山中に上半身ない遺体…クマに襲われた可能性も 東京・奥多摩町

19日午後、東京・奥多摩町の山の中で上半身がない性別不明の遺体が見つかりました。現場の状況から警視庁はクマに襲われた可能性も視野に調べています。
警視庁によりますと、19日午後1時ごろ、奥多摩町日原の山の中で年齢・性別不明の遺体が見つかりました。
警視庁が確認したところ、遺体は上半身がない状態で周囲には動物の足跡やふんがあったことから、大型動物によって損壊された可能性があるということです。
現場一帯はクマの生息域であることなどから、警視庁はクマが襲った可能性も視野に当時の状況を調べるとともに、身元の確認や死亡した経緯についても調べることにしています。

アフリカでエボラ出血熱の感染拡大、東京都が感染症対策連絡会議…感染者の受け入れ体制など確認へ

アフリカ中部でのエボラ出血熱の感染拡大を受け、東京都は19日、今年度初の感染症対策連絡会議を開き、今後の対応方針を決定した。現時点で国内で感染するリスクは低いものの、都内での発生に備え、感染者の受け入れ体制や防護具の備蓄状況を改めて確認する。
エボラ出血熱は、感染者の血液や体液との接触で感染し、重篤化して亡くなることもある。コンゴ民主共和国などで80人超が死亡した可能性があり、世界保健機関(WHO)が17日に「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。国も18日、関係省庁による対策会議を開催した。
都の会議には専門家や都幹部ら約20人が参加した。栗岡祥一副知事は「引き続き国内外の動向を注視する必要がある」と述べた。

辺野古転覆事故、国交省が死亡した抗議船船長を海保に刑事告発へ 事業無登録

沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆して平和学習中だった同志社国際高(京都府)の女子生徒ら2人が死亡した事故で、2隻の運航が海上運送法に基づく登録が必要な事業だった疑いが高まったとして、国土交通省が抗議船「不屈」の金井創船長(71)=死亡=を同法違反罪で刑事告発する方針を固めたことが19日、関係者への取材で分かった。運輸局に相当する内閣府沖縄総合事務局運輸部が22日、中城海上保安部に刑事告発する。
2隻を運航した「ヘリ基地反対協議会」が事故当日の3月16日夜に開いた会見で、産経新聞の記者が事業登録の有無を確認し、2隻が無登録だった疑いが浮上していた。
海上運送法では、他人の要望に応じて人を運ぶ場合、転覆した2隻のような小型の「非旅客船」であっても「内航一般不定期航路事業」に該当し、国への登録が義務付けられている。
関係者によると、金井船長は事故前、高校側と運航についての連絡を取り合っていたとされ、国交省は2隻の運航実態について、反復継続される事業として運送が実施されていたかどうかなど慎重に調べていた。
学校側は船の使用料として計1万5000円を支払ったと説明しているが、抗議団体側は事業登録をしていなかった理由について、無償の「ボランティアでやってきたため」と主張していた。(大竹直樹)

【栃木強盗殺人事件】従来のトクリュウとは違う「幼稚で粗雑」な犯行?16歳少年ら『白い外車で無免許移動』なぜ 指示役夫婦とも顔合わせか…増加するトクリュウ犯罪、裏社会で何が【解説】

これまでの「トクリュウ」とは異なる特徴
栃木県上三川町で家族3人が死傷した強盗殺人事件は、社会に大きな衝撃を与えました。この事件で逮捕されたのは、16歳の少年たちと、乳児を抱える20代の夫婦……匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる「トクリュウ」による犯行とみられていますが、これまでのトクリュウが関与した強盗事件とは異なる特徴が浮かび上がっています。
いま、裏社会で何が起こっているのか。摘発件数の増加も見られるトクリュウによる犯行について、その手口や暴力団の関与、警察による対策の現状を、2人の専門家への取材に基づき解説します。
≪話を聞いた有識者≫

◎犯罪ジャーナリスト:石原行雄氏

◎元兵庫県警刑事部長:棚瀬誠氏
“実行役”は全員16歳…少年たちがなぜ
今回の事件では、富山英子さん(69)が20か所以上もの刺し傷や切り傷を負わされ、出血性ショックで死亡するという凄惨な結末を迎えました。
逮捕された実行役の4人は、全員が16歳。高校に通う歳の少年たちがなぜ、このような凶行に至ったのでしょうか。
従来の「トクリュウ」を覆す“横のつながり”
驚くべきは、彼らが全くの初対面ではなく、一部に「横のつながり」を持っていた点です。
これまでのトクリュウによる強盗事件では、SNSの「闇バイト」などを通じて集まった「お互いの素性も知らない者同士」が指示役の道具として使われるケースが主流と言われていました。
しかし、今回の事件では、以前同じ高校だった少年や知人関係の少年たちが誘い合わせる形で4人のグループを形成していました。
専門家が指摘する「幼稚で粗雑な犯行計画」
事件の構図としては、逮捕された横浜市に住む竹前海斗容疑者(28)と妻の美結容疑者(25)の夫婦が指示役とみられ、実行役の少年がSNSで闇バイトに応募してこの夫婦と知り合ったとされています。
さらに特異なのは、少年たちが現場へ向かう前に、この指示役夫婦と実際に顔を合わせをしていたとみられる点です。
犯罪ジャーナリストの石原行雄氏は、今回の事件について「計画が幼稚で粗雑」であると分析しています。
通常のトクリュウであれば、上層部の安全を確保するため、実行役は指示役の情報は知らされないものでした。しかし、今回は実行役の少年らと指示役の夫婦が「顔合わせ」を行っていて、さらに逮捕された少年たちから「夫婦に頼まれてやった」という供述が引き出されています。
リスク管理を無視した『無免許での高級外車移動』
また、実行役の少年の一人は無免許であるにもかかわらず、竹前容疑者側から渡されたとみられる白い高級外車を運転していたとされています。神奈川から栃木までは約150km、高速道路を使っても2時間半以上かかる道のりです。
途中で事故を起こせば、犯行に及ぶ前に警察にすべてが露呈するリスクがありました。さらに、白い高級車は移動中も現場付近でも非常に目立ちます。
こうした「無謀で、リスク管理を無視した犯行手口」は、これまでのトクリュウの犯行とは大きく異なる印象を受けます。
巧妙に多角化し、急増するトクリュウの脅威
トクリュウによる犯罪全体に目を移すと、犯罪件数は減少するどころか、むしろ増加しています。
警察庁のデータによると、トクリュウ型犯罪の摘発人数は一昨年(2024年)の1万105人から、去年(2025年)は1万2178人へと増加しています。
世間では「ルフィ事件」などの印象から、トクリュウ=強盗というイメージが強く定着していますが、その犯罪の手口は多角化しています。
現在では強盗だけでなく、特殊詐欺、悪質ホスト、違法カジノ、闇金融、さらには違法薬物の密売まで多岐にわたり、固定された組織を持たず犯罪ごとにSNSなどで実行犯を使い捨てるトクリュウの構造が使われています。
被害額が過去最高となった特殊詐欺の最新手口
特に深刻なのが、過去最高額を記録している特殊詐欺の被害です。
一昨年から去年にかけて被害額が激増し、去年(2025年)の被害総額は1414億円という巨額に達しました。石原氏によると、現在は「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」、「警察官なりすまし詐欺」などが主流となっています。
「自動音声の電話」が入り口になる場合も…巧妙化する特殊詐欺の手口
その手口には「最初は信用させ、最後は大金を出させる」という共通点があり、日々巧妙化しています。
例えば、最初の接触が「自動音声の電話」であるケースが増えています。世論調査のような雰囲気を装うことで、被害者に公的なものと思い込ませる手口です。
また、警察官を名乗る男とのビデオ通話中に偽のURLを踏ませ、本物そっくりの「警視庁ホームページ」に誘導する手口もあります。そこで自身の事件番号を入力させると、偽の「逮捕状」が表示され、完全に信じ込んでしまった被害者から「無関係を証明するための手続き」の名目で大金を騙し取るのです。
暴力団の衰退と「儲からないヤクザ」の現実
このようにトクリュウが拡大を続ける背景には、暴力団の衰退という現実があります。
1992年の暴力団対策法(暴対法)施行時は全国に約9万1000人いた暴力団員は、一昨年(2024年)には1万8000人まで激減しました。
現在の法規制下では、暴力団員になるとアパートを借りることも、携帯電話の契約をすることも、自分名義の銀行口座を作ることもできません。裏社会の人間たちの本音としても、「ヤクザはもう割に合わない」「儲からない」という認識が広がっているようです。
暴力団の資金とノウハウがトクリュウへ?
石原行雄氏は、「トクリュウは暴力団の苦肉の策である」と指摘します。
規制強化によって表立って活動できなくなった裏社会が“素人”を使わざるを得なくなった現状がある、ということです。
しかし、犯罪の素人が資産家を狙うためには、どこの誰が資産を持っているのかという「闇名簿」や、犯罪の「ノウハウ」、および稼いだお金を洗浄する「マネーロンダリング(資金洗浄)」の仕組みが必要不可欠です。これらは暴力団の関与や組織的な後ろ盾がなければ容易に用意できるものではありません。
そのため、トクリュウの主犯格や中枢には、警察の摘発を逃れるために姿を変えた暴力団員が関与している可能性もあるということです。
警察の取り締まり強化で現状変わるか
この深刻な事態に対し、警察当局も本格的なトクリュウ対策に乗り出しています。
まず、警察庁は全国の情報を一括して集約する「匿名・流動型犯罪グループ情報分析室」を発足させました。さらに、前線部隊として全国から約200人の精鋭捜査員を集結させた「匿流ターゲット取締りチーム(通称・T3)」を新設。末端の実行犯を捕まえるだけの“トカゲの尻尾切り”に終わらせず、グループの中核人物や首謀者の検挙を図る体制を整えています。
仮装身分捜査で「リクルーティング難易度上がった」
なかでも抑止力として大きな効果を発揮しているのが、去年(2025年)1月から本格運用が始まった「おとり捜査」の一種である「仮装身分捜査」です。捜査員が架空の一般人を装ってSNSの闇バイトに応募し、組織の内部へと潜入・接触を図る手法です。
これにより裏社会の人間たちは、「応募してきたのは警察官かもしれない」という強い警戒感を抱くようになり、リクルーティング(実行犯集め)が難しくなっているとされています。
犯罪ジャーナリストの石原氏は、「地道な捜査を積み重ねれば上層部の摘発は可能。どんどんトクリュウが弱体化に向かっていることは間違いないのではないか。暴力団を含めて、かなり追い込んでいる表れではないか」という見立てを示しています。
若年層への発信と、これからの時代に求められる防犯意識
元兵庫県警刑事部長の棚瀬誠氏は、今後の課題として「道具」として使い捨てられる若年層への情報発信を挙げています。
メディアが闇バイトの危険性を訴えても、今回逮捕された16歳の少年たちのような若い世代にその警告が届かなければ意味がありません。裏社会の道具にされないために、いかに犯罪が「割に合わない」ことかを啓発していく必要があるということです。
カメラは抑止力にならず…防犯意識の転換を
また、いま私たちが強く認識しなければならないのは、「家に防犯カメラを設置しているから安心」「しっかりと施錠しているから大丈夫」という、これまでの旧来の防犯意識では、もはやこれらの犯罪を防ぎきれない可能性が高いという事実です。
今回の栃木の事件においても、被害に遭った住宅には複数の防犯カメラが備わっていたことが報じられています。しかし、計画の粗雑さゆえに捕まることすら恐れない、あるいはブレーキの利かない若者が短絡的に暴走するトクリュウの強盗犯に対しては、カメラの存在が従来の「抑止力」として十分に機能しなくなっている恐れもあります。
犯罪の手口が日々「雑で凶悪に」、そして「巧妙に」変化しているとするならば、「狙われないために自宅に余計な資産を置かない」「怪しい接触には徹底して警戒する」といったマインドそのものの転換が、防犯対策の本質といえるかもしれません。

兵庫・たつの市の民家で発見の2遺体、74歳と52歳の母娘 刺し傷あり、事件視野に捜査

兵庫県たつの市の民家で女性2人が死亡しているのが見つかった事件で、兵庫県警は19日、遺体はこの家に住む田中澄恵さん(74)と千尋さん(52)と確認したと発表した。遺体には刺し傷があり、凶器とみられるものが見つかっていないことなどから、兵庫県警は2人が事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査を始めた。
県警によると、母娘は1階の玄関付近と、その先の廊下でそれぞれ倒れていた。
同日午前9時半ごろ、母娘の知人から「(民家に)住んでいる2人と連絡が取れない」と近くの交番に相談があった。警察官が駆けつけた際、玄関ドアは施錠されていなかった。
現場近くで働く女性によると、この日午前、現場ではパトカーや救急車のサイレンが鳴り響き、物々しい様子となった。午後1時ごろには警察官が女性のもとを訪ね「防犯カメラを確認させてください」と告げたという。女性は母娘とは面識がないものの、現場付近での大きなトラブルは「最近は聞いたことがない」と話した。
現場はJR姫新(きしん)線播磨新宮駅から南に約1キロの住宅街。

荻野屋「峠の親子めし」で食中毒=製造販売を停止―群馬

「峠の釜めし」で知られる弁当会社「荻野屋」(群馬県安中市)は19日、横川工場(同市)で製造した弁当「峠の親子めし」を原因とする食中毒が発生し、同工場について3日間の営業停止処分を受けたと発表した。
峠の親子めしは同工場のほか、諏訪工場(長野県諏訪市)と八幡山工場(東京都杉並区)でも製造され、同社は対策を講じるまで製造・販売を停止した。再開の見通しは立っていないという。
同社によると、峠の親子めしはほぐした焼き鮭とすじこを使った弁当で、食中毒の原因となったのは10日に製造した計108個。11日に弁当を食べた客から下痢やおう吐の症状が出たと連絡があり、安中保健所が立ち入り検査をした。症状を訴えた22人のうち9人から黄色ブドウ球菌が検出されたという。
同社は峠の釜めしについても、安全確保のため横川工場での製造・出荷を15日から自主的に停止している。 [時事通信社]

早期警戒無人機の導入を政府検討、太平洋の監視強化…対中抑止へ広範囲の脅威探知

政府は、太平洋の防衛強化に向け、広範囲の状況を把握し、いち早く脅威を探知する早期警戒機用レーダーを搭載する無人機を自衛隊に導入する方向で検討に入った。硫黄島(東京都)と小笠原諸島・父島(同)には車載式で移動可能な警戒管制レーダーを配備する計画だ。警戒監視の「空白地帯」とも称される太平洋での監視網を整備し、活動を活発化させる中国軍への抑止力・対処力を高める。
複数の政府関係者が明らかにした。政府は年内に改定する防衛力整備計画などの安全保障3文書に、太平洋の警戒監視体制の強化を盛り込む方針で、その具体策の一環となる。
早期警戒機用レーダーを搭載する機体は今後詰めるが、海上自衛隊が2027年度に導入予定の米国製の滞空型無人機「MQ9B シーガーディアン」が有力だ。長時間の滞空が可能で、航続距離は約4900キロ・メートルに及ぶ。
洋上監視用の早期警戒機は「空飛ぶレーダーサイト」とも呼ばれる。陸上や艦艇からでは水平線の関係で見えにくい低空や遠距離の目標の探知能力に優れ、低空飛行する航空機や、艦艇などを早期に発見する役割を担う。無人の早期警戒機が配備されれば、より広い範囲を長時間にわたり警戒でき、省人化や隊員の負担軽減にもつながる。
無人の早期警戒機の離着陸には硫黄島や南鳥島(東京都)の滑走路も活用し、効率的な運用を目指す。
加えて、島へのレーダー配備も進める。移動式レーダーを配備する父島では今年度から調査に着手する。硫黄島にある固定式レーダーは移動式に変更する。
政府が太平洋での警戒監視体制を強化するのは、中国を抑止する上で不可欠だとの判断からだ。中国軍は、台湾有事などに際し、伊豆諸島からグアムを結ぶ「第2列島線」の内側への米軍の接近を阻止する軍事戦略の確立を図っているとされる。小笠原諸島や硫黄島は線上に位置する。
中国軍による太平洋での示威行動は増えており、昨年6月には空母2隻が初めて同時展開した。同12月には自衛隊機が中国の空母艦載機からレーダー照射を受ける事案が起きた。

栃木強殺、ヒッチハイクで逃走か 少年、帰りに仲間の車乗れず

栃木県上三川町の強盗殺人事件で、県警に逮捕された少年4人のうち川崎市の少年が、ヒッチハイクで近くの駅まで逃走していたことが18日、捜査関係者への取材で分かった。4人は白い外車で現場付近まで来たが、事件後に逃げる際、川崎市の少年を含む2人はこの車に乗れなかった。下野署捜査本部は4人の事件前後の足取りや役割を調べる。
少年は現場近くで通行人に声をかけ、ヒッチハイクで送らせた。車に乗せた人が、県警の調べに川崎市の少年と似ていたと話したという。4人はいずれも16歳で神奈川県の高校生。一部は面識がなかったとみられる。
外車に乗れなかったもう1人は、事件から約30分後の14日午前10時ごろ、現場近くで警察官に確保された。この少年は「同学年の仲間に誘われた。他の仲間は車で逃げた」と供述したという。
捜査本部は16日に、この外車を押収。外車は犯行現場周辺の防犯カメラに写っていた。
捜査本部は18日、川崎市の少年と、17日に逮捕した少年らの指示役とみられる横浜市の竹前海斗容疑者(28)を送検した。

【磐越道ハス事故】若山哲夫容疑者の陸上部元教え子が明かす“アブない”指導「女子部員をマイクロバスに乗せて…」

〈 【磐越道バス事故】バス会社・蒲原鉄道前社長が明かした北越高校との“本当の関係”「個人的に許せない部分もあるので…」 〉から続く
部活遠征中の高校生が命を落とした磐越道バス事故。若山哲夫容疑者は最近、信じ難い事故を連発していた。高校とバス運行会社で大きく食い違う言い分。なぜ彼にハンドルを握らせたのか。一体、誰がウソをついているのか――。
「彼は直近1カ月半で5回も交通事故を起こし、毎回ここに車を修理に持ち込んで来ていました」
そう明かすのは、新潟県内で自動車修理工場を営む男性だ。暗い表情で続ける。
「会うたびに挙動がどんどんおかしくなり、目の焦点も合っていないようだった。全く運転できるような状態じゃなかったんです。それなのに、5回目の事故の5日後に子どもたちを乗せたバスを運転するなんて……。知っていたら絶対に止めていました」

新潟陸上界では名の知れた人物
ゴールデンウィーク最終日の5月6日朝。福島県の磐越道で26人が搬送される多重事故が発生した。
「新潟県から遠征先に向かう北越高校ソフトテニス部の生徒20人が乗ったマイクロバスが、道路脇のガードレールなどに衝突。部員の稲垣尋(ひろ)斗(と)さん(17)が対向車線に投げ出されて死亡しました」(社会部記者)
福島県警は翌7日、運転手の若山哲夫容疑者(68)を過失運転致死傷の疑いで逮捕した。
「車両は厳しい運行管理が求められる『緑ナンバー』ではなく、自家用車と同じ『白ナンバー』でした。若山は旅客輸送の運転に必要な『二種免許』を所持しておらず、違法な“白バス”行為にあたる疑いも浮上しています」(同前)
若山は、新潟陸上界では名の知れた人物だった。指導者として、東京学館新潟高、開志国際高をそれぞれ初の全国高校駅伝大会へと牽引。元同僚が振り返る。
放課後には“アブない”指導
「彼は青森県出身で、早稲田大学を経て東京学館に採用されました。陸上部で実績を上げて地位を築き、結婚式は体育科の先生を全員呼んでド派手に執り行った。ただ、しばらく経つと別居状態になったそうです」
放課後には“アブない”指導を繰り返す体育教師としても知られていた。陸上部の元教え子が証言する。
「若山先生はお子さんが幼い時に離婚され、シングルファザーでした。練習後には女子部員を陸上部のマイクロバスに乗せて自宅へ連れて帰り、掃除や洗濯を手伝わせることも。そのお礼と言って焼肉や中華料理を奢っていました。まるで家政婦のような扱いだった。『先生に呼ばれると嫌』と話す女子部員もいました」
別の元同僚が続ける。
「普段はかなりの酒好きで近くによく飲みに行っていた。夜になると電話がかかってきて『先生飲めませんか?』と誘われましたよ」
教員を退職して以降、2022年から25年までは胎内市の会計年度任用職員として市のバスを運転していた。近年は、市内の一軒家で1人暮らしをしていたが、
「最近は挨拶しても返事がなく、目が泳いでボーッとしていることが増えました。糖尿病を患っているとも聞いた。黒の軽自動車『N-BOX』をよく運転していたけど、あちこち凹んでいて、大丈夫かなと不安になるほどでした」(近隣住民)
《この続きでは、「観光バスを使うべき」北越高副校長の警告は無視された、高校理事長 タワマン生活の裏で握った運行会社の弱み…などのトピックを詳報。記事の全文は現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および5月13日(水)発売の「週刊文春」で読むことができる。また電子版では 「蒲原鉄道の前社長激白60分」記事 や 元教え子が告発する女子部員に対する“若バス”マッサージ記事 を限定配信している》
〈 《磐越道バス事故》若山哲夫容疑者の「“若バス”マッサージ」を元教え子が告発 「主に女子部員が呼び出され、“治療”と称したマッサージが…」 〉へ続く
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年5月21日号)

熱狂消えた高市政権を追い詰める“最大の関門”は「消費税ゼロ失速」でも「保守層の失望」でもなく…永田町では「ポスト高市」への動きも加速

女性初の宰相誕生と衆院選圧勝で、日本政治に“旋風”を巻き起こした高市早苗首相。内閣支持率はいまなお7割前後という異例の高水準を維持している。だが、その数字とは裏腹に、永田町や市場関係者の間では「空気が変わり始めた」との声も聞こえ始めた。看板政策だった“消費税ゼロ”はいつ実現するのか。円安、長期金利上昇、膨らみ続ける国家予算――。高支持率の裏で、高市政権を追い詰めかねない“最大の関門”が静かに迫っている。
【画像】高市政権を追い詰める“最大の関門”
かつての高揚感、熱狂とは今は違う
大型連休中に報じられた1つの世論調査が永田町の注目を集めた。JNNが5月2、3日に実施したもので、高市内閣の支持率は前月調査から2.7ポイント上昇し、74.2%になったという内容だ。
不支持率は24.3%に微増したものの、首相就任から6カ月が経過した政権が高支持率を維持している例は過去30年間で小泉純一郎内閣(2001年4月~2006年9月)、第2次安倍晋三内閣(2012年12月~2020年9月)、岸田文雄内閣(2021年10月~2024年10月)の3例しかない。
NHKが5月8~10日に実施した調査でも支持率は61%と横ばいで、不支持率は23%だった。
だが、昨年秋に女性初の宰相が誕生した際の高揚感や2月の総選挙で自民党が圧勝した時の熱狂と今は違うと感じる向きは少なくないはずだ。
首相は従来とは異なる「責任ある積極財政」に転じると豪語し、飲食料品の消費税ゼロ化などを矢継ぎ早に掲げたものの、その「実績」はなお乏しい。
物価上昇に苦しむ国民の生活が具体的に好転したり、日本が抱えてきた諸課題を劇的に解消したりということはないのだ。
たしかに日経平均株価は6万円台を突破し、史上最高値を更新してきたものの、その恩恵は株式投資や投資信託などに余裕資金を傾ける一部の国民に限られる。この点は、期待感が先行してきた高市政権にとって「急所」でもあると言える。
日が経つにつれて、好印象を与えるメディア露出も減っており、高市政権への「期待」が一転して「失望」に変わらないためには、目に見える形での「実績」が不可欠となるのは間違いない。
言行不一致にガッカリした保守層
高市政権の今後を占う上で「最初の関門」となるのは、公約の達成状況だろう。首相は自身の強固な支持層とされる保守派に向けて靖国神社参拝や「竹島の日」式典への閣僚出席などをめぐり、威勢の良い言動を繰り返してきた。
だが、首相に就任すると靖国参拝を断念し、式典への閣僚派遣も「堂々と大臣が出ていったらいいじゃないですか」と語っていたにもかかわらず見送っている。言行不一致は何も政治家の“専売特許”ではないが、保守層の中にはガッカリした人も少なくないはずだ。
この先に問題となり得るのは、飲食料品の「消費税ゼロ化」である。高市首相が率いる自民党は2月の衆院選で「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」と公約した。
選挙後、野党にも呼び掛ける形で「国民会議」はスタートしているが、最近は「ゼロ」という言葉が抜けているように映るのは気になるところだ。
いつ減税がスタートできるのかは不明のまま
首相は「時間を要する(レジの)システム変更をできるかぎり早期に実施できる方法も検討しつつ、その実現に向けて強い思いを持って取り組んでいく」と意気込むものの、消費税率をゼロにした場合のレジシステム改修については「必ずしも1年(税率変更に時間がかかるということ)ではないが、一定期間はかかる」との認識を示している。
レジシステム会社側は税率ゼロに変更するには1年程度、1%の場合には半年程度が改修に必要としており、政府・与党内では飲食料品の消費税率を公約通りの「ゼロ」ではなく、「1%」とする案が浮上している。
もちろん、税率が1%に下がれば生活が楽になる人は多い。だが、ゼロから1%も増えたと感じる人もいるはずだ。
そもそも、物価上昇局面において「給付付き税額控除を実施するまでの2年間」に限定した方策であると首相は言っていたが、いつ減税がスタートできるのかは不明のままである。消費税のゼロ化が「悲願」とまで言った首相の実行力が問われる。
総務省が4月24日に発表した3月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が112.1で、前年同月に比べて1.8%上昇した。プラスは55カ月連続で、上昇率は5カ月ぶりに拡大している。
経済対策を裏付ける補正予算の編成には慎重姿勢
帝国データバンクがまとめた5月以降の飲食料品の値上げ動向と展望・見通しによれば、5月の飲食料品値上げは計70品目にとどまる一方で、今夏以降はナフサ不足を要因とした値上げラッシュの可能性があるという。
だが、高市首相は国民の暮らしに支障が生じないよう必要な対応を臨機応変にするとは語るものの、経済対策を裏付ける補正予算の編成には慎重姿勢を崩していない。
5月11日の参院決算委員会でも「補正予算の編成が直ちに必要な状況とは考えていない」と表明した。中東情勢の悪化が長引く可能性が指摘される中、首相が補正予算編成に慎重なのは理由がある。
それは、首相の意向を強く反映した自民党の衆院選公約(2月)において「補正予算を前提とした予算編成と決別し、経済成長による税収増なども勘案しながら、必要な予算は当初予算で措置します」と掲げていたからだ。
過去の政権が経済対策などを理由に年度途中で追加してきた補正予算はチェック機能が十分とは言えず、杜撰な計上や効果が会計検査院に問題視されてきた。
首相は、必要となる予算は当初予算に計上し、特に注力すべきテーマは複数年度で手当てすべきとの立場で、予算編成のあり方そのものを変えようとしている。
高市政権を追い詰めかねない「最大の関門」
実は、この点こそが高市政権を追い詰めかねない「最大の関門」となり得る。補正予算の編成に慎重であるということは、当初予算案の規模が大きくなることを意味する。
4月7日に成立した2026年度当初予算は、一般会計の歳出総額が過去最大の122兆3092億円に上り、国債利払いや償還に充てる国債費は31兆2758億円と初めて30兆円を上回った。
政権が注力する人工知能(AI)や半導体など「17の戦略分野」への本格的な投資促進を見据えれば、来年度予算案がさらに膨張するのは必至だ。とりわけ、経済安全保障関連の議論においては財源論を後回しにしかねない「積極財政」ぶりが聞こえてくる。
自民党は先の衆院選公約で、財政運営に関し「成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していきます」と説明。
その上で「“円”が引き続き相対的に信認を維持し続けられるよう、『強い経済』の構築と財政の持続可能性の実現を両立させ、マーケットからの信認を確保していきます」と掲げていた。
「とにかく金利がどう動くか、だ」(政府関係者)
だが、市場は首相が掲げる「責任ある積極財政」への警戒感をなお隠さない。4月30日に長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、5月15日、一時、2.73%を記録した。約29年ぶりの高い水準となる。
長期金利上昇は、住宅ローン金利の上昇を招くだけではなく、企業の経営にも影響を与える。
日銀が保有している国債の含み損も巨大になるだろう。政府・日銀は円安是正のための為替介入に踏み切ったが、円安が進行すれば輸入物価が上昇し、国民生活を脅かす。
そもそも、高市首相が1月の通常国会冒頭で衆院解散を断行した理由の1つには、2026年下半期の景況が悪化するとの予測が周囲からもたらされていたことがある。改善が見えない日中関係に加え、中東情勢の悪化に伴う原油価格の高騰も気がかりだ。
それに加えて、飲食料品の消費税ゼロ化や来年度予算の膨張などがマーケットに与えるインパクトは決して小さくない。
政権内には「とにかく金利がどう動くか、だ」(政府関係者)と警戒する向きもあるが、ひとたびネガティブに市場が反応すれば軌道修正するのは容易ではなくなる。
もちろん、消費税は社会保障の安定財源であり、減税した分の財源をどのように確保するつもりなのかは厳しく問われるべきだ。
永田町では「空気が変わり始めた」の声
衆院解散前に予測されていた通り、今年下半期の景況が悪化し、さらなる金利上昇や物価高騰が続いていけば内閣支持率や株価がいくら高くとも、そっぽを向く人が続くことだろう。
自民党内では、麻生太郎副総裁や茂木敏充外相らが首相を支えるグループ「国力研究会」を発足することになった。政府・自民の円滑なコミュニケーションを確保しつつ、長期政権への道を支える形だ。
一方、参院自民党で影響力を持つ石井準一参院幹事長らが新グループ「自由民主党参議院クラブ」を結成したほか、武田良太元総務相らも政策グループを立ち上げている。
首相就任への意欲を保つ林芳正総務相は自らに近い議員と共に各グループとの連携も視野に入れる。現時点では「高市応援団」の勢いが強いものの、マーケットに突き放され、連敗が続く地方選で白星を積み重ねていけなければ、来年春の統一地方選前に風向きは一気に変わるはずだ。
高市首相の自民党総裁としての任期は2027年9月までで、来年には党総裁選がある。今後の経済状況や公約の達成次第では「ポスト高市」の動きが活発化し、首相は追い込まれる可能性がありそうだ。
文/竹橋大吉