観光地・熱海が苦境 緊急事態宣言で「人が消えた」

「緊急事態宣言の再発令が決まった7日になって、潮が引くように駅前から人が消えた。それまでは本当ににぎやかだったんだよ」
静岡県熱海市観光協会の中島幹雄会長は表情を曇らせた。7日夕には熱海銀座商店街、JR熱海駅前から温泉街に向かう平和通り商店街、仲見世商店街はシャッターを下ろしている店舗が目につき、臨時休業の張り紙も散見された。
新春の熱海観光の目玉である「熱海梅園梅まつり」はかろうじて開かれるものの、見物客が集まる9日のオープニングイベントは見送られ、「糸川桜まつり」も出店や催しが中止に。熱海の観光客は首都圏からが7~8割を占めるだけに、首都圏4都県への緊急事態宣言再発令は痛手だ。
中島会長は「宿泊客はもちろん日帰り客の動きも止まり、飲食店や土産物店、宿泊施設の出入り業者など幅広い業種に影響が出る」と嘆き、「首都圏では要請に応じた事業者に協力金が出るのだから、私たちにも同じような支援をお願いしたい」と要望した。

国内感染、最多7884人=死者、重症者も更新―新型コロナ

国内では8日、新たに7884人の新型コロナウイルス感染が確認され、過去最多を更新した。1日当たりの感染者が最多となったのは4日連続。東京都では、前日の2447人に次いで2番目に多い2392人の感染が判明。都と共に緊急事態宣言の対象となっている神奈川(838人)、埼玉(496人)、千葉(455人)を含む17府県で最多を更新した。
死者は大阪で19人、北海道で10人など、全国で過去最多となる計78人が新たに確認された。8日時点の全国の重症者数も最多を更新し、前日比30人増の826人となった。
国内の新規感染者は、緊急事態宣言下の1都3県で半数を超えた。9日に宣言の発令を求める方針を決めた大阪(655人)、兵庫(297人)、京都(147人)各府県でも最多を更新。宣言発令の要請を検討している愛知県は、前日に次ぎ2番目に多い405人だった。
このほか、栃木(150人)、茨城(127人)、熊本(101人)、群馬(100人)、静岡(92人)、奈良(56人)、三重(42人)、愛媛(38人)、山梨(36人)、香川(34人)、佐賀(24人)も最多となった。
都内の新規感染者中、年代別の新規感染者は多い順に20代711人、30代536人、40代340人など。重症化リスクの高い65歳以上は235人だった。都の基準による重症者数は前日から8人増の129人で、過去最多となった。
厚生労働省によると、新たに男女2人の変異種感染が分かり、国内の合計は27人になった。70代女性は2日に関西空港に到着し、アラブ首長国連邦(UAE)に滞在歴があった。40代男性は3日に成田空港に到着し、ナイジェリアに滞在歴があった。2人とも無症状という。
[時事通信社]

感染急増の福岡 知事「宣言対象ではない」時短要請にも慎重 医療現場は規制求める

大阪など関西3府県が政府に緊急事態宣言の再発令を要請することになった。8日に3日連続で300人超となる369人の感染が確認された福岡県も病床使用率などで高止まりが続くが、小川洋知事は「宣言対象の段階ではない」との認識で、飲食店の営業時間短縮要請など独自の対応にも慎重だ。感染防止対策の徹底を繰り返し求める姿勢には、医療現場から「踏み込んだ対応が必要」との声も上がる。
「県は『ステージ3(感染急増)』に当たるか当たらないかのところで踏みとどまっている」。小川知事は8日の対策本部会議後に開いた緊急記者会見で、政府分科会が4段階で示す感染状況を引き合いに県の現状を説明。「感染が増えれば、国に宣言の対象に含める要請を検討せざるを得ない。今が正念場」としながら、宣言が必要な段階ではないとの認識を示した。
県によると7日現在、政府分科会が感染状況を判断する目安に設定した指標のうち五つが、最も深刻で、緊急事態宣言などを検討せざるを得ないとする「ステージ4(感染爆発)」に達した。しかし小川知事は「医療提供体制の状況などの総合判断」として、時短要請などを検討するステージ3にも入っていないと説明。会食は家庭内も含め少人数で短時間にするなどの要請にとどめた。年明けの感染者急増も「(医療機関の再開で)受診・検査を受ける人が増えた季節特有のものか見極める必要がある」と述べた。
小川知事は「総合判断」の理由を「専門家と意見交換した結果」などとする。ある県幹部は「(時短要請は)県民や事業者に大きな負担を強いるが、他都市を見ても感染者抑制にどれだけ効果を上げているか微妙だ。簡単には踏み切れない」と語った。
事業者らの心中は複雑だ。福岡市中央区の飲食店経営の男性(57)は、緊急事態宣言の発令に「1都3県に続き関西、福岡という短絡的な機運には抵抗を感じてしまう。福岡の知事も総合的に考えて判断すると思うので、淡々と営業するだけ」と語った。福岡市のあるもつ鍋店の店長は「営業時間の短縮を求められても従わない店を公表するなど行政指導しない限り、言うことは聞かないのでは」と厳しい表情で答えた。
医療現場では、県の対応に疑問も出ている。
新型コロナ患者の治療にあたる福岡赤十字病院(福岡市南区)の中房祐司院長は「(感染者数が)高い状況が続くことは想定していなかった」と話す。病院にあるコロナ患者専用の病床は19床。従来は空きが1、2床あったが7日夕に満床になった。人工呼吸器を使う重症者は入院期間が1カ月近くになり「数が増えた時に重症者を多くみられる状況ではない」という。
何とかコロナ以外の診療も続けているが、中房院長は「病床の拡大を求められたら、スタッフを充てるため一般診療を中断しないといけなくなる」と訴え「1都3県のように、飲食を中心とした時間短縮など行動の抑制をトップが明確に打ち出す必要があるのではないか」と踏み込んだ対応を県に求めた。【吉住遊、青木絵美、飯田憲、下原知広】
政府分科会の指標から見た感染状況
病床使用率 重症病床使用率 療養者数 陽性率
ステージ3 20% 20% 15人 10%
ステージ4 50% 50% 25人 10%
東京都 75.6% 50.5% 82.0人 14.4%
大阪府 63.2% 78.1% 50.6人 7.7%
福岡県 52.5% 17.3% 44.4人 8.2%
※厚生労働省などの資料から作成。東京は5日、大阪、福岡は7日時点。療養者数は人口10万人当たり

首相、韓国の判決に応じず 元慰安婦訴訟、対立激化も

菅義偉首相は8日、元慰安婦訴訟で日本政府に賠償を命じたソウル中央地裁判決について「断じて受け入れることはできない」と述べ、一切応じない意向を表明した。慰安婦問題に関し「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みだ」と強調。「韓国政府として、国際法上の違反を是正する措置を取ることを強く求めたい」とした。官邸で記者団に語った。政府は控訴せずに裁判そのものを無視する方針。歴史問題を巡る日韓対立は激化する可能性がある。
当面の焦点は、韓国側が日本政府資産の差し押さえ手続きに入るかどうかとなる。判決は仮執行を認めている。

北陸や東北で記録的な大雪、56人負傷や大規模停電…避難の女性「怖くて寝られない」

強い冬型の気圧配置の影響で、8日も日本海側を中心に大雪となった。北陸では9日にかけて断続的に雪が激しく降り、短時間で降雪量が増える恐れがある。
気象庁によると、8日夕までの24時間降雪量は富山県高岡市で69センチ、富山市で65センチと、観測史上最も多くなった。新潟県十日町市でも101センチを記録した。
総務省消防庁の8日午後5時半現在の集計では、7日以降、石川、福岡など9県で計56人が除雪中の転倒などで重軽傷を負ったほか、山形など5県で住宅計156棟が一部破損。暴風雪で82棟が被害を受けた秋田県内では8日夜までに58か所の避難所が開設された。秋田市内の避難所に身を寄せた女性(79)は「家のガラスが割れるのではと、怖くて寝られなかった」と疲れた様子だった。
秋田県などでは7日夜から広い範囲で停電も発生。同県では8日午後7時現在、8市町村の1万9100戸で電力供給が止まっている。
交通にも影響が出た。北陸道では金沢市内で車両89台が同日未明まで約4時間半にわたって立ち往生した。空の便も同日、全日本空輸と日本航空の国内線計290便が欠航した。
9日午後6時までの24時間降雪量は、北陸で120センチ、東海、近畿、中国地方で60センチ、北海道、東北、関東甲信で50センチなどと予想され、大雪は北陸を中心に10日にかけて続く見込みだ。

松本哲哉教授 国会議員の会食ルール化断念を猛批判「情けない…『やらない』となるのが普通の行動」

国際医療福祉大の松本哲哉主任教授(感染症学)が8日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモート出演し、緊急事態宣言下での国会議員の会食ルールをめぐる紆余曲折についてコメントした。

自民党の森山裕国対委員長は6日、夜の会食について午後8時まで、アルコールが入る会の場合は午後7時までとすることを提案。これに対し、日本医師会の中川俊男会長は「国会議員に範を示していただきたい」と、会食自体を自粛すべきとの意見を出した。

最終的には折り合いが付かず、ルール化を断念するという結末に、松本氏は「ルールを決めることに躊躇してる。自分たちを律することができない」と痛烈に批判。「自分たちに対して甘いというところが、これで本当にこれから国のこと、皆様方をまとめていけるのか不安でしかない」と述べた。

今回の緊急事態宣言は、感染経路不明の多くが会食である可能性から、飲食店への時短要請が中心となっている。松本氏は「会食を中心に、国としては時短をやっていくんだということを打ち出している。(国会議員の)会食禁止を決められないということが情けない。いちいちルール化して禁止と言わなくても、みんなが『やらない』となるのが普通の行動」と、国民の認識とのギャップを指摘した。

舛添要一氏「無策の積み重ね…都の職員は彼女に振り回され『都庁崩壊』の状態」と小池都知事を批判

元厚労相で前東京都知事の舛添要一氏(72)が8日、自身のツイッターを更新。東京都の小池百合子知事(68)を批判した。

首都圏である東京都と神奈川、千葉、埼玉の3県は同日から2度目の緊急事態宣言下に入ったが、舛添氏は「小池都知事のコロナ対策は無策の積み重ねだが、それが今回の緊急事態宣言へと繋がっている」とし、「小池都政を批判して、私は『東京終了』という本を書いたが、都の職員は彼女に振り回され、『都庁崩壊』の状態にあるという」と断罪。

その後、再度ツイッターに「緊急事態が発令され、8日から規制措置が実行に移された。しかし、通勤電車は満員、ほとんど何も変わっていない。飲食業界のみを集中的に叩くことが、本当に正しい対応なのか」とつづった。

ビットコインなど利益1・9億円隠し、7700万円脱税…国税が全国初の告発

暗号資産(仮想通貨)取引で得た所得を隠し、約7700万円を脱税したとして、金沢国税局は8日、石川県小松市、会社役員の男性(56)を所得税法違反の疑いで金沢地検に告発したと発表した。国税当局が、暗号資産取引で得た利益を隠した事案を告発するのは全国初。
発表によると、ビットコインなど暗号資産取引で得た利益を確定申告で申告せず、2017、18年分の所得計約1億9900万円を隠し、所得税約7700万円を脱税した疑い。同局が昨年3月27日に告発し、同地検は同日受理した。

関西3府県9日に宣言要請 緊急事態、政府は要否検討

京都、大阪、兵庫の関西3府県は8日、新型コロナウイルス対策本部会議をそれぞれ開き、新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言の再発令を政府に要請することを決めた。3知事合同で9日午後、西村康稔経済再生担当相とのオンライン会談で正式に要請する。政府は感染拡大の背景を分析し、宣言発令の要否を検討する。吉村洋文大阪府知事は「医療体制は逼迫し、感染急拡大の波はさらに拡大するかもしれない」と訴えた。
栃木、岐阜、愛知各県知事も要請へ調整している。茨城と山梨も感染状況次第では政府に要請する可能性がある。

居酒屋で女性に睡眠薬、乱暴未遂容疑…ネット投稿で集まった店長ら逮捕

大阪市内の居酒屋で女性に睡眠薬を飲ませて乱暴しようとしたとして、居酒屋の店長ら男3人が大阪府警などに準強制性交未遂容疑で逮捕、起訴されていたことが、捜査関係者への取材でわかった。インターネット掲示板で集団での性的暴行を呼びかける投稿に応じて集まったという。
逮捕されたのは、女性の知人で会社員亀山泰誠(23)(兵庫県西宮市)、居酒屋店長

喜々津
( ききつ ) 晃(50)(大阪市北区)、介護職員西垣宏真(34)(兵庫県西脇市)の3被告(いずれも準強制性交未遂罪で起訴)。
起訴状では、3人は昨年9月6日夜、喜々津被告が店長を務めていた大阪市北区の居酒屋店内で、30歳代女性に睡眠薬を混ぜた酒を飲ませ、性的暴行を加えようとした、としている。
捜査関係者によると、亀山被告は事件の約1週間前、ネット掲示板に金銭トラブルがあった知人女性の顔写真を載せて「懲らしめたい」と暴行を呼びかける投稿をし、喜々津、西垣両被告が応じた。
事件当日は亀山被告が「良い店がある」と女性を誘って同店を訪れ、西垣被告は客を装って店内で待機。喜々津被告がハイボールに睡眠薬を入れ、「濃いめに作っている」と女性に提供したという。
掲示板の投稿を見た男性からの通報を受け、府警の捜査員が店に駆けつけて女性を保護。女性は酒を飲んだ直後で乱暴されておらず、けがもなかったが、捜査員に話を聞かれているうちに意識がもうろうとなったという。店内にいた3人が乱暴目的で酒を飲ませたことを認めたため、準強制性交未遂容疑で逮捕し、大阪地検が同年9月25日に起訴した。