米国流行の変異株 日本人6割「免疫」発揮できない可能性

米国で感染が急拡大している新型コロナウイルスの変異株について、日本人の6割が持っている免疫細胞で排除できない可能性があるとの解析結果を、東京大や熊本大などの研究チームが明らかにした。この変異株は国内でも沖縄県での感染例が報告されている。日本で感染が拡大した場合、他の変異株より脅威となる可能性もあるという。
「懸念される変異株」
新型コロナウイルスの表面には、人の細胞に取り付く足掛かりとなる「スパイクタンパク質」と呼ばれる突起がある。米国の変異株はこの部分に「L452R」という変異を持ち、2種類がカリフォルニア州を中心に拡大している。
カリフォルニア変異株と呼ばれ、米疾病対策センター(CDC)は、感染力が増大し、一部の治療薬やワクチンの効果が低下するといった特徴を上げ、「懸念される変異株(VOC)」に認定。VOCとなっているのは他に、主に英国、ブラジル、南アフリカで広がる3つの変異株があり、これらに並ぶ警戒すべき変異株と位置付けられている。
研究チームは、白血球の一種がウイルスなどの異物を排除する「細胞性免疫」という働きに着目。白血球の血液型である「ヒト白血球抗原(HLA)」を調べたところ、日本人の6割が持つ「HLA-A24」というタイプの白血球が、スパイクタンパク質の一部をよく認識できることを突き止めた。
ところが、さらに研究を進めると、カリフォルニア変異株は、「HLA-A24」がウイルスを認識する箇所が変異していることが分かった。細胞実験でも、HLA-A24が変異株を認識できず、細胞性免疫がウイルスを排除する仕組みが働いていないことを確かめた。
「かなりやっかい」
免疫の働きには、細胞性免疫のほかに、抗体を作ることで異物に対抗する「液性免疫」がある。液性免疫の効果もカリフォルニア変異株で低下していることが、米カリフォルニア大などによる研究で指摘されている。このことはワクチンの効果が低下する可能性を意味する。
チームの実験ではL452Rの変異により、ウイルスの感染力が高まっていることも分かった。
チームを率いる佐藤佳・東大准教授(ウイルス学)は「液性免疫からも、HLA-A24による細胞性免疫からも逃げる上に、感染力も上がっており、かなりやっかいだ」と指摘する。日本人にとって他の変異株よりも危険な変異株であるかもしれないという。
ただ、1人の人間が持つHLAは複数あり、HLA-A24以外のタイプが変異株を認識して排除できる可能性がある。今回の結果は、日本人の6割が変異株に弱い体質であることを示すものではない。
細胞性免疫「今後重要になる分野」
細胞性免疫の効果が低下するとの報告は、今回の研究で初めて示されたという。液性免疫に比べて実験が難しいこともあり、研究が進んでいないという。佐藤准教授は「細胞性免疫が発達している人ほど重症化しないという先行研究もあり、細胞性免疫の研究は今後重要になっていくだろう」と話した。
HLAのどの型を持つかは、国や地域、民族などによって傾向が異なるため、それによって流行する新型コロナの変異株も異なるとみられる。細胞性免疫の研究が進めば、流行する株に合わせて、より効果の高いワクチンを設計することにもつながると期待できる。
今回の研究成果は正式な査読を受ける前の論文である「プレプリント」を公開するサイトに掲載された。

猛烈な勢力の台風2号は北上続ける 沖縄は明日以降4mの高波のおそれ

4月19日(月)15時現在、猛烈な勢力の台風2号(スリゲ)は、暴風域を伴いながらフィリピンの東の海上をゆっくりと北北西に進んでいます。▼台風2号 4月19日(月)15時 存在地域 フィリピンの東 大きさ階級 // 強さ階級 猛烈な 移動 北北西 ゆっくり 中心気圧 905 hPa 最大風速 55 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 80 m/s
明日以降は沖縄で4m超の高波のおそれ
21日(水)の波の予想
台風は今後、海面水温の低い領域に入るため勢力を落とし、明日20日(火)には「非常に強い」、23日(金)には「強い」勢力となる見込みです。今週後半は次第に進路を東に変え、沖縄の南海上を進む予想となっています。本州への大きな影響はないと考えられますが、沖縄ではすでに波が高くなってきており、明日20日(火)以降は4mを超える波やうねりが予想されています。台風が離れていくまで高波が続きますので注意が必要です。また、小笠原諸島では週後半から強風や高波の影響が出るおそれがあります。今後の情報に注意してください。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風2号の名前「スリゲ(Surigae)」は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が提案した名称で、鷲の一種の名前からとられています。「スリゲ」が使われるのは今回の2021年台風2号が初めてで、前回まで用いられていた140種類のうちのひとつ「ムジゲ(虹の意味)」から差し替えられたものです。

娘を10年監禁、栄養不足で凍死させる…両親に懲役13年判決…大阪高裁が1審支持

大阪府寝屋川市で2017年、柿元愛里さん(当時33歳)を自宅で10年以上監禁して死亡させたとして保護責任者遺棄致死と監禁の罪に問われた父親・泰孝(58)、母親・由加里(56)両被告の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。和田真裁判長は、求刑通り2人を懲役13年とした1審・大阪地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
判決によると、2人は07年3月から自宅内の小部屋に監視カメラをつけて、愛里さんを監禁。17年12月上旬、極度にやせていたのに十分な食事や衣類を与えずに生活させ、同月18日頃に栄養不足で凍死させた。
控訴審で弁護側は2人の無罪を主張し、検察側は控訴棄却を求めていた。

舛添要一が一蹴「菅総理のアメリカでのワクチン確保は“茶番”。いいカモが来たと思われている」

前東京都知事で元厚生労働大臣の舛添要一氏が4月19日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」に出演。日米首脳会談のためにワシントンを訪問した菅義偉首相が、米製薬会社ファイザーに新型コロナウイルス感染症ワクチンの追加供給を要請したことについて分析・解説した。
ハリス米副大統領による表敬を受ける菅総理
訪米中の菅首相は、ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)と17日に電話で会談し、日本のすべての国民が9月までにワクチン接種を終えられるようにワクチンの追加供給を要請した。これに対してブーラCEOは「追加供給に関する協議を迅速に開始し、日本政府と緊密に連携したい」と語った。
垣花:日本は“ワクチン敗戦国”だと言われる中で、今回菅総理が日米首脳会談の手土産として、ワクチンを確保したという報道がありますね。
舛添:それは完全に茶番なんです。はっきり言うと。ファイザーもワクチンが余り始めているんです。だから、「いいカモが来た」と。誰かに売りたいと思っていたところに菅総理が来て「欲しい」と言ったら、「はい。これ」となりますよ。だって、足りなければよその国に出さないのは当たり前なんです。だけど、みんなに打ったから余り始めちゃったんですよ。それでメキシコなどに渡し始めたんです。
普通は一国のトップがわざわざアメリカに来たのに、製薬会社の社長が会わないということがあるかな? プライベートジェットを持っているんだから、ワシントンに飛ぶことぐらい簡単なのに。普通なら会いますよ。日本の総理なんだから。電話で済ませるというのは、バカにしきっていて「いいカモが来た」ですよ。それなのに日本のメディアは菅総理のおかげで確保できたと。そうじゃないんです。そういうことをよくわかってくれということです。
ワクチンが余り始めたファイザーにとって、菅総理の要請は渡りに船で、軽く見られたという分析を披露した舛添氏。
また、舛添氏は「変異株ウイルスは3倍のスピードで走っている。蔓延防止措置は3分の1のスピードで進んでいるのだから勝てるわけがない。イギリスやイスラエルが勝ったのは、ものすごいスピードでワクチンを接種したからだ」とも語り、ワクチン接種が進まない日本の現状に対して強く警鐘を鳴らした。

都内の新たな感染者は405人…19日連続で前週の同じ曜日上回る

東京都は19日、新型コロナウイルスの感染者を都内で新たに405人確認したと発表した。1日当たりの感染者は19日連続で前週の同じ曜日を上回った。月曜日に400人を超えるのは1月25日(619人)以来となる。
都によると、直近1週間の平均新規感染者数は600・6人で、前週(476・1人)から26・1%増えた。週平均が600人超となるのは2月6日(601・3人)以来。

難病患う小3の女の子、「心臓移植しか助かる道ない」…両親が募金呼びかけ

心臓の難病「拘束型心筋症」を患い、闘病を続けるさいたま市の小学3年、

堀籠
( ほりごめ )

美羽
( みう ) さん(8)の両親らが、県庁で記者会見を行い、米国で心臓移植手術を受けるための募金への協力を呼びかけた。目標金額は1億6600万円。両親は「心臓移植でしか助かる道がなく、娘を救ってほしい」と訴えた。
両親らによると、美羽さんは小学1年だった2019年の健康診断で異常が見つかり、同年7月、県立小児医療センターで病気と診断された。元々、体力のある方ではなかったが、すぐに疲れて小1の3学期からは学校にあまり行けなくなった。投薬で症状を抑えるため、20年3月頃から同センターに入院している。
コロナ禍で、両親とは1日に2~4時間、どちらかとしか面会できず、弟(5)とは一度、ガラス越しに会っただけ。「おうちに帰りたい」とこぼすこともある。将来の夢は、大好きな「アイスクリーム屋さんになること」だ。父親の啓太さん(38)は「せっかく生まれてきたので、願いをかなえてあげたい」と涙ながらに訴えた。
拘束型心筋症は、心臓の筋肉が硬くなる原因不明の病気で、心不全や不整脈を起こしやすくなる。現在、美羽さんは30メートルほど歩くと、息切れしてしまうという。主治医の同センター循環器科・吉田賢司医師は「症状の進行があり、あまり時間がない」と説明する。
募金活動は、啓太さんの同僚らでつくる「みうちゃんを救う会」が行う。問い合わせは、同事務所(048・645・1130)へ。

小室圭さんが母の元婚約者に“解決金” 支払いは誰が…本人か、眞子さまか?

借金と認めたことになるので、解決金は支払わない―――と28枚にも及ぶ文書で言及した小室圭さん。

文書発表から4日後、突如、母・佳代さんの元婚約者に、解決金を支払うことで金銭トラブルに終止符を打ちたいと発表。文書公表によってこれまでの経緯を広く説明できたと判断。文書での言い分と異なる解決金の支払いは、以前から想定していた流れだと代理人の弁護士は説明したという。

「今回の文書はそもそも、国民の理解を得るためではなかったと説明しています。宮内庁の西村康彦長官など一部はこの文書を評価していますが、多くの人の反応を見ると、小室さんの印象がさらに悪化したといえます。釈明すべき事柄、順序を誤ったといえるでしょう。これから小室さんが何を弁解してもぬぐい切れないくらいのレベルにまでイメージが悪化してしまったと」(皇室ジャーナリスト)

“小室文書”では、婚約破棄を伝えた際に「返してもらうつもりはなかった」と、元婚約者が語った録音があるとちらつかせ、さらには支援してもらっていた資金は理由なき婚約破棄に対する慰謝料と相殺されるべきものと主張していた。

そもそも、奨学金や資金援助を受けてアメリカの大学院に留学しているといわれる小室さんに、解決金を支払うゆとりはあるのか。

■元婚約者は受け取り拒否

「自ら支払いを申し出ているとはいえ、小室さん親子に支払い能力があるということではないと思います。現実問題、仮に7月に受験予定のニューヨーク州の司法試験に合格して、就職して給料を得てからでは遅すぎるので、誰かから貸与を受けて支払うの可能性が高いと思われます。ただ、秋篠宮家から拠出されることはないでしょうから、留学中の生活費の面倒をみているといわれる、渡米前の勤務先の弁護士事務所から借り受ける、もしくは、眞子さまのポケットマネーから出される可能性も、ないともいえないでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)

現在、東京大学総合研究博物館特任研究員としてインターメディアテクで勤務している眞子さまには、皇族費として成年皇族としての生活費、年間915万円が支払われている。眞子さまの財力があれば、払えない金額ではないだろう。

しかし、元婚約者側は解決金の受け取りを拒否している状態で、金銭トラブルの解決は遠のいている。

眞子さま、小室さんが目指していたといわれる、30歳を迎える10月のご結婚。納采の儀といった正式な儀式を経るのは極めて難しい状況といえるだろう。

二階氏から打診、山梨県連幹事長を「異例の直接表彰」…衆院選への影響危惧の声

県有地の問題を発端に、昨秋から揺れている山梨県議会。その影響は、定数の半分以上を擁する自民党県連にも混乱をもたらしている。最大会派「自民党誠心会」と、同会から離脱した浅川力三・県連幹事長らによる新会派が互いにけん制し合う展開に、県連内では今秋までに行われる衆院選への影響を危惧する声が上がっている。(鈴木経史)
今月12日夕、浅川氏は新会派の6人とともに東京・永田町の自民党本部を訪れた。そこには県連常任顧問として長崎知事も同行していた。県連は昨年、党員の増加率が47%で全国1位となった。党勢拡大に貢献したとして二階幹事長が直接、浅川氏に感謝状を手渡した。浅川氏は「衆院選は挙党態勢でしっかり頑張りたい」と県連の「一体感」を強調してみせた。
誠心会は2016年に自民系の複数会派が合流してできた。19年には長崎氏の知事選出馬などで保守分裂も解消し、県連一丸となって衆院選を迎えることが期待されていた。だが、県有地問題を巡って紛糾した2月定例会で会派は3分裂した。誠心会が長崎氏の対応に批判を強めていたのに対し、長崎氏を支持する浅川氏らの「自民党・山梨」と1期生県議による「自民党新緑の会」が離脱、対立する構図となった。
「幹事長が自ら会派を離脱し党を割ることは考えられない」。誠心会の県議からは憤りの声が聞かれる。幹事長は県連組織を取りまとめる要職。一部からは解任を求める声も出た。その余波は今月10日に予定されていた県連執行部会に及び、急きょ延期に。県連関係者によると、離脱について説明もなく納得いかないとするメンバーが欠席を申し出たためだ。
二階氏による表彰は、こうした誠心会の動きに対し、浅川氏サイドが長崎氏や党本部とのつながりをアピールする狙いがあったとの見方がある。長崎氏は報道陣の取材に、表彰は二階氏からの打診だったと説明した。ただ、党勢拡大で党幹事長が県連幹事長を表彰するのはまれだという。
浅川氏は「議会と県連は全く別の問題だと発信していく」と意に介さない。だが、誠心会のベテラン県議は「自民党支持者は納得してくれないだろう。今回の表彰で亀裂はさらに深まった」とため息を漏らした。

草刈り機に乗ったまま、木との間に挟まれ男性死亡…背もたれと太い枝が胸圧迫か

18日午後3時35分頃、群馬県安中市下秋間の梅林で、近くに住む農業田島賢太郎さん(81)が、草刈り機に乗ったまま梅の木との間に挟まっているのを、長男(48)が見つけて119番した。田島さんは搬送先の病院で死亡が確認された。
安中署の発表によると、田島さんは午後1時頃、所有する梅林の草刈り作業に出掛けた。草刈り機の背もたれと太い枝に胸を圧迫されたとみられ、同署が原因を調べている。

LGBTに正しい知識で対応 足立区がガイドライン 区議が差別発言

職員らがLGBTなど性的少数者について学び、当事者に適切な対応ができるよう、東京都足立区が「LGBTガイドライン」を作成した。区民への窓口対応だけでなく、教員らが学校で当事者の子どもと接する際の注意点なども記載。区役所の各課や区議、区内の学校・保育園などに配布し、企業にも活用してもらえるようデータ版を区ホームページで公開している。【南茂芽育】
同区では昨年、区議会での白石正輝区議(79)=自民=による性的少数者への差別的発言が批判を受けた。このため、性的少数者を巡る問題に詳しい専門家から、ガイドラインの作成を勧める声が上がっていたという。
ガイドラインは20ページで、当事者への差別禁止の法制化を目指す全国組織「LGBT法連合会」が監修した。当事者が役所や職場、学校などで実際に不自由さを感じた体験談も書かれており、書類に記載された性別と本人の外見上の性別が異なるため本人確認ができないとして必要な行政サービスを受けられなかった例や、職場で戸籍と心の性の不一致についてカミングアウトしたことをとがめられた例などが紹介されている。
また、「区民への配慮・対応」「職場における対応」「子どもへの配慮」の章に分けて詳細に解説。区役所での窓口対応では、性別やカップルの関係性を決めつけるような言い方は避ける(「旦那様」「奥様」などは使わず「配偶者」「パートナー」を使うなど)ことや、当事者が希望する場合はプライバシーが守られる個室で対応することなどをポイントとして挙げている。
学校での子どもへの配慮の章では、区の教育委員会として性的指向などに関する差別やいじめは許さないというメッセージを明記。教員が子どもから悩みを相談された場合は、「病気だから、医者に診てもらった方が良い」などと一方的に決めつけず、一部の教員だけで抱え込まず本人の同意を得た上で管理職やスクールカウンセラーらとチームを組織して対応したり、本人に対して何に困っているかを尋ねたりすることなどを求めている。
区の担当者は「社会で生きづらさを感じている性的少数者に、正しい知識で対応できるようにしたい」と話している。