栃木県那須町で2017年、部活動で登山講習会に参加していた県立大田原高の生徒ら8人が死亡した雪崩事故で、業務上過失致死傷罪に問われた当時の教諭3人に対する控訴審判決で、東京高裁は4日、いずれも禁錮2年の実刑とした1審・宇都宮地裁判決(24年5月)を破棄した。雪崩事故の予見可能性を認めて3被告全員を有罪としたものの、うち2人は刑の執行を猶予し、量刑を変更した。
判決を受けたのは、講習会の現場責任者だった猪瀬修一(59)と、いずれも現場を引率した菅又久雄(57)、渡辺浩典(63)の3被告。猪瀬、菅又両被告は起訴休職中で、渡辺被告は事故後に退職している。判決は猪瀬被告と渡辺被告を禁錮2年、執行猶予5年とした。菅又被告は禁錮2年の実刑を維持した。求刑はいずれも禁錮4年だった。
講習会は栃木県高校体育連盟が主催し、県内7高校から生徒と教諭計約50人が参加。17年3月27日朝、スキー場周辺で深雪歩行訓練中に発生した雪崩に巻き込まれた生徒7人と教諭1人の計8人が死亡し、40人が重軽傷を負った。3被告はこのうち、菅又、渡辺両被告が引率していた二つの班に参加した8人を死亡させ、5人を負傷させた罪に問われた。
1審判決は、現場は事故前日から大雪注意報と雪崩注意報が発令され、少なくとも約30センチの新雪が積もっていたと認定。3被告はいずれも豊富な登山経験がある上に、文部科学省などが冬山の学校活動での事故の注意を呼びかけていたことを踏まえれば「雪崩事故の恐れを容易に予見することができた」と判断した。
その上で、3被告には訓練を安全な場所に限るなど、雪崩を回避する義務を怠ったまま漫然と訓練を開始させた共同の過失があると認定。さらに菅又、渡辺両被告には生徒を引率する中で雪質や斜面の傾斜を具体的に認識できる状況だったのに、訓練を継続させた個別の過失も認めた。
これに対し、3被告は控訴審で「事故は予見できず、過失もなかった」と改めて無罪を主張していた。【安達恒太郎】
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維新の吉村代表、配信動画で謝罪 演説含み公選法抵触の恐れ
日本維新の会の吉村洋文代表は4日、先の衆院選期間中に党がインターネットで配信した広告動画に誤って演説場面が含まれていた事案を巡り「あってはならないことで深くおわびする」と謝罪した。公選法が禁じる選挙運動のための有料ネット広告に当たる恐れがあると報道機関に指摘され、同党の中司宏幹事長も3日の記者会見で謝罪していた。
大阪府庁で記者団の取材に応じた吉村氏によると、先週末に報道機関の指摘を把握し、担当者の確認不足があったと判明。2日に大阪府警へ申告したという。吉村氏は「再発防止に努めていきたい」と述べた。
「多くの被害者救済を」 対策弁護団が声明 旧統一教会解散命令
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する文部科学省の解散命令請求を巡り、東京高裁は4日、解散を命じた東京地裁決定(2025年3月)を支持し、教団側の即時抗告を棄却した。
元信者らの被害救済に取り組む全国統一教会被害対策弁護団は4日に声明を発表し、東京都内で記者会見した。
声明では、高裁決定について「長年にわたる献金勧誘行為などで生じた深刻かつ膨大な被害実態を正しく理解し、高く評価する」とした。
まだ声を上げられない人や、解散命令で初めて被害を自覚する人など潜在的な被害者が多数存在するとし、「多くの被害者を救済するために引き続き全力を尽くす」との決意も盛り込んだ。
弁護団の川井康雄弁護士は「韓国の教団本部による過酷な献金ノルマがずっと続いてきたことで被害が大きくなっている。解散命令後、教団の法人格がなくなっても同様の被害を生まないか懸念している。注視しながら被害防止を考えていきたい」と述べた。【宮城裕也】
「強盗や」宅配業者装った男が高齢女性に刃物突き付け、顔や胸を蹴って逃走
4日午前11時5分ごろ、大阪府池田市五月丘の民家で、宅配業者を装った男が住人の無職女性(76)に刃物を突き付けて「強盗や」と脅した上、女性の顔や胸を蹴るなどした。男は何も奪わずに立ち去ったが、大阪府警池田署が強盗致傷容疑で捜査している。女性は軽傷で、男は刃物を持ったまま逃走したとみられる。
同署によると、男は宅配業者を装ってインターホンを鳴らし、玄関先に出てきた女性に暴行を加えた。女性の叫び声を聞いた家族が110番すると、徒歩で南へ向かったという。
男は黒の上着に白のキャップ帽をかぶり、眼鏡やマスクで顔を隠していたという。現場は阪急池田駅から北へ約1キロの住宅街。
社民党首選、13年ぶり選挙戦=大椿・ラサール・福島氏出馬
任期満了に伴う社民党の党首選が4日に告示され、大椿裕子前参院議員(52)、ラサール石井副党首(70)、現職の福島瑞穂氏(70)が立候補を届け出た。複数候補による選挙戦は13年ぶり。党の衰退にどう歯止めをかけるかが最大の争点になる。23日に開票される。
社民党は近年、国政選挙の目標に「政党要件の維持」を掲げるなど崖っぷちの状態が続く。党首選の期間中に3氏の合同街頭演説を予定しており、党の存在のアピールを狙う。
3氏は届け出後、国会内でそろって記者会見に臨んだ。大椿氏は「若い人が主体的に活動できる党をつくる」と世代交代を主張。ラサール氏は「再び花開くため、明るく前向きな党に変える」と訴えた。福島氏は「党を残し、大きくし、踏ん張る先頭に立つ」と決意を示した。 [時事通信社]
人材派遣会社社長ら3人逮捕=ベトナム人の不法就労助長容疑―警視庁
就労資格のないベトナム人を違法に働かせたとして、警視庁国際犯罪対策課は4日までに、入管難民法違反(不法就労助長)容疑などで、人材派遣会社「アイディーエー」(静岡県磐田市)社長、井田一彦(54)=同市国府台、採用担当社員の宇佐美雄也(45)=同県掛川市長谷=両容疑者ら男3人を逮捕した。いずれも容疑を認めている。
他に逮捕されたのは、派遣先の金属加工工場「Nippon Kenma」(同県袋井市)の工場長、中村鉄也容疑者(58)=同県掛川市大渕。同課は同日、法人としての両社も書類送検した。
同課によると、中村容疑者は「求人を出しても来てくれず、人手不足だった」などと供述。2020年11月以降、同工場へ派遣されたベトナム人は計65人に上り、紹介料として計約9000万円を支払ったという。 [時事通信社]
長野・岐阜県境にある焼岳の噴火警戒レベル、「1」に引き下げ…火山性地震が少ない状況続く
気象庁は4日、長野、岐阜県境にある焼岳の噴火警戒レベルを「2(火口周辺規制)」から「1(活火山であることに留意)」に引き下げた。
同庁によると、火山性地震が1月25日から増加したが、その後、火山性地震は少ない状況が続いており、火山活動によるとみられる傾斜変動も認められていていないことから、想定火口域から約1キロの範囲に影響を及ぼす噴火の可能性は低くなったとしている。
一方、山頂付近を含む想定火口域内では、突発的に火山ガスなどが噴出する可能性があり、同庁は登山する際には火山活動の異変に注意するとともに、ヘルメットを着用するなどの安全対策をするよう呼びかけている。
玉木氏「首相は仲間じゃないかも」=年収の壁、国会答弁に反発
国民民主党の玉木雄一郎代表は4日の党会合で、「年収の壁」引き上げを巡る同党の姿勢をやゆしたと取れる高市早苗首相の国会答弁に反発した。「(首相は)われわれの仲間だと思っていたが、そうじゃないかもしれないという疑問符が出てきた」と指摘。「物価高騰に苦しむ国民の立場に立った政策を共に進めてほしい」と求めた。 [時事通信社]
志賀原発運転差し止め認めず=北陸電株主らの請求棄却―富山地裁
北陸電力志賀原発1、2号機(石川県志賀町、運転停止中)が再稼働されれば、北陸電に回復できない損害が生じる恐れがあるなどとして、株主ら6人が経営陣に運転差し止めを求めた訴訟の判決が4日、富山地裁であった。矢口俊哉裁判長は、「直ちに損害が生じる『恐れ』があるとまでは言えない」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
原告側は、同原発の安全性に関する必要な調査や分析がされておらず、取締役としての注意義務に違反しているなどと主張していた。これについて矢口裁判長は「(原子力規制委員会の)新規制基準で求められる安全対策を行うことで、重大事故発生を防止するための義務を果たしている」として退けた。
避難計画に実効性がないことが2024年1月の能登半島地震で明らかになったとする主張に関しては、「同地震により実効性に疑問が生じていることは否定できない」と指摘。一方で、より実効性のある計画の策定に取り組んでいると推察されるなどとし、「再稼働が可能となる将来の時点においても計画が不十分であることを想定すべきとまでは認められない」と述べた。
その上で、原発は長期間運転することで投資費用の回収を見込む事業で、「短期的な支出のみを捉えて『損害』と評価することは難しい」と判断。再稼働に向けた活動により「直ちに回復できない損害が生じる『恐れ』があるとまでは言えない」と結論付けた。
志賀原発を巡っては、12年に地元住民らが運転差し止めなどを求め金沢地裁に提訴し、現在も審理が続いている。
北陸電力の話 当社側の主張が認められ、ご理解いただいた結果だ。 [時事通信社]
埼玉県立中で「いじめ重大事態」か 同級生に切りつけられる 22年
埼玉県伊奈町の県立伊奈学園中学で2022年、当時3年生だった男子生徒が同級生の男子生徒に刃物で足を切られる問題が起きていたことが関係者への取材で分かった。被害生徒が進学後の昨年6月、保護者や学校側に被害を告白。県警が少年事件として捜査し、県教育委員会は「いじめ重大事態の疑い」があるとして第三者委員会による調査を検討している。【田原拓郎】
毎日新聞の取材に応じた被害生徒や母親によると、問題が起きたのは22年6月27日、昼休みの教室だった。同級生でもある相手生徒と教室の窓越しに話していた際、じゃれついてきた相手を制止すると激高され、筆箱からカッターナイフを取り出してきたという。被害生徒は「カッターをよけようと倒れ込んだら、相手がそれを振り下ろして足に刺さった」と振り返る。
出血した生徒は学校に駆けつけた母親と病院を受診し、7針縫った。ただ、生徒は当時、学校側や親に「教室の机から突き出た金具で足を切った」などと説明した。「(相手が)何をするか分からない」という印象を抱き、報復を恐れたという。
同校によると、問題発生直後、別の生徒が刃物を持った相手生徒を目撃し、教員が生徒らに話を聞いた。しかし、被害生徒の当時の説明を疑うような情報はなく、明るみに出なかった。
そのまま時は過ぎ、問題が発覚したのは25年6月。同校は中高一貫校のため、両生徒はそのまま高校に進学し、3年生になった。被害生徒が同月の三者面談で担任と母親に「実は3年前のけがは切られたものだった」と告白した。
生徒はその理由について「事件以降も相手とSNSでやり取りしたり、複数人で遊んだりしたこともあった。でも、相手に普通に生活を送らせて良いのかと考え、学校に何らかの対応をしてほしいと思い、打ち明けた」という。
被害生徒と両親はその後、学校や県教委に相談。県警に被害届を出した。相手生徒は昨年12月、傷害の非行内容で家裁送致された。関係者によると、相手生徒は問題を巡り、カッターで切ったこと自体は認めているが、被害生徒とは異なる経緯を説明をしているという。
生徒と保護者、学校に不信感
一方、被害生徒と保護者は、事件発覚後の安全対策などの対応を巡り、学校側に不信感を抱く。被害生徒は「相手はクラスが違ったが登校を続けていた。(問題を)告白して以降、登校に強いストレスを感じるようになった」といい、母親は「安全確保策を要望したが、不十分だった」と訴える。
事件発覚後の対応について、毎日新聞の取材に応じた学校側は「警察の捜査に配慮しつつ、聞き取りや指導を行った。時間割を確認して2人が同じ教室で授業を受けないよう確認するなど、安全対策はした」などと説明している。また、問題が起きた当時、母親が到着するまで救急車を呼ばなかったことの反省から、救急対応を見直した。この問題を受けた保護者説明会の開催も予定しているという。
被害生徒側の要望などを受け、県教委は「いじめ重大事態の疑い」があるとして第三者委員会による調査を検討しているという。