ワクチン対応遅れる日本、理由は

欧米に比べ、日本はワクチン接種への対応の遅れが目立つ。ワクチンには副作用のリスクが伴うため国内での治験が重視され、承認手続きが進んでいない。
国内では昨年12月、米製薬大手ファイザーから承認申請があり、厚生労働省は、他の先進国で承認されているなどの条件を満たせば審査手続きを簡略化する「特例承認」の手順に沿って審査を進める。
一方、日本人に投与しても安全かを確認するために原則国内でも治験が必要という方針を堅持。2月までに終了予定の日本人約160人を対象とした治験の結果を見極めて判断する。
最短で2月に承認されても、一般向けの接種は今春以降にずれ込む。まずは医療従事者から優先接種を始め、続いて重症化リスクのある高齢者への接種体制を整える。基礎疾患のある人、高齢者施設職員らは4月以降とみられる。

赤坂御用地に男侵入、隣接する迎賓館赤坂離宮の警備担当を戒告処分

内閣府は15日、今月2日に天皇、皇后両陛下や皇族方のお住まいがある赤坂御用地(東京都港区)に男が侵入した事件で、隣接する迎賓館赤坂離宮の警備担当だった男性職員を戒告処分にしたと発表した。適切な警備を行わず、上司などへの報告も怠ったためとしている。男は2日夜、迎賓館赤坂離宮に西門から侵入し、隣接する赤坂御用地に立ち入った建造物侵入の疑いで、皇宮警察に現行犯逮捕された。

新型コロナ国内確認から1年 感染ペース加速、22日間で10万人増

新型コロナウイルスの感染者が国内で初めて確認されてから15日で1年がたった。現在も第3波の流行のまっただ中にあり、収束のめどは立っていない。全国の累計感染者数は30万人を突破。厚生労働省の集計では10万人を超えたのは昨年10月31日だったが、52日後の同12月22日に20万人を超え、さらに10万人増えるのに22日しかかからず、増加ペースが加速している。(伊藤真呂武、三宅陽子)
性別の内訳は、男性が55%、女性が45%で、男性の方がやや多い。年代別では、20代が最多で全体の24%を占め、30代16%、40代15%と続いた。若年層では症状のない人も少なくない。60代以上は23%。
3密(密閉・密集・密接)の環境で飛沫(ひまつ)感染のリスクが高く、医療機関や福祉施設、飲食店、職場など多様なクラスター(感染者集団)の発生が感染拡大の要因となっている。
14日時点で都道府県別では、東京都の8万68人が最多。大阪府3万6434人、神奈川県3万691人、愛知県2万66人、埼玉県1万9281人と続き、大都市圏ほど感染者が多い。最も少ないのは鳥取県の170人で、次いで秋田県181人、島根県230人だった。

国内では昨年3月下旬からの第1波、6月下旬からの第2波を経て、11月からの第3波に直面している。第2波が完全に収まらない中で始まった第3波は感染拡大に拍車がかかり、医療現場が窮地に陥っている。11都府県に再発令された緊急事態宣言で感染者数を減少に転じられるか、正念場を迎えている。
第1波 五輪延期
昨年1月15日に国内で初めて新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは、神奈川県の男性。年末年始に発生源とされる中国・武漢市に滞在し、現地で感染したとみられる。その後もしばらく中国由来のウイルスによる感染が続いた。
3月以降は欧州由来のウイルスが持ち込まれ、全国で同時多発的にクラスター(感染者集団)が発生。第1波が押し寄せ、国内でもオーバーシュート(爆発的急増)への危機感が高まった。世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的大流行)を表明し、東京五輪の延期も決まった。
4月7日~5月25日に発令された最初の緊急事態宣言では「最低7割、極力8割」の接触削減が求められ、全国の1日当たりの新規感染者は5月25日に20人まで減った。
第2波 GoTo
ただ同じ頃、東京都では新宿を中心に接待を伴うホストクラブなどで感染の再拡大が進行。国立感染症研究所が行ったウイルスのゲノム(全遺伝情報)解析によると、第2波となった7月以降の感染拡大は東京都から首都圏、地方に伝播(でんぱ)したものと、大阪府から西日本へと広がったものの2系統に集約されるという。
第1波ではPCR検査の能力不足が指摘されたが、5月中旬の1日2・2万件から8月上旬には5・2万件に拡充。結果的に若年層で無症状の感染者が多く見つかり、感染拡大につながった。全国の累計感染者は3~5月が1万6749人だったのに対し、7~9月は6万4458人と4倍近くに上った。一方で、政府は経済の立て直しに向けた動きを強化。7月には観光支援事業「Go To トラベル」が東京都を除いてスタートし、イベントの人数制限は上限5千人か収容率50%以内に緩和、9月には条件をさらに緩和した。
第3波 異変確認
自治体独自の緊急事態宣言などで全国の新規感染者は200人台まで抑えたが、高止まりのまま第3波に突入。都がトラベル事業に加わった後の11月以降は増加傾向が強まり、首都圏にしみ出すように感染が波及していることが明らかになり、トラベル事業の一時停止に追い込まれた。
新規感染者は今年1月8日に7800人超と過去最多を更新。昨年12月下旬以降、英国や南アフリカなどに由来する変異ウイルスの感染者が相次いで見つかり、国内で広がった場合には、さらに感染者が爆発的に増える恐れもある。
「大都市における感染を早急に抑制しなければ、地方での感染を抑えることも困難になる」。厚生労働省の専門家組織は今月13日、強い表現でこう提言した。

新型コロナウイルスはクラスターの発生を端緒に、地域内で急激に感染拡大するのが特徴だ。政府の分科会の分析では、歓楽街や飲食店で起きたクラスターの感染者がウイルスを家庭内に持ち運び、その後医療機関や福祉施設に広がる傾向がみられた。このため飲食店を感染抑止の「急所」と位置付け、緊急事態宣言の再発令でも時短営業などの対策に力点が置かれた。
厚生労働省が2人以上の感染者が出たクラスター事例を集計したところ、今月12日時点で3987件が確認され、昨年10月12日時点の1601件から3カ月で約2・5倍に急増した。
分科会メンバーの押谷仁・東北大教授は、昨年12月以降に報告があった5人以上のクラスター事例807件を分析。医療機関や福祉施設での発生が45%を占めた。飲食関連は19%で、約半数が接待を伴う飲食店だった。123件の教育施設では高校が41件と目立ち、部活動関連が11件あった。
厚労省に助言する専門家組織は、第3波の流行要因のクラスターについて「地方都市の歓楽街に加え、会食や職場、外国人コミュニティー、大学生などの若者、医療機関や高齢者施設などにおける事例など多様化や地域への広がりがみられる」と指摘している。
宣言の再発令では、飲食店対策以外にテレワークの徹底やイベントの人数制限も求められる。尾身茂・分科会長は「飲食店対策だけで流行は沈静化できない。人と人との接触を抑えるのが重要だ」と強調する。

日本感染症学会・舘田一博理事長
新型コロナウイルスが冬場に急拡大したのは、気温と湿度が影響しているのだろう。ウイルスは夏場の高温の環境では死滅しやすいが、低温では生き延びやすい。冬場は湿度の低下で飛沫(ひまつ)が空気中で蒸発し、細かい粒子となって広範囲に飛散しやすくなる。
この感染症は接触のみならず、会話による飛沫で広がるのが特徴。特に飲食を伴う会食の場が「急所」として見え始めた今、ウイルスが活発化するこの1~2月をどう乗り切るかが、今後の感染抑止対策を考える上で重要な意味を持つ。
治療に特効薬はなく、第1波と比べ、第2波、第3波は低下したとはいえ、致死率は全体で約1~1・5%に上る。全国で1日5千~7千人の新規感染者が出れば1日50~70人以上の死者が出るという状況を誰もが重く受け止めるべきだ。
感染力が強いとされる変異ウイルスが確認され、不安が広がっている。だが一般的に変異を繰り返す中で生き残るために広がりやすくなれば、病原性は低くなっていてもおかしくない。水際対策などに万全を期すべきだが、冷静な動向分析も必要になる。
収束に向けてはワクチンが鍵を握る。集団免疫の獲得には人口の半数ほどの接種が必要とみられるが、有効性や副作用の有無など不明な点は多い。まずは緊急事態宣言下で新規感染者をいかに抑えられるかが重要だ。東京都で今後も2千人台の感染者が確認されるようなら、さらに強い対策、メッセージを打ち出す必要がある。(談)

大阪の保健師「現場はもう限界」 人員増求め6万筆の署名提出

新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が再発令された大阪府の保健師らが15日、保健所の人員増と機能強化を求める署名約6万1千筆を吉村洋文知事と田村憲久厚生労働相に提出し、府庁で記者会見した。府内の保健所で働く植村亜由さん(52)は「現場はもう限界。府民一人一人を守るための仕事をできないもどかしさもある」と涙を流した。
植村さんは「コロナ対応で保健所が求められる業務は多岐にわたる。年末年始も含め、明け方まで仕事をすることが常態化している。なんとか踏ん張っているが、昨年春以降は2日連続の休日はほぼ取れていない。倒れる人もいる」と訴えた。

3回以上断られる「搬送困難」が倍増…医療機関の手が回らず

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、救急患者の受け入れを医療機関から3回以上断られる搬送困難事例が急増していることが、総務省消防庁の調査でわかった。
同庁は全国726消防本部のうち52本部の救急搬送状況を定期的に調査している。3回以上受け入れを断られ、30分以上現場にとどまった事例は、昨年11月30日~12月6日の1週間は1410件だったが、今月4~10日の1週間は2倍近い2707件まで増えた。
同庁は年末年始に感染者が増え、コロナ患者を受け入れる医療機関の手が回らなくなったことが主な要因とみている。

自民、北海道2区補選の擁立見送り=吉川元農水相の在宅起訴で―菅首相「大変残念」

自民党は15日、離党した吉川貴盛元農林水産相(70)=衆院北海道2区、議員辞職=の在宅起訴を受け、4月25日に予定される同区補欠選挙への候補擁立を見送ると発表した。「政治とカネ」の問題で党への批判が強まっており、苦戦は避けられないと判断した。
菅義偉首相(党総裁)は首相官邸で記者団に「在宅起訴は大変残念だ」と表明。「有権者の信頼回復」を優先する観点から独自候補を立てないことにしたと説明した。
これに先立ち、山口泰明選対委員長は党本部で記者会見。「国民に心からおわびしたい」と陳謝し、擁立見送りの方針を明らかにした。14日に首相と官邸で面会した際、了解を得たという。
4月25日には現職の死去に伴う参院長野選挙区補選も予定され、自民党は同補選に元衆院議員を立てる方向で調整している。ただ、長野も苦戦が予想されており、党執行部としては2補選とも候補を立てて厳しい結果となれば、新型コロナウイルス対応などで批判を浴びる菅政権への一層の打撃になりかねないと懸念したとみられる。
[時事通信社]

全国で新たに7133人感染 重症者は934人で最多更新

新型コロナウイルスの感染者は15日、全国で新たに7133人が確認された。7000人を超えたのは9日以来6日ぶりで、金曜日としては過去2番目の多さだった。死者は78人増えた。重症者(15日午前0時現在)は前日比14人増の934人で過去最多を更新した。
埼玉県の戸田中央総合病院(戸田市)では大規模なクラスター(感染者集団)が発生しており、退院後の陽性判明者らも含めると感染者は計310人になった。病院として国内最大規模のクラスターが発生し、累計の感染者が311人(15日現在)に上る旭川厚生病院(北海道旭川市)に匹敵する規模になっている。
東京都では新たに2001人の感染が確認された。2000人を超えたのは9日以来6日ぶり。都の基準で集計した重症者は、前日より2人減って133人となった。
過去最多を更新したのは、茨城(159人)、千葉(504人)、福井(25人)、香川(37人)、佐賀(35人)の5県。茨城県では18日から2月7日までの間、独自の緊急事態宣言を出す。
また福岡県では過去に発表された感染者1人が取り下げられた。【まとめ・川崎桂吾】

20代の元妻殺害疑い、30代男を逮捕へ 警察に自首 京都・亀岡

15日午前、京都府亀岡市下矢田町の集合住宅で20代の元妻を殺害したとして、30代の男が京都府警亀岡署に自首してきた。亀岡署員が集合住宅に駆けつけたところ、元妻が死亡しているのが見つかった。亀岡署は容疑が固まり次第、男を殺人の疑いで逮捕する方針。 亀岡署によると、2人は離婚後も一緒に暮らしていたとみられる。

空港で感染判明の男女7人、英国と南アの変異種を検出

厚生労働省は15日、英国や南アフリカなどから入国し、空港検疫で新型コロナウイルスの感染が判明した男女計7人から、英国と南アで見つかっている変異種が確認されたと発表した。
発表によると、7人は10~40歳代で、今月3~9日、英国、南ア、ナイジェリア、アラブ首長国連邦から、羽田、成田、関西の各空港に到着。このうち2人は、発熱やのどの痛みの症状があった。国立感染症研究所が調べたところ、4人から英国の変異種、3人から南アの変異種が検出された。

同居者殺害容疑の19歳少年を起訴 首の骨折る暴行、食事も与えず 裁判員裁判で審理へ

滋賀県愛荘町のアパートで、無職男性=当時(25)=が死亡したとされる事件で、大津地検は15日、傷害致死と恐喝未遂の罪で、家人のアルバイト作業員少年(19)を起訴した。成人と同様に公開の裁判員裁判で審理される。
起訴状によると、無職の女(55)=傷害致死罪などで起訴=と共謀し、男性を虐待しようと考え、2019年6月ごろ~同10月25日、女のアパートなどで、暴行を加えて首や背中などに骨折を負わせ、十分な食事を与えず免疫力を著しく低下させるなどして、同26日に敗血症性ショックで死亡させた、などとしている。
滋賀県警は昨年11月、少年を殺人容疑で逮捕し、大津地検が傷害致死容疑に切り替え、大津家裁に送致。家裁は今月8日、「悪質な犯行」などとして検察官送致(逆送)していた。