「健全な言論」民主主義に不可欠=石破首相、時事互礼会で強調

石破茂首相は7日、東京都内で開かれた時事通信社など主催の新年互礼会に出席した。今年が戦後80年の節目の年であることに関し、「健全な言論がないと民主主義は絶対に成り立たない」と強調。国会などでの自由闊達(かったつ)な論戦の必要性を訴えた。
首相は、日中戦争を巡る軍部や政府の対応を批判した1940年の「反軍演説」により衆院議員を除名されたことで知られる政党政治家・斎藤隆夫に言及。「権力に屈せず本当のことを言わないと国は傾く」と指摘した。
また、自身について「いろいろ書かれて悲しいこともいっぱいあるが、めげずに本年も頑張りたい」と語った。
明治維新以降に日本が目指してきた「強い日本」や「豊かな日本」に代わる新たな理念として、「『楽しい日本』をつくっていかなければならない」との考えも改めて示した。
[時事通信社]

昨年の交通事故死者数2663人、過去3番目の少なさ…事故件数は初めて30万件下回る

警察庁は7日、昨年の全国の交通事故死者数は前年比15人減の2663人で、統計が残る1948年以降で過去3番目に少なかったと発表した。交通事故(速報値)は約29万件で、人身事故のみで統計を取り始めた66年以降、初めて30万件を下回った。
警察庁によると、昨年の交通事故は29万792件で、前年より1万7138件減少した。ピークだった2004年の95万2720件に比べ、約3分の1になった。負傷者数は前年から2万1839人減り、34万3756人だった。
死者数は、23年に2678人と8年ぶりに増加したが、昨年は微減となった。このうち65歳以上の高齢者(速報値)は1513人で前年より47人増え、全体の56・8%を占めた。
都道府県別死者数は、東京が前年比10人増の146人で、4年ぶりにワースト1位となった。次いで愛知が141人(前年比4人減)、千葉が131人(同4人増)だった。最も少なかったのは島根の9人(同13人減)で、鳥取が15人(同1人増)、高知が21人(同2人減)で続いた。
警察庁の担当者は「事故の分析を進め、対策につなげたい」としている。

関東・東北で「異常震域」地震 気象庁「異常な地震活動ではない」

7日午後5時32分ごろ、関東広域と東北地方の一部で最大震度2を観測する地震があった。気象庁によると、震源地は400キロ以上離れた鳥島の近海。通常の地震とは揺れの伝わり方が異なる「異常震域」とみられるが、気象庁は「異常な現象ではない」としている。
気象庁によると、震源の深さは約420キロ、マグニチュード(M)は6・0と推定される。
一般的な地震では震源の付近で揺れが最も大きくなり、同心円状に遠くなるほど小さくなっていくが、今回は震源地から同じ距離にある東海地方や、震源から近い八丈島などでは揺れが観測されていない。太平洋プレート内部の非常に深い場所が震源だったため、硬いプレートの内部を揺れが伝わったとみられ、東京都などの関東や福島県などの太平洋沿岸で揺れを観測した。
気象庁は「震源地が深い地震特有の現象で、異常な地震活動ではない」としている。【西本紗保美】

3遺体は住人と判明=年末の住宅火災―新潟

新潟県長岡市で昨年12月、民家が全焼し3人の遺体が見つかった火災で、県警長岡署は7日、遺体はいずれもこの家に住む農業阿部竹志さん(75)、長男の妻由果さん(49)とその娘の小学生桃果さん(10)と判明したと発表した。3人とも焼死だった。同署や消防が引き続き出火原因を調べている。
火災は昨年12月29日午前0時前に発生。長岡市下条町の木造一部2階建て計約200平方メートルが全焼した。阿部さん一家は3世代5人暮らしで、妻(74)と長男(51)は病院に搬送されたが、命に別条はなかった。
[時事通信社]

前ひめゆり同窓会長の玉城節子さん死去、96歳…戦中に「ひめゆり学徒隊」として動員

前ひめゆり同窓会会長の玉城節子(たまき・せつこ)さんが1日、老衰で死去した。96歳だった。告別式は近親者で済ませた。喪主は長男、盛夫氏。
太平洋戦争末期の沖縄戦当時、沖縄県立第一高等女学校4年生で宮崎県に疎開し、戦後に帰郷。2012年から10年間、同窓生らでつくる「ひめゆり同窓会」の会長を務め、戦中に「ひめゆり学徒隊」として動員され、犠牲になった友人らの追悼行事や平和を伝える活動に尽力した。

近年増加の無痛分娩、東京都が費用補助へ…妊婦の負担軽減し少子化対策につなげる狙い

東京都が新年度、都内在住の妊婦を対象に、出産時の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩(ぶんべん)の費用を助成することが、都関係者への取材でわかった。無痛分娩の利用は近年増加しており、妊婦の心身の負担を軽減し、少子化対策につなげる狙いがある。無痛分娩の助成制度ができれば、都道府県では初めてとなる。
出産費用は正常分娩の場合、公的医療保険の適用外で全額自己負担となる。出産育児一時金(50万円)が支給されているが、出産費用の上昇で一時金を超えるケースが相次ぎ、政府は正常分娩の費用を保険適用とする方向で議論を重ねている。
無痛分娩は追加の費用がかかるが、出産時の痛みへの不安が強い妊婦にとって疲労やストレスが軽減されるため、産後の回復を早め、妊娠中や産後のうつを防ぐ効果が期待されている。
都関係者によると、助成対象は、都内の医療機関で無痛分娩をする都内在住の妊婦。麻酔科医や麻酔に精通した医師がおり、母体の急変時に備えて蘇生機器が整備されている医療機関での分娩を助成条件とすることを検討している。都内では無痛分娩に10万~15万円かかる医療機関が多く、助成額を数万~10万円程度とする方向で調整している。
欧米では痛みがない分、早く回復して育児に専念できるとして、無痛分娩を利用する妊婦が7~8割に上る国もある。一方、日本は「おなかを痛めることで赤ちゃんへの愛情が育まれる」との考え方が根強く、正常分娩が一般的だった。
最近は無痛分娩への理解が広がり、全国の利用者数は2018年の4万5558人から、22年の8万9044人へと5年間でほぼ倍増した。全分娩数に占める割合も22年に11・6%と初めて1割を超えた。
それでも、費用面から無痛分娩を断念する妊婦も多いとみられる。妊娠・出産情報誌「ゼクシィBaby 妊婦のための本」が22年に妊産婦約3800人に行ったアンケートでは、無痛分娩を選ぶ際にハードルとなったことについて、「費用の高さ」を挙げた人が6割と最多だった。
厚生労働省の23年の人口動態統計では、1人の女性が生涯に産む子供の数を示す「合計特殊出生率」が東京は「0・99」となり、初めて「1」を割った。日本産婦人科医会によると、無痛分娩の助成は群馬県下仁田町を除いて例がない。結婚から育児まで切れ目のない支援を掲げる都は、女性が出産しやすい環境を整え、少子化対策を充実させたい考えだ。

「住宅から炎が見える」住宅ほぼ全焼 内部から年齢性別不明の1人の遺体 札幌市東区

きょう未明、札幌市で住宅が燃える火事があり、内部から年齢性別不明の1人の遺体が見つかりました。
火事があったのは札幌市東区北41条東2丁目の生出洋一さん・69歳の住宅です。
午前0時40分ごろ目撃者から「住宅から炎が見える」と消防に通報がありました。
消防によりますと、火はおよそ1時間後にほぼ消し止められましたが、住宅はほぼ全焼し、中から年齢性別不明の1人の遺体が見つかりました。
警察によりますとこの住宅に1人で住む生出さんとは連絡が取れていないということです。
警察が身元の確認を急ぐととともに出火原因を調べています。

【田原総一朗氏×古市憲寿氏が占う石破政権の行方】どうせ参院選惨敗ならポスト石破は「小泉進次郎総理、齋藤健官房長官」でどうか

昨年の衆院選で自民・公明党が大敗し、自公は少数与党となった。厳しい舵取りを強いられる石破政権はどうなっていくのだろうか。戦後政治の「生き字引」的存在で90歳の今なお第一線に立つジャーナリストの田原総一朗氏と、この1月に40歳になる社会学者の古市憲寿氏。半世紀も世代が違う2人が、現在とこれからの政治の行方を語り合った。(文中一部敬称略)【前後編の後編】
喧嘩を売る度胸はない?
古市:石破さんが総理を続けたいなら、やっぱり自民党に喧嘩売って支持率上げるしかないのでは。
田原:それを石破に言ってよ(笑)。
古市:“自民党の言うことはもう聞かない”って喧嘩して、信念を表明して、できるだけ早く解散・総選挙を打つ。それが石破さんにとっては唯一の勝ち筋だと思います。
田原:そんな度胸ないね。
古市:石破さんは、もう無理ですかね?
田原:無理かもしれないけど、問題なのは自民党内に「石破に代わってオレがやる」って政治家がいないんだよ。これまでの自民党なら必ずそんな政治家が出てきたが、今は全くいない。こんなことは珍しい。
古市:岸田さんはもう一度総理をやりたいんでしょう、きっと。
田原:僕が岸田を評価しないのは、米国の国力が低下する中でパックスアメリカーナを目指しているトランプ次期大統領と渡り合えるビジョンがないことだ。
古市:岸田さんは総理の時に「資産所得倍増」を掲げて株などの資産を含めて増やすと言ったけど、曖昧でわかりにくい。国民に響かなかった。その点、具体的に手取り何万円増やすと約束した国民民主のほうがインパクトは大きい。
田原:もっと残念なのはその野党だね。自民党に代わってやろうという野党が全くいない。自民党の裏金ばっかり追及している。
古市:国民民主の玉木雄一郎代表は103万円の壁なり、アジェンダを出して政策を変えようとしているじゃないですか。
田原:野党の中で支持率が上がっているのは国民民主。なぜかというと、自民党と組むから。自民党の支持基盤を取り込んでいるわけ。
古市:それは戦略が上手なんだと思いますよ。石破さんよりやりたいことがありそうに見える。
田原:だけど自民党に味方して補正予算案を通した。玉木は自民党に味方するか、野党に味方するかの駆け引きだけではなく、大きな部分でこの国をよくするためにどうやるかをもっと考えないと。
自民党の連中が怖がっている
古市:じゃあ、石破さんの次として、田原さんが今注目している政治家はいますか?

【玉木雄一郎氏独占インタビュー】自民党税調の“インナー”だけで税制が決められてきた実態が政治不信の源「大事なのはオープンに物事を決めていくこと」

昨年の総選挙では、自民・公明の与党が過半数を割った一方で、玉木雄一郎氏率いる国民民主党が躍進を遂げた。夏に参院選を控える2025年も、玉木氏が“政界に嵐を巻き起こす男”となるのは確実だ。日本政治にどのような変革を起こすつもりなのか。玉木氏への独占インタビュー第3回では“当事者の声”に耳を傾ける姿勢について聞いた。【全3回の第3回】
立ちはだかる自民党税調の「インナー」
〈玉木氏は登録者数53万人の「たまきチャンネル」、フォロワー数68万人のXなどのネットを通じた情報発信に積極的だ。ネット上でも「当事者の声」に多く触れようとしている。〉
いわゆる政治版のソーシャル・リスニングです。数千人の話を直に聞くのは難しいですが、ネットを利用すればできるようになった。代表質問や党首討論の前に「あなたの代わりに総理に質問します。声を寄せてください」と募集すると、3000~4000の投稿がすぐに集まります。
制度等に詳しい政治家や役人がいいと思って進めた政策でも、制度の隙間に落ちる人はたくさんいる。しかもそのことは当事者にしかわかりません。既存の政党が業界団体からの陳情を受けるやり方では、そうした「当事者の声」は政治に届きにくい。これからは、ネットやAIも駆使し、国民の声をスピーディに集められる政党が生き残っていくでしょう。
都知事選や兵庫県知事選などを見てもわかるように、2024年は、ネットを通じて国民が積極的に選挙や政治に関与し始めた年でもあります。その変化を受け止められる政治なのか、政党なのかが問われています。
ネットを通じた政治参加は、若者だけのものではありません。全国を回ると「動画を見たよ」と声をかけてくれる60代、70代の方が増えています。
以前は私の選挙区でも「(国民民主の政策は)年寄り切り捨てじゃないか」と誤解されていましたが、「若い世代を応援しよう」というわれわれの政策の意味を、高齢者の皆さんも理解してくれるようになってきました。
現役世代が高齢者を支える現在の社会保障制度では、若い世代の力が強くなければ、年金が減り、医療介護のサービスも悪化します。高齢者に少し配分が偏っている予算や税、社会保険料のあり方を、若い人も頑張れば報われるような形にしておかないと、結局、高齢者自身が厳しくなる。それを丁寧に説明するのは、やはり政治の責任です。
100点満点の最強の政策がない以上、大事なのはオープンに物事を決めていくことです。
自公との政策協議では宮澤洋一・自民党税調会長が“ラスボス”のように立ちはだかりました。この国の税制については、自らを「インナー」と呼ぶ自民党税調の数名だけで決めてきた実態があります。国民の懐に関わる税の話なのに、多くの自民党議員すら関われなかった。そのことが、不信感の源になっています。
国民の負担となる税について一定の理解を得るには、開かれた場で徹底的に議論して、その決定過程を国民に開くことが重要。「103万円の壁」の政策協議を通じて、それがオープンにされただけでも大きな意義がある。
2025年は、小さな野党の一議員、一党首を超えた責任、さらに言えば、世界に対する責任感を自覚して、より研鑽を積みたいと考えています。
(第1回から読む)
※週刊ポスト2025年1月17・24日号

《海老名きょうだい3人死亡事件》子煩悩だった母が逮捕 残された父が重い口を開いた「妻は追い詰められたんだと思います」「助けられなかった」…後悔の念

「子供たちが頭から血を流して、ぐったりしている」──神奈川県海老名市の住宅街から、父の悲痛な119番があったのは、新年を目前に控えた昨年12月29日の深夜のことだった。
「午後11時頃に仕事から帰宅した父親が自宅で血を流している子供たちを発見。亡くなったのは、この家に住む中学3年生の長女、中学1年生の次女、小学4年生の長男で、3人とも頭部になんらかの凶器で殴られたような傷があり、室内にあおむけに倒れていた。
警察や消防によると、長女と長男は頭部から出血しており、死因は脳挫傷と窒息。次女の死因は窒息でした。自宅で自殺を図ろうとしていた母親の林敦子容疑者(49才)が子供を殴打し首を絞めて殺害した容疑で逮捕されています」(全国紙社会部記者)
取り調べに「間違いありません」と容疑を認めている林容疑者は、「子育てに悩んでいた」とも供述しているという。
「林容疑者は2年ほど前から長男のかんしゃくや不登校について児童相談所に相談しており、これまで12回面談を受けています。12月中にも面談の予定がありましたが、翌1月に延期された矢先の凶行でした」(前出・全国紙社会部記者)
地域では子煩悩な母として知られ、仲よし一家と認識されていた家族は、一体どんな闇を抱えていたのか。
「旦那さんは戸建て住宅を専門にする塗装業を営んでおり、毎日朝早くから仕事に出ていました。定休日に仕事の打ち合わせが入ることも珍しくなく、『塗装は職人が商品』と口にする職人堅気な人でした。一方で中学の教員免許を持っており、教育現場でも働いたこともある子煩悩な人という印象です。
奥さんは少し耳が不自由で会話に苦労することもあったようですが、それでも会社勤めをしながら、3人の子育てを一手に引き受けていた」(林家の知人)
最近では長男の不登校も解消されていたそうだが、昨年11月に学校の臨床心理士に林容疑者がなんらかの相談をしていたとの報道もある。事件から数日後、ひとり残された父が本誌『女性セブン』記者に重い口を開いた。
「妻は子育てに悩みを抱えて、ひとりで抱えすぎて、追い詰められたんだと思います……。子育てには何年も前から悩んでいた。子供全員のことを考えて、子供が大好きで、自分のことは後回しで……そういう人でした。そこは世の中のお母さんとなんら変わらないと思いますが、悩みが大きすぎたんだと思います……」
──ご主人も後悔の念に苛まれている。
「もちろん……ぼくのせいだと思っています。気づけなかった。ぼくが、気づいてあげられなくて、(家族を)助けられなかった」
─―いま、お子さんたちにかけてあげたい言葉はありますか。
「(少し考えて)ごめんなさい、ぼくが悪かった……ママは悪くないし、子供たちも悪くない。妻は……世間から見たら身勝手ですけど、人一倍、子供のことを思っていた。世の中のどこにでもいる子供第一で、大好きなママ。ただそれだけです。子育てに関する悩みに気づけなかったぼくの責任です」
こう言って父は自責の念に駆られるのだが、いくら悩みが深くとも、わが子の命を奪った母の罪はあまりに重い。警察は林容疑者が無理心中を図った可能性を視野に捜査を進めている。
※女性セブン2025年1月16・23日号