消費税0%案はいつの間に1%案になったのか…高市総理が”悲願”をわずか4カ月で取り下げた理由

食料品の消費税ゼロ化を衆院選公約とした高市早苗首相(自民党総裁)が、来年春から税率を「1%」とする案で妥協を図る構えを見せている。表向きはレジのシステム改修に時間を要するというのが理由だが、減税に伴う財源探しに加えて金利上昇を招くリスクは避けたいとの本音が透けて見える。減税策には評価する声があるものの、2月の衆院選公約がわずか4カ月で方針転換されることに厳しい視線が送られているのも事実だ。はたして、「1%」案はこのまま本当に実現するのか―。
【画像】消費税0%がいつの間にか「1%」にすり替わった”表向きの理由”
0%がいつの間にか「1%」にすり替わり…
「ゼロを1%にするのはブレている」「レジ改修が間に合わないことは全く言い訳にならない」
中道改革連合の階猛幹事長は6月4日、食料品の消費税減税をめぐり政府・与党内で「1%」案が有力となっていることを痛烈に批判した。
国民民主党の玉木雄一郎代表も超党派の「社会保障国民会議」において検討中である点を踏まえ、「(国民会議ではまだ)ほとんど議論していない」と慎重姿勢を見せる。
野党が反発するのは無理もない。そもそも、高市首相が率いる自民党は2月の衆院選で「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」と公約した。
選挙後、野党に呼び掛ける形で「国民会議」はスタートしたが、それがいつの間にか政府内で「1%」にすり替わっているのだ。
消費税ゼロ化が「私自身の悲願」と語った高市首相
首相は「時間を要する(レジの)システム変更をできるかぎり早期に実施できる方法も検討しつつ、その実現に向けて強い思いを持って取り組んでいく」と理解を求める。だが、そもそも今年1月に消費税ゼロ化が「私自身の悲願」と言ったのは高市首相自身である。
2025年5月には「国の品格として食料品の消費税率は0%にするべき」と発言していたはずだ。
首相は物価上昇局面において「給付付き税額控除を実施するまでの2年間」に限定した策であると言っているが、国民民主党の古川元久税制調査会長は「つなぎとして消費税減税を行う必要はないのではないか」と指摘し、玉木代表は「住民税の減税と社会保険料還付の組み合わせがベスト」と主張している。
だが、高市首相は「できない理由ではなく、できる方法について知恵を絞ってもらう」と語った。
「悲願」はなぜ、わずか4カ月で崩壊したのか
高市首相は6月末にも最終判断を下した上で今秋の臨時国会に関連法案を提出する構えだ。2027年4月にスタートするスケジュールを描く。
首相の「悲願」はなぜ、わずか4カ月で崩壊したのか。6月3日、経済産業省は社会保障国民会議に「参考資料」を提出している。
それによれば、バーコードから販売時に商品情報を読み取り、POSシステム(Point of Sales)に連携する「ターミナルPOSレジ」は約70万台、タブレットやスマホなどをレジ端末として利用する「モバイルPOSレジ」(スマートレジシステム)は約30万台、キーボードなどを手動で操作し、出入金管理を行う「ガチャレジ・メカレジ」は50万台前後、それぞれ存在している。
だが、現在は「税率ゼロ」の入力ができないシステムが存在し、消費税が「0円」のものは非課税扱いにされ、0%対象の価格を記載したインボイスを発行できないシステムがある。
このため、「0%対応」に向けた大規模改修をするには最大10カ月~1年程度が必要になるという。これが「1%への引下げ」であれば、必要期間は5カ月~6カ月程度でレジのシステム改修が完了するとしている。
「国民会議」は本当に必要だったのか
経産省はシステムメーカーの見解として報告しており、それを否定するつもりはない。だが、腑に落ちないのは高市首相がこれまで語ってきたことと大きな齟齬がある点だ。
首相は衆院選公示日の前日となる1月26日、日本記者クラブ主催の公開討論会で食料品の消費税を2年間ゼロにする考えを表明。実施時期については、超党派の「国民会議」で結論がまとまれば今秋の臨時国会に税制改正関連法案を提出したいとの意向を示した。
だが、先に触れたように「1%」案に野党は慎重・反対姿勢を崩しておらず、何をもって「結論」と6月末に位置づけるつもりなのかわからない。
そもそも、政府内で「1%」案を最初から提出する考えだったならば、「国民会議」という存在は不要だったことになる。付け加えれば、高市首相の消費税減税をめぐる言動はブレまくってきた経緯がある。
高市首相は昨年10月、自民党総裁に就任した際に消費税減税に関し「選択肢としては放棄するものではないが、すぐに対応できることを優先したい」と述べていた。同11月には国会答弁でレジのシステム改修などに一定の期間がかかることにも留意すべきだとも説明した。
「責任ある積極財政」と相性が悪かったという点
さらに、12月23日の日経新聞インタビューにおいては「物価高対策としては即効性がないと判断した」と答えている。
しかし、今年1月19日の記者会見で首相は「物価高に苦しむ中・低所得の皆様の負担を減らす上でも、軽減税率が現在適用されている飲食料品について2年間に限り消費税の対象としない」と語っている。この間、わずか1カ月しか経っていない。そして、公約で「ゼロ」を掲げていたにもかかわらず、衆院選から約4カ月後にはいつの間にか「1%」と修正している始末である。
そもそも、「ゼロ」とするためにどれくらいのシステム改修期間が必要なのか調べてもいなかったのか。この半年近くは何だったのかと思いたくもなるだろう。
ましてや、一国のトップが「悲願」とまで言い切ったのに、その程度の認識しか持っていなかったことに呆れてしまう人も少なくないはずだ。これでは「国の品格」が疑われる。
1つだけ同情するとすれば、高市内閣が誕生したタイミングは自身の掲げる「責任ある積極財政」と相性が悪かったという点だろう。首相は、衆院選大勝直後の記者会見で消費税減税に関し「2年分の財源を確保した上で、できるだけ早く実現できるよう知恵を絞っていく」と語り、財源には補助金や租税特別措置見直しで賄う意向を示した。
減税には5兆円近い財源が必要とされ、財政状況の悪化懸念
減税には5兆円近い財源が必要とされ、財政状況の悪化が懸念されていることを踏まえた発言だろう。特例公債の発行に依存しない姿勢も繰り返している。
だが、足元では財政悪化懸念やインフレをにらみ、5月18日の東京債券市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時2.800%に上昇。1997年5月以来29年ぶりの高水準となった。円や国債が売られるリスクを抱え、ドル円相場も1ドル=160円前後と下落傾向にある。
加えて、日本銀行は6月16日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決めた。1995年9月以来31年ぶりの高水準となる見込みだ。
利上げは長期金利上昇を招き、住宅ローンの返済額のみならず国民生活に打撃を与える可能性もある。来年春からの消費税減税が現実味を帯びれば、さらなる金利上昇や円安進行につながるリスクがあり、それに連動する形で物価高に拍車をかけないとも言い切れない。
「来年春」というタイミングは首相にとっても都合が悪い
先に触れたように、高市首相は1月の記者会見で「物価高に苦しむ中・低所得の皆様の負担を減らす」としていたものの、このタイミングで消費税減税を実施し、国民民主党が唱えるような対策を講じなければ、物価や金利上昇によって国民の負担がかえって増大するかもしれないのだ。
消費税減税について、首相は「給付付き税額控除を実施するまでの2年間」に限定した策であると言っているが、実施のタイミングを見誤れば国民生活にとって良いことだらけとはならないはずだ。
あえて付け加えれば、「来年春」からの減税実施というタイミングは首相にとっても都合が悪いと言える。
食料品の消費税率「1%」案については、中道改革連合や国民民主党などが反対・慎重であると記したが、首相にはもう1つの「悲願」があるためだ。それは、自民党の党是でもある「憲法改正」である。
高市首相は4月の自民党大会で「立党から70年、時は来た。国会で議論を進めていこう」と呼びかけ、憲法改正の発議について2027年春までにメドをつけたい意向を示した。
だが、自民党は改憲を発議できる条件となる衆院で3分の2以上の議席を得たが、参院は連立政権を組む日本維新の会の議席を足しても過半数割れしている。
消費税減税をめぐる国民民主党とのスタンスの違いが障壁
そのため、自民党の麻生太郎副総裁や萩生田光一幹事長代行らは「政策的にも非常に近い」と国民民主党に連立入りを含めた秋波を送っている。
改憲をにらんだ布石を打ち始めているわけだが、ここで消費税減税をめぐる国民民主党とのスタンスの違いが障壁となる。
加えて、高市首相は鈴木俊一幹事長に衆院の議員定数削減をめぐり比例代表のみ45議席削減する案で意見集約を図るよう指示したが、この案に対しては国民民主党の玉木代表が「自民、維新に有利な中身で出してくるということであれば、我が党のみならず他の野党もなかなか『はい、そうですか』とはならない」と否定的だ。
消費税減税と議員定数削減という「2つの壁」を取り除かない限り、連立入りを含めた交渉は実を結ばないだろう。
すなわち、それは首相の「悲願」である憲法改正は遠のくということだ。ただ、高市首相は消費税減税をめぐり従来の発言を二転三転させてきた。
「つなぎとして消費税減税を行う必要はないのではないか」と修正が入るのか
仮に、改憲や連立入りに関して国民民主党の理解を得られる可能性があれば、今秋の臨時国会で関連法案を審議する際にさらなる「妥協」をすることも考えられる。逆に言えば、国民民主党は自らの政策や主張を採り入れてもらえる絶好のチャンスを迎える。
玉木代表が言うように「住民税の減税と社会保険料還付の組み合わせがベスト」となるのか、古川税制調査会長が指摘している通り「つなぎとして消費税減税を行う必要はないのではないか」と修正が入るのか。
まだまだ食料品の消費税率をめぐる先行きは不透明と言えるのではないか。いずれにしても、日銀の利上げ見込みや金利上昇、物価高は国民生活に直結する。高市首相には「ブレる」ことなく、生活を守り抜いてもらいたい。
文/竹橋大吉

徳島県・後藤田正純知事に振り回されて宙に浮く「県立ホール計画」 “工事費半額”の公約が看板倒れで大混乱、設計者の石上純也氏の展覧会も中止に追い込まれ批判高まる

今、徳島県が県立ホールの建設計画をめぐって揺れている。後藤田正純・知事による不当な圧力の疑惑が浮上し、大混乱に陥るなか、県立ホールの設計を担った世界的建築家・石上純也氏が本誌・週刊ポストに覚悟の告発をする。【前後編の前編】
後藤田知事の登場で一変した事態
「私は後藤田知事と喧嘩したいわけではありません。ただ、深い思いがあって書き上げてきた図面が、誰の目にも触れずに葬り去られてしまうのはとても悲しくて苦しい。純粋に展覧会で作品を見てもらいたかった」
そう語るのはヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞など国内外で数々の賞を受賞している世界的な建築家・石上純也氏だ。
徳島県では今、石上氏らのチームが設計した「徳島芸術文化ホール」を主要テーマに6月1日から開催予定だった「石上純也展覧会」が県の要請で中止に追い込まれ、後藤田知事のやり方に批判が高まっている。
発端は県が進めていた同ホール建設計画を知事が中止させたことだ。
徳島県は県内に座席数1500以上のホールがないことから県立ホールの建設を計画。石上氏を中心とする設計者チームがまとめた1800席の大ホールや小ホール(300席)を備えた「徳島芸術文化ホール」のプロポーザル案(企画提案)を採用し、2021年に石上氏や熊谷組などのJVと約194億円で建設する基本協定を結んだ。石上氏らはその後2000枚に及ぶ実施設計図面を書き上げ、工事の見積もりも取って工務店も決まり、2026年9月の開館を目指していた。
後藤田氏の知事当選で事態が一変
ところが、2023年の徳島県知事選で「工事費と工期を半分に抑える」と訴えた後藤田氏が当選すると、事態は一変する。
後藤田知事は石上氏らとの基本協定を残したまま、建設予定地を変更して新たな県立ホールを建設する計画を打ち出したからだ。県は「1500席」の新ホールの概要案をまとめ、2025年に事業費約162億円を上限に設計と施工を一括で行なう事業者の公募を2回行なったが、参加する業者がなかった。
そこで後藤田氏は「建設資材や人件費の高騰」を理由に事業費を見直し、さらに施工業者を外し、「基本・実施設計業務」に限定して今年3月から3回目の公募を行ない、設計事務所5社が応募して審査中だ。
新たな事業費について後藤田氏は今年2月の県議会で「現時点での工事費が200億円に及ぶ」との想定を明らかにしている。「工事費を半分にする」と公約しながら、結局、出てきたのは座席数を減らし、工事費は下がらない案となったのだ。
県は石上氏らとの基本協定を破棄していないため、現在、徳島県には「石上案」と「後藤田案」の2つのホール建設計画があることになる。
そこに起きたのが「石上純也展」中止事件だ。
▼▼▼後編記事▼▼▼
【つづきを読む→】徳島県立ホール計画をめぐる混乱に拍車をかける後藤田正純・知事の対応
※週刊ポスト2026年6月26日・7月3日号

《ルフィ事件裁判》“特別な捨て駒”だった実行役の告白 「これ全部持ち逃げできるもんだったらやってみろよ。お前の実家に火つけてやるからよ」――裁判で明かしたルフィからの脅迫

今年5月14日に栃木県上三川町の一軒家で女性が殺害された強盗殺人事件では、実行役の高校生4人(いずれも16歳)がすぐさま逮捕された。のちに日本側の指示役とされる20代夫婦も逮捕されたが、夫婦に強盗を主導したとされる益田和彦容疑者(48)は事件3日後に東南アジアに逃亡。現在、公開手配中だ。5月30日には18歳の高校生が職業安定法違反容疑で逮捕されている。実行役を勧誘するリクルーター役を務めた可能性があるという。
本事件は「匿名・流動型犯罪グループ」いわゆる「トクリュウ」による事件とみられている。犯罪ごとに離合集散を繰り返し、匿名性の高いアプリ等でやりとりすることが特徴だ。このトクリュウによる強盗の存在と恐怖を日本中に知らしめたのは、2022~2023年にかけて各地で発生した「ルフィ」らを指示役とする「広域強盗」であろう。ノンフィクションライター・高橋ユキ氏がレポートする。
「捨て駒の中でも特別」
当時の一連の事件では、SNSでの「闇バイト」を募集する投稿によって集められた実行役らが「ルフィ」を名乗る指示役らとつながり、日本各地で強盗を敢行していた。幹部4人はフィリピンのビクータン収容所でスマホを用い、日本の実行役をリクルート。秘匿性の高いアプリで強盗を指示し、得た金をフィリピンに送金させていた。
今年5月、「ルフィ」を指示役とする強盗に関わった日本側メンバーの裁判員裁判が開かれていた。そのメンバーは、他の実行役が「捨て駒の中でも特別」と称するほど「ルフィ」との関係の深さが際立っていた。
フィリピンの指示役による広域強盗事件において、「ルフィ」を名乗る指示役と密接に繋がり、実行役の送迎や強奪品の売却など、日本側での後方支援を担っていた大古健太郎被告(37)である。5月28日に東京地裁で開かれた大古被告の裁判員裁判の判決公判で、江口和伸裁判長は求刑通りの懲役23年および罰金50万円を言い渡している。
匿名流動型グループが日本国内で強盗を敢行する際は、末端の実行役が家に押し入り、家人に暴力を振るうなどして脅す。こうした犯罪行為によって実行役が金品を奪ったとしても、指示役がその犯罪収益を得るためには、換金や運搬を担う人材が必要になる。まず時計や貴金属など、金目のものを奪った際はそれらを買取ショップで換金し、合計額を正しく計算したうえで指示役に報告。指示通りに犯罪収益を分配し、それぞれを指定の場所に届ける……そんな地味で負担の大きい作業を実直に、また持ち逃げもせず、逮捕されるまで遂行してきたのが、大古被告だった。

【速報】「クマに襲われた」男性が頭部や顔面から出血 近畿で今年度初めての人身被害か 奈良・下北山村

警察によりますと、17日午前4時40分ごろ、奈良県下北山村で男性から「クマに襲われた。家の外にトイレがありトイレから出るとクマがいて襲われた」という旨の110番通報があったということです。 男性は村内の住宅に住む60代とみられ、頭部や顔面から出血しているといい、意識があり歩ける状態で病院に搬送されました。 警察は通報を受け村と連携してクマの捜索にあたっているほか、村は住人に向け防災無線でクマの出没を伝えたということです。 近畿では今年度、クマによる人身被害は初めてとみられます。

阿部慎之助前監督が不起訴処分に。山口真由氏が突く、13万人署名に揺れた「SNSの過剰介入」の罠

5月25日に自宅で長女に暴行を加えたとして現行犯逮捕され、その後書類送検されていたプロ野球・巨人の前監督、阿部慎之助氏は、6月15日に不起訴処分となった。阿部氏は同日、代理人を通じて声明を発表し、家族や関係者、ファンに謝罪するとともに、軽率な行為だったと反省の意を示した。5月の逮捕時、阿部氏は姉妹げんかを止めようとして口論となり、長女を押し倒した疑いを認めていたが、事件は処分の決着をみた形だ。とはいえ、家庭内の暴力に社会がどう介入すべきかという問いは、なお重く残っている。信州大学特任教授の山口真由氏は、阿部慎之助氏が不起訴となったことで事件は一区切りついたが、家庭内暴力に行政がどう介入すべきかという論点は残されたままだとみる。そのうえで、被害者の安全確保までは一定の「拙速な過剰介入」は許容されても、その後は「事実を見極めるという意味の巧遅」が必要だと訴える(以下、山口氏の寄稿)。◆逮捕万能論にも限界がある先月、18歳の長女の胸ぐらをつかんで押し倒した疑いで現行犯逮捕された阿部慎之助巨人軍前監督は「寛大処分」の意見付きで書類送検された。チャットGPTの助言を受けて児童相談所に相談した──。そう告白した長女の手紙にはインパクトがあり、現代の宿痾の象徴として注目を集めた。だがもしこれが例えばアメリカのアラスカ州とかコロラド州なら、阿部氏は間違いなく逮捕である。長らく“プライベートな問題”と扱われてきたDV(家庭内暴力)に光が当たったのは、全米で女性の権利を求める動きが活発化した’70年代のこと。そしてDVに対する警察の対応が再犯率に与える影響を検証した1984年のミネアポリス実験は、DV加害者を逮捕する/被害者と引き離す/助言を与えるという3択の中で、逮捕がその後6か月間の再犯率を有意に減少させたと結論づけた。「よっしゃ、全員を取っ捕まえろ!!」ということで、’90年代にかけてアメリカの多くの州で、DVでの逮捕が「義務」になる。つまり、いかに家族が嘆こうと、現場に駆けつけた警察官に裁量の余地は一切なく逮捕されるのだ。話はこれだけでは終わらない。仮に自己防衛のため、長女も引っかくなりすればアメリカでは「双方逮捕」、つまり阿部氏のみならず、被害者的立場の長女もまとめてしょっ引かれる可能性がある。実際、義務的逮捕が導入された’80年代後半から’90年代にかけて、自らの身を守っただけの女性の逮捕が相次いだ。

無許可で為替取引行う「地下銀行」で特殊詐欺被害金の資金洗浄か、中国籍の男ら3人逮捕

無許可で為替取引を行う「地下銀行」を営むなどしたとして、警視庁が、東京都豊島区西池袋、専門学校生(26)ら中国籍の男2人を銀行法違反容疑で、新宿区上落合、無職の容疑者(27)を詐欺容疑で逮捕していたことが17日、捜査関係者への取材でわかった。逮捕は8~15日。
同庁は3人が同じグループで、在日中国人らから受け取った中国元を、特殊詐欺の被害金の日本円と交換し、マネーロンダリング(資金洗浄)をしていたとみている。
捜査関係者によると、専門学校生ら2人は昨年6~12月、中国籍の男子留学生に計約5万中国元(約120万円)を電子決済サービス「アリペイ」で送金させた代わりに、新宿区のマンション一室で5回にわたり計約120万円を手渡し、無許可で為替取引を行った疑い。無職の容疑者は昨年6月、沖縄県の80歳代女性に警察官を装い電話をかけ、現金500万円を詐取した疑い。
男子留学生は中国元を日本円と交換するため、中国のSNS「微信(ウィーチャット)」で専門学校生らの海外に住む知人と連絡を取り、アリペイの指定された口座に中国元を送金していた。その後、この知人の指示で新宿区内のマンションを訪れ、室内にいた専門学校生から日本円を受け取ったという。中国元計120万円分を交換した際の手数料は約2万円だった。
同庁は1月までに、特殊詐欺などを行ったとして中国人グループを摘発。その後の捜査で、このグループが専門学校生らの拠点とみられる新宿区や豊島区内のマンションに、2件の詐欺事件の被害金計約640万円を持ち込んでいたことが分かった。
新宿の拠点からは多額の現金が押収されており、同庁は3人が他のグループからも特殊詐欺の被害金を受け取り、資金洗浄を請け負っていたとみている。

公園で10代前半の少女に性的暴行か さらに行為を動画撮影した疑い…25歳会社員の男を再逮捕 SNSで知り合い、初対面で犯行

札幌市西区の公園で、10代前半の女の子に性的暴行を加え、その行為を動画撮影したなどとして、25歳の男が逮捕されました。
不同意性交等、性的姿態等撮影、児童買春などの疑いで逮捕されたのは、札幌市中央区に住む会社員、山本親楽容疑者(25)です。
山本容疑者は6月15日午前8時半ごろ、札幌市西区の公園内で、10代前半の女の子に性的暴行を加え、その行為を動画で撮影した疑いが持たれています。
警察によりますと、山本容疑者と女の子はSNSで知り合い、この日初めて会ったということです。
警察の取り調べに対し、山本容疑者は「間違いありません」と容疑を認めています。
山本容疑者は、苫小牧市ウトナイの一般住宅で、下半身を露出した公然わいせつの疑いで5月26日に逮捕されていて、余罪を捜査している中で今回の事件が発覚しました。
警察は、動機や目的などを引き続き捜査しています。

梅雨前線の接近で九州は強雨 夜は雨の範囲が東に広がる

今日17日(水)は梅雨前線の北上に伴って九州を中心に朝から雨が降り、一部では強く降っています。夜にかけて雨の範囲は東に広がり、そのほかの西日本や東日本の太平洋側で雨の降る所がある見込みです。
1時間に50mm以上の非常に激しい雨を観測
梅雨前線は九州のすぐ南まで北上してきました。前線に向かって暖かく湿った空気が強く流れ込むことで雨雲が発達し、一部に強い雨を降らせています。

未明には鹿児島県奄美地方の伊仙町で1時間に51.0mmの非常に激しい雨を観測。種子島や屋久島でも早朝に30mm前後の雨となりました。朝になって九州本土にも活発な雨雲が広がり、9時00分までの1時間には鹿児島県肝付町・内之浦で12.0mm、志布志市で11.5mmの雨を観測しています。

8時50分の時点で沖永良部島の和泊町と知名町にレベル4の土砂災害危険警報、種子島の西之表市にレベル3の土砂災害警報が発表中です。
西日本~東海は太平洋側で雨が降り出す
活発な雨雲は東に移動し、鹿児島県本土の雨は午後には小康状態となる見込みです。

一方で、四国や近畿、東海の太平洋沿岸では夜にかけて雨の降り出す所が多くなります。活発な雨雲は大部分が海上を進むため、強く降る可能性は低いものの、外出の際は雨具をご用意ください。

また、梅雨前線はやや南下するため、奄美地方を中心に活発な雨雲が通過しやすくなります。午後も1時間に30mm以上の激しい雨の降るおそれがあるため、道路冠水や土砂災害などに警戒が必要です。
写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

救急隊員への暴行相次ぐ 5時間出場不能となったケースも

救急隊への妨害行為が、命を救う現場に深刻な影響を及ぼしています。
東京消防庁は6月16日、救急隊員への暴行や救急車両の損壊など、救急活動を妨げる行為が相次いでいるとして、都民に理解と協力を呼びかけました。
同庁によると、2026年の救急車出場件数は過去最多を上回るペースで増加。その一方で、救急隊への妨害行為も増えており、救急活動の中断や救急車が出場できなくなる事案も発生しているそうです。

救急隊への妨害行為は、2021年から2025年までの5年間で107件発生。
2026年も5月末時点で15件確認されており、前年の同じ時期を上回るペースとなっています。内訳は、人身被害が7件、物損が4件、その他が4件です。

妨害行為には、救急隊員への暴力や暴言のほか、救急車や資器材を壊す行為などがあります。こうした行為の影響は、車両や資器材の破損、隊員のけがだけにとどまりません。
対応中の救急隊が出場できなくなると、その分、別の救急隊が対応にまわる必要が生じます。結果として、ほかの現場への到着や、医療機関への搬送が遅れるおそれもあります。
実際に5月には、救急隊員が傷病者から暴行を受ける事案が相次ぎ、救急活動に影響が出る事態となりました。
屋外で倒れていた傷病者を救急隊員が観察していたところ、傷病者が突然激高。救急隊員を執拗に追いかけ、「殺すぞ」「ナイフで刺すぞ」などと脅したうえ、十数回にわたって殴る、蹴るなどの暴行を加えたとされています。
この事案では、救急隊員が顔から出血するなどのけがを負い、着用していた眼鏡も破損。制止に入った別の救急隊員も蹴られるなどして負傷しました。2人は別の救急隊によって医療機関へ搬送されています。
この影響で当該救急隊は約5時間にわたり出場できない状態に。追加で救急隊2隊、現場確認を行う消防隊2隊の計4隊に加え、警察官も出場して対応にあたりました。加害者は、その場で現行犯逮捕されています。
また別の事案では、屋内で傷病者を観察していた救急隊員が、傷病者からあごを殴られました。被害にあった救急隊員は消防署に戻った後、医療機関を受診しています。
この事案でも、当該救急隊が約2時間出場できなくなり、追加の救急隊や消防隊、警察官が対応。加害者は現行犯逮捕されています。
その他過去には、救急隊員が腹部や顔を殴られる、噛みつかれる、頭突きされる、蹴られるといった被害のほか、傷病者の関係者から倒されたり殴られたりするケースもあったとのことです。
また、第三者からは救急車を突然叩く、ボンネットを瓶で叩く、フロントガラスを殴るといった車両への損壊行為も確認されています。さらに救急隊の携帯電話を壊す、聴診器を噛みちぎる、感染防止衣を破るといった被害もあったとしています。
東京消防庁は同日、公式Xでも「現場での処置中、複数の救急隊員が傷病者から暴行を受け、怪我を負う事件が発生しました」と報告。
「このような行為について、当庁は法的措置も辞さず、毅然と対応してまいります」としています。
救急車や救急隊員は、助けを必要としている人に一刻も早く処置を行い、必要に応じて医療機関へ搬送するために活動しています。東京消防庁は、限りある救急隊が必要な場所で迅速に活動できるよう、活動への理解と協力を求めています。
<参考・引用>

東京消防庁公式X(@Tokyo_Fire_D)

東京消防庁・報道発表資料「救急隊への妨害行為が連続発生、救急活動への深刻な影響」

高市首相、中国名指しでレアアース輸出制限に「供給網に深刻な影響懸念」…足並みそろえる必要訴え

【エビアン=田島大志、上地洋実】フランス東部エビアンで開催中の先進7か国首脳会議(G7サミット)で、高市首相は16日、「中国による対日措置が、G7や同志国のサプライチェーン(供給網)に影響を与えかねない状況を深刻に懸念している」と述べた。中国を名指しして、レアアース(希土類)の輸出制限による経済的な威圧に足並みをそろえて対抗する必要性を訴えた。
開発支援などを討議する「新たなパートナーシップの構築と国際連帯の再構築」の会合で発言した。自身が5月に表明した新たな「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想に触れ、「インド太平洋地域の自律性、強靱(きょうじん)性を高めるために、連携を拡大したい」と各国に協力を求めた。
会合後に「互恵的パートナーシップ」に関する合意文書が発表され、「重要鉱物の供給網の重要性を確認した」と盛り込まれた。