鶴ヶ島老人ホーム2人殺害、容疑者は未明に侵入し1時間滞在…「暗証番号で解錠」「恨みはなかった」

埼玉県鶴ヶ島市の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で入所者の高齢女性2人が死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された元職員の木村斗哉(とうや)容疑者(22)が15日未明に施設に侵入し、1時間ほど滞在していたことが捜査関係者への取材でわかった。当時、施設にいた職員は1人で、県警は職員が少ない時間帯を狙ったとみている。
木村容疑者が県警の調べに「4桁の暗証番号で出入り口の鍵を開けた」と供述していることも判明した。防犯カメラの映像から、県警は1階の職員用出入り口の電子ロックを解除したとみている。施設内にも電子ロックが複数あるが、同じ番号で解除できたという。
木村容疑者は2023年5月~24年7月、施設で働いていた。施設側は「暗証番号は変えていなかった」と説明している。
捜査関係者によると、木村容疑者は15日午前1時台、施設に侵入し、2時台に立ち去っていた。周辺の防犯カメラには、施設に入る前に自転車で走行し、近くで降りる姿も映っていた。
木村容疑者は15日午前8時40分過ぎ、施設から約250メートルの東武東上線若葉駅近くで職務質問を受け、身柄を確保された。施設から南東に約600メートルの路上で、木村容疑者のバッグや血のついたナイフなどが見つかり、殺人容疑で15日昼、緊急逮捕された。
木村容疑者は15日未明、施設5階の居室で入所者の小林登志子さん(89)を刃物で切りつけるなどして殺害した疑い。司法解剖の結果、死因は首を圧迫されたことによる窒息とみられ、絞められたような痕があった。
木村容疑者は4階居室で暮らしていた上井アキ子さん(89)の名前も挙げ、殺害への関与を認めている。
小林さんは23年1月、上井さんは22年6月に入所した。木村容疑者は2人と面識があったとみられ、「恨みはなかった」と供述しているという。
2人の上半身にはナイフで切られたとみられる傷が複数あった。施設内の防犯カメラにはナイフを持って歩く木村容疑者が映っていた。「事前に購入した」と供述しており、県警は計画性があったとみている。
県警は16日、木村容疑者をさいたま地検に送検した。

公明と国民民主が接近、「野党として政策実現」で思惑一致…自民と全面対決しきれない点も同じ構図

公明、国民民主両党が接近を強めている。公明は自民党との連立政権解消を決め、国民民主も自民と日本維新の会の政策協議入りを受け、連立入りに応じない姿勢を鮮明にした。野党の立場から政策実現を目指す思惑で双方は一致している。(田ノ上達也、薦田大和)
「国民民主とは団結し、連携を取りながら政策実現を図っていくと約束した」
公明の斉藤代表は16日の国民民主の玉木代表との会談後、記者団にこう述べ、政治改革や減税、教育などの分野で連携を強化していく考えを示した。玉木氏も記者団に「政策面含め、連携することで合意した」と語った。
会談では、公明が7月の参院選公約に掲げた政策に充てる財源を生み出す「政府系ファンド」の創設や科学技術予算の増加などの実現に向け、協議体を設置することで一致。国民民主が主張する所得税の非課税枠「年収の壁」引き上げについても連携を深めることを確認した。17日にも協議を始める方針だ。
両党はこれまでも政治改革を中心に共同歩調を取ってきた。3月には企業・団体献金の受取先を政党本部と都道府県単位の組織に限定する規制強化案をまとめた。政治資金を監査する第三者機関「政治資金監視委員会」の設置を巡っては、昨年の臨時国会で政策実現の手順などを定めるプログラム法を成立させており、具体化を急いでいる。
公明内では自民との連立解消に伴い、「存在感の低下は避けられない」(党ベテラン)との危機感が高まっている。国民民主も、維新が自民との連立に向けて政策協議を進めていることから、自民との連携の機運がしぼんだ。公明と国民民主は、政策実現力を維持するという点で利害が一致し、接近している格好だ。
両党は自民と維新に攻勢もかけている。維新が企業・団体献金の禁止を主張してきたことから、玉木氏は16日、「維新には(自民に)禁止を迫ってほしい」と要求した。もっとも、政策実現には自民との連携も求められ、16日には自民、国民民主両党の政調会長が年収の壁を巡って会談した。公明も同じ構図で、自民と全面的な対決姿勢は取りきれないのが実情だ。

ノコギリカメムシの「耳」と思われていた器官、実は共生菌を培養 菌糸で卵を防御

産業技術総合研究所などの研究チームは、カメムシの仲間である「ノコギリカメムシ」の雌の後脚にある構造が、これまで考えられていた鼓膜ではなく、敵から卵を守るために共生菌を培養する器官だったことを発見した。器官の発達や菌を塗布する行動などを組み合わせた高度な防御の仕組みで、共生関係の進化を考える上で興味深い。論文は17日、米科学誌サイエンスに掲載される。
ノコギリカメムシは日本に広く分布し、成虫は体長約1・5センチ。研究チームによると、雌の後脚の「脛節(けいせつ)」と呼ばれる部分にある平たい楕円(だえん)状の領域は、過去に鼓膜と報告されていたが、詳細に調べると多数の小さな穴があり、そこから菌が生えていた。菌は病原性が低く、脚の分泌物を栄養にして育つと考えられる。
雌は産卵直後、育てた菌を後脚で卵に塗りつける。繁茂した菌糸が卵を覆っても幼虫は問題なく孵化(ふか)できる一方、天敵である寄生蜂が卵の中に産卵しようとしても近づけず、卵が守られていた。チームは今後、雌が有用な菌を選ぶ仕組みなどの解明を目指すとしている。

「海上に人が浮いている」成人とみられる女性の遺体見つかる 北九州

17日未明、北九州市小倉北区の海上で成人とみられる女性の遺体が見つかりました。
警察が身元の特定を急ぐとともに死亡した原因を調べています。
17日午前2時ごろ、北九州市小倉北区で釣り人から「海上に人が浮いている」と警察に通報がありました。
警察や消防が現場に駆けつけたところ、岸壁から約5メートル離れた海上に、女性がうつぶせ状態で浮いているのを発見。
女性は、引き上げられましたがその場で死亡が確認されました。
警察によりますと、女性は成人とみられ、目立った外傷や衣服の乱れなどはないということです。
警察は、女性の身元の特定を急ぐとともに死亡した原因を調べています。

どっちに転んでも政権交代は時間の問題…西田亮介「自民分裂&野党連合の令和の政界再編シナリオ」

政権交代が、政界再編が現実の選択肢として急浮上している。
直接トリガーとなったのは、自民党の新総裁として高市早苗氏が選出されたこと、その直後の自民党の新しい人事などを受けて、公明党が連立離脱を表明したことだ。
原因については、さまざま言われているところだが、支持母体の創価学会、そして公明党が、「政治とカネ」の問題をいっこうに解決しようとしない自民党の姿勢にしびれを切らした格好だ。
公明党の危機意識は強い。この間、創価学会と公明党の乖離が大きくなってきたことも無関係ではあるまい。
誤解されがちだが、創価学会と公明党は決して一枚岩ではない。そもそも、もし両者が一枚岩なら、公称800万世帯の創価学会員(世帯)の数に対して、公明党員45万人という数があまりに釣り合っていない。
要するに、創価学会は内部では案外多様であって、政治的志向性も同様なのである。付き合いから選挙運動を手伝ったとしても、不満があれば最後は投票しないということもあるようだ。
宗教団体である創価学会と比べて、日々現実政治と向き合い、直近25年あまり自民党と向き合ってきた公明党が現実的であることは明らかだ。
筆者は幾つかの理由で、2010年代半ばの平和安全法制を巡る議論あたりから、創価学会と公明党の主張の乖離が大きくなってきたと捉えているが、令和の政治とカネの問題が公明党に与えた負のインパクトはあまりに大きい。
24年総選挙、25年参院選では、小選挙区と比例代表で、公明党の将来を担うと目されていた有力な中堅若手が次々に落選し、議席数を減らしている。25年東京都議選でも新宿区や大田区のような重要視してきた選挙区で落選を経験した。この状況に対する創価学会員や公明党の地方議員の怒りの声は強い。
裏金問題はもっぱら自民党議員、中でも旧安倍派に起因するが、公明党からすればもらい事故のようなものであろう。
そのうえで自民党高市総裁誕生、その後の人事で公明党批判を繰り返してきた麻生派が重用され、政治とカネ問題の渦中の人物が再登板してきたことで、いよいよ我慢の限界を迎えたということではないか。
25年以上の長きにわたって日本政治の基調となってきた公明党の連立離脱のインパクトは大きい。
では、野党の極でただちにまとまるのかと思いきやそうでもない。現在進行系で、代表、幹事長、さまざまなレベルで接触が繰り返されている。
野党第一党の立憲民主党の野田佳彦代表は早々に、野党側のまとまりを作る必要性と、自らの名前を首相指名選挙で記さなくてもよい、とまで述べている。
ところが国民民主党の玉木雄一郎代表の歯切れが悪い。「総理になる覚悟はある」と言いながら、「国のあり方に関する基本的な認識に相違のある立憲民主党とは組むことができない」という趣旨の発言を繰り返していた。
これは直近まで、国民民主党の存在理由として繰り返してきた「政権交代は目的ではない」「政局より政策」といった幾つかのフレーズが支持者含めて広く浸透していることが大きいものと考えられる。
それでは自民党と連立、協力するほうが「現実的」で政策志向といえるのだろうか。
直近公開された世論調査とあわせて考えてみたい。
まず政党支持率の最近の傾向でいえば、自民党が政党支持率を下げ、参院選で躍進した野党も、選挙が終わって軒並み政党支持率を下げている。もっともボリュームが大きいのが支持政党「特になし」であることは変わらないが、選挙後、大きく伸長している。
そのうえで、自民党高市新総裁への期待に対する肯定的回答は、自民党支持層、野党支持層と続き、(もっともボリュームとしては大きい)無党派層がもっとも低くなっている。
高市新総裁に取り組んでほしいことの2番目に「政治とカネの問題」が入ってきているが、党内基盤が弱く、すでに麻生派の人事が先行していること、政治とカネ問題への認識を踏まえても実現可能性はあまり期待できない。
自民党執行部人事に対する評価も、否定的な回答が肯定的な回答を大きく上回る。肯定的な回答は、自民党支持層、野党支持層と続き、またしても無党派層においてもっとも低くなっている。
不記載議員の登用の評価も7割近くが否定的に評価しており、公明党の連立離脱については65%以上が肯定的に評価している。
これらを踏まえると、高市新総裁率いる自民党と協力する政党は、否定的な評価を受ける蓋然性が高いと推論できる。
特に、無党派層の支持を失うおそれが大いにあるといえよう。例えば、この間、無党派層の取り組みに注力してきた日本維新の会(以下、維新)や国民民主党は、そのような選択を取ることができるだろうか。
リスク要因を挙げだすと枚挙にいとまがない。
立憲民主党と国民民主党の強力な支持層である連合は、政治運動方針として「政権交代可能な二大政党的体制」を打ち出し、「二大政党的体制のもう一翼を担う、働く者・生活者の立場に立つ政治勢力の結集・拡大をめざす」ことを直近の運動方針にも採用し、国民民主党の自民党との連立に釘を刺してきた(連合もまた「癒着のない透明でクリーンな政治の実現」を打ち出している)。
確かに国民民主党はこの間労働組合と距離をおきつつ、独自の支持層を開拓してきたとはいえまだまだ不安定で、組織内議員も有している。直ちに連合との関係を断ち切ることはあまり現実的ではないだろう。そう考えてみると、野党にとって「自民党との接近」はそれほど簡単なことではないことがわかる。
公明党もプレッシャーは大きい。
単に連立を離脱するだけではなく、自民党との対立が激しくなっているからだ。公明党は幾つかの小選挙区からの撤退も口にするが、自民党からは公明党の斉藤代表の選挙区である広島3区に候補者擁立の声も上がっている。
維新は自民党との連立に際して、相当高いボールを投げているようだ。
公明党と連立解消することになった受け皿限定よりも厳しい、企業団体献金廃止が含まれている。自民党はこれが飲めるのであれば、そもそも公明党との連立解消には至っていないだろう。
必要な法案とて、成立の見通しはそれほど明るくない。維新はあくまで閣外での「協力」にとどまるつもりではないか。
「政権担当能力が不安だ」という声もある。しかし、結局、「政権担当能力」は政権を担当しないと身につけることはできない。政権は省庁よりも大きい。「予行練習」することすらできないのだ。その意味では自民党が「統治の知恵」を独占してきただけに、野党には常に「統治の知恵」がなく、圧倒的に不利だ。
政権担当能力論でいえば、野党にはいつまで経っても機会が回ってこないことになる。丸山眞男がいうところの「現実主義の『陥穽』」だ。
翻って、現状はどうか。
長く連立を通じて、部分的な「統治の知恵」と、連立維持のための「連立の知恵」を共有する公明党が連立を解消し、政策協議を含めて野党の側につく可能性を示唆するこんな好機は、いまを逃せば、次、いつ生じるかわかったものではない。
もちろん野党連合政権が誕生したとして、参議院では過半数に至らず、国民の信任を受けてもいない不安定な政権になる。
現状の政策の踏襲を基調としながら、各種三党合意を通じて国民からも一定の信任を得ていると思しきガソリン暫定税率の廃止、政治とカネ、足もとの物価高対策に注力し、目処がつき次第、直ちに解散すればよいのではないか(例えば野党になった自民党は
、ガソリン暫定税率廃止法案に反対の立場を取ったとして、その後、選挙を戦うことができるのだろうか)。
ガソリン暫定税率の廃止が成功し、自公の選挙協力が解消すると、自民党は大きく議席を失う公算だから、本格的に令和の政界再編が始まるのではないか。自民党が割れることや、野党再編も十分視野に入ってくる。
ちなみに、通説通り、幾つかの組み合わせにより高市新総理が誕生したとしても、両院で少数与党であることは変わらず、百戦錬磨のパートナーである公明党が離脱しており、その舵取りはそれほど楽観視できまい。
来年の通常国会で行き詰まることも大いに考えられる。解散に至るようなら、やはり日本政界の姿は大きく変わることだろう。早いか遅いかの問題にすら思えてくる。
当初10月21日が目された臨時国会の召集日すら、野党が否決したことで揺らぎ、首班指名選挙の日程ははっきりしないままだ。それが今の日本政界における自民党の力なのだ。
もし、来週、再来週あたりに再び野党連合政権が誕生するとすればこれは面白い。
連立の立ち上げに公明党が有する統治の知恵と連立の知恵を活用できる可能性があり、「09年の教訓」「93年の教訓」も反省的に活かすことができるという意味で、本格的非自民政権誕生の「三度目の正直」となるかもしれない。
もちろん「二度あることは三度ある」なのかもしれないが。
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(日本大学危機管理学部教授/東京科学大学特任教授 西田 亮介)

維新、突然の自民大接近 立民&国民と会談も政策協議再開の結論先送り

立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の幹事長・国対委員長が16日に会談し、3党の政策協議再開の結論を先送りすることに決めた。
3党は15日に党首会談を行い、今後の野党連立に向けての話し合いを進めていたが、同日中に維新が自民と大接近。この日会見した立憲の安住淳幹事長は「16、17日の(維新の)状況を見て、3党での政権協議を再開するかどうか決めましょうということになった」と説明した。
一方で国民民主党の玉木雄一郎代表は、15日に自身のユーチューブの番組で、維新の突然の自民接近に「二枚舌みたいな感じで扱われた」と恨み節。16日には公明党の斉藤鉄夫代表と党首会談を行い「私どもと公明党がタッグを組んで、自民党にも働きかけていく」と連携することを約束した。

「維新に複数の閣僚ポスト」「参政党にも秋波」高市総裁、なりふり構わぬ多数派工作「もはや首班指名選挙を乗り切ることしか頭にない」

「(総理に)絶対なってやると思っている」。10月14日に都内の講演でそう語ったのは、自民党の高市早苗総裁(64)。その言葉通り、日本維新の会に「基本政策がほぼ一致」と秋波を送り、連立を視野に入れた政策協議をスタートさせた。さらに参政党についても「政策が近い」として、首班指名選挙において自身への投票を呼びかけている。これにより“高市総理”の誕生が有力視されはじめたが、総理の椅子に座るためのなりふり構わない“多数派工作”には重大なリスクも潜んでいる。
【画像】黒髪ロングヘアーでニッコリ…1992年、参議院選に無所属で出馬表明した際の高市氏
「総理にはなれないかもしれない女」
公明党の連立離脱により、先行きが見通せなくなっていた自民党。
高市氏も前述の講演で、「“総裁になったけれど、総理にはなれないかもしれない女”と言われている。かわいそうな高市早苗」と語り、悲壮感を漂わせていた。
その窮地を救うことになりそうなのが、維新である。高市氏は10月15日に日本維新の会の吉村洋文代表(50)と会談し、首相指名選挙での協力や、連立政権の樹立を目指した政策協議をスタートさせることで合意した。
自民党との連立協議で合意すれば、維新は首班指名選挙で高市氏に投票する。その場合、高市総理誕生が事実上、確実視されると同時に、自民と維新による連立政権が発足する可能性が高い。
とはいえ、なぜこのタイミングで維新との連立協議が実現するに至ったのか。
維新は総裁選期間中から、小泉進次郎農相(44)の勝利を見越して、連立入りに向けて動いていた。
遠藤敬国対委員長(57)が、小泉氏の後見人・菅義偉元総理(76)と会談するなど、小泉氏陣営の議員らとやりとりを重ねた。複数の自民党関係者は「首班指名選挙での協力や、その後の連立協議が既定路線になっていた」とみている。
ところが、小泉氏ではなく、高市氏が新総裁となったことで、いったんは話が流れた。高市氏自身は、総裁就任後、真っ先に玉木雄一郎代表(56)と会談するなど、国民民主党との連携を目指した。
その潮目が変わったのが、公明党の連立離脱だ。想定されていた「自・公・国」の枠組みが崩れ、もはや自民と国民民主が組んでも、衆参で過半数を占められなくなった。玉木氏も「(国民との連立話は)あまり意味のない話になった」とトーンダウンした。
「党勢が低迷する維新と異なって、参院選で野党トップの比例票を取るなど、国民民主は勢いがあります。もともと玉木さんは、もう一度、衆院選を野党として戦い、さらに議席を増やした上でキャスティングボートを握りたいという戦略を持っていた」(国民民主党の中堅議員)
自民党全体としては、維新との連携は、ある意味で既定路線
玉木氏としては、今すぐ政権奪取するのは時期尚早という判断もあったのかもしれない。こうした中で、再び浮上したのが、維新との連携だった。
「維新としては、小泉氏から高市氏に“表紙”が変わったのは想定外としても、連携はしてきたいという気持ちに変わりがなかったのでしょう。結果的には、小泉陣営で積み上げた維新との信頼関係が作用した面もある。
遠藤氏と関係が深く、総裁選で小泉氏を支援した御法川信英元国対委員長代理(61)も、野党とのパイプが乏しいとされる梶山弘志国対委員長(69)をサポートしています。御法川氏は石破政権時代から、萩生田光一幹事長代行(62)らと定例のランチ会を開いて、多数派工作に向けた情報交換をしてきた経緯がある」(前出・自民党関係者)
つまり、自民党全体としては、維新との連携は、ある意味で既定路線ともいえる面もある。ただ、そのスピード感を巡っては、異論も噴出する。
高市氏は総裁選期間中から、首班指名選挙までの連立拡大を持論としてきたが、自民党の閣僚経験者は「首班指名選挙での協力は別にして、連立協議は年末くらいまで時間をかけないとお互いにあまりに軽いとみられてしまうし、党内のハレーションも大きくなる」と指摘する。
一方の維新は前のめりだ。
「執行部では、自民党側に閣僚ポストを複数要求する気です。4つ欲しいという声もあると聞いています」
維新関係者は筆者の取材に、そう打ち明ける。
実際、維新の藤田文武共同代表(44)は10月16日に行われた自民党との政策協議後、記者団に対して維新から閣僚を出す「フルスペックでの連立」を要請されたことを明らかにした。維新側は連立条件を副首都構想、社会保障改革、企業・団体献金の廃止など12項目を突き付けている。
10月21日に臨時国会の召集が迫る中、維新としてはここぞとばかりに“高く売りたい”のだろう。裏を返せば、公明党の連立離脱によって“超少数与党”となりつつある自民党は、それだけ足元を見られているというわけだ。
「高市執行部は、首班指名選挙を乗り切ることで頭がいっぱい」
それでも高市氏は「(維新とは)基本政策がほぼ一致している」と語り、秋波を送る。高市氏に近しい自民党の中堅議員はこう嘆く。
「基本政策が一致しているとはとても思えません。“身を切る改革”を掲げ、構造改革路線を掲げる維新と、総裁選で“積極財政”を掲げた高市氏は、財政政策などの面で水と油だからです。
安易な連立は、中長期的には高市氏を追い詰めかねない。そもそも公明党でさえ閣僚ポストは1つだったわけで、複数ポストを差し出すこともありえない。維新では最近も離党者が出るなど、内部はガタガタしていると聞いている。
その意味では、物価対策で協力できるところはするが、維新との関係はあくまで閣外協力でとどめるべきです。連立のハードルは高くし、一段落ついたら解散総選挙に踏み切り、自民党単独で過半数を取り戻すのが筋でしょう」
仮に自維の連立が実現すれば、そのお膝元で維新と対峙してきた、自民党大阪府連をとりまく状況は大きく変わる。大阪府連の自民党元職はこう語る。
「高市執行部は、首班指名選挙を乗り切ることで頭がいっぱいという印象です。前のめりになるあまり、住民投票ですでに2度も否決された“大阪都構想”を利するようなかたちで“副首都構想”を呑み、禍根を残すことは避けるべきです。
今回の件を“大阪問題”と捉えているフシがありますが、維新は京都や兵庫など関西一円に影響力を持つ。選挙区調整は混迷をきわめ、関西の自民党がめちゃめちゃになる可能性がある。地元が奈良の高市さんならその辺はわかっていると信じたいが・・・・・・。
現状は地方組織ごとでは、まだ公明党とも連携する余地が残されていますが、公明党の小選挙区選出議員は大阪を地盤としているケースが多い。維新とタッグを組むことで、公明党の大阪の地盤を揺るがせば、自民党からのさらなる離反を招くリスクもあります」
多数派工作に邁進する高市氏は10月16日には、参政党の神谷宗幣代表(48)と会談し、「(参政党とは)政策が近い」と、首班指名選挙における自身への投票を呼びかけたという。
ただでさえ党内基盤が弱い高市氏。自民党の重要閣僚経験者は「先日の両院議員懇談会で公明離脱の責任が真正面から追及されなかったのは、組閣前だからというだけ。不満は水面下で高まっている」と語る。
総理の椅子をつかむための、なりふり構わぬ多数派工作。それは高市氏にとって吉と出るか、それとも――。
取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班

《高市早苗氏、自民党総裁選での逆転劇》麻生氏の心変わりの理由は“党員票”と舛添要一氏が指摘「党員の意見を最優先することがもっとも無難で納得できる理由になる」

「私自身もワークライフバランスという言葉を捨てます。働いて、働いて、働いて、働いて、働いて参ります」──女性初の自民党総裁に就いた高市早苗氏は、勝利後の会見で力強くこう語った。「女性の活躍」が声高に叫ばれる中、第一党の総裁となった高市氏はついに「ガラスの天井」を破り、日本初の女性リーダーになるか注目されている。しかし、その道はいまだ前途多難だ。彼女が40年をかけて突破したガラスの天井は「二枚天井」なのかもしれない。【全4回の第1回】
「うれしいというよりも、本当にこれからが大変なことだ。みなさまと一緒に、力を合わせてやらなきゃいけないことが山ほどある」──悲壮感すら漂う緊迫した表情で語ったとき、彼女に去来していたのは喜びか、覚悟か。10月4日の自民党総裁選で、結党70周年を迎える自民党に初めての女性総裁が誕生した。
三度目の挑戦となる高市早苗・前経済安全保障担当相(64才)の前に立ちはだかったのは、”政界のサラブレッド””プリンス”とも称される小泉進次郎・農林水産相ら、4人の男性議員たち。世論やマスコミが「小泉氏優勢」を伝える中で、高市氏が華麗なる大逆転を果たし、「三度目の正直」となったのだ。
「高市さんに自民党を変えてほしい」全国の党員の思いに重鎮が「乗った」
決選投票前の両者の演説が大きな分岐点だったと振り返るのは、政治評論家の有馬晴海さんだ。
「進次郎さんが『みんなで一致団結して頑張ろうと思います』と”挨拶”したのに対し、高市さんは『日本のいまと未来のために自民党が変わらなければならない。この強い危機感からでございます』『日本列島を強く豊かに、そして次の世代に引き継いで参りましょう』と強い”決意”をドスの利いた声で語った。あの演説で高市さんを新たなリーダーとして認めた議員が多く、進次郎さんに流れたはずの票が彼女に向かったのでしょう。最後に高市さんの迫力が進次郎さんを上回ったといえます」
総裁選は295人の国会議員票と都道府県ごとの党員投票で決まる。当初、小泉氏は議員票で圧倒的にリードしているとされたが、元衆議院議員の宮崎謙介さんはそこに慢心があったとみる。
「多数の議員票を後ろ盾にした小泉陣営は、”勝ち馬に乗らなくていいのか”と中立的な議員を口説きましたが、自分たちは勝って当然といわんばかりの姿勢が反感を買い、逆に支持を減らしたといえます。

作業員が8メートル下へ落下 のり面のひび割れの修繕作業中 島根県江津市

江津市ののり面工事現場で男性作業員を繋いでいたロープが切れ、落下する労災事故がありました。男性は命に別状はないとみられています。
事故があったのは江津市桜江町江尾地内の県道脇ののり面工事現場です。10月15日午後2時40分ごろ、41歳の男性作業員がのり面のひび割れた箇所などにモルタルを吹き付けていたところ、男性の腰から繋いでいたロープが切れ、およそ8メートルの高さから落下しました。
男性は体を強く打ち、ドクターヘリで島根県立中央病院に救急搬送されましたが、事故当初は意識もあり、命に別条はないとみられています。
警察や労働基準監督署が詳しい事故原因を調べています。

窮地の自民党、元堀江貴文氏秘書のNHK党議員と参院会派結成で賛否「自民も来るところまで来た」

1999年の小渕恵三政権以来、26年間にわたって日本の政治を支えてきた公明党の連立離脱を受け、政局が騒がしくなっている。
迫る首班指名選挙に向けて
近く招集される臨時国会で行われる内閣総理大臣を決める首班指名選挙では、新たに自民党総裁となった高市早苗氏が選出されるのか、はたまた野党が結集し、国民民主党の玉木雄一郎氏などが新首相となり、政権交代が実現するのかに注目が集まっている。
そんななか、10月15日に参議院で大きな動きが見られた。
「政治団体のN国こと『NHKから国民を守る党』の齊藤健一郎参議院議員が自民党の会派へ入り『自由民主党・無所属の会』になると明らかになりました。斎藤氏は実業家のホリエモンこと堀江貴文氏の運転手兼秘書を経て政治家へ転身。2022年の参議院議員選挙で比例区から出馬するも名簿順位は4位で落選。しかし、2023年3月にガーシーこと東谷義和氏が除名されたため、繰り上げ当選を果たしました」(政治ジャーナリスト、以下同)
会派とは各議院の内部で組織される議員の団体で、2名以上から組める。政策や理念が近い政党や個人が会派を組むケースが多く、衆参の両院で“過半数割れ状態”の自民党としては少しでも人数を増やしたい思惑があるのだろう。
実業家のひろゆきこと西村博之氏は15日のXで、《自民党は、諸手を挙げて公明党を切って、NHK党と組む事にした様子。『貧すればなんとやら』とは言え、自民党員は公明党よりNHK党で良いの?》と皮肉交じりのポストを行った。
ネット上でも、
《どんな手を使っても…? 来るところまで来たな》 《うーん、自民が失うもののほうが多い気がするが…》 《国をぶっ壊す気か》
といった声が並ぶが、現在の政局はたかが1票といえども、あなどれない状況になっている。
「首班指名選挙は最初の投票で過半数を獲得できなかった場合、上位2名の決選投票になり、その場合は1票でも多い候補者が首相になります。たかが1票、されど1票の世界。投票で恩義を与えれば、今後の政権運営に関して第三の勢力としてキャスティング・ボートを行使できる可能性も生じます」
N国が次にぶっ壊そうとしているものは何なのか、気になるところだ。