去年、全国で史上最悪の1414億円以上の被害があった特殊詐欺。被害を拡大させている大きな理由がトクリュウ=匿名・流動型犯罪グループの存在です。
警視庁は去年10月、対策の司令塔として「トクリュウ対策本部」を立ち上げました。発足から約半年…、最近の犯罪傾向やその対策はどうなっているのか。「トクリュウ対策本部」の永山貴大参事官が解説しました。
■「トクリュウ対策本部」とは?
警視庁はもとより、他の46道府県警察の精鋭捜査員を集めた新しい組織です。警視庁の長い歴史の中でも、警視庁のみならず46道府県警察が集まって仕事をするのは、例のない新しい組織だと思います。全国警察をあげて捜査力を結集して取締りを推進しようと対策本部の設置に至りました。
トクリュウには、以下のような特徴があります。
▼暴力団のような明確な指揮系統や組織を持たない ▼犯罪の首謀者が匿名化されている ▼実行犯は犯罪の種類によって、その都度募集され流動的である
最近は、 ▼特殊詐欺 ▼「闇バイト」強盗 ▼女性を性風俗店に違法にあっせんするスカウト業 ▼マネーロンダリングなど様々な犯罪を行っています。
■特殊詐欺の特徴は?
特殊詐欺はSNSや電話を通じて、不特定多数に対して詐欺を実行する犯罪ということで、誰しもが被害に遭いやすい犯罪だと思います。 近年増加している「警察官をかたる詐欺」では、しゃべっている人間の顔をAIを使って違う人間かのように加工して、それで話しかける場合があります。
また、去年の年末くらいから“ニセ社長詐欺”というのが増えています。社長になりすました被疑者が、従業員に対して『取引案件で必要になっているので現金を口座に送ってほしい』とメールでコンタクトをとった後、LINEなどのSNSに誘導し『ここの口座に送っておいて今日までよろしく』と言って実際の社長の名前を騙ってやる。振り込んでみたらウソだったということが分かるケースがあります。名刺にメールアドレスなどが書いてあり、被疑者にとって良い情報になってしまいます。ネットで調べれば社長の名前やなんてすぐわかりますから、『社長から連絡が来てるんだったら早くやらなきゃいけない』と思うのがサラリーマンの常じゃないですか、そういうところに目をつけた詐欺っていうのも増えてきています。
去年は警視庁だけで600人弱の検挙者がいますが、大半が末端の被疑者です。「闇バイト」でお金が稼げると思って応募するわけですが、結局お金を払ってもらえなかったりとか、捕まって実刑を受けたりと、使い捨てにされています。
■匿名通報ダイヤル
匿名通報ダイヤルという電話やインターネット上で通報者が匿名で通報できる窓口がございます。本当に犯罪組織の壊滅に繋がるような情報をいただけた方には最大100万円が出るような仕組みになっています。
■「闇バイト」募集への警告
「闇バイト」はSNSなど様々な媒体を通じて募集が行われています。SNSで「闇バイト」を募集しているような情報を警察で検知して、それに対して「このSNSの書き込みは闇バイトの募集に当たります」とリプライする形で警告をするという対策を講じています。
■特殊詐欺電話への注意喚起
警視庁から民間企業に委託し、各家庭に特殊詐欺の注意喚起を行う電話をかける事業をやっています。
特殊詐欺の電話は、出てしまった時点で危ないということを広く知っていただきたいと思っています。出てしまうと犯人は言葉巧みに電話を切らせないようにしてきます。
まず知らない電話番号から電話が掛かってきたときには、一番効果的でシンプルな対策は「電話に出ない」ということです。もう一つは、留守番電話で一回受けて、相手のメッセージを確認するという方法もあります。
■防犯アプリ「デジポリス」
特殊詐欺に使われている電話番号、あるいは国際電話というものをブロックできる機能を搭載した「デジポリス」というスマートフォン用のアプリを無料で展開をしています。
犯行に使われた電話番号に関しては日々更新されています。こういったものについては警視庁の方でデータベース化をして、ブロックすべき電話番号として日々アップデートをしている状況です。犯行の電話の多くが国際電話から掛かってくることが多くあるので、国際電話そのものをブロックする機能というものもデジポリスには搭載されております。
■バイト募集では隠語に注意!実は、それ「闇バイト」かもしれません
例えば…
受け子→U 出し子→D
「UD募集」と書かれていると「受け子と出し子の募集」の可能性があります。ただ、この隠語はすぐに変わります。かつては「UD案件」というのがありましたが、今は廃れてきています。どちらかというと本当に「闇バイト」かどうかも分からないような、「運ぶだけですよ」とか「口座を作っていただくだけでいいんです」といった言葉が使われています。
■トクリュウは「社会の敵」
トクリュウは、マネーロンダリングから、女性を性風俗に売るような仕事まで、とにかく金儲けのためだったら何でもやります。違法に金儲けをする集団です。トクリュウは「社会の敵」という気運を高め、警察としては本当に悪いやつ、すなわち「首魁」、グループの中核的人物の摘発をしっかりとやっていくということが求められていると思います。
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平井伸治知事が小池都知事に「すぐにやるおばさん」と女性軽視発言 “失言ワード”のアップデートが必須
鳥取県の平井伸治知事が18日、県議会での答弁において東京を引き合いに出すなかで「おばさん」と発言。一部の議員から議事録からの削除を求められる事態となった。
県議会事務局によると、平井知事は人口減少対策として県内で生まれた子ども1人当たり1000万円の現金給付を提案した議員への答弁で、「東京だったら、すぐにやるおばさんがいらっしゃるかもしれません」と表現。
この発言が、東京都の小池百合子知事を指したと受け止められ、別の議員が「女性蔑視にあたるのではないか」と指摘し、議事録から発言の削除を求めた。
翌19日、渦中の小池知事は定例記者会見で、平井知事の「おばさん」発言について、「知事自らが先頭に立って、こうした『おじさん発言』をしているからこそ、女性がその土地に希望を持てなくなる」との不快感を示した。
さらに、「何か答えるのもむなしい感じがする」としたうえで、「トップとして、女性に対していろいろな思いを伝えることは影響が大きい。よくご注意なさった方がよい」と警告した。
平井知事をめぐっては、2018年にも税収の偏在是正措置に関する全国知事会での議論の中で、「母の慈愛の心を持って」と小池知事を茶化すかのような発言をしている。後日、癪(しゃく)に障った小池都知事が「母としてどうのこうのと言われ、すごく傷ついた」と怒りをにじませ、平井知事が謝罪に至ったという“因縁”がある。
小池知事とは“犬と猿”のような関係ともいえる平井知事だが、県民からは絶大な支持を得る。昨年12月には、全国初となるSNSでのひぼう中傷や差別的な書き込みをした投稿者に削除を命じる鳥取県の改正条例が成立。従わない場合に5万円以下の過料を科す。平井知事は国の「情報流通プラットフォーム対処法(情プラ法)」に削除命令規定はなく、「政府でも対応してほしい」と訴え、全国で問題となっている“ネットの闇”にいち早く手を打った。
だが、ネット上では平井知事の冒頭発言に対して「これは女性軽視発言」「どんな理由があろうと議会という公式の場で、他の都道府県の首長をおばさん呼ばわりすることは不適切極まりない」「言葉にも服装同様にTPOがある。とくに昭和世代の男性は気をつけてほしい限り。時代に合わせてアップデートの教育も必要と感じる」といった非難の声が後を絶たず、女性から敵視される羽目となった。
平井知事の発言は悪意を持って発言したようには感じないが、ついポロッとでは通じないのが現代。昨年末の「ネット・SNSの脅威から子どもを守る」条例改正・罰則新設では評価されたが、今回の発言で世の女性を敵に回してしまった形となり、非常に残念に尽きる。これを機に“失言ワード”の知識も身につけてほしい限りだ。
《皇族費1億円超支給もなぜ?》秋篠宮家「お金が足りない」発言に宮内庁も困惑
「昨年の秋ごろに耳に入ったのですが、秋篠宮ご夫妻がしばしば“お金が足りない”とこぼされているというのです。ただ、皇嗣家となられてお手元金も増額されたはずなのに“なぜ足りないのか……”と、職員の間でも困惑の声が上がっています」(宮内庁関係者、以下同)
お住まいの整備費用が合計50億円近くかかった
皇室の方々には毎年、プライベートで自由に使えるお金が支給される。
例えば、内廷皇族の上皇ご夫妻と天皇ご一家には、「内廷費」として合わせて3億2400万円。現在4人で構成される秋篠宮家には「皇族費」として1億2505万円と、「皇室経済法」で金額が定められている。
「お手元金とも呼ばれる、いわば完全なポケットマネーです。各皇族が食費や被服費、私的な旅行や交際費に充てられています。職員が少ない宮家では、私的に身の回りのお世話をするお手伝いさんを雇うことも。しかし、秋篠宮家には現在、約50人もの職員がおり、人員不足の状態とは到底思えません」
近年の物価高を受けて、’26年度予算から内廷費と皇族費を30年ぶりに引き上げる案が検討されたが、国民生活への配慮などから見送られた。皇族の方々もインフレの影響が少なからずあるのだろうか。
「インフレの影響で値上がるような人件費や公務にかかる諸費用、邸宅の光熱費や維持費、車のガソリン代などは公費となるため、皇室の方々にとって大きな影響はないはず。秋篠宮家の職員は50人と大所帯ですが、給与はすべて公費でまかなわれます。仮に給与水準が上昇しても、秋篠宮家の経済状況が圧迫されることはありません」
加えて、栃木県にある御料牧場の生産品について秋篠宮家は内廷皇族と同じ扱いを受けているという。
「御料牧場では、天皇ご一家の食事や宮中晩さん会で使用される肉や牛乳、卵、野菜などを生産しています。他の宮家でも有償で生産品を購入することが可能ですが、秋篠宮家は“無償”で提供されているそうです。いくら皇位継承資格を有するお二方がいらっしゃるとはいえ、まだ秋篠宮家は内廷ではありません。それなのに、なぜ生産品が無償であるかの理由が不明です」(宮内庁OB)
秋篠宮邸の改修に50億円
秋篠宮家といえば、お代替わり時に宮邸の改修費用が高額だったことで、物議を醸した過去がある。
「結局、お住まいの整備費用は関連施設を含めると合計50億円を超えました。佳子さまが改修後も分室で別居されていることも費用がふくらんでしまった一因です。一部では、紀子さまが大広間に飾るパネルに“もっと金を使ってほしい”、公室部分では“大理石は海外製を”と指示されたと報じられるなど、世間から“贅沢ではないか”と批判を浴びました」(皇室担当記者)
こうした現在の財政状況に、前出の宮内庁関係者は疑問の声を上げる。
「皇嗣家になったことで、私的な職員の増員や、悠仁さまの教育費など、ご家族にかかる費用は確実に増えているのでしょう。とはいえ、その多くは公費でまかなえるものです。お手元金も増えている今、お金が足りなくなる事態は考えにくい。何に使われているのでしょうか……」
物価高にあえぐ国民と同じように、秋篠宮家も家計のやりくりに苦しまれているというのだろうか─。
最盛期200名超の巨大野党が「たった2人」で消滅危機に…社民党党首が議員数よりも大事にした「高すぎるプライド」
前身の旧社会党から、一貫して「リベラル」を旗印にしてきた社民党が、存亡の崖っぷちに立たされている。2月に行われた衆院選で、社民党は小選挙区(比例区重複)8人と比例区単独7人の計15人を候補者として擁立したが、当選者はゼロ。社会党時代を含め、国政選挙で初めて議席を獲得できない事態となった。
昨年、社民党で唯一となっていた衆院議員が離党し、国会議員は党首の福島瑞穂氏と、ラサール石井氏の参院議員2人のみ。2028年の参院選で2%の得票率を得られなければ、政党とすら認められなくなってしまう。そうした危機的状況にもかかわらず、今回の衆院選を巡っては党内対立が露呈し、計15年にわたって党を率いてきた福島氏への不満もくすぶる。
「団結ガンバロー」のかけ声とは異なる不協和音が党内で響く中、3月には党首選が告示され、福島氏ら3人が立候補して13年ぶりの選挙戦となった。新たに選出された党首の下で、社民党は袋小路から抜け出すことができるのだろうか。
「厳しいなぁ……」。衆院選の投開票が行われた2月8日の深夜、「選挙闘争本部」となっていた東京都中央区の社民党本部で、福島氏は開票速報を伝えるテレビで見ながら、険しい表情でつぶやいた。
自民党候補が次々と当選を決めていく一方で、社民党の票は伸び悩んでいる。その胸中を尋ねると、腕を組みながらこう答えた。「中道改革連合が右に寄って、リベラル票の受け皿がぽっかり空いたはずなんだけど、社民党に風が吹いていない。共産党も同じ。リベラルは自分たちを守ってくれないと思われているのかしら」
その言葉には、理解に苦しむという思いとともに、どこか寂しさも漂っていた。党本部に集まった報道関係者は10人ほど。テレビでは各党党首のインタビューがリレー方式で行われているが、社民党からの中継はない。衆院選の公示前日に日本記者クラブで行われた党首討論会にも、所属する国会議員が5人以上という参加基準を満たしていないとして、招かれなかった。
その寂しさは、党本部も同様だ。以前は、社会党時代に建てられた永田町の「社会文化会館」に党本部があった。隣接する坂の名前にちなんで「三宅坂」とも呼ばれ、55年体制の一翼を担った社会党の代名詞にもなっていた。その後、建物の老朽化によって引っ越し、党が衰退する中で家賃負担が重荷となり、軽減するため2017年に現在の場所へ移転した。
民間ビルの5階にある党本部の入口には、1960年に演説中に刺殺された社会党委員長の浅沼稲次郎氏の銅像が置かれている。だが、中に入ると、その風景はさながら中小企業のオフィスといった印象だ。党首室もなく、福島氏はデスクの一つに腰かけながら、テレビを見入っていた。
党本部では投開票日の午後10時過ぎに一度だけ記者会見が行われ、福島氏は自民党圧勝の見通しとなっていることに「正直、ショック」と心情を吐露した。「このままでは憲法改悪も含めて暴走していくのではないかと大変危惧している」とも語り、護憲や人権尊重といった、社民党の看板政策を推し進めていることも強調している。
また福島氏は、若い候補者の登場や入党者の増加などを挙げ、「社民党リブート」として党再建に取り組む考えも示した。だが、党内では敗北の原因をめぐる議論が噴出しており、再建への道筋をつけるのは容易ではない。とりわけ焦点となっているのが、沖縄2区で起きた「分裂選挙」への対応だ。
沖縄2区は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が議席を維持してきた。だが、2025年11月に、同区選出で社民党唯一の衆院議員だった新垣邦男氏が離党を表明。背景にあったのが、福島氏の党運営に対する不満だった。
新垣氏は、社民が1議席にとどまった同年7月の参院選後、福島氏に衆院へくら替えするよう求めたが認められなかったとし、離党表明の記者会見では「党勢拡大を目指すとの思いでいたが、(党内の)見解の相違やかみ合わないところがあった」と福島氏への不信感を露わにした。
さらに、無所属となった新垣氏が今年1月、中道改革連合に合流し、衆院選に立候補すると表明したことが混乱に拍車をかけた。社民党は、中道が辺野古移設の反対を明言しない中道を批判し、同じ沖縄2区に元衆院議員の瑞慶覧(ずけらん)長敏氏を擁立することを決定。社民党が中道への「刺客」を立てる形となり、オール沖縄は分裂選挙を強いられることとなった。
選挙結果は自民党前職の宮崎政久氏が7万1071票を得て当選。新垣氏は5万7500票、瑞慶覧氏は1万4311票で、比例復活を果たせず2人とも落選した。分裂選挙によって、リベラル系の候補が共倒れとなる結果となったが、ここで議論となったのが新垣氏と瑞慶覧氏の票を足せば、宮崎氏の得票をわずかに上回るという点だった。
分裂選挙が結果として自民党候補を当選させることになり、その責任は瑞慶覧氏を擁立した社民党にあるのではないか。そうした批判がわき起こるのは、言ってみれば当然のことだろう。
福島氏は投開票日翌日の記者会見で、沖縄2区の対応について「辺野古の基地建設反対は社民党にとってとても大事なことで、どんなことがあっても揺るがせない重要な課題」と述べ、反対を訴える政党の候補者は瑞慶覧氏だけだったとし、正当性を強調した。
社民党選対委員長も務める幹事長の服部良一氏も「オール沖縄は、辺野古の新基地建設に反対するということが一丁目一番地のテーマ。そこを曖昧にする政党では納得できない」と話し、瑞慶覧氏擁立の判断に間違いはなかったとの考えを示している。
服部氏は、瑞慶覧氏の出馬によって新垣氏が落選したとの見方にも、強く反発している。「衆院選沖縄2区をどう見るか」とのタイトルで服部氏が記した内部資料では、瑞慶覧氏の得票数は「(中道の)安保政策の転換に納得しないリベラル票の離反を招いた」ことを「可視化した」ものだと分析。
「瑞慶覧候補が立候補しなければ新垣候補に票が流れたと言うのは幻想」であり「足し算して新垣氏が勝っていたというのはあまりに単純で雑な見方」と切り捨てている。
その上で、新垣氏は「社民党公認のままか、あるいは中道でなくて無所属で出た方が勝機があったように思えるが、いかがか」と問いかける形で、中道からの立候補に疑問を呈した。
だが、瑞慶覧氏の出馬については、社民党内からの批判も根強い。
ある社民党関係者は、福島氏が民主党政権時に沖縄・普天間飛行場の辺野古移設に反対を貫き、閣僚を罷免された経験を持つことから「基地反対は譲れない一線だ」としながらも「現実問題として、瑞慶覧氏が当選する可能性は当初からなかった。そうなると自民党を利する行為と見られても仕方ない」とこぼす。福島氏に対しても「私が看板で、私が主人公だという感覚が強すぎる」と、党首を交代すべきとの考えをにじませた。
こうした社民党内の批判を体現しているのが、前参院議員で副党首を務めた大椿裕子氏だ。衆院選に比例候補として立候補した大椿氏は、公示後の「第一声」で、瑞慶覧氏擁立への反対に言及。これに対し、服部氏が「党に対する大きな打撃になることは明白」として「反党行為」をやめるよう「警告書」を発する事態となった。
大椿氏は2月27日、責任を取る形で副党首の辞任届を提出し、受理された。だが、自らの主張を撤回したわけではない。
3月4日に行われた社民党党首選の共同記者会見では、立候補した大椿氏が、瑞慶覧氏擁立に対する党沖縄県連内の意見対立が解消されないまま党中央が介入したことが混乱の要因だと指摘。「県連内で一本化できなければ擁立を見送る判断もあったのではないか」と批判した。これに対し福島氏が、沖縄側の擁立要求を尊重した結果だったと反論し、意見対立の根深さを見せつけた。
党首選にはラサール石井氏も立候補しており、約5200人の党員による投票で、23日に新党首が選出される予定だった。福島氏が優位との見方が大勢で、周辺には「圧倒的な票差で勝利したい」と話していたという。
しかし、結果は福島氏が1876票で1位だったものの、有権者の過半数には届かず、当選とは認められなかった。2位には1297票で大椿氏がつけ、ラサール氏は967票。3位のラサール氏は落選し、福島氏と大椿氏で決選投票へもつれこむ予想外の展開となった。
社民党の関係者は「党内に福島氏への批判が思った以上にあるということの表れだ」と話しており、たとえ決選投票で福島氏が勝っても「求心力に低下は避けられない」と指摘する。
党首選の選挙公報では「社民党を前へ」とのスローガンが掲げられた。だが、その前途は厳しい。
政党要件は(1)国会議員が5人以上いる(2)前回の衆院選か、前回か前々回の参院選での得票率が2%以上、のいずれかを満たさなくてはならない。社民党は(1)を既に失っており、次回の参院選で2%の確保が至上命題となる。しかし、今回の衆院選での得票率は1.27%にとどまっており、取り巻く状況は厳しい。
55年体制の2大政党下で、社民党の前身である社会党は、自民党と対峙する勢力を誇った。自衛隊と日米安保条約を認めず、非武装・中立という理念を掲げたが、1994年に発足した自民、新党さきがけ、そして社会党との連立政権で、当時の党首だった村山富市氏が首相に指名されると、日米安全保障体制の堅持や自衛隊合憲を打ち出すなど党の基本政策を大きく転換させた。
それは政策を現実に近づけることでもあったが、支持者離れも招いた。民主党政権下では連立政権にも加わったが、存在感を発揮できないまま離脱し、自民党が再び政権を奪取すると、よりその存在感を薄めていった。今回の衆院選で自民党が歴史的大勝をする一方で、社会党をルーツに持つ社民党が議席を獲得できなかったのは、護憲や人権を訴えるだけの旧態依然とした政党に見られているという現実を如実に表している。
政党としての生き残りをかけて、社民党は新たな戦略を打ち出すことができるのか。それとも、旧時代の遺物としてのイメージを持たれたまま、その歴史的役割を終えて消滅してしまうのか。新党首の下で、社民党が答えを出すまでに残された時間は、決して多くない。
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(共同通信社 編集委員兼論説委員 佐藤 大介)
《姫路市の二大値上げに議論勃発》姫路城の2500円に加え、路上喫煙2万円には「10万円でもいい」の声
1993年、世界文化遺産に登録された姫路城。そんな世界遺産を擁する街・姫路で、今年から始まる“二大値上げ”が波紋を広げている。
“二重価格”と路上喫煙に対する“違反金”
ひとつは姫路城の入場料だ。3月1日から“二重価格”が導入され、これまで一律1000円だった料金が“市外在住者”は2.5倍の2500円へと引き上げられた。背景には、人件費や修繕費の高騰があるとみられる。
「近年、インバウンドの増加にともない、各地でオーバーツーリズムの問題が顕在化しています。その対策として、観光地では外国人向けの料金を高くする“二重価格”の導入が進行中。国立の美術館・博物館も、2031年3月までに外国人料金を高くする方針で、飲食店など民間でも同様の動きが広がりつつあります」(観光ジャーナリスト)
一方で、姫路城の場合は「市内」と「市外(外国人も含む)」という区分にしたことで議論を呼んでいる。ネット上には、「間接的とはいえ日本人の税金で支えられているのに、外国人観光客と同じ料金体系とすることには違和感しかない」「外国人を差別したくないから?市民とそれ以外で区分するのはいかがなものか」「姫路城は国宝なんだから国税も投入されてるはず。市内・市外で分ける二重価格はおかしいし、価格差をつけすぎでは?」といった反対意見が。
一方で、「城を維持するためには値上げも仕方ない。納税してきた市民が安めに設定されているのは当然だと思う」「今も美しい姫路城が見られるのは、大修理を経て大切にしてきた姫路市民のおかげだから仕方ないかな」「広島城は老朽化で閉城したと聞く。むしろ2500円でも安いくらいだと思う」と、理解を示す声も少なくない。
「もうひとつの“値上げ”として注目されているのが、禁止エリアでの路上喫煙に対する“違反金”です。姫路市では、JR姫路駅や姫路城周辺、大手前通りを路上喫煙禁止区域に指定。7月から違反金が1000円から2万円へと大幅に引き上げられ、勧告後も命令に従わない場合に徴収される仕組みとなります」(前出・観光ジャーナリスト)
こちらについては、「路上喫煙は厳しく取り締まってほしい。罰金10万円だっていい」「喫煙者だがルールを守らない人がいると迷惑。もっと厳しくてもいいぐらい」「違反金値上げには賛成。この時代に路上喫煙するような人には強い措置が必要」など、抑止力の強化を歓迎する声が目立つ。しかし、「命令に従わないような人に請求したらトラブルになると思う」「罰則だけでなく喫煙所の整備も進めてほしい」といった懸念の声も上がっている。
観光地としての魅力維持を図るための施策とはいえ、急激な“値上げ”に戸惑いの声が広がっているのも事実。姫路の取り組みは、全国の観光地が抱える課題を映し出す一例として、今後も議論を呼びそうだ。
旧香川県立体育館解体 知事「安全第一」 年度内着工こだわらず
香川県が解体計画を進める高松市の旧県立体育館(船の体育館)を巡り、池田豊人知事は23日、年度内の解体工事着工にはこだわらない姿勢を示した。新たにアスベストへの対応が必要になることなどをふまえ、この日の記者会見で「安全の確保が第一。年度内着工が第一ではない」と述べた。
県は2025年12月に8億4700万円の解体工事請負契約を合田工務店(高松市)と締結。その後、26年2月になって県教委が、建物内のホールや役員室の天井の吹き付け材にアスベストが含まれていることが判明したと公表した。
さらに3月18日、公費負担のない再生活用策を提案している民間有志団体「旧香川県立体育館再生委員会」の長田慶太委員長が同市内で記者会見を開き、「(建物外壁の大部分を含む)縁梁全体にアスベストが含まれていると考えられ、解体工事時に飛散するおそれがある」と指摘した。
再生委などによると、施工した清水建設四国支店(同市)の記録冊子に、コンクリートのひびを埋める補修材にアスベスト粉末を混ぜて使ったとする記述があるという。
池田知事は「ここまで業者と担当課とのやり取りの途上で、(手続き上の)問題があったとは考えていない」としつつ、着工日については「安全な工事ができるという判断に至ったときに発表したい」と述べるにとどめた。
また、県は20日、近隣住民向けの解体工事説明会を開き、予定の工程を示した。3月中に外構解体に着手し、4月下旬から内装解体、8月下旬から屋根や外壁などの建物本体の解体に進み、27年4月中ごろから基礎解体やくいの引き抜きを行って、作業を終える契約工期は9月17日までとしている。出席者からは、アスベストへの対応やくいの引き抜きによる地盤への影響などを懸念する声が相次いだという。【森田真潮】
“ドローン規制法”改正案を閣議決定 飛行禁止地域を対象施設の周囲約1キロに拡大など盛り込む
いわゆるドローン規制法の改正案が閣議決定されました。
現在は首相官邸や自衛隊の施設、原子力発電所などの重要施設とその周囲約300メートルの地域でドローンの飛行が原則禁止となっています。しかしドローンの性能が飛躍的に向上するなかで約300メートルでは対処するための時間が足りないとして、改正案では飛行禁止地域を拡大し、対象施設の周囲約1キロメートルとしました。
警察庁では先月からHPを通じてどこが飛行禁止地域か地図で確認できるようにしていて、改正法の成立後には約1キロメートルに拡大した地図を確認できるようにするということです。
また現在、敷地内ではなく周辺地域では警察官が飛行禁止を命令しても従わない場合に検挙が可能です。一方、最新のドローンは積載可能な重量が増え、敷地内に入らなくても銃火器を積んで遠くから攻撃することが可能とみられています。
そのため改正案では命令した後に検挙することに加え、周辺地域でドローンを飛行させた者に対して6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という罰則を新設しました。
さらに、警察官が原発の管理者に対し、ドローンが侵入してきた場合に必要な措置をとるよう命じることができると明文化しました。これによって管理者がより対処しやすくなることを見込んでいます。
これが「おこめ券」総スカンの実態だ! 都市部で採用自治体ほぼナシ…主流は現金給付や商品券
全国の首長から反発の声が続出し、SNSでも度々炎上するなど、圧倒的な不評を買ったおこめ券。年度末を迎える中、全国の自治体から配布するか否かの判断が次々と公表されている。
おこめ券配布はもとをただせば、コメ高騰を受け鈴木農相が肝いり政策としてぶち上げたもの。昨年末成立の補正予算に盛り込んだ政府の物価高騰対策で、自治体が自由に使える「重点支援地方交付金」を拡充。食料品価格上昇に対応する特別枠として4000億円を確保し、おこめ券配布を推奨していた。
ところが、おこめ券発行には印刷費、流通費がかかるなどムダばかり。また、地方の米どころでは「そもそもコメに困っている人が少ない」として、敬遠する傾向も見られた。
結局、おこめ券はどれだけの自治体で採用されたのか。農水省に問い合わせると「現在、集計中で公表するかも未定」(担当者)だという。そこで日刊ゲンダイは、コメの消費が集中する主要都市部を中心に、各自治体の公式HPを参照し、配布の有無を調べてみた。
その結果、東京都の23区と市部でおこめ券を採用したのは、墨田区、東大和市、稲城市の3自治体のみ。しかも、墨田区は商品券配布の選択肢のひとつとして提示されており、実際にどれだけの区民が選択したかは不明だ。都内全域では、コメ以外にも使える商品券や現金給付を選択した自治体が大半である。
大阪府内の33市でも、おこめ券配布を選択したのは豊中市と富田林市だけ。大阪市は「プレミアム付商品券」を発行し、他の自治体も現金給付や水道料金の減免などの実施が採用された。
さらに、全国に20ある政令指定都市を見ても、おこめ券配布を決定した自治体は現時点でゼロ。現在も検討中とみられる5自治体のうち、札幌市や相模原市、名古屋市、京都市は、すでに商品券や現金給付の方針を固めたと報じられている。
「経費ロスが発生し、コメにしか使えないおこめ券が、国民に広く受け入れられるのは難しい。結局、現金給付やコメ以外に使える商品券を選ぶ自治体がほとんどのようですし、配布政策を打ち出した鈴木大臣は、想定が甘すぎました」(農水省担当記者)
思いつきのようなデタラメ政策の検証は今後、欠かしてはいけない。
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“令和のコメ騒動”については、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。
NHK党・立花氏らを書類送検 尼崎市議選でポスター代水増し請求の疑い 兵庫県警
去年6月の兵庫県尼崎市議選で、選挙ポスターの代金を水増しして市に請求した疑いがあるとして、兵庫県警が23日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏や、党の公認候補だった福井完樹市議ら3人を、詐欺容疑で書類送検したことがわかりました。
捜査関係者によりますと、立花氏ら3人は共謀して選挙ポスターの製作代金を約48万円分水増しして尼崎市に請求したとして、去年11月に市民から刑事告発されていました。
また去年4月の兵庫県赤穂市議選でも選挙ポスターの製作代金を水増しして請求した疑いがあるとして、立花氏と別の元候補者ら3人を2月に書類送検したということです。県警はいずれについても処分意見を明らかにしていません。
「紀州のドン・ファン」元妻は高裁でも無罪判決…控訴棄却で“恥の上塗り”となった検察の大誤算
犯行に結び付く新たな直接証拠は示されず、検察側が「何らかの方法で覚醒剤を摂取させた」と繰り返していた「具体的な方法」は明らかにされないまま、またも無罪判決となった。
2018年5月、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(当時77)が、自宅で急性覚醒剤中毒により死亡。殺人罪などに問われ、24年12月、和歌山地裁の裁判員裁判で無罪を言い渡された元妻、須藤早貴被告(30)の控訴審判決が23日あり、大阪高裁は1審判決を支持し、検察の控訴を棄却した。
■1審判決を「重大な事実誤認」と主張
検察側は昨年12月の控訴審初公判で1審判決について「重大な事実誤認がある」「動機や計画性を推認できる間接証拠を個別的、分断的に評価している。偶然が重なることはあり得ず、総合的に判断するべきだ」として、新たな証拠調べや証人尋問を請求したが、いずれも高裁に退けられ、即日結審した。
逮捕から5年という時間をかけたにもかかわらず、検察は野崎さんが自ら覚醒剤を飲んでいないことや、元妻以外に飲ませた人物がいないことを証明できず、自白も取れなかった。
検察にとって誤算だったのは、出廷したシャブの密売人の1人が「被告に売ったのは覚醒剤ではなく、砕いた氷砂糖3グラムだった。当時、覚醒剤を入手する人脈はなかった」と、もう1人の密売人と異なる証言をしたこと。
これに対し、元妻は被告人質問で「セックスの時、勃たなかったので社長から『覚醒剤でも買ってきてくれないか』と頼まれた。渡した翌日、『使い物にならん。偽物や。もうおまえには頼まん』と言われた」と答えた。地裁はこの供述について信用できないとしたものの、元妻が密売人から受け取ったブツは、氷砂糖だった可能性があると指摘していた。
元妻のスマホには「完全犯罪」「覚醒剤 死亡」「過剰摂取」といった検索履歴が残っていたが、致死量や覚醒剤を飲ませる「具体的な方法」を検索した履歴はなかった。
■1審の無罪に控訴した検察には思惑が
一方、野崎さんと長年交際していた女性は「亡くなる前、野崎さんから電話があり、『覚醒剤やってるで』と話していた」と証言。高裁は「野崎さんが自殺以外の目的で覚醒剤を使用した際、誤って過剰摂取した可能性がないとは言い切れない」とした。
「検察側は1審で『覚醒剤を飲ませたのは早貴被告以外にいない』と決めつけていたが、裁判員を務めた20代の男性は判決後、『判決を出す上で悩みはなかった』と吐露していた。裁判官が一般市民の判断を尊重したともとれます。検察としたら控訴して審理の場が高裁に移れば、裁判員裁判ではなくなり、裁判官も代わることから、別の結果になる可能性もあるとみたのかもしれません」(司法記者)
意地や無罪判決を認めたくないプライドからなのか、検察側は控訴に踏み切ったものの、高裁に新たな証拠集めや証人尋問を認められず、2度の無罪判決で恥の上塗りとなった。