鹿児島県で「線状降水帯」による非常に激しい雨 霧島市に大雨特別警報 気象庁

鹿児島県では線状降水帯による非常に激しい雨が同じような場所で降り続いていて、気象庁は8日午前5時に霧島市に大雨特別警報を発表しました。
気象庁は記者会見を開き、命の危険が迫っているとして、直ちに身の安全を確保するように呼びかけました。
気象庁は午前5時に、鹿児島県霧島市に5段階の警戒レベルのうち最も危険性が高い「大雨特別警報」を発表しました。
気象庁によりますと、霧島市にある鹿児島空港では降り始めから午前5時までの雨量が501ミリと記録的な大雨となっていて、霧島市では、災害がすでに発生している可能性が極めて高くなっています。
気象庁などは午前6時から会見を開き、「すこしでも沢あるいは崖から離れた建物に移動し、浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全の確保をするように」と呼びかけました。
霧島市は大雨特別警報発表をうけて、市内全域にあたる6万3139世帯、12万2485人に警戒レベル5の「緊急安全確保」を出しています。
さらに、鹿児島市も思川流域と本名川流域の地域に川の増水による氾濫が発生しているおそれがあるとして、「緊急安全確保」を出しています。
奄美地方を除く鹿児島県と宮崎県では、昼前にかけて線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。
今後の雨の状況によっては、他の市町村にも大雨特別警報発表の可能性があります。気象庁は「特別警報の発表を待つことなく、自治体からの避難情報に従い、身の安全を確保してほしい」と呼びかけています。

【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず

のどかな田園風景が広がる埼玉県行田市の一角。2つのマンホールの周囲は警察による規制線に囲われ、近くのフェンス際には亡くなった4人を悼むための花束が手向けられていた。事故が起きたのは8月2日の午前9時過ぎ。下水道管の内部を調査するため、水抜きの作業が行われようとしていた。
「マンホール内にいた作業員の1人が転落したような水音が響き、救助のためマンホールに入った3人も転落し、亡くなったのです。解剖の結果、2人は硫化水素のガスを吸ったことによる中毒死。残りの2人は中毒が原因で嘔吐した吐瀉物がのどに詰まったことによる窒息死でした」(全国紙社会部記者)
下水に含まれる汚物などの硫黄を含む物質が、細菌によって還元・分解される際に発生するのが硫化水素だ。
「高濃度の硫化水素を吸い込むと、即座に命の危険につながります。事故発生直後、マンホール内は国の基準値の15倍もの濃度が検知されました。しかし4人は防護マスクや酸素ボンベなどを身につけておらず、転落防止用の安全帯も使用していなかったようです」(前出・全国紙社会部記者)
4人は同じ土木工事会社に勤めており、全員が50代中盤で同世代。普段から同じ現場で作業することも多かったという。下水道管の点検は、今年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受け、国が自治体に要請した全国調査によるものだった。
「調査対象となった下水道管の総延長は全国で約5000kmにのぼり、緊急性が高い場所ではこの夏までに優先的に調査し、結果報告することを国は求めていました。各地で下水道管の調査が急ピッチで行われていましたが、人員や機械、予算が不足しているのが実情です」(前出・全国紙社会部記者)
警察は、安全管理が充分だったかなど、業務上過失致死容疑も視野に確認を進めるという。
「先に落ちた仲間を助けに行かなければ3人は死ななかったわけですが、彼らの関係性を考えると、その選択はなかった。今後、捜査が進むにつれて安全管理の問題点などが出てくるかもしれませんが、いまは遺族も“どこに怒りをぶつければいいのか”と憔悴しきった状態です。同じような事故が起きないことを心から祈るばかりです」(遺族の知人)
一刻も早い原因究明と対策が待たれる。
※女性セブン2025年8月21・28日号

鹿児島・霧島に大雨特別警報=前線の影響、線状降水帯発生―「緊急安全確保」発令

九州南部は前線の影響で7日夜から大雨となり、鹿児島県(奄美除く)では8日未明、線状降水帯が断続的に発生した。気象庁は同日午前5時に同県霧島市に大雨特別警報を発表し、土砂災害や河川の氾濫に最大級の警戒をするよう呼び掛けた。同市全域と鹿児島市の一部には、5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が発令された。
霧島市・溝辺では午前3時までの1時間に107.5ミリの猛烈な雨を観測し、午前4時50分までの12時間雨量が483.0ミリに上った。同市・牧之原でも午前6時10分までの12時間雨量が495.0ミリとなり、いずれも地点ごとの観測史上最多記録を更新した。同市の天降川では一時、氾濫の危険が高まった。
県は災害対策本部を設置。県警は家屋倒壊が複数発生している可能性があるとし、人的被害を調べている。姶良市消防本部によると、住宅1棟が倒壊し女性2人が病院搬送された。病院搬送時に意識はあったという。
県災対本部などによると、薩摩川内市で住宅1棟が床上浸水。霧島市では住宅1棟が倒壊したほか、道路陥没でトラック2台が橋から転落した。2人が救助されたという。また市内にあるキャンプ場では、道路寸断により子どもを含む40人が孤立状態になっているとみられる。
気象庁の立原秀一予報課長は記者会見し、九州南部には前線の影響で東シナ海から非常に湿った空気が流れ込み続けており、前線は今後2~3日、九州や日本海側に停滞する見通しだと説明。「災害の危険度が高い状態が続くので警戒してほしい」と話した。
九州南部の9日正午までの県別24時間予想雨量は多い所で、鹿児島180ミリ、宮崎150ミリ。10日正午までの同雨量と11日正午までの同雨量は、それぞれ鹿児島、宮崎とも100ミリ。 [時事通信社]

「妻がオーバードーズして…」71歳の男が救護せずに遺棄したか 52歳の妻は死亡「致死量にならないと思っていた」

同居する52歳の妻が大量の薬を飲んでいるのを目撃し、救護せずに放置したとして、札幌市中央区に住む71歳の無職の男が逮捕されました。
保護責任者遺棄の疑いで逮捕されたのは、札幌市中央区に住む無職の71歳の男です。
男は8月6日午後10時ごろから7日午前5時ごろにかけて、同居する52歳の妻が大量の薬を飲んでいるのを目撃し、救護する責任があったにもかかわらず、そのまま放置して遺棄した疑いが持たれています。
妻はその後、搬送先の病院で死亡が確認されました。
男は7日午前5時ごろ、「妻が病死している」と警察に自ら通報したことで事件が発覚しました。
警察の取り調べに対し、男は「妻がオーバードーズをして飲んだ薬の量は、致死量にならないと思っていた」と話し、容疑を認めているということです。
この夫婦については過去に警察に相談歴があり、警察が動機や詳しい経緯について調べを進めています。

「戦争は終わったのか」 大型不発弾が語るもの 名古屋で発見相次ぐ

2024年秋以降、名古屋市の中心部で計6発の不発弾が相次いで見つかった。戦後80年。眠っていた不発弾は私たちに「戦争は終わっていない」というメッセージを発信しているのかもしれない。
6発の不発弾は、昨年10月から今年6月にかけて見つかった。このうち中区丸の内2で発見された5発は、250キロの大型焼夷(しょうい)爆弾で、米軍が第二次世界大戦末期の名古屋大空襲で投下したものとみられる。発見場所となった三つの工事現場では、ビルの建て替えに伴う解体作業や基礎工事が行われていた。
米軍資料を読み解くなどして、名古屋大空襲を調査する東海中学・高校非常勤講師の西形久司さん(67)は、こう解説する。
米軍は1945年3月10日の東京大空襲を皮切りに各都市への無差別爆撃を開始。木と紙でできた日本家屋を焼き払うために開発した焼夷弾「M69」を大量にばらまいた。
M69は、束ねられた38発が、投下中にばらける仕組みになっている。屋根を貫通して畳に突き刺さると、ゼリー状の油が飛び散り、燃え広がる。家屋内にとどまり地中にめり込まないため、不発弾として見つかることは「まずない」。
破壊力高い「M76」
陸上自衛隊によると、見つかった不発弾5発はM69よりも大きくて破壊力があり、そのまま地上に着弾する焼夷爆弾「M76」だった。西形さんは「丸の内周辺の土壌が柔らかかったため、地中に潜っていた」と推測する。
名古屋への爆撃は繰り返し行われ、3月19日に名古屋駅が炎上、5月14日には名古屋城が焼失した。
名古屋市史や西形さんによると、M76が使われた理由はこうだ。
東京大空襲で、米軍は主にM69を使用。約10万人が犠牲となり、焼失家屋は27万戸以上にのぼった。
2日後の3月12日、名古屋を爆撃。この際、東京の時よりも多くのM69を使用したが、想定通りの効果を得られなかった。その後、大阪、神戸への空襲で大量のM69を使い、数が少なくなっていた。
そこで、再び名古屋を爆撃した3月19日は、破壊力が高いM76などの焼夷爆弾を多く使った。
この日、1974発のM76が投下され、死者は826人にのぼった。見つかった不発弾5発はいずれも、この日に使われたものとみられる。
防衛省によると、昨年度の不発弾の処理件数は1273件にのぼり、名古屋市のように市街地で見つかったケースもある。
高層の建物建設では、地中深くの硬い地盤に建物を支える杭(くい)を打つ工事が必要となることが少なくない。名古屋市内では近年、高層のビルやマンションの建設が増えている。地中深くに眠った不発弾は今後も見つかる可能性が高い。
撤去作業では、周辺住民の避難や交通規制が行われ市民生活にも大きな影響が出た。
西形さんは、「80年たっても、戦争は終わっていない。不発弾は『爪痕は残り続ける』とのメッセージを伝えているのではないか」と話す。【酒井志帆】

鹿児島の豪雨 バックビルディング型の線状降水帯 過去もこの時期に豪雨被害

鹿児島県では昨夜から今日8日(金)の未明にかけて集中的に雨が降り、霧島市などで大規模な浸水被害に見舞われました。「バックビルディング型」の線状降水帯が形成されたとみられます。
狭い範囲に雨が集中
前線の南側では、空気中に含まれる水蒸気の量を表す指標のひとつである相当温位354K以上の、過去に大雨災害を引き起こした際と同レベルの非常に湿った空気の流入が続きました。
九州の西の海上ではやや北寄りの風と南寄りの風がぶつかることによって雨雲が発達。その雲が上空の風により次々と鹿児島県に流れ込む、「バックビルディング型」の線状降水帯が形成され、典型的な大雨災害のパターンです。
8日(金)8時までの24時間雨量の分布を見ると、霧島市・溝辺(鹿児島空港)や牧之原で500mm以上の記録的雨量になったのに対し、南側の鹿児島市はわずか61.0mm、宮崎県側のえびの市・えびの高原でも半分ほどの265.0mmに留まっています。大量の水蒸気がもたらす豪雨が狭い範囲に集中したことで、大きな災害となりました。
鹿児島では1993年のこの時期に豪雨災害
鹿児島県では過去もこの時期に大きな大雨災害に見舞われています。1993年の「平成5年8月豪雨」です。1993年は記録的な長梅雨で、天気の流れは今年と全く違っていたものの、前線の影響で線状降水帯が形成されて大雨になった点では今回と似た部分があります。
霧島市・溝辺の24時間雨量は1993年8月2日に観測された記録を上回って、過去最大となりました。
鹿児島県内では今夜から明日9日(土)の朝にかけても再び雨の強まるおそれがあります。すでに災害が発生している状況ですので、それほど雨が強まらなくても被害が拡大する懸念があります。引き続き厳重に警戒をしてください。
出典・参考気象衛星画像:NICT 情報通信研究機構

1か月分の雨量の1・8倍降った金沢の会社専務「お盆なのに…」、能登町の男性「またか」

石川県内は7日、大気の状態が不安定になった影響で、記録的な大雨に見舞われた。同日午前5時前には加賀地方で線状降水帯が発生。金沢市では午後3時までの24時間降水量が観測史上最大の331・5ミリとなり、平年8月の1か月分(179・3ミリ)の1・8倍が1日で降った。6日から7日にかけて、同市や輪島市、津幡町など5市町計約7万5000世帯に避難指示が出された。(荒牧尚志、阿部友志、平松千里)
1日で1か月分の1・8倍の降水量

金沢地方気象台によると、同日の24時間降水量の最大値は、宝達志水町で197・0ミリ、かほく市で181・0ミリ、珠洲市で151・0ミリなど。県によると、能登町や白山市など5市町で少なくとも住宅161棟が床下浸水した。
金沢市では大徳川など4河川が氾濫して33か所で道路が冠水し、市が住宅被害の全容把握を急いでいる。金沢東署によると、同日午前9時頃、同市今町で、浸水したトラック2台と乗用車1台から男性計3人を署員らが救助した。
床下や倉庫が浸水した金沢市近岡町の食品製造会社「和食」の専務(45)は「30年ほど前から事務所を置いているが、こんな浸水は初めて。お盆前の繁忙期なのに」と途方に暮れていた。
新幹線31本運休…12市町42か所に避難所

JR西日本金沢支社によると、北陸新幹線は午前7時20分頃から長野―金沢駅間で約5時間半運転を見合わせ、上下線計31本が運休、約2万8000人に影響した。北陸鉄道浅野川線は一部で線路が浸水し、午後6時までに上下線計19本が全区間で運転を見合わせた。
7日午前8時時点で12市町の42か所に避難所が設置され、金沢市では同日正午頃に最大264人が避難した。家族5人で大浦小学校の避難所に身を寄せた高校教諭の男性(48)は「1泊できる用意はしてきた。外は膝下まで水があるのでもう少し様子をみたい」と話した。同小周辺は雨がやんだ後も水が引かず、小学生を含む4世帯12人は8日まで滞在を続けるという。
8日も地域によっては雨が降る見込みで、同気象台は大雨で地盤が緩み土砂災害の危険性が高まっているとして、引き続き注意を呼びかけている。
被災地・能登「こんな水位初めて」

能登半島地震で地盤が沈下した能登町宇出津地区では、7日の低気圧と大雨の影響で道路や住宅に水が流れ込み、被害が広がった。
同地区の焼き肉店「精香園」は30センチほど浸水し、この日の営業を取りやめた。店主の男性(55)は「満潮の際に店内に水が入ることはあったが、こんなに水位が上がったのは初めて。この時期は地区に帰ってくる人も多いのに営業ができず申し訳ない」と肩を落とした。
海の近くに住む同地区の塗装業の男性(54)は「これだけの大きな浸水被害は昨年の大雨以来で、またかという感じだ。今日は仕事もできない」と下を向いた。

鹿児島・霧島市に大雨特別警報 県内で土砂崩れ住宅1棟全壊2人救急搬送 宮崎県でも線状降水帯発生のおそれ

気象庁はきょう午前5時、鹿児島県の霧島市に大雨特別警報を発表しました。鹿児島県内では、土砂崩れで住宅1棟が全壊し、2人が救急搬送されています。
気象庁はきょう未明、鹿児島県の薩摩、大隅地方に線状降水帯の発生情報を発表し、これまでに姶良市で1時間に111ミリ、霧島市で107ミリの猛烈な雨を観測しています。
午前5時には霧島市に大雨特別警報を発表し、身の安全確保と最大級の警戒を呼びかけています。霧島市全域と鹿児島市の一部には、「緊急安全確保」が発表されています。
被害が相次いでいます。姶良市では住宅の裏山が崩れ、1棟が全壊しました。住人の女性2人が病院に運ばれましたが、意識はあるということです。
また、霧島市や姶良市などで床上・床下浸水や道路の冠水も相次いでいます。
交通にも影響が広がっていて、県内の高速道路は大部分が通行止めとなり、鉄道もJR在来線の多くが始発から運転を見合わせています。
一方、宮崎県でも、南部で降り始めからけさまでの雨量が250ミリを超えているところがあります。
きょう昼前にかけて、線状降水帯が発生するおそれがあるとして、気象庁は土砂災害や河川の増水、氾濫への厳重な警戒を呼びかけています。

スタンガン押しつける、タトゥーマシンの針突き刺す、金魚のエサを食べさせる… 悪質な“職場いじめ”に司法の制裁 男2人に執行猶予付き有罪判決 大阪地裁

職場での過激で陰湿ないじめに、司法の制裁が下りました。
社員に対し、天井の梁にぶら下がることを強要したり、スタンガンを押しつけケガをさせたりするなどした男らに、執行猶予付きの有罪判決です。
▼ショベルカーで9mの高さまで持ち上げ… 天井の梁での前進を強要
大阪地裁の判決によりますと、大阪府八尾市で産廃処理業を営む会社役員・杉本竜司被告(49)と、息子の杉本京宣被告(27)は去年6月、会社の作業場で、社員の男性(20代)をショベルカーで約9mの高さまで持ち上げました。
そして「歩け、歩け」「前、もっと前まで行かな、もう一回やられんぞ」などといって、天井の梁につかまってぶら下がり、前進することを強要しました。
力尽きた男性は、地面に落下しました。
▼スタンガン押しつける、タトゥーマシンの針突き刺す、金魚のエサを食べさせる…
さらに両被告は去年9月、同じ男性に対し、▽スタンガンを臀部に押しつけて放電し、全治約1か月のやけどを負わせました。
息子の京宣被告は加えて、同じ男性に対し去年9月、▽背中などにタトゥーマシンの針を突き刺し、スマホゲームのコンテンツを脅し取ろうとしたり、▽局部を蹴り上げたうえに顔面を踏みつけ、打撲などのケガをさせたり、▽金魚のエサを無理やり食べさせたりしました。
▼「いじめというほかなく、尊厳をかえりみない無慈悲で残虐な犯行」示談成立などを考慮し執行猶予付き判決
8月7日の判決で大阪地裁(山田裕文裁判官)は「被告らは“被害者とは良い関係にあると思っていて、立件されて問題性に気づいた”と弁解するが、会社内でのいじめというほかなく、問題性に気付いていなかったとすれば、認識のゆがみが著しい」「一歩間違えば大けがをするような危険な行為や屈辱的な行為を無理やりにさせたもので、尊厳をかえりみない無慈悲で残虐な犯行」などと指弾しました。
特に京宣被告の犯行については、「優位な立場からいびり続けていたというほかなく、残酷で卑劣極まりない」と糾弾しました。
一方で、両被告とも起訴内容を認めて反省の態度を示し、被害男性に1千万円の賠償金を支払って示談が成立している点も踏まえ、▽杉本竜司被告に対し懲役3年・執行猶

なぜ夏に? 東京の“新型コロナ”7週連続で増加──背景に「エアコン」と「移動」 症状に変化も…増えているのは?

東京都内の新型コロナウイルスの感染者数が増えています。8月3日までの1週間は、前週よりも400人以上多く、7週連続で増加しています。なぜ夏に感染者が増えるのか、最前線で治療・研究に当たってきた医師に聞きました。症状の変化や対策も考えます。
藤井貴彦キャスター
「感染者1866人。これは8月3日までの1週間の、東京都の定点医療機関における新型コロナウイルスの感染者数です。7日に発表されました」
「東京都感染症情報センターによる、感染者数の推移を1か月ごとに表したグラフがあります。この1週間は前の週より424人増え、7週連続の増加となりました」
「去年の分のデータを当てはめてみました。冬に増えているのは想像がつきますが、夏にかけて感染者が12週連続で増加しています。今年もこの先、増加傾向が続く可能性があります」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員
「なぜ夏に増えているのか。感染症の専門家で、新型コロナ対策の最前線で治療や研究に当たった大阪大学医学部の忽那賢志教授に聞きました」
「1つは、エアコンの使用で換気が悪くなるからです。今年も危険な暑さでエアコンを使う機会が増えていると思いますが、その際、冷気が逃げないようにどうしても部屋を閉め切ることが多くなりますよね」
「そうすると十分な換気ができなくなって、感染のリスクが高くなってしまうということです」
「もう1つの理由は、人の移動が増える時期だからです。夏休みの時期は旅行や帰省などで人の移動が多くなります。人の流れが増えると感染者数も増えるというのは、コロナが流行した当初から今も変わっていません」
小栗委員
「その一方で、少し変わってきたというのが症状です。流行当初は味覚がなくなる、臭いを感じなくなるといった症状が特徴としてありました。しかし、この数年はこうした症状は減り、鼻水やのどの痛みといった症状を訴える人が増えているということです」
藤井キャスター
「ただ、その症状なら風邪とほぼ変わらないようにも感じます」
小栗委員
「実際、今でも無症状の感染者は3割ほどいて、コロナだと気づかずに感染を広げてしまうこともあるといいます」
「コロナにかかっても今は法律に基づく外出の自粛は求められていませんが、発症から5日間は他人に感染させるリスクが高いということで、外出は控えることが推奨されています」
「例えば今感染してしまうとお盆休みが終わるくらいまでになりますが、発症から10日間はウイルスが排出される可能性があるため、マスクを着用したり、高齢者などとの接触を控えたりするなど、配慮をしましょう」
藤井キャスター
「お盆で多くの人が集まる機会が増えます。まず換気をして、体調が悪いと思ったらマスクをするなど、早め早めの対策をお願いいたします」
(2025年8月7日『news zero』より)