を受け入れてしまうのである。〈補足説明〉にある状況は次の通りだ。
〈松永は、平成6年(94年)7月10日、由紀夫をして、(北九州市小倉北区の)「江南町マンション」(仮名)80×号室を賃借させ、同室を競馬予想の事業の事務所にするなどして、コンピューター、ホワイトボード、テーブル等を運び入れるなどした〉
もちろん、松永にコンピューターを使った競馬予想のノウハウなどあるはずもない。あくまでも、由紀夫さんに内妻との同居を解消させるための拠点作りが目的だった。
妻と別れさせ、生活に干渉
松永は新会社の設立準備を行っているように見せかけつつ、由紀夫さんに智子さんと別れるよう唆し続けた。その結果、由紀夫さんは7月下旬に「上二十町マンション」を単身で出て、「江南町マンション」80×号室で暮らすようになった。
8月6日になると、松永は由紀夫さんを使って、それまでいた「東篠崎マンション」70×号室の上階にあたる90×号室を、別人名義で賃借契約し、そちらに緒方と長男とともに移り住む。
同月、由紀夫さんが智子さんと別れたことで、松永は由紀夫さんの生活への干渉の度合いを強めていく。まず松永は、由紀夫さんに対して、娘の清美さんの養育は、保母の資格を有する緒方に任せたほうがいいと告げた。その言葉を受けて、10月になると由紀夫さんは、清美さんを通っていた小学校から連れ出すかたちで、智子さんから引き離し、「江南町マンション」80×号室において、親子2人で暮らすようになる(※ここまでの流れは検察側の主張に準拠したものだが、内妻・智子さんの記憶では、8月上旬に由紀夫さんと清美さんが一緒に出ていったとある)。
清美さんの養育費名目で毎月16万円を徴収
さらに10月20日には、松永に命じられるまま、由紀夫さんは自分の名義で北九州市小倉北区の「片野マンション」(仮名)30×号室を借りている。なお、その際の保証人は由紀夫さんの姉である橋田由美さん(仮名)だったが、後に借主と保証人が入れ替えられたため、以降は契約書上、由美さんが借主となった。
松永と緒方は長男を連れて、その「片野マンション」に居住。2カ月前から住んでいた「東篠崎マンション」90×号室は、借りたままにした。そのうえで、「片野マンション」に清美さんを一緒に住まわせ、由紀夫さんからは、養育費名目で毎月16万円を徴収するようになったのである。
松永は競馬予想会社がうまくいかず、依然として不動産会社に勤めている由紀夫さんを、連日「片野マンション」に呼び寄せ、明け方頃まで一緒に飲酒を続けさせた。そこでは彼の生活状況や勤務状況などを更に細かく聞き出している。
松永弁護団による冒頭陳述では、その際の酒量を明かしていた。
〈由紀夫は、甲女(清美さん)を被告人松永らに託した以降も、「江南町マンション」に住んだままであったが、ほぼ毎晩のように「片野マンション」を訪れ、午後9時ころから翌日午前3、4時ころまで、被告人松永、被告人緒方とお互いに楽しく酒盛りをし、3人でビール大瓶20本に焼酎5合、日本酒5合くらいを飲んでいた〉
顔がむくんでどす黒く変色し、寝てないような見た目に
松永による供述をもとにした冒頭陳述であるため、「楽しく」などといった肯定的な表現が使われている。だが、こうした連日の深酒によって、由紀夫さんは日中に仕事ができる状態ではなかったようだ。この時期の由紀夫さんの様子について、以前の勤務先である不動産会社の元同僚は、私の電話取材に答えている。
「広田(由紀夫)さんはおとなしいタイプで、あまり喋らない人でした。ただ、記憶にあるのは、仕事をせずに、いつも事務所のソファーで二日酔い状態で寝ていたこと。給料は売り上げに応じた歩合制だったので、あんな様子で大丈夫かと思っていました。いつの間にか職場に来なくなって、辞めたときもその理由は『一身上の都合で』だったと思います」
この元同僚は、偽名の「宮崎」を名乗る松永が、職場に来ていたことも記憶していた。
「何回かやってきたんですが、黒縁眼鏡をかけて髪は七三分けでした。身なりとか話し方がきちんとしていて、頭良さそうな人だなと思いました。宮崎さんがなにかを言って、広田さんが頷くといった感じで、見た目は仲が良さそうにしていました」
また、同不動産会社の社長は、事件発覚後の取材に次のように答えている。
「広田の様子がおかしくなったのは、1994年の9月頃からです。よく遅刻をしてきたし、無断欠勤も月に1、2回はありました。顔がむくんでどす黒く変色し、寝てないような見た目なので、夜遊びか、夜に別の仕事をしているのかと思っていました。そのうち営業の数字がどんどん落ち込んでいったので、途中で給料を引き下げています。その後、うちを辞めたのは95年2月でした」
こうした説明からもわかるように、水面下では、清美さんという娘を“人質”に取った松永による、由紀夫さんへの追い込みが、着々と進行していたのである。( 第50回 に続く)
「クスリの中毒患者のように…」松永の標的にされた被害者の“豹変”を見ている人物がいた へ続く
(小野 一光)

「戦場のメリークリスマス」貴重なポスターが展示中に盗難、「どうかご返却下さい」と呼びかけ

巨匠・大島渚監督の代表作「戦場のメリークリスマス」(1983年公開)の貴重な海外ポスターが、東京・新宿の映画館「新宿武蔵野館」で展示中に盗難に遭ったことが分かった。16日、映画配給会社アンプラグドが公表した。

ポスターは、4月16日からの「戦場のメリークリスマス 4K修復版」「愛のコリーダ 修復版」連続公開を前に、同映画館のロビーで展示されていた。アンプラグドのフェイスブックによると、「3月15日朝に、何者かがポスターケースのネジを外して、オリジナルポスター1枚を持ち去る」盗難事件が発生。この日新宿警察署に被害届を提出する予定で、監視カメラの映像も順次確認中だという。

同社は「大島渚プロダクション様のご厚意により、所有されている貴重な初公開当時の世界各国のオリジナルポスターをお借りして開催しておりました。今回盗難されたのは、1点しかない貴重な海外ポスターでございます」と説明。また、「大島渚監督『戦場のメリークリスマス』『愛のコリーダ』連続公開」のツイッターアカウントでは、ポスターの画像を公開して「こちらのポスターを各国内外オークションサイト、並びに中古ポスター販売、またどこかでお見かけの際は、配給会社アンプラグドもしくは以下代表アドレスまで情報ご提供頂けますと幸いです」と情報提供を呼びかけた。

そして、盗んだ人物に対し「3月15日、新宿武蔵野館でポスターを盗んだ方へ。盗難届けも提出予定&監視カメラ確認中ではありますが、早々に無事現物を劇場もしくは弊社までそっとお戻し頂けましたら対応また検討致します。貴重なポスター、皆さまの目に触れて頂きたいと考えています。どうかご返却下さい。心からのお願いです」と訴えている。

盗難事件を受けてポスター展の開催は中止。「配給会社としましては、今後の再発防止に努める所存でございます」としている。