加藤勝信官房長官は24日の衆院内閣委員会で、山田真貴子内閣広報官が2019年の総務審議官当時、菅義偉首相の長男正剛氏側の負担で約7万4千円分の接待を受けて提供されたのは和牛ステーキと海鮮料理だと明らかにした。出席者は正剛氏側4人との計5人で、総額は37万1013円だったと説明した。
共産党の塩川鉄也氏への答弁。加藤氏はこれまで、山田氏の接待は国家公務員倫理法違反に当たるとの認識を示しており、特別職の山田氏への対応を検討する考えを示している。
加藤氏は「国家公務員は中立性を保ち職務遂行することが重要だ」と述べるにとどめた。
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知人女性に無断で堕胎させ、けが負わせる…元勤務医に懲役2年の実刑判決
妊娠中の知人女性に無断で堕胎させたなどとして、不同意堕胎致傷罪に問われた元勤務医藤田俊彦被告(34)に対し、岡山地裁(御山真理子裁判長)は24日、懲役2年(求刑・懲役5年)の実刑判決を言い渡した。
起訴状によると、藤田被告は昨年5月、勤務していた岡山市内の病院で、妊娠約2か月の20歳代の知人女性に対し、承諾を得ずに麻酔薬などを投与し堕胎させ、その際にけがをさせた。
公判で弁護側は、「示談が成立している」などとして執行猶予付きの判決を求めていた。
青梅の山火事、火元の住宅で男性が「たき火」…強風で山林に燃え広がる
東京都青梅市で23日午後に山火事が発生し、24日午前11時現在、延焼が続いている。東京消防庁によると、同日朝までに約9・5ヘクタールを焼失。都は同日未明、自衛隊に災害派遣を要請し、陸上自衛隊がヘリを出動させて消火活動を行っている。
警視庁青梅署幹部によると、23日午後1時25分頃、青梅市沢井の木造2階建て住宅から出火し、強風にあおられた火が近くの山林に燃え広がった。火元の住宅に住む60歳代男性が出火前に敷地内でたき火をしていたといい、同署が詳しい出火原因を調べている。
気に入った女性のカバンにこっそり…キショイ『メモ男』の歪んだ恋心と被害者の悲鳴
《ご迷惑ではなかったら、LINEから仲良くしてもらえたら嬉しいです》
男は人気キャラクターがあしらわれたかわいいメモ用紙に、自分の連絡先とメッセージを書き記し、女性のカバンにそっと忍ばせた──。
警視庁代々木署は2月9日、ストーカー規制法違反の疑いで会社員の三浦洸平容疑者(33)を逮捕した。
被害者は都内に住む20代の女性。三浦容疑者は女性に一方的な好意を抱いていた、という。捜査関係者が明かす。
「三浦容疑者は被害女性に対し、昨年5月から8月にかけて3回、“連絡がほしい”旨と、自らの連絡先をしたためたメモを彼女のカバンの中に入れていました」
帰宅後に見知らぬ男からのメッセージを見つけた女性の心中は察するに余りある。音もなく背後に忍び寄り、メモを入れて去っていく、顔もわからない『メモ男』による犯行。女性は警察に相談した。
警察はメモに書かれた連絡先から三浦容疑者と接触し、口頭や書面で再三、被害女性に近づかないように注意をした。しかし、警察の警告は自分と彼女の恋路を邪魔するハードルだとでも思ったのだろうか。
「三浦容疑者は、自分の気持ちが満たされなかったことから行動もどんどんエスカレートしていきました」(全国紙社会部記者)
昨年12月28日、三浦容疑者は被害女性につきまとい行為をした。
「三浦容疑者が買い物中の被害女性を見かけ、彼女が店を移動すると、その後をつけた。そこで話しかけるでもなく、被害女性が別の店に入ると、その様子を外からジッと見張っていたそうです」(前出・社会部記者、以下同)
さらには今年に入ってからも、被害女性がコンビニで買い物をしているところに遭遇すると、その姿をうかがっていたというのだ。
「防犯カメラを確認すると、女性につきまとう彼の姿が映っていました」
三浦容疑者は警察の警告も聞き入れずに、女性へのつきまといを続けた。その結果、ストーカー行為とされて逮捕となったのだ。
「つきまとい行為に対しては容疑を否認しているようです」
一方、複数の女性にメモを入れたことは認めている。前出の社会部記者によると、
「2019年8月以降、カバンの中に三浦容疑者が書いたメモが入っていた、という女性から相談が警察に相次いで寄せられていたそうです。その数は実に10人以上とみられます」
いくら丁寧(ていねい)な言葉で書かれていたとしても、顔も見えない『メモ男』からのアプローチは被害女性たちにとって恐怖以外の何者でもない。
三浦容疑者は女性たちの気持ちをおもんぱかることなく、自分の歪(ゆが)んだ恋心と欲求をぶつけていった。
警視庁では余罪についてもさらに調べを進めている。
前出の三浦容疑者のような『メモ男』に苦しめられているケースはほかにもある。
東京都の島田綾子さん(30代・仮名)が、そのときの経験を明かしてくれた。
「帰宅してカバンをふと見ると、セロハンテープで何か紙がつけられていることに気づきました。なんだろうと思って確認すると、そこには名前や連絡先、そして“地下鉄でお見かけして気になったので、よかったらメールください”というメッセージでした……(写真参照)」
その文言にゾッとした島田さん。さらに恐怖を感じたのは、そのメモがいつ貼りつけられたのかがわからないことだった。
「相手は私の顔を知っている。でも、私はその人の顔を知らない。どこかで見張られているのではないかと考えたら、本当に怖いし、気持ちが悪かった……」
以降、その男からメモがつけられることはなかった。だが、島田さんは“あのときの気持ち悪さが記憶から消えることはない”と話す。
『メモ男』による事件がどれくらい起きているのか──。記者が調べてみると、匿名のお悩み掲示板には同様のケースで嫌な思いをした女性からの投稿が数多く寄せられていた。
第三者がカバンにメモを入れたり、貼りつけたりする行為は犯罪に当たるのだろうか。
刑事事件に詳しい『末原刑事法律事務所』の末原浩人弁護士に聞いた。
「残念ながら、今回のような内容のメモを1度カバンに入れたり、貼りつけたりしただけでは、その人物を直ちに処罰することは難しいと思います」
冒頭の三浦容疑者のケースは、同じ女性に対してカバンの中に3回メモを入れたり、防犯カメラにもつきまとい行為をしている様子がうつっていたりした。それらの行為が決め手となって逮捕に結びついた。
「女性に気づかれずにメモを入れるためには、後ろをうろうろしたりして、しばらく隙をうかがう必要があります。その行動自体はストーカー規制法上のつきまといに該当すると思います」(前出・末原弁護士、以下同)
しかし、同じ女性に対してつきまといを複数回繰り返さないと、ストーカー行為とは認定されない。
「警察はまず、口頭注意や書面による警告を行います。警告を受けたことで、つきまといなどを止める人も少なくありません」
三浦容疑者は、警告を受けてもなお行為を続けていた。こうした場合、ストーカー規制法により2年以下の懲役、または200万円以下の罰金が科せられる可能性がある。しかし、初犯の場合は罰金刑となるケースが多いという。
「三浦容疑者は罪の意識が希薄だったのだと思います。彼の中では“自分はストーカーなどと言われるほどのことはしていない”という感覚だったのではないでしょうか。しかし、今回の行為を客観的に見たら、ストーカー行為に該当することは否定し難いと思います」
自分の行為で相手が迷惑をこうむることを想像できない。執着とひとりよがりな考え方に取り憑(つ)かれていたことがこの事件を引き起こした。
もしカバンの中に見知らぬ人からのメモが入っていたら、どのように対応したらよいのだろうか。
「できるだけ触らないようにしつつ、それを持って警察にすぐ相談してください。相手を特定できれば警告を出してもらえるでしょうし、警告はのちの逮捕への足がかりともなります。場合によっては、周辺の見回りを強化してくれることもありますので、とにかくひとりで抱え込まないようにしましょう」
だが、被害者たちは彼らに怯(おび)えながら生活をするか、引っ越しを余儀なくされる……。あまりにも理不尽な犯行なのだ。
前出の島田さんは、現在も当時の通勤経路を利用できないでいるという。
「しばらくは電車に乗るときには常に周囲を警戒したり、うかつに外も出歩けなかったり……なんで私がこんな思いをしなきゃいけないんだ、って憤りと許せない気持ちでいっぱいです」
加害者は声をかけるのを躊躇(ためら)い、メモを渡すという行為で純愛を気取っているのかもしれない。だが、やられたほうにとっては、顔が見えない相手に見張られているという恐怖を抱えたまま生きていくことになる。
『メモ男』たちは、自分たちの行いが卑怯な行為ということを自覚しなければならない。
リコール署名問題、組織的な偽造か…愛知県警が選管捜索
愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動で偽造とみられる署名が大量に見つかった問題で、愛知県警は24日、容疑者不詳のまま、地方自治法違反(署名偽造)容疑で署名簿が仮提出された市区町村の選挙管理委員会の捜索を始めた。署名簿などの関係書類を押収するとみられる。捜査関係者によると、数日間かけて64市区町村の選管を捜索する。
名古屋市中川区役所では、午前10時半頃、裏口から段ボール箱を持った捜査員5人が庁舎内に入った。署名のうち、8割超が同一人物が書いたとみられるなど不正が疑われる無効な署名で、県警は組織的に偽造された可能性があるとみて、押収資料を基に捜査を進める。
関係者によると、署名の一部はアルバイトが動員され、何らかのリストから書き写されていたという。
「国民の疑念招いた」総務省、審議官ら11人を処分の方針…再発防止策を導入へ
放送関連会社「東北新社」に勤める菅首相の長男らから総務省幹部が接待を受けていた問題で、総務省は24日午後、人事院の国家公務員倫理審査会の承認を踏まえ、谷脇康彦総務審議官ら11人を処分する方針だ。減給や戒告といった懲戒処分などが想定される。武田総務相が同日夕に記者会見し、処分内容を発表する。
武田氏は24日午前の閣議後の記者会見で、「国民の疑念を招き、おわびしたい。深刻に受け止めている」と陳謝。「行政をゆがめた疑いを招くことがなかったかについて改めて確認する」と語った。会食相手が利害関係者にあたるかどうかを確認する仕組みなど、再発防止策を速やかに導入する考えも示した。
東北新社の子会社は、総務省が許認可権を持つ衛星放送事業を手がけている。国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、利害関係者からの接待や金品の贈与を禁じている。
総務省のこれまでの調査によると、谷脇氏ら計12人の職員が東北新社関係者との会食に参加。その回数は2016年から延べ38件、土産などを含む総額は約53万4000円に上る。総務省は12人のうち、11人が倫理規程に違反したとみて処分に踏み切る。
一方、総務審議官を務めていた19年に東北新社から1人あたり7万円を超える飲食の接待を受けていた山田真貴子内閣広報官については、既に総務省を退職しており、同省の処分の対象にならない。政府は総務省の処分結果を踏まえ、対応を決める考えだ。
これに関連し、立憲民主党の安住淳国会対策委員長は24日午前、国会内で自民党の森山裕国対委員長と会談し、山田氏を25日の衆院予算委員会に参考人招致することを求めた。
神奈川知事、宣言の解除「前倒しなんて冗談じゃない」
神奈川県の黒岩知事は23日、首都圏1都3県のテレビ会議で、新型コロナの感染拡大に伴って延長されている緊急事態宣言について、「3月7日に本当に解除できるのかどうか、心配するような状態。前倒しなんて冗談じゃない」との認識を示した。
大阪、京都、兵庫、愛知の4府県はこの日、2月末で宣言を解除するよう政府に要請することを決めた。人口10万人当たりの県内の新規陽性者数(1週間当たり)は21日現在、1都3県で最も低い8・9人だが、東京都や千葉県は国が示した指標の一部で、最も高い「ステージ4相当」が継続している。知事は「1都3県が一体となってやっていくことが第一」と、解除について足並みをそろえる考えを改めて強調した。
会議前に西村経済再生相とのテレビ会議で、宣言解除後も飲食店などへの時短要請を継続する場合、十分な協力金を支払うための財政支援を求めたという知事。「3月7日までに解除できるよう一体となって乗り越えていこうというメッセージを出すことが非常に意義あることだ」とし、県民に感染対策の徹底を呼びかけた。
石原慎太郎氏らが建てた「尖閣諸島の灯台」を、いまこそ強化すべきだ
2月1日、中国政府が「海警法」を施行した。同法は、中国が主張する「管轄海域」で、外国組織や個人によって主権が侵害されたり、その恐れが生じたりしたと当局が判断した場合に、海上警備を担う海警局の船舶に武器の使用を認めることを明記している。
同法の施行により、日本では尖閣諸島への海上保安官の常駐や、ヘリポートをはじめとする恒久施設の建設など、実効支配の強化を求める声がネットを中心に高まっている。
しかし、あまり知られていないが、尖閣諸島には海上保安庁の建造物がすでに存在している。「魚釣島灯台」である。
魚釣島灯台のルーツは、1978年に青嵐会議員が資金を調達し、関西の大学の冒険部の学生を核にした有志を派遣して魚釣島に手製の灯台を建設したことから始まる。青嵐会は、当時国会議員だった石原慎太郎氏が1973年に立ち上げた、自由民主党の派閥横断的に結成された保守派の衆参両若手議員31名からなるグループだ。
学生らは約10日間で灯台を建設した。バッテリーにポールを立て、裸電球に少し傘をつけて明かりを灯すという、街灯のような小さな灯台だったという。
さらに同年8月、中国漁船140隻が押し寄せたことに危機感を強めた東京都内の政治結社「日本青年社」が、多額の資金を投入して新たな灯台をもうひとつ建設した。
灯台などの航路標識は、設置に伴って航路標識許可申請が必要だ。石原慎太郎氏や日本青年社は日本政府に同申請書を繰り返し提出しようとしたものの、中国との摩擦を恐れた外務省が介入し「時期尚早」と拒否され続けた。
このため、灯台は国(海上保安庁)の管理下にならず、日本青年社が細々と太陽電池の交換や補修工事を行ってきた。細々とはいったが、灯台の設置費用1000万円、維持費は年間300万円がかかったという。
また、灯台とは別に、1979年、沖縄開発庁(当時)が開発調査のため、魚釣島に仮設ヘリポート建設している。このヘリポートを使用して、尖閣諸島の地質、動植物や周辺の海中生物などを調べる学術調査団31人がヘリコプターや巡視船で魚釣島に派遣された。
しかし、これに中国が抗議。園田直外相(当時)は衆院外務委員会で「日本の国益を考えるなら、そのままの状態にしておいた方がいい」と仮設ヘリポート建設や学術調査に反対の意向を示した。結局、中国の抗議を受け入れた日本政府は、仮設ヘリポートを撤去してしまった。「必要性がない」という理由だった。
一方、灯台に関しては1988年、日本青年社が建設10周年記念として新調。現在使われているのは、このときにつくられた設備だ。ただし、海保が設置しているような堅固な灯台ではないため、台風で損壊したこともある。
皮肉なことだが、中国漁船や台湾漁船もこの灯台による恩恵を受けているのだという。安全な航行・操業を行うために、小さくとも魚釣島灯台は重宝されているのだ。
1978年の灯台建設当時、前述の通り日本青年社が提出した許可申請書を拒否する際、海上保安庁が表向きに理由としたのは「漁業関係者の申請でないと受け付けられない」とする旨であった。このため、日本青年社側は行政区である沖縄県石垣市の漁業関係者に所有権を譲渡、1989年にあらためて申請書が提出されたという経緯がある。
日本青年社は1996年7月15日、北小島に新たな灯台(北小島漁場灯台)を建設した。海保に許可申請を行ったものの2度の台風で倒壊したため、申請を取り下げ。同年9月に灯台を修復し、再度海保に申請を行った。
この時も政府の判断で許可が保留された。残念なことに同年12月、許可が保留されたまま灯台本体が曲がり灯火が消えた。その結果、機能しているのは魚釣島の灯台のみとなった。
そして1996年9月2日、中国の海洋調査船「海洋4号」(約3000トン)など2隻が初めて尖閣諸島周辺の日本領海を侵犯した。海洋調査船による領海侵犯は25年も前から行われていたのだ。灯台設置という日本国内の動きに反発するかのような行動であった。
同年、中国の海洋調査船2隻と、台湾の小型船延べ11隻が11回にわたり、尖閣諸島付近でそれぞれ領海侵犯。翌1997年には、30隻の台湾抗議船等が尖閣諸島に接近し、そのうち3隻の抗議船が警告を無視して領海侵犯した。この時、海保は多数の巡視船艇による包囲網を敷き、上陸を阻止した。
海保が大規模な包囲網を敷いた理由は、前年10月に台湾・香港の活動家等が乗船する小型船41隻が領海を侵犯、香港と台湾の活動家4人が魚釣島に上陸する事態が起きたからである。
この時期の中国は、現在のような公船ではなく、漁船を改造した「抗議船」により日本政府へ圧力をかけるという体裁を取っていた。
日本青年社により魚釣島に設置された灯台は、高さ約5メートル、重量約200キロのアルミ軽合金製。太陽電池式で約10.2キロ先まで光が届く。
2005年、前述したように許可申請のため日本青年社から所有権の譲渡を受けていた石垣市の漁業船主協会長が所有権を放棄したことから、民法の規定に基づき国庫帰属財産として国の管理下に置くことになった。
そして、同2月、海上保安庁は航路標識法に基づく所管航路標識として、「魚釣島漁場灯台」(現在は「魚釣島灯台」と呼称)と命名し、管理を開始、海図に記載した。長年、付近海域での漁労活動や船舶の航行安全に限定的とはいえ寄与している実績等を踏まえ、政府全体の判断として、その機能を引き続き維持することとなり、必要な知識、能力を有する海保が保守・管理を行うこととなったわけだ。
海保が設置した灯台が民間へ払い下げられる例はあるが、民間が設置した灯台が国(海保)へ所有権が移った例はおそらくないだろう。それだけ、魚釣島灯台が特殊な位置づけにあることを示している。
現在、海保は12隻の巡視船で尖閣領海警備専従部隊を編成し、尖閣諸島の警戒に当たっている。これについて、武装した海警局船舶に対処するためには、海保の巡視船だけでは対処できないため、海上自衛隊護衛艦の投入を求める声が上がっている。
しかし、現実にはすでに護衛艦は投入されている。尖閣諸島を遠巻きに航行する海自護衛艦は中国海軍艦艇の監視に投入されているのだ。
問題は海自の護衛艦が48隻しかないことだ(2020年3月末時点)。乗組員の休養や整備、訓練、ほかの海域における警戒監視活動などのため、現実に尖閣諸島周辺へ派遣可能な護衛艦はかなり限定される。
現在は中国海軍艦艇1隻につき、海自護衛艦1隻が行動の監視を行っている。海警局船舶と海軍艦艇の動きは連動しているとみられるからだ。
海保巡視船だけでは不十分な部分を海自護衛艦がフォローするといっても、護衛艦の数を考慮すると難しいのが現実だ。少子化の影響もあり艦船で勤務できる人員が減少の一途を辿っていることも、長期的には尖閣諸島の警備に深刻な影響を与えるだろう。
仮に中国人が魚釣島へ上陸し、灯台を破壊したとしても、日本政府はこれまで通り、総理大臣や官房長官が好んで使う「厳重に抗議」「あってはならないこと」あるいは「断じて容認できない」といった口先だけの対応しかしないだろう。
日本政府の対応を見ていると、中国海警局の脅威へ対応する覚悟があるのか疑問に思う。日本は「行動」で自国に主権があることを示す必要がある。「行動」とは、例えば、魚釣島灯台をコンクリート製にするなどして強化することである。
魚釣島の灯台は山頂にも設置するべきだろう。韓国は竹島の頂上にコンクリート製の堅固な灯台を設置し、警備隊員40人とは別に灯台管理員を3人常駐させている。尖閣諸島を、もはや返還される見込みがない北方領土や竹島の二の舞にしてはならない。
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(元航空自衛官、ジャーナリスト 宮田 敦司)
《東日本大震災から10年》「原発建屋の中で全面マスクをしながら昼寝する」 細野豪志が取材した“いちえふ”の日常
東京電力福島第一原発の事故から、10年が経った。当時、原発事故収束担当大臣だった細野豪志氏が今あらためて、関係者を訪ね、事故を検証した。原発処理水の問題、放射線の健康への影響、隣接自治体の現在――。それらの事実を気鋭の社会学者・開沼博氏と共に読み解いたのが、『 東電福島原発事故 自己調査報告 深層証言&復興提言:2011+10 』(徳間書店)だ。同書より、細野豪志氏と、マンガ『 いちえふ 』(講談社)の作者で、原発作業員でもあった竜田一人氏の対談を抜粋してお伝えする。(全3回の1回目。 2回目 、 3回目 を読む)
◆◆◆
原発内の作業は、東京電力、東芝などの原子炉メーカー、そして何重もの下請け構造によって成り立っている。原発作業員として下請け企業で働いてきた竜田一人氏の言葉は、我々の先入観を打ち破るリアルさを持ち、「いちえふ」の中にある日常と廃炉作業の困難さを我々に静かに、しかし鋭く伝えてくれる。『モーニング』に連載された漫画『いちえふ』の読者であった私にとって竜田氏の話は実に興味深いものだったが、対談の後半で竜田氏から厳しい問いを突きつけられることになった。この対談がきっかけとなり、『東電福島原発事故 自己調査報告』という本書のタイトルが固まった。
*
細野 竜田さんの本業は漫画家ですが、原発作業員として、福島第一原発での復旧作業に携われました。その模様はルポ漫画『いちえふ』として漫画誌『モーニング』に連載され、話題を呼びました。そのご経験も含め、お話を伺いたいと思います。顔出しNGということでマスク姿ですね。と言っても、プロレスラーのマスクですけれど(笑)。やっぱり、働きながらこういう作品を描くっていうのは難しいんですか。
竜田 ちょっとね。まあ、でも働いているときには全然周りにも知られていなかったので。ただの作業員のおっさんとして、描くときは誰にも見られないように工夫はしました。
細野 他にも描き手の方が入っているケースに遭遇されたことありますか。
竜田 ないですね。
潜入レポには「潜入先への仁義」ってものがある
細野 現場に入り込んでのルポとしては、例えば、新型コロナで乗客にクラスターが発生したダイヤモンド・プリンセス号に医師の岩田健太郎さんが入ったルポが出たじゃないですか。あれを見て思ったのが、竜田さんのルポとは全然違うなと。竜田さんは相当長く原発の中にいたから、具体的に見てきたものを経験として一般化する価値があるけど、岩田さんの場合は、わずか数時間で得た断片的な視点を一般化しているでしょう。
竜田 岩田さんのYouTubeを見たときに感じたんですよ。潜入レポには潜入レポのやり方っていうか、「潜入先への仁義」ってものがありますよね。仲介してくれた人とかもいるわけですから。それを考えたらあれはないだろうと。
細野 仁義ですか、なるほど。確かに相手への敬意というか、そこに立場は関係ないんですよね。竜田さんの仁義は、東電のためというよりも、現場の皆さんの誇りのために守るべきものを守っているという感じでしょうか。
竜田 まず第一に、今働いている人たちに迷惑がかからないようにっていうことを考えました。特に下請けとかその辺ですよね。個人や会社があまりにも特定されることは言えないっていう。
細野 なるほど。そういう意味で、実は描けなかったことなどもあるわけですね。
竜田 多少はね。
現実に忠実にしたのは、ウソは描きたくなかったから
細野 竜田さんというペンネームは、これは常磐線の駅の名前ですよね。
竜田 はい。駅から名前を取らせていただいて。
細野 『モーニング』に連載されていた時から読んではいたんですが、改めて全巻振り返って読ませていただくと実にリアル。私も「いちえふ」内に何度も入りましたので様子は分かるんですけど、作業員の方から見た姿が実に具体的で興味深い。漫画ってオーバーアクションで描くやり方もあるわけじゃないですか。それをあえて、なぜリアルに、現実に忠実な形にしたのかをお伺いしたいんですが。
竜田 あんまりウソは描きたくなかったんです。それに第一、こういうのでウソを描いちゃうとまずいので。ただ、実際に行って働いてみたら、「普通」と言っちゃうと言い過ぎかもしれませんけれども、よくある工事現場の一つとして捉えたほうが自然ではないかなと感じたんですよ。劇的に盛り上げるっていう要素があるわけでもない。なので、自分が体験したことをそのまま描こうと思ったら、そういう形にしかならなかったんですよね。
細野 作業員の方が喫煙所探しにものすごく苦労しているとかですね。あとは空き時間に温泉入ったり、ギャンブルしたり、そういう日常なんていうのはまさに「普通」なんですよね。
竜田 そうですね。働いている人は普通のおっさんなので。中には技術的にすごいものを持っている人とかはいるんですけど、でも、やっぱりそういう人たちも普通に生活している人なので。「普通に働く普通の職場」っていうふうに捉えていただいたほうがいいんじゃないかと。
世の中のイメージは「流刑地」か「戦場」か
細野 竜田さんが働いておられた頃は、外から見ると現場の皆さんは恐怖と戦いながら命がけで働いていると思われていたでしょう。
竜田 世の中のイメージは大きく2つあって、流刑地か戦場かみたいな感じでしょうか。
まず一つは「ものすごく危険な流刑地で、嫌がっている奴隷や罪人が強制的にこき使われている」感じで、もう1つは「ものすごく危険な戦場で、それでも命をかけて日本のために一生懸命戦っているヒーロー」みたいな。そういう両極端な見方しかなかった。でも、実際にはどっちでもなく、それらのイメージの真ん中で普通に働いてる人たちだっていうことを割と言いたかったっていうのはあります。
細野 最初の部分で、「いちえふ」に行く動機を「高給と好奇心、そして少しの義侠心」と書いてあって、このバランスが面白いなと思いました。
竜田 基本的には、お金のためなんですよ。みんなね。
細野 生活のためですね。
竜田 だけどやっぱり、あそこを片付けることで世の中の役に立ちたいところもちょっとはあった。まあ、それは普通のどんな仕事でもそうじゃないですか。やっぱり、この仕事をやってても、例えば「おいしい料理を作って人に喜んでもらう」とかと同じで、「自分の仕事で世の中が少しでも明るくなればいい」くらいの気持ちの延長だと思いますけどね。
待遇を良くして、入りやすくする以外にない
細野 それがまさに人の気持ちっていうものかもしれませんね。その中ですごく印象に残ったシーンがいくつかありましてね。一つははじめのほうに出てくるんですけど、「この職場を福島の大地から消し去るその日まで」頑張るんだと。これって、なかなか普通の職場ではない感覚だと思います。サビ止めの塗装をすごく上手にやる人とか、溶接の技術がすごいという人がいるんだけど、それらの技術と成果は一時的には利用されても、やがてなくなる。
竜田 世の中には解体作業を専門にやっている会社だってあるし、どんな職人さんが作ったものでもいつかは壊れますよね。それと変わりありませんよ。
細野 解体作業って、できるだけ単純化して、バタバタってやるじゃないですか。解体そのものは安全にやんなきゃならないけれど、スピード重視でやるわけでしょう。「いちえふ」では、途中で精緻な配管を作ってうまく水が回るようにとか、精密に溶接したり、技術の粋を尽くすわけですね。しかし、最後は解体するという。
竜田 いずれ壊すことを目的にやっているというのは、内心、複雑なところがある人もいるかもしれませんけれども、でもそれも含めて仕事ですから。
細野 そこにいる人は会社も違えば、三次下請けの人もいれば、四次下請け、五次下請けの人もいたりとか。
竜田 だから、全然違う下請けの人が一緒になってチームでやっていたりするので、その辺も面白いっちゃ面白いですよね。
細野 ああいう混沌とした職場で人も相当入れ替わっている中で、確実に廃炉に向かって技術を伝えていくのはかなり難しくないですか。
竜田 どうしろって言われても、この場ですぐ答えが出る話でもないですけどね。まあ、他の仕事と同じように、働く人の待遇を良くして、人がいっぱい入ってきやすいようにする以外にはないんじゃないかなと。どんな仕事でもそうじゃないですか。
細野 やはり待遇は考えたいですよね。例えば、働く気はあっても、現場に投入されるまでに何日も何日も待たされて、その間は寮費を自腹で払わされるという話ですよね。その結果、実際に働く前にあきらめて帰っちゃう人もいたとか。
竜田 まあ、そういうケースもありましたね。
細野 職場環境は格段に良くなっていて、今は「いちえふ」の食堂で温かい食事が食べられるし、結構おいしいんですよ。あと、ローソンもあるので、スイーツなんかも買えたりする。竜田さんがいた頃はそこまではいってないですよね。
竜田 そこまではなかったですね。でっかい体育館みたいなところにマットが敷いてあって、みんなそこで昼寝しているって感じでしたかね。
原発建屋の中で昼寝ができる
細野 当時、ここは大変だったというエピソードをご紹介いただけますか。
竜田 中の運用がしょっちゅう変わることですね。そのたびに混乱があって、移動するのに使うバスが来るまで1時間待つなんて事態が起こったこともありました。それも少しは改善されてはいるんですけど、「試しにこれやってみよう」っていって大混乱するケースが、今でもあるみたいなので、その辺は、もっと良く考えてからやってほしいというのはありますね。
細野 待つ時間が非常に長いんですよね。作業できない時間は被曝線量を下げるためにできるだけ外で待つ、入ってからも線量の低い場所で待つ、小さな事故でも起こるとまた待つ。待つ時間って、皆さんにとって大変な時間ですよね。
竜田 中で待ってる間の暇潰しをどうするかみたいなね、そういうところはありましたから。今は食堂もできたんで、その辺は結構良くなったんじゃないかな。
細野 でも、あの、何号機でしたっけ。待ってる間、みんなで昼寝してたっていう。
竜田 1号機の原子炉建屋の中ですね。
細野 あのエピソードには衝撃を受けました。原発建屋の中で昼寝、しかも全面マスクをしながら寝てしまう。
竜田 慣れると、あの中でも寝られるようになりますよ。( 第2回 に続く)
「処理水問題の風説を放置したことの反省はある」 原発事故収束担当大臣だった細野豪志氏が語る“責任” へ続く
(細野 豪志,竜田 一人)
剣術「新陰流」の情報求む 継承努める伊賀「碧燕会」が調査開始
新陰流の剣術を学び、伝えようと三重県伊賀市で稽古(けいこ)をしている「新陰流兵法(ひょうほう) 碧燕(へきえん)会」が伊賀地域で新陰流伝承の情報収集、調査を始めた。会は「伊賀は新陰流と縁が深い」と情報提供や調査、研究への参加を呼びかけている。【大西康裕】
碧燕会は会長で横浜市から移住してきた横田正和さん(47)が2019年、それまでの所属団体から独立して伊賀市で設立した。
新陰流は戦国時代の兵法家の上泉信綱を祖とする。新陰流と伊賀の縁の深さを示すものとして、碧燕会は藤堂藩の伊賀の藩校だった崇広堂に新陰流や新陰流由来の流派の武芸を教える道場があったことを挙げる。
新陰流は信綱から柳生石舟斎宗厳(むねよし)に伝わったとされ、石舟斎の子が徳川将軍家の剣術指南役として知られる但馬守宗矩(むねのり)。当時の柳生家は小説や漫画、映画の題材になっている。
碧燕会によると、この柳生家に連なる津田武左衛門直勝が藤堂藩に召し抱えられ、「小太刀の名手」といわれた。同会の調査では、津田武左衛門には新陰流の先生という表の顔とは別に暗殺者の気配があり、その指示は柳生宗矩の子の十兵衛三厳(みつよし)が出した――と読める文書があった。十兵衛の暗殺指令は父宗矩側の人物を標的とし、父子の確執をうかがわせるという。
さらに伊賀と新陰流の縁の深さを象徴する人物として碧燕会が挙げるのは、現在の伊賀市小田町付近が舞台の「伊賀越(ごえ)の仇(あだ)討ち」(鍵屋の辻の決闘)で名高い剣豪の荒木又右衛門。又右衛門は新陰流の門下にもなったといわれる。十兵衛と又右衛門は生きた時代が重なり、同会は2人の接点も探っている。
碧燕会が継承に努める新陰流は、石舟斎から孫の柳生兵庫助(ひょうごのすけ)利厳(宗矩の長兄の子)を経て尾張藩に伝わった流れをくむ。同会は毎週土曜、伊賀上野武道館(小田町)で地元の会員らが稽古に励んでいる。