立憲民主党の野田佳彦代表は6日、自民党の萩生田光一元政調会長ら派閥裏金事件の関係議員の要職起用について「国民感情からすると理解できない」とけん制した。福岡市で記者団の取材に答えた。
これに先立つ講演では、自民党幹事長に財務相経験者の鈴木俊一総務会長が就く人事などにも言及。積極財政を掲げる高市早苗総裁の「持ち味が消えていくのではないか」と指摘した。 [時事通信社]
自民党副総裁に麻生太郎氏起用へ、決選投票で高市氏支持を指示…総務会長は有村治子氏
自民党の高市総裁は6日、副総裁に麻生太郎・元首相(85)を起用する方針を固めた。
党最高顧問の麻生氏は、党内で唯一残る麻生派(43人)を率いる。総裁選の決選投票では、高市氏を支持するよう同派議員に指示した。後見役の立場を期待されている。
高市氏は、総務会長には同派の有村治子・元女性活躍相(55)を充てる方針だ。
ノーベル生理学・医学賞に坂口志文氏ら 制御性T細胞を発見
スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2025年のノーベル生理学・医学賞を坂口志文(しもん)・大阪大特任教授(74)ら3氏に授与すると発表した。授賞理由は「末梢(まっしょう)免疫寛容の発見」。
坂口氏は、細菌やウイルスなど外敵を退治する免疫機能が誤って自分の体を攻撃しないよう抑える免疫細胞「制御性T細胞」を発見し、その働きを解明した功績などで知られる。
他に受賞が決まったのは、米システム生物学研究所のメアリー・ブランコウ氏と、米ソノマバイオセラピューティクスのフレッド・ラムズデル氏の2人。2人は自己免疫疾患に特にかかりやすいマウスの系統から、重篤な自己免疫疾患を引き起こす遺伝子変異を発見した。坂口氏はこの遺伝子変異が制御性T細胞の発生を抑制していることを証明した。
授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。賞金は1100万スウェーデンクローナ(約1億7000万円)。
さかぐち・しもん
1951年、滋賀県長浜市生まれ。76年京都大医学部卒。77年に京大大学院を中退し、愛知県がんセンター研究所(名古屋市)の研究生になった。京大大学院で医学博士号を取得した83年から米ジョンズ・ホプキンズ大、87年から米スタンフォード大でそれぞれ客員研究員を務め、95年に帰国後は京大再生医科学研究所長などを歴任した。2011年、大阪大免疫学フロンティア研究センター教授。16年の定年退職後も特任教授を務める。阪大栄誉教授、名誉教授、京大名誉教授。
「寸断いつまで」東急脱線事故で通勤客ら困惑 道路も混雑「10分の道のりに1時間」
川崎市高津区の東急電鉄田園都市線で5日深夜に発生した脱線事故は一夜明けた6日、始発から一部区間で運転を見合わせ、通勤や通学の足に大きな影響を与えた。東京都心と郊外のベッドタウンをつなぐ路線の寸断によって、沿線の利用客は迂回を余儀なくされ、周辺道路は大混雑。事故車両は日没後も撤去されず、一刻も早い復旧を求める声が相次いだ。
「50年以上住んでいるが、こんなことは初めて」。事故現場の近くで暮らす主婦、山口峰子さん(82)は驚いた様子でこう語った。
事故が起きたのは、梶が谷駅の南西約150メートルの地点。衝突した10両編成の2本の電車は重なるように停車し、脱線車両は後方が破損していた。線路上には、復旧にあたる40人以上の作業員の姿がみられた。
梶が谷駅の改札には、「急告」と記された運休を知らせる立て看板が設けられ、駅員らが利用客の対応に当たった。
都内への出社を諦めて在宅勤務に切り替えた会社員、柏木拓さん(41)は「明日までに復旧しなければ、1時間半歩いて出社する」と運転再開を祈っていた。
「道路もだめだ」と話すのは、都内のタクシー運転手の50代男性。事故の影響は周辺の道路にも波及し、「普段は渋谷駅から三軒茶屋駅まで10分で着くのに1時間以上かかった。通常なら空いている道なのに」と渋滞に疲れた様子だった。
田園都市線が乗り入れる東京・渋谷駅のバス停にも振り替え輸送の通勤客らの長い列ができた。
30分以上列に並んだ大学3年の男性(21)は、「普段からよく止まる路線だから早めに家を出ていた」というが、午後1時からの授業には間に合わなかった。帰宅はアルバイト後になるといい、「夜まで止まっていると困る」と戸惑いの表情を浮かべた。
運転見合わせは、日没後も続いた。現場近くに住む会社員の男性(46)は、沿線の溝の口駅から徒歩で帰宅。「復旧しなければ、あすは在宅勤務にしようかと思っている」と話していた。
沿線を利用する男性会社員(28)は「安全体制をもう一度見直してほしい」と要望した。
(永礼もも香、市野澤光)
「ついにとったんだ」「特効薬に希望」 坂口氏のノーベル賞受賞学生らからも喜びの声
今年のノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった坂口志文氏が研究を続ける大阪大でも学生らが喜びをあらわにした。
自身の教官から「阪大の先生たちはなかなかノーベル賞をとれない」と聞いていたという同大医学系研究科博士後期課程1年の女子学生(26)は、「ついにとったんだという気持ち」と喜びの声を上げた。
「制御性T細胞は、病気の治療やメカニズムで絶対に出てくるワード。すごい研究だと思う」として、自身の研究についても「研究している物質が、病気の治療やメカニズムに関わることを証明できたら」と話していた。
男子大学院生(23)は「さきほど友人から教えてもらった。現役では初めての阪大からのノーベル賞受賞決定とのことで、大学の株が上がりそう」と笑顔。数学の研究をしているといい、「医学とも密接に関係しているので、受賞決定が良い影響につながるのでは」と期待を込めた。
女子学生(20)も坂口氏の研究結果が、自己免疫疾患やがんの治療に役立つと期待されている点について触れ、「悩まれている患者が多い疾患に関わる研究なので、特効薬に希望を与える成果だと感じている」と話した。
「うれしい驚きに尽きます」 ノーベル賞受賞決定の坂口特任教授が会見で
ノーベル生理学・医学賞に決まった大阪大の坂口志文特任教授が6日、大阪府吹田市の大阪大の吹田キャンパスで記者会見に臨んだ。受賞決定について「うれしい驚きに尽きます」とはにかんだ坂口氏。約30年間も同じ研究室で活動している妻、教子さんへの支えに謝意を示すとともに「研究は1人ではできない。学生諸君や共同研究者に感謝している」と述べた。
また自身の研究分野ついて「あまり人気のあるアイデアではないので」と語り、「研究費を稼ぐところで苦労した。だんだん分野が大きくなり、代表して今回の受賞になったのでは」と振り返った。
本庶佑氏が坂口志文氏のノーベル賞にコメント「京都大学の後輩で同じ分野なので特に誇り」「十分な評価を得られなかった時期に、手助けしたことも」
大阪大学の坂口志文特任教授が、ノーベル生理学・医学賞に選ばれ日本で6人目の受賞が決まりました。発表を受け2018年に同賞を受賞した、京都大学高等研究院の本庶佑特別教授がコメントを発表しました。
本庶氏は、「坂口先生の受賞を大変うれしく、誇りに思っています。坂口先生は京都大学医学部の後輩で、同じ免疫学の、T細胞の制御に関する分野なので、特に誇りに思っています。」としています。
続いて、「個人的には、坂口先生がアメリカで研究をしていて、十分な評価が得られていなかった時期に、坂口先生の研究内容を他の研究者に紹介したことや、所属先を探しているときに、日本に戻る手助けをしたこともあり、受賞をうれしく思います。この研究分野では未解決の内容も多くあり、制御性T細胞についても、まだわからないメカニズムがあるので、今後、解決されるのを楽しみにしています。」としています。
坂口志文氏の兄「待ち焦がれた母、1年足りず」 地元・滋賀で喜び
ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった坂口志文さんの兄で元高校教師の偉作さん(76)は6日夜、滋賀県長浜市内で受賞の知らせを受けた。
吉報を心待ちにしていた母淑子さんは、2024年1月20日に老衰のため104歳で亡くなった。偉作さんは「一番待ち焦がれていた母が生きているうちにと思っていたが、あと1年足りなかった。10年以上にわたり同級生たちも応援してくれた」と話した。
坂口さんは3兄弟の次男。1年間の浪人生活の後、京都大医学部に進学するまで、長浜市内の現在の実家近くにあった旧宅で暮らした。母方の親戚に医者が多かったことや、高校教師や校長を務めた父正司(しょうし)さん(故人)がかつて研究者を目指したことなどが進路に影響を与えたのではないかと、偉作さんは話す。
23年11月に坂口さんが母校・長浜市立びわ南小150周年記念式典で講演するために地元に帰ってきた際、淑子さんが入所していた特別養護老人ホームを訪ねた。講演で帰ってきたことを伝えると、淑子さんはうなずいていたという。これが親子が顔を合わせた最後の機会となった。
淑子さんは元気だった頃、ノーベル賞有力候補の親として度々自宅で取材を受けており、坂口さんが「世の中が騒いだからといって、ノーベル賞はそんな簡単にもらえるものではない」と電話することもあったという。生前の取材で「子どもの頃から本はよく読んでいたが、普通の子だった。ただ、辛抱強かった」と話していた。
偉作さんは「亡き父が執念で(ノーベル賞を)取らせたのではないか。母もあの世で喜んでいる」と話した。
滋賀県出身では、初のノーベル賞受賞者となる。三日月大造知事は「滋賀県にとっても大きな誉れであり、多くの県民をはじめ、免疫に関する病気やがんなどと闘う全ての方々に夢と希望を与える」などとコメントを出した。【長谷川隆広】
自民党四役が内定、半数が麻生派…茂木敏充氏は重要閣僚・小泉進次郎氏も閣内処遇で調整
自民党の高市総裁は7日に役員人事を決定し、新執行部を発足させる。党四役では、幹事長に鈴木俊一総務会長(72)、総務会長に有村治子・元女性活躍相(55)、政調会長に小林鷹之・元経済安全保障相(50)、選挙対策委員長に古屋圭司・元国家公安委員長(72)をそれぞれ内定した。麻生太郎最高顧問(85)は副総裁に充てる。
閣僚人事では、官房長官に木原稔・前防衛相(56)を起用する方針だ。総裁選で5位だった茂木敏充・前幹事長(69)は外相などの重要閣僚に起用する。決選投票に進んだ小泉進次郎農相(44)も引き続き閣内で処遇する方向で調整している。
鈴木、有村両氏は、麻生氏が率いる麻生派(43人)に所属する。鈴木氏は麻生氏が起用を求め、有村氏は総裁選で高市氏の推薦人だった。麻生氏は総裁選の決選投票で同派議員に高市氏に投票するよう指示した。
小林氏は保守的な政治信条が高市氏と共通する。総裁選は4位で、決選投票では高市氏を支持した。古屋氏は高市氏の推薦人代表だ。
幹事長代行には、萩生田光一・元政調会長(62)を起用する。萩生田氏は、所属した旧安倍派の政治資金規正法違反事件に関連し、2024年4月に党の役職停止1年の処分を受けた。今年8月には、同法違反で略式起訴された政策秘書が罰金30万円などの略式命令を受けた。国会対策委員長には梶山弘志・元経済産業相(69)を起用する。
基礎科学研究「ぜひとも支援を」=阿部文科相の電話に―ノーベル賞の坂口さん
阿部俊子文部科学相は6日夜、坂口志文さん(74)に大臣室から電話し、祝意を伝えた。若手研究者育成のため、文科省が何をできるか問われた坂口さんは「日本の基礎科学(研究)への支援が、だんだん不足しているように感じる。支援をぜひともお願いしたい」と求めた。
坂口さんは「米国や中国に比べると、日本の基礎研究資金は少ない。同じGDP(国内総生産)のドイツと比べ、免疫の分野では3分の1です」と伝えた。阿部氏は何度もうなずき、「文科省も予算獲得のために頑張っていきます」と応じた。 [時事通信社]