維新共同代表に藤田氏=挙党体制構築が焦点

日本維新の会は8日、国会内で両院議員総会を開き、国会議員団の新代表に藤田文武前幹事長(44)を選出した。参院選の不振を受けて辞任を表明した前原誠司共同代表の後任となる。藤田氏は吉村洋文代表(大阪府知事)と共に新執行部人事に着手する。挙党体制を築き、党勢回復につなげられるかが焦点だ。
維新は規約で代表が首長や地方議員の場合、国会議員団代表を共同代表に指名すると規定。藤田氏が新共同代表に就任する。
藤田氏は国会内で記者会見し、「党内が一致結束できる体制をつくる」と強調。自民、公明両党の連立政権入りについては「石破政権との連立を考えることはあり得ない」と否定した。将来的な連立入りの可能性に関しては「相当なハードルを越えないことにはたどり着かない」と慎重な姿勢を示した。
国会議員団の代表選は7日に告示され、藤田氏のほか、松沢成文参院議員、斉木武志衆院議員が立候補。党所属国会議員57人の投票の結果、藤田氏が49票、松沢氏が1票、斉木氏が7票だった。
維新は参院選で本拠地・関西以外の選挙区で全滅。比例代表の得票も過去最低となり、党勢低迷に歯止めがかかっていない。

◇藤田文武氏略歴
藤田 文武氏(ふじた・ふみたけ)筑波大体育専門学群卒。高校講師、会社役員、党幹事長。衆院大阪12区、当選3回。44歳

〔横顔〕藤田 文武氏
◇維新塾1期生の元体育講師
高校の体育講師やスポーツ関連会社の役員を経て、維新政治塾の第1期生として学ぶ。2019年衆院議員に初当選。当選2回だった21年、当時の松井一郎代表から幹事長に抜てきされ、馬場伸幸前代表の下でも続投したが、24年衆院選で低迷した責任を取って辞任した。「将来の代表候補」と期待され、党内の政策論議を引っ張ってきた。吉村洋文代表とは距離があり、「発信力が弱い」との指摘も。3歳から空手を習い、高校と大学ではラグビー部所属。西郷隆盛を尊敬する。44歳。 [時事通信社]

総裁選前倒し、選管が意思確認=自民、過半数の賛同焦点―首相なお続投意欲・両院総会

自民党は8日、参院選の惨敗を受けた両院議員総会を党本部で開き、党則に基づく臨時総裁選を実施するかどうか、総裁選挙管理委員会(逢沢一郎委員長)に対応を委ねることを決めた。選管が党所属衆参両院議員と47都道府県連に意思確認を行う。石破茂首相(党総裁)は両院総会で続投に意欲を示したが、過半数が総裁選の前倒しに賛同するかが当面の焦点となる。
党則6条4項は、党所属国会議員と都道府県連代表各1人の総数の過半数が要求した場合、総裁選を行うと定める。自民所属議員は衆院195人、参院100人の計295人。総数は計342、過半数は172となる。首相の党総裁任期は2027年9月まで。
総会後、逢沢氏は記者団に、意思確認の時期について「参院選の総括が済まないのに、総裁選の手続きを進めるわけにはいかない」と述べた。これに関連し、森山裕幹事長は記者団に、過半数が賛同すれば「総裁選前倒しということになる」と明言。総括の報告書について、月末をめどに取りまとめる考えを示した。
両院総会は2時間行われ、約250人の出席者のうち30人余りが発言した。複数の関係者によると、旧安倍派の議員らから総裁選実施を求める意見が多く出たため、有村治子両院総会長が選管に対応を委ねることを提案。拍手で決定した。出席者からは「ここで決めるべき話か」と決定への異論も出たという。
首相は総会の冒頭、日米関税合意に触れ「実行に当たりさまざまな問題を抱えている。それぞれの産業に従事している方に不安がないよう全力を尽くす」と強調。農業政策や防災も挙げ、「引き続き日本国に責任を持つために、意見を承りたい」と述べた。参院選大敗については「心からおわび申し上げる」と陳謝した。
首相は総会後、首相官邸で記者団に続投する意向を重ねて表明。総裁選に関し「党則にのっとって運営することに尽きる」と語った。 [時事通信社]

「卒業証書」提出を再度拒否 伊東市長、百条委に

静岡県伊東市の田久保真紀市長は8日、自身の学歴問題に関する市議会の調査特別委員会(百条委員会)から求められていた大学の「卒業証書」とされる書類の提出を再度拒否する回答書を中島弘道議長に手渡した。同日午後4時までに提出するよう求められていた。
田久保氏は7月に提出を拒否した際、刑事告発されているとの理由を示した回答書を議会に出した。これに対し、百条委は6日の会合で「正当な理由があるとは認められない」と結論付け、再度拒否した場合、地方自治法違反容疑で刑事告発する方針を確認した。

死亡した元兵庫県議の妻、NHK党・立花氏を名誉毀損容疑で刑事告訴

斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を追及していた竹内英明元県議(当時50歳)が今年1月に死亡したことを巡り、竹内氏の妻は8日、政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏(57)を竹内氏に対する名誉毀損(きそん)容疑で刑事告訴し、県警に受理されたと明らかにした。県警は立花氏に刑事責任を問えるか捜査を進める。
神戸市内で記者会見した竹内氏の妻は、竹内氏が交流サイト(SNS)などで激しい中傷を受け、精神的に追い詰められて自ら命を絶ったとし、立花氏の根拠のない数々の発言がこうした事態を招いたと訴えた。告訴状は2通あり、6月13日と30日にそれぞれ受理されたという。
竹内氏は斎藤氏のパワハラ疑惑などを究明する県議会調査特別委員会(百条委)の委員を務めていた。斎藤氏の失職に伴う出直し知事選(2024年11月)で、疑惑を告発する文書作成に関わったと立花氏に名指しされ、「ありもしないうわさ話を作った」などと指摘されていた。立花氏は斎藤氏の再選を支援する「2馬力選挙」の目的で立候補していた。
竹内氏は出直し選の直後に県議を辞職。しかし妻らによると、その後も立花氏は竹内氏に対する根拠のない発言を街頭や動画投稿サイトで繰り返したという。
告訴状などによると、立花氏は24年12月13日、立候補していた大阪府泉大津市長選の街頭演説で「何も言わずに去っていった竹内県議はめっちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは間違いない」などと発言。動画投稿サイトでもライブ配信し、竹内氏の名誉を毀損したとしている。
さらに竹内氏が亡くなった翌日の25年1月19日には、X(ツイッター)や動画投稿サイトで「(県警が竹内氏を)明日逮捕する予定だった」などと、虚偽情報を発信。死亡した後も竹内氏の名誉を傷つけたとされる。
立花氏による「捜査情報」に関し、県警は当時の本部長自らが全面否定する異例の対応を取った。県議会の場で「竹内氏を任意で調べたこともなく、逮捕する予定もない」と明らかにし、立花氏は発信内容が間違いだったと認めた。
竹内氏の妻や代理人弁護士によると、出直し選での立花氏の発言以降、竹内氏の事務所に嫌がらせの電話やメールなどが複数寄せられるようになった。SNSでも多くの批判的なコメントが投稿され、竹内氏は妻に「犯罪者扱いされている」と不安を訴えるようになった。24年12月下旬に「うつ状態」と診断され、症状が悪化していたという。
立花氏は8日の記者会見で、「(名誉毀損罪の)違法性が阻却される根拠を持って発言している。不起訴、あるいは起訴されても無罪になると確信している」と述べた。【柴山雄太、山田麻未】

首相、靖国参拝見送りへ 小泉農相「適切に判断」

石破茂首相は15日の終戦の日に合わせた靖国神社(東京・九段北)への参拝を見送る方針を固めた。自民党総裁として玉串料を私費で奉納する。関係者が8日明らかにした。小泉進次郎農相は記者会見で「閣僚としてのコメントは差し控える。個人としては適切に判断していきたい」と述べた。
林芳正官房長官は会見で、首相と自身の靖国参拝や玉串料奉納に関し「首相が適切に判断する。私も同様だ」と語った。
参拝の予定がないと明言したのは村上誠一郎総務相、岩屋毅外相、阿部俊子文部科学相、中野洋昌国土交通相、平将明デジタル相、三原じゅん子こども政策担当相、伊東良孝沖縄北方担当相。

フィリピン企業社債、無登録で募集容疑=9人逮捕、400億円超集めたか―警視庁

無登録で社債購入を募ったとして、警視庁生活経済課は8日までに、金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で、フィリピンに本社を置く「エスディビジョンホールディングス」(SDH)の実質的経営者、須見一容疑者(45)=兵庫県宝塚市武庫川町、同社元社長池田葵容疑者(38)=松山市南久米町=ら男女9人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。
同課によると、須見容疑者らは代理店「ゼロマネジメント」(名古屋市)などを通じ、無登録でSDH社の社債購入を募っていた。2016~24年に社債などを販売し、400億円超を集めたとみられる。
逮捕容疑は21年6月~23年2月、国の登録を受けていないのに、岐阜県や神奈川県などの男女9人にSDH社債の購入を勧誘した疑い。
同課はゼロマネジメントなど2社も同容疑で書類送検した。
同課によると、須見容疑者らはセミナーなどを通じ、SDH社は金融業や不動産事業などを展開していると説明した上で、「フィリピンは急速に経済発展している」などとうたって社債の購入を勧誘。年利6~24%の配当を支払うとしていた。
ただ、配当の支払いは昨年1月に停止。元金も一部しか返金せず、投資家とトラブルになっていたという。SDH社が事業で収益を上げていたかを含め、同課が詐欺容疑も視野に実態解明を進めている。 [時事通信社]

斎藤知事を任意聴取 PR会社に報酬 公選法違反疑い 兵庫県

昨年11月の兵庫県知事選で、SNS戦略などに携わったPR会社に支払った報酬が選挙運動の対価に当たるとして告発され、公職選挙法違反(買収)容疑で書類送検された斎藤元彦知事について、神戸地検が任意で事情聴取していたことが8日、関係者への取材で分かった。斎藤氏は違法性を否定しているという。
関係者によると、任意聴取は7月に数時間にわたって行われた。地検は刑事責任を問うかどうか慎重に判断する。
斎藤氏は8日午前、記者団の取材に、「捜査に関するコメントは差し控える。対応は弁護士にお願いしている。捜査協力については求められればしっかり対応していく」と話した。PR会社に支払った報酬に違法性はないとの認識を改めて示した。
PR会社は兵庫県西宮市の「merchu(メルチュ)」。女性代表が斎藤氏陣営の広報全般を担ったとする記事をインターネット上に公開したことを受け、大学教授らが昨年12月に県警と神戸地検に刑事告発。今年2月にメルチュの関係先への家宅捜索が行われ、6月に県警が斎藤氏のほか、同法違反(被買収)容疑で女性代表を書類送検した。
斎藤氏はこれまで、メルチュに支払った71万5千円は公選法で認められたポスター制作費などで違法性はないと説明。代理人弁護士も「女性代表のSNS活動はボランティアだった」として買収を否定している。

石破首相が言い出した「比較第一党」は自民党分裂→政界大再編への布石か 立憲・野田代表との気になる会話

2025年8月8日の自民党の両院議員総会は、再び「石破退陣」を求める声が多かったが、石破茂首相は続投することに。どうやら、石破氏の「責任追及」をすればするほど「自民党の問題点」として世間の批判がかえってくるという構造に、議員たちは気づき始めたようだ。一方で、参院選大敗直後の記者会見で、「比較第一党」という耳慣れない言葉を4回も連発した首相は、国会質疑で、立憲民主党らとの「大連立」も臭わせる動きも見せる。まさかの「自民党分裂~政界大再編」の憶測も呼びながら、政局はお盆休戦へ。
「比較第一党」を4連発の首相記者会見
「比較第一党」。日本の国会では、聞きなれない言葉だった。それが、石破首相の口から、なんと参議院選の自民大敗が決まった7月21日の記者会見だった。過半数ではないが、国会で最大の議席を持つ政党のことだ。戦後、自民党を最大政党として社会党との二大政党時代が長かった日本では、多党制の欧州議会とは違って耳慣れない言葉だった。
それが、30分の記者会見で4回も飛び出した。
首相の目標だった「与党過半数」が達成できなかったから、「退陣表明」の「言い逃れ」だと確信した記者団は、「責任は?」と追及したが、首相は「続投」を明言した。
ただ、今回の参議院選で11党が議席を獲得するなど「多党化」が進む中で、欧州の情勢に即した(多党)連立時代をにらんだ発言とも思われた。
28日の両院議員懇談会では、4時間余りにわたって「石破やめろ」の声が吹き荒れた。終了後に石破氏は「果たすべき責任は果たしたい」と、再び、続投の意思を示した。
石破・野田の間に何かあったのか?
「スリーアウトチェンジの状態だ」などと「石破降ろし」はなお続いたが、微妙に空気が変わったのが、8月4日の予算委員会での野田佳彦・立憲民主党代表との質疑だった。
野田氏はいきなり「企業団体献金」の議論を持ち出し、「比較第一党と比較第二党が真摯に協議して結論を得る」「私と総理でひざを突き合わせて合意していく。そういう作業をする気はありませんか」とたたみかけた。首相も、「第1党、第2党が党首同士で真摯な議論をすることには大きな意味がある」と応じた。課題は、「給付金、給付付き税額控除」や与党含めた6党で協議が進む「ガソリン暫定税率」「戦後80年談話」まで続いた。
2人の親密さを知る与野党の議員らには「何か相談している?」と観測が広がった。
同じ1957年生まれの2人は、90年代に「新進党」に所属したことがある。今年初めのラジオ番組で、石破は、日本維新の会共同代表(当時)の前原誠司と出演した中で、野田の名前を挙げて「中道政治を目指す意味で相通ずるものがある」いよいよとなれば、「大連立は選択肢としてあるでしょう」(朝日新聞)と語った。大騒ぎになったが、野田氏は、現時点での大連立の可能性を強く否定、首相周辺も火消しに追われた。
自民党内にひろがる微妙な空気
与野党は「ガソリン暫定税率の廃止」法案の財源などの協議を、お盆あけにも続けるが、自民党内は決して「石破おろし」ばかりでもない、「微妙な空気」も広がっている。
「旧安倍派4幹部」が会合をして「石破退陣」を求めたり、「派閥単位」で「退陣署名集め」が広がると、かえって自民党批判も広がった。そのなかで、「いったん政権を返上した方がいい」との「下野論」も一部議員から出た。このうちの一人、古川禎久元法相は、「急場しのぎの(連立)筏」として「保守中道の集結」(週刊新潮8月14・21日号)を提案、党内に話題を呼んでいる。「極右と極左はちょっと遠慮願いましてね」。
もとより、大連立も「中道連立」も簡単には進まない。しかし、不気味に突進する石破内閣の支持率は、4日前ではじわり4ポイント上がっている(JNN調査)。
今回の両院議員総会で出た「総裁選前倒し論」や、6日(広島)9日(長崎)15日(敗戦記念日)の首相あいさつを聞いて、世論はどう反応するか。一方で、「自民党内の保守派や、参議院選挙で躍進した参政党はどう出るか」。
「石破首相は、辞めない一本やりでいったい何を考えているんだろう」と思っていたが、暑い夏が終わるころに、何かが見えてくるかもしれない。
(ジャーナリスト 菅沼栄一郎)

再び「警報級の大雨」のおそれ 産山村の県道で土砂崩れ発生も

7日に猛烈な雨が降った県内。8日も明け方に八代市で激しい雨が降りました。気象台は、11日(月祝)頃にかけて再び警報級の大雨が降るおそれがあるとして、土砂災害などに十分な注意を呼びかけています。
前線と湿った空気の影響で、8日の県内は未明から広い範囲でまとまった雨となりました。八代市では午前5時過ぎまでの1時間に37.5ミリの激しい雨が降りました。この影響で、肥薩おれんじ鉄道は始発から約2時間にわたり運行を見合わせました。
一方、産山村では7日、雨の影響で県道南小国波野線で土砂崩れが発生。けが人はいなかったものの現在も周辺の道路が通行止めとなっています。
県内の雨は現在小康状態となっているものの、熊本地方気象台は11日(月祝)頃にかけて再び警報級の大雨のおそれがあるとして土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に十分注意するよう呼びかけています。9日にかけ予想される1時間の雨量は、県内全域の多い所で50ミリ、9日午後6時までの24時間の雨量は多いところで120ミリとなっています。今後の雨の注意点は…。
(気象予報士・北島茂さん)
雨が小康状態でも油断してはいけません。民間の気象会社ウェザーニューズがまとめた8日夜9時から11日、月曜にかけての予想積算降水量をみますと、熊本は県の北部を中心に紫色の表示があります。これは3日間で200ミリ以上の雨が予想されている地点なんです。つまり、8日夜から再び大雨のおそれがあるんです。特に今回は、県の南部や沿岸部ではあたりが暗いうちからザーザー降りとなりますので、念のため非常用持ち出し袋を用意しておくと安心です。また、活発な雨雲は徐々に北上していきます。県の北部では、9日夕方にかけて断続的にザーザー降りとなりますので、雨による災害には十分な注意が必要です。

カムチャツカ半島付近の地震、岩手・久慈の津波1・4mに変更…規模はM8・8に

気象庁は8日、7月30日に発生したロシア・カムチャツカ半島付近を震源とする地震について、規模を示すマグニチュード(M)は8・8だったと発表した。これまでは米ハワイの太平洋津波警報センターが発表したM8・7を推定値として用いてきたが、気象庁が独自に解析して変更した。また、観測された津波が最も高かったのは岩手県久慈市の1・3メートルとしていたが、この高さを1・4メートルに変更した。