【千葉豪雨】冠水解消までの時間に“地域差”なぜ 大網白里市では「内水氾濫」と「外水氾濫」の両方が起きた可能性…専門家指摘

先週、千葉を襲った豪雨は20日で1週間となりました。県内の各所で冠水が起きましたが、その水がひくまでの時間は地域によって差がありました。「news zero」はその理由を取材しました。
豪雨当日の大網白里市を流れる小中川の様子を捉えた映像。午後6時ごろから水が増え始め、およそ6時間後には水があふれ街に流れ込み、道路と川の境目がわからなくなりました。
13人が亡くなった千葉豪雨から1週間。
千葉市民
「靴沈みながら帰った」
──どのあたりまで沈んだ?
千葉市民
「ここらへんまで。見たことなかったので怖かった」
──(翌日)水はどうなっていた?
千葉市民
「水はひいてました、朝は」
豪雨となった当日、千葉市中央区の道路は地面が見えなくなるほど冠水。
人の膝まで迫りましたが、およそ2時間後には水はひき、普段通り通行できるようになっていました。
一方で、大網白里市では。
記者(14日)
「住宅地全域が水没しています」
一夜明けても広い範囲で冠水は続きました。
翌日には水がひいていた千葉市に対し、なぜ大網白里市では冠水が続いたのか。
記者(20日)
「豪雨から1週間たちましたが、あちらのお店はまだ営業再開に至っていません」
休業が続いていたのは、水に囲まれていたラーメン店です。
冠水被害のラーメン店代表
「これくらいまでは、いっている」
記者
「腰あたりまで、当時、水がきていた…」
豪雨翌日の朝、様子を見にきたといいますが。
冠水被害のラーメン店代表
「気になってきたけど、まだ入れる状態じゃなかった」
地面が見えなくなるほどの水が店まで迫っていました。
冠水被害のラーメン店代表
「まだ水が残っていたので復旧作業ができなかった」
冠水被害のラーメン店代表
「(水は)このあたりまではいってた」
記者
「朝見たとき?」
冠水被害のラーメン店代表
「そうです」
完全に水がひいたのは雨から2日後だったといいます。
なぜ水がひくのに地域差があるのか。河川の氾濫などに詳しい専門家は…
中央大学機構教授 古米弘明氏
「(大網白里市は)低平地の上流側の丘陵地に降った雨も集まって、小中川・金谷川を通じて水が流れ込んできた。その河川の排水能力以上に雨が降ったことによって、河川が氾濫する『外水氾濫』が起こったと思います」
「外水氾濫」とは河川などの水位が上昇することで水があふれ、外に流れ出す現象。水のひきが早かった千葉市では、用水路などが排水能力を超えて水があふれる「内水氾濫」の可能性が指摘されています。
一方、古米さんは、大網白里市では「内水氾濫」と「外水氾濫」の両方が、大きな冠水被害をもたらした可能性があると指摘します。
実際、カメラには市内を流れる小中川が氾濫する様子が映っていて、川の近くで事務所をかまえている人は…
事務所が冠水被害にあった人
「ここまで(水が)来ちゃった。(車の)シートの上まで来てるんだよね」
事務所が冠水被害にあった人
「普通ここまでいったら流れていくでしょ? (川から水が)あふれちゃうと行き場ないからこっち来る。こっち来ると(道が)川になっちゃう。10分で(水が)40センチくらい上がった」
増水してから一気に水が流れ込んできたといいます。
古米さんは、本来、街から流れていく先の川が増水していたことで排水能力が機能していなかったのではないかと指摘します。
中央大学機構教授 古米弘明氏
「河川の水位が低いときだけ排水できる。(水位が)上がってしまうと排水できない状態になるので、排水にかかる時間が長くなる」
内水氾濫と外水氾濫の両方が起きたことで、排水までに時間がかかってしまったという大網白里市。今後、どのような対策が求められるのか。
中央大学機構教授 古米弘明氏
「河川の流下能力が大きくない限り、市街地の雨水を河川に取り込むことはできない。河川の流下能力・海側に流す能力が高くならないと、市街地の雨水排除の施設整備は若干時間がかかる」
千葉県の熊谷知事は今後、氾濫した小中川の河川整備を加速させていくとしています。
(8月20日放送『news zero』より)

小2男児が味に違和感吐き出す…「あいちの水」に長さ1.8センチメートル金属製ねじ混入

愛知県は消防のイベントで配布した缶入りの飲料水に、長さ1.8センチメートルの金属製のねじが混入していたと発表しました。
金属製のねじが混入していたのは、愛知県企業庁が県営水道の役割をPRするために製作している「あいちの水」です。
今月20日、愛知県尾張旭市の愛知県消防学校で開催されたイベント「少年消防クラブ員の県消防学校一日入校」で配布され、持ち帰った児童の小学2年生の弟が飲んだ際、味に違和感があり吐き出しました。
その後、缶に残った水をコップに出したところ、長さ1.8センチメートルの金属製のねじが出てきたということです。
あいちの水は3日間の消防イベントであわせて603本配布され、今のところ健康被害は確認されていないということです。
愛知県企業庁は、製造を委託する会社と原因を調査するとともに、手元に「あいちの水」がある場合は飲まないよう呼びかけています。

給食のおかずに生きたゴキブリ幼虫、5歳児が食べる前に発見…ほかの園児22人はすでに食べ終える

徳島県神山町は19日、町立下分保育所で17日に提供された給食のおかずの中に、生きたゴキブリの幼虫1匹(約3、4ミリ)とみられる異物が混入していたと発表した。健康被害は確認されていないという。
町健康福祉課によると、5歳児クラスの園児1人が「ブロッコリーといり卵のごまあえ」に幼虫がいるのを発見し、食べる前に保育士に報告。ほかの園児22人はすでに食べ終えていた。
同保育所は調理器具や設備の点検とアルコール消毒を実施し、20日には全保護者に謝罪と説明を行った。

「もう終われ、終われ」 防カメが捉えた住宅街の濁流 千葉豪雨

全国で初めて「レベル5大雨特別警報」が発表された千葉豪雨で、市原市北部の路上が冠水していく様子を防犯カメラが録画していた。いったん水が引いたものの、再び短時間で水かさが増し、濁流の中で立ち往生する車をとらえていた。
一度水が引いたのに…
この防犯カメラは、市原市ちはら台地区の住宅街の交差点に設置されている。毎日新聞は地元の自治会から、大雨が降った13日午後6時ごろから同11時ごろまでの映像の提供を受けた。
午後6時ごろ、雨はそれほど強くはなく、横断歩道がはっきり映っている。徐々に雨の勢いが増し、午後7時ごろには道が川のようになって、車が走ると波が立った。午後7時半ごろ、交差点に進入した車がその場で動かなくなり、運転者は車外に出ていった。
午後8時台に雨が弱まると、路面が見えて傘を差して歩く人の姿も。しかし、午後9時台には再び豪雨になり、車のナンバープレートが隠れるほど水位が上がった。茶色の濁流が勢いよく流れ、交差点に差し掛かった別の車も走行できなくなった。
近くの会社員男性(54)は、自宅が約45センチ床上浸水した。「水が引いていって『よかったな』と思っていたのに、また水が押し寄せてきた。雨はずっと降り続けて、『もう終われ、終われ』と思っていた」と振り返る。
市がちはら台に設置している雨量計は、午後8時までの1時間で93・5ミリ(速報値)の猛烈な雨を観測した。市の担当者は「下水道の排水能力を超える雨が長時間降り、水が低い場所に集まってしまった」とみる。
この地域は2019年10月の大雨の際も床上浸水被害などが出たため、20年度に市は雨水の排水口を増やす工事を行った。それでも浸水被害が出たことを受け、男性は「市にはさらなる排水対策を要望したい」と話す。市は今回の浸水被害の実態を調査し、対策を検討するとしている。【宮田哲】

防衛事業を再編する企業に国が出資、「継戦能力」確保へ業界効率化や生産体制拡充図る…防衛省

防衛省は、防衛産業の基盤強化に向けた取り組みを拡充する。事業を統合する中小企業や、防衛部門を再編する事業者に政府が出資する制度を創設する方針だ。防衛事業からの企業撤退が問題となる中、有事に長期間戦える「継戦能力」を確保するため、生産基盤を安定させる狙いがある。
複数の政府関係者が明らかにした。2027年度予算の概算要求に、金額を明示しない「事項要求」として明記する。基盤強化に関する方針は年内に改定する安全保障3文書にも反映する。
防衛産業の事業再編としては、弾薬などを生産する大企業の防衛部門の分社化や、中小企業の統合などを想定する。防衛産業には約1万社の中小企業が関わっているが、収益性の低さなどから、この20年で100社以上が撤退したとされる。防衛装備品の技術高度化が進み、中小企業単独では生産が難しいケースも増えている。統合・再編を促すことで、業界の効率化や生産体制の拡充を図りたい考えだ。
概算要求には、弾薬など民間での需要が見込めない分野を念頭に、国が製造施設を取得し、民間企業に運営を委託する「国有施設民間操業(GOCO)」方式の制度創設も盛り込む。防衛装備品の輸出促進など産業支援に取り組む新法人の新設に向けた費用も事項要求とする。防衛分野の研究基盤整備や新興企業の研究開発を支援する制度も明記する。

中道・立民・公明「月内の3党合流」に暗雲…立民の地方組織から根強い慎重論、「統一会派」要望も

中道改革連合、立憲民主党、公明党による合流協議を巡り、8月末の3党による合流に暗雲が立ちこめている。立民が20日に終えた都道府県連との意見交換会で根強い慎重論が浮き彫りになったためだ。立民幹部からは、国会での統一会派結成を着地点にしたいとの考えも出始めている。(三歩一真希、伊賀幸太)
「皆さんの思いを聞かせていただきながら、最終的な判断をしていきたい」
立民の田名部幹事長は20日、札幌市で開かれた党北海道連との意見交換会に先立つ街頭演説で、支持者らを前にこう語った。
3党は8月末をめどに合流協議の結論を得ると確認しており、立民は今月2日から執行部が全国を11ブロックに分けて都道府県連から意見を聴取してきた。
党関係者によると、地方組織では合流への反対や慎重論が大勢を占める。中道改革が2月の衆院選で惨敗した経緯を踏まえ、「政策や理念を大切にし、立民のまま頑張っていきたい」、「同じ失敗を繰り返すのか」などの意見が出ている。党東京都連が所属議員に行ったアンケートでも「政策の不一致が残る」、「公明への拒否感がある」などと回答者の8割が合流に否定的だった。
反発を抑えるため、執行部は「中道改革への合流ありきではない」とし、3党が解党して新党を結成する案などとともに「他党の衆院議員が離党し、立民に入党」する案もあり得ると地方議員らに説明してきた。
それでも反発は収まらず、ここに来て立民幹部からは「現時点では統一会派結成が望ましい」との声が漏れ始めた。公明が先行して中道改革に合流した場合を想定し、参院に新たにできる中道改革との連携を期待するものだが、公明は「公党としての約束だ」(幹部)として、両党がそろって中道改革に合流する形式以外は認めない立場だ。
立民は、来週にも党内に執行部の方針を示す。内容次第では2党との協議が不透明感を増し、3党による合流が遠のく可能性がある。立民幹部は「党内の意見統一は難しく、統一会派結成が落としどころだ」と語った。

千葉豪雨、浸水想定区域内での死者9人…内水氾濫で住宅街にもリスク

13日夜の千葉豪雨の死者13人のうち少なくとも9人が、浸水想定区域内で水に巻き込まれたとみられることがわかった。亡くなった場所を自治体や警察、消防に取材し、自治体作成のハザードマップと照らし合わせた。専門家は、大雨の際に命を守るには普段からマップを確認しておくべきだと指摘している。(大治有人、大森遥都、住友千花)
9人の内訳は、千葉市5人、柏市、市川市、八千代市、佐倉市が各1人。柏市で犠牲になった70歳代女性のケースを分析すると、普通の住宅街でもリスクが潜んでいることが分かる。
女性は13日夕、夫と軽乗用車に乗っている際、柏市八幡町の住宅街の道路のくぼ地で水没被害に遭った。県の雨量データから、現場では1時間あたり100ミリ前後の雨が降ったとみられ、坂の傾斜に沿ってくぼ地に水がたまった。
近くの住民男性(66)によると、夫婦の軽乗用車は午後5時半頃、下り坂を走行中にタイヤまで水につかり、坂道を流れ下る水の勢いに巻き込まれて深みにはまったとみられる。夫は住民男性に救助されたが、女性は命を落とした。
市が1時間153ミリの雨による内水氾濫を想定して作成したハザードマップでは、現場の最大浸水深は「3メートル以上5メートル未満」。住宅街の中でこの場所だけ水位が高くなる想定で、地元自治会長の野尻勝利さん(83)は「大雨時には、この場所が特に危険だということを多くの人が認識する必要があった」と厳しい表情で語った。
千葉市の2人、佐倉市の1人も浸水想定区域内で車に乗っていた際に犠牲になったとみられ、千葉市の2人は中央区のアンダーパス2か所でそれぞれ亡くなっていた。ハザードマップでのアンダーパスの浸水想定はともに「5メートル以上10メートル未満」。京都大防災研究所の川池健司教授(防災水工学)は「自宅や職場など身近な場所の危険性を普段からハザードマップで確認することが命を守ることにつながる」と語る。
自治体が浸水想定作業を実施していない場所で亡くなった事例も1件あった。80歳代男性が路上で亡くなっていた佐倉市上志津だ。
市下水道課によると、市は2021年度にマップを作成したが、過去の台風や大雨被害を受けた場所を主な対象とし、被害がなかった上志津は「浸水想定区域外」としていた。西田三十五(にしたさんご)市長は20日の定例記者会見で「予想外の大雨が降った。被害状況を精査し、ハザードマップの見直しを検討したい」と話した。
千葉豪雨は20日で発生から1週間が経過した。県の同日午後4時時点のまとめでは、住宅被害は前日より865棟増えて3690棟。県は同日、県管理道路の放置車両93台の撤去が完了したと明らかにした。

小型船が沈没し油が流出する事故 航走攪拌で浮流油はほぼ消滅 福島

8月20日の正午過ぎ、福島県いわき市沖で、曳航中の小型船が沈没し油が流出する事故がありました。沈没した小型船に人は乗っておらずけが人はいません。
福島海上保安部によりますと、沈没したのは福島県いわき市船籍の小型兼用船「るみ丸」(総トン数 2.3トン)で、8月20日の午後0時20分ごろ、船長から福島海上保安部に「機関室が浸水したため、造船所の船で曳航してもらっていたが、久之浜沖で曳航索が外れて本船が沈没してしまった。人命は無事だが、油が流出している。」と電話で通報がありました。
通報から約1時間20分後に巡視船「あぶくま」がいわき市の久之浜港付近を調査したところ、沈没した位置から北側に、幅約5メートル、長さ約1,800メートルの範囲に点在する薄い油(銀白色)を確認したということです。
このため午後4時50分ごろまでのあいだに航走攪拌を行なったといい、海上の浮流油はほぼ消滅しています。
小型船が沈没した場所は、ほかの船舶の往来が見込まれるため、沈没の位置を示すライト付きの仮設ブイを設置して対応したということです。
福島海上保安部が沈没の原因となった浸水の原因などを調べています。

《埼玉踏切・殺人未遂》「あおり運転は本当にあったのか?」防犯カメラに残された“車間距離”と逮捕されたJAF職員の評判「実家の母の面倒をみて、近所の雪かきもしてくれる」

後続車を踏切内から出られない状態にして列車と衝突させ、運転手の男性を殺害しようとした――。埼玉県警岩槻署は19日、殺人未遂容疑で団体職員の加藤研一容疑者(52)=同県蓮田市馬込=を逮捕した。捜査関係者によると、加藤容疑者はロードサービスなどを手がける「日本自動車連盟(JAF)」の職員だという。加藤容疑者は「殺すつもりはなかった」と殺意を否認し、「あおり運転された」と主張している。一方、親戚は「何があったのか、私の方が知りたいくらいです」と肩を落とす。
《画像あり》事故直後、心配そうに電話をしていた被害者と思われる男性の画像、「約8秒後に被害者の車が通過」現場付近の防犯カメラの画像
母親に対し「あおり運転されたから車から出た」と説明
事件は18日午後5時25分ごろに発生した。埼玉県警の発表によると、現場は東武野田線(七里―岩槻駅間)にある踏切だ。
捜査関係者によると加藤容疑者は踏切を渡った直後に自車を停車させ、後続の被害男性(56)が運転する車を踏切道内から出られない状態にした。直後に加藤容疑者は降車して被害車両に歩み寄り、「車間距離が近い」などと注意。踏切の警報機が鳴り始めると、自車へ戻ったという。
「午後5時26分ごろ、踏切内に残された被害車両に春日部発大宮行きの普通列車が衝突しました。男性は衝突の直前に車外へ脱出して無事であり、列車の乗客・乗員にもけがはありませんでした。この事故の影響で東武野田線は上下線計20本が運休し、約1万4000人の足に影響が出ています。
逮捕後の取り調べに対し、加藤容疑者は『殺そうとは思っていない』と殺意を否認し、『相手の車が1キロほど車間距離が近く、注意するために停めた』と供述。事件直後に実家へ立ち寄った際にも、母親に対し『あおり運転されたから車から出た』と説明していたようです」(社会部記者)
しかし、被害車両のドライブレコーダーには、遮断機が下りきるのを確認してから加藤容疑者が自車を発進させる様子が記録されていた。
県警はこうした行為から加藤容疑者に殺意があったと判断。加藤容疑者が主張する「あおり運転」の事実についても現時点では確認できておらず、列車往来危険容疑も視野に入れて捜査を進めている。
「電車の警笛がかなり長い間鳴っていた」
大惨事となりかねなかった事故直後の様子について、近隣の男性住民はこう振り返る。
「家にいて最初に異変に気づいたのは電車の警笛でした。連続してかなり長い間鳴らしていて、それで普段とは違うなって思ったんです。普段鳴らす事はあってもあんなに長く鳴らさないですから」
その直後、激しい衝突音が周囲に響いたという。
「ドーンッという音がして、すぐに電車と何かがぶつかった音だって思いました。それで踏切を見に行くと電車が停まっていて、線路際にリアガラスが割れて、左側のテールランプが破損している車がありました。ああ、この車とぶつかったんだなって……」
現場は騒然となり、間もなく緊急車両が集まってきた。
「そうこうしているうちにすぐにパトカーが来て、消防車も来ました。いや、本当びっくりしましたよ…」
現場近くで被害男性と遭遇した別の住民は、当時の様子をこう証言する。
「話し方自体はパニックになっているという感じではないのですが、私に『どうしたらいいですかね?』って尋ねてきました。それでどうしたらって110番した方がいいでしょって伝えたのですが、本人はパニックだったのかもしれません。
被害者の方自身はパッと見、ケガをしていたりとかそういったことはなかったですね。あとから踏切に閉じ込めて殺そうとしたって報道を見て(加藤容疑者は)とんでもないことするなって思いました…」
あおり運転はあったのか? 防犯カメラの映像では…
一方、加藤容疑者が主張する「あおり運転」は実際にあったのか。
現場周辺には、事件前の2台を捉えた防犯カメラの映像が残されていた。現場の踏切までは制限速度40キロの片側1車線の道路だ。
事故現場から少し離れた場所に住む住民は、「ウチの防犯カメラの前を通過する際は、被害者が煽っているようには見えなかった」と証言する。
「加藤容疑者の車が通過してから約8秒後に被害者の車が通過しているが、どちらも法定速度程度の安全運転に見えた。ただ、加藤容疑者より被害者の方がわずかに速度が速い。報道に出ている踏切直前の映像ではかなり加藤容疑者の車に被害者の車が迫っていたため、そこに至るまでに被害者が急激に速度を上げたか、加藤容疑者が故意に速度を下げたかしないと、あそこまで近づかないのではないか」
社会部記者がこの状況について解説する。
「加藤容疑者と被害者の車間距離が詰まっている状態で走る映像の位置から踏切まで、車で1分程度の距離です。加藤容疑者の実家は現場の踏切よりもっと手前に位置しており、実家に寄ろうとして減速した際に、被害者の車と距離が詰まったのかもしれません。仮にあおり運転があったとしてもほんの短い距離、車間が詰まっていたという状況だったと思われます」
「雪かきもしてくれるような人だった」
捜査関係者によると、加藤容疑者はロードサービスを提供するJAFの職員だという。加藤容疑者は事故現場から北に4キロほど離れた集合住宅に住んでいたが、現場からほど近い実家にはたびたび顔を出していた。
実家付近の住民は、加藤容疑者の家族についてこう明かす。
「加藤さんのお宅はもともと母親と父親、息子さん、弟さん、お姉さんで住んでいたと思います。ただ、お子さんはみんな家を出ていますし、父親も10年近く前に亡くなってしまったので、今住んでいるのは母親だけだと思います。それでだと思いますが、息子さんが月に2、3回母親の様子を見に帰ってきていました」
実家へ定期的に顔を出していた加藤容疑者は、周囲への気配りも欠かさなかったという。
「息子さんの見た目は普通の方で、すごく温厚な腰の低い人です。私のうちにも『たくさん採れたんで』『たくさんいただいたんで』と野菜とかブドウを持ってきてくれたこともありました。本人から直接聞いたわけではないのですが、車関係の仕事というのはなんとなく知っていました。よく実家の駐車場に車を停めてタイヤなどをいじっているのも見ましたしね」
車への関心は強かったようで、昔は外車に乗っていた時期もあったという。
さらに、「実家の庭の手入れをしたり、雪が積もった時などは周囲の近所の人のところまで雪かきをしてくれるような人です」と近所での評判はよかった。
「あんなことをするような人にはまったく感じられなかったんですけどね……。最後に見かけたのは、1ヶ月前くらいでしたね。『母親のために実家の屋根を新しくやり直してるんです』と業者を手配したといった話をしていました」
その際、雨どいについては自身で直すと話していたという。
「その時に雨どいは自分で直すというので、材料を探して買ってきたそうです。自分でやるのか尋ねると『そうなんですよ。(材料が)どこにも売ってなくて大変でした』なんて話もしていました。本当に感じのいい普通の方だったので、事件を知って驚きました」
加藤容疑者の親族を直撃すると…
事件後、記者がこの実家を訪ねた際のことだ。
親族とみられるハットとマスク姿の女性2人が実家から出てきたところで記者が声をかけたが、2人はうつむいたまま足早にタクシーに乗り込んだ。
別の親戚も困惑を隠せない。
「私からするととても温厚で優しい方という印象しかありません。事件のことについては知っていますが、なんであんなことをしたのか、何があったのか、私の方が知りたいくらいです」
日頃は車のトラブルから人々を救う側にいた加藤容疑者が、なぜ踏切内で後続車を停める行為に及んだのか。県警は事件に至った詳しい経緯を調べている。
※「集英社オンライン」では、今回の事件についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。 メールアドレス: [email protected] X(旧Twitter): @shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

SOS出せない子どもたち…自殺未遂の約8割「相談できず」 大人はどうすれば? 「AIの方が気楽」の声も【#みんなのギモン】

もうすぐ、多くの学校で夏休みが明けます。この時期に子どもの自殺が増加する傾向があるとして、政府が対策に乗り出しています。最新の研究では、SOSを出せない子どもたちの存在が明らかになりました。その背景や、周囲の大人にできることを考えます。
動画の音声
「色々さ、めんど~だよな…。ずっと夏休みだったら、いいのに…。そう思ったらさ…誰かに、話してみても、いいかも。相談窓口なんてのも、あるしな。名前とか内緒で、チャットでもできるよ。一人でつらいことは、一緒に話してみませんか?」
鈴江奈々アナウンサー
「これは、20日から始まった『こども・若者の自殺対策集中取組期間』(9月9日まで)のために作られた動画です」
「政府は学校の夏休み明け前後に子どもの自殺が増加する傾向であることから、自治体・企業への働きかけなどを強力に展開していくとしています」
内藤ミカ・日本テレビ社会部記者(こども家庭庁担当)
「去年、全国で自殺で亡くなった小中高生は538人(厚生労働省などによる)。統計がある1980年以降、過去最多となりました。日本では10代の男女における死因の中で最も多かったのが自殺で、深刻な社会問題となっています」
忽滑谷こころアナウンサー
「こうした中、最新の研究で明らかとなったのが、SOSを出せない子どもたちの存在です」
内藤記者
「東海大学などの研究チームは、自殺未遂で搬送されて入院した子どもたちが周囲に相談できていたかを調べるため、18歳未満の患者100人を対象に調査を行いました(松成夏美、三上克央、宇佐美政英など東海大学・国立健康危機管理研究機構の研究発表より)」
「その結果、76人の患者が『死にたいという気持ちを誰にも打ち明けていなかった』と回答しました」
忽滑谷アナウンサー
「この数字を見ても、約8割の子どもたちが相談していない、つまりはSOSを出せていなかったということが分かります」
桐谷美玲キャスター
「私も子ども時代を振り返ると、ちょっと嫌なことがあった時とかに、親や身近な人になかなか知られたくなかったり、相談しにくかったりしたなということもあったのを思い出しました」
「ただ、話すと少し楽になることもありますし、今だとAI相手に話せたり、ゲームなどにも居場所を見つけられることができたりすると思うので、少しでも楽になる場所が見つかるといいなと思いますね」
山﨑誠アナウンサー
「子どもは大人が思っている以上に感受性が豊かで、いろんなことに気づいてるんですけど、本人がそれを認識していなかったり、認識していても言葉にする術がなかったりということがあります。その点を大人が把握するということが大切ですよね」
内藤記者
「研究した東海大学医学部の三上克央教授は、相談しなかった子どもたちについて、『何らかの理由で幼少期から長い間相談や感情表現ができなかったり、しなかったりしたという印象だ』と話しています」
「また自殺未遂をした理由についての回答でも、不明確・あいまい、つまり分からないといった答えが多く、苦しみを言語化できないケースが目立ったといいます」
忽滑谷アナウンサー
「自分の気持ちを伝えたくても、なかなか言語化できないという子どもも多いということですよね」
内藤記者
「中央大学人文科学研究所の客員研究員で、精神看護学が専門の高橋聡美さんは、SOSを出したくても出せない子どももたくさんいるとみています」
「高橋さんによると、そういった子どもたちの事情としては、まず単純に自分の気持ちを言語化できない、性被害や虐待など事態が深刻すぎて打ち明けることができない、ということがあります」
「そして特に多いと感じるのは、心の傷の自覚がない子どもたちだといいます。虐待やいじめを『自分はこういうことをされて仕方がないんだ』と自分を責めてしまう、また親のしつけだと思うなど、心の傷に気づかない子どもたちが多くいるといいます」
忽滑谷アナウンサー
「こういった子どもたちに対してできるアプローチには、どんなことがあるのでしょうか?」
内藤記者
「子どもや若者が自分の心のSOSを発信できるようにと取り組んでいる自治体があります。7月31日に、兵庫県明石市の教育委員会による『明石こどもサミット2026』のワークショップが行われました」
「公立学校に通う小中学生が、悩んだ時に誰に相談するか意見を出し合っていました」
小中学生
「心配されるから親には(相談)しないかも」
「AIにもする」
「AIにもするし、人間にもする」
「AIがほとんどじゃない?」
「AIの方が気楽でいいよ」
「先生には相談しない?」
「しない、絶対しない」
「大ごとにされるもん」
内藤記者
「このワークショップの講師を務めた高橋さんに、子どもたちに伝えたいことを聞きました」
「まず、ささいなことでも嫌なことは嫌と言う。言うことは悪くないということです。そして、勇気を出して誰かに頼る。たとえ身近な大人が話を聞いてくれなくても、諦めないで3人目までの大人に伝えてもらえたらと話しています」
鈴江奈々アナウンサー
「『AIの方が気楽』『何でも話せる』という子どもたちは多いと思うんですけど、一方で目の前の問題を解決しようと思うと、周囲への相談が大事になってきます。相談しやすい環境を私たち大人がつくっていくことが大事ですね」
忽滑谷アナウンサー
「SOSを出せない子どもたちに対して、我々大人が心掛けるべきことはどんなことでしょうか?」
内藤記者
「高橋さんは、大人は子どもを子ども扱いすることなく、子どもたちと対話をすることが重要だと訴えています」
「また政府は、子どもや若者に接する大人ができる4つの役割として、『変化に気づく』『じっくりと耳を傾ける』『支援先につなげる』『温かく見守る』のうち、どれか1つでもできるだけでも、悩んでいる子どもたちに大きな支えになるといいます」
忽滑谷アナウンサー
「もし今、様々な心の悩みを抱えていて、誰かに相談してもいいかもと思った方がいたら、『まもろうよこころ』で検索してください。相談窓口が載っています。電話で話しづらい方はチャット型の窓口もありますので、ぜひ利用してみてください」
(2026年8月20日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】 身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)