野田聖子氏が「女性蔑視発言」森会長への批判を“封印”する思惑

「わきまえる女」――に徹した方が得策と計算したのか。「女性蔑視」発言をした東京五輪組織委員会・森喜朗会長への批判は大きくなる一方だ。共同通信の世論調査でも、「会長として適任だと思う」は、わずか6.8%しかなかった。

ところが、これまで政界の男社会を批判し、女性の政治参画を訴えてきた自民党の野田聖子幹事長代行(60)が、森批判を封印している。森会長と近いと見られている稲田朋美衆院議員(61)が、「私は『わきまえない女』でありたい」と、ツイッターで森批判をしたのと対照的だ。

「“ポスト菅”の可能性が出てきたので、党内を敵に回す発言を控えているのでしょう。女性初の総理になりたい、という野心を隠さない野田聖子は、総裁選のたびに出馬を模索してきたが、毎回、推薦人が集まらず断念してきた。でも“ポスト菅”レースでは、推薦人を確保し、総理総裁に就く可能性が出てきた。現在、直属の上司でもある二階幹事長が、野田聖子を“ポスト菅”に担ぐのではないかと囁かれているからです。いま、森批判をすると、党内から“わきまえない女”と見られ、支持が広がらない恐れがある。だから、発言を控えているのでしょう」(自民党事情通)

後輩の女性議員に、「男に媚びを売る時代は、私で終わらせる。あなたたちが偉くなった時には、こんなことはやらせない」と話している野田聖子。森批判を封印し、党内の古いタイプの男性政治家に媚びを売ることで総理のイスをゲットする戦略らしい。しかし、思惑通りにいくのかどうか。

「ボス連中に媚びを売るやり方が、吉と出るか凶と出るかは、わかりませんよ。ポスト菅レースは、どんぐりの背比べです。河野太郎にしろ、岸田文雄にしろ、まだ本命とは言えない。今年は必ず衆院選が行われる。最後は、派閥の論理や党内の支持よりも、国民人気が決め手になっておかしくない。ボス支配に従う野田聖子のやり方は、マイナスになる可能性があります」(政治評論家・本澤二郎氏)

女性の支持が離れるのは間違いない。

マック元社長がゴルフクラブで妻殴り逮捕…「プロ経営者」と持ち上げられたカリスマ“裏の顔”

アップルやマクドナルドの日本法人社長を歴任した「プロ経営者」が、17歳年下の妻をゴルフクラブで殴打とは驚いた。

妻で歌手の谷村有美さん(55)に暴力を振るったとして6日、日本マクドナルド元社長の原田泳幸容疑者(72)が暴行の疑いで警視庁渋谷署に逮捕された。

原田容疑者は5日、東京都渋谷区の自宅で妻の腕や足を練習用のゴルフクラブで数回殴ったとされる。妻は内出血のケガを負い、6日午前2時ごろ、自ら通報。原田容疑者は容疑を否認している。「家庭内の案件」だからか、立件を見送る可能性が高いからか、警視庁は事件の具体的な中身をほとんど公表していない。

■アップル社長時代に谷村有美さんと結婚

メディアから「プロ経営者」と、もてはやされた原田容疑者の経歴はピッカピカだ。東海大工学部を卒業後、日本NCR、横河・ヒューレット・パッカードを経て1990年、アップルコンピュータジャパンに入社。97年に代表取締役社長、米国アップルコンピュータ社副社長に就任した。

その後、04~13年、日本マクドナルド会長兼社長兼CEOなど、14年から2年間、ベネッセホールディングス会長兼社長を務めた。現在は、タピオカなどの販売を手掛ける「ゴンチャジャパン」の会長兼社長兼CEOに就いている。アップル社長時代の02年に谷村さんと結婚し、05年に長男が生まれた。

原田容疑者はマクドナルドの社長就任後、無料キャンペーンや100円マックなどをヒットさせ、「原田容疑者マジック」と称賛され、V字回復を遂げた。しかし好業績は長く続かず、顧客が低価格に慣れ、客単価が下落。3期連続の赤字に陥り、事実上クビに。汚名返上を図ったベネッセでも進研ゼミの会員減少に歯止めがかからず、就任後わずか2年で引責辞任に追い込まれている。

金融関係者が「バブル崩壊直後なら、彼の手法も通用していたかもしれませんが……」と、こう続ける。

「結局、彼がやってきたことはリストラです。プロ経営者は株価を戻すのが第一義的なミッションなので、どうしてもすぐに結果の出るリストラに走りがちです。ただ、それだけだと無理がたたり、中長期的な改善には結びつきません」

■近所付き合いもなく…

原田容疑者の一家は5年ほど前、代官山にほど近い高級住宅地に豪邸を建設。家族3人で暮らしていた。

近隣住民がこう言う。

「ご主人だけでなく、一度もご家族をお見かけしたことがありません。引っ越しされた際も、挨拶にも来られませんでしたし、近所付き合いもありません」

70歳を越えた元カリスマ経営者が、17歳年下の有名人の女房をゴルフクラブでブン殴ったとなれば世間の信頼は失墜。仮に立件を免れたとしても、晩節を汚すことになりそうだ。

プロ野球・広島戦チケットを不正転売容疑、2人逮捕 売り上げ1億円か

プロ野球・広島東洋カープの公式戦のチケットを転売したとして、警視庁生活安全特別捜査隊は8日、東京都日野市豊田3、無職、吉田英雄(45)と、調布市調布ケ丘3、パート従業員、小谷崎まゆみ(56)の両容疑者を入場券不正転売禁止法違反の疑いで逮捕したと発表した。両容疑者が2015年以降、他のプロ野球公式戦やプロレスなどのチケット転売を繰り返し、1億円近い売り上げを得たとみて調べている。
逮捕容疑は20年7月30日~9月4日、広島市のマツダスタジアムで開催予定だったDeNA、阪神、ヤクルト、中日戦の計4試合のチケット計8枚(販売価格計1万3408円)を、チケット転売サイトを通じ、東京都や大阪府、広島県の男女4人に計6万6000円で売り渡したとしている。ともに容疑を認めているという。
同隊によると、2人は職場の元同僚で、マツダスタジアムの年間指定席を事前に購入し、試合ごとに転売していたという。吉田容疑者は収入を過少申告したとして18年に国税当局から追徴課税されており、「滞納金の支払いに充てた」と供述している。小谷崎容疑者は、自身の名義で購入したチケットを吉田容疑者に郵送するなどの役割だったという。【斎藤文太郎】

蓮舫氏、「多様性再認識」強調の組織委コメントにツッコミ「『私ども』ではなく、『森会長』でしょう」

立憲民主党の蓮舫参院議員(53)が8日、自身のツイッターを更新。女性蔑視とも取れる発言を組織委の森喜朗会長(83)が撤回、謝罪したことを受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が東京2020大会と男女共同参画(ジェンダーの平等)について、公式ウェブサイトに掲載した公式コメントに疑問を呈した。
この日、「『多様性と調和』『私どもは改めてビジョンを再認識』 組織委員会のコメントです」と組織委のコメントの一部を紹介した蓮舫氏。「『私ども』ではなく、『森会長』でしょう」と改めて、森会長自身が問題を再認識をすることを要求した。
組織委では、森会長の発言を受け、7日に「弊会の先週の森会長の発言はオリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切なものであり、会長自身も発言を撤回し、深くお詫びと反省の意を表明致しました。『多様性と調和』は東京大会の核となるビジョンの一つです」とした上で「私どもは、改めてビジョンを再確認し、引続き、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治、障がいの有無など、あらゆる面での違いを尊重し、讃え、受入れる大会を運営します。ビジョンを追求しながら、多様性の調和、持続可能性、復興に重きを置き、大会後の社会の在り方にもレガシーを残すように取り組んで参ります」とのコメントを発表している。

【ワイドショー通信簿】繁華街に人、人、人…「緊急事態」1か月延長に街ゆく人「がまんの限界」「糸が切れた」(とくダネ!)

「緊急事態宣言」が1か月延長されることが決まって初めての週末の先週6日と7日(2021年2月)、首都圏や周辺観光地で、買い物客や家族連れなど外出する人たちが増えた。
東京の表参道や竹下通り、上野のアメヤ横丁、渋谷のスクランブル交差点などでは、肩が触れ合うほどの人出に。街ゆく人は「もう我慢の限界じゃないか」。「さらに1か月延長で糸が切れてしまったのかな」。神奈川県の江の島周辺では観光の車で渋滞となり、箱根湯本では宣言直後の1月9日に比べ3倍の人出となった。
6日(土)の全国知事会の会議で、吉村洋文・大阪府知事は、「緊急事態宣言というのは、一挙に期間を区切ってグッとやるもので、だらだら続けるものではないと思っています。一定の効果があれば、そこは一旦解除する。ただ徐々に解除していく。きちんとした段階を追っていく。それが重要だ」と強調した。
政府は愛知・岐阜で早期解除を判断か…
政府は感染が抑えられた地域については、宣言を解除し、法改正が成立したばかりの「まん延防止等重点措置」に移行させる検討に入った。愛知県と岐阜県では、早ければ今週末の12日にも早期解除を判断するとみられる。
東京都の感染者数は今月に入って1日(2021年2月)に393人と今年初めて500人を割りこみ、きのう7日は429人だった。ただし、死者数は6日に1022人と2ヵ月前の約2倍に増えている。
小倉智昭キャスター「がまんの限界というのも、慣れちゃったというのもわかるしねえ。一人暮らしの学生さんも、(ステイホームが)長くなるとねえ」。
ただ、昭和大学の二木芳人・客員教授は、「500人くらいで緊急事態宣言をやめると一気に元へ戻るという試算もある。とはいえ、100くらいまで下げるには1か月でも難しい。人の心の動きを考えながらやらなければ」。
一方で、変異ウイルスが広がりを見せた。5日の発表では、埼玉県で11人が感染したうち、10人(大人4人、子ども6人)が同じ施設での感染だった。児童施設の10人について、濃厚接触者が61人おり、現在感染の広がりを調べている。
文・栄

クジラの混獲でも標的にされ責め立てられる「太地町」

反捕鯨を掲げながら「クジラの町」ブランドの恩恵にあずかっているようだ。和歌山県太地(たいじ)町で1月、定置網に迷い込んだクジラがやむなく処分された。一連の動きを環境保護団体が発信すると、インターネット上を中心に批判の声が渦巻き、地元に抗議が殺到。漁業でクジラの処分はそれほど珍しくないが、なぜ太地町ばかりがやり玉にあげられるのか。ニュースを流す同団体のある思惑が見え隠れする。(小泉一敏)
英首相も「残酷だ」
太地町沖約400メートルで昨年12月24日、定置網に全長約6メートルのミンククジラが入り込んでいるのが確認された。反捕鯨の環境保護活動家が上空からドローンで動画撮影。狭い網の中を巨体を揺らして泳ぐ姿を毎日のように配信すると、ネット上は大騒ぎとなった。
「水産庁に解放するよう呼びかけよう」「非人道的なことはやめて」。会員制交流サイト(SNS)には批判的な意見が続々と書き込まれ、反捕鯨国として知られる英国のボリス・ジョンソン首相も「残酷な捕鯨に反対する」と発信した。県には連日、抗議の電話が1日約40件、メールが200~300件寄せられ、業務に支障が出かねない状況だったという。
県や太地水産共同組合はクジラを逃がす方法を模索したが、荒天や高波などで定置網に近づくことも難しかった。定置網を使った通常の漁ができない状況が続いたこともあり、今年1月11日に捕獲し、処分を行った。県資源管理課の担当者は「何とか逃がしたいと考えていたが…」と話し、苦渋の決断だったと明かす。
和歌山は4頭だけ
定置網漁などで、本来狙っていた獲物ではなく、意図せずにクジラが入ってしまう鯨類の「混獲」は珍しいことではない。
水産庁によると、平成31(令和元)年に混獲されたのは114頭で、うち105頭が捕獲、市場で販売されるなどした。29年は167頭、30年は91頭で、平均すると年間100頭程度が報告されている。都道府県別では、和歌山が目立って多いわけではなく、31年は石川20頭、岩手14頭、和歌山は4頭だった。
捕鯨業者以外がミンククジラを含むヒゲクジラを捕獲することは禁止されている。ただ、混獲されたクジラについては同庁の取り決めがあり、クジラを逃がすよう努めることが求められるが、人的被害や漁具の破損の恐れがある場合は捕獲が認められている。
こうして捕獲したクジラ肉を販売する場合、DNA検査の結果を提出させるなど、正規の捕鯨と同様に厳しく個体管理が行われる。偶然の混獲を装ってクジラをとらえることがないよう、徹底した管理がされているというわけだ。
「ザ・コーヴ」で有名に
レアケースともいえない混獲が、今回はなぜ世界で波紋を広げたのか。
同町に在住し、約10年にわたりクジラに関する取材や研究を続ける元AP通信記者の米国人、ジェイ・アラバスターさん(45)は「海外でも太地といえば、捕鯨やイルカ漁の町として有名」という同町の“ブランド力”を理由に挙げる。
地元で行われるイルカの追い込み漁を批判的に描き、2010年にアカデミー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」が、皮肉にも太地の名前を世界に広めるのに大きな役割を果たした。
環境保護団体は「太地発」でクジラやイルカ漁の話題を配信することで、「あの太地で残酷な捕鯨が続いている」と強力に印象付けることができる。こうした団体の狙い通り、今回のケースでは海外メディアが太地のイルカ漁と結びつけて報じていたという。
日本の捕鯨を標的とする活動家らが、太地の知名度を利用しながら批判的なメッセージを発信し続けている。アラバスターさんは「捕鯨の是非についてそれぞれの考え方はあると思うが、対話の中でお互いの理解を深めていく姿勢が必要ではないか」と話す。

「サル団子」序列1位のオス、内側でぬくぬく 京大霊長類研が写真で分析

寒さをしのぐためにニホンザルが体を寄せ合う「サル団子」を観察したところ、より暖かい内側に集団での順位が高いオスが陣取っていたことが、京都大霊長類研究所の石塚真太郎研究員(行動生態学)の調査で分かった。ニホンザルは集団内で厳格な序列が存在することで知られる。石塚研究員は「集団生活の中、順位がもたらす利益と不利益を知ることは、動物の集団生活について理解を深めるのに役立つ」と話す。
調査は2017年12月、小豆島の自然動物園「お猿の国」(香川県土庄町)で暮らすニホンザルの2集団のうち1集団(調査当時約150匹)を対象に実施した。この集団には大人のオスが6匹おり、序列も確認されている。サル団子の様子を5分ごとに撮影し、オスがサル団子のどこに位置し、何匹のサルと接触した状態にあるかを調べた。
順位高いほど接する個体数多く
写真100枚を分析したところ、接触していた個体数の平均は、集団内の序列で1位のオスが約5・5匹で、2位以下は約3・2~3・6匹と、順位が高いほど接する個体数が多かった。さらに、総勢21匹以上による大きなサル団子56個について考察すると、順位が高いオスほどサル団子の内側にいた回数が多かった。1位のオスが、サル団子の内側に割り込む行動も確認された。
今後はメスについての分析を進めるほか、実際にどれだけ暖まっているのか、小型サーモカメラで測ることも検討している。研究成果は英国の学術誌「ビヘイビアル・プロセス」(オンライン版)に掲載された。【福富智】

玉川徹氏、森会長が説得受け続投に「恥の上塗りをしてくれた。これが日本だとまた思われる」

8日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)では、東京五輪組織委員会の森喜朗会長が3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」など女性蔑視とも取れる発言をした問題を報じた。
コメンテーターで同局の玉川徹氏は、森会長が説得を受けて辞意を翻したという報道に「『ここで会長が辞めれば5000人以上の組織はどうなりますか』っていう。昭和だよね。30年以上遅れているということですよね。森さんの発言後に笑い声が出たということも批判されていることもありましたけど、さらにまた恥の上塗りをしてくれたなと。何十年遅れているんだか、この組織は。これが日本だと、また思われるじゃないですか。もう恥ですよ」と述べた。
続けて「会長がケガや病気などで続けられないということもあるわけで、そういう時でも組織はやっていかなければいけない。それに匹敵するぐらいのことが今回起きたにも関わらず、浪花節でここを乗り切ろうとしたことが、僕は恥ずかしくてしょうがないですね。また世界からどう思われるんだろう」と話した。

「それは違う」と高齢者を説得 お手柄コンビニ店長、1年に2回も特殊詐欺被害を防ぐ

特殊詐欺被害を未然に防いだとして、滋賀県警守山署は5日、「セブン―イレブン野洲冨波店」(滋賀県野洲市冨波甲)に感謝状を贈った。レジで対応した店長の高橋弘美さん(49)は昨年6月にも被害を防いでおり、本年度2度目のお手柄となった。
同店によると、高橋さんは1月上旬、高額の電子マネーを購入しようとする高齢男性を不審に思い、「何に使われるのですか」と声を掛けた。男性が「パソコンがウイルスに感染し、対応のため」などと説明したため特殊詐欺と確信。「それは違う。警察を呼ぶので待っていてください」と説得した。
店員らは、高額の電子マネーを買おうとする高齢者には積極的に声を掛けるよう指導されているといい、高橋さんは「すぐに怪しいと思った」。オーナーの山田謙二さん(57)は「高齢者の多い地域なので実際にお店であったことを知ってもらい、抑止力になれば」と話し、感謝状を店内に掲示するという。

ズワイガニ価格「Go To」に振り回されて 水産会社や宿泊施設「商売にならず、心折れた」

「Go To トラベル」事業の影響や天候不順などで揺れ動く京都府内のズワイガニの価格に、産地の宿泊施設や水産会社が翻弄(ほんろう)されている。ブランドの「間人ガニ」で知られる京丹後市丹後町の間人漁港では、需要が高まった昨年秋~冬は例年の2倍に高騰した。GoTo事業の停止や緊急事態宣言の発令で今年1月の競り値は落ち着いた一方で、しけで漁に出られず水揚げ量が少ないため苦戦が続く。商売にならず疲弊した関係者からは「心が折れた」と諦めの声も漏れる。
■「GoTo」需要で競り値高騰も、販売価格に転嫁できず
1月26日夕。間人漁港の競り場に久々に雄ガニが並んだ。だが、水揚げ量は約193キロ。1月の競りはわずか3日で、府漁協丹後支所の寺田直彦支所長は「値は前年並みに戻ったが、これだけ漁が少ないのは厳しい」と語る。
今季のズワイガニは昨秋から好調だったGoTo需要を背景に11月6日の初競りから高騰した。「かなりの量を確保しにいったところに、操業日数の少なさが追い打ちをかけた」と府水産事務所。雪が降る北風が吹くと海は荒れる。少々のしけでも操業できる大型船が中心の兵庫県や鳥取県とは異なり、府内の中小型船は操業できず、12月末までの漁は11回。間隔が2週間以上空いた12月28日の競りでは3倍近くまで高騰した。
競り値の高騰は水産会社やカニ宿を直撃した。同市にある3港の仲買人でつくる北丹水産物商業協同組合専務理事の能勢元憲さん(46)は「異常な値動き。自社の販売価格と競り値が同じということが何度もあった」と話す。
お客の購買価格はだいたい決まっており、カニの値が高まっても販売価格に転嫁しにくいという。シーズン前に注文が入る顧客もいる。例年年内は2万円台だったサイズの雄ガニの競り値が「5万円台になることはざらで、6万~8万円することも多かった」と能勢さん。「GoToが動いている時は他の水産物が売れたので何とかしのいだが…」と苦悩する。
■小さなカニも高騰、カニ宿は口コミで叩かれることも
宿泊施設も同様だ。間人ガニを提供する市内の旅館の女将(おかみ)は「小さいカニでもすぐに1万円。元々カニの値動き次第では日によっては赤字の日もある」と話す。
さらに「シーズン全体で見なければならない商売だけど、初競りのような高い相場が続くと厳しい」と話す。
カニが小さいと口コミでたたかれることもあり、「とにかく誠心誠意するしかないが本当に胃が痛くなる」と言う。一部の旅館では「間人ガニ」だけでなく、他産地のカニに独自のブランド名をつけて提供する動きも出ている。GoTo需要を見越してカニを確保したが、事業の停止によってキャンセルが相次ぎ、在庫を抱えている市内の他地域の宿泊施設もある。
能勢さんは「年々水揚げ量も減っている。さらにGoTo需要の高値と不漁でむちゃくちゃ。何とかお客さんのためにカニをそろえようと20年頑張ってきたが今季は心が折れた」とつぶやいた。