きょう午前、愛知県豊田市の国道で車同士が衝突する事故があり、1台の車がはずみで水路に転落し、運転していた高齢の女性がけがをしました。
事故があったのは、豊田市元宮町付近の国道できょう午前11時過ぎ「車が用水路に転落した」「運転手が外に出られない」と消防に通報がありました。
車同士の事故… はずみで転落か
消防によりますと用水路の上を通る国道で事故があり、そのはずみで車1台が水路に落ちたとみられています。
水路に転落した車を運転していたのは高齢の女性で、病院に搬送されましたが、意識があり、会話もできる状態だということです。
【現場の画像】「車が用水路に転落」 車同士の事故 はずみで1台が転落…高齢女性ケガ 愛知・豊田市
「ニュース」タグアーカイブ
「群馬パスポート」申請殺到 初日に1万件超え受け付け終了 35市町村のスタンプ収集
群馬県が新たに作成した「GUNMA PASSPORT(群馬パスポート)」は、初日から申請が殺到し、受け付けを終了する事態となりました。
【画像】知事も満足げ「結構いい感じ こだわりました」その中身は
35市町村のスタンプ収集
実際のパスポートとほぼ同じ大きさ、表紙には県の公式マスコット「ぐんまちゃん」が描かれた「群馬パスポート」。
とはいえ、群馬県のパスポートとは一体…。外国に行くために必要になるのが本来のパスポートですが、実はこれは県内35の市町村に用意されたスタンプを集めて回ることを目的にした、パスポート型パンフレットなのです。
群馬県観光リトリート推進課 池田登美子さん
「より群馬を好きになっていただき、群馬県との関わりを持ってもらえるようなことを期待して作成」
草津温泉などの有名な観光地の紹介のほか、県の歴史や文化、そしてグルメといった群馬の魅力がカラー写真付きで紹介されています。
山本一太知事(68)も、この「群馬パスポート」の完成度に満足気です。
「持っているだけでも満足感を得られる一冊となるよう、仕様やデザインが結構いい感じ。こだわりました」(先月24日)
県外の人でも申請することができ、無料で交付されます。今回、県はこの「群馬パスポート」を1万部作成し、1日から申請の受け付けを始めました。
ところが、この日だけで想定を超える1万件以上の申し込みがありました。県庁では、多くの人が押し寄せ長蛇の列までできていました。
初日に2100人超が県庁に
見た目がまるで本物のような「群馬パスポート」。申請が殺到し、わずか1日で発行総数の1万件に達してしまいました。
群馬県観光リトリート推進課 石川寛人主事
「非常に驚いていて。想定の本当に何倍もという。なかなか態勢がこちらも追いついていないと」
この日は交付を求めて、県庁に2100人を超える人が押し寄せ、長蛇の列になりました。
このパスポートを手にした人たちが群馬県内を隅々まで回ることで、経済効果も見込まれています。
池田さん
「スタンプラリーの主な所は、道の駅や観光案内所。(そこで)飲食したり、買い物したりなど期待できる」
県の担当課では今後、追加で申請を受け付けるかなど連休明けに検討することにしています。
元日経トレンディ編集長
サイバー大学 北村森教授
「非常に大きな成功事例だと思う。他の自治体も追随してくる可能性。今回の群馬県のケースはモデルケースになり得る事例」
(2026年5月6日放送分より)
男子高校生の死因は「偶発性低体温症」…猪苗代湖水上バイク転覆事故 福島
猪苗代湖で水上バイクが転覆し、男子高校生1人が死亡した事故について、死因は偶発性低体温症だったことが分かりました。
3日午後0時45分ごろ猪苗代湖の中田浜で男性5人が2台の水上バイクで走行していたところ、1台が転覆し、乗っていた3人が湖上に投げ出される事故がありました。
この事故でバイクに乗っていた東京都の男子高校生が死亡しました。
警察によりますと、男子高校生の死因は偶発性低体温症だったということです。
バイクを操縦していた埼玉県の男性会社員は意識不明の重体です。
「クマにやられた」薬局に駆け込んだ男性、出血しぐったりした姿…店主「こんなことあるのか」
秋田県由利本荘市東由利法内の田んぼで5日、一人で見回りをしていた農業男性(48)がクマに襲われ、顔や腕にけがを負った。けがの程度は不明だが、搬送時、意識はあったという。県内でクマによる人身被害は今年初めてで、駆け込んできた男性の手当てをしたという薬局の店主は「こんなことがあるのか」と驚いた表情で語った。(簗田明、鈴木茉衣)
由利本荘署の発表によると、男性が襲われたのは5日午前8時15分頃。クマは体長約1メートルで成獣とみられる。男性はドクターヘリで秋田市内の病院に搬送され、手術を受けている。
現場は東由利小学校から200メートルの田んぼが広がる一帯で、石沢川を渡ると住宅街が広がる。
襲われた男性はその後、車で住宅街に向かい、薬局に助けを求めた。ベルが鳴り、店頭に出た店主の女性(78)は、額などから出血した男性が店内の椅子にぐったりと座っている姿を目の当たりにした。
「救急車を呼んでください。クマにやられた」。男性のうめくような声を聞き、119番した。救急車が到着するまでの約15分間、男性の額にタオルを当てて出血を抑えたり、意識が遠のきそうになる男性の体をさすったりしながら、「しっかりして」と呼びかけ続けたという。
救急隊員は「傷が大きいのでドクターヘリで搬送する」と話していたといい、伊東さんは「店の前の道は近くの小学校の子どもたちが通学で使う。こんなことがあると心配だ」と振り返った。
被害が発生した後、周辺は赤色灯をつけたパトカーが巡回し、県自然保護課の職員らが現場の状況を確認するなどして物々しい雰囲気に包まれた。
由利本荘市は同日午後、現場の北側に広がる山林にはちみつと米ぬかを入れた箱わな1基を設置。市農山漁村振興課は「引き続き、生ゴミを放置しないことや果樹を伐採することなど、クマが来ないようにする対策を求める」と話している。
田んぼ 森林近く クマの通り道か
県自然保護課の資料によると、2021年以降の各年最初の人身被害の発生状況は、登山(25年)や山菜採り(21、23年)などで山の中に入った人がクマと遭遇したケースが目立つ。
今回、被害が発生した場所は見晴らしのいい田んぼで、近くに小学校もある人里だ。由利本荘市農山漁村振興課は「付近を森林に囲まれており、クマの通り道になっているのではないか」とみる。
茨城県自然博物館の山崎晃司館長は、「山の中ではない場所では一人一人ができる対策には限界がある。誘引物の除去の他、行政がすみ分けのための許可捕獲を進めるしかない」と指摘。複数人で行動することや、体を隠して移動できる河川沿いがクマの移動経路になりやすいといった生態を知ることも有効だという。
県自然保護課によると、県内の4月のクマ目撃件数(速報値)は前年同月比4・6倍の389件に上っている。
【ナゼ】「突然水が出なくなったら…」東京都が異例の注意喚起 あなたの家も狙われる?水道メーターの窃盗相次ぐ
「突然、水が出なくなる」――。
全国で相次ぐ突然の断水。集合住宅を中心に水道メーター盗難被害が拡大しています。その背景には、新たなインフラ犯罪が潜んでいました。
2026年4月20日、東京都は公式Xで「突然、水が出なくなった場合には、水道局お客さまセンターまでご連絡ください」という異例の注意喚起をしました。「突然、水が出なくなる」とは一体どういうことなのでしょうか。
東京都水道局の担当者に話を聞くと、どの家庭にも設置されている水道メーターが盗まれたといいます。2026年4月、町田市内の集合住宅で合わせて31個の水道メーターが盗まれていることが判明し、被害総額は約14万円に上るということです。
(多摩水道改革推進本部・武井豊 課長)
「水道メーターは、水道管がつながっていて、一部のような形になっています。水道メーターを外すと、水道管が分断されて外されたお部屋の方は、水が出なくなります」
実は水道メーターを狙った盗難は、全国各地で相次いでいます。山口県下関市では、浄水場で金属スクラップとして売却するために屋外で保管されていた水道メーターが被害に遭いました。その数なんと1341個、被害額は約46万円になるといいます。
(下関市上下水道局総務課・日田雅彦 係長)
「想定外のことが起きているので、ビックリしています。保管場所に行くまで2か所の施錠、周囲は金網の柵がしてあり、有刺鉄線もあるので…」
犯人はなぜ水道メーターを盗んだのでしょうか。
(水ジャーナリスト・橋本淳司氏)
「現金化したいというのが目的だと思います。メーターの黄金色に光っている部分が砲金・青銅になっていて、非常に純度の高い銅製品なんです」
銅の価格はここ数年上昇を続けており、9年前の約3倍に。水道メーターには、『砲金』と呼ばれる銅の合金が使われていて、その買い取り価格も上昇しているといいます。
水という大事なインフラを脅かす水道メーターの盗難。そこには、集合住宅が狙われやすいという特徴がありました。
兵庫県姫路市では2026年4月22日、県営団地で、水道メーターの盗難が発覚しました。いずれも、空き部屋の玄関横に設置されていたもので、29個盗まれたといいます。
また大阪府堺市でも4月に入り、集合住宅や大阪刑務所の職員宿舎など3か所で盗難が発覚。合わせて33個の水道メーターが盗まれました。さらに静岡県静岡市では、2026年3月以降、複数の公営団地などで89個のメーターが盗難に遭っています。
集合住宅が狙われる理由について、橋本氏は「多くの場合は建物の裏とか、建物の入り口付近など1階の部分にまとまって設置されていることが多いです。犯罪者にとっても、狙いやすいっていう部分はある」と話します。
銅の盗難を巡っては、これまで銅線ケーブルや銅で作られた瓦などが狙われてきましたが、今回、水道メーターを狙った犯行が増えているのは一体なぜなのでしょうか。
(橋本氏)
「多くの水道メーターは、水道メーターボックスという所にありますが、検針のしやすさを優先していて、鍵はかかっていません。防犯前提の設備ではなくて、利便性優先の設計ということが言える」
盗まれると水が使えなくなる、なんとも身勝手な犯行。橋本氏によると、被害に遭わないためには各家庭で水道メーターボックスの死角を減らしたり、付近を明るくしたりするといったことも対策の一つだということです。
また、橋本氏は「遠隔でチェックできる水道スマートメーターを自治体が導入すべき」とも話していて、東京都や大阪府では2030年代に全域で導入予定だということです。
(「情報ライブ ミヤネ屋」2026年4月24日放送)
岩手・大槌町で再び山林火災 消防が消火活動
先月22日に大規模な山林火災が発生した岩手県大槌町で、再び山林火災です。消防によりますと、大槌町の城山公園体育館付近で山林火災が発生していて、消防が消火活動にあたっています。
先月22日の大槌町の2か所で発生した山林火災は、発生から11日目の5月2日に鎮圧したばかりです。
《京都行方不明・父親が殺人で再逮捕》「誰かを庇っているのではないか、と…」優季容疑者に同級生から驚きの声のワケ「サッカー部補欠でもサボらず真面目」
5月6日、京都府警捜査本部が安達優季容疑者(37)を殺人の疑いで再逮捕する意向であることが報じられた。安達容疑者は、再婚相手の子である結希くん(当時11)の遺体を遺棄したとしてすでに逮捕されていた。
連日メディアが大きく取り上げてきたこの事件。結希くんを慈しむ複数の親族と一つ屋根の下で暮らしながら、安達容疑者が凶行に及びえたことに、日本中が大きな衝撃を受けたからだろう。
今回の逮捕で事件の解明はどこまで進むのか。これまでNEWSポストセブンが報じてきた記事を再公開する(記事公開日は2026年4月17日、肩書・年齢、捜査状況等は当時のまま)。
◆ ◆ ◆
京都府南丹市で行方不明となっていた安達結希くん(11)の遺体が山林で発見され、義父の安達優季容疑者(37)が死体遺棄の疑いで逮捕された。警察は、遺体が「複数回移動された可能性が高い」とみており、発見現場とは別の場所にいったん遺棄された後、さらに移動させられた痕跡が確認されているという。
大手紙社会部記者が語る。
「容疑者には、3月23日から4月13日までの間に、結希くんの遺体を山林などに遺棄した疑いがかけられています。結希くんが行方不明となった3月23日、容疑者は結希くんを学校まで送った後、南丹市内の別の場所に連れて行き殺害し、その場に遺棄したという趣旨の供述をしている。その後、市内の複数箇所に遺体を移動させ、隠していたとみられます。
死因は現時点で特定されておらず、京都府警は事件の全容解明に向け、4月16日午前に南丹警察署へ37人態勢の捜査本部を設置しました。現在も証拠の精査が進められています」
再婚した妻の連れ子を自ら手にかけ、遺体を隠匿してまで逃げおおせようとしたというのか──。
優季容疑者はどのような人物だったのか。中学時代を知る人物は「生徒会長はしていましたが、1学年1クラス十数人の小さな学校でした。まとめ役だったけど、自分から主導して動くタイプではない」と語っており、容疑者に悪印象は持っていないようだった。
高校時代の同級生も、当時の様子をこう振り返った。
「(容疑者は)サッカー部やったんですけど、遅刻もせず真面目で。スポーツ万能でもないし補欠でしたけど、ただ毎日遅刻もせず練習に参加していて。負けず嫌いやったらしいですけど、特に目立つタイプではなく、ごく普通。普段もワイシャツをちゃんと着て、腰パンとかもしないタイプでしたし。
自衛隊員の自民党大会「私人参加」問題の本質/「国歌だから」では済まない自衛隊の政治利用はますますエスカレートする
2026年4月12日に開かれた自由民主党(自民党)大会で、陸上自衛隊中央音楽隊の鶫(つぐみ)真衣氏3等陸曹が陸自中央音楽隊に所属する歌手と紹介され、陸幕長の許可がなければ着用できない「通常演奏服装」を着用して国歌を歌った。
これは法律論以前に、自衛隊の政治からの中立は常識以前の問題で、出演させた自民党、許可を出した陸幕ともに当事者意識と能力が欠如しているのではないか。
ちなみに防衛省内部の部局と小泉進次郎防衛相は事前に知らされていなかった、知っていたら「別の判断もあった」と発言している。だが防衛相自身が、党大会の現場で嬉々として鶫3曹とのツーショットを取ってSNSで公開していたので、問題意識があったのか大変疑問だ。
■「知らなかった」は本当か
案の定、弁護士らが4月30日、これが「政治的行為を制限する自衛隊法に抵触する」として、隊員らに対する自衛隊法違反容疑の告発状を東京地検に提出した。鶫3曹、荒井正芳陸上幕僚長、党大会の実行委員長だった簗和生(やな・かずお)衆院議員も共犯として告発する事態となった。仮に法的な問題がないとしても、私党である自民党と自衛隊の癒着と認識されるだろう。
自民党大会は自民党の最高意思決定機関とされており、極めて政治的な催しだ。これに着用許可を出した荒井陸幕長の責任は重い。小泉氏の弁が正しいのであれば、この極めて政治的に微妙な案件を内局や大臣に上げることなく自身で判断した。小泉氏は「知っていたら別な判断もあった」と述べている。
私人としての参加を認めるのであれば、私服で歌うという選択もあったはずだ。ところが「私人」としての紹介ではなく、自衛隊中央音楽隊の所属とまで紹介され仕事で使う「通常演奏服装」で歌唱したのだ。
この模様は自民党や小泉氏によってSNSなどでも拡散されたので、多くの国民は「自衛隊が協力した」と考えただろう。政治的に極めてセンシティブな案件であり、これを内局に相談せずに陸幕長決済で許可を出したのは、陸自のトップの判断として正しかったのか。
つまり、自衛隊は「中立を破り私党である自民党に協力した」と認識されたわけだ。
今回のケースは「私人として参加した」と言っても世間では通らないだろう。少なくとも「私人」という抜け穴を使った姑息な方法で政治協力をしたと認識されるだろう。
■法の解釈と「私人」という問題の本質
「通常演奏服装」を着用し自衛官と紹介されて歌唱したこと自体、公務で行っても私人として行ってもやったことは同じである。例えは悪いが、事の本質は売春と店舗型性風俗特殊営業店、いわゆるソープランドの関係とまったく変わらない。
同じことをして公務であれば売春だが、「私人」としてはソープランド内では客とキャストの「自由恋愛」だから「売春」ではなく、合法なので問題ないというという論理である。だが行為自体は変わりはない。
売春防止法では売春が禁じられており、いわゆる風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)では、ソープランドは性風俗関連特殊営業に分類される。風営法第2条第6項1号では「浴場業(公衆浴場法)第1条第1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」と定義されている。
建前としては、ソープランドの店舗としては従業員に性行為を伴うサービスを提供させている訳ではない。あくまで従業員と利用者との間での合意に基づき性行為、すなわち「自由恋愛」に及んでいるだけであって、店舗のサービスと性行為は無関係であるということになっている。
今回の党大会では、自衛官として官姓名を紹介され、幕僚長の許可を得て「通常演奏服装」を着用して歌唱しても公務であれば違法であるが、「私人」としてならば問題ないというのが陸幕長の見解だ。だが、見る人間からすれば自衛官が自民党大会で歌ったという事実に変わりはない。だからこそ世論が反発した。「私人」として歌ったのだから問題ないというのは、上記のような法の隙間のグレーゾーンを狙ったものではないか。
何か目的がある場合に、自衛隊は抜け穴を使って法的な問題を回避する組織と世間から認識されるだろう。このような認識があれば武力組織、他国なら国を守るべき国軍としてたいへん問題がある認識だ。また国民の信用を大きく損なうだろう。
今回、「中国の共産党大会みたいだ」との声も多く聞こえた。だが、党大会で軍楽隊が演奏しても中国人民解放軍は「党の軍隊」なので、法的な齟齬(そご)はない。対して自衛隊は、自民党に所属しているわけでない。法的に言えば、自民党と自衛隊のコンプライアンスは一党独裁の中国以下ということになる。
これは第2次世界大戦のアメリカが組織した中国への義勇飛行隊「フライングタイガース」と同じだ。これは日米開戦の半年前に編成され、「アメリカ合衆国義勇軍」(AVG)と名付けられ、最終的にパイロット70名、地上勤務員104名となった。
■自衛隊は自民党の軍隊ではない
民間人として中国に渡航、現地で正式に中華民国軍に入隊という形をとった。だが彼らはアメリカ軍軍人であり、機材もアメリカが提供していた。これは1907年のハーグ陸戦条約(中立国義務)に違反する「義勇兵」という名の武装介入だった。
このケースは、党大会での歌唱が「私人」だから問題ないと同じ論法だ。であれば、「私人」として陸自の隊員が義勇兵として陸自の装備を使ってウクライナの戦場で戦っても問題はないということにならないか。
そして自民党、防衛省、陸自に共通して法に触れても罰せられないという確信犯的な認識があった可能性もある。例えば 自民党の派閥の政治資金パーティー裏金事件に関して、東京地検特捜部が刑事立件の目安を「5年間で不記載額が3000万円以上」とし、それを下回る議員の多くを不起訴処分とした。つまり3000万円以下であれば犯罪やってもOKと検察が認めたのだ。
東京高検の黒川弘務元検事長(当時)が、緊急事態宣言中に知人の新聞記者らと行っていた賭け麻雀をやった事件があった。刑法185条では、たとえ1円でも現金を賭ければ原則として賭博罪が成立する。
だが当初、法務省や検察は「必ずしも高額とは言えない」といった理由で不起訴(訓告処分)とした。検察は身内の検事を擁護するために法を曲げたわけだ。その後、不起訴処分となったのち、検察審査会で「起訴相当」の議決を受け、最終的に略式起訴された。
また2017年、当時の安倍晋三首相と財務省による汚職が疑われた、いわゆる「森友学園問題」では虚偽を強要された官僚が自殺した。しかし、彼に命令した上司たちは処罰されるどころか栄転した。
こういう前例を見ても、政権与党、あるいは政権を支える側の行政であれば「与党の利益になることをやっていれば不法行為にならず、グレーで逃げ切れる」という実態がある。
■半世紀近く前にも同様なケースが問題に
党大会への参加では、以下のような先例がある。1979(昭和54)年4月27日の参議院本会議で、当時の社会党所属の野田哲(てつ)議員が大平正芳首相に質問している。
野田哲:去る2月11日、宮城県民会館において開催された「建国記念日奉祝宮城県民大会」と称する集会は、自主憲法の制定、一世一元の法制化実現をスローガンに掲げ、大会決議としても同様の趣旨を採択しています。この集会に、陸上自衛隊東北方面総監柏葉陸将が参加し、あわせて陸上自衛隊東北方面音楽隊がこの集会に協賛して参加している事実があります。このような、現行憲法を否定し、元号法の実現を図ろうとする特定の政治目的を持った集会に自衛隊の高級幹部や音楽隊が参加するという行為が容認されていいのでしょうか。このような行為が公然と行われることにこそ、今回の憲法理念に逆行する元号法案提出という政府の政治姿勢が自衛隊にまで投影して、絶対越えてはならない枠を踏み越える行為に走らしていると指摘をしなければなりません。自衛隊の最高指揮官である総理は、このような自衛隊の行動にどのような見解を持たれるのか、明確な答弁を求めます。
大平正芳:先ほど建国祭の祝日のお祝いに自衛官が参加したことにつきまして、そのこと自体には問題がないのではないかという御答弁を申し上げたわけでございますが、野田さんの御質問は、さらにその大会が特定の政治的な目的を持っておったものであると、そういうところに出てまいることは適切でないじゃないかという御指摘でございました。私が伺っておるところによりますと、その自衛官は、そういう会合がそういう政治的目的を持って催されたものであるというようなことは出席するまでは存じなかったというように聞いておりまするけれども(発言する者多し)自衛官は公務員でございますので、その立場を逸脱するようなことのないように、慎重な行動は常に心がけていただかなければならぬと考えております。
(第87回国会参議院本会議第13号昭和54年4月27日:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/detail?minId=108715254X01319790427)
大平首相がここで示したのは、党派性のない集会だと思って参加したら、実は改憲が目的の集会であった。それを参加した自衛官は知らなかった。知っていれば参加しなかった、政治的な集会と知っていれば政府の見解としても問題があるとの認識だ。つまり、政府の見解としては「政治色の強い集会に自衛官が参加するのは慎め」という話だ。荒井陸幕長はこの政府見解を逸脱してもいいと思っていたのか。
内局が把握していればこの政府見解を意識していたはずだし、許可は見送った可能性もあったのではないか。ただ、官邸から「要望」があったのであれば断れなかっただろう。何しろ首相が失言して、存在しない「中国の戦艦」と発言したら、「中国の戦艦」の実在を閣議決定するような内閣が今の高市早苗政権である。
法律論以前に、組織として毅然として政治から距離を置き、中立を維持するのが将官として組織を預かる者の矜持ではないだろうか。安倍晋三氏の個人葬儀でも儀仗隊を出し、全国的なナショナリスト団体である日本会議のイベントでも鶫3曹の参加を認めたが、「たいした批判もなかったから問題ない」と政治的な中立に対する認識が弛緩していなかったか。
■矜持を失った自衛隊
さらに、これに組織的な関与はなかったのか。縁もゆかりもないイベント会社が鶫3曹の連絡先をなぜ知っていたのか。小泉氏や鈴木俊一幹事長は「党大会を企画したイベント会社が鶫3曹に個人に対してお願いをした」と話しているが、高市首相は「自衛官は職務ではなく、私人として旧知の民間の方からの依頼を受けて歌唱した」と述べており、食い違いが生じている。
常識的に考えれば、まず陸幕広報室か中央音楽隊に連絡があったと思われる。そもそも、何の縁もゆかりもない団体やイベント会社から「プロの歌手を呼べば10万円とか20万円のギャラが必要ですが、鶫さんなら自衛官だからタダでいいですよね? お車代もなしで、美容院とかも自腹でお願いします」と言われて、嬉々として出演するだろうか。
「ギャラ」は本当になかったのか。例えば日本会議やイベント会社、自民党からでなく第三者から何らかの形であるいは経由して金品が支払われていないか。
また、なんらかの「密約」はなかったのか。例えば退職後に自民党から参議院議員として公認候補として出馬するとか。「曹」の階級だと50代半ばで定年退職を迎える。自民党の国会議員に「転職」できれば年収2500万円である。顔も売れており、自衛官の票も集まるだろう。自民党も公認して、選挙費用を持っても当選が確実視できるなら損はしない。
そのような約束があれば、出演料は出なくとも利益はある。少なくとも間接的なエビデンスを見るかぎり、そのような疑いをもたれても仕方がないのだ。
さらには、なぜ中央音楽隊の副隊長、音楽隊指揮者である柴田昌宜2等陸佐が党大会に参加していたのか。現場では指揮や指導などはしていないとされているが、まったく無関係で制服も着ていない「私人」がどうして自民党の最高機関である党大会に招聘されていたのか。普通に考えたら何らかの自民党に対する「功績」があったからではないか。
組織として許されないことも、「私人」の立場でなら組織的に動いても問題ない――。そう考えて、自身の自衛官として立場を利用して日本会議のイベントにも何らかの関与をしてきたではないのか。
今回の件では、自衛官による営利企業の「役務提供」も問題だ。「私人であれば自衛官として活動して問題ない」となったとしたら、さらなるエスカレーションが発生しないか。「前も大丈夫だったから、もう少し踏み込んでも大丈夫だろう」とエスカレートして、自衛隊が自民党の私兵化することさえ、十分に懸念されるのだ。
これを許せば、謝礼さえ貰わなければ、民間企業のCMに「私人」として制服着用で出演できることになるだろう。さらに問題なのは、組織的な関与も可能となることだ。
例えば次は自民党大会で、中央音楽隊の隊長が部下に命じて音楽隊全員が「有給休暇」をとって「陸自中央音楽隊です」と紹介されて演奏することも可能だ。
自衛隊にはこんな不祥事もあった。2020年に、海上自衛隊の森田哲哉1佐が女性向けデリバリーヘルス(派遣型風俗店)を約10年間、実質的に営業したことが発覚して懲戒免職処分を受けた。森田1佐は妻名義で営業届け出を行っており、妻名義なら兼業に当たらないと思ったと述べている。また彼はこれを社会事業だと主張していたようだ。
そうであればこれも「私人」として「役務提供」だと主張でき、懲戒処分はおかしいのではないか、ということになる。今回の件はこのようなグレーゾーンを拡大させることにならないか。
■順法意識も低い自衛隊
かつては自衛隊では、自衛隊出身者の天下り先である生保2社の掛け捨て保険に隊員らが事実上、強制加入させられていた。無論、保険加入は任意だが、入らないと連隊長から呼び出されて「何で入らないのだ?」と圧力をかけられていた。
上官から圧力をかけられれば、末端の隊員は拒否できない。事実上の強制だ。こういう不当な圧力をかけることは、実は自衛隊では少なくない。
自衛隊内部の一定の政治思想を持った集団が、権力をかさに隊員に「私人としての協力を求める」ことがないといえようか。例えば反政府デモに対して、自衛官が集団で制服あるいは戦闘服を着て徒党を組んで「私人」として威圧することも可能だろう。
だが一方で、防衛省は民間団体への利益供与をやめた事案がある。筆者が河野太郎氏が防衛相時代(在任2019~20年)に会見で「防衛省は防衛記者クラブにコピー取りやお茶くみ用に2名の職員を当てている。記者クラブは一民間任意団体であり、これに役務を提供するのは利益供与であり問題ではないか」と河野氏に質問した。
これに応えるかたちでその後、この2名の役務提供はなくなった。防衛省がまずいと判断したことを、隊員が「私人」だから許されるのだろうか。
自衛隊の順法意識は低い。これは自衛隊を縛る法令は少なくないので、法律を遵守すると活動できないことがあるからだ。
例えばオウム真理教への強制捜査時は、陸自の地上部隊や攻撃ヘリまで不足の事態に備えて「演習」名目で準備していた。オウム側が武装して警察では対処できない可能性があったからだ。これは脱法行為で、部隊長は腹を切る覚悟だったが、緊急時だからOKと問題にならなかった。
このような自衛隊が持つ「グレーゾーン」を、政治も自衛隊も問題視していない。これを放置すれば次はもう少しと徐々にモラルハザードが起こり、自民党と自衛隊の関係はナチス政府と武装親衛隊のような関係になってしまうといっても過言ではない。
また、今回の教訓では自衛隊や防衛省、隊員の政治的な中立を求める法律はあるが、政治の側の自衛隊の私的利用を制限する法令が存在しないことだ。得てして自衛隊は政治家から言われると「できません」とは言わない文化がある。
例えば災害派遣で、1000名で十分に足りる派遣を政治家が「3000名を出せ」と要求することがある。「3000人も俺が出させた」と選挙民にアピールできるからだ。これもまた自衛隊の政治利用だが、政治家にその意識が低い。今回の件を奇貨として政治家に対する自衛隊の利用を制限する法令が文民統制の観点からも必要だ。
(清谷 信一:軍事ジャーナリスト)
人気レジャー「魚突き」、漁業者とトラブル相次ぎ自治体苦慮…テレビ番組やコロナ禍で愛好家増加
魚を突く漁具「ヤス」を使ったレジャーへの対応に自治体が苦慮している。コロナ禍やテレビ番組の影響で楽しむ人が増加する一方で、漁業者とのトラブルが目立ち、規制を求める声が高まっているためだ。水産庁は統一ルール作りに慎重な立場で、独自の対策を進める自治体もある。(鳥取支局 小西望月)
遊覧船と接触
透明度の高い海が広がる鳥取県岩美町。昨年7月、漁港の沖合で、海に潜ってヤスで魚突きをしていた男性と、乗客を乗せた遊覧船が接触し、男性が足の指を骨折した。遊覧船の船長は読売新聞の取材に、「波もあって潜っていることに気付けなかった」と話した。
県は、県の諮問機関「漁業調整委員会」が定めるルール(委員会指示)の中で、県内全域で禁止する方向で検討を始め、昨年9月にアンケートを実施。寄せられた26件のうち、15件が禁止に慎重な対応を求める意見だったため、県は航路に魚突きをする人が入らないためのルール整備を優先することにした。
県は、2026年度からヤスを使う場合、海に入る前に県に氏名や連絡先などを文書で提出させる試みを始め、4月下旬までに22件の届け出があった。文書には「船を見つけたら離れる」ことなどへの同意を盛り込んでいる。27年度には届け出の義務化を検討する。
4月には、魚突きを楽しむ人ら向けに注意点をまとめたアニメ動画を県公式ユーチューブで公開した。
鳥取県内で約5年前から魚突きを楽しむ鳥取市の会社員男性(44)は「漁師が漁をする早朝を避けて昼間に潜るなど関係を築く工夫をしている。どう共存するか、一緒にルールを考えていけばよいのでは」と話す。
密漁疑いも
魚突きは、10年頃からヤスなどを使って素潜り漁をするテレビ番組の影響で人気に火がついた。コロナ禍で3密を回避できるとして、さらに注目され、4年前に全国の愛好家による「日本スポーツスピアフィッシング協会」も誕生した。
人気の高まりで、トラブルも顕在化し、徳島県は21年12月、ルール整備を求める漁業関係者からの要望を受け、漁業調整委員会の委員会指示で魚突きを禁止した。22年に県が、県内の31漁協(26漁協が回答)を対象に実施した実態調査では、6漁協が「レジャー客らとトラブルになった」、8漁協が「アワビなどを密漁されている」と回答した。
長崎県もマナーに関するトラブルなどを受け、24年にゴムの反発力で発射機能を高めたヤスについて、「使用を認めない」と漁業調整規則に明記した。
旗を付けて
このように自治体ごとの対応になるのは、海のルール整備が各都道府県に委ねられているためだ。
水産庁管理調整課は「地域の実態に応じた対応が求められるため、地域ごとに必要な規制は異なる」とし、規制内容を都道府県に委ねる現状の漁業調整規則のあり方を妥当だとする。
日本スポーツスピアフィッシング協会は、魚突きをしている人の位置を海上から確認しやすいよう、「フロート」と呼ばれる旗を体や漁具に付けることを推奨している。大部春香代表会員は「清掃をはじめとする海のための活動にも取り組み、魚突きをする側も変わりつつある。漁業者と歩み寄っていければ」と話す。
浜田武士・北海学園大教授(漁業経済学)は「海で遊ぶ権利と、海で生きる漁業者の権利がぶつかる難しい問題だ。共存には、愛好家による団体などが自らでルールを策定し、守っていくことで、漁業者の理解を得る努力も必要になってくるだろう」と話した。
◆ヤス=長い柄の先に鋭利な金具がついており、勢いよく魚介類を突き刺して仕留める。先端の刃は1本から複数まで様々な種類がある。漁業権が設定された区域で対象となる魚介類を許可なくとると違法になる。形状が似ているが、投射して使うモリは、遊漁での使用は原則として認められていない。
日中関係悪化、対話なく膠着状態 年内の首脳会談開催に悲観論も
高市早苗首相が台湾有事を巡り「存立危機事態になり得る」と国会答弁してから、7日で半年。日中関係は悪化し、閣僚級対話もなく膠着状態が続く。首相は防衛力の抜本的強化に向けた安全保障関連3文書の改定作業を進めており、中国のさらなる態度硬化を招くのは必至。日本政府内には、局面打開となり得る年内の首脳会談開催に悲観論が漂う。
台湾答弁は昨年11月の衆院予算委員会で出た。台湾問題を「核心的利益」と見なす中国は内政干渉だとして猛反発し、国民に訪日自粛を呼びかけた。日本政府観光局によると今年1~3月の訪日中国人は前年同期比で54.6%減少した。
中国政府は1月から日本に対するレアアース(希土類)など軍民両用品目の輸出規制強化も続けている。日本外交筋は「日系企業にとって死活問題には至ってないが、ぎりぎりと締め付けられている」と明かす。
冷え込む関係を反映し、日本は2026年版外交青書で、中国の表現を25年版の「最も重要な2国間関係」から「重要な隣国」に後退させた。