高市早苗「初の女性総理大臣」に立ちはだかる3つの壁…“前のめり”姿勢に「高市陣営は一本気すぎるところがある」と不安の声も

JNNが8月2日、3日の両日に行なった世論調査では、石破茂総理(68)の次の総理にふさわしい人として、回答の多かった順に、1位・小泉進次郎農水相(44)、2位・高市早苗前経済安保相(64)という結果だった。リベラル色の強い石破政権で、自民党から離れてしまった「岩盤保守層」の支持を取り戻すために、保守派からは“高市待望論”を唱える声もあるものの、課題は党内の幅広い支持を得られるかどうかだ。
【画像】高市早苗の「保守派のライバル」議員
一枚岩になりにくい自民党保守派
「私なりに腹をくくった。もう一回、党の背骨をガシッと入れ直す。そのために戦うと約束する」
参院選期間中から街頭演説で、総理の椅子への意欲を露わにしてきた高市早苗氏。石破退陣論の高まりを受け、その動きは素早かった。
自民惨敗の結果が出るや、7月23日に議員宿舎で、松下政経塾の先輩で昨年の総裁選で選対事務局長を務めた山田宏参院議員や、黄川田仁志衆院議員らと会合を持った。
「高市氏の前のめりな姿勢は、一部でひんしゅくを買っている面もある。高市氏は昨年の総裁選の決選投票前のスピーチでも、持ち時間の5分間を超過して話し続け、空気の読めなさを指摘された。
政調会長など枢要ポストを歴任し、真面目な勉強家として知られますが、もともと“飲み会嫌い”を公言しており、人心掌握術に長けたタイプではない。経済安保相時代の2023年には放送法を巡る総務省文書を『ねつ造』と主張するなど、その言動が不安視される面もあります」(全国紙政治部記者)
そんな高市氏が党内の幅広い支持を得るには、未だ多数の課題が残っている。
その一つが、何かと分裂しがちな、自民党保守派をまとめられるかどうかだ。
「高市陣営は、いいヤツらが多いけど、一本気すぎるところがある。だから、党内でも浮いてしまうんだ」
7月後半、自民党のベテラン議員は、筆者の取材にこうぼやいた。要は、自民党保守派には、一枚岩になりにくい側面があるのだ。
実際、昨年の総裁選でも、当初は自民党保守派が一丸となって高市氏を推すムードに乏しく、推薦人集めもすんなりといったわけではなかった。その状況は今も変わっていない。
たとえば、高市氏が顧問を務める勉強会「保守団結の会」は、党内でも有数の保守系グループだ。その会長の高鳥修一前衆院議員は、かつて稲田朋美元防衛相が主宰していた保守系勉強会「伝統と創造の会」で行動をともにしていた。
しかし、2020年に稲田氏がLGBT問題でリベラル寄りの姿勢に転じたことなどから、高鳥氏は同会を脱退した。袂を分かった高鳥氏は、保守団結の会を立ち上げた。
「このような経緯から、ともに保守系の勉強会でありながら、両会にはいまだ微妙な緊張関係が残っています。8月15日の靖国神社参拝なども、本当は合同で行えばいいのですが……。高市氏が総理の座を射止めるためには、大きな目的のために、まずは党内の保守派が団結することが必要です」(前出・自民ベテラン議員)
昨年の総裁選後、麻生氏は「仲間作りをして準備をしておけ」と…
二つ目の懸念材料が、“保守派のライバル”の出現だ。
つまりは、前回総裁選に出馬した“コバホーク”こと、小林鷹之元経済安保相(50)の台頭も、高市氏にとっては懸念材料とみられる。
「ハーバード大院卒で財務官僚出身の小林氏は、岸田内閣で、当時、当選3回ながら経済安保相に起用された自民党のホープです。故・安倍晋三総理も期待を寄せ、2人で食事をする間柄だった。
2021年の総裁選では推薦人になるなど、もともと高市氏とは近しい間柄でしたが、昨年の総裁選には小林氏自身も出馬し、保守派の論客として存在感を示しました。
『総裁選があれば次も出る』と公言しており、7月28日の両院議員懇談会でも石破総理の責任論を追及しました。高市氏と小林氏の双方が名乗りをあげることにより、保守派の票が分裂することを危惧する声も党内にはあります」(前出・政治部記者)
三つ目の懸念点は、前回総裁選で支援を受けた麻生太郎・自民党最高顧問(84)の支援を今回も受けられるかどうかだ。
現存する唯一の派閥を率いる麻生氏は、次期総裁選において一定の影響力を持つとみられるが、麻生派所属議員は筆者の取材に対して「麻生さんはまだ腹の内をみせてない」と打ち明ける。
「石破総理を蛇蝎のごとく嫌う麻生氏は、前回総裁選で高市氏を支援。総裁選後には高市氏に『飲み会に行って仲間作りをして準備をしておけ』と助言したとされます。
高市氏は7月23日夕方に、麻生氏と議員会館で面会するなど、今も頼みの綱としていますが、麻生氏が今回も高市氏を支援するかどうかは未だ不確定な面もあります」(自民党関係者)
麻生氏は今年に入ってから、鈴木英敬衆院議員や、田野瀬太道衆院議員ら、小林氏に近い若手・中堅議員を集め、「麻生塾」と題した食事会を重ねてきた。周囲に「与野党ともにこの人ならと思ってもらえる総理じゃなきゃダメだ」と語る一方で、「最後は勝ち馬に乗る」(前出・自民党関係者)との見方も強い。
高市氏は立ちはだかる壁を乗り越え、支持を拡げられるのか。「女性初の総理」を目指した戦いはすでに始まっている――。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班

中央分離帯乗り越え住宅に…トラック突っ込む 同乗していた子ども2人含む3人搬送 北海道網走市

2025年8月4日、北海道網走市でトラックが住宅に突っ込む事故がありました。
事故があったのは、網走市鱒浦の国道244号です。
8月4日午後4時ごろ、事故を目撃した男性から「電柱にもぶつかって、家にもぶつかった車がいる」と警察に通報がありました。
警察によりますと、トラックは中央分離帯を乗り越えて電柱に衝突し、そのまま付近の住宅に突っ込んだということです。
この事故で、トラックを運転していた50代の男性と、一緒に乗っていた小学生くらいの男の子と女の子のあわせて3人が病院に搬送されました。
いずれも軽症だということです。
現場はゆるやかな左カーブで、警察は当時の状況を詳しく調べています。

依存性ない強力鎮痛薬、京都大チームが候補発見…28年の実用化目指す

がん患者の激しい痛みを抑えられる強力な鎮痛薬候補を見つけたと、京都大のチームが発表した。こうした用途には現在、フェンタニルなどが使われているが、強い依存性が課題になっている。新薬候補に依存性はみられないといい、早ければ2028年の実用化を目指す。論文が5日、国際科学誌に掲載される。
鎮痛薬は、軽い痛みに用いられるアスピリンなどの「非オピオイド」と、フェンタニルやモルヒネなど強力な効果がある「オピオイド」の二つに分けられる。
しかし、フェンタニルには呼吸困難や強い依存性などの副作用があり、米国では不正に入手して乱用する人が相次ぎ、23年には8万人以上が亡くなった。
京大の萩原正敏特任教授と豊本雅靖特定准教授らは、痛みを抑える作用があるノルアドレナリンという神経伝達物質に注目。この物質の分泌量を増やす効果がある化合物をデータベースの中から見つけ、「アドリアナ」と名付けた。この化合物をマウスやサルに投与すると、オピオイドに匹敵する鎮痛効果が確認された上に、依存性や呼吸困難は認められなかった。
さらに、京大病院で肺がん手術後の患者20人を対象にした治験も行い、有望な結果が得られたという。萩原特任教授は「実用化されれば、医療現場でのオピオイド使用の削減に大きく貢献できる」と話す。チームは来年にも米国で数百人規模の臨床試験を開始する予定だ。
津田誠・九州大教授(神経薬理学)の話「難治性の慢性的な痛みにも有効性を示せば、幅広く使用される可能性がある」

ナマコ密漁、買い取り容疑で男を書類送検…利益の一部が暴力団資金になったか

暴力団員を中心とするグループが逮捕・起訴された北海道小樽市沖のナマコ密漁事件を巡り、密漁品と知りながらナマコを買い受けたとして、小樽海上保安部が札幌市の男を漁業法違反容疑で札幌地検小樽支部に書類送検したことが分かった。水産資源の密漁事件で「買い取り役」まで立件されるのは異例。同保安部は今回の密漁が組織的に行われ、利益の一部が暴力団の活動資金になったとみている。
捜査関係者によると、男は5月7日頃、自称稲川会系暴力団組員(33)(漁業法違反で公判中)らのグループと共謀し、500キロ超のナマコを密漁品と把握した上で購入した疑い。男も任意の取り調べに容疑を認めている。
同保安部は5月11日、小樽市桃内の沖合で10日夜にナマコ約485・5キロを密漁したとする容疑で暴力団組員の被告ら8人を現行犯逮捕。その後の捜査でグループが6~7日にも密漁を実行し、男に買い取らせていた疑いが浮上した。男と被告は知人同士で、男の勤務先の倉庫がナマコの保管場所に使われていたという。
暴力団組員の被告らの公判は札幌地裁小樽支部で始まっており、検察側は「グループの結成は遅くとも昨年6月頃だった」と説明。グループの内部では、潜ってナマコを捕る「潜手」や捜査当局を警戒する「陸回り」などの役割が取り決められていたとも指摘している。

自民党の大物OBも嘆き節…選挙で惨敗しても「責任を果たしたい」という石破政権の退陣”Xデー”

「我が国は今、米国の関税措置あるいは物価高、明日起こるかもしれない首都直下型地震あるいは南海トラフ、そのような自然災害。そして戦後最も厳しく複雑な安全保障環境といった国難ともいうべき厳しい状況に直面をいたしております。今、最も大切なことは国政に停滞を招かないということ」
参院選で大敗した翌日の7月21日、石破茂首相(自民党総裁)は記者会見で首相続投の理由をこう語った。また、同28日に行われた自民党両院議員懇談会でも石破首相は総裁として「責任を果たしていきたい」と、自民党所属議員に対して理解を求めた。
いや待て、どこかおかしい。選挙で敗けたのに、なぜ「責任を果たして」いくのか、いけるのか。本稿では、参院選後の永田町の「違和感」について整理したい。
参院選が示した民意は、「石破政権はノー」というものだ。昨秋の衆院選で与党が過半数割れを起こし、ハングパーラメント(宙吊り国会)となった。そこで迎えた参院選で、またしても与党は過半数に満たなかった。衆参両院での過半数割れは、2009年の政権交代以来である。それを「いつ自然災害が起きるか分からないから続けたい」などと言っていたら、歴代首相は誰も途中降板が許されない。開いた口が塞がらないとは、このことだろう。
国政選挙は、有権者が政治に対して審判を下す場だが、言い換えれば“最大の株主総会”だといえまいか。
現政権がいい、今の政権は心許ないが野党はもっと不安だ、そう思えば有権者は与党に投票する。しかし、現政権、与党は信用ならない、野党に期待すると考えた有権者は野党に投票する。
有権者=株主は、経済発展や外交・防衛の強化などの国家戦略だったり、年金の安定や減税といった“自分への配当”などさまざまな視点で各党の公約を評価して1票を投じる。
今回の参院選で焦点となったのは、物価高対策や消費税減税など「国民の苦しい懐事情をどうするのか」だった。
6月11日の党首討論では、国民民主党・玉木雄一郎代表の「選挙の時に現金を配るのか。上振れた税収は自民党のものでも公明党のものでもない」との指摘に石破首相は「税収が自民党、与党のものだと思ったことは一度もない。そのような侮辱をやめていただきたい」と血相を変えて反論した。
しかし、その2日後の13日、石破首相は物価高対策として夏の参院選の自民党の公約に国民1人あたり2万円の給付を盛り込むと表明した。また、子どもと住民税非課税世帯の大人には1人2万円を加算するとした。
このような姿勢が、“選挙の際のバラ撒き公約”と見られ、「何をやりたい政権なのか全く見えてこない」「信頼できない」といった評価につながったのである。
かねて石破首相は「俺は悪くない。自民党をここまで貶めたのは旧安倍派だ」とこぼしていたと、官邸関係者は明かした。宙吊り国会で野党の言い分に耳を貸し、困難な国会運営を強いられ、愚痴の一つも言いたくなるのは分かる。
しかし、衆院選敗北の一因に旧安倍派の「政治とカネ」問題を挙げるのは一定の理解はできても、そうであるなら先の通常国会でなぜ、政治資金規正法改正を最優先課題として実現できなかったのか。なぜ各党の思惑をじっと見守るだけだったのか。石破首相のリーダーシップ不足との誹(そし)りは免れまい。
自民党両院議員懇談会は、予定時間を大幅に超える4時間半におよんだ。その中で、64人が意見を述べ、石破首相続投支持はわずか6人だった。多くの自民党議員が、参院選を総括し、執行部は責任を取るべきだという主張を述べたのである。旧安倍派だけではない。さまざまな議員が石破首相に辞任を要求したのである。
自民党を取材する中で、さまざまな声がある。重要閣僚の大臣秘書も経験した、あるOBはこう嘆く。
「旧安倍派の萩生田光一元政調会長、西村康稔元経済産業相、松野博一前官房長官、世耕弘成党前参院幹事長(無所属)が石破首相の交代が必要だと話し合ったというが、“戦犯たち”が何を言う資格があるのか。お前たちは黙っていろと言いたい。皆、石破じゃダメだと言うが、代わりに俺がやるからさっさと退陣しろと言うくらいの覚悟を見せないと、本当に自民党は終わってしまう」
派閥政治を全面的に擁護するつもりはない。しかし、かつての派閥の領袖(りょうしゅう)は、その覚悟、度量を持ち合わせていたと、OBは語る。現在の自民党議員は、自分が責任を負いたくない弱腰ばかりだと嘆く。国家の危機、自民党の危機だと思うなら、退路を断って手を挙げる度量が必要だと語るのだ。
こうした弱腰は、自民党ばかりではない。野党も同じだ。
昨年から「政権交代こそ最大の政治改革」の旗を掲げていた野党第1党の立憲民主党の野田佳彦代表は、8月1日開催の臨時国会において内閣不信任案の提出を見送る方針を決めた。7月31日、小沢一郎衆院議員は、総合選挙対策本部本部長代行の辞職願を野田代表に提出。立憲が参院選で改選前と同じ22議席にとどまった結果を受け、「敗北だ。自分も責任の一端を担っているが、代表をはじめ執行部に大いに責任がある」と記者団に述べたが、果たして執行部にはどれだけ届いているのか、甚だ疑問である。
さらに、野党からは、石破首相続投を支持する声も出てきた。社民党で初当選したラサール石井参院議員は7月23日にX(旧ツイッター)で「政治的空白を作るな。辞めたら極右政権が生まれる。それだけは避けたい。#石破辞めるな」と投稿した。
これには、唖然とした。
繰り返すが、民意が示したのは、石破政権ノー、自公政権ノーというものだった。野党の一員ならば、他の野党に声をかけ、非自公連立政権樹立に汗を流すとかすべきではないか。政党要件を満たし、政党助成金をもらえるのに、無責任な“言いっ放しコメンテーター”を続けるつもりなら、バッジを外してほしいとさえ思ってしまう。
さて、石破政権の今後について語ろう。自民党関係者は語る。
「先の懇談会で森山裕幹事長は、参院選の総括が出た時点で引責辞任する意向を示唆しました。石破さんは森山さんに頼りきり。森山さんが政権の屋台骨と呼ばれるゆえんです。なので、森山さんが辞任したら石破さんも辞任の意向を示すのは時間の問題」
8月20~22日に横浜市でアフリカ開発会議(TICAD)が開催される。ここまでの外交日程までは空白を作れない事情がある。つまり、23日以降に参院選の総括を発表し、森山氏が辞任を表明。その後、石破首相も辞任の意向を示すものと見られている。
「自民党総裁選は9月に実施されるという見方が、早くも党内に広がっている」(前出・自民党OB)
そうなった場合、誰が新たな総裁になるのか。果たして、自民党が与党のままでいるのか。その際、新たに連立パートナーとなるのはどこなのか。さまざまな臆測が流れるが、しばし政治の本懐を信じて注視するしかない。
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(ジャーナリスト 山田 厚俊)

【秋雨前線】警報級大雨のおそれ 全国的に雨「水不足どうなる」 気象庁は注意を呼びかけ【雨シミュレーション6日(水)~10日(日)】雨いつからどこで…お盆休みスタートなのに 週間予報【大雨情報】

【待望の雨】降りすぎも困る 警報級大雨のおそれ
7日(木)は「立秋」暦の上では秋になるため、早くも『秋雨前線』の登場となりました。5日(火)は秋田県で大雨洪水警報が発表されるなど(5日15時前に解除)、活動が活発な『秋雨前線』です。
6日(水)~10日(日)の《雨のシミュレーション》、《警報の可能性がある地域》、《県庁所在地・政令指定都市の週間予報》を画像で掲載しています。
気象庁は
「北日本から東日本の日本海側では7日(木)にかけて、西日本の日本海側は7日(木)に土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水に警戒・注意し、落雷や突風、降ひょう、局地的に竜巻などの激しい突風に注意」
「8日(金)~10日(土)頃にかけては、西日本で大雨となる所があり、前線の活動の程度によっては、警報級の大雨となるおそれがある」として、注意を呼びかけています。
【地図で確認】大雨警報・洪水警報の可能性がある地域は?
雨雲が予想以上に発達した場合や、発達した雨雲がかかり続けた場合には、警報級の大雨となる可能性があります。石川県と新潟県は警報級の可能性【高】となっています。また6日(水)7日(木)は日本海側で、8日(金)~10日(日)は九州で、警報級の可能性があるでしょう。水不足を解消する程度の雨ならいいのですが、警報のおそれがるため、土砂災害、低い土地への浸水、河川の増水に注意・警戒してください。画像で確認できます。
雨のシミュレーション6日(水)~10日(日)
6日(水)雨雲は北日本や東日本を中心にかかりそうです。7日(木)は本州の日本海側、8日(金)と9日(土)は九州で、10日(日)は関東から西の広い範囲で、雨雲がかかりそうです。雨のシミュレーションは画像で確認できます。
全国54地点 週間予報
県庁所在地や政令指定都市など、全国54地点の週間予報です。9日(土)から3連休、またはお盆休みという方も多いでしょう。予報を確認しておきましょう。

詐欺電話受けた女性巡査長、白髪のかつら姿で「高齢の母」に変装し現金受け渡し場所に

「俺やけど」。息子を装って「母親」にかけた電話は、兵庫県警の女性巡査長(35)の公用携帯電話にかかった。巡査長はだまされたふりをして「高齢の母」に変装して現金の受け渡し場所に。受け取り役は現行犯逮捕された。巡査長の証言などをもとに、その経緯をたどる。
巡査長は特殊詐欺特別捜査隊に所属。7月18日午前11時20分頃、県警本部で勤務中、携帯電話が鳴った。電話に出ると、男の声で「風邪を引いて病院に行った」。瞬時にオレオレ詐欺と確信し、高齢の女性のようにゆっくりとした口調で世間話に付き合った。
すると、相手は「不倫相手を妊娠させた。示談金として300万円を用意してほしい」と切り出してきた。
「何してんの。あんた大丈夫なん」。息子を持つ母親の気持ちを想像して言葉を選んだ。その後も「会社をクビになる」「裁判になりそう」と電話があった。
そして指定された現金の受け渡し場所は、神戸市東灘区のJR甲南山手駅付近。「弁護士の補佐人を行かせる」とのことだった。午後1時30分頃、巡査長は白髪のかつらとマスクをつけ、少し腰をかがめ、ゆっくり歩いて約束の場所に。日傘を差して中身が空の紙袋を入れたエコバッグを手に、待った。周辺には同僚の警察官7人が張り込んだ。
約20分後、現れたのは補佐人と名乗る大阪府吹田市に住む男(40)。「母親だったら早く渡してあげたいと思うだろう」と考え、すぐにエコバッグごと「現金です」と手渡したという。男は中身が入っていないことに気づき逃走したが、数十メートル先の路上で、警察官に取り押さえられ、詐欺未遂容疑で現行犯逮捕された。
「母親」を演じ切った巡査長。受け渡し場所で待つ間、電話のやりとりが不自然ではなかったか不安だったという。巡査長は「オレオレ詐欺は親心を利用する悪質な犯罪だと身をもって知った。被害者を一人でも減らしたい」と話した。

日米関税合意“ご破算”の予兆…赤沢大臣は言い訳連発「法的拘束力ないが…」フワフワ答弁の情けなさ

「相手(トランプ米大統領)は普通の人ではない、ルールを変える人だ」──。日米関税合意に関する集中審議を実施した4日の衆院予算委員会で、石破首相はそう言い放った。トランプ大統領が「普通ではない」のは衆目の一致するところだが、国政選挙で惨敗続きにもかかわらず総理のイスにしがみつく石破首相も普通ではない。続投理由に掲げる「日米合意の着実な履行」には暗雲が垂れ込める。
米国はトランプ大統領が先月31日に署名した大統領令に基づき、7日から約70カ国・地域に相互関税の新たな税率を発動する。日本に課されるはずだった税率25%は交渉を経て15%に引き下げられた。今年4月から8回も“アメリカ詣で”を繰り返した赤沢経済再生相は合意後、テレビやインターネット番組に出演しては成果を誇っているが、現行の10%からは引き上がった。
問題は、日本側が最重要視した日本車への関税だ。現行の27.5%から15%に引き下げられる予定だが、トランプ大統領は31日の大統領令で自動車関税の引き下げに触れておらず、いつ実施されるかは見通せない。合意を急いだ結果、日米間で交わした文書もなく、約80兆円(5500億ドル)に上る対米投資や防衛装備品の購入計画などを巡っても、双方に食い違いが生じている。
予算委では石破首相や赤沢氏をねぎらう言葉も出たが、そもそも文字通り「合意」と言えるのかどうか。元外交官の緒方林太郎議員(有志の会)は「国際法の原則であるウィーン条約法条約に『合意は拘束する』という表現がある」「日米合意は法的拘束力を持つ国際約束なのか」と問いただした。
これに対し、赤沢氏は「法的拘束力のある国際約束ではない」と3回も繰り返し強調。「現時点では両者の意見が一致しているだけ」と指摘する緒方氏に、再び「法的拘束力はないが」と前置きし、言い訳を連発した。
「こちらが欲しいものと相手に出すものを並べて、相手が欲しいものがあるから、こちらが欲しいものについてもきっちり応えるだろうということは前提にしている」
聞いている側が不安になるようなフワッとした答えに、緒方氏が再度答弁を求めると、今度は「(国会の承認がいらない)行政機関同士の合意」「行政機関同士では約束についてしっかり実現しようという類いのもの」と説明。要は、文書もなければ拘束力もない「フンワリ合意」に過ぎないのだ。
石破首相は無期限の続投宣言
果たして、石破首相が続投理由に挙げる「着実な履行」に至るかどうか。むしろ「ご破算」もあり得る。何しろ、2019年に安倍政権と交わした日米貿易協定も反故にした「普通ではない大統領」が相手だ。

救急車で知人女性宅に30分立ち寄る…救急隊員2人が減給処分 匿名の内部通報で発覚 吹田市消防本部北消防署

去年9月、救急車で知人女性宅に立ち寄り、職務を離れたなどとして、吹田市消防本部の救急隊員2人が減給処分を受けました。
減給10分の1の懲戒処分を受けたのは、吹田市消防本部北消防署に所属する男性消防司令補(43)と男性消防司令(52)です。
消防本部によりますと、男性司令補は去年9月、別の出張所からの帰りに救急車で知人女性宅に約30分立ち寄って職務を離れ、男性消防司令は事前に相談を受け私的利用を許可したということです。
今年1月、匿名の内部通報があり発覚。男性司令補は聞き取りに対し「夜中に知人女性と電話で口論になり、様子を窺いたいと思った」などと話したということです。

〈参政党〉「ヘビもスープにして食べた」神谷代表が加賀市で“教育実践”した学校に賛否、大量移住で住民と溝、本人は選挙後に離脱?「神谷氏は7月27日をもってコミュニティを脱退しております」

参議院選挙で国会に橋頭保を築いた参政党。主要公約の一つに「日本人を育む~教育・人づくり」を掲げる。実は神谷宗幣代表は石川県加賀市に設立した“学校”で自らの教育理念を実践してきた。神谷氏が展開した事業を地域はどう見てきたのか。現地を取材した。
〈画像〉「ヘビは美味」とスタッフが写真つきで掲載したカキコミ
「フリースクールは不登校児の受け入れ先」としていたが…
保守系団体で発言を続けてきた神谷氏は2007年に大阪府吹田市議に当選し、2010年には保守系政治団体「龍馬プロジェクト」を立ち上げた。
その後、2012年の衆議院選挙で大阪13区から自民党公認で出馬し落選したものの人脈づくりを続けた。そして「政党DIY」というYouTubeチャンネルの後身として2020年4月に結党したのが参政党だ。
その3か月後の同年7月、神谷氏は妻子と住居を加賀市に移し「子供たちの学校を中心とした新しいコミュニティを作り面白い大人を集めてこれからの日本のリーダーを育成します」とうたう“加賀プロジェクト”を始めた。なぜ加賀だったのか。
「神谷氏は“国や地域の未来をわが事として考えるリーダー”の育成をする学校の候補地を探す中で森喜朗元首相の秘書を務めた宮元陸・加賀市長と意気投合したそうです。
移住してまず認可外保育園をオープンさせ、支持者らも移り住み始めたんです。人口6万人程度の小さな市なので、そうした人たちは徐々に影響力を持ってきました」(地元政界関係者)
ホームページによると、加賀プロジェクトは「無農薬・無肥料・除草剤不使用」が売りの米や野菜の販売と、「経営のセンス」を身に着けるための支援、さらに「自分の頭で考え、行動できる人間になる」ことを目指す教育の三本柱で成る。
筆頭が認可外保育園と小学生以上が対象のフリースクールを運営する教育事業だ。
「市は2021年に、旧黒崎小学校校舎をフリースクール用に無償で神谷氏が理事を務めていた一般社団法人『てくてくの杜(もり)』に貸し、2022年には旧看護学校宿舎を私塾と寮に使用する目的で有償で貸し出しました。
いずれも公共の施設で、旧黒崎小を貸す際に市は『フリースクールは不登校児の受け入れ先』と説明しましたが、実際に通っているのはほとんどが神谷氏の支持者の子です。旧看護学校宿舎も地元自治会の反対を押し切って貸し出されました」(同関係者)
「ヘビをスープに」と写真付きでネットにアップ
この賃貸借契約について地元記者は、「市や神谷氏は否定しましたが、公共施設が政治活動に利されないか警戒する声は少なくありませんでした」と話す。
実際はどうだったのか。保育園の近くに住むAさんが証言する。
「保育園には定期的にバスで50人以上の入りきれない数の人が来ていたんで、最初は宗教か何かと思ったんです。後で神谷さんが説明会のようなことをやっていたと聞きました。
そのうちに保育園だと分かったんですが、子どものやりたいようにやらせているようでした。それというのもパンツ一丁の子が飛び出してきて隣の建物との間の塀の上を走り回ったり、汚い川で釣った魚を焼いて食べたりもしてましたからね。
職員の大人も、子どもがケンカをしようが塀から落ちようが何も言わなかったので少し違和感を覚えました」
移住者についてはAさんは、
「この周辺でも多くの空き家が次々と埋まりました。移住者は参政党の支持者みたいで、子どもはほとんどがてくてくの杜へ行きますね。てくてくの杜の人は地域と仲良くしようとします。でも『加賀は参政党の聖地』とか揶揄する地元の人もいて、やっぱりちょっと距離があります」
と話す。別の住民Bさんは、
「できた当時は神谷さんも頻繁に来ていて、シュッとしてハンサムでしたよ。保育園に当時2歳の息子さんを入れていたわね。コロナの時も誰もマスクをしないで外で遊びまわって、まあ変わったところには見えたわよ。でも子どもたちはあいさつはするし、先生も聞けば色々話してくれたしね」
と普段の雰囲気を証言した。
てくてくの杜はホームページでも理念として「褒めない」「大人こそ学ぶ」「叱らない」「ありのままを認める」の四つを挙げており、子どもが自由に動くことを重視しているようだ。
「2023年8月にはヘビを捕まえた子が食べたいと言ったから『スープにしたらおいしかった』とスタッフが写真つきでネットに書いたこともあります。普通なら叩かれるのではと考えそうですが、“これだけのびのびできるフリースクールなんです”という宣伝のつもりかもしれませんね」(住民Cさん)との証言もある。
消滅可能性都市、子連れ世帯の移住を喜ぶ住民も
いっぽう移住者と住民の溝は目に見えることもあったという。
「去年の11月には旧黒崎小の体育館でてくてくの杜が新嘗祭を行ない、事前に使用許可を取っていた地元子供会の行事が開けなくなりました。
新嘗祭でオンライン参拝をさせて玉ぐし料を取ったとの指摘もあり、公共施設で宗教色の強い儀式を行なった上に金集めをしていいのかと市議会で問題にもなりました」(地元政界関係者)
「去年元日の能登半島地震の時に、避難所に指定されている旧黒崎小に住民が避難してきたのにカギがかかっていて入れなかったんです。てくてくの杜と住民の連携が取れていないからです」(Cさん)
加賀市は2014年から「消滅可能性都市」に指定されており、人口減が深刻だ。子連れ世帯の移住を喜ぶ住民もいる。
高齢のDさんは「子どもたちに畑の作物を持って帰らせたり、逆に園でつくったものを子どもたちがくれたりすることもあってそんな機会が増えてうれしいです」と喜ぶ。てくてくの杜への納入業者は「イベントが入ると注文が増えるので、それはうれしいですよ」と話す。
神谷氏も2022年3月、ブログで「そもそも我々が加賀市に移住したのは『加賀市は人口が減り、遊休施設がたくさんあるから我々が移住しそこでフリースクールなどをつくり移住者が増えるのを歓迎します』と言っていただいていたからです。」と主張したことがある。
ただ、そんな加賀も転機を迎えている気配だ。教育関係者によるとフリースクール在籍の児童・生徒は昨年9月の37人から現在18人に減っている。
「複数の子が市立の小、中学校に転校しました。学力低下を理由にあげる保護者も複数います。公立に移ると部活もしていきいきしてくる子もいます」と同関係者は話す。
住民のBさんは「最近は神谷さんも忙しいからこっちには全然来てないんでしょ。だからなのか、園舎への人の出入りも少ないし静かなもんだよ」と言う。
こうした住民の証言や旧黒崎小の施設をめぐるトラブルについて、集英社オンラインはてくてくの杜に確認や見解を求めた。すると代表者の男性から「子供たちの静かな学びを大切にしておりますので、その阻害となるようなメディアへの取材対応は行なっておりません」との返答が来た。
その中で代表者は、てくてくの杜は「参政党との関係は一切ありません」とした上で「神谷氏は7月27日をもってコミュニティを脱退しております」とも説明した。
参政党が参議院選挙で躍進した後に、神谷氏がこれら教育プログラムから手を引いたという意味なのか。多くの人が子とともに移住した加賀プロジェクトはどこへ向かうのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班