首都圏連続強盗事件のうち千葉県市川市の事件で、実行役が秘匿性の高いアプリ「シグナル」で「指を折れ」「腹を蹴れ」との指示を受けていたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。指示は通話機能で出されていた。実行役や被害者が警視庁などの合同捜査本部に説明しているという。
捜査本部や捜査関係者によると、昨年8~11月に計18件発生した一連の事件で使われたアカウントは50以上。市川市の事件ではそのうち「ビリー」など九つのアカウントから実行役らに、被害者宅の位置や集合場所が伝えられていた。
捜査本部は6日、強盗傷害容疑などで福地紘人(26)、斉藤拓哉(26)、渡辺翔太(26)の3容疑者を送検した。村上迦楼羅容疑者(27)は抵抗したため、身柄は送検せず関係書類のみを送った。
市川市の事件は昨年10月17日発生。住宅に侵入して50代女性に暴行してけがを負わせ、現金約4万8千円や財布などを奪ったとされる。女性は車で一時連れ去られ、肋骨骨折などの重傷を負った。
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佐川氏のメールが残っていない重大事実…片山財務相まるで他人事「こういうことが起きると誰も思ってなかった」【森友遺族・夫の死を巡る闘争記】
【森友遺族・夫の死を巡る闘争記】
改ざんの中心人物のメールが残っていない。この重大な事実を財務大臣はどう認識しているのか?
森友事件で改ざんを決定づけた佐川宣寿元財務省理財局長。そのメールは真相解明に極めて重要だ。事件で夫を亡くした赤木雅子さんは一刻も早い開示を求めていたが、財務省の担当者は3日、佐川氏のメールはないと述べた。本紙(4日発売)既報の通りだ。
5日、片山さつき財務大臣の会見でその点を質問した。他の担当者のメールはあるのに佐川氏だけないのはあまりにも不自然だ。大臣としてどう受け止めるのか? すると片山大臣は、
「電子データの検索を行った結果、佐川元理財局長が取りまとめて保存していた電子メールというものが確認されませんでした。ということは、なかったってことですね」
佐川氏のメールがないことを大臣も確認した。そして森友事件が発覚した2017年当時、国会でもこの議論があったとして、
「当時の財務省のメールサーバーは容量が限られていたことから2カ月程度(60日)で自動消去の仕組みが取られておりましたので、個人が別途他に持っていない限り全部削除されているものと想定されます」
大臣は(60日)の部分を「カッコ60日」と述べた。事務方が用意した文書通りに読んだのだろう。それにしても、その削除ルール自体おかしなことだとは思わなかったのか?
「その時はこういうことが起きるということは誰も夢にも思ってないわけですから」
■自分も財務官僚だったのに…
片山大臣はかつて財務官僚としての経験がある。削除2カ月ルールも当然知っていたはずだが、まるで他人事のような発言だ。
もう一つ、佐川氏のメールがない理由として財務省の担当者は「幹部にあまりメールをする文化がなかった」と説明した。本当にそんな文化だったのか?
「その文化についてはちょっとわからないし、個人個人で差もあると思います」
幹部にメールをする“文化がない”なら片山大臣も官僚時代の経験で知っているはずだ。しかしこの日は元財務官僚の経歴に一切触れず、最後は「想像しか私にはわかりません」と述べて会見を終えた。
一連の開示文書は、捜査で財務省が検察に任意提出したものだ。そこに佐川氏のメールがないということは、財務省は検察にも佐川氏のメールを出さず、検察もそれを承知で不起訴にしたことになる。その深刻さを財務省が踏まえているようには見えない。
(相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)
闇バイト強盗事件捜査かく乱工作で「シグナル」登録にアメリカの電話番号などを利用か専門家は「シグナル」の解析の難しさを指摘警視庁
首都圏で相次いだ闇バイト強盗事件で、逮捕された男らが犯行の指示に使った通信アプリのアカウントを作成する際、アメリカの電話番号を使い捜査をかく乱する工作をしていたことがわかりました。
去年、相次いだ闇バイト強盗事件のうち、千葉県市川市の事件で首謀者として関わったとみられる福地紘人容疑者(26)らは、けさ送検されました。
福地容疑者らは、実行役とのやりとりの際、秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」で「パトリック」などと名乗った9つのアカウントから指示していたとみられることがすでにわかっています。
その後の捜査関係者への取材で、福地容疑者らは「シグナル」のアカウントを作成する際に、アメリカの電話番号を使う偽装工作をしていたことが新たにわかりました。合同捜査本部は、国外に出ているかのように偽装し、捜査をかく乱するねらいだったとみています。
秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」。専門家は、通信履歴の解析の難しさを指摘します。
サイバー犯罪に詳しい元警察官 森雅人さん 「(LINEなどの)普通の通信アプリも暗号化通信にはなっているが、ある程度その通信を介在するサーバーの中に通信の状況が残っている。ところが、シグナルの場合はそういった状況が一切中継サーバーの中に残っていない」
合同捜査本部は引き続き、事件の全容解明に向け捜査を進める方針です。
県道のトンネルに頭から血を流した男性、病院で死亡確認…茨城県守谷市
6日午前1時40分頃、茨城県守谷市中央のトンネル内で、「路上に人が倒れている」と車で通りかかった男性から110番があった。茨城県警取手署員が駆けつけたところ、片側2車線の車道上で頭から血を流した男性が意識不明の状態で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。
同署によると、死亡したのは千葉県流山市の男性会社員(50)で、ひき逃げ事件として捜査している。
現場はつくばエクスプレス守谷駅の南西約300メートルにある、国道の下を通る県道野田牛久線・守谷トンネル内の車道。
野田立民代表、自民は「勇み足」=皇室典範改正呼び掛け
立憲民主党の野田佳彦代表は6日、安定的な皇位継承を巡り、自民党から来年の通常国会で皇室典範を改正するよう呼び掛けられたと明らかにした。その上で「(衆参両院の)議長、副議長は掌握しているのか。勇み足だ」と不快感を示した。大分市内で記者団の取材に答えた。
来年中の改正は、自民と日本維新の会の連立合意に含まれており、自民の小林鷹之政調会長が立民の馬淵澄夫代表代行に呼び掛けた。野田氏は皇族数の確保策について、自民、立民両党で一定の合意をした上で与野党協議を再開すべきだとの考えを示した。 [時事通信社]
住吉会会長を逮捕、3年半前に前会長宅から5000万円盗んだ疑い…千葉県警
指定暴力団住吉会の前会長宅に侵入して現金を盗んだとして、千葉県警が6日、同会会長の小川修容疑者(72)を窃盗と邸宅侵入などの疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、小川容疑者は2022年5月、同会の組員らと共謀して、同県柏市内の関功前会長(故人)の自宅に侵入し、室内から現金約5000万円を盗んだ疑い。小川容疑者は関前会長が同月死去したのに伴い、会長に就任していた。
元職員の女、法廷で何語る 茨城老健殺人、10日に初公判
茨城県古河市の介護老人保健施設で2020年、男性入所者2人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた元職員赤間恵美被告(39)の裁判員裁判初公判が10日、水戸地裁で開かれる。26年7月の判決を含め計60回の期日を予定。黙秘していたとされる被告が法廷で何を語るのか注目される。直接的な証拠も乏しいとされ、検察側がどう立証するかも焦点だ。
起訴状によると、老健施設「けやきの舎」で20年5月30日、鈴木喜作さん=当時(84)=に、20年7月6日には吉田節次さん=当時(76)=に点滴用チューブにつないだシリンジ(注射筒)で空気を注入し、空気塞栓症による急性循環不全にして殺害したとしている。殺人容疑での逮捕は21年12月だった。
2人の死亡はシリンジで空気を注入されたことに起因するのか―。公判では医学的な客観証拠に加えて、同僚の目撃証言への信用性が評価される見通しだ。検察側は、関係者の証言など状況証拠を積み上げて立証するとみられる。
捜査関係者によると、被告は捜査段階で黙秘。
ホスピス住宅、医師に不適切要求 虚偽の病名や過剰な訪問回数
末期がんや難病患者向けの有料老人ホームなどで、入居者への訪問看護について医師が指示書を発行する際、ホーム側に都合のいい虚偽の病名や過剰な回数を書くよう不適切な要求をされたとの回答が4割に上ることが6日、日本在宅医療連合学会の調査で分かった。
こうしたホームは「ホスピス型住宅」と呼ばれ、近年各地で急増。入居者向けの訪問看護ステーションを併設し、利益を目的とした不正・過剰な診療報酬の請求が横行していると指摘されていた。今回の調査で実態が裏付けられた形だ。現場のケアの質に対する医師の評価も低かった。
調査は同学会が10~11月、会員の医師約3400人を対象に実施。約490人が回答した。
訪問看護の実施には入居者について主治医の指示書が必要。「指示書に記載する病名に手心を加えるよう求められたことがあるか」尋ねると、40%が「ある」と答えた。「頻繁な回数や複数人での訪問が必要」と書くよう求められた経験も、37%が「ある」と回答した。多数回や複数人での訪問をすると、ホーム側に入る診療報酬はその分増える。
「日本に住み続けたかった」クルーズ船で入国の中国籍男性逮捕 福岡
上陸許可期間を超えて日本に滞在したとして福岡県警臨港署は5日、住所、職業いずれも不詳で中国籍の男性(21)を入管法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕した。男性はクルーズ船で入国しており「日本に住み続けたかった」と容疑を認めているという。臨港署は詳しい経緯を調べている。
逮捕容疑は3日、上陸許可期限を同日までとする上陸許可証の交付を受けて博多港(福岡市)から入国したが、そのまま在留期間を超えて残留したとしている。
臨港署によると、男性が乗ってきたクルーズ船の代理店から3日、「(男性が)船に戻って来ない」と110番があった。クルーズ船はそのまま出港したが、県警が防犯カメラで男性の顔や服装を確認して捜査していたところ、5日に博多港のクルーズ船乗り場に男性が現れたため、身柄を確保した。
クルーズ船は中国発着で韓国・済州島を経由して博多港に入港。出港後は中国・上海に向かう航路となっていた。【平川昌範】
勾留中の男、病院7階から12時間の逃走劇…カーテン越しの監視中に窓から逃げたか
5日未明、静岡県伊豆の国市の「順天堂大学医学部付属静岡病院」から、勾留中に入院していた住居不定、無職の被告(54)(傷害罪などで起訴)が逃走した。県警は約12時間後の午後2時頃、三島市内で被告を確保し、逃走容疑で逮捕した。県警が、監視態勢や当時の対応に問題がなかったか調べている。
県警によると、被告は5日未明、病院7階の個室から逃走した疑い。監視にあたっていた警察官が気づかないうちに逃げ出したとみられる。容疑を認めている。
個室の窓が全開しないようにするストッパーが壊されており、窓から逃げたとみられる。午前2時過ぎには、病院近くの防犯カメラに歩道を歩く様子も映っていた。
被告は三島市内の国道を箱根方面に向かっているところを確保された。被告につけられていた手錠は完全に外され、袋のようなものに入れて所持していた。
被告は9月、富士宮市のスーパーで食料品を盗み、警備員にけがをさせたとして強盗致傷容疑で富士宮署に逮捕され、常習累犯窃盗と傷害の罪で静岡地裁沼津支部に起訴されていた。11月28日、箸で自分の腹を刺してけがをして入院し、5日に退院する予定だった。
被告は、入院していたものの勾留は継続されており、警察官による対面の監視が必要な状態だった。県警留置管理課などによると、5日は富士宮署員2人が病室のカーテン越しに交代しながら監視していた。署員が、午前1時15分頃に被告が個室内のトイレに行って戻ったのを確認した後、午前4時頃にカーテンを開けると不在になっていた。
同課の担当者は「常時最低1人が監視していた」とした一方、逃走を許した理由や状況については「確認中」としている。発生原因などの検証結果を公表するかは「結果を踏まえる」とした。
県警の加藤悟総務部長は「誠に遺憾。医療機関と県民の皆様に多大な迷惑・心配をかけ、組織として深くおわびする」とコメントした。
伊豆の国市では、小中学校全9校を臨時休校としたほか、図書館や体育館など約20か所の公共施設についても休館。隣接する伊豆市でも小中学校全校で、下校時に児童や生徒を保護者に直接引き渡した。
病院に見舞いに来ていた主婦(74)は「娘から気をつけてと連絡をもらった。ひとまず逮捕されて安心した」と話した。