福岡市東区のアジア食料品店で410万円が奪われ客がけがをした強盗致傷事件で、県警は1日、田川市糒、無職、中田憲吾容疑者(32)を強盗致傷などの容疑で逮捕したと発表した。逮捕は2人目。「SNSで闇バイトに応募した」と話す人もおり、匿名・流動型犯罪グループの可能性もあるとみている。
また住居・職業不詳、奥田成樹容疑者(23)を同容疑で9月18日に全国に指名手配し、10月1日に写真を公開した。身長約175センチの中肉で、額から眉間(みけん)にかけて傷痕がある。情報提供は東署(092・643・0110)。
いずれも容疑は、共謀して8月14日午後8時から同8時5分ごろ、東区箱崎2の食料品店に侵入。男性従業員を刃物で脅し売上金などを奪い、女性客を転倒させ膝にすり傷を負わせたとしている。認否は明らかにしていない。
県警捜査1課によると、奥田容疑者は8月13日に岐阜県を出発し、中田容疑者らと合流。事件後、中田容疑者は愛知県のネットカフェで発見されたが、奥田容疑者は山口県山陽小野田市のJR厚狭駅で岡山行き新幹線に乗車後、所在不明という。【川畑岳志】
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「死んでも構わないし殺そうと思い…」55歳男性が首など切りつけられ意識朦朧隣人の49歳男を殺人未遂の疑いで緊急逮捕 千葉市若葉区
1日夕方、千葉市若葉区の住宅で55歳の男性が刃物で切りつけられた事件で、警察は、隣の家に住む49歳の男を逮捕しました。
1日午後4時半前、若葉区千城台東の住宅の敷地内で、住人の55歳の男性が男から刃物で首などを切りつけられました。男性は意識が朦朧とした状態で病院に運ばれました。
近隣住民 「ワー、コラーとか言っている声が4、5回聞こえて。妻が見に行ったんですけど、刺されて血が出ていたと」
警察はその場から逃走していた、隣の家に住む自称無職の篠原幹夫容疑者(49)を殺人未遂の疑いで緊急逮捕しました。
調べに対し、篠原容疑者は容疑を認めたうえで、「死んでも構わないし殺そうと思い、刃物で被害者の首あたりに切りつけました」と供述しているということです。
警察は、隣人同士で何らかのトラブルがあったとみて、事件のいきさつを調べています。
妻の遺体を「カバンに入れ…」 医師の男(46)逮捕 兵庫
『news every.』の「ミダシ」が気になるニュース。「妻の遺体を『カバンに入れ…』 医師の男(46)逮捕」についてお伝えします。
◇ ◇ ◇
下村憲司容疑者(46)
「妻と口論になり出て行った。それ以降、連絡がつかない」
行方不明者届が出されたのが、去年9月。そして、およそ1年後の先月中旬、その妻の骨が川の中から見つかりました。
死体損壊と死体遺棄の疑いで逮捕された、医師の下村憲司容疑者(46)。警察によりますと、去年8月、妻・真実さんの遺体を切断し、川に捨てるなどした疑いが持たれています。
下村憲司容疑者(46)
「浴室で解体し、カバンに入れて川に捨てた」
川の中からは、妻・真実さんの骨が複数見つかっていて、200メートルほどの範囲に散らばっていたということです。
遺体の損壊現場とみられるのは、事件当時、夫婦が暮らしていた兵庫・尼崎市の一軒家。その浴室です。
近隣住民
「まさか近所でこんなことがあるとは」
下村容疑者が妻の遺体を損壊したとみられる時期は、去年8月14日から下旬ごろ。その翌月24日には、妻の行方不明者届を自ら出しています。
下村憲司容疑者(46)
「8月13日に妻と口論になり、翌日に出て行った」
下村容疑者が届けを出した理由は分かっていません。
そして、警察が捜索を開始。しかし、妻が生存していることが確認できないなどつじつまが合わなかったため、下村容疑者を任意で調べたところ、事件の発覚に至ったということです。
下村容疑者は、警察の調べに対し―。
下村憲司容疑者(46)
「私が一人でやったことです」
妻・真実さんの死亡についても話しているということで、警察は詳しい経緯などを調べる方針です。
にぎわう神戸の繁華街で車暴走、21歳女性死亡 路上で心臓マッサージ「こんな大通りで」
1日午後3時40分ごろ、神戸市中心部の繁華街にあるJR三ノ宮駅近くの交差点で「車と人の接触事故で3人ほど倒れている」と110番があった。兵庫県警や消防によると、車が横断歩道を渡っていた歩行者をはねたとみられ、運転手を含む男女5人が搬送された。うち21歳の女性が搬送先の病院で死亡が確認された。県警や消防が状況を調べている。
神戸・三宮の中心街で1日午後に発生した交通事故。現場付近には多くの救急車やパトカーが集まり、不安そうに見守る通行人らで一時騒然とした。「こんな大通りで…」。白昼の繁華街で突然起こった事故に多くの人が衝撃を受けていた。
事故があった中央区加納町の現場は、JR三ノ宮駅から約300メートル南の神戸国際会館前の南北道路。事故後、道路の中央分離帯付近には、突っ込んだとみられる乗用車が前部が破損した状態で止まっていた。一帯は交通規制が敷かれ、警察官らが誘導にあたっていた。
トラックを運転中に車に接触されたという50代の男性は、青信号で走行中に荷台付近に衝撃を感じたといい、「体が振られるくらいだった」と話した。事故直後、複数の人が倒れていたといい「たくさんの人が集まり、心臓マッサージをしたりしていた」と状況を振り返った。
付近には商業施設や飲食店も多く、昼下がりの買い物客や駅利用客らでにぎわっていた。下校中に事故現場に遭遇した10代の女子大学生は「人だかりができていて気付いた。こんな大通りで起きるなんて…」と表情をこわばらせた。
近くに住む高齢女性も「普段から買い物に使う道なので、こんな事故が起きるのが怖い」と話した。
北大、組織的アカハラの認定認める 複数の准教授「孤立」訴え
北海道大理学研究院の化学部門で複数の准教授が「教授会によって組織的に孤立させられている」と訴えていた問題で、北大は1日、組織的なアカデミックハラスメントがあったと7月に認定したことを認めた。
これまで「関係者のプライバシーの保護」「調査結果は一般に公表を前提とするものではない」などとして公にしていなかった。
毎日新聞は9月30日、化学部門の教授会にあたる「講座委員会」の准教授に対する対応が「組織的なアカハラに該当する」と北大ハラスメント対策室によって認定されたと報道した。
報道を受け、北大は1日夜、アカハラ認定したことを認め、「関係者のプライバシー保護などの観点から回答を差し控えてまいりましたが、組織的なハラスメントであったことを鑑み、公的機関としての説明責任を踏まえ、可能な範囲において情報をお知らせする」と説明した。
北大は「認定結果を踏まえ、関係者に対して必要な措置を講じるとともに、理学研究院への注意喚起、所属教職員への研修の計画など、再発防止に取り組んでいます」とした上で「ハラスメントを重大な人権侵害と認識し、その防止と、発生した場合の適切な対応に取り組んでいます」とコメントした。【鳥井真平】
赤信号で車が急発進か 神戸・三宮の事故で女性死亡、4人重軽傷
1日午後3時40分ごろ、神戸市中央区御幸通8の兵庫県道交差点で「車が突っ込んで歩行者が倒れている」と110番があった。県警によると、はねられた女性1人が死亡、30~70代ぐらいの男女3人が軽傷を負った。乗用車を運転していた50代ぐらいの男性も重傷を負って病院に運ばれ、詳しい状況を調べている。
県警によると、死亡したのは同市東灘区の岸上優空(ゆら)さん(21)。県道を南下した乗用車が交差点で歩行者4人を次々にはねた後、別のトラックに接触したとみられる。県警は赤信号なのに乗用車が急発進したとみており、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)などの疑いで調べる。
現場は神戸・三宮の中心部で、神戸市役所前を南北に通る県道「フラワーロード」の付近。周囲には多くの警察官や救急隊員が集まり、一時騒然となった。
現場近くにいた50代の男性歯科医師は「ガシャーン」という大きな音と、しばらくして聞こえてきたサイレンで事故に気づいた。白い乗用車が県道の中央分離帯の付近で止まっており、運転席で男性がぐったりしているのが見えた。周辺には数人が座り込んだり、横になったりしていた。心臓マッサージを受けている負傷者もいたといい、男性は「こんな市街地で大きな事故が起き、驚いた」と話した。【前田優菜、北山直生、山田毅】
北大「追い出し部屋」 教授会の「組織的なアカハラ」認定
北海道大理学研究院の化学部門で複数の准教授が「教授会によって組織的に孤立させられている」と訴えていた問題で、北大のハラスメント対策室が調査した結果、教授会の准教授に対する対応を「組織的なアカデミックハラスメントに該当する」と7月に認定したことが毎日新聞の取材で判明した。これを受け、複数の教授が処分を受けたとみられるが、北大は調査結果も処分も公表していない。
ハラスメントに詳しい専門家や弁護士によると、教授会による組織的なアカハラ行為が認定された例は確認されておらず、日本で初めてのケースとみられる。
「組織的なパワハラ」と調査求め
化学部門では、教授が退職や異動で不在となった研究室に残った准教授らを「旧スタッフ」などと呼んで区別。教授会に当たる「講座委員会」は2020年度、旧スタッフを対象に、学生を新たに配属しない▽居室を移動させる▽新任教授は旧スタッフを引き受けない――などとする内部基準を作成した。
内部基準は講座委のみが把握し、複数の准教授が理学研究院に改善を求める陳情書を提出した直後の24年1月まで教員にその存在を明かしていなかった。
旧スタッフには研究を共にする学生が配属されず、最長で4年以上、たった一人で研究する環境、いわゆる「追い出し部屋」に置かれた准教授もいた。複数の准教授が24年9月に講座委の一連の対応は「組織的なパワハラと考えざるを得ない」などとしてハラスメント相談室に調査を求めていた。
「研究上の権利を侵害」
相談室から調査要請を受けた対策室は学内の幹部らで構成されるが、対策室が委任した弁護士が参画する調査委員会が置かれ、事実関係を調査する。
北大関係者によると、調査した結果、講座委が20年度に旧スタッフの居室を移動させて学生を配属しないと決議したことや、苦情を受けても待遇を見直さず21~24年度に学生を配属しなかったことなどを事実と認定。そのうえで講座委の対応を「組織的なアカハラ」とした。
「終身雇用の旧スタッフの意思に反して研究室から追い出すことを意図し、その目的は不当」とも指摘したという。
さらに旧スタッフが改善を訴えても講座委が迅速に検討しなかったことについて「極めて不適切」などと批判。准教授の一人が研究室から別室に追いやられたことは「研究上の権利を侵害している」と認定した。
北大はアカハラ認定を受け、問題に関わった講座委のメンバーを処分したとみられる。当時の講座委にいた教授は現役教授だけでも10人以上に上る。
毎日新聞が北大にアカハラ認定などへの見解を尋ねたところ、北大は「関係者のプライバシー保護及び機微な内部情報に関わるものであることから、回答を控える」と返答。調査結果を公表していないことについては「調査結果は一般に公表を前提とするものではありません」とコメントした。
専門家「異常性は高い」
アカハラ問題に詳しい広島大ハラスメント相談室の北仲千里准教授(社会学)は「大学が『部局の自治』に踏み込んだ画期的な調査結果だ。異常性は高く、一般企業や小さな研究組織であれば、お取り潰しになってもおかしくない」と指摘。「北大は何をしてはいけないのかをはっきりさせた。同じような訴えがあった場合、他大学にとっても参考になる」と話した。【鳥井真平】
東京で35日連続の降水を観測 昨日に続き1876年以降の統計史上最長記録を更新
東京都心では今日30日(水)も朝から雨が降り、連続降水日数が35日に達しました。昨日29日(火)に更新した観測史上最長記録を更新し、さらに1日のばしています。
東京都心では、9月は毎日降水を観測したことになります。
明日10月1日(木)からは高気圧に覆われて天気が回復に向かい、ようやく長雨の出口となりそうです。
連続降水は35日間に 観測史上最長記録をさらに更新
東京都心では今日30日(水)も雨が降り、先月8月27日から続く連続降水日数が35日に達しました。
昨日29日(火)の時点で、これまで最も長かった2019年(6月27日~7月29日)の33日間を上回り、1876年以降の統計で最長となりました。東京都心では1か月以上にわたり、毎日のように雨が降っていることになります。
今日30日(水)も東京では未明から雨が降っていて、観測史上最長をさらに更新し、35日連続の降雨となっています。
9月は毎日降水を観測したことになり、東京都心で1ヶ月間全て降水を観測するのは、観測史上初とみられます。
関東は秋雨前線の影響を受けるため、日中も雨の降りやすいスッキリしない天気が続く見込みです。
日照時間は平年の約4割 過去2番目の少なさに
記録的な長雨の要因となっているのが、本州付近に停滞し続けた秋雨前線と、相次いで接近した台風24号・25号・26号の影響です。
厚い雲に覆われる日が多かったため、日差しも大幅に不足しています。9月29日(火)時点における東京都心の日照時間は45.8時間にとどまり、平年の40%程度しかありません。横浜市など関東の各地で同様の傾向となっています。
9月最後の日となる今日30日(水)も曇りや雨で、日照時間はほとんど増えない見込みです。このままだと、東京都心の9月の日照時間は1988年(39.2時間)に次いで「過去2番目に少ない」記録になりそうです。農作物の生育などへの影響も懸念されています。
明日から天気回復へ ようやく長雨の出口
長く続いたぐずついた天気も、10月のスタートとともにようやく出口が見えてきます。
明日10月1日(木)は台風26号が東海上に進み、次第に高気圧に覆われてきます。明け方までは台風周辺の雨雲が通過する可能性があるものの、天気は次第に回復し、晴れてくる予想です。
1日(木)の日中から3日(土)にかけては、移動性高気圧に覆われて比較的穏やかな空になる予想です。
関東では秋の長雨が解消して日差しの届く日が増え、久しぶりに洗濯物を安心して外干しできる機会が多くなりそうです。
悲劇の深層にあったものは 辺野古沖転覆事故から半年、『偽りの「平和学習」』30日発売
米軍基地移設に反対する抗議船に高校生を乗せて移設工事を見学させる。これはそもそも「平和学習」と呼べるのか―。沖縄・辺野古沖で令和8年3月16日、同志社国際高校2年の武石知華さんら2人が亡くなった転覆事故から半年。同校を巡る教育現場の偏向ぶりなど産経新聞取材班が報じてきた数々のスクープ記事を加筆、再構成した『偽りの「平和学習」』(産経新聞出版)が30日、発売される。これまで聖域とされた沖縄の「平和学習」を巡る高校と反基地団体との知られざる関係に、メディアとして初めて切り込んだ一冊だ。
文科省を動かした特報
抗議船の無登録運航、高校側のずさんな安全管理の実態、高校への家宅捜索、引率教員の挙動をとらえた防犯カメラ映像…。産経新聞取材班は今回、他紙をリードするスクープを連発してきたが、その中でもインパクトが大きかったのが、反基地団体と学校との深い関係を示唆する文書を報じた3月28日掲載の記事だ。
同志社国際高校が過去に実施した研修旅行の際、生徒に配布したしおりに、反基地団体による座り込みへの参加を呼びかける内容を掲載。学校による政治的活動を禁じた教育基本法に抵触する可能性が浮上した。
「まさか、ここまでひどいとは…」。この報道に文科省幹部は絶句。一本のスクープが、文科省を突き動かす転機となった。調査に乗り出した文科省は、同校の辺野古沖での学習プログラムについて、戦後初めて教育基本法違反と認定。本書では、高校側と文科省との間での駆け引きや違反認定までの水面下での動きなど生々しい内幕を詳述している。
「反基地」牧師との接点
ではなぜ、そもそも同志社国際高校は辺野古との接点をもったのか。取材班はこの点についても精力的に取材を重ねた。
キーパーソンとなったのが、今回の転覆事故で命を落とした金井創船長だ。牧師として同校との関係を持っていた金井氏は北海道生まれ。一度は銀行員となったが、父親と同じ牧師の道を歩む。本書では、キリスト教団体内部の権力闘争を絡めながら、金井氏が辺野古にたどり着くまでの軌跡を、複数の関係者の証言で裏付けた。国家の抑圧下にある人との共闘をキリスト教徒の使命とする金井氏が、いつしか本土の犠牲になった沖縄の人々との共闘に目覚める流れを浮き彫りにした。
その金井氏から令和4年、辺野古沖での乗船プログラムを提案された高校側は何の疑念もなく、危険性を顧みることもなく受け入れ、そして悲劇が起きた。
名指しの批判、取材の困難さ
本書では取材現場の舞台裏についても書かれている。取材班は数多くのスクープを報じてきたが、その取材環境は必ずしも順風ではなかった。むしろ、産経新聞の報道量が目立ったこともあり、基地反対派からは「痛ましい事故の最悪の政治利用」などと疑念を招いたり、取材する記者が名指しで批判にさらされたりしたこともあった。
実際、抗議船を運航する団体の共同代表は、講師を務めた受講者限定の勉強会で産経新聞について「ちょっとしたことに尾ひれをつけて、違う方向に持っていって報道している」などと批判した。そうした声に対し、取材班は音声データや関係者の証言などを積み重ね、事実ベースの報道で論破した。
反対派から批判される一方、危険な抗議活動を放置した玉城デニー前知事に転覆事故に関する認識を質し続けた大竹直樹那覇支局長は、本書のまえがきでこう記している。
「それでもひるまず、取材を続けてこられたのは、真相究明を求める遺族の思いに直接、接してきたからである。事件・事故にイデオロギーは関係ない。右も左もない。われわれ産経新聞取材班は、事故に至った遠因も含め、背景を虚心坦懐に取材してきた。そして、全容が解明されるその日まで、取材を続けるつもりだ」
本書は真相解明の緒についたばかりの事故後、約半年の取材記録である。
《発足から25年》小泉純一郎政権は日本をどう変えたのか? 竹中平蔵氏が語るレガシーと課題「“ぶっ壊す政治”はワンマンとは違う。高市政権は残された未完の改革に着手すべし」
小泉純一郎政権の発足から25年。小泉氏は「自民党をぶっ壊す」の言葉通り、郵政選挙で自民党の反対派議員たちに刺客候補を立てて追放し、道路公団民営化、年金改革、労働者派遣業の大幅規制緩和など行財政改革を推進するなど日本の政治のあり方や社会を大きく変えた。小泉政治が日本にどんな変化をもたらし、今の高市政治にどう受け継がれているか、慶應義塾大学名誉教授、元総務大臣として小泉政権を支えた竹中平蔵氏が検証する。
既得権益に対するファイティングポーズを取り続けた
小泉内閣で金融担当大臣、郵政民営化担当大臣などを務めた私から見れば、政権の最大の特徴は、「自民党をぶっ壊す」と、既得権益に対するファイティングポーズを取り続けたことです。
これと関連して小泉流の政権運営を「ワンマンだった」とする批判を目にすることがあります。派閥に相談せずに、不良債権処理や郵政民営化といった重要な政策や人事の決断を下したからでしょう。しかし、法令や党則に「派閥に聞くこと」などというルールはありません。むしろ憲法など制度の基本に忠実に従っていた。
旗印となる政策の実現のために敷いた布陣も巧みでした。例えば、経済産業大臣の平沼赳夫氏は、亀井静香氏が率いる志帥会の有力者だし、行政改革担当相や国交相を歴任した石原伸晃氏は、ポスト小泉に名が挙がった石原慎太郎・都知事の息子でした。敵対勢力のナンバー2級を閣内に取り込むと、政敵も露骨な反対をしづらくなり、首相のグリップが利くのです。
現在の高市内閣でもライバル陣営から有力者を取り込んではいますが、麻生太郎・副総裁にしろ、茂木敏充・外相にしろ、それぞれの政策グループのトップだというのが小泉政権との違いです。
併せて小泉政権のレガシーと言えるのは、経済・財政政策の要として、経済財政諮問会議をフル活用したこと。会議では、経済人・学者らが出す「民間議員ペーパー」で改革案を示す際には、所管大臣にも根回しなし。がんがんやり合った上で、論点を詰めた。議事要旨を3日後には公開したから官庁の抵抗と総理の決断が国民に可視化されました。高い支持率が改革への追い風となった。
この成功を見たからか、第2次安倍政権では産業競争力会議なども作られましたが、かつての諮問会議ほどの力を持つことはなく、むしろ内閣官房に会議が乱立して整理もできなくなっています。
もし小泉政権の「罪」があるとすれば、改革しきれなかったことです。
不良債権処理と道路・郵政の民営化の次には、雇用の流動化のため整理解雇の障壁を取り払う改革に取り組むべきでしたが、5年半の任期では着手できませんでした。
高市政権も高い支持率をポリティカルキャピタルにしている点は小泉政権と共通していますが、「何をやるか」が明確でない。労働市場改革など制度・規制改革にも踏み出せば、小泉内閣に匹敵するほどの大きな政治的レガシーになるはずです。
【プロフィール】 竹中平蔵(たけなか・へいぞう)/2001年の小泉内閣発足時に民間人閣僚として経済財政政策担当大臣に就任。2004年参議院議員当選、2006年9月に政界を引退。
※週刊ポスト2026年10月9日号