立憲民主党の蓮舫参院議員(53)が15日、自身のツイッターを更新。総務省の接待問題に関連して、NTTの社長らとの会食の有無を国会で問われた武田良太総務相(52)が「国民の疑念を招く会食はしていません」と繰り返し返答したことを厳しく批判した。
この日、「『国民の疑念を招く会食はしていません』 NTT澤田社長との会食の有無に対する武田総務大臣の答弁です」と書き始めた蓮舫氏。
「『国民の疑惑を招かない会食はあったのか』と問われても『国民の疑惑を招く会食はしていません』との繰り返し」と続けると、「武田大臣、疑惑を感じるかどうかは国民の判断で、大臣の判断ではありません」と厳しくつづっていた。
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田崎史郎氏、緊急事態宣言の行方は「小池都知事の動きが非常に大事」
15日放送のTBS系「ひるおび!」(月~金曜・午前10時25分)では、21日に期限を迎える首都圏1都3県で発令中の緊急事態宣言について特集した。
コメンテーターで出演の政治ジャーナリスト・田崎史郎氏(70)は宣言の解除について「1都3県、なかんずく小池都知事がどう動かれるかというところが…。小池さん自身が意思表示されてないんですね」と、まず小池百合子知事(68)の動向に注目した。
その上で「神奈川県知事の黒岩(祐治)さんは延長なしでいいんじゃないかと意思表示されてますけど、小池さんが解除の構えを見せている政府に同調するのか、あるいは延長を求めるのか、それとも延長はしないにしても蔓延(まんえん)防止対象地域指定の適用対象にしてくれと言うのか、小池さんの動きがこの一両日、非常に大事になってくると思います」と続けた。
その上で小池知事の今後の判断について、「専門家会議の動きが解除容認になってきているので…。小池さんと専門家の人たちはこれまで同じような意見だった。専門家の人たちが解除しようという雰囲気になった時に小池さんだけが(別の判断に)動くっていうのも難しい。今のところは政府(の解除方針)に同調する可能性が若干、高いかなと思うけど、でも、良く分かりません」と分析していた。
コロナ対策で国と東京都がいがみ合うわけ 独自性求める小池知事、都の財政構造も遠因に
首都圏の1都3県に出されている新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の再延長をめぐり、菅義偉首相と小池百合子都知事の間で駆け引きがあった。 3月7日までの期限を延長するか否か。小池知事は3県の知事と協議し、期限延長を政府に要請した。ところが、菅首相は3月3日夕方に急きょ、知事からの要請を受ける前に期限延長の方針を示した。 1月に緊急事態宣言を再発令するきっかけとなったのは、小池知事の主導で3県の知事とともに政府に再発令を要請したことだった。政府は当初その要請に対して否定的だったが、結局再発令されることになった。 ■コロナ第2波は「東京問題」 今回の再延長では、菅首相と小池知事の間に方針の食い違いはなかった。しかし、知事からの要請を受ける前に菅首相が決断した形をとった。方針に違いはないのに、両者が協調しているようには見えない。 新型コロナウイルス対策をめぐる菅首相と小池知事のいがみ合いは、菅内閣発足前から始まっていた。2020年7月11日、安倍内閣の官房長官だった菅氏は講演で、東京都を中心に新型コロナの「第2波」が起き始めている状況に対して、「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど東京中心の問題」と述べ、東京都の感染防止対策を暗に批判した。 これに対し小池知事は、政府が7月22日から前倒しで実施しようとしていたGo Toキャンペーンについて、「冷房と暖房と両方かけることにどう対応していけばいいのか。体調不良の方は『都外へお出かけにならないでください』と伝えているが、無症状の感染者も出ている中で、どう仕切りをつけるのか。これは国の問題だ」と、政府の対応に疑義を呈した。 今年7月4日には東京都議会議員選挙が行われる。2017年の都議選では、小池知事が率いた都民ファーストの会が躍進。都議会最大会派となった。自民党は当選回数を重ねていた候補者が多数落選して大敗しており、今回の都議選で議席の奪還を狙っている。一方、都民ファーストの会の都議は初当選者が多く、議席維持にも小池知事頼みというところがある。 小池知事としても、今は知事派が都議会で過半数の議席を維持しているが、次の都議選で都民ファーストの会の議席が減ると、知事派の議席が過半数を割ってしまい、都政運営に支障が出る。自民党は過去の都知事選と都議選で小池知事と対立しており、両者は容易に妥協しそうにない。 小池知事はかつて自民党の国会議員だったため、自民党との違いを明確に出さないと、存在感を示しにくい。菅首相と協調して新型コロナ対策を講ずるという対応だと、都知事として主導権を発揮したように映らない。自民党との差異が見えず、7月の都議選で都民ファーストの会に援護射撃もできない。 ■税収格差是正に東京都は猛反発
首都圏の1都3県に出されている新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の再延長をめぐり、菅義偉首相と小池百合子都知事の間で駆け引きがあった。
3月7日までの期限を延長するか否か。小池知事は3県の知事と協議し、期限延長を政府に要請した。ところが、菅首相は3月3日夕方に急きょ、知事からの要請を受ける前に期限延長の方針を示した。
1月に緊急事態宣言を再発令するきっかけとなったのは、小池知事の主導で3県の知事とともに政府に再発令を要請したことだった。政府は当初その要請に対して否定的だったが、結局再発令されることになった。
■コロナ第2波は「東京問題」
今回の再延長では、菅首相と小池知事の間に方針の食い違いはなかった。しかし、知事からの要請を受ける前に菅首相が決断した形をとった。方針に違いはないのに、両者が協調しているようには見えない。
新型コロナウイルス対策をめぐる菅首相と小池知事のいがみ合いは、菅内閣発足前から始まっていた。2020年7月11日、安倍内閣の官房長官だった菅氏は講演で、東京都を中心に新型コロナの「第2波」が起き始めている状況に対して、「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど東京中心の問題」と述べ、東京都の感染防止対策を暗に批判した。
これに対し小池知事は、政府が7月22日から前倒しで実施しようとしていたGo Toキャンペーンについて、「冷房と暖房と両方かけることにどう対応していけばいいのか。体調不良の方は『都外へお出かけにならないでください』と伝えているが、無症状の感染者も出ている中で、どう仕切りをつけるのか。これは国の問題だ」と、政府の対応に疑義を呈した。
今年7月4日には東京都議会議員選挙が行われる。2017年の都議選では、小池知事が率いた都民ファーストの会が躍進。都議会最大会派となった。自民党は当選回数を重ねていた候補者が多数落選して大敗しており、今回の都議選で議席の奪還を狙っている。一方、都民ファーストの会の都議は初当選者が多く、議席維持にも小池知事頼みというところがある。
小池知事としても、今は知事派が都議会で過半数の議席を維持しているが、次の都議選で都民ファーストの会の議席が減ると、知事派の議席が過半数を割ってしまい、都政運営に支障が出る。自民党は過去の都知事選と都議選で小池知事と対立しており、両者は容易に妥協しそうにない。
小池知事はかつて自民党の国会議員だったため、自民党との違いを明確に出さないと、存在感を示しにくい。菅首相と協調して新型コロナ対策を講ずるという対応だと、都知事として主導権を発揮したように映らない。自民党との差異が見えず、7月の都議選で都民ファーストの会に援護射撃もできない。
■税収格差是正に東京都は猛反発
医師資格なく美容整形疑い ベトナム人夫婦を逮捕
医師免許を持たずに美容整形手術をしたとして、警視庁組織犯罪対策1課などは、医師法違反(無免許)容疑で、いずれもベトナム国籍の会社員、チャン・ティ・ニュン容疑者(27)=千葉県浦安市北栄=と、夫で無職のグエン・ティエン・フォン容疑者(37)=同=を逮捕した。チャン容疑者らは「(患者に)感謝されるので続けてしまった」などと容疑を認めている。
逮捕容疑は、昨年11月30日から今年1月8日まで、自宅で医師免許がないにもかかわらず、女性4人に対して、唇へのヒアルロン酸注入などの施術をしたとしている。施術はニュン容疑者が行い、フォン容疑者は助手役だったとみられる。
組対1課によると、口コミなどで外国人女性らを集め、通常より安い料金で美容整形をしていた。これまで約50人に施術し、計約400万円を売り上げていたとみられる。ニュン容疑者は「親戚の美容整形医の治療をベトナムで見学するなどして技術を学んだ」などとも話しているという。
【ワイドショー通信簿】今度は「フィリピン型」変異ウィルス確認! ジワリ拡大? 英国型と同様、感染力強いぞ!(とくダネ!)
全国で確認された変異ウイルス感染者は14日午前0時現在で、498人(27都道府県)。このうち、先月2月25日にフィリピンから帰国した60代の男性から、空港検疫で「フィリピン型」が初めて確認された。
フィリピン保健省は14日、新たな変異ウイルスをこれまでに国内で98人確認した、と発表した。フィリピンでは、新型コロナウイルスの一日あたりの感染者数が3000人を超える日が続いている。フィリピン国内では、英国型、フィリピン型など4つの変異ウイルスが確認されている。当局は、3月11日から首都マニラ市の一部地域を封鎖、住民に自宅待機を命じた。さらに15日から2週間、マニラ市全域で夜間外出禁止令を発令した。
フィリピン由来の変異ウイルスは、今月1月ころからセブ市周辺で確認され始めた。セブ州のガルシア知事は「断固としてロックダウンには反対だ」として、追跡確認やワクチンの接種を拡大するなどしている。このワクチンは中国のシノバック製で、2月28日に中国政府が60万回分のワクチンを無償提供した。
ただ、フィリピン大学の調査では、「接種を受けたくない」という人が46%で、その理由の8割が、「安全性を疑う」だったという。
ウィルスは生き残るため変異、アメリカ型、カナダ型、インド型も
フィリピン以外で確認されているのは、今のところ日本だけだ。国立感染症研究所によると、英国型と同様に感染力が強い恐れがあるという。フィリピン・ゲノムセンターの発表では、「ブラジル型からさらに変異した」もので、従来型よりも感染力が強く、ワクチン効果が低くなる可能性もある、という。
4つの変異ウイルスを比べると、最も広がっている英国型は106か国(3月2日時点)に拡大し、感染力は1.7倍。南アフリカ型は56か国で1.5倍。ブラジル型は29か国で1.4倍~2.2倍、フィリピン型は日本との2か国だけだ。
二木芳人・昭和大客員教授は、「インフルエンザのウイルスでも少しずつ変異してきた。性格が変わるのでそれに合わせたワクチンを毎年用意する。大きな変異が時々あると、対策を準備することになる。コロナウイルスも少しずつ変異を繰り返しながら、生き残りに都合の良いような形に収まっていく。これ以外の変異株もいっぱい入ってます。アメリカ型、カナダ型、インド型…」と話す。
小倉智昭キャスター「水際対策といっても限界あるよね」
神戸市立小学校で授業中に10人けが 図工で小刀や彫刻刀使用
神戸市中央区の市立こうべ小で2、3月、小刀や彫刻刀を使う図工の授業中、10人の児童が相次いでけがをしていたことが分かった。このうち1人は右手親指のけんを切り、もう1人は、左手を数針縫った。他の8人は軽い切り傷だったが、市教委は「早急に原因を調べる」としている。
市教委によるとろうを削って作品をつくる授業で、5年生の4クラスで行われた。うち3クラスで2月15日に4人、同16日に2人、3月8日に重傷の2人を含む4人がけがをした。小刀を使う際、安全確保のために図工教諭に加え、担任が補助に入ることにしていたが、3月8日は不在だったという。
市教委は15日、原因究明までの措置として、市立小に対し小刀を使う授業を当面停止するよう通知した。「大きなけがが続けて起きたのは問題がある。再発防止に努めたい」としている。【反橋希美】
【ワイドショー通信簿】21日で宣言解除しかない…専門家も「これ以上の我慢強いるのは難しい」、新たな対策必要か(とくダネ!)
新型コロナウイルス感染症の「緊急事態宣言」は2週間後の21日まで延長されているが、ここで解除されるのか。政府は18日にも対策本部会議を開き、判断する方針だ。
東京都のきのう14日(2021年3月)の新規感染者は239人と、6日連続で前週の同じ曜日を上回った。この1週間平均の感染者数も前週の109.8%となった。
小池百合子都知事は14日午後、「下げ止まりならぬ、少し上がってきております。改めてみなさんとともに、コロナ対策にしっかり当たっていきたい」。
渋谷駅の人手は一昨日土曜日の午後8時の時点で、前週比5%増に止まったが、宣言が解除された大阪駅では宣言解除前の土曜日に比べ41%増、名古屋駅で50%増と、一気に人が繰り出した。
解除後、再び爆発的に増えないような対策を…
昭和大学の二木芳人・客員教授は「これ以上私たちに、家にいろとか外出を自粛しろとか言うのは、なかなか難しいんじゃないでしょうか。あとは行政が積極的な手を打っていただくというのがポイントになりますね」と話す。
さらに、緊急事態宣言については、「同じような対策を続けても、感染者を下げるのは難しい。むしろ増えかねない。宣言をだらだら続けるよりも、一度解除して、新たな対策を明確に示す方がいい」。
また、解除すれば感染者は増えるとみられるため「爆発的に増えないよう、医療体制を準備しておくことが一つの方策だ」という。
1都3県の病床使用率は、9日現在でいずれも50%を下回っており、千葉県が42%と最も高く、埼玉県40%、神奈川県と東京都はいずれも26%となっている。
14日の産経新聞によると、11日の厚労省の専門家組織の非公式会合では、主要メンバーから「もう打つ手はない」。関係閣僚からは、「宣言はもう効かない。早く解除するしかない」などの発言が出たという。感染者数が増えても、病床がひっ迫していないことを根拠に、解除する方向が強まっている。
小倉智昭キャスター「解除しないでほしい、という声が5割を上回る調査も見かけるけれどねえ。さらに延長するとすれば、ロックダウンに近いことをする以外に方法はないと思う」。
「宣言」後の対策は、政治手腕の見せ所だ。五輪の最終的な可否にも直結する。
深夜の女性狙いひったくり容疑 盗難車で行脚61歳男逮捕
大阪や兵庫など6府県でひったくりを繰り返したとして、大阪府警布施署は15日、窃盗や強盗致傷などの容疑で住所不定の無職、林田孝行被告(61)=常習累犯窃盗罪などで起訴=を逮捕、送検したと発表した。林田容疑者は深夜帯に1人で通行中の女性を主に狙い、奈良県内で盗んだ乗用車などを犯行に使っていた。同署は21件(被害総額約830万円相当)の被害を裏付けた。
逮捕、送検容疑は昨年6月2日夜、大阪市西区の路上で、歩行中の20代女性の後方から盗難車で接近。運転席から追い抜きざまに手提げかばんをつかみ、転倒した女性を約12メートルにわたって引きずり全治2週間の軽傷を負わせるなどしたとしている。
同署によると、昨年4~6月にかけ、大阪、兵庫、奈良、京都、三重、神奈川の6府県でひったくりや置引などを繰り返すなどしていたという。同署は認否を明らかにしていない。
NTT社長、菅首相・武田総務相との会食の有無答えず 参院予算委
[東京 15日 ロイター] – 総務省接待問題を巡り15日の参院予算委員会に出席したNTTの澤田純社長は、菅義偉首相や武田良太総務相との会食の有無について明言を避けた。武田総務相もこれまでに引き続き明言を控えた。福山哲郎委員(立民)への答弁。
福山氏は澤田社長に対して総務省幹部や大臣ら政務3役との会食は常態化していたのか質問。澤田氏は総務省幹部とは「2018年に2回、20年に1回」と回答。「政務3役との会食は常態化しているわけでない」と回答した。首相や総務相との会食有無に関しては「上場企業の社長として、個別の会食の有無は控える」とした。
武田総務相も「個別の事案ひとつひとつについて回答は控える。国民のみなさんから疑念を招く会食や会合に応じたことはない」と述べた。
澤田氏は委員会冒頭、大家敏志委員(自民)への答弁で、接待問題に関し「大きな心配と迷惑かけた」と陳謝。「日ごろから与野党の国会議員など各界の有識者と懇談する場を設けている。業務上の要請や便宜を受ける話はしていない」と説明した。
(竹本能文)
被災者がいま語る「悲しみから脱却するということはあり得ない」
東日本大震災から「もう10年」か、「まだ10年か」。街の復興と心の復興は、同じスピードで進むわけではない。被災した人々の心には、永遠に消えることのない「あの日」の記憶が残り続けている──。 「震災で被災者が負ったのは、それぞれ異なる深さや大きさや形が折り重なった、重層的な傷でした」 そう語るのは、宮城県栗原市にある通大寺の住職である金田諦應さん(65才)。金田さんは、避難所や仮設住宅などを回り、被災者の言葉に耳を傾ける傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」を主宰し、震災直後から続けてきた。「モンク」とは、英語で修道僧を意味し、そこへ「文句」「悶苦」の意味も兼ねている。想像を絶する出来事に直面し、複雑な傷を負ったとき、人は「放心状態」に陥ると金田さんは話す。 「震災後に私たちが火葬場でボランティアをした際、遺族のかたがたは放心状態で、泣くこともできませんでした。現実に起きたことがあまりに凄絶だと、人は喜怒哀楽の感情を失います。すると過去現在未来という時間の感覚も止まってしまい、未来に向かって歩くことができなくなる。こうした感覚を取り戻すことが、この10年の被災地の大きな課題でした」 宮城県石巻市の居酒屋で、ひとり、酒を嗜んでいた佐藤崇さん(52才)は、失った母親への本音を明かす。 佐藤さんの母親は、足の悪い近隣住人の救助へ向かい、津波に流されて行方不明になった。半年後、気仙沼沖で底引き網に引っかかった頭蓋骨をDNA鑑定したところ母親の遺骨と判明した。DNA鑑定によって被害者の身元が判明した初めてのケースだったが、佐藤さんはその事実をいまも受け入れられないと話す。 「結局、遺体は頭蓋骨しか見つかっておらず、10年経った現在も母を捜す気持ちに変わりはありません。いまだに、『母は記憶喪失になって、どこかで生きているのではないか』と考えてしまいます」 スーパーへ買い物に行くとき、街を歩いているとき、母親と風貌が似た人を見かけると佐藤さんは固まってしまうという。 「思わず立ち止まって見つめてしまい、『母さん』と声をかける寸前までいったことが何度もあります。普通に病気で死ねば、悲しみや喪失感は時間とともに癒されるのでしょうが、震災による死は感覚がまったく異なります。何も見つからない人もたくさんいるので、うちは頭蓋骨が見つかっただけでも、幸せかもしれません。 死んだことはわかっていても、ピンとこない人は多い。祈りたくても祈れない、被災地にはそんな人がまだ大勢いることを忘れないでほしい」(佐藤さん)
東日本大震災から「もう10年」か、「まだ10年か」。街の復興と心の復興は、同じスピードで進むわけではない。被災した人々の心には、永遠に消えることのない「あの日」の記憶が残り続けている──。
「震災で被災者が負ったのは、それぞれ異なる深さや大きさや形が折り重なった、重層的な傷でした」
そう語るのは、宮城県栗原市にある通大寺の住職である金田諦應さん(65才)。金田さんは、避難所や仮設住宅などを回り、被災者の言葉に耳を傾ける傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」を主宰し、震災直後から続けてきた。「モンク」とは、英語で修道僧を意味し、そこへ「文句」「悶苦」の意味も兼ねている。想像を絶する出来事に直面し、複雑な傷を負ったとき、人は「放心状態」に陥ると金田さんは話す。
「震災後に私たちが火葬場でボランティアをした際、遺族のかたがたは放心状態で、泣くこともできませんでした。現実に起きたことがあまりに凄絶だと、人は喜怒哀楽の感情を失います。すると過去現在未来という時間の感覚も止まってしまい、未来に向かって歩くことができなくなる。こうした感覚を取り戻すことが、この10年の被災地の大きな課題でした」
宮城県石巻市の居酒屋で、ひとり、酒を嗜んでいた佐藤崇さん(52才)は、失った母親への本音を明かす。
佐藤さんの母親は、足の悪い近隣住人の救助へ向かい、津波に流されて行方不明になった。半年後、気仙沼沖で底引き網に引っかかった頭蓋骨をDNA鑑定したところ母親の遺骨と判明した。DNA鑑定によって被害者の身元が判明した初めてのケースだったが、佐藤さんはその事実をいまも受け入れられないと話す。
「結局、遺体は頭蓋骨しか見つかっておらず、10年経った現在も母を捜す気持ちに変わりはありません。いまだに、『母は記憶喪失になって、どこかで生きているのではないか』と考えてしまいます」
スーパーへ買い物に行くとき、街を歩いているとき、母親と風貌が似た人を見かけると佐藤さんは固まってしまうという。
「思わず立ち止まって見つめてしまい、『母さん』と声をかける寸前までいったことが何度もあります。普通に病気で死ねば、悲しみや喪失感は時間とともに癒されるのでしょうが、震災による死は感覚がまったく異なります。何も見つからない人もたくさんいるので、うちは頭蓋骨が見つかっただけでも、幸せかもしれません。
死んだことはわかっていても、ピンとこない人は多い。祈りたくても祈れない、被災地にはそんな人がまだ大勢いることを忘れないでほしい」(佐藤さん)