NHKの顔である有馬嘉男(55)と武田真一(53)が3月いっぱいで降板させられる。
政権に批判的な2人だから、NHK首脳陣が菅官邸に忖度したのではないかといわれている。
この突然の降板と、今問題になっている菅義偉の長男・正剛が、総務官僚たちを接待漬けにしていたこととは、根っこでつながっていると思う。
それについては後述するとして、有馬と武田の降板理由から見てみよう。
昨年10月26日の臨時国会が開幕した日、菅は『ニュースウオッチ9』(以下『ウオッチ9』)に出た際、有馬は、問題になっている日本学術会議の任命拒否問題について質問を重ねた。
すると菅は、最後のほうではややムッとした様子で、「説明できることと、説明できないことがある」といった。
私はビデオに録ってあるものを見返してみたが、何ということのないやり取りである。
だが、週刊文春(2/25日号)によると、放送直後に山田真貴子内閣広報官から原聖樹政治部長に抗議があったという。どうやら、「所信表明の話を聞きたい」といって呼びながら、学術会議問題について聞くなんて、「NHK執行部が裏切った」と考え、菅官邸が怒ったそうだ(これについて2月25日に衆院予算委員会に参考人として招致された山田は、NHKにその件で電話をしたことはないと答弁している)。
質問内容を事前に提出して、役人がつくったペーパーを読むだけの出来レース会見しかできない菅にとっては、想定外の質問が許せなかったのではないか。
その頃から局内では有馬降ろしが始まったそうだが、表向きは、夜のニュース番組は軒並み女性キャスターだから、『ウオッチ9』も和久田麻由子をメインに据えるというもので、有馬の次に来る田中正良元ワシントン支局長は補佐役に回るそうである。
和久田はたしかに原稿を読むのはうまいと思うが、MCとしての能力にはやや疑問符がつくと思う。
一方の武田のほうはどうしてなのか。彼は『ニュース7』のMCを9年間務めたほか、『クローズアップ現代+』(以下『クロ現+』)のキャスターも担当していた、名実ともにNHKを代表するアナウンサーである。
武田は家族仲が良く、子どももまだ小さいようだが、今回の異動で大阪放送局へ単身赴任させられるそうである。明らかな左遷人事ではないのか。
しかし、武田の降板理由もまた不可解なものだ。1月19日の『クロ現+』で自民党の二階俊博幹事長をインタビューした際、新型コロナウイルス対策について、「政府の対策は十分なのか。さらに手を打つことがあるとすれば何が必要か」と質問した。
すると二階は、「今全力を尽くしてやっているじゃないですか。いちいちそんなケチをつけるものじゃないです」と凄んだというのである。
このことで武田は、二階の不興を買って降板&異動に追い込まれたと週刊文春は書いている。
この程度の質問で降板させるとしたら、NHKは官邸に忖度どころではなく、もはや権力側と一体化していると思わざるを得ない。
私は、武田が『クロ現+』のキャスターになる時、会見で政治との距離について聞かれ、「フェアであること。情報が世の中をよくすることに資するかの一点を大切にしたい。多様な見方を提示して民主主義を機能させるため、『こんな見方もある』と政治家にぶつけないといけない」(川本裕司『変容するNHK 「忖度」とモラル崩壊の現場』花伝社)と語ったことが響いているのではないかと思う。
NHKに多様な見方、考え方は必要ない。安倍官邸の強い意志で会長に祭り上げられた籾井勝人が会見でいい放ったように、「政府が右といっているものを、われわれが左というわけにはいかない」のがNHKなのだ。
「NHK放送ガイドライン」には「自主・自律の堅持」がうたわれているが、首脳陣は読んだことがないのであろう。
週刊新潮(2/25日号)によれば、NHKの看板番組『NHKスペシャル』でも、放送直前にエライサンの鶴のひと声で延期という事態が起きていたという。
1月15日、五輪開催の半年前にあたる1月24日放送予定の『令和未来会議 どうする? 何のため? 今こそ問う 東京オリンピック・パラリンピック』の打ち合わせに、チーフプロデューサーがいつまでたっても現れなかったというのだ。
「実はその裏で、NHKスペシャルを管轄する放送総局大型企画開発センター幹部と、正籬(まさがき)聡副会長兼放送総局長の会談が行われていたんです。そこでは放送延期について話し合われ、当日中に現場に伝えられました」(NHK中堅職員)
正籬は政治部出身で全放送に責任を持つが、トップが口出しするのは異例中の異例で、労組が問題視して経営陣に説明を求めたそうだ。
説明によると、コロナで世論の不安が高まる中だから、タイミングが悪いというものだったが、番組内での討論で、五輪止めるべしという意見が多く表明されれば、どうしても開催したい官邸や組織委の不興を買うことになるので、正籬が忖度して延期したといわれているそうである。
ここでも忖度が幅を利かせている。いっそのこと忖度放送局とでも変更したらどうか。
いうまでもないことだが、NHKは予算や事業計画を国会で承認されなければならないし、会長の任免権を握る12人の経営委員は国会の同意を得て首相が任命するから、政治的な圧力がかかりやすい。
だが今のNHKを見ていると、受信料を払っている国民のほうは向かず、官邸や総務省ばかりを向いているといってもいい。
有馬降板で思い起こされるのは、同じ番組でキャスターを務めていた大越健介の時のことである。東大の野球部で活躍したスポーツマンで、ものいうキャスターとして人気があった。
だが安倍首相(当時)は、大越の話すことがいちいち癇に障るようだった。週刊現代(2015年4/4日号)で大手紙政治部記者が、「一度、私が公邸で同席したときは、大越さんがコメントを始めると舌打ちして『また始まったよ』とぼやいていました」と語っている。
これも籾井会長時代。安倍と特段に親しい岩田明子NHK記者も、大越のコメントの仕方に不満が溜まっていたと週刊現代が報じている。同期にはやはり安倍首相にきわめて近い小池英夫(後に政治部長、現在は理事)がいて、大越と出世を競っていたという。
そんな中で大越は、「政治に対しては多少モノを言いたいと思うし、(3.11の=筆者注)原発事故に関しても、やっぱり言うべきことはきちんと言いたい。NHKだから無味乾燥でいいということは、絶対にないと思います」と、週刊現代のインタビューで語っている。
こういう姿勢のジャーナリストが、よく5年も持ちこたえたと思うが、突然、降板をいいわたされたのである。
小池は報道局長時代、森友事件を執拗に追いかけ、数々のスクープをものにした相澤冬樹記者の記者職を解き、退社へ追い込んだことでも知られている。
『クロ現』の国谷裕子がNHK側から、「契約更新をしない」といわれたのは2015年12月であったという。
その前年の7月3日、集団的自衛権の行使容認をテーマに菅官房長官(当時)が出演した。
国谷は、菅の発言に対して何度も「しかし」と食い下がった。
最後の質問が終了直前だったため、菅の言葉が尻切れトンボで終わってしまった。菅周辺が「なぜ、あんな聞き方をする。『しかし』が多すぎる」とNHK側に文句をいったそうだ。
現場は国谷の続投を強く望んだが、籾井会長は菅に詫びを入れ、国谷降板の流れができてしまったそうである。
国谷は世界(2016年5月号)で、時間をキープできなかったのは私のミスだったと認めながら、こう書いている。
「聞くべきことはきちんと角度を変えて繰り返し聞く、とりわけ批判的な側面からインタビューをし、そのことによって事実を浮かび上がらせる。それがフェアなインタビューではないだろうか」
インタビューのイロハだと思うが、こうした当たり前のことさえできないNHKという組織は、腐食が思いのほか進んでいるといわざるを得ない。
島桂次、海老沢勝二など、有力政治家たちとつるんで権勢を振るってきた歴代会長から、小物になったとはいえ、その悪しき伝統は今も続いている。
そんなNHKを菅が黙って見ているわけはない。森功は『総理の影 菅義偉の正体』(小学館)で、菅は総務大臣就任当時から、NHKを国営放送にして操り、そのための見返りとして受信料を義務化する考えだったと書いている。
その前段階の受信料義務化が達成されたのは2017年12月6日であった。
受信料契約を拒んだ男性にNHKが支払いを求めた訴訟の上告審で、最高裁が、「テレビがあればNHKと契約を結ぶ義務がある放送法の規定は合憲」だという判決を下したのである。
この司法判断の裏に、安倍や菅の何らかの働きかけがあったのではないかと考えるのは“邪推”だろうか。
その結果、受信料の申し出が通常の数倍にもなったという。
その後、ネットでの同時配信も始まり、テレビを持たず、スマホやパソコンで視聴する人間からも受信料を取る仕組みができつつある。
そうした背景を考えると、官邸の傀儡である籾井会長を実現させ、政権に批判的な人間を次々に降板させていく、安倍と菅の思惑が透けて見えるではないか。
菅が総務大臣だったのは第1次安倍政権の1年だけだったが、総務省を自分の「天領」にしようともくろみ、着々と手を打ってきたのは間違いない。
今は総務省に吸収されたが、旧郵政省に最初に目をつけたのは田中角栄だった。
彼は、ここを牛耳ればメディアはオレにひれ伏すと考えたのである。
「俺はマスコミを知りつくし、全部わかっている。郵政大臣の時から、俺は各社全部の内容を知っている。その気になれば、これ(クビをはねる手つき)だってできるし、弾圧だってできる」
これは田中角栄が総理に就任した直後の1972年8月に、番記者たちに語った「軽井沢発言」として知られている。
この中の「郵政大臣」を「総務大臣」に置き換えれば、菅首相の「本音」と同じではないか。
田中が郵政大臣当時、三流役所といわれていた郵政省に目をつけ、放送局の免許申請が殺到する中で、郵政省の方針をひっくり返して一括大量免許を交付することでテレビ局に恩を売り、新聞とテレビ局の系列化を推し進めて、新聞にも大きな影響力を持つようになった。
以来、田中派は郵政族と呼ばれ絶大な権力を行使してきた。田中派の重鎮であった梶山静六を師と仰ぐ菅が総務大臣に就任した時、こう考えたことは想像に難くない。
総務省は情報通信や郵便ばかりではなく、地方自治などを含めた戦前の内務省のような巨大組織である。ここを思いのままに動かすことができれば、最高権力者への道が開けると考えたとしても当然だろう。
総務大臣の時、ロックバンドをやっていた長男・正剛をいきなり秘書官に据えた。社会経験もない25歳の若者がもらった年収は400万円だったといわれる。その後、菅は旧知の「東北新社」創業者に頼んで入社させてもらう。
私は、これは偶然ではないと考えている。
「東北新社」が衛星基幹放送事業に進出するのは2017年。その後、2018年にCSデジタル放送を開局している。
「東北新社」が総務省に対して絶対的な力を持つ菅の長男を厚遇したのは当然である。長男も、父親の威光を十二分に生かして社の利益につなげ、順調に出世していくのである。
ここからは私の推測も入るのだが、菅が権力者への階を上っていくためには、露骨な総務官僚たちとの会食は若干控えめにせざるを得ない。
だが、省内の情報は多いほどいい。そこで、父親に替わって長男の正剛が、総務官僚たちを接待し、省内の最新情報や人の動きなどを、酒の飲めない父親に代わって聞き出し、父親に報告していたのではないか。
総務省が24日に発表した処分内容によると、総務省幹部4人を含む12人の職員(当時)が、2016年以降に延べ39回の接待を受けていたという。9人が減給などの懲戒処分を受けた。
合計額は約53万円で、いずれも「東北新社」側が払っていた。
長男も菅の野望を実現する手駒の一つだったのではないか。そう思えてならない。
NHKの政権批判分子を排除し、官邸の意のままに動く体制はつくり上げた。民放テレビ局は、わずかな局を除いてトップたちとの太いパイプはあるし、テレビを通じて新聞に圧力をかけることもできる。
メディア支配という意味では「オレは角栄を超えた」、菅はそう思っていたのではないか。だが上手の手から水が漏れた。
総務省で菅の長男から接待を受けた官僚たちが、次々に更迭されていく。
総務省から内閣広報官に抜擢した山田真貴子は、1回の会食費が7万円を超えたことで、倫理違反ではなく「贈収賄も視野に入るのではないか」(若狭勝・元東京地検特捜部副部長)ともいわれている。
しかし、菅政権が倒れたとしても、NHKへの権力側の介入が終わるわけではない。
朝日新聞編集委員の川本裕司が先の本で書いている。
「経営面では盤石に映るNHKだが、その内実には危うさが数多くある。自壊しかねない不安要素を抱えながら、肥大化していく公共放送の未来が明るい、とはとても言えない」
安倍晋三が介入を繰り返し、菅義偉が総仕上げに入ったNHK国営放送化が出来上がれば、“みなさまのNHK”が、“自民党と官邸のみなさまだけのNHK”へと変容していく。
有力メディアが権力のいいなりになった時の怖さを、われわれは先の戦争で学んでいるはずである。もはやNHKに自浄作用を期待できないとすれば、税金のように義務化された受信料を支払わされている国民が、十分なチェック機能を果たし、本来あるべき「国民のための公共放送」へと原点回帰させるしかない。
NHKの危機は、われわれ国民の「知る権利」の危機である。(文中敬称略)
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(ジャーナリスト 元木 昌彦)
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「竹島に上陸する自衛隊は撃退する」韓国政府は日本との戦争を覚悟している
2月22日、島根県が竹島(同県隠岐の島町)をめぐる領土問題の解決を訴える「竹島の日」の式典を松江市内で開いた。式典は今年で16回目となる。丸山達也知事が「竹島の占拠を既成事実化しようとする動きが続いている。極めて遺憾だ」と述べ、挨拶した。
韓国は戦後の1952年、日本海に一方的に李承晩ラインを設定し、歴史的に日本固有の領土である竹島を韓国の領土に組み入れてしまった。韓国は竹島を「独島(どくと)」と呼んで不法占拠を続け、政権が反日の象徴として利用してきた。宿泊施設を建設して海洋警察の警備隊員を常住させ、ヘリポートも設置。周辺海域では年に2回、海軍や空軍の艦船や航空機を投入して軍事訓練を実施している。
国際的に決して許されない行為である。韓国は日本をなめている。甘く見ている。日本は占拠されたからといって尻込みすることはない。占拠の違法性をアメリカをはじめとする国際社会に強く訴え、毅然(きぜん)とした態度で対応すべきだ。
加藤勝信官房長官は22日午前の記者会見で、竹島の日の式典がこの日開催されることを踏まえ、次のように語った。
「竹島は歴史的な事実に照らしても、国際法上も明らかに日本固有の領土だ。日本の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意の下、冷静かつ毅然と韓国側に対応していきたい」 「国際社会の正しい理解を得ていくことが重要だ。竹島問題解決に向け、世界各国にある日本大使館や国内有識者の海外派遣などを通じて正しい情報発信を強化している」
加藤氏の言う通りだが、実行が伴わないと意味がない。菅義偉政権は領土を守り抜くという決意を即座に行動で示してほしい。政権には日本の領土を守り抜く義務がある。繰り返すが、他者を攻撃する反日種族主義(反日トライバリズム)にまみれた韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権には毅然と対応し、国際社会に日本の正当性を強くアピールする必要がある。
韓国は慰安婦問題や徴用工訴訟を前面に打ち出し、日本に圧力をかける。慰安婦像を韓国以外にも設置するなどして国際社会を味方に付けようと懸命だ。
22日の竹島の日の式典に対しても、韓国は外務省報道官が「つまらない挑発を繰り返していることに強く抗議し、この行事を直ちに廃止することを改めて厳重に求める」との声明を出し、日本をあからさまに批判した。
22日の午後にはソウルの日本大使館の相馬弘尚・総括公使に対し、韓国外務省の金丁漢(キム・ジョンハン)アジア太平洋局長が抗議した。相馬氏は「抗議は受け入れられない」と反論したが、当然である。ノーと言うときには、はっきりと即座に言わなければならない。外交にはこうした毅然とした態度が欠かせない。
2月11日付の韓国の東亜日報には驚くべきスクープが掲載された。
東亜日報によると、韓国軍が竹島(韓国名・独島)に日本の自衛隊が攻めてくることを想定し、それを防ぐための戦力や作戦について分析し、昨年12月の韓国国会に報告していたというのだ。韓国軍の想定は自衛隊が竹島に先遣隊を投入、戦闘機や潜水艦を駆使して制空・制海権を握り、その後に竹島上陸が決行されるというもので、韓国軍は竹島に最新の兵器や装備を導入する必要性を訴えている。
岸信夫防衛相は翌12日の記者会見で問題の東亜日報の報道に触れ、「外交ルートを通じて韓国側に事実関係の説明を求めたところ、韓国は報道内容を否定した」と語った。
しかし、沙鴎一歩は東亜日報の報道は正しいと思う。火のないところには煙は立たない。韓国軍は日本が竹島にいつ攻め込んできても十分に対応できるように体制を組んでいるのだ。休戦状態とは言え、北朝鮮とも有事が続いているだけに韓国の危機管理は進んでいる。逆に日本の危機管理は甘い。韓国軍の侵攻を想定した軍事訓練を行う必要がある。
2月22日付の産経新聞の社説(主張)は「竹島の日 国は返還要求の意思示せ」との見出しを付け、「日本が主権を侵害されているという認識が、政府には希薄すぎるのではないか」と指摘する。
産経社説はその理由を次のように書く。
「非難されるべきは韓国だが、日本政府の姿勢も残念極まりない。今年も式典への閣僚の出席を見送り、内閣府政務官の派遣にとどめる」 「主権国家は自らの意思で国民と領域を統治しなければならない。竹島の占拠は主権の侵害にほかならない。ロシアに不法占拠されている北方領土もしかりである」
菅政権だけではない。これまでの日本の政権はすべて韓国を甘やかしていた。韓国にいい顔を見せ過ぎた。だから韓国につけ込まれるのだ。強く反省するべきである。
産経社説は「竹島の日」と「北方領土の日」を比較してこう指摘する。
「取り組みのちぐはぐさも、それを示している。2月7日の北方領土の日は閣議決定された日なのに対し、竹島の日は島根県の条例によるものだ」 「前者では返還に向けた全国大会に政府も主体的に関与している。今年は菅義偉首相がビデオメッセージを出した。これに対して竹島の日は県民大会である」 「島根県の努力を大いに是としたいが、同県だけの問題ではない。領土を守るのは国である」
「閣議決定の日」と「県条例の日」。「政府の主体的関与」と「県民大会」。こう並べてみると、産経社説が指摘するように日本政府が竹島を軽んじていることがよく分かる。
最後に産経社説はこう主張する。
「韓国が竹島を、反日による自国の求心力の象徴としている限り、島をめぐる韓国の姿勢は変わることはあるまい」 「政府は領土を取り戻し、守り抜くという国の意思を、もっと強く示さなければならない。国民に対しても竹島への一層の関心を喚起するよう努めるべきである」
韓国の姿勢が変わらないというなら、日本の国民一人ひとりが取り戻そうという意思を強く固め、政府が竹島は日本の固有の領土であり、韓国が不法に占拠している事実をさまざまな国際会議の場で絶えず訴え続ける必要がある。
2月23日付の読売新聞の社説は日本政府が竹島を軽んじている姿勢を「(島根)県が1905年、竹島を編入した日にちなむ式典だ。だが、領土問題に取り組むのは本来、政府の責務であり、県の行事だけにとどめるのは十分とは言えない」と批判したうえで、竹島が歴史的にも国際法上も、日本固有の領土であることをこう説明していく。
「内閣官房の領土・主権対策企画調整室は先月末、ホームページ内の竹島に関する『研究・解説サイト』を拡充した。歴史資料に基づき、時代ごとに日本や韓国、国際社会が竹島をどう扱ってきたかを解説している」 「日本は江戸時代初期から、アシカの漁場などとして竹島を利用し、17世紀半ばには領有権を確立した。第2次大戦後のサンフランシスコ平和条約でも、日本が放棄する領土に含まれなかった」 「平和条約起草の際、韓国は、竹島も放棄するよう求めたが、米国は『朝鮮の一部として取り扱われたこと』はないなどと回答し、要請を明確に拒否した」 「韓国が52年、日本海に一方的に李承晩ラインを設定し、竹島を不法占拠して韓国の領土に位置づけたことに正当性はない」
そのうえで読売社説は、いわゆる「領土教育」についてこう書く。
「領土教育も重要である。近年、小中学校の教科書で竹島に関する記述が増えているが、韓国の教育に比べて不十分だ」 「政府は昨年、『領土・主権展示館』を国会近くに移転し、内容も充実させた。竹島と北方領土、尖閣諸島の現状や問題の経緯をパネルや映像で紹介している。国会見学に合わせて、修学旅行などで活用することが期待されている」
戦後、形だけの平和主義が横行し、「領土教育」は軽視されてきた。領土の問題は世界各国が抱える大きな問題で、ときには戦争という事態にも発展する。それだけに幼少時からの正しい教育が欠かせない。
最後に読売社説は韓国・東亜日報のスクープに言及する。
「韓国紙によると、韓国軍は昨年、日本の自衛隊が竹島に『侵攻』するシナリオを記した文書を作り、韓国国会に報告したという」 「日本は法と対話による対処を訴え、国際司法裁判所への付託を提案してきた。平和的解決を図るため、韓国側が応じるよう強く働きかける必要がある」
韓国との戦争は避けなければいけない。そのためにも韓国軍の侵攻を想定した危機管理体制を整える必要がある。一時の感情に流されることなく、冷静に準備すべきである。
(ジャーナリスト 沙鴎 一歩)
野党、山田広報官の辞任要求 与党は擁護、厳しい声も
野党は25日、菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」側から7万円超の会食接待を受けた山田真貴子内閣広報官への辞任要求を強めた。与党は首相の政権運営に打撃となるのを避けるため、辞任は不要だと擁護する立場を崩していないが、ベテラン議員を中心に厳しい声も上がった。
共産党の志位和夫委員長は記者会見で「山田氏は当然辞めるべきだ」と述べた。立憲民主党の泉健太政調会長は「7万円の接待は常軌を逸している」と批判。国民民主党の小林正夫参院議員会長も辞任を否定した山田氏に関し「今の役職を継続するのがふさわしいか、いろいろ考えるべきことがある」と語った。
未承認ED薬を無許可販売、容疑の看護師の女逮捕 「小遣い目的」個人輸入で転売
京都府警生活保安課と城陽署は25日、医薬品医療機器法違反(無許可販売)の疑いで、京田辺市の看護師の女(32)を逮捕した。
逮捕容疑は昨年5~11月に医薬品販売の許可を受けず、フリーマーケットアプリ「メルカリ」で大阪府枚方市の男性会社員(49)ら3人に対し、日本で承認されていないインドの製薬会社のED(勃起不全)治療薬「サビトラマックス」24錠を約2万円で販売した疑い。
府警によると、女は海外サイトから個人輸入した薬を少なくとも10人に転売し、約6万2千円を売り上げていた。「小遣い目的だった」と容疑を認めている。
尖閣上陸なら危害射撃も、政府 中国の強行を念頭に
政府は25日、自民党国防部会・安全保障調査会の合同会議で、外国の船舶が沖縄県・尖閣諸島への上陸を強行すれば、凶悪犯罪と認定して相手の抵抗を抑える「危害射撃」が可能になる場合があると説明した。警察官職務執行法に基づく警察権の行使に当たる。不法上陸は、中国海警局などを念頭に置いた。出席議員が明らかにした。
中国が海警局に武器使用を認めた海警法を施行させたことを受け、日本の現行法制上で可能な対処を確認した。海上保安官などによる執行を想定しているとみられる。
警職法は凶悪犯罪に対する武器使用を認めており、危害射撃も含まれる。
「アイフォーン発火で夫婦焼死」 遺族がアップルジャパンを提訴
米アップル社製のスマートフォン「アイフォーン」の充電中の発火が原因で火災が発生し、愛知県の夫婦が亡くなったとして、遺族が25日、製造元のアップルジャパン合同会社に対し、製造物責任法(PL法)に基づく約1億4000万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。原告の一人である男性は「原因を明らかにし、同じようなことが二度と起こらないようにしてもらいたい」と訴えた。
訴状などによると、火災は2019年秋ごろ、愛知県内の2階建て住宅の1階リビングで発生。住宅は全焼し、2階で就寝中だった夫婦が焼死した。ほかの家族は逃げて無事だった。
消防の火災原因判定書によると、こたつテーブルの下で見つかった純正の充電器につながれていたアイフォーンの周囲の焼損が激しかった。消防は出火原因を「特定できなかった」とする一方、「アイフォーンから出火した可能性が考えられる」と結論づけた。こたつはテーブルとして使用しており、布団もかかっておらず、電源コードも入っていなかったという。原告側は「ほかに出火原因となり得る電気機器はなかった」などとして安全性を欠く欠陥があったと主張している。
原告の男性によると、アップル側からは「アイフォーンが原因ではない」と返答があったという。記者会見した原告側の石川真司弁護士は「全国で事故が相次いでおり、被害が社会に周知されていない。同種事故の予防をメーカーに訴えかける契機にしたい」と話した。一方、アップル側は取材に応じていない。【佐久間一輝】
自民・竹下氏、島根知事に苦言=東京五輪聖火リレーめぐり面会
自民党の竹下亘元総務会長(衆院島根2区)は25日、島根県の丸山達也知事と衆院議員会館で面会した。丸山氏が政府や東京都の新型コロナウイルス対策を批判し、同県内での東京五輪聖火リレーの中止検討を表明したことに対し、「聖火リレーは次元の違う話だ。問題だ」と苦言を呈した。面会後、竹下氏が記者団に明らかにした。
丸山氏が聖火リレー中止に言及したことを受け、地元選出の竹下氏は18日、「不用意な発言だ。注意しようと思っている」と不快感を表明。知事に対し、国会議員が「注意する」とした発言に、地方自治の観点から批判も出ていた。
[時事通信社]
入院患者の顔にお湯?元看護師を暴行容疑で逮捕 福岡・直方
看護師として勤務していた病院で入院患者の顔にお湯のような液体をかけたとして、福岡県警直方署は25日、福岡県福津市津屋崎8の介護士、梶谷剛志容疑者(40)を暴行の疑いで逮捕した。「むしゃくしゃして、ぬるま湯をかけた」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、2020年8月11日午前6時40分ごろ、直方市須崎町の社会保険直方病院で、入院患者の男性(90)の顔に液体をかけたとしている。男性は当時ベッドに寝た状態で、けがはなかった。
直方署によると、同署が別の事件の捜査で押収した梶谷容疑者のスマートフォンから、液体をかける様子を撮影した動画を発見。他にも複数の入院患者に液体をかける映像があるといい、同署が関連を調べている。【成松秋穂】
残業代未払いと退職強要、日立子会社を提訴 「結果出ないならサヨナラと言われた」
日立製作所の子会社「日立ヘルスケアシステムズ」(東京都品川区)に勤務していた50代男性が2月25日、未払い残業代や退職強要の慰謝料など計約1191万円を求めて東京地裁に提訴した。
男性は提訴後に開いた会見で、「残業代なし、休日出勤しても代休無しの『給与定額制使い放題』という立場で勤務していた。
今後、私のような被害者を増やさないためと、他の方が退職強要を受けても黙って泣き寝入りせずに声を上げる勇気を持っていただくためにも、今回訴訟する決断をした」と訴えた。
訴状などによると、男性は在職時、営業所の取りまとめ役をしており、2018年ごろから課長職に昇進した。同社では、課長級以上の従業員は、一律に残業代支払いの対象外となる労働基準法上の「管理監督者」とされていた。
管理監督者は、(1)経営者と一体的な立場と言えるだけの権限などがある、(2)事故の裁量で労働時間を管理できる、(3)管理監督者としてふさわしい待遇――などが条件となる。
男性は「権限もなく、部下の労働時間削減のため時間外労働を強いられ、給与も月額45万円程度で、残業代が支払われる課長級未満の従業員よりも給与が少ないこともあった」とし、管理監督者にはあたらないと主張。2018年5月から2019年に退職するまでの未払い残業代を求めている。
また、2019年6月以降は、上司から退職強要を受けるようになったという。2018年12月から賞与を20万以上下げられ、2019年6月には上司から「こんなボーナスでよくやってるね」と退職一時金の割増と再就職支援について説明された。
男性が退職を拒否すると、業務計画書の提出を求められたが、提出後も上司から、次のように退職に応じる以外ないかのように追い詰められたという。
「一生懸命やりますっていうところはもう過ぎちゃってるってこと。その言葉が絵に描けない人たちっていうのが今回の対象になっている」 「出来なかったとして、やっぱり駄目ですねでスパッと終わる可能性がある。そうなった時はもう何もない」 「ただいるだけの人はいらないです。結果を出せる人だけにしたい。それが出ないんだったらサヨナラってこと」
男性は不本意ではあったが不安になり、2019年中に退職した。その後、日立製作所の退職勧奨が違法と認定された判決についての新聞記事を読み、「まったく同じやり方で退職強要された」と弁護士に相談したという。
男性は「業績評価も下げてから退職強要をおこなうなど、今思えば計画的で組織的な退職強要だったかと思う。当時黒字経営だったにもかかわらず、日立製作所が掲げるさらなる利益目標の達成のために、人件費のかかる年齢の正社員に退職強要をおこなっていた。正社員の使い捨ての姿勢も明らか」と訴えた。
「日立ヘルスケアシステムズ」は弁護士ドットコムニュースの取材に「訴状が届いていないため、回答を差し控える」とコメントした。
山田氏「断らない女」発言釈明 人脈づくり重要
菅義偉首相の長男正剛氏から会食接待を受けた山田真貴子内閣広報官は25日の衆院予算委員会で、「飲み会を絶対に断らない女としてやってきた」とする自身の動画メッセージについて釈明した。信念に基づく発言かどうかを問われ「若い方々にとって人脈をつくるのは大変重要だと思って申し上げた」と述べた。
立憲民主党の黒岩宇洋氏は、公務員は会食していい相手かどうかについて十分気を付ける必要があるとして、「断らない女」発言には「倫理観の欠如があった」と批判した。
山田氏は「2度ほど大病をし、最近そういったことはなかなか難しい状況だ」と答弁した。