東京「コロナ抗体0・91%」で第4波に耐えられる? 専門家「気付かぬうちにウイルス感染、撃退も」 過去の「かぜ」と同様傾向

新型コロナウイルスの新規感染者は減少傾向だが、懸念されるのは緊急事態宣言解除後の「第4波」だ。厚生労働省の調査では、抗体を保有している人は東京都で0・91%だけだ。ただ、専門家はより多くの人が気付かないうちにウイルスに感染、撃退している可能性があるとの見方を示す。

11日の新規感染者は東京が434人、大阪府が141人だった。順調に減っているが、政府は緊急事態宣言解除については慎重に見極めている。
問題は解除後だ。厚労省が昨年12月に実施した調査で、抗体を保有していた人の比率は東京で0・91%、大阪は0・58%だった。昨年6月時点の東京0・1%、大阪0・17%からは増えたが、一般に「集団免疫」の達成とされる60~70%には遠く及ばない。
これに対し、「この1年間で感染第3波まで経験した中で、特に都市部では感染した人がもっと多いと考えられる」と主張するのは、医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏だ。森田氏によると、体内に外部からウイルスが入ると、ウイルスを殺す「T細胞」や、抗体を作るための「B細胞」、異物や細菌を消化する白血球の一種「マクロファージ」などの免疫が反応する。
米疾病予防管理センター(CDC)の査読付きオープンジャーナルに掲載された仏研究者の論文では、抗体を産生する「セロコンバージョン」が発生しなくても、T細胞の応答があった例があるといい、「抗体の前段階のT細胞やB細胞、マクロファージなどの反応を確認するのは難しいが、一般的に免疫応答は複数の経路があり、抗体ができたかどうかだけをみていても見誤る可能性がある。論文も抗体ではなく、T細胞でウイルスが撃退されたことを示している」と森田氏は指摘する。
抗体検査に反応しなくても新型コロナウイルスを撃退した可能性のある人は多いというのだ。
緊急事態宣言解除後の第4波を懸念する見方もあるが、ワクチンの普及までどれほど耐える力はあるのか。
森田氏は、「感染者数が減っているのは自粛の影響も多少はあるかもしれないが、6~7月に感染が減り、10~12月ごろから拡大、翌年1月に大きな山を迎える傾向は、過去のかぜのコロナウイルスでも同様だ。今後、小さい波は来るかもしれないが、冬のような形で第4波が訪れることは考えにくいのではないか」との見方を示した。

「変異株が持ち込まれても当たり前」海外の入国隔離体験者が日本のザル対策に抱く危機感

新形コロナウイルスは「英国型」「南ア型」などの変異株が、日本でも市中感染していることが確認されています。それらは当然、そもそもは海外から持ち込まれたものです。
そこで疑問に感じるのは「なぜ国内に変異株が入り込まないような対策をしないのか」ということです。
じつは日本でも「一応」対策はしています。「一応」。
厚生労働省の「水際対策の抜本的強化に関するQ&A」というホームページによると、たとえば日本に向かう前に滞在していた国を出国する72時間前までにPCR検査を受け、それが陰性であったことを証明する書類を提示するか、それができない場合は日本の空港の検疫所が指定する宿泊施設で3日間待機しなければなりません。
さらに入国後に「新型コロナウイルスの検査を受けること」も必要です。
また「入国した次の日から数えて14日間、検疫所長が指定する場所で待機して、外出できない」として、具体的には「自宅、社宅、親戚の家、友人の家、マンスリーマンション、ご自身で予約したホテルなど」とされています。
そして「空港から自宅までの交通手段(自家用車、レンタカー等)をご自身で確保していただくようお願いしています。電車、バス、タクシー、航空機(国内線)、旅客船などの公共交通機関を使用しないよう、強く要請しています」ともあります。
ここまで読んで、「きちんと水際対策を立てているな」と感じられた方もいるかもしれません。14日間とされる潜伏期間中、自宅や知人宅、ホテルで待機させるのならなんの問題もないだろう、と。
ただ、この日本政府の水際対策は、諸外国と比べて「ザル」としか言いようがありません。では海外ではどんな入国後の隔離が行われているのでしょうか。私が主宰する海外在住日本人ライターの集まり「海外書き人クラブ」の会員の中にも何人か各国の入国後隔離を経験した人がいるので、彼らの話を聞いてみましょう。
まずは日本から居住地であるオーストラリアのブリスベンに単身戻った柳沢大河さんの話です。
オーストラリアでは現在、すべての入国者が14日間、政府指定のホテルでの隔離(自宅などは不可)を義務付けられています。その費用は州によって多少異なりますが、彼が到着したクイーンズランド州の場合、一人2800豪ドル(約22万4000円)、同室に大人2人と子ども2人の家族が滞在する際は4620豪ドル(約36万9000円)。いずれも3食付きの値段です。
彼がブリスベン国際空港に到着したのは2020年11月中旬のある日のこと。「飛行機と空港の建物を結ぶボーディングブリッジを渡りきると、制服を着た空港のスタッフが現れ、そこで初めて自分が泊まるホテルの名前が書かれた紙を渡されます。それによると、ブリスベン国際空港からなんと車で1時間離れたゴールドコーストにあるホテルでした」
そのホテルまでの「送迎」もしっかりついていたそう。
「ボーディングブリッジを出てから税関に行くまでも約10メートルおきに軍人または警察官が配置され、ただならぬ緊張感に包まれていました。税関から出たところにも軍人や警察官が待っています」
そして軍が運用する3台の大型バスに分乗したそうです。
「ホテルに到着してチェックインが済んだあと、部屋に向かうエレベーターでもまず軍人が乗りこんで階数ボタンを押します。その軍人が降りるのと入れ替わりで私が乗りこんだのですが、その際、エレベーターの真ん中に乗り、壁などは一切に触れないようにと指示されました。予定していた階に到着してドアが開くと、別の軍人が待っていて、部屋を案内されました」
つまり空港に到着してからホテルの部屋に確実に入るまで、常に誰かに監視されていたことになります。
このように感染拡大を防ぐために、隔離者にかなり不自由を強いるオーストラリア。でも柳沢さんが泊まったホテルは、4つ星ホテルで気持ち良く過ごせるようにあれこれ努力をしてくれたそうです。
「到着時に食事のアレルギーの有無や、高タンパク質食を望むかなどを訊いてくれます。私の場合シーフードなどいくつかのアレルギーがあるので、本当に助かりました。いくつかのメニューから選択できるホテルもあったようですが、私のところでは決まったものが出てきました。とはいえ昼食と夕食はステーキのときもあれば、イタリア料理、ギリシャ料理、メキシコ料理、そしててりやきチキンがメインの和食のときもあり、バラエティー豊かな献立で楽しめました。20代後半の男性の私でも、食事の量は十分ですし、ほとんどの場合温かいものが出てきました」
とはいえこの食事の内容はホテルによりけり。隔離経験者や隔離中の人、そして隔離予定者によるフェイスブックグループの投稿には「残飯かよ」と憤る投稿も見られたそうです。
「クリーニングは無料で回数も無制限。専用の袋に入れて廊下に出しておくと、3日以内に返ってきます。クリーニングは有料のホテルもあるようですが。一方でホテルの清掃人が部屋に入っての掃除は、感染予防のためにありません。トイレブラシ、除菌スプレー、雑巾などは、フロントに頼めばすべて新品のものを持ってきてもらえました」
快適なサービスを受けられた一方で柳沢さんは、部屋から出ないようにする監視の目は厳しいものがあったと指摘します。
「部屋から出ることは、ドアの外に置かれた食事をとるときと、ドアの外に洗濯物やゴミを出すときのみと制限されていました。各フロアには警察が常駐し、部屋から出ないか見まわっていました」
「また私は1人でツインベッドルームでしたが、同じサイズの部屋に家族4人で滞在している人もいて、そういう人たちはストレスもたまるようです。部屋のドアの外から『お金は払うからもう一部屋用意してくれ』とスタッフらしき人に懇願する声も聞こえてきました」
滞在したのはかなり快適な4つ星ホテルですが、部屋での缶詰め状態ですから、かなりストレスがたまります。そのためクイーンズランド州保健省が定期的に電話をかけてきて、精神状態を確認してきたとのこと。
PCR検査は隔離の3日目と10日目に行われた。「医療用のユニフォームにフェイスシールドを着けた看護師と同じくフェイスシールド着用の軍人1名ずつがペアになって各部屋を訪れていました。2度目の検査で無事陰性反応が出れば15日目にあたる日の深夜0時1分から自由の身です」
入国者全員がホテルに隔離され、部屋からも出られないという強い対策をとるオーストラリアです。
次は中学生のお嬢さんとニュージーランドに帰国したりんみゆきさんの話です。ニュージーランドも「14日間のホテル隔離」が必要ですが、彼女が連れて行かれたのは思いもよらぬ場所だったようです。
「2020年8月末にオークランド空港に到着したのですが、ホテル隔離のために連れて行かれたのはバスで約3時間かかるロトルアという温泉地でした。どのホテルになるのかは指定できず、到着地のオークランドになる場合もあれば、1時間離れたハミルトン市もあれば、隔離者専用の飛行機に乗って約1時間のクライストチャーチに連れて行かれることもあるようです。ただしどこのホテルでも、隔離後は現地解散もできますが、オークランド空港へも無料で連れて帰ってくれます」
費用はオーストラリア同様の自己負担です。
「どのホテルでも同額で、大人1人につき3100ニュージーランドドル(約23万円)。同室の場合大人1人の追加料金が950ニュージーランドドル(約7万1000円)、子どもは3~17歳まで475ニュージーランドドル(約3万6000円)で、それ未満の子は無料です」
食事はオーストラリア同様、3食ともホテルから提供されます。
「ベジタリアンとノンベジタリアンの選択のみしかありませんでした。昼食と夕食はメインのほか、サラダとデザートもついてきます。また有料になりますが、アルコールは1日に大人一人につきワイン1本、ビール3本までオーダーできます。スーパーマーケットやウーバーイーツのデリバリーサービスも個人負担で利用することができますが、フロントで中身をチェックされ、アルコール類と刃物類は抜き取られ、チェックアウトの時に返してもらえることになっていました」
隔離中は鬱になるなどメンタルヘルスが悪化する可能性もあります。アルコール類の提供量を制限するのは、飲みすぎで余計鬱状態にならないように、刃物類の抜き取りは自殺や自傷行為の防止のためでしょう。
「基本的に部屋を出ていいのは、廊下の端にある巨大ゴミ箱へゴミを捨てに行くときと、3日目と12日目の検査を受けにロビーに行くときだけです。ホテルによっては駐車場で運動をしていいところもあって、私たちのところもそうでした。ただしいつでも軍人の見張りつきですが」
部屋のドアの外へは足を出すくらいしかできないオーストラリアと比べて、ほんの少しですが自由はあるようです。
「毎朝防護服姿の看護師1人と軍人1人がペアで部屋に来て、検温を受け、喉が痛くないか、咳はしていないかの問診があります。このときは部屋の中にいてもマスクは着用。隔離でメンタルヘルスが悪化しないかもかなり気にしていて、精神的に大変なことがあったらいつでも相談してくださいと繰り返し言われました」
次はグアム在住ライターの陣内真佐子さんの友人が日本から所用で2020年12月25日に来島した際の話です。
「グアムは、豪州などの諸外国と異なり旅行者も入島可能です。海外から帰島・入島する人ほぼ全員(グアム在住者を含む)に、到着日を0日として7日間または14日間、4つ星または5つ星ホテルでの強制隔離が義務付けられています」
隔離期間中の室料・食事・ランドリー費用、そして検査代は全額グアム政府が負担してくれるのが、他の国々とは大きく違う点です。
「7日間のホテル強制隔離を選んだ場合でも、それで隔離が終わるわけではありません。グアムに帰島した在住者は自宅、旅行者の場合は事前登録した友人・知人宅などで自主隔離しながら残りの隔離期間を過ごします。自主隔離期間中はグアム公共衛生保健局の指定サイトに毎日アクセスし、健康状態などに関する17項目の質問に答えなければなりません。怠った場合は保険局から電話がきます」
ちなみにネットが使えない高齢者などは、17項目の質問も含めてすべて電話でのやりとりになるそう。
「また保健局から一日に1~3回、健康状態の確認とともに不要不急の外出は禁止と伝える抜き打ちの電話もかかってきます」
あくまでもおだやかな口調のものだそうですが、それなりの抑止力にはなっているかもしれません。
これまで紹介した3つの国と地域とは違いホテルが自由に選べたというのは、タイのバンコクに駐在員として派遣される前に奥さんと未就学児1人と隔離を経験した東里泰晃(あいざと やすあき)さんです。
「ホテルはピンからキリですが、私たちのような日本人駐在員の場合、長期出張や単身赴任しているビジネスマン用の高級サービスアパートメント的なところを選ぶ人が多いと思います。私は家族3人だったため2ベッドルーム(日本のマンションでいう2LDK)にしましたが、夫婦なら1ベッドルーム、単身者ならミニキッチンやランドリーのみがついたスタジオタイプの部屋にする人が多いようです」
ホテルの部屋から廊下に出ることも基本的には禁止です。
「でも7日目に受けるPCR検査結果が陰性であれば、8日目以降はホテルのプールサイドに出ることが許可されるんです。予約が必要で1日1回のみ、そして45分以内という制限がありますが、部屋に缶詰めでは大人も子どももストレスがたまるので、おおいに利用しました」
食事は3食ホテルから、非接触で提供されるのもこれまで見た国や地域と同じです。
「日本のほか弁のようなプラスチック容器で出てくるのですが、レパートリーは豊富で、毎食4種類のメニューから選ぶことができます。日本企業の駐在員が多いバンコクだけあって、選択肢にはトンカツ弁当など日本食メニューも必ず含まれていましたし、いつも温かいものが出てきました。味は可もなく不可もなくでしたが、満足いかない人は有料のルームサービスも頼めます」
何かとストレスのたまる隔離生活ですが、ほほ笑みの国と称されるタイのおもてなしにも励まされたと言います。
「折り返し地点にあたる8日目には励ましのメッセージの入ったカードが届けられたり、最後の夜は隔離終了を祝って豪華なディナーが振舞われたりと、隔離施設の温かい心遣いを感じることも多い15日間でしたね」
東里さんによると、「タイ政府は最近、指定隔離施設に、国内各所のゴルフリゾートを追加しました。これら施設では、2週間の隔離中、感染予防対策をした上で、ゴルフを自由にプレーできるそうです」とのこと。入国者全員に強制隔離生活を求める一方で、温かくかつフレキシブルな対応で快適さも提供する柔軟さに感心した隔離生活だったそうです。
以上、4つの国と地域の「入国者隔離」を見てきました。
どの国にも共通しているのが必ず「ホテルなどの指定施設」で「警察や軍の監視の下」強制的に隔離すること、そしてそこまでの送迎も「被隔離者専用の交通手段」が用意されていることです。
これらだけ見ても、日本の「自宅や知人宅でも可」「移動手段は自分で確保」という入国者隔離がいかに抜け道の多いものであるかがわかると思います。抜け道があればそこを通りたくなる人もいるもの。実際、成田空港から入国してそのまま鉄道の駅に向かう人もかなりいるといった報告もときおり見かけます。
一応の基準は作るけれども、その運用は適当で自主性任せ。「自粛」の「要請」というなんともあいまいなことばかり続けている日本政府のコロナ対策のずさんさが、ここにも表れている気がしてなりません。
タイの東里さんがまとめてくれたように、各国政府の対応は厳しい反面、メンタルヘルスへのケアも十分なされています。公共の福祉のために制限するべきところは制限する。でも必要なサポートは最大限にする。それが政治というものではないかと私は思います。
またユニークだと思ったのは、到着した空港からかなり離れた場所での隔離もあるという点。オーストラリアのゴールドコーストは日本でも有名なビーチリゾートですし、ニュージーランドのロトルアも温泉地として有名ですが、コロナの今、旅行者は激減しているでしょう。「Go to トラベル」のようなキャンペーンをするのではなく、タイの「ゴルフ場付きリゾート」のような事例も含めて宿泊施設に被隔離者をふりわければ、感染拡大も防げて、宿泊施設もうるおうことになるのではないか。
外国に素晴らしい制度があれば、積極的に取り入れる。そんな日本政府であってほしいと私は思います。
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(海外書き人クラブお世話係、海外在住日本人ネットワークお世話係、国際文化比較ジャーナリスト 柳沢 有紀夫)

森喜朗氏の長女が告白「父が問題を理解するのは年齢的に難しい」

大騒動の末、森喜朗五輪・パラリンピック組織委員会会長が辞任を表明した。本誌・週刊ポストはこの辞任表明の直前、騒動の際に祖父を叱り、今回の件では「ショックで寝不足となり会社で倒れた」という森氏の孫娘と長女の2人に話を聞くことができた。以下、孫娘との一問一答だ。 ――孫娘として今回の件をどう思いますか? 「祖父の発言は本当に不適切だったと家族もみんな思っているんです。もちろん世の中にご迷惑をおかけしたとすごく反省はしています。が、会長である前に私たちの大事な家族なので体を大事にこれ以上無理せずにしてもらいたいです。自分たちの83歳の祖父であり父であるので」 ――家族から見て女性蔑視は感じたことはありますか? 「まったくそんなことはないです。女性だけの家族なので。本当にそんなことは自分たちにとってはなくて、女性のことも大切にしているっていうふうに思っています。私たち家族はまた別のところに住んでいて、一緒には住んでないんですけれども、普段から距離はないので。そんな女性蔑視みたいなことを感じたことは自分たちにはありません。 ごく普通のおじいちゃんであり、お父さんであり、っていう印象しか自分たちにはなくて。みなさんのお父さんやおじいちゃんと同じだと思います。何よりも家族のことを一番大切にしてくれているので」 ――世代的に今と価値観が違っていたのではないでしょうか? 「そうですね。たぶん、悪気があったわけではないと思います。もちろん発言は不適切だったんですけれども。現代の日本の、なんていうんですかね、ジェンダーレスのことは確かにそこまですごく理解していたわけではないと思うんです。ただ、決して蔑視する意識がなかったことは家族はみんな分かっています」 ――お孫さんから見て森さんはどんな方ですか? 「やっぱり義理をすごく大切にしてるというか。責任感が本当に強い。みんなのためにやりきるぞっていう思いがあった。誤解を与えてしまったとは思うんですけど、やっぱりこう、決めたことをみんなのために、喜ぶ顔が見たいと思ってやっていたことは、私たちしか知らないと思います。 スポーツ選手のために張り切ってやっているのは、何が何でもやるぞっていうよりもJOCが決めて、日本でやるっていうのが決まったのであればできることはやりたいっていうことなのではないか思います。何が何でもやるっていうのは語弊がありまして、コロナなんか関係ないっていう意味ではなく、いい形でできたらいいよね、そのために自分ができることはやるっていう思いなんじゃないでしょうか」
大騒動の末、森喜朗五輪・パラリンピック組織委員会会長が辞任を表明した。本誌・週刊ポストはこの辞任表明の直前、騒動の際に祖父を叱り、今回の件では「ショックで寝不足となり会社で倒れた」という森氏の孫娘と長女の2人に話を聞くことができた。以下、孫娘との一問一答だ。
――孫娘として今回の件をどう思いますか?
「祖父の発言は本当に不適切だったと家族もみんな思っているんです。もちろん世の中にご迷惑をおかけしたとすごく反省はしています。が、会長である前に私たちの大事な家族なので体を大事にこれ以上無理せずにしてもらいたいです。自分たちの83歳の祖父であり父であるので」
――家族から見て女性蔑視は感じたことはありますか?
「まったくそんなことはないです。女性だけの家族なので。本当にそんなことは自分たちにとってはなくて、女性のことも大切にしているっていうふうに思っています。私たち家族はまた別のところに住んでいて、一緒には住んでないんですけれども、普段から距離はないので。そんな女性蔑視みたいなことを感じたことは自分たちにはありません。
ごく普通のおじいちゃんであり、お父さんであり、っていう印象しか自分たちにはなくて。みなさんのお父さんやおじいちゃんと同じだと思います。何よりも家族のことを一番大切にしてくれているので」
――世代的に今と価値観が違っていたのではないでしょうか?
「そうですね。たぶん、悪気があったわけではないと思います。もちろん発言は不適切だったんですけれども。現代の日本の、なんていうんですかね、ジェンダーレスのことは確かにそこまですごく理解していたわけではないと思うんです。ただ、決して蔑視する意識がなかったことは家族はみんな分かっています」
――お孫さんから見て森さんはどんな方ですか?
「やっぱり義理をすごく大切にしてるというか。責任感が本当に強い。みんなのためにやりきるぞっていう思いがあった。誤解を与えてしまったとは思うんですけど、やっぱりこう、決めたことをみんなのために、喜ぶ顔が見たいと思ってやっていたことは、私たちしか知らないと思います。
スポーツ選手のために張り切ってやっているのは、何が何でもやるぞっていうよりもJOCが決めて、日本でやるっていうのが決まったのであればできることはやりたいっていうことなのではないか思います。何が何でもやるっていうのは語弊がありまして、コロナなんか関係ないっていう意味ではなく、いい形でできたらいいよね、そのために自分ができることはやるっていう思いなんじゃないでしょうか」

乳児死亡でメーカー提訴=ベッドガード「警告不十分」―東京地裁

生後9カ月の男児が死亡したのは転落防止用ベッドガードとマットレスの間に挟まったためで、製品の警告表示も不十分だったなどとして、両親が12日、ベッドガードのメーカー「カトージ」(愛知県犬山市)を相手取り、約9300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
訴状などによると、男児は2017年8月、東京都世田谷区の自宅でベッドガードとマットレスの隙間に体が挟まった状態で発見され、病院搬送後に死亡が確認された。警察の検視で死因は「不詳」とされたが、原告側は隙間に挟まったことが原因だとしている。
ベッドガードの取扱説明書には、生後18カ月~5歳程度までの子どもが対象で、乳幼児には使用しないよう求める表記があったものの、製品本体には表示がなかったという。
都内で記者会見した男児の父親は「危険性を知ってもらい、小さい子が亡くならないようになれば」と述べた。カトージは「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
[時事通信社]

森喜朗氏、辞任表明で未練と不満「老人が悪いように言われるのは極めて不愉快な話」「女性蔑視の気持ちは毛頭無い」

女性蔑視発言が世界的に問題となっていた森喜朗氏(83)が東京五輪組織委会長職からの辞任を表明した。12日に都内で行われた理事・評議員の合同懇談会の冒頭で一連の問題発言を謝罪し、同日をもって会長職からの退任を発表した。淡々と自身の実績などを語った一方で、未練や不満を漏らした。
引責辞任への引き金になった女性差別発言については「女性蔑視の気持ちは毛頭ないし、これまでも障害のある人、ない人、全て同じように扱ってきた」と釈明。さらに「余計なことを申し上げたとか、これは解釈の仕方と言うとまた悪く書かれてしまいますけど、意図的な報道もあったんだろうと思います。女性蔑視などと言われまして、女性の皆さんをできるだけたたえてきましたし、発言をしてもらおうと絶えず(理事会を)進めてきました。あえてお名前まで申し上げて『(理事の)谷本(歩)さんどうですか?』など本当にお話いただいたと思います」と続け、「この一言でこうなったというのは、私の不注意もあったかもしれないが、長い83年の歴史の中で一番情けないことを言って、皆さんにご迷惑をかけた」と陳謝した。
また、「老害」と批判されてきたことについても「老害、老害、というが、年寄りは下がれというのは良い言葉じゃない。老人も、日本の国、世界のために頑張っているから、老人が悪いように言われるのは極めて不愉快」と不快感を示すなど最後まで意地を示した。
前日にはIOCのバッハ会長、調整委員会のコーツ委員長とも約1時間ほど電話で会談し、バッハ会長から「ここまでよくしっかりやってくれた。2020の大きな成果だ」とのねぎらいの言葉を受けたことを明かした。失言により失職したことで「組織委員会は約8年になるが、小学校で終わったような感じ」と未練も見せた。
10分を予定していた冒頭のあいさつは15分に及び、最後は「遅滞ないように運用していかないと思った。私がいることでご迷惑をかけたら努力は無になる」と森氏。後任の新会長の選定については「率直なご意見を頂いて、意味のある会であった、と私にとっても理事会、評議員会、最後の会が心に残るように運用していって頂きたい」と語り、着席した。

小池百合子都知事、辞意表明の五輪組織委森会長に「敬意を表したい」

東京都の小池百合子知事(68)は12日の定例会見で、女性蔑視発言で辞意を表明した東京五輪組織委の森喜朗会長(83)について「本当に東京2020大会の開催に向けて長年にわたって尽力されて来られました森会長には、改めてここで敬意を表したいと思います」と述べた。
森氏の後任を巡っては、五輪選手村村長で元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)に就任要請し、川淵氏も受諾していたが、このプロセスを政府などが問題視したため、組織委は川淵氏の起用を見送る方針を固めた。

森喜朗氏、正式に辞意表明「五輪開催へ私が妨げになってはならない」組織委懇談会で

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は12日、理事会と評議員会の合同懇談会に出席し、会の冒頭で「会長を辞任いたそうと思っています」と正式に辞意を表明した。

「私の不適切な発言が原因で大変混乱させてしまった。多くの皆様方に御迷惑をお掛けしてしまったことを誠に申し訳なく思っています。既に報道されていますとおり、今日をもって会長を辞任をいたそうと思っています。大事なことはオリンピックを7月に開催するということ。オリンピックを開催するための準備に、私がいることが妨げになってはならない」と述べた。

森氏は3日、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。女性蔑視と取られて国内外で大炎上し、4日に謝罪、撤回したが、批判は収まらなかった。

国際オリンピック委員会(IOC)も一度は“不問”としながら、9日になって「(発言は)完全に不適切」と手のひらを返した。スポンサーからの反発も相次ぎ、森氏は11日に会長辞任の意向を固めていた。

狙われたポストの合鍵、実は容易に複製可能…家主に気付かれず繰り返した犯行の手口

神戸地裁は1月、神戸市内などのマンションで、合鍵を使って空き巣を繰り返し、現金約400万円などを盗んだ30歳代の男に懲役3年の実刑判決を言い渡した。男は家主に気づかれることなく合鍵を次々と複製し、犯行に及んでいた。「狙われたポストの合鍵」。その手口とは。(鈴木彪将)
2019年11月、神戸市中央区の高層マンションに住む50歳代男性から、「室内の現金や貴金属がなくなった」と兵庫県警に通報があった。ただ、部屋の窓ガラスが割られたり、鍵を壊されたりといった外部からの侵入痕跡はなかった。
警察はマンションの防犯カメラを確認。すると、男性宅に玄関の鍵を開けて入室する不審な男の姿が映っていた。「なぜ、鍵を持っていたのか」
男性は合鍵を隠していた集合ポストを調べたが、持ち出された形跡はなかった。念のため、鍵会社に問い合わせてみると、予想もしない答えが返ってきた。「その鍵、複製依頼がありましたよ」。見ず知らずの女性の名前で申し込まれていた。

ほかにも女性名で複製依頼されていたことがわかり、警察は鍵の送付に合わせて、女性宅のある大阪府内のマンションに張り込んだ。
宅配業者が到着すると、女性宅に近づく一人の男がいた。男は荷物を受け取ると、部屋には入らず、そのままマンション外へと消えていった。
「あいつだ」。捜査員は男に見覚えがあった。かつてマンションで空き巣を繰り返し、兵庫県警に逮捕されたことのある男だった。
警察はその後、男の行動を確認。容疑が固まり、男の自宅を捜索した。室内からは複製された鍵約130個がみつかり、男は県内や4道府県で現金や貴金属などを盗んだことを認めた。
一連の手口はこうだ。マンションの集合ポストの隙間をのぞき、合鍵がないかを確認。鍵があると、鍵に刻印された「鍵番号」と「製造会社名」を記録し、所有者を装って鍵会社に複製を依頼していた。実は、この「鍵番号」と「製造会社名」があると、複製は簡単にできるのだ。
男は、所有者とは異なる実在する人物の名前と住所を伝えていた。鍵会社から完成の連絡があると、宅配業者の「配送状況」をインターネットで閲覧し、到着時間を予測。家の前で家人になりきって受け取っていた。

地裁であった公判で、男は犯行に至るまでの経緯を口にした。
初めて空き巣をしたのは高校生の時。就職後も収入が減ると空き巣で小遣い稼ぎをするようになり、逮捕された。
その後、更生を誓い広告デザイナーの仕事に就き、家庭も持って幼子を育てるよきパパとなった。
だが、昨年の新型コロナウイルス禍で仕事が激減。「妻と子に心配をかけたくなかった」。生活費を稼ぐために、過去の事件の手口をまねて、また過ちを犯した。
言い渡された判決は懲役3年。「(刑務所から)出てきたとき、子供はまだ幼い。父親としての存在を示せるように」。裁判官の説諭に、男はどこかすっきりとした表情を浮かべ、小さくうなずいた。そして2週間後、判決は確定した。

警察庁によると、第三者による複製も含め、合鍵を使った「空き巣」は2019年に993件起きた。
日本ロック工業会(東京)は「鍵番号はメーカーがデータを管理しているが、もし悪意を持った他人が番号を控えれば、メーカーに注文して複製することは可能。大切な情報であることを知ってほしい」と指摘する。
関係者によると、鍵会社や複製業者は、免許証などで依頼者の本人確認をしているが、実際の鍵の所有者かどうかの確認は厳密にできていないのが実情という。
同工業会は「郵便ポストに置いておくことはもちろん、鍵を他人に見せたり、渡したりすることは危険であることを知ってほしい」と注意を呼び掛けている。

川淵三郎氏「従わないといけない」 五輪組織委が政府の意向で後任会長案を白紙へ

女性蔑視発言で辞任する東京五輪組織委の森喜朗会長(83)の後任に指名されていた元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)=日本トップリーグ連携機構会長=が、政府の難色により差し戻されたことを受け「政府の異論? そういうことが出たなら従わないといけないんじゃないの。起用見送り? 全然聞いていない。ニュースでやっていた」と話した。千葉市内の自宅前で、取材に応じた。
11日に森会長が自宅で川淵氏に就任要請し、受諾されていたが、このプロセスを女性や若返りを望む政府が問題視。川淵氏の就任に難色を示したため、組織委が起用を見送る方針を固めたもようだ。
この日は15時から組織委理事・評議員による懇談会が行われ、森、川淵両氏も出席するが、後任問題は混乱の一途をたどっていた。

川淵三郎会長就任が白紙撤回 森喜朗氏の指名に政府が難色

女性蔑視(べっし)発言で辞意を固めた東京五輪組織委の森喜朗会長(83)の後任問題が12日、白紙に戻った。森会長は11日に五輪選手村村長で元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)=日本トップリーグ連携機構会長=に就任要請し、川淵氏も受諾していたが、このプロセスを政府などが問題視。川淵氏の就任に難色を示したため、組織委が起用を見送る方針を固めた。
この日は15時から組織委理事・評議員による懇談会が行われる、森、川淵両氏も出席するが、後任問題は混沌としてきた。