緊急事態延長、我慢続く…家賃など払えば手元に2万円だけ「じわじわと生活苦しく」

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長が決定した2日、都内の大学生や飲食店主らからは「いつまで耐えられるか」「仕方がない」などと声が上がった。政府は宣言が解除された後も営業時間の短縮要請を当面継続する方針を打ち出しており、生活への影響拡大が懸念される。
■安さ求め
2日午後8時過ぎ、東京都江東区のJR亀戸駅前の繁華街。時短に応じる居酒屋などが閉店すると、弁当屋「キッチン ダイブ」に、スーツ姿の会社員や若者らが次々と訪れた。200円台という低価格商品や大盛り弁当も用意され、店内は品定めする客で混雑した。
近くのアパートに一人で暮らす大学2年の男子学生(20)は、300円の日替わり弁当を購入。昨年12月から、アルバイト先の飲食店2店の勤務を減らされ、家賃や光熱費などを払うと、手元に2万円ほどしか残らないという。
バイト先でまかないを食べる機会が減ったため、安さと量が売りのこの弁当屋の利用回数を週3回ほどに増やした。男子学生は「じわじわと生活が苦しくなっており、宣言の延長はつらい。この店は、量も種類も多いので本当に助かる」と話した。
店は先月の緊急事態宣言発令から、午後8時以降に訪れるドライバーや若者、会社員らが増え、売り切れ寸前になる日もあるという。伊藤慶店長(38)は「延長は仕方がないが、生活への影響が確実に広がっていると感じる。弁当の提供でなんとか貢献したい」と語った。
■長期化
政府は2日、緊急事態宣言の解除後も時短要請などの緩和を段階的に行うとした。
東京・新橋の焼き鳥店「地鶏屋」店主の石川政幸さん(53)は「長期化すると、店を続けられないかもしれない」と危機感を募らせる。時短要請に応じてランチ営業を始めたが、売り上げは前年の3~4割ほど。1日6万円の協力金があっても、約15人の従業員の給料や店舗の家賃などを確保できるか心もとないという。
東京・豊洲の水産仲卸477業者でつくる「東京魚市場卸協同組合」でも懸念が高まっている。時短の余波で売り上げが3~4割ほど減った業者が多く、常務理事の難波昭信さん(59)は「飲食店と卸売りだけでなく、生産者の漁師や養殖業者も共倒れになってしまう。もっと支援してほしい」と訴えた。

菅義偉首相が国民にお願い「もう一踏ん張りしていただいて…」

菅義偉首相(72)は2日、首相官邸で新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、10都府県について3月7日まで延長すると表明した。対象となっていた栃木県は7日で解除する。医療提供体制が依然、逼迫(ひっぱく)していることから、専門家の意見を踏まえ、判断した。
「国民の皆様にはもう一踏ん張りしていただいて、何としても感染の減少傾向を確かなものにしないといけない。安心できる暮らしを取り戻したい」。菅首相はこの日、初めてプロンプター(原稿映写機)を使い、身ぶり手ぶりを交え、緊急事態宣言再延長への理解を求めた。
「発信力が課題」と指摘されてきた菅首相は冒頭から言葉に力を込めた。左手を徐々に下げるジェスチャーをしながら、飲食店の営業時間の短縮などを念頭に、「国民の協力で効果は確実に表れている」と強調。「制約の多い生活でご苦労を掛けるが、ご協力をお願いいたします」と頭を下げた。先月の再発令時「1か月後に必ず事態を改善させる」と発言した経緯を踏まえ、宣言延長を謝罪。「全て私が責任を負う」とも語った。
宣言が延長されるのは埼玉、千葉、東京、神奈川の首都圏4都県、岐阜、愛知の東海2県、京都、大阪、兵庫の関西3府県、福岡の計10都府県。宣言解除の目安については、感染状況がステージ3(感染急増)になることが前提との認識を示した。その上で専門家と相談する。対象地域の飲食店に営業時間短縮を要請し、応じれば1日最大6万円の協力金が支払われる。観光支援事業「Go To トラベル」の全国停止は継続する。
難局は今後も続く。世論調査ではコロナ対策への不満が多く、支持率が続落。宣言下の深夜に、与党幹部が東京・銀座のクラブを訪れ、虚偽の説明をしたことで厳しい批判を浴びた。野党支持率は低空飛行が続くが、与党内での危機感は強まっている。
「頼みの綱」はワクチン接種。先月下旬、首相と面会した与党関係者は「首相は口を開けば、ワクチン接種の話ばかりだった」と明かす。解除への糸口が見えない首相の苦境が透ける。政府関係者によると、この日の諮問委員会では、ステージ3ではなく、ランクが一つ下のステージ2(漸増)で解除した方がいいという意見もあったという。立民幹部は「仮に再延長になれば、首相の責任問題に発展する」と予告した。

《5億円覚せい剤密輸事件》容疑者夫妻、SNSでのインチキすぎる「有名人交際商法」

「“今の世の中、商売をするなら芸能人に帽子をあげて身につけてもらい、SNSで流すのが一番”と言ってました」
そう証言するのは、覚せい剤密輸で逮捕された容疑者夫妻の知人。
1月22日、警視庁と東京税関は群馬県みどり市の自称自営業・星野健(けん・42)と、妻で会社役員・沙姫(さき・29)両容疑者を覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕したことを発表。
「1月10日にタイから国際郵便で成田空港に届いた段ボールにヘアワックス容器16個が入っていたが、上げ底になっていて、覚せい剤約8キロが隠されていました。
約27万回分、末端価格にすると5億円相当もする大量の密輸で、前に住んでいたみどり市のマンションに送ろうとしました」(捜査関係者)
前の住居に送って、どう受け取るつもりだったのだろうか……。マンションの関係者はこう説明する。
「星野夫妻は2部屋借りていて、3階の1LDK家賃4万円の部屋は去年の夏ごろ解約。3LDKで家賃8万円の4階の部屋は契約を続けていたようです。荷物の受け取り先として借りていたのかも」
沙姫容疑者はこのマンションで「ケン・ジャパン」というキャップなどを製造、販売するアパレル会社の社長を務め、健容疑者はそのデザイナーだった。
「3歳ぐらいの女の子と3人暮らし。昼間からフラフラと、何をやっているのかわからない不思議な夫婦でした。
旦那は腕に入れ墨があって、チャラ男で、とてもカタギには見えない。高級外車を乗り回して、2年で3、4台も乗り換えていました」(別のマンション関係者)
事務所解約後、一家はこのマンションから遠くない家賃14万円ほどの一軒家に引っ越していた。
しかし、その生活ぶりは奇妙なものだった。
「引っ越してきても、表札は出さず、近所にはほとんど挨拶なし。町内会にしぶしぶ入会すると“山口茂”と偽名を名乗っていたことが今回、わかりました」(近所の主婦)
沙姫容疑者らしき人物のおかしな行動も目撃されていた。
「去年の夏に、近所の男性専用の理髪店に、ヨロヨロと千鳥足で目がイッている女が、ろれつが回らない口調で染髪を頼んできました。もちろん、店は断ったそうです」(同)
覚せい剤の密輸だけではなく使用もうかがわせる証言だが、“本業”の経営は軌道に乗っていたのだろうか──。
「『ケン・ジャパン』のキャップは通販のオーダー制で、料金は1万円から。別料金で、スワロフスキーや刺しゅうなども追加できました。インスタグラムには、そのキャップをかぶった有名人がズラリです」(捜査関係者)
オートレースにも入れあげていて昨年、女性オートレーサーとの結婚も話題になった鈴木圭一郎選手(26)のスポンサー的存在にもなっていた。
「鈴木選手のヘルメットには星野さんの会社の名前が入っています。鈴木選手の横断幕も作って飾っていました。オートレース場には星野さんのブランドを身につけた20人ぐらいの応援団が来たこともありました」(冒頭の知人)
オートレース振興協会は、鈴木選手と容疑者夫妻の関係について、「プライバシーに属することはお答えできません。ノーコメント」と回答。
ほかにも多くの有名人が星野容疑者のキャップをかぶっている姿が公開されているが、どんな関係だったのか?
加藤茶(77)や仲本工事(79)が所属するイザワオフィスは、
「キャップをかぶるようになったきっかけや交際などはまったく聞いていないので、わかりません。金銭授受などはないと思います。もちろん、覚せい剤の取引も……」
黒沢年雄(76)が所属するプロダクション・クロは、
「写真は(容疑者が)コンサートに来られて、物販を購入されたときに一緒に写ったもの。キャップ自体、持っていませんし、“交際や取引などはいっさいない”と本人は言っています」
インスタでキャップをかぶる芸能人たちと並べて、黒沢もそのひとりと錯覚させるつもりだったのだろうか……。
格闘家の角田信朗(59)の代理人である堀井亜生法律事務所は、「一切関知しないもの」との回答。
容疑者夫妻の手口としては、有名人たちのインスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)を通じてキャップを送り、それを身につけた画像を自分たちのインスタにアップ。彼らが気に入っているように見せかけるものだった。
ものまね芸人の原口あきまさ(45)が所属するケイダッシュステージは、
「(原口の)SNSへDMが届きましたが、直接の面識はいっさいありません。(金銭の授受や覚せい剤の取引も)一切ありません」
misono(36)が業務提携をするフラリッシュエンタテインメントは、
「インスタのDMで連絡があって、帽子を2つ郵送してきました。知人やファンからのプレゼントととらえています。実際に会ったことは1度もなく、金品授受や覚せい剤もありません」
マイケル富岡(59)が所属するアンソニープロモーションも、
「インスタで連絡してきたあと、帽子を2つ送ってきました。でも、その後はいっさい連絡をとっていませんので、金銭などのやりとりはありません。写真はマイケルがアップしているものを、勝手に使っているみたいです」
河本準一(45)、堤下敦(43)、井上裕介(40)が所属する吉本興業は3人にヒアリングを行ったうえ、次のような回答だった。
「帽子などのアパレルグッズを提供しますというDMが送られてきたことがきっかけ」
「夫婦との個人的な付き合いは一切なく、やりとりはDMのみ。(金品や覚せい剤の授受は)ありません」
誰とでも気軽に連絡がとれ、情報や画像を共有できるSNS時代ならではの方法を利用した星野容疑者夫妻。
キャップの次は、クスリを持ちかける計画でもあったのだろうか──。

《東京・小岩》猫8匹が連続不審死!苦しみ悶える姿に涙、看取った住民の悲痛

寅次郎(別名グリ)、シマちゃん、ミーちゃん、クロちゃん、げん、ちび、くろ、とら。
命を落とした8匹にはみんな名前があった。人によって別の呼び方をするケースもあった。東京都葛飾区鎌倉と江戸川区北小岩にまたがって昨年11~12月にかけ、突如、体調が急変して死亡した「地域猫」たちだ。
一帯は京成小岩駅に近く、半径100メートルにおさまる狭い範囲。複数の住民が「毒入りのエサを食べさせられたのではないか」と疑念を抱いている。現場を訪ねると、路地でお母さんたちが立ち話をしていたり、昔ながらの商店街に活気があふれるなど下町風情の残る街だ。
「寅次郎」(推定1~2歳、オス)を看取ることになった山口忍さん(51)が振り返る。
「世話していた3匹のうちの1匹が寅次郎で、昨年12月上旬に突然姿を消しました。たっぷりごはんを食べる子で体重は6・5キロぐらいあったと思いますが、ごはんを食べようとしないんです。水も飲まず、動きが遅くなっていて、動物病院に連れていくと、“腎臓の数値が測定上限値をオーバーしている。いますぐ痙攣(けいれん)を起こして死んでもおかしくない”と言われました」
地域猫とは、殺処分を避けるため、地元自治体と市民団体、住民らが協力してその生命をまっとうさせる飼い主のいない猫を指す。繁殖を防ぐため不妊・去勢手術を施し、その証として片耳の先端にV字の切り込みを入れる。手術費用の負担やエサやり、ふん尿などの掃除は心ある地域住民が担っているのが現状だ。いわば善意に支えられて地域全体で飼っている猫だから、地域猫というわけ。
寅次郎を病院に連れて行った前出の山口さんは、
「1パーセントでも助かる可能性があるならば治療してあげたい」
と思ったが、
「最期は私の腕のなかでグッと重くなって息を引き取りました」(山口さん)
警戒心の強い猫は簡単には人間に馴(な)れない。寅次郎と少しずつ距離を詰め、正面から顔をぐしゃぐしゃとなでてあげられるまで信頼を得たところ。抱っこさせてくれたのは初めてだった。
体毛はトラ柄で、きょうだい猫の面倒見がよく、映画『男はつらいよ』の舞台に近いこともあって主人公の名前をつけた。顔をグリグリ押しつけるしぐさをよく見せたため、「グリ」と呼ぶ住民もいる。
火葬し、かわいがってがってきたほかの住民と骨を拾った。遺骨は自宅にもうけた祭壇に祭っており、多くの近隣住民が手を合わせに来てくれた。
「家族を失った気持ち」
と山口さんは泣いた。
薄いしま模様の「シマちゃん」(推定10歳、メス)と「10年の付き合いだった」と話すのは古澤亜希子さん(49)。寅次郎の死に先んじて、世話していた3匹が昨年11月下旬から立て続けに死亡した。
「シマちゃんは亡くなる2日前から様子がおかしかった。ほかの2匹と一緒に朝ごはんを食べにきたのに、まったく食べず鳴いて甘えるだけ。“どうしたの?”と心配していたら、それきり姿を見せなくなりました。
近隣宅から“うちの敷地内で猫が亡くなっている”と連絡をもらって駆けつけたら、シマちゃんが塀のそばで倒れていて体がもう硬くなっていたんです。うちに来る途中で力尽きてしまったみたいで……」
翌日には「ミーちゃん」(推定12歳)がエサを食べなくなり、食いつきのいい高級キャットフードを与えてもペロッとひとなめするだけに。毛づやがボソボソになって動こうとせず、気づいたときには玄関先で冷たくなっていた。
その2日後には「クロちゃん」(推定5歳)が姿を消し、数日後に死亡。死ぬ直前の様子を目撃した男性の話では、弱々しく寝そべったまま、立とうとしても立てないように見えたと話してくれたという。
「さすがにおかしくないか」
と古澤さんは感じ取り、ほかの地域猫を世話する住民らに声をかけた。すると、うちに来る猫も最近おかしくて……と類似するケースがほかにもあると知った。
60代の女性は、白黒模様の「げん」(推定10歳、メス)の最期が頭にこびりついて離れない。同12月上旬、エサを食べなくなったのを心配して動物病院で診てもらうと、腎臓の数値が想定値を振り切るほど悪化しているのがわかった。
「3日入院しても回復せず、せめて最期は大好きな娘に抱っこされて死なせてあげたいと引き取ることにしたんです。娘にすごく懐いていたから。でも自宅に戻ると全身の痙攣が始まって……」(同女性)
呼吸が早くなり、ハムスターのように口をモグモグさせた。やがて犬みたいにハアハアと荒く呼吸するようになり、苦しさのあまり食いしばりすぎて自分の舌を牙で貫通させてしまった。慌てて割りばしをくわえさせた。
女性の家族は約15時間、食事もせず、つきっきりでげんに声をかけ、体じゅうをさすったという。
「もう、かわいそうで、かわいそうで。こうなるなら安楽死させてあげればよかった」
と女性は目を赤くする。
70~80代の夫婦は、昨年11月半ばごろから立て続けに、「ちび」(生後半年ぐらい)、「くろ」(推定2歳)、「とら」(同)の3匹を看取った。
「ちびが急にみどり色の液体を吐いたので、病院に連れて行ったら腎臓機能がダメになっていた。亡くなる寸前には痙攣して息を引き取った。見ていられなかった、同じ生き物として。朝、昼、晩のエサやりとトイレをやってあげていて、たいへんな老後になっちゃったと思っていたけれども、1週間ごとに3匹も火葬することになるなんて。ほかにも変死した猫がいるようだし、誰かに毒を盛られたなと思っている」(80代の夫)
玄関先にはいつも5匹がエサを食べにきていたが、残る2匹も姿を見せなくなった。
「もう1匹もこないのよ。猫が嫌いな人もいるでしょうが、猫も犬も生きているんだから」(70代の妻)
ちびが死ぬ前の晩、妻は同じ布団で抱いて寝たという。

猫たちは何者かに毒物を盛られたのか。
住民に運び込まれた猫を診察した動物病院の医師は、
「故意に毒入りのエサを食べさせられたかどうかは判断できない」
としながらも、腎臓の数値は異常だったと話す。
「測定機械が想定する数値を超えていましたからね。猫は腎臓の弱い動物で、機能悪化は死に直結しうる。また徐々に悪くなってゆくケースは見たり触診してわかりますが、そうでもなかった。いわゆる急性腎不全です」(同医師)
複数の住民が別々の病院で診察を受けている。いずれも腎臓の状態を示す尿素窒素の値が基準値を大きく上回り、基準上限の4倍以上にあたる計測不能値が出たケースもある。どうすれば、これほど悪化することが考えられるのか。
「例えばオス猫はおしっこが詰まって急に腎臓に負担がかかることがある。しかし、この場合は見てわかります。ほかにエチレングリコール(※ジェル状の保冷剤などに使われる)や果物のブドウを食べたときなども腎臓に負担がかかることがあります。今回は、似たケースが何件かあるようですから、間違えてブドウを与え続けてしまったというのはちょっと考えづらいのではないか」(同)
毒物を摂取して死亡したかどうかは、解剖した上で、人間でいうところの科学捜査研究所(科捜研)のような専門機関に分析をゆだねるしかなく、数十万円の費用がかかる見込みという。
住民らは猫の連続不審死について、地元警察に情報提供している。ただ、猫が食べ残した毒入りのエサや目撃証人などは見つかっておらず、なぜ、死んだのかはっきりしない。状況をみれば、きわめて短期間に限定された地域で集中して不審死が発生しているのは確かだ。
ほかにも、行方不明になっている地域猫は多く、「死に場所を探してどこかで息絶えているのではないか」(60代男性)などと心配する声を聞いた。猫が死に場所を探して姿を消す習性があるかどうかは別として、体調が悪化して動けなくなったことは十分考えられる。
地元商店街の生花店『花武』では、パンダみたいな模様でよく鳴く「ナキパン」と、ゴマフアザラシに似た「ゴマ」という2匹の面倒をみていたところ、昨年12月末ごろからぱったり姿を見せなくなった。
「まるで神隠しにあったみたい。ほかにも10匹ぐらい消えていると聞いた。街からすっかり猫が消えてしまった。繁殖しないよう手術を受けているし、そんなに迷惑をかけているわけじゃないのに猫を蹴る人もいるんだって」
と男性店主。
動物愛護管理法は、猫などを対象とする愛護動物をみだりに殺したり傷つけたときは5年以下の懲役か500万円以下の罰金に処すると定めている。故意に毒殺したのであればれっきとした犯罪だ。
「犯行が徐々にエスカレートしないか心配だ。地域猫の次は飼い犬を狙うかもしれないし、小さな子どもに手をかけるかもしれない。人情味あふれる下町なのに勘弁してほしい」(前出の60代男性)
近隣の動物病院の関係者によると、類似する猫の不審死事案は昨年末にとどまらず、年明け後も1件確認されている。
そもそもこの地域では、人間と猫が当たり前に共存してきた。昔はドブ川が流れていたためネズミが多く、民家の仏壇のお供え物を食い散らかしたり、商店の売り物にかじりつかれ困っていた。天敵の猫は得意げにネズミをくわえて人間に見せつけたという。多くの商店が猫を飼っていた。
子どものころからこの街で暮らす前出の古澤さんは、
「だからこそ、猫に寛容な街だった。その記憶がある年配の方ほど、猫のエサを持ってきて“食べさせてあげて”などとかわいがってくれていたんです」
と打ち明ける。
文豪・夏目漱石の小説『吾輩は猫である』で鋭く人間観察する語り手の猫は、物語の冒頭で、名前はまだない、と自己紹介している。
しかし、命を落とした8匹にはすべて名前があった。その名前を何度も呼んでかわいがった住民がおり、突然の死に深い悲しみを抱いている。もし、毒物を与えた犯人がいるとするならば、そのことをどこまで知っているのか。
◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)
〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する
*コメントの一部を修正して更新しました(2021/2/3 15:45)

大阪府、コロナ患者用45床を民間病院で確保へ 知事「指示」は見送る方針

新型コロナウイルスの軽症・中等症者用の病床確保を巡り、大阪府は2日、民間病院で45床を新たに確保できる見通しになったと発表した。府は約30床の増床協力を求めてきたが目標を大幅に上回ったため、吉村洋文知事は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「指示」は見送る方針を明らかにした。
感染拡大で医療体制が切迫する中、府は2020年12月以降、感染者の受け入れ実績がない民間の2次救急病院に病床の提供を呼びかけたが、確保が難航した。1月中旬には、200床以上の一般病床を持つ大規模病院に対象を絞り、府病院協会と府私立病院協会に協力を再要請。対象になった全16病院が病床提供などの協力を表明し、45床の増床にめどがついたという。
吉村知事は「受け入れの裾野を広げることができた。協力に感謝したい」と語った。【芝村侑美】

小池都知事、緊急事態宣言延長「私自身も1日でも早く切り上げたい」

政府の新型コロナウイルスの緊急事態宣言が、10都府県で1か月延長されたことを受け、東京都の小池百合子知事(68)は2日夜に臨時会見を開いた。
小池氏は都内の感染状況について「新規陽性者数は減少傾向にはあるが、年末年始の急拡大前の水準に戻ったに過ぎない。重症者数は高止まりしており、ここで緩めてしまうとすぐに再拡大を招く」との現状認識を示した。続けて「私自身、宣言を本当に早く、1日でも早く切り上げたい。そのためには徹底して人流を抑えるための最大限の対策を取る必要がある」と訴え、都民へ昼夜を問わない不要不急の外出自粛などの継続を要請した。
緊急事態宣言の延長に伴い、都はこれまで行ってきた飲食店とカラオケ店などへの午後8時までの時短営業の要請を3月7日まで継続する。事業者には、引き続き出勤者数7割削減へ向けテレワークや、半日・時間単位のテレハーフを強化するよう求めた。
東京都は2日、新型コロナウイルスの感染者が新たに556人確認されたと発表した。1日当たりの新規感染者は5日連続で1000人以下となった。
新規感染者数の7日間平均は、先週(1月26日)の1088・6人から750・9人に減少している。重症者数は前日から4人減の129人。この日報告された死者は過去最多の23人で、累計の死者数は917人となった。

詐欺容疑でアレフ信者逮捕、大阪 失業給付金46万円を不正受給か

大阪府警は2日、失業給付金約46万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、オウム真理教の後継団体「アレフ」の信者で、大阪市の会社員阿比留リサ容疑者(47)を逮捕した。「もらえるものをもらっただけ」と容疑を否認している。府警は金が団体にお布施として流れた可能性もあるとみて捜査している。
府警によると、阿比留容疑者は在家信者で、頻繁に生野区の団体の関連施設に出入りしていた。府警は2日、同施設など関係先6カ所を家宅捜索した。
逮捕容疑は2016年1~5月、実際は介護施設などで勤務していたのに虚偽の申請をし、ハローワークから給付金計約46万円をだまし取った疑い。

医療従事者向けワクチン接種、2月中旬に前倒し…首相「一日も早くという思い」

菅首相は2日の記者会見で、医療従事者向けの新型コロナウイルスワクチンの接種開始を2月中旬に前倒しする意向を示した。
首相は「一日も早くという思いで努力した。有効性、安全性を確認した上で2月中旬に接種をスタートしたい」と述べた。また、65歳以上の高齢者への接種は4月から始めると明言した。
首相は先月の記者会見で、医療従事者向けの接種を2月下旬までに始める考えを表明していた。
一方、厚生労働省は米製薬大手ファイザーのワクチンについて、12日にも専門家による部会を開き、承認の可否を判断する。

若者は卒業旅行、謝恩会控えて 新型コロナ分科会提言 高齢者施設の検査徹底も

政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」(会長=尾身茂・地域医療機能推進機構理事長)は2日、緊急事態宣言が継続する10都府県に対する七つの対策を提言した。新規感染者数は高水準のままで、医療体制の負荷は軽減されていないとして、高齢者施設での検査徹底や若者に卒業旅行や謝恩会を控えるよう呼びかける。
提言は▽高齢者施設での感染防止▽病床・医療従事者の確保▽自費検査施設の公表――など。
高齢者施設ではクラスター(感染者集団)の発生が相次いでいるため、施設職員が定期的に検査を受けるための支援や感染者が出た施設への専門家チームの派遣を求める。
逼迫(ひっぱく)する病床の確保策として、重点的に対応する医療機関を整備することを挙げた。それでも必要な病床が確保できない場合には、プレハブなどで臨時医療施設の開設を検討することを提案した。自宅療養者の病状急変に備えて、医師会に定期的な患者の巡回診療を委託することを示した。
感染者数を減らすため、都道府県をまたぐ移動の自粛要請や、営業時間短縮に応じるよう飲食店に個別に働きかけることを勧めた。民間検査施設が自費検査の検査数と陽性者数を都道府県などに報告する仕組み作りも盛り込んだ。【原田啓之】

栃木県の宣言解除 県医師会長「少し早い気が」 緩み懸念

新型コロナウイルスをめぐる国の緊急事態宣言が、栃木県は7日に解除されることとなった。1日当たりの新規感染者数は先月23日以降11日連続で50人を下回り、「県民の行動変容」が実を結んだ形だ。ただ医療現場の厳しさは変わらず、県医師会の稲野秀孝会長は2日、「解除が少し早い気もする」と、警戒感が緩むことへの不安を語った。
県内では昨年12月後半からクラスター(感染者集団)が続発。1週間の新規感染者数は、先月4~10日に913人とピークに達した。国は13日に栃木を宣言対象地域に追加。営業時間を短縮した飲食店は県の調査で99%に上り、22~28日の1週間の新規感染者数は227人まで減った。
しかし、稲野会長は「医療提供体制の逼迫(ひっぱく)は続いている」と警鐘を鳴らす。今月1日時点で入院中の重症患者は17人と、宣言地域に加わる前に比べて横ばい。自宅療養中の感染者も149人に上る。現場からは「1人退院したら1人入院、その繰り返し」と、疲弊を訴える声が多いという。「人の往来を考えれば、(宣言が続く)1都3県と足並みをそろえるべきではないか」と、国の決定に疑問を投げかける。
宣言解除で懸念されるのは“気の緩み”だ。稲野会長は、冬場の感染リスクの高さや変異株の出現などを挙げ「医療従事者の負担を軽くするためにも、少なくとも2月いっぱいは気を抜かないで」と、警戒心を保つよう呼びかける。
今後の課題として、回復した高齢の感染者らがリハビリを行う「後方病院」への転院が滞っていることを指摘。「マンパワーや財政面の支援など、国の強い働きかけが必要」と注文を付ける。(山沢義徳)