静岡市の公民館で男性が刃物で刺され、殺害された事件で、逮捕された男と被害者の間に数年にわたって複数のトラブルがあったことが分かりました。
殺人などの疑いで逮捕・送検されたのは、静岡市駿河区の無職・澳塩孝之容疑者(54)です。
澳塩容疑者は今月2日夜、静岡市の公民館に侵入し、会合に参加していた石上義之さん(78)をナイフで刺し殺害した疑いがもたれています。
捜査関係者によりますと、2人の間には数年にわたって複数のトラブルがあり、澳塩容疑者が所有する畑や土地の整備をめぐっては石上さんを含む住民らが何度も改善を求めていたということです。
澳塩容疑者は石上さんを刺した行為は認めているものの、殺意については、あいまいな供述を繰り返しているということです。
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原爆投下80年、首相あいさつ一変 石破氏は、なぜ被爆歌人の短歌を引用したのか
広島への原爆投下から80年を迎えた2025年8月6日、広島市の平和公園で行われた平和記念式典での、石破茂首相の式典あいさつがSNSで注目を集めている。
「太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり」
6日午前8時から行われた平和記念式典には、被爆者や遺族らに加え、過去最多となる120の国と地域の大使を含むおよそ5万5000人が参列した。
SNSで注目を集めたのは、石破氏による式典あいさつだ。例年、首相の式辞では原子爆弾による被害の凄惨さや核兵器を取り巻く現状、核廃絶の訴えについて語るもので、形式的な内容にとどまることが多かった。
しかし、石破氏はあいさつの結びで広島県出身の「被爆歌人」正田篠枝さんの短歌を引用した。
広島平和記念資料館が公開している資料によると、この短歌は、原爆の劫火の中で、教師を頼りながら死んでいった児童・生徒と、彼らを気遣いながら死んでいった教師の無念さを表現したものとされる。
正田さんは広島県安芸郡に生まれ、爆心地から1.5キロメートルの自宅で被爆した。被爆当時の情景や自らの体験、親戚や知人、友人らの悲惨な被爆の様子を短歌に詠み、1947年にはGHQによる検閲をかいくぐり歌集『さんげ』を秘密裏に出版。当時の記録には、歌集について「死刑覚悟で出版した」とつづられている。
「能動的にその記憶というものを継承する努力、深めていかねば」
石破氏は式典後の記者会見で、「本日の感想と言いますか、感想という言葉は軽くていけないのですが……それは最後に引用いたしましたあの歌に全て尽くされていると私は思っております」として、この歌を引用した意図について語った。
時間とともに記憶が風化するのは避け難いことだとしつつ、「能動的にその記憶というものを継承する努力というものは、さらに深めていかねばならない、強めていかねばならない」と訴えた。
林芳正官房長官も同日の会見で、「石破総理は被爆80年が経過し、実際に戦争や被爆を経験された方も減る中にあり、戦争の悲惨さ、原子爆弾の被害の過酷さ。これを決して風化させることなく、記憶として継承していかなければならない。そういった強い思いをあいさつに込められた」とその意図を説明している。
教師と子どもたちの無念をたどる一首に託された追悼の言葉。80年という節目を迎えた今回の式典では、被爆の「風景」を想起させ改めて「継承」の意味を問いかけるものとなった。
SNSでは、「涙が止まらない。石破さんが総理として自らの言葉で編んだもの。当たり前とは言え、感動しました 」「手放しで称賛する気はないけれど、それでもやはり国のトップが『太き骨は先生ならむ そのそばに 小さきあたまの骨 あつまれり』という短い文字列を読んで、その悲嘆、絶望、哀惜を感じ取れる人でよかったと思う 」といった声があがっている。
横浜の花火事故、業務上失火容疑で捜査へ 海保が実況見分 花火師が考える「3つの原因」
横浜市で4日に開かれたイベントの花火大会中に台船が炎上した火災で、横浜海上保安部などは6日、業務上失火容疑で捜査する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。発生直後、打ち上げを停止する制御システムが作動していなかったことが明らかになっており、海保は同日、神奈川県警と合同で現場を実況見分した。
海保によると、火災は4日午後7時50分ごろ発生した。花火は音楽に合わせて打ち上げる演出で、打ち上げのタイミングをプログラム制御する仕組みだった。発生から約1分後には停止する操作を行ったが、火元とみられる台船では打ち上げが止まらず、主催者側は「制御できなかった」と説明しているという。
花火大会は午後7時半に始まり、8隻の台船から約2万発を打ち上げる計画だった。当時、炎上した台船には5人の花火師が乗船。発生後すぐに全員が海に飛び込んで救助され無事だったが、南西側の台船にも燃え移り、計2隻が焼損した。鎮火したのは発生から約15時間後の5日午前11時すぎだった。
横浜市は5日、花火大会を主催した実行委員会の委員長を務める神奈川新聞の須藤浩之社長に対し、事故原因の徹底究明を要請。市によると、事故を受け、10日にみなとみらい地区で150発の花火を打ち上げる予定だったイベントの開催延期も決定した。
「連鎖的な暴発はまれ」
真夏の夜を彩る打ち上げ花火が、なぜ大規模な火災につながったのか。花火の安全啓発を行う業界団体「日本煙火協会」の専務理事で花火師の河野晴行さんによれば、現時点で考えられる原因として3つが挙げられるという。
1つ目は煙火玉が筒から発射直後に炸裂する「過早発」と呼ばれる現象。2つ目は煙火玉が想定より低い高度で炸裂する「低空開発」。3つ目は、煙火玉が上空で炸裂せず、地上に落下して炸裂する「地上開発」と呼ばれる現象だ。
河野さんは「映像を見る限り、花火事故で最も怖い筒内で炸裂する『筒ばね』の可能性は低いと思われる。ただ、過早発や低空開発にしろ、連鎖的に暴発するケースはまれであり、今後の安全対策を考える上でも原因究明が待たれる」と話す。
経済産業省が公表した「火薬類事故情報の取り扱い」によれば、花火事故特有の暴発現象が起きる要因として、花火自体の製品不良や煙火玉に含まれる火薬粒「星」の燃焼不足、花火師による装薬・装填ミス、筒の固定不備などがある。
河野さんは「陸上での打ち上げと異なり、台船の上では筒の密集度が高い。ただ、最近流行りの音楽に合わせて花火を打ち上げる演出については、今回の事故のように通しでやるパターンではなく、場合によっては間隔を空けながら打ち上げるなどの見直しも、今後の安全対策につながるのでは」としている。
一方、今回の事故で打ち上げを担当した東京都中央区の「日本橋丸玉屋」は自社ホームページで「近隣や来場者に多大なるご心配をおかけした。関係機関と連携して調査を進める」とのお詫び文を掲載した。(白岩賢太)
斎藤知事を脅迫「会見の態度何か」「辞職しろ殺すぞ」長崎・壱岐市の60代無職男を逮捕
兵庫県の斎藤元彦知事を脅迫したとして、兵庫県警捜査1課は6日、脅迫の疑いで、長崎県壱岐市勝本町の無職男(66)を逮捕、送検したと発表した。同課によると容疑を認めている。
逮捕・送検容疑は6月17日午後2時15分ごろ、男の自宅か、その周辺で、スマートフォンを使い、兵庫県庁ホームページの入力フォーム「さわやか提案箱」に、斎藤氏に危害を加える内容のメッセージを送信。県職員を介して斎藤氏に閲覧させ、脅迫したとしている。
同課によると、送信内容には「斎藤元彦 貴様の定例記者会見の答弁、態度はなにか。即刻辞職しろ 必ず殺すぞ」などと記されていたという。
アクセス記録などの捜査から、男の関与が浮上した。ほかにも同様の投稿が複数あり、関連を調べている。
宮城知事、神谷代表は「逃げた」 水道事業発言巡り批判
宮城県の村井嘉浩知事は6日の記者会見で、県の水道事業を「外資に売った」と参院選中に主張した参政党の神谷宗幣代表に公開の意見交換を申し出て、断られたと明らかにした。県は事実誤認と反論しており「逃げたということだ。非常にがっかりした。もっと腹の据わった方だと思っていた」と対応を批判した。
村井氏によると、7月29日に文書で「一部県民に誤解を与えていることは極めて遺憾」として意見交換を要請。党側は翌日、見解は18日に党ホームページへ掲載したとして「応じかねる。県民および日本国民の今後の判断に委ねる方針に変わりはない」と文書で回答した。
日本人が過去最大90万人減、1億2065万人…日本に住む外国人367万人で最多更新
総務省は6日、住民基本台帳に基づく今年1月1日時点の国内の人口を発表した。日本人は1億2065万3227人で、前年から90万8574人(0・75%)減り、調査を開始した1968年以降で減少数、減少率ともに最大となった。国内に住む外国人は367万7463人で、調査を開始した2013年以降で最も多くなった。前年から35万4089人(10・65%)増え、増加数でも最多を記録した。
外国人は、3か月以上の在留資格を持つ人が対象となる。日本人と外国人を合わせた総人口は1億2433万690人で、前年から55万4485人(0・44%)減少した。総人口に占める外国人の割合は2・96%に達し、過去最大となった。
日本人は、ピークだった09年から16年連続で減少が続いている。最も大きな要因は、少子高齢化の加速だ。24年に生まれた日本人の子ども(出生数)は過去最少の68万7689人で、死亡者数は過去最多の159万9850人だった。出生数が死亡者数を下回る「自然減」は17年連続で拡大している。
一方、外国人は、新型コロナウイルス禍で一時的に減少したが、23年から増加に転じ、3年連続で10%以上の伸び率となっている。国外からの転入者が国外への転出者を上回る「社会増」の影響が大きく、外国人の転入者は66万1809人で最多を更新した。外国人は出生数も最多の2万2738人に上り、出生数が死亡者数を上回る「自然増」も最多の1万3665人となった。
都道府県別で見ると、人口が増えたのは東京都と千葉県のみで、45道府県で減少した。前年からの減少率は秋田県の1・84%が最も大きく、青森県が1・64%、高知県が1・59%で続き、東北や四国地方での減少が目立った。
80年見解、歴史認識踏み込まず=石破首相示唆、「時期熟慮」―進退明言避ける
石破茂首相は6日、原爆の日の平和記念式典に参列後、広島市で記者会見した。戦後80年の節目に合わせた「見解」の公表に改めて意欲を示した上で「歴史認識は貴重な積み重ねがある」と述べ、踏み込まない考えを示唆。参院選惨敗を受けて自らの進退を問われたのに対し、明言を避けた。
戦後80年に当たり、首相は閣議決定を伴う「首相談話」の発出を断念したものの、戦争の検証を柱とする個人的な見解は公表したい意向。終戦記念日の15日、日本が降伏文書に調印した9月2日は外す方向となっており、会見で「形式はよく考えたい。どの時期が最も適当かよく考えたい」と語った。 [時事通信社]
高知のプール小4死亡事故、校長ら4人を在宅起訴…前教育長ら3人は不起訴
昨年7月に高知市立長浜小4年の松本凰汰(こうた)君(当時9歳)が水泳の授業中に溺れて死亡した事故で、高知地検は6日、校長や教諭ら4人を業務上過失致死罪で高知地裁に在宅起訴した。4人と同時に書類送検されていた前市教育長と市教育委員会幹部2人(うち1人退職)は嫌疑不十分として不起訴にした。
在宅起訴されたのは、いずれも高知市の校長の男(55)、教頭の女(53)、教諭の女(57)、元教諭の女(27)の4容疑者。
起訴状では、4容疑者は昨年7月5日に同市立南海中のプールで実施した水泳授業で、事故が発生する危険性を容易に予見でき、共同で事故を防止すべき業務上の注意義務があるのに、監視や人数確認などの措置を怠ったなどとしている。
参院選、東京都大田区で無効票水増し 二重計上、つじつま合わせ
東京都大田区選挙管理委員会は6日、7月の参院選で無効票を約2600票水増し計上していたと明らかにした。
区選管によると、投開票日の7月20日、不在者投票総数を集計した際、前日までの投票数を二重に計上。その後の開票作業の際、投票総数が実際の票数より多いため数が合わないことに気付き、つじつまを合わせようと無効票を水増ししたという。二重計上は同22日に発覚した。二重計上されたのは選挙区が2590票、比例代表が2588票だった。
区選管は詳しい経緯については調査中としており、「選挙の信頼を損なうことになり、多くの人にご迷惑をおかけしてしまったことをおわびしたい」とコメントした。
無効票の水増しを巡っては、2017年の衆院選で滋賀県甲賀市選管が、開票数が投票総数より少なかったことから未使用の投票用紙を白票として水増しし、当時の市選管事務局長ら4人が公職選挙法違反(投票増減)で書類送検された。【原奈摘】
戦後80年に放送流れず 町が広島原爆投下のサイレン忘れる 湯河原
神奈川県湯河原町が6日、広島の原爆投下時刻に合わせたサイレンを流し忘れていたことが、同町への取材で判明した。町は詳しい原因を調べ、再発防止に努めるとしている。
町地域政策課によると、町では毎年、広島の原爆投下時刻(8月6日午前8時15分)に合わせ、1分間のサイレンを町内放送のスピーカーから流して町民に黙とうを促してきた。また、同7時半にはサイレンが流れることを伝える事前のアナウンスもしてきた。しかし、今年は担当者が放送するための機械の設定を忘れたという。
同課は「過去に同じようなミスはなかったと思う。このようなことが二度とないように、原因究明や再発防止策を取っていきたい」としている。
同町に20年以上住む男性(75)は、毎年8月6日はサイレンを聞いて黙とうをささげてきたという。「戦後80年の大事な年に忘れるなんて。原爆で亡くなった人に失礼、無礼ではないかと思う」と憤った。戦争の記憶が薄れる世相を反映しているように思えるといい、「世の中全体の雰囲気が少しずつ変わっているのかなと、今回のようなことでも感じてしまう」と話した。【矢野大輝】