悠仁さまの成年式を機に海外メディアが相次いで“男性しか継承できない”日本の現行制度を不可解だと指摘 皇位継承から除外されている愛子さまの存在もクローズアップ

9月23日。天皇家の長女・愛子さまは、東京都世田谷区の馬事公苑で「愛馬の日」のイベントに参加されていた。
「伝統的な馬事芸能などをご覧になりました。帰り際の車寄せ付近には、愛子さまを一目見ようと黒山の人だかりができていて、中には『愛子さまー!』と張り切って声を上げる小さな子供の姿も。とても微笑ましかったですね。その声が耳に入ったのか、愛子さまは一度車に乗り込もうとしたものの、きびすを返してお手振りで応えられました」(皇室記者)
かねて動物好きで知られる愛子さま。9月27日には、都内で開かれた動物愛護に関するフォーラムにもお忍びで出席されていた。
「例年ご一家で参加される催しですが、今年は陛下と愛子さまお二人でのご参加となりました。愛子さまの動物好きは、雅子さま譲りです。
皇太子妃時代の雅子さまは、赤坂御用地にけがをしたタヌキが迷い込んだ際、保護して治療させたこともありました。邸内に入り込んだ虫も決して殺すことはなく、何とかして部屋の外に逃がそうとされるとか。これは、”命を大切に”というお考えによるもので、愛子さまも小さい頃から、そうした精神を受け継がれています」(宮内庁関係者)
幼少から、両陛下のなさりようを間近でご覧になってきた愛子さま。単独公務も増え、天皇家の長女としての存在感も日ごとに増す中、9月以降は海外からも熱視線が注がれている。悠仁さまの成年式を機に、海外主要メディアが日本の皇室について一斉に報道。”愛子天皇論”が再び取り沙汰されているのだ。
イギリスの大手紙『ガーディアン』やフランス公共放送が運営する『フランス24』、さらに中東や東南アジアの大手メディアも、相次いで記事を掲載。それらのタイトルは《日本のプリンスが成年に。男子限定の皇位継承に関する議論は棚上げ》《男子限定の継承規定が、日本のプリンスの成年式に影を落とす》といったもので、成年式そのものよりも、皇位継承に関する議論が停滞している現状に焦点が当てられていた。
「多くの記事が、国民の多くが女性天皇に賛成しているにもかかわらず、男性しか皇位を継承できない現行制度が不可解だとし、《長子の愛子さまは女性であるという理由だけで皇位継承から除外されており、天皇になることはできない》と指摘する内容です。
これまでも、女性への皇位継承を認めない日本の皇室のあり方が海外で批判的に報じられることは度々ありました。今回は悠仁さまの成年式によって”将来の天皇”の存在が大々的に示され、結果的に愛子さまの存在もクローズアップされた形です」(皇室ジャーナリスト)

《へずまりゅう氏も参戦》日テレの奈良公園シカ報道が炎上 「やらせ要員の利用」など根拠のない情報が拡散の一方、取材の”浅さ”を指摘する声も出る

夕方の報道番組「news every.」(日本テレビ)での奈良公園シカ報道をめぐり、番組公式ホームページで「誹謗中傷や迷惑行為等を行うことは、厳に慎んでいただきたくお願い申し上げます」と声明を発表する異例の事態が起きている。これまでも何回か、報道内容が炎上してきたことはあったが、今回の事例は少し質が違ってきたように思うと報道に関わる人たちは言う。ライターの宮添優氏が、現役のテレビ局報道スタッフたちが、何を警戒しているのかについてレポートする。
* * * 「奈良のシカ」に関する報道を巡って、個人情報が詮索され、関係者が誹謗中傷されたり、陰謀論めいた誤情報がSNS上を飛び交う事態になっている。民放キー局記者が解説する。
「日テレ系のニュース番組で、奈良公園内に生息する鹿に外国人が危害を加えているのか、検証するVTRが流れました。園内のガイド女性や近隣の飲食店で働く男性が登場し、そのようなシーンを”見たことがない”と答えたのに対し、これはテレビの”やらせ”ではないのかという指摘がSNS上で相次ぎました」(民放キー局デスク)
数年前のマンション火災がニュースとして報じられたとき、ネットで流布された荒唐無稽な”やらせ”疑惑が浮上した。その疑惑は否定されたはずなのに、やらせは存在し今も続いていると掘り起こされたのだ。
「何年も前、マンション火災を伝えるニュースに住人として某局の記者が出演したことがありました。実際にマンション住人だったからインタビューされたのですが、放送の一部を切り取ってニュースの”やらせ要員”と決めつけた投稿がSNSで拡散された。のちに言いがかりだという認識が広まり沈静化したのですが、今回のガイド女性が、その記者に似ているというデタラメな指摘が拡散し、またもやらせ要員が利用されたと根拠のない噂となって広がった。その後、ニュース映像に登場した人たちのSNSが特定されたり、関係先店舗のネット上の口コミサイトが荒らされるなどの個人攻撃が続いています」(民放キー局デスク)
そして「奈良公園の鹿を守る」と宣言し独自の活動を行ってきた元迷惑系ユーチューバーで現在は奈良市議のへずまりゅう氏が、「偏向報道」という言葉を添えて「ガイド10年の表記については間違いで取材に応じた女性は2年間人力車のお仕事をされております」と投稿したことで、事態はさらに混乱が深まり悪化した。別のネットインフルエンサーが証拠とともに、女性のガイド歴が10年に及ぶのは真実だと指摘するが、炎上を続けたい人たちは嘘だと決めつけるか、無視するような態度を貫いている。
「SNSだけが悪いのか」

小川市長”ラブホ会議問題”の前橋市民から出る嘆き 「高崎の親戚からすんげえ笑われた」「男と女でどんな会議なんかい、ほんと恥ずかし」

何事もはじめが肝心、とよく言われるが、不祥事発覚後に初期対応を誤ると、非難の声が増幅される。静岡県の伊東市長や沖縄県の南城市長、岸和田市の元市長など真摯な姿勢もなく自ら招いた問題と向き合っていないと思われるとSNSでの糾弾が止まない。人々の生活と社会の変化を記録する作家の日野百草氏が、市長のラブホ会議問題で全国的な関心を集めている前橋市民たちに聞いた。
* * * 「伊東の市長の話なんて、よその話と思ってたんだけどね。まさかうちの(前橋市の)市長がこんな変なことになるなんて思わなかったよ」
群馬県前橋市、9月25日の中央通り商店街。商店主の70代男性に騒動の渦中にある小川晶前橋市長について話を聞くと、伊東市の田久保眞紀市長の例をあげて「恥ずかしいな」と苦笑い。
「でもあっち(伊東市の田久保市長)と違ってラブホ行ったことそのものはすぐ認めているし反省もしているからね、学歴詐称と違って男女の話だから、個人的なことだよね、弁護士さんで優秀な人みたいだから出直して欲しい」
この段階では小川市長、市役所に苦情が500件寄せられたと報じられていたが、筆者の聞く限り実際に会った前橋市民はこのような「またがんばって」「個人的なこと」という意見が多かった。
前橋駅南口から少し歩いたところにあるショッピングセンターでは「そんなことあったんすか」と若者だがこの件を知らないという人もいたし、「小川っていうの?ラブホ?やばいね」と前橋市長の名前すら知らないという人もいた。
「謝罪しているし、前橋のために頑張ってほしい。女性市長だし、弁護士さんで優秀だし」
このように子連れで買い物に来ていた女性もまた「頑張って」だった。
あくまで、25日の段階の話である。前日、24日夜の緊急会見で、
〈私が、特定の職員と複数回、ホテルに行ったことは間違いがありません〉
〈男女の関係はありませんが、誤解を招く軽率な行動であったことを深く反省しています〉
〈通常であれば誤解をされてしまうような場所であったというのは、いまは本当に申し訳なく思っています〉
〈今後の進退につきましては、第三者とも相談しながら考えていきたい〉
と発言したが、これについてはもちろん「そんなに(ラブホに)行って行為がないわけない」「まあ、そういうことよね」「いろんな意味で『打ち合わせ』だね」という声もあって、まあ山本一太群馬県知事がこの日のテレビ取材で言った通り〈私の周りで信じてる人は1人もいない〉〈どう考えても厳しい言い訳〉〈みんなが嘘だと分かっていることを平気で言うような人と思われてしまうのでは〉そのままであった。

“女安倍”高市氏に防衛省制服組が“ただならぬ警戒感”「台湾有事が現実に」「独自の国家観をもつ軍事フリークは面倒」、進次郎氏を推す意外な声も「実力不足の方がいい」

「戦争しないでくださいって言っても、どこかの国が何かを考えたら始まってしまう側面がある」──総裁選を前に防衛省内で上がるのは、”あの右派候補”を懸念する声だ。
メディア各社の調査では高市早苗前経済安保相と小泉進次郎農水相がトップを競り合っている情勢だが、なかでも注目なのが、前回の総裁選で石破氏と決選投票を競い、僅差で敗れた高市氏。史上最長の政権を築いた安倍晋三元首相の後継者を自認し、国民人気も高い高市氏を「宰相の最有力候補」と評する向きもある。
中国、北朝鮮への強硬姿勢で知られる高市氏だが、右派色が濃厚な「高市新首相」の誕生に、防衛省内に漂うのは歓迎ムードとは真逆の警戒感だ。「台湾有事」が現実味を帯びる中、有事となれば最前線に立たされる彼らの間で、「高市だけはゴメンだ!」という悲痛な声が相次いでいるのだ。
一方、経験不足も指摘されるライバルの進次郎氏には意外な好評価も。国の行く末を占う総裁選を見る「防人」の心中は──。
高市氏の強気すぎる外交政策
「外交の方向性ということについて、日本がもう一度世界の真ん中で、咲き誇る日本外交を取り戻す時にきているし、そうしなければならない」
9月24日、日本記者クラブ主催による公開討論会で、高市氏はこう述べた。「世界の真ん中」「咲き誇る」というフレーズからは、高市氏が「路線継承」を公言してはばからない安倍元首相の影響がうかがえる。
一方で、靖国神社の参拝について考えを問われ、「いかに戦没者を慰霊するか、平和を祈るかということについては、これは適切に判断しなければいけない」と述べるにとどめた。前回の総裁選では、参拝を明言し、国内外で物議を醸したが、今回は意図的に保守色を薄めた形だ。
しかし、防衛政策について語る場面では、その思惑が透けるような発言も繰り返している。9月19日の出馬会見では、「防衛力の裏付けのない外交は弱い」と語り、研究開発費や新たな装備品の調達など、「費用をしっかりと積み上げて、絶対に日本の領土と国民を守り抜く」と力強く語り、国力強化の方針を明示した。
こうした発言は、すでに近隣国を刺激している。
中国、北朝鮮と歩調を合わせることの多い韓国でも高市氏への警戒感は高く、韓国紙「朝鮮日報」は高市氏について、故安倍晋三元首相に近い保守強硬派の「女安倍」と紹介しているほどだ。
しかし、こうした声は意外にも高市氏にとっては「身内」であるはずの「防衛族」の議員や官僚らからも漏れ聞こえてくる。

“盗撮”逮捕された教諭が繰り返した問題行動 学校把握もなぜ…子どもの安全を守るには 北海道

【動画】逮捕された盗撮教諭が繰り返した“問題行動” 学校も把握していたのになぜ…子どもの安全を守るには 北海道
教員同士の盗撮グループとして、北海道千歳市の中学校教諭が逮捕された事件。
教諭の男は学校でも不適切な言動を繰り返していたことが分かりました。
教育現場で子どもの安全を守るにはどうすればよいのでしょうか。
(保護者)「生徒が通う学校なので、どうしていくかこれから。どうやって対処していくか」
(保護者)「正直もう信頼なんてないかなというのは正直ある」
9月19日、千歳市立北斗中学校で開かれた保護者説明会。
(保護者)「誠意のある説明の仕方。だってこれだと学校通わせられないでしょ」
怒りをあらわにする保護者。
そのわけとはー
(記者)「柘野容疑者が下を向きながらゆっくりと階段を下りてきます」
性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕・送検された、北斗中学校の教諭・柘野啓輔容疑者。
2024年、道内の施設で16歳未満の女の子の性的な動画を盗撮し、SNSのグループに共有するなどした疑いが持たれてます。
その性的な動画を共有していたというのがー
「全国の教員グループ」でした。
この事件を巡っては、グループを管理していた名古屋市の小学校教諭・森山勇二容疑者や横浜市の小学校教諭ら4人がすでに逮捕・送検されています。
柘野容疑者は“盗撮教員グループ”の5人目のメンバーでした。
その動機についてー
(柘野容疑者)「ネットで他人が撮影した盗撮動画などを見て、自分も盗撮してみたいと思い、盗撮をするようになった。ほかの人が盗撮動画を投稿しているのに感化され、軽い気持ちで投稿した」
悪いうわさが次から次へと…柘野容疑者の“不審行動”
さらに、生徒や保護者が口にしたのは、柘野容疑者の数々の不審な行動でした。
(記者)「どんな先生でしたか?」
(卒業生)「お気に入りの生徒にはわかりやすく態度を変えたりしていた。もとから今回の事件のような噂はたっていた」
(生徒)「いい噂を聞かない。(女子生徒の)足を触ったりそんな感じでした」
(生徒)「聞いた話によるとおしりとか足を触るみたい」
担当していたバドミントン部でもー
(卒業生)「バドミントン部の顧問で、その先生が顧問になったときに急に短パンの丈が短くなったというのを聞いた」
(孫が元バドミントン部)「その先生が嫌で、夏ぐらいで1年ちょっとでバドミントン部をやめた。ひいきしていたみた」
逮捕を受けて開催された保護者説明会。
学校側から衝撃の事実が語られました。
(学校側)「赴任した年に生徒から相談を受けたことがあります。先生が指定するユニホームにしたが短いので嫌だ。当該教諭を生徒が生理的に受け付けられないという訴えがあった。足が細くてきれいだねというような発言があったという情報が寄せられた」
さらに、保護者から市教委にも訴えがー
(学校側)「(市教委に)友達の生徒が頭をポンポンと触られて気持ち悪かった、部員の中に好みの子がいるという発言を聞いたという届け。部活中に寝そべってスマホをいじっていたので、盗撮ではないかと疑った」
学校だけでなく市教委も把握していた柘野容疑者の問題行動。
相談した生徒と距離をとるよう学校側は指導しましたが、処分を下すことはありませんでした。
(保護者)「問題のある先生が何年もいるわけで、それどうなのという感じはする」
一連の対応について市教委はー
(千歳市教育委員会 高橋裕輔次長)「北斗中学校は大きな規模の学校ではなく、担任外における先生が非常に限られている。学校事情としてそういう配置をせざるを得なかった」
専門家は対応の甘さを指摘します。
(NPO法人日本こどもの安全教育総合研究所 宮田美恵子理事長)「期間的にも長期間にわたり、みんなが違和感を抱くようなことがあったとなると、対応しなければいけなかった。(対応は)不十分だったと考えざるを得ない」
(北海道教育委員会 中島俊明教育長)「大きな衝撃を受け止めており、極めて遺憾に思っております」
「9月中に学校内点検を」道教委が緊急で通知
この事件をうけ、北海道教育委員会は緊急の対策会議を開き、道立高校などに対し、9月中に学校内の点検をするよう通知を出しました。
札幌市白石区の札幌東高校です。
道教委の通知を受け、校内のトイレや更衣室などにカメラが設置されていないか点検に回りました。
(北海道札幌東高等学校 高橋昌宏副校長)「視界に入らない高い天井部分に妙な穴がないか、不審なものがないか、掲示物のなかに紛らわしい形でなにか含まれていないか、トイレットペーパーホルダーの死角の部分、こういったところを中心に見ています」
不審なものがないか、管理職の教員が校内の隅々までチェックしました。
(北海道札幌東高等学校 高橋昌宏副校長)「きょうは異常はありませんでした。しかし気を緩めずほかのところも含めて、今回だけに終わらせないで、今後も時期をみて進めていきたいと思います」
柘野容疑者が勤務していた北斗中学校でも2025年7月、カメラがないか点検が実施されました。
しかし、柘野容疑者も点検する側として参加していたといいます。
子どもたちの安全を守るはずの教育現場。
2度と事件が繰り返されないよう有効な対策が求められています。

〈自民総裁選〉小泉進次郎氏先行「実務経験に乏しい世襲のプリンスで本当にいいのか?」早大招聘研究員が自民議員に呼びかけ

自民党総裁選はいよいよ今日、開票される。決選投票にもつれ込むのは確実な情勢とみられるが、議員票で優位に立つ小泉進次郎氏が有利との見方が強い。しかし、国際政治アナリストで早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏は「民主主義国のリーダーとして相応しいか疑問だ」と指摘する。そして自民党の議員たちに呼びかける。「あなた方の総裁は本当に小泉進次郎氏でいいんですか?」
【画像】小泉政権誕生の暁には「官房長官になるのでは」と目される人物
自民党所属の国会議員の良心に今一度問いかけたい
自民党総裁選の結果は間もなく明らかになるが、おそらく次期総理・総裁は小泉進次郎氏でほぼ決まりという見通しだ。第一回投票で決まるか、決選投票で決まるかの違いはあるが、国会議員票は小泉進次郎氏優勢であることから、今から情勢が大きく変わることは想定し難い。
しかし、そのような状況であるからこそ、本稿では自民党所属の国会議員の良心に今一度問いかけたい。あなた方の総裁は本当に小泉進次郎氏でよいのですか、それが本当に日本のためになるのですか、そして国会議員として初めて議員席に座った時のあなたならその選択をしましたか、と。
永田町で時間を過ごすと政界の論理に染まってしまうものだ。どのような大志を持って国会議員になったとしても、人間関係の貸し借り、ポスト、金、票などのあらゆる要素が初心を忘れさせる。
辛うじて、青臭かった頃の気持ちが残っていたとしても、自分の身のこと、そして選挙区のことを考えれば、本音のままに振る舞うことができないことも分かる。
しかし、この場ではあえて自民党の国会議員の皆様に青二才の問いかけをしたい。あなた方は、そんな一票を投じるために苦労して議席を得たのですかと。
筆者は小泉進次郎氏のパーソナリティを批判しているわけではない。ぱっと見では、好印象な人物であり悪い人だとも思えない。たとえ少しばかり意味不明な発言をしたとしても、それも愛嬌だ。
自民党議員は最高司令官の地位に、本気で相応しいと思っているのか
だが、小泉進次郎氏の人柄と、彼が自民党総裁に相応しいか、ということは別問題だ。そして、野党がバラバラである以上、自民党の総裁はそのまま日本の総理になる。
言うまでもなく、内閣総理大臣は日本政府のトップだ。現在、日本を取り巻く外交安全保障環境は地政学上の危機が高まりつつあるが、小泉進次郎議員には外交安全保障の要職に就いた経験が無い。米国で一時期大学院生として過ごし、米シンクタンクでスタッフ見習いのような仕事をしただけだ。
自民党の国会議員はその人物に、日本の外交安全保障上の重要決断を本気で任せてよいと思っているのだろうか。彼は外交安全保障については大臣はもちろん、外務・防衛副大臣・政務官を務めた他の議員たちよりも知らないだろう。
まして、有事となれば多くの国民の生命・財産が危険にさらされ、自衛隊は命を賭して国民を守ることになる。その最高司令官の地位に、小泉進次郎氏が本気で相応しいと思っているのか。
もちろん民主主義国である以上、自衛官は職務を粛々と果たしてくれるだろう。しかし、彼の姿が国民を奮い立たせるとは到底思えない。
主要な役職を経験していない世襲のプリンス
ただ世襲のプリンスとして当選回数を重ねた人物よりも、総理総裁として有事の際にその地位に相応しいと思う国会議員は本当にいないのか。
日本経済はデフレから脱却の兆しが見え始めたところだ。小泉進次郎氏の閣僚経験は環境大臣と農林水産大臣としてのキャリアしかない。彼は日本経済全体を見渡すポジションに就いて実務を担ったことがない。
これまで自民党は財務大臣、経済産業大臣、外務大臣、または官房長官のような主要な役職を経験した人間を総理総裁に選んできたのではないのか。自民党の経済政策の混乱によって30年間のデフレが続いてきたとしても、それでも何の実務経験がないド素人を選ぶという選択は流石にしてこなかったはずだ。
面従腹背の官僚を従えることは非常に難しい。そのような官僚たちを統率するためのキャリアは明らかに不足している。世襲のプリンスを支える存在として各省からお膳立てされた役人たちが彼を取り囲んでいる姿が目に見えるようだ。
自ら選挙の価値を毀損する行為をしてしまった
「2030年度までに名目賃金100万円の上昇」という公約は、現在のインフレ率・名目賃金上昇率を見れば容易に達成できるため「役人に任せて何もしない」と述べているのに等しい。そのような目標を掲げて疑問を抱かない総理とは一体なぜ存在するのか。
自民党の国会議員は国民の生活や日本の将来がかかった経済政策に対する責任感を既に失ってしまったのか。
世界情勢は権威主義国の台頭によって乱れている。権威主義国の指導者はオールドメディアを統制してSNS規制を進めている。政権から見て不都合な国民の言論を制限することに何ら躊躇いはない。
小泉進次郎氏の陣営は、今回の総裁選挙においてステマを行うためのマニュアルを自陣営に配布するなど、自ら選挙の価値を毀損する行為をしてしまった。また、彼の地元である神奈川県連で党員名簿削除に関するミスが生じたことも事実だ。このような状況が起きてしまった以上、権威主義国と対峙する民主主義国のリーダーとして相応しいか疑問だ。
小泉政権に国民の言論に規制を課す資格は既に失われている
ここで改めて言及するが、自民党総裁選は単純に同党のトップを選ぶというだけの選挙ではない。中国の習近平やロシアのプーチンと対峙するだけの資格がある民主主義国のリーダーを選ぶものだ。
民主主義の観点から傷がついた人間が担うべきではない。まして、昨年の総裁選挙時、小泉氏は北朝鮮の金正恩氏を念頭に「首相になればトップ同士、同世代なわけだから、今までのアプローチにとらわれず、前提条件なく向き合う、新たな機会を模索したい」と述べていたが、小泉氏が行うべきことはそんな友達感覚の話ではないはずだ。
さらに、言論の自由という観点からは、今回の総裁選後、自民党の中にはSNS規制を推進する意向を示している国会議員がいるが、ステマ騒動の小泉政権に国民の言論に規制を課す資格は既に失われている。
最後に、日本は、政界、官界、財界、その他の領域において、戦後80年の間に作られてきた門閥支配が幅を利かせている。
特に実績もない世襲議員が総理総裁に立候補して、まさに権力を手にしようとしてる姿を見れば、国会議員一人が自らの正論を通そうとしても無力感に絶望もするだろう。かつては国民と同じ立場にあった叩き上げの国会議員であれば、エスタブリッシュメントの世界は遠い世界のように感じるかもしれない。
氷河期世代は、怒りを通り越して…
しかし、国民の諦観はそれ以上のものだ。世襲議員が地盤を引き継ぎ、総理が事実上世襲される世の中に何の希望があるのだろうか。氷河期世代の人々は、怒りを通り越して乾いた笑みを浮かべるのではないか。
それよりも若い人々にとっては、成功するには血筋が全て、という価値観が当たり前になってしまうことすら懸念される。
政治は日本国民のために行うべきものだ。そして、自民党の議員を国会に送り出した票は、名も無き市井の人々の思いを投じたものだ。したがって、自民党国会議員の一票はあなたのためのものではなく、日本国民にとって正しい選択をするためのものだ。そして、あなたが投じた一票は日本の歴史に残ることになる。
自民党議員が今回投じる票は、激動の時代の中で、本当に重要な総裁選挙での一票だ。だからこそ自らの良心に従った投票を行うことをお願いしたい。
文/渡瀬裕哉

勤務実態「あったことにしてほしい」…石井前議員、名義貸し男性に口裏合わせ依頼か

石井章・前参院議員(68)(日本維新の会を除名)が詐欺罪で在宅起訴された秘書給与詐取事件で、公設秘書の名義を貸したとされる石井被告の親族の男性が東京地検特捜部に対し、「秘書の勤務実態があったことにしてほしいと石井被告から頼まれた」という趣旨の供述をしていたことがわかった。特捜部は、石井被告が男性に口裏合わせを依頼し、不正発覚を免れようとしたとみている。
起訴状などによると、石井被告は事務所スタッフだった大川香留(かある)被告(60)(在宅起訴)らと共謀し、親族の男性を公設第2秘書に採用したとする虚偽の採用届などを参院に提出。2021年5月~22年10月に国から秘書給与など計約828万円をだまし取ったとされる。
男性は当時、石井被告が理事長を務める社会福祉法人の従業員で、秘書としては働いていなかった。しかし、関係者によると、石井被告は男性に対し、公設秘書として勤務していたと特捜部の捜査に答えるよう依頼したとされる。男性も任意の事情聴取に、石井被告からこうした働きかけを受けたと説明したという。
特捜部は、石井被告による口裏合わせの依頼は証拠隠滅を図る悪質な行為だとみていたが、男性が実際には「勤務実態はなかった」と認めたことから、証拠収集への影響はないと判断。在宅のまま捜査して石井被告を起訴したとみられる。
特捜部は男性について、石井被告との共謀を認定した上で、詐欺への関与が従属的だとして不起訴(起訴猶予)としている。

【全国初】関空で“ハイヤー”に特化した街頭監査 客引き行為が問題化 中国人観光客ら増える国慶節に合わせ

全国で初めて、ハイヤーを対象とした街頭監査が関西空港で行われました。
ハイヤーの運転手に声をかけるのは、近畿運輸局と大阪府警の担当者です。
近年、関東の空港などでは、流し営業が認められていないハイヤーの運転手による客引き行為が問題となっていて、近畿運輸局などは国慶節で大勢の中国人観光客などが訪れる関西空港で、違法な行為や条例違反がないかなどをチェックしました。
ハイヤーに特化した街頭監査は全国で初めてだということで、近畿運輸局は「今後定期的に実施していきたい」としています。

森友学園が一時所有の国有地 建物と一括で売却へ ごみ撤去に約6.3億円と見積もり

森友学園に一時売却され、その後、国が買い戻した大阪府豊中市の土地について、国が建物と一括で売却する方針を明らかにしました。
この土地は2016年に、地中のごみの撤去費用として約8億2000万円が値引きされて森友学園に売却されましたが、学園側が小学校の開校を断念したため、翌年に国が買い戻しました。
今回、売却するにあたり、大阪航空局が改めて地中の埋設物を調べたところ、コンクリートのガラやプラスチック片など14種類・5004トンのごみが確認されました。
財務省が国有地売却の際に8億2000万円値引きの根拠とし、会計検査院が「根拠不十分」と指摘していたごみの撤去費用は約6億3000万円と見積もられています。

万博閉幕まであと9日 イタリア館に新たな美術品「聖フランチェスコ像」

大阪・関西万博の閉幕が9日後に迫る中、イタリアパビリオンが今回の万博のために制作したという新たな工芸品を披露しました。
4日午前10時過ぎにイタリア館でお披露目されたのは「聖フランチェスコ像」。
中世イタリアの聖人、聖フランシスコをモデルにした彫刻です。
この作品はイタリアの伝統技法を継承する現代の芸術家、マリアンナ・コスティ氏に制作されたもので、世界平和を守護しているという聖フランシスコの全身が表現されています。
これまで数々の美術品を公開するなど話題を呼んできたイタリア館。
万博閉幕の13日にはパビリオン前にスケートリンクを設置し、オリンピックメダリストらが登場する閉会セレモニーが予定されています。