森前会長の後継人事、ルールに基づいて決めて欲しい=菅首相

[ 15日 ロイター] – 菅義偉首相は15日午前の衆院予算委員会で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の後継候補について、国民に歓迎される五輪とするためにも不透明なプロセスを避け、ルールに基づいて決めて欲しいとの意向を示したことを強調した。野田佳彦委員(立憲)への答弁。
野田氏は森氏の女性蔑視発言を受け、早い時期から菅首相が辞職を迫るべきだったと指摘した。菅首相は「森会長が発言を撤回してお詫びした後、辞職すべきなどと発言すべきではないと思っていた」と述べた。「森会長からは辞任すると直接報告があったが、(後継について)私どもの知らない間に決まったような報道が次々どんどんあった」と語った。

医師免許ないのに腫瘍摘出手術 自称「京大出身」容疑者を逮捕

医師免許がないのに腫瘍摘出手術などをしたとして、警視庁蔵前署は15日、ペルー国籍で住所不定、職業不詳、サコダ・ベガ・ヒロシ・ガブリエル被告(26)=偽造有印公文書行使罪などで起訴=を医師法違反(無資格医業)容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。
逮捕容疑は医師の資格がないのに2020年8月上旬~9月上旬、東京都渋谷区の20代の知人男性宅で複数回にわたり男性に局所麻酔をした上、メスを使って背中や腹など5カ所の良性腫瘍を摘出。9~10月には、台東区のホテルなどで20~30代の男女4人に点滴を投与したとしている。「弁護士と相談してから話す」と認否を留保しているという。
捜査関係者によると、サコダ容疑者は飲食店で知り合った人に手術などを持ちかけていた。通信アプリ「テレグラム」の公開チャット機能も使い、「デトックス(解毒)します」などと点滴を呼びかけていたことも判明した。無料だったことも多かったが、覚醒剤の使用者から尿検査で陽性反応が出ないよう点滴を依頼された場合は、1人につき3万5000円を受け取っていたとみられる。調べに対し、「10人以上の日本人に医療行為をして、一部からは数万円の報酬を受け取った」と供述しているという。
サコダ容疑者は約20年前に両親の仕事の都合で来日した。医学部で学んだり、医療機関に勤務したりした経験はなかったが、「京都大出身の医師」と自称していた。白衣を着て医師を装い、麻酔薬などは自宅があった台東区浅草付近の薬局で購入していた。これまでに健康被害は確認されていない。
サコダ容疑者は京大に紛れ込んで授業に出たことがあったという。17年9月に「七夕(たなばた)弘明」という偽名で作った京大の学生証などを台東区役所に示して住民票に通称名を登録したとして、今年に入って逮捕、起訴された。自宅の家宅捜索では、医学の専門書籍が数十冊見つかったほか、パソコンには防衛省や米連邦捜査局(FBI)に見せかけた身分証の偽造データも保存されていたという。【最上和喜】

「経験できてラッキーだった」“意識高い系大学生”が風俗店に女性を斡旋する半グレ集団に参加したワケ

「どんな子でも引っかかる」女性を騙して7300万円を荒稼ぎした男たちの“悪質な手口”の実態 から続く
2019年1月、京都の有名大学生グループ「スパイラル」に所属するメンバーたちが次々に逮捕された。容疑は職業安定法違反。恋愛関係にあると信じ込ませた女性に高額な酒をツケで注文させ、借金を背負わせたうえで、風俗店へと斡旋することで多額の金を得ていたのだ。
卑劣な方法で女性をモノのように扱った彼らは一体なぜそのような犯罪に手を染めてしまったのか。NHKスペシャル取材班による著書『 半グレ ―反社会勢力の実像― 』を引用し、「スパイラル」の一員だった男が明かすグループの内情を紹介する。(全2回の2回目/ 前編 を読む)
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「お前らもこっちに来い」
“色恋”の手口について、元メンバーAに一通りインタビューしたあと、半グレのグループに入った理由について聞いた。彼は「組織の環境が魅力的だった」と言い、その経緯を語り出した。
「ある日、『バイトに興味ないか』と、大学で声をかけられ勧誘されました。のちに組織の先輩になる人で、とりあえずバーで開かれる体験会に参加してみました。さながら部活動への勧誘みたいでした。楽しい雰囲気で、優しそうな先輩たちがいろんな話をするんです。プロモーションビデオも流されました。『レベルの高いやつの周りに行かないとレベルは上がらない。お前らもこっちに来い』みたいな」
説明会では、仕事内容についてパワーポイントを使って紹介され、「人材系の仕事が学べて、通常のアルバイトの何倍も稼げる」「違法性はない」などと言われた。
グループは大学内などで学生たちを定期的にリクルートしていて、新人たちは、先輩達の手厚いサポートを受けて仕事を始めていく。そして、「契約」が1人でも取れると、上司にあたる幹部たちが豪勢に祝った。
メンバーは2人の営業部長を筆頭にした2つのチームに分けられ、売り上げを競い合う仕組みになっていた。毎月の給料日には、みんなで高級な料理を食べたり、キャバクラで豪遊したりした。大金を払う上司たちは、「自分たちのようになれ」と話した。知らなかった世界での経験は、学生たちには刺激的なご褒美となった。
「頑張れる環境が整っていました」と語るメンバー
「キャバクラでは、高級なシャンパンを入れるから、どんどん女の子が席につくんですよ。サラリーマンの客とかちびちび飲んでいる中、ありえない経験をしていましたね。結果を出せば褒めてもらえるし、頑張れる環境が整っていました」
そして、彼が語る「頑張れる環境」には、「ご褒美」だけでなく、「学び」も含まれていた。
グループには上下関係の決まりなど、細かなルールが存在していた。上司と飲食店に入るときには、率先してドアを開け、のれんに手を添えるのは当たり前。目上の人への話し方など、「上司への敬い」は徹底されていた。
また“色恋”の管理ができていなかったり、LINEに返信せず、1日以上放置したりということが続くとクビだった。“結果”の出せない者には罰金が科せられ、ルールが守れないと、上司が厳しい罵声を浴びせることもあった。
意識が高い学生が切磋琢磨する競争関係
普段の生活にはなかった、そうしたルールのある環境を、学生たちは、「学び」と捉えていた。
マニュアルにも、そんな組織の様子が読み取れる部分がある。
「お金を稼ぐだけではなく、仕事に対する実践的な考え方から社会の常識やマナーに至るまで、あらゆる点で一人前以上の社会人として活躍できる『人財』の輩出を目標に掲げています」
「大学生活をただ適当に過ごして、ぬるま湯につかっていた人間と、(学生のうちから)仕事を頑張って社会に出る準備をしていた人では、4年も時間があればどれほど差がつくか容易に想像できますよね」
こうした言葉に続いて、敬語の使い方や、上司への報告・連絡・相談の「報連相」の徹底、身だしなみなど、社会人としてのマナーがびっしりと記されていた。格差社会の現実にも触れながら、「自分を高めることが大事」と謳っていた。その分量は、女性への近づき方や風俗への斡旋方法を記したページ数と同じくらいだった。
アメとムチがあるこの「頑張れる環境」に、多くの「意識が高い」学生たちが集まり、グループ内では切磋琢磨する競争関係が生まれていた。
元メンバーAは「この環境のおかげで“成長”できた」と語った。「組織には優秀なメンバーが所属していました。常にPDCA(『Plan=計画』『Do=実行』『Check=評価』『Action=改善』)で回っている感じ。組織の中で1位を狙うことしか考えていなくて、自分の売り上げをいかに伸ばすか、そのためには、時間を惜しまず取り組んでいました」
業務時間には声かけやバーでの接客に従事し、時間外には、電話やLINEなどで女性に頻繁に連絡を取り“管理”に時間を割いた。そして、仕事の理解度を試すペーパーテストが定期的に行われるため、仕事の勉強も必須だった。
「女の子の愚痴を聞かないといけないし、(風俗店で)仕事を続けさせるための“管理”の電話も、自分が抱えている人数分しなきゃいけない。勤務時間外にやることが多くて、毎日遅くまでかかりましたね」
上司からは、「空いている時間をどうやって過ごすかが重要だ」と言われ、Aは「その通りだ」と納得していたという。結果を出すべく、とにかくがむしゃらに働いた。
「普通の学生ができないような経験が得られることが魅力的」
活動拠点だった園を案内しながら、よどみなく話すA。私たちは、半グレのグループに所属していたことについて、今はどう思っているのか聞いた。
「人生は経験が物を言うから、大学のうちにいろんな経験をしておきたいと思いました。普通の学生ができないような経験が得られることは魅力的で、話し方とかも勉強になったし、お金も実際に普通のバイトよりも稼げたし、この経験ができて、言い方は良くないかもしれませんが、ラッキーだったと思っています」
“成長”できると信じて
元メンバーAが語った組織での「自己研鑽」について、逮捕されたほかのメンバーたちの裁判からも、その様子を窺い知ることができた。
初公判の日、廷内に現れた彼らは、みな整った顔立ちをし、黒や紺のスーツに身を包んでいた。グループでは、仕事着にジャケットスタイルを指定していたというから、当時の彼らもこのような姿だったのかもしれない。被告人の席に着いた彼らは、緊張しているのか、表情はやや強張っているように見えた。傍聴席から向けられる視線を避けるように、常にどこか一点を見つめていた。
公判が始まると、学生たちは罪を認め、女性たちに対して謝罪の言葉を口にした。そのうえで、「違法性の感覚が麻痺していた」「捕まらないと思っていた」などと語った。
裁判官や検察官が「なぜ仕事を続けたのか」と問うと、「金が目的だった」と答えたが、加えて「普通のバイトでは経験できない、厳しい上下関係を学べると思った」「社会に出ても礼儀作法は生かせると思っていた」と“成長”が目的だったと語った。
また、中には「倫理観より、目の前の数字ばかり見ていた」「仲間といられて楽しかった」という者もいた。
印象的だったのは、組織のナンバー2で店長のY(自身も学生時代から組織に所属)だ。彼は、「(所属するメンバーたちには)普通の学生では経験できないようなことを経験し、起業や就職など次のステップへ進んでほしかった」
「組織が大きくなっていくのが見たかった」
と話し、育てることや組織の拡大に喜びを感じていたと語った。
法的にも倫理的にも許されない行為をしながら、「成長のため」と語る彼らの言葉に、裁判官をはじめ、傍聴席にいた記者たちは皆、「理解しがたい」という表情を浮かべていた。廷内には異様な空気が流れていた。
ただ、取材に応じた元メンバーAの話を重ね合わせると、ナンバー2のYをはじめ、学生らは「成長できる環境」がグループにはあったと、本当に信じていたのだろう。その歪んだ価値観が、わずか1年の間にのべ262人の女性を風俗に送り込むという、グループの暴走を生み出したように思えた。
事件のその後
今回の事件では、グループが1年間で、のべ262人の女性を風俗店に斡旋していたことが明らかになったが、摘発に至ったのは、4人に対する被害だけだった。誰にも被害を打ち明けられず、1人で苦しんでいる女性はまだまだいるだろう。
被害女性のB子さんは訴える。
「私は今なお苦しんでいるのに、メンバーがなぜ実刑を受けず、のうのうと生きていられるのか。絶対に許せない」
大手企業に就職した元・半グレ
今回摘発されなかったメンバーは、60人あまりにのぼる。自己研鑽や“成長”などを求めてグループに入り、女性を陥れた男たちは今どうしているのか。
ある男は、事件の舞台となった園で会員制のバーを営業するなど、変わらず夜の街で生きていた。
一方で、すでに大学を卒業し、会社勤めをしている者もいた。半グレのグループに属していた過去など、微塵も感じさせず、何食わぬ顔で生きているのかもしれない。
本書の執筆にあたり、久しぶりに元メンバーAと連絡を取った。
彼は電話口で、会社員として忙しい毎日を送っていると、明るく近況を語った。誰もが知るような大手の企業が、新たな職場だった。
半グレの下で「成長した」というAは、すっかり表の世界の住人になっていた。
半グレやそこに関わる人々は、一般の人と何ひとつ違わない顔をして、すでに私たちのまわりに存在している。それはもしかしたら、あなたの友人かもしれないし、恋人かもしれないし、お子さんかもしれない。
NHKスペシャル取材班による著書『半グレ 反社会勢力の実像』では、「スパイラル」事件の被害者にも詳細な取材を行っている。事件で負った心の傷が癒えぬ中、取材班に赤裸々に語ってくれた内容に胸を打たれる。また同書では、他にも半グレによって犯罪に手を染めてしまった若者や、現役リーダー、元メンバーなどに取材を行い、当事者の生証言で半グレの実態解明に挑んでいる。
(NHKスペシャル取材班)

「どんな子でも引っかかる」女性を騙して7300万円を荒稼ぎした男たちの“悪質な手口”の実態

恋愛関係にあると信じ込ませた女性を会員制バーに誘い込み、高額な酒をツケで注文させ、借金を背負わせる……。のべ262人の女性を騙していた男たちは、借金返済のために女性を風俗店へと斡旋することで約7300万円もの金を得ていた。2019年1月に逮捕された「スパイラル」というグループが起こした事件である。
そんな卑劣な犯罪を行っていた「スパイラル」の一員との接触に、NHKスペシャル取材班が成功した。彼らはいったいどのようにして女性たちを“負のスパイラル”に陥れていたのか。二度とこのような事件が起きぬよう、そして事件は決して他人ごとではないことを知ってもらうために『 半グレ ―反社会勢力の実像― 』から一部を引用し、その悪質な手口を紹介する。(全2回の1回目/ 後編 を読む)
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“お金の教育”から負のスパイラルへ
「“お金の教育”っていうのをやるんです。『お金を持ってみたら価値観も変わるし、人生が豊かになるよ』ということを、毎日のように話して常識を覆していく。そして、夜の店に紹介するんです。そのころには、女の子たちは洗脳されて正しい判断ができなくなっています。『借金の返済もあるし、1回くらいなら』って」
さらに、風俗店での勤務を女性たちに決心させるまでの順序があるという。
「紹介する夜の仕事は、最初は水商売とか、ハードルの低い稼げない種類の店から始めます。そのあと、風俗店のように、どんどんステージを上げていって、『俺のためにもっと良い店で働いてほしい』とか、『本当はこんな店で働いてほしくないけど、○○万円稼ぐまで頑張ろう」と言って“管理”するんですよ」
女性たちの稼ぎは、当初の予定どおり借金の返済に充てさせるが、さらにバーに来るよう誘い出し、また高額な酒を注文させた。メンバーの誕生日には200万円のシャンパンを入れさせ、グループの後輩の誕生日に「先輩の俺の顔を立ててほしい」と50万円ほどの酒を入れさせていた。女性たちは際限なく借金を重ね、風俗店の仕事から抜け出せなくなる。
底なしのらせんに落ちていく様子から、バーの名前は、「Spiral(らせん)」と名付けられていた。バーでの女性の飲食代の約40パーセント(バーバック)と、女性の風俗店での売り上げの約10パーセント(スカウトバック)が、スカウトの儲けになる。女性が落ちれば落ちるほど、メンバーたちが得る報酬は増え、月に200万円を稼ぐ学生もいた。
「女性を“モノ”として見ていました。どんな子でも引っかかるし、風俗で稼ぐ金額の目標を設定したら、それだけ自分にも入ってくる。稼いでいるスカウトは常に4、5人の“色カノ”を回していましたね」
「どんな子でも引っかかる」――そうは言うものの、女性が風俗店で仕事を始めるのは、やはりハードルが高いのではないか。彼の話を聞きながら感覚的に思った。
しかし、その後の取材で、さらにグループの緻密で組織的な手口が見えてきた。
女性に考えを“埋め込む”マニュアル
グループには、女性を斡旋するための手口を記した、数種類のマニュアルが存在していた。
今回、取材でいくつかを入手することができた。全部で約140ページにもなり、元メンバーAが語った、女性への声かけ方法や“お金の教育”、風俗店への誘導方法などが書かれていた。「覚えることで誰でも一定のレベルまでいく」とまであり、いかに女性を取り込んでいくか自信満々の筆致で書かれていた。
マニュアルに書かれた内容とは……
まず、女性との距離を近づける方法が解説されていた。目についたのは、「ストックスピール」という言葉。調べてみると、「誰にでも当てはまることを、相手のことをあたかも言い当てたかのように提示する技術」のことで、「コールドリーディング」の一種のようだった。相手の信頼を短時間で得る話術とされていて、詐欺師の手口にもなっているといわれる。
マニュアルの原文を、一部誤字を修正した上で紹介する。
「例 過去に男関係で、けっこう酷い裏切り方されたことあるんちゃうかな。それもあって、男の人と付き合うのに臆病になってるんちゃうかな」
「例 ○○ちゃんって、しっかりしてるから、周りにだけじゃなくて自分に対しても厳しいとこあるよね」
広い意味でとらえると、誰にでも心当たりのあることを、さも言い当てているかのように質問を投げかける手法だ。
例えば2つ目の例文では、「自分に対して厳しい」と指摘されたことに、女性が「自分には甘い」と否定した場合、それ自体が自分に厳しいということにもなる。「ほら、厳しいやん」という流れにもっていき、言い当てたように思わせるのである。
実際にマニュアルに記されていたさまざまな「テクニック」
マニュアルには、ほかにも例文と解説が記されていて、このテクニックを駆使し、「自分のことをわかってくれている人だ」と女性に思わせる「ヒット」を重ねることで、信用させていくとあった。
参考にしながら、何も知らない後輩記者に試してみると、あっさりと「よくわかりましたね」という反応を示した。事情を説明すると怒られてしまったが、時に人を疑うことが仕事の記者でも、容易に引っかかることに驚いた。
そして、“努力”や“成長”といった耳あたりの良い言葉をちりばめながら、メンバーにとって都合の良い関係を築いていった。
「努力する俺を見ていて」
「『ビジネスにおいて成功するには、お客さんにとってNo.1になることを常に考えて努力しろ』って上司に言われてるねんよ。上司や先輩は俺よりイケメンで能力のある人ばかりいるかもしれないけど、全部の女の子が上司たちにとられるわけじゃない。
俺を頼ってくれる人も絶対いる。それは、その子の中で俺がNo.1ってことやし、(俺は)No.1であり続けるために努力して頑張り続けるねんよ。そうやって、ひとりひとりのNo.1になっていったら、京都中でトップになれると思うねん。これは恋愛においても言えると俺は思う。要は彼女がいたら、その彼女の中でのNo.1の彼氏になればいいわけだよね。俺はお前の周りにどれだけいろんな男がいても、ただひたすら一生懸命頑張ってお前の中でNo.1であり続けるよう努力するから、ただ見ていてほしいな」
メンバー同士の連携プレーで女性を騙す
■「一緒に努力するって素敵だよね」
「彼氏彼女がお互い束縛すると、成長が止まる。俺は基本的に彼女を束縛しないんだよね。だから、彼女がほかの男に奪われないか不安やねんよ。でもここで、相手を縛り付けずに、その子にとって理想の男になるために何かしら努力するねんよ。何かしらの努力をしたら、その人なりに成長するよね。そしたら、相手も『最近彼氏がなんかいい男になってきたし、私もフラれないように頑張ろう』って努力していくと思うんだよね。束縛しあうカップルって、時間だけ流れて成長が止まる。そのあと別れても、次に新しくできる恋人はレベルが一緒か、それ以下の人しか寄ってこないと思うねんよ。お互い成長できる恋愛の方がいいと思うし、相手のことを想って努力して成長できるって素敵なことやと思うな」
マニュアルには、女性が「メンバーの顔を立てる」に至るやり取りも、数ページにわたって具体的に書かれていた。ターゲットの“色カノ”と、担当のメンバー、そして別のメンバーが登場する想定である。印象的だったのは、絶妙な連携プレーが“型”として決められている点だった。
■「ケンカ」
「俺の感情だけで仕事放棄するわけにいかないのは分かるでしょ?彼女でもない人ですら、バーでお金使ってくれたり、仕事頑張ってくれてるのに、彼女であるお前は俺の仕事の批判しかしないっていうのは、彼女だからどうこう言う前に人としてどうなの?せめてお前が仕事で頑張ってくれたり、売り上げ面で支えてくれるなら言われても仕方がないし、上司にも相談できるけど、今の状態じゃ、話すらできん。言いたいことも気持ちもわかるけど」
ケンカをしているメンバーと“色カノ”。そこに別のメンバーが、第三者のように寄り添ってくる。
■「一緒に彼を応援しよう」
「(『明智光秀の奥さんは、自らが恥をかいてでも旦那の顔を立てていて、当時、一夫多妻制の文化の中でも、光秀はその妻だけを愛して、側室を取らなかった』というエピソードを語ったあと)俺、この話すごくいいなと思ってて、要は『女は男に尽くして、男は女への感謝を忘れない』それだけで恋愛関係はうまくいくと思うんだよね。いろいろと思うところはあるかもしれないけど、考えたらキリないし、まずはオーソドックスに男の顔を立てるとこから始めたらどうかな。その気持ちを女性が忘れたらあかんと思うし頑張ろうよ。男って案外、情にもろいから、それだけ尽くしてくれる子を捨てられないからね。いろいろ悩んだら俺に相談して。俺もあいつがかっこいい男になるようサポートするし、一緒に彼を応援しよう」
■「今、頑張って幸せになろう」
「(学生時代の)今から稼いでいる男は、普通のサラリーマンが一生かけて2億稼ぐところを、10億は超えてくる人もいる。この先、2人が一緒にいてたら、旦那は何億と出してくれるでしょ。それを考えたら、○○ちゃんがバーで何万使っても怒る金額にならないんじゃないかな。今、頑張れるのなら、○○ちゃんが支えてもいいんじゃないかな。恋愛ではみんな、相手にどうしたら好きになってもらえるか考えるよね?それが人として成長になると思う」
ケンカという“危機”をわざとつくり出し、別のメンバーがアドバイスを与えるふりをして、金を使うように仕向けていく連携プレー。紹介したのは一部で、マニュアルには様々な場面を想定したやり取りが記してあった。
悩みの解決を手伝うフリをして進められる“お金の教育”
こうして女性の心理を巧みに揺さぶりながら、距離を詰めていったあと、金の必要性を刷り込む“お金の教育”を始めていく。それは、悩みの解決を手伝うフリをしながら進められる。
マニュアルによれば、女性の悩みは「人間関係」、「お金」、「夢(目標)」、「健康」の4つに分けられるという。
例えば「人間関係」。異性の関係で悩んでいる女性には「相手に振り向いてもらうためには自分磨きが大事」と解決策を提示し、そのために、「お金を使おう」、「お金を稼ごう」とアドバイスをする。ほかの3つの項目についても同様に、解決の方向性を示したうえで、「そのためにはお金が必要」とつなげる。悩みの相談に乗り、こうした“解決策”を繰り返し提示することで、金に対する価値観を変えていくというのである。
歪んだ価値観
そして、“お金の教育”とセットなのが、風俗への斡旋である。マニュアルには「風俗契約編」があり、「今は大学生で風俗やっている子も多い」「みんなやっている」とあり、まず、風俗という仕事に対する心理的ハードルを下げていた。
次に“メリット”を説いていく。「1日働くだけで、普通のバイトの1か月分になる。最近では、体の関係を抜きに、食事だけ行って水商売より稼ぐことも珍しくはない仕事になってきた」
「何十年もかけて奨学金を返すことはしんどいけど、(ナイトワークなら)学生のうちに半年働くだけで十分貯まるし、目標まで稼いだら、すぐやめる人はたくさんいる」
「若いうちにお金の感覚は身に着けておいたほうがいい」
悩みの解決のために金が必要と“教育”された女性たちに、風俗で働けば高額の収入が得られ、将来の不安も解消されると説得していく。
そして最後には、「今しかない」と強調する。
「年齢を重ねてから、働きたいと言っても、その頃には「レート』が落ちて単価が安くなる。どうせならレートの高い今のうちに」
「レート」や「単価」という言葉に、元メンバーAが「女性がモノにしか見えなかった」という感覚に至った理由や、メンバーたちの歪んだ価値観が表れていた。マニュアルには、風俗店の様々な業態が、得られる収入とともにまとめられ、女性たちを組織的に“負のスパイラル”に陥れていく、悪質な手口が伝わってきた。
「経験できてラッキーだった」“意識高い系大学生”が風俗店に女性を斡旋する半グレ集団に参加したワケ へ続く
(NHKスペシャル取材班)

東北各地「動脈遮断」に募る不安 空路・バスは臨時便で対応

福島、宮城両県で震度6強を観測した13日の地震の影響で、東北新幹線の全線運転再開に10日前後かかる見通しとなり、東北各地のターミナル駅周辺では15日、首都圏との間を結ぶ「動脈遮断」に不安の声が漏れた。航空、バス会社は臨時便などの対応に当たった。
福島、宮城両県は15日夕から警報級の大雨になる恐れがあり、土砂崩れへの警戒を強めている。
JR東日本によると、架線を支える電柱、高架橋に傾きや損傷を確認したため、14日から那須塩原(栃木)―盛岡間で運転を見合わせている。日航や全日空は、東北の各空港と羽田や大阪を結ぶ臨時便の運航を決定した。

町長選に出馬意向の前副町長と母親、自宅で変死…首から血を流した姿で見つかる

15日午前0時15分頃、石川県中能登町武部、前副町長広瀬康雄さん(65)方で、広瀬さんと90歳代の母親が首から血を流して倒れているのを妻と娘が見つけ、119番した。2人は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
七尾署の発表によると、2人は1階の母親の居室で倒れており、外部から侵入したような形跡は見つかっておらず、室内が荒らされた跡もなかった。広瀬さんは母親、長女夫婦らと6人暮らし。同署は司法解剖を行って死因を調べる。
広瀬さんは3月21日に投開票される町長選に立候補する意向を表明し、1月に副町長を辞職していた。

コロナワクチン接種、17日開始=菅首相「早く国民に届ける」

衆院予算委員会は15日午前、菅義偉首相と関係閣僚が出席して集中審議を行った。首相は、新型コロナウイルスのワクチンについて「17日には医療関係者への接種を開始したい」と表明。その上で「一日も早く国民に安全で有効なワクチンを届けられるよう全力で取り組む」と強調した。自民党の村井英樹氏への答弁。
新型コロナの感染状況に関し、首相は「(対策の)明らかな効果が見られる」との認識を示した。一方、高齢者施設などでクラスター(感染者集団)が増えているとして、「緊急事態宣言の解除に向けて対策を一層徹底し、減少傾向を確実にする」と語った。
[時事通信社]

「老害は自分で言われた。ご自身の言葉なのに…」鈴木知幸氏、森会長の発言に疑問

15日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)では、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞意を表明したことを報じた。辞任を発表する前に川淵三郎氏へ後継指名したことが明らかになり、一転して辞退し、後任は白紙となっている。
この日の番組では、辞任を表明した森会長が「誰かが老害と言ったが年寄りは下がれというのはいい言葉じゃない。老人が悪いかのような表現をされるのも極めて不愉快」などと発言したことを伝えた。
この発言に国士舘大学客員教授の鈴木知幸氏は「老害と言われたのは自分で言われたんですよね。老害だというならば掃いてくれと言ったわけですよね。ご自身の言葉なのに、ちょっと聞いていておかしかったですけどね。非常に発言力の多い方ですので、どうしてもその中に言わなくてもいい言葉が出てしまう。会議なんかでも一番しゃべる方なので」と話した。

橋下徹氏、森喜朗会長辞任で対応悪さ指摘「二階さんや『ダメ』と言わなければいけない人たちが…」

元大阪府知事の橋下徹氏が15日、TBS系「グッとラック!」(月~金曜・午前8時)にリモートで生出演した。
番組では、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞意を表明したことを報じた。辞任を発表する前に川淵三郎氏へ後継指名したことが明らかになり、一転して辞退し、後任は白紙となっている。
橋下氏は「今回の発言は一発アウトと思っている方もたくさんいらっしゃいます。そういう考え方もあると思います」と前置きし、「僕は一発アウトとは思っていないんですね」と自身の考えを明かした。
そして「反省とか、周囲がきちっと反省して意図を伝えて謝罪会見がうまくいけば挽回の余地があったと思う」としたが、「まず周辺が悪かった。組織委員会もJOCもIOCも、森さんのあの会見で『よし』としてしまった。二階さんや萩生田さんといった『ダメなものはダメ』と言わなければいけない人たちが、みんなダメと言わなかった。何といっても森さんが、挽回をしなければいけない一番重要な会見であれをやってしまった」と一連の対応の悪さを指摘した。
さらに「これは組織委員会の危機管理もお粗末ですよ。記者会見を仕切って弁護士を付けたり、森さんをちゃんとマネジメントさせる視点がなかった。オリンピックを運営する組織委員会が、こんなお粗末な組織なのかと思いましたね」と話した。

「10年前を思い出した」 福島・宮城震度6強 不安抱え片付け

2011年3月に起きた東日本大震災の被災地を大きな揺れが襲った。福島、宮城両県で震度6強を観測した13日深夜の地震。津波の被害こそ確認されていないものの、震災の被災者には、まもなく10年を迎えるあの日の記憶がよみがえる人もいた。しばらくは同規模の地震に警戒が必要で、住民らは不安を抱えながら片付けに追われている。
「相当強く揺れ、10年前を思い出した。家族が仙台市におり、連絡を取り合っているが心配だ」。震度6弱を観測した宮城県石巻市に住む40代男性は不安そうに語った。
同市は東日本大震災による津波で甚大な被害を受け、市町村別では最多となる3695人が死亡・行方不明になった。男性も津波で市の沿岸部にあった自宅が全壊。今は市の内陸部にある戸建て住宅で暮らす。今回の地震で、自宅の食器棚や机の引き出しが飛び出した。同居する20代の長男は「10年前も2日前に地震があった後、震災が起きた。また地震が来るかもしれず、落ち着かない。津波の心配はないというが、避難に備えてすぐに着替えた」と話した。家族で手分けし、停電に備えてご飯を炊いたり、飲み水を確保したりしたという。
市内では地震後、深夜にもかかわらずガソリンスタンドで給油を待つ車が列を作った。震災でガソリン不足に陥った経験からだ。高台には、津波を警戒して避難する人の姿もあった。
震災で沿岸部の自宅が流された宮城県名取市の契約社員、三浦七海さん(21)は「10年前の地震が頭をよぎり、泣き叫んだ。家族がすぐに部屋に来て慰めてくれたが、30分以上震えが止まらなかった」と明かす。その後も余震が続き、この日は眠れぬ夜を過ごしたという。同県南三陸町の自営業、高橋才二郎さん(71)も「今回の被害は棚から物が落ちたり、壁にひびが入ったりしたくらいだが、また津波が来るのではと恐ろしかった」と話した。
福島県や宮城県では約250人が一時、避難所に身を寄せた。福島県相馬市の海岸近くから避難してきた長沢忠信さん(86)は「足が悪いし、怖くて動けず、布団をかぶって揺れが収まるのを待った。10年前は横に揺れたけど、今回は縦にドーンと揺れた気がする」と震災を思い出していた。
震度6弱を観測した福島市の繁華街では、飲食店主らが割れた食器などの後始末に追われた。福島市置賜(おきたま)町の料理店「味乃桃の井」では、1階の厨房(ちゅうぼう)で食器が散乱。2階では酒瓶の大半が割れ、アルコールのにおいが充満していた。同店代表の桃井優吉さん(50)は「10年前もこんなのを経験したが、今回の方が被害はひどいと思う。何から手を付ければいいのか」と途方に暮れていた。
福島市では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて断続的に行われていた飲食店の営業時間短縮要請が14日に解除された。桃井さんは時短要請を受けて完全予約制にしていた営業を、15日から通常通りに戻す予定だったといい、「これからって時なのに……」とため息をついた。【百武信幸、面川美栄、菊池陽南子、磯貝映奈】