ビルが倒壊し朝市が燃えた能登半島地震から1年 いまだ500戸断水、復興への道のり遠く

最大震度7を観測し、建物の倒壊だけでなく海岸線の隆起や津波、大規模火災など多大な被害をもたらした能登半島地震から1年。9月に被災地を襲った記録的豪雨も追い打ちをかけ、いまだ避難所で暮らす人もいる。水道はおおむね復旧したが、石川県輪島市と珠洲市では地震や豪雨による土砂災害などの影響で、500戸が断水した状態だ。同県内の倒壊した家屋などの公費解体は12月22日時点で申請棟数の39・3%にとどまる。道のりは長いが、被災地は復興に向けて一歩ずつ進んでいる。

縁起良く「だるま初日の出」登場 蜃気楼の一種

2025年元旦、関東~西日本の太平洋沿岸では、縁起の良さそうな「だるま初日の出」が見られたところがありました。
だるま朝日は蜃気楼の一種で、気温や海水温の条件に加えて、遠い水平線まで雲がないことが必要で、観測できる時間も一瞬の現象です。
空気の温度差により出現する一瞬の現象
太陽が水平線から顔を出した後、太陽がΩ状に見えたり伸びたように見えるこの現象は、一般的に「だるま太陽」や「だるま朝日」と呼ばれるもので、冬に時折見られる現象です。
空気の温度が高さ方向に急激に変化している状態の時に風景が歪んで見える「下位蜃気楼」現象によるもので、陸上で十分に冷やされた空気の層と、海面で暖められた空気の層とで温度差が大きくなり、下側にニセの朝日が見えることで、Ω状…つまり「だるま型」になるとされます。
見える時間は数分もない、一瞬の現象です。
水平線の遠くまで雲がない場所でしかみられない
これが見られるためには、蜃気楼が発生するための強い冷え込みに加えて、東南東方向の遠い水平線まで雲がないことが必要です。
上空は晴れていても洋上で雲が発生することも多いため、初日の出のタイミングで目撃できればかなりラッキーといえそうです。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

各地で初日の出、万博会場も富士山も赤く染まる…良い年になりますように

2025年最初の朝を迎えた1日、各地で初日の出が見られた。
大阪・関西万博会場の人工島・夢洲(大阪市此花区)でも午前7時過ぎ、日が昇ると空が曙色に染まった。

昨年8月に一つにつながった万博会場の大屋根(リング)は、1周約2キロ、幅30メートル、高さ12~20メートルの世界最大級の木造建築物で、万博会場のシンボル。海外パビリオンや国内企業などのパビリオンなども整備が進み、今年4月13日に開幕する万博の全体像が浮かび上がる。

また、東京都内も好天に恵まれ、東京都台東区からは初日の出でオレンジ色に染まる富士山の姿が見られた。

北アルプスで大学生男女3人が遭難、1人低体温症で動けず…テントが風で飛ばされる

31日午後2時35分頃、長野県大町市の北アルプス・爺ヶ岳の東尾根付近(標高約2500メートル)で、神奈川県小田原市の女子大学生(20)が低体温症で動けなくなったと、一緒に登山をしていた男子大学生(23)から110番があった。県警によると、登山をしていたのは大学生の男女3人。テントは風で飛ばされたといい、県警は雪に穴を掘ってビバークするよう指示した。1日朝にも捜索に乗り出す。
3人は12月26日に入山した。通報時、女子大学生に意識はあり、ほかの2人も会話ができる状態だったという。

年末年始も相次ぐ“目撃” 眠らず彷徨う“クマ”

秋田県内でクマの目撃が相次いでいます。
秋田市では31日午前7時30分ごろ、茨島地内の河川敷内を歩く体長およそ1メートルのクマが目撃されました。
散歩をしていた男性が目撃したもので、一番近い民家まではおよそ80メートルの場所でした。
同じ31日には、大仙市協和で、自宅の窓から外を見た男性が、近くの道路上に座っている体長およそ1メートルのクマを目撃。
五城目町では、町道を横切る体長およそ1.5メートルのクマが目撃されています。
また、1日午前6時50分ごろ、由利本荘市岩野目沢地内で、体長およそ1メートルのクマが目撃されました。
近くを走行していた車の運転手が、畑の中にいたクマに気付いたものです。
各地の警察では付近の住民に注意を呼び掛けています。

銀世界に飛び立つタンチョウ 人に依存、すぐそこにある絶滅の危機

北海道東部・鶴居村を流れる雪裡川(せつりがわ)。国の特別天然記念物タンチョウの群れがじっと夜明けを待っていた。この日早朝の気温は氷点下15度。日の出前、タンチョウは霧氷に包まれた銀世界の中から飛び立った。
タンチョウは乱獲や湿地の消失で一時絶滅したと思われたが、1920年代に「再発見」された。保護活動により国内の生息数は約1800羽まで回復。しかし、今も人間が与える餌に依存し、いつ絶滅リスクが高まってもおかしくない。
人類は今、三つの地球規模の危機(トリプル・プラネタリー・クライシス)に直面している。気候変動と生物多様性の喪失、そして環境汚染だ。
化石燃料の使用などに伴う温室効果ガス排出量は頭打ちの気配すらなく、地球温暖化で熱波や干ばつ、豪雨などの気象災害が激甚化している。1年前に起きた能登半島地震の被災地は2024年9月、記録的豪雨に見舞われた。この豪雨について、気象庁気象研究所などの研究チームは、人為的な温暖化で総雨量が約15%増えていたと分析した。温暖化の悪影響と地震などの「複合災害」に備えることが欠かせない時代になっている。
人間の命と暮らしを支える自然とその恵みもまた、危機的状況にある。約100万種の生物が絶滅の危機にあり、その多くが今後数十年で絶滅する恐れがあるとされる。プラスチックや化学物質などによる汚染も深刻で、人間の体内組織から微小プラが見つかったという報告も相次ぐ。
あって当たり前と考えられていた人類の生存基盤が崩れようとしている。それも人間自身の手によって。
国連環境計画(UNEP)が設置した専門家組織「国際資源パネル」は、トリプル・クライシスの主因を、化石燃料や生物資源、金属など地球上の資源の利用拡大だと指摘する。こうした物質の使用量は過去50年間で3倍以上になり、このままいけば60年までに20年時点のさらに1・6倍に増えると見込んでいる。
「将来世代のことを考えて行動する必要性は1970年代から指摘されてきました。でも、短期的な問題への対応を優先し、資源は無限に利用できるものと思ってきたのが現実です」。国立環境研究所資源循環社会システム研究室の田崎智宏室長は話す。「悪影響が顕在化し、このままでは将来に禍根を残すと多くの人が実感するようになってきています。持続可能な社会にしようという意志を持ち、挑戦し続けることが重要です」
70年代から持続可能な社会を将来世代に残そうと活動を続けたのが、環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性、ワンガリ・マータイさん(11年死去)だ。受賞後、廃棄物の発生抑制(リデュース)▽再使用(リユース)▽再生利用(リサイクル)――の英語の頭文字を取った「3R」に加え、地球の資源に対する「Respect(尊敬の念)」を込めた「もったいない」という日本語を知り、世界共通語「MOTTAINAI」として広めることを提唱した。
「私たちが呼吸する空気、飲み水、食べ物すべて、自然からの預かり物です。これこそがMOTTAINAI精神の最も大切な価値なのです」。マータイさんは亡くなる3週間前、こう語っていた。
「預かり物」である環境と資源を将来世代に残す。それが現世代の責任――。マータイさんの言葉には、トリプル・クライシスを乗り越える礎となるメッセージが込められている。【大場あい、貝塚太一】

容疑者が現場に戻って来た! 勉強中の女性(10代)に抱きつき逃走の男(31)緊急逮捕 札幌

札幌・白石警察署は2024年12月31日、不同意わいせつの疑いで、札幌市白石区に住む介護助手の男(31)を逮捕しました。
男は12月30日午後4時半すぎ、札幌市白石区の商業施設で、札幌市厚別区に住む女性(10代後半)に後ろから抱きつくなど、わいせつな行為をした疑いが持たれています。
警察によりますと、商業施設の休憩スペースで勉強していた女性にわいせつな行為をしたあと、男は徒歩で逃走していました。
翌日になって、商業施設の従業員から「きのうの男と似ている人が来店している」と警察に通報があり、駆けつけた警察官が職務質問。
逃走していた男の特徴と似ていることや、事件に関する供述をしたため、緊急逮捕にいたりました。
調べに対し男は、「知らない女の子に抱きつきました」と供述していますが、疑いが持たれているその他の行為については認めていないということです。
警察は、男が再び現場に現れた目的を調べるとともに、余罪などについて捜査しています。

皇居・宮殿で新年祝賀の儀 天皇陛下「国民の幸せ祈る」

天皇、皇后両陛下が皇族や三権の長らから新年のお祝いを受ける「新年祝賀の儀」が1日、皇居・宮殿であり、天皇陛下は「新しい年を共に祝うことを誠にうれしく思います。年頭に当たり、国民の幸せと国の発展を祈ります」と述べられた。
宮殿「松の間」で、秋篠宮ご夫妻や両陛下の長女愛子さまら皇族が順次あいさつした。その後、両陛下は皇族と共に宮殿の各部屋を回り、石破茂首相や閣僚、衆参両院議長、最高裁長官らから祝賀を受けた。
昨年11月に三笠宮妃百合子さまが亡くなったことから、三笠宮家と高円宮家の皇族は出席を控えた。

「しんどかったが来て良かった」妻子4人亡くし地震後、初めて現地に

最大震度7を観測した能登半島地震は1日、発生から1年を迎えた。妻と子ども3人の一家4人を亡くした大間圭介さん(42)はこの日、石川県珠洲(すず)市仁江(にえ)町の現場を地震後初めて慰霊に訪れ、家族の冥福を祈った。
大間さん一家は1年前、金沢市の自宅から、珠洲市の妻はる香さん(当時38歳)の実家に帰省し、親戚一同の12人でにぎやかな元日を過ごしていた。
地震の揺れで裏山が崩れ、居間にいたはる香さん、長女優香さん(同11歳)、長男泰介(たいすけ)さん(同9歳)、次男湊介(そうすけ)ちゃん(同3歳)が土砂にのみ込まれて犠牲になった。家族のうち、大間さんだけが残された。
大間さんは1日午前10時20分ごろに現地に到着。家があった場所に花を手向け、お菓子やペットボトル入りのジュースも供えた後、しゃがんで目を閉じて手を合わせた。
土砂に埋まった家屋は原形をとどめず、崩れた土砂や倒木が今も大量に残る。周囲を歩き回り、大きく損壊して形をとどめない一家の乗用車を目にして、おえつを漏らした。
大間さんは「当時の様子を思い出すので来ることができなかったが、いつまでも背を向けてはいられない。長かったけど、あっという間だった」と振り返った。
地震後、しばらくはふさぎ込む日々だったが、石川県警の警察官として2024年3月に仕事に復帰。
23年秋に学校行事のマラソン大会を控えた長女と長男に「やればできるよ」と励ましたことを思い出し、24年10月に「金沢マラソン」に出場して完走した。「何か決まっているわけではないが、マラソンのように次の目標に備えて準備したい」と語る。
この日の献花を終え、「亡くなった家族と過ごした1年だった。生き残った私は家族に生かしてもらったと思うので、一日一日を無駄にせず、家族がやりたかったことをしてあげたい。来るのはしんどかったが、家族のことや楽しかったことを思い出し、来て良かった」と語った。【井村陸】

北アルプスでテントが飛ばされ身動き取れなくなった大学生の男女3人、ヘリで救助

長野県大町市の北アルプス・爺ヶ岳の東尾根付近(標高約2500メートル)で12月31日午後、悪天候のため身動きが取れなくなっていた大学生の男女3人について、県警は1日午前10時半頃までにヘリで救助した。3人とも病院に搬送されたが、命に別条はないという。
県警によると、3人は12月26日から入山し、31日に強風でテントが飛ばされて身動きが取れなくなっていた。110番で救助要請を受けた県警が、雪に穴を掘ってビバークするよう指示していた。