総裁選前倒し巡り焦る首相、「衆院解散」ちらつかせ抑え込みに躍起…党内反発「どこにも大義ない」

自民党内で臨時総裁選の実施に向けた動きが加速する中、石破首相(党総裁)が焦りを募らせている。「石破降ろし」の動きを抑え込もうと躍起になっており、「衆院解散」カードや経済対策の策定指示で対抗するとの見方が広がり、党内で反発が高まっている。(樋口貴仁、阿部雄太)
首相は1日、自民の森山幹事長、木原誠二選挙対策委員長と首相官邸で約40分面会した。2日に予定される参院選総括委員会や両院議員総会などについて意見交換したとみられる。
一方、解散権を握る首相と党の選挙責任者である森山、木原両氏が顔をそろえたことから、党内では「衆院解散を打つ算段ではないか」(中堅)との観測も広がった。
首相擁護派はかねて党内での臨時総裁選実施要求の高まりに対し、「衆院解散で国民の信を問うのが民主的だ」(鈴木宗男参院議員)などと強硬論を唱えてきた。報道各社の世論調査で内閣支持率が上昇傾向にある中、首相サイドには党内を解散論で抑え込んでも「国民世論は首相を支持するだろう」との期待がある。
これに対し、党内からは「政策論争の上での解散ではなく、首相の保身が目的だろう。解散を打つ大義はどこにもない」(ベテラン)との声が上がる。自民は首相の下で衆院選、東京都議選、参院選と大型選挙で3連敗してきただけに「勝算が全く見込めない」との悲観論が主流だ。
かえって党内の反発が拡大し、「臨時総裁選の賛成論を後押しするだけだ」との冷ややかな見方も強い。
首相側は、物価高対策などを盛り込んだ経済対策策定の指示もちらつかせている。秋に召集が想定される臨時国会での補正予算案提出に備えたもので、首相に近い政府高官は1日、「そろそろ指示をしないと対策が間に合わない」と語った。
首相は参院選後、「第9回アフリカ開発会議(TICAD9)」や日韓、日印首脳会談などの外交日程に注力してきたが、8月末で一段落した。今後は内政の課題に着手する姿勢を見せることで「政治空白」を生んでいるとの批判を避けつつ、政権継続の正当性をアピールしたい思惑があるとみられる。
ただ、自民は8日に臨時総裁選実施の賛否を取りまとめる予定で、「世間の注目をそらす露骨な延命戦略だ」(中堅)との声が出ている。臨時総裁選の結果、首相が交代する可能性もあり、党内には「実現性が疑問視される指示に意味はあるのか」との批判もある。

「路上に衰弱したクマ」移動させようと近づいた男性、手足をかまれてけが…岩手・宮古市

1日午後7時50分頃、岩手県宮古市茂市の国道340号で、同市の会社員男性(73)が、道路上に倒れて動かなくなっているクマを移動させようと近づいたところ、右腕と左太ももをかまれた。男性は病院に搬送されたが、命に別条はないという。
県警宮古署の発表によると、同7時半頃、通行人から「道路上に衰弱したクマがいる」との通報を受け、警察や市役所関係者が現場に駆けつけた。そこにたまたま居合わせた男性が襲われたという。
クマは体長約1メートルの成獣とみられ、男性を襲った後、近くの山に逃げたという。同署が警戒を呼びかけている。

女子生徒にキスの59歳男性教員、服に手を入れ背中とわき触ったのは「熱中症か確認するため」

宮城県教育委員会は1日、女子生徒にセクハラ行為を行ったとして、仙台地区(仙台市と周辺13市町村)の県立高校の男性教員(59)を懲戒免職にしたと発表した。
発表によると、男性教員は7月9日、校内で女子生徒と2人きりで会話している時に生徒の右腕にキスした。また同日、屋外でも同じ生徒の服の中に手を入れ、背中とわきを直接触ったという。
県教委の調査に対し、男性教員は、キスした点については「会話の過程で」、直接触れたのは熱中症かどうかを確認するためだったなどと説明した上で、「今思うと不適切な行為だった」と認めたという。
県教委は、監督責任を問い、管理職2人をそれぞれ訓告と文書厳重注意とした。

2人殺害放火、無罪主張 札幌地裁、弁護人「心神喪失」

北海道北広島市で2022年9月、入居する自立支援施設に放火し男女2人を焼死させたとして、殺人と現住建造物等放火の罪に問われた無職荻野正美被告(70)は2日、札幌地裁(井戸俊一裁判長)の裁判員裁判初公判で起訴内容を認めた。弁護人は「当時、被告は心神喪失で刑事責任を負わせることはできない」として無罪を主張した。
起訴状などによると、施設を運営するNPO法人の理事長で、管理人として住み込んでいた盛誠逸さん=当時(71)=を殺害しようと考え、22年9月30日、自室などに灯油をまいて火を放ち、施設を全焼させて盛さんと入居者の黒川敏江さん=当時(51)=を焼死させ殺害したとしている。

一緒に酒を飲んでいて口論に…知人男性にひざ蹴りして内臓損傷の重傷負わす 傷害の疑いで飲食店経営の男(40)逮捕 札幌市中央区

札幌市中央区で、知人の男性にひざ蹴りして大けがをさせたとして、飲食店経営の男が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、札幌市中央区に住む、飲食店経営の男(40)です。
男は、7月16日午前3時すぎ、札幌市中央区の飲食店ビルの廊下で、知人の会社役員の男性(44)の下腹部をひざで蹴り、内臓損傷の大けがをさせた疑いが持たれています。
被害男性が「腹に暴行を受けた」と110番通報、男性は救急搬送され、そのまま入院、手術を受けたということです。
その後の捜査で、飲食店経営の男(40)の容疑が固まったとして、事件から約1か月半後の9月1日、男を逮捕しました。
警察によりますと、2人は知人同士で、事件当時は酒を飲んでいて、店の外に出たところで口論になったということです。
警察の取り調べに対し、飲食店経営の男(40)は「酔っていて覚えていない」と容疑を否認しています。
警察は、2人が口論に至った経緯などを詳しく調べています。

「優しい家庭科の先生だったのに…」都立高の女性教師(30)がアプリで出会った50代男性から700万円騙し取った容疑で逮捕、今年3月までは小学校に勤務で児童もショック

マッチングアプリで知り合った男性から現金700万円を騙し取った疑いで、8月28日、警視庁赤坂署は江東区在住の都立高校勤務の教師・大平なる美容疑者(30)を偽造有印公文書行使と詐欺の疑いで逮捕した。高校では家庭科を担当していた大平容疑者は、今年3月まで小学校に勤め、児童からの評判もよかったという。
〈画像〉大平容疑者が住んでいたマンションと、部屋の前に置かれていた“燕の巣”などの宅配物
「民事訴訟に負けてお金が必要だった」
「相談があります」
大平容疑者は今年2月、約3年前にマッチングアプリを通じて知り合った50代の男性に、こんなメッセージを送信した。
男性が話を聞くと、「仕事関係のトラブルが原因で、民事訴訟を起こされてしまった。そのために和解金が必要になった」と“援助”を依頼。男性が「証拠を見せてほしい」と伝えると、大平容疑者は大胆な行動に出たという。
社会部記者が語る。
「1カ月後の3月23日、東京都港区のホテルラウンジで被害者の男性と会うことになりました。そこで、大平容疑者は、うその民事訴訟の和解調書の写しを見せて現金700万円を騙し取った疑いがもたれています。
大平容疑者は警察の調べに対し、『和解調書のコピーを渡して金を借りたことは間違いない』『被害者からは返さなくていいと言われていたので返さなくていいという認識だった』と供述しています。
2人は互いに交際している認識はなく、3年前にマッチングアプリで知り合って以降、毎月2回ほど食事などをしていた。そのたびに大平容疑者は被害者男性から数万円を受け取っていたといいます」
金を受け取っていた大平容疑者と男性の間には借用書のやり取りもあった。
ところが、借用書に記載されている住所に大平容疑者が住んでいなかったことが判明し、不審に思った男性が和解調書を調べたところ、実在しない事件番号が書かれていたことに気づいたという。
その旨を3月下旬に赤坂署に相談し、5月に被害届を出した。
前出の社会部記者が続ける。
「実は大平容疑者は仕事関係のトラブルではなく、自身の私生活の問題をめぐって民事訴訟で負けていたようなんです。警察には『民事訴訟に負けてお金が必要だった』とも話しています。
どうやら彼女はマッチングアプリで知り合った複数の男性から金を受け取っていたようで、そのうちの一人の男性から返金を求めて民事訴訟を起こされ、それで負けた。いくら返金する命令が下されていたのかは分かりませんが、その足しにしようと考えていたのではないかという見方があります」
実際に彼女が働いていた学校は今後どのような対応をしていくのだろうか。大平容疑者の勤め先でもある都立高校の校長は、
「事件については、ニュースで知りました。現在、捜査中のため、詳しいことはお話しできないです。我が校の教員が逮捕されたことは遺憾であり、プライベートの内容とはいえ倫理観に欠けることであり、教員の教育に力をさらに入れ再発防止に取り組みます」
と話す。また、別の学校関係者は、
「今年の4月より赴任してきて、家庭科の授業を担当していました。特段、問題を起こしていたとかそういった話は聞いていません。9月1日に始業式があり、生徒には学校側から逮捕のことを知らせています」
と事件に困惑していた。
高級食材を好んでいたか
大平容疑者は今年の3月まで江戸川区内の小学校に勤務していた。その小学校では「優しい先生」として認知されていたという。
小学校の校長は電話取材に対し、「今は警察にお任せしていることですから、お話しできることはないです」としながらも、以下のように続けた。
「我々は今、区の教育委員会と今後の対応について話し合っています。あくまで我々の学校での勤務は終わった人間でありますし、事件も学校外で起きたものにはなりますが、児童とかかわりがあった人物ということは確かです。
少なからずショックを受けている児童もいるはずですから、まずは児童のケアを最優先にしたいと思っています。具体的な内容についてはまだ協議中なのですが、決まりしだい保護者の皆様にアナウンスをするつもりです」
この小学校の卒業生と保護者は、「大平先生がどこかのクラスの担任をしていたという記憶はないです。5、6年生の時に家庭科を教えてもらっていましたが、怒ったりとかもなくて優しい先生でしたよ」と証言する。
別の児童の保護者も驚きを隠せないと言う。
「学級担任をされていた先生ではなかったのでそれほど接点はなかったです。小学校でも、家庭科の授業を担当されていたと言っていました。
子どもの話では、児童に対して怒ることも全然なかった先生とのことですから、『嫌い』とか『怖い』みたいな悪い評判を聞いたことはないです」
大平容疑者は約2週間ほど前まで、江東区内の家賃10万円のマンションに住んでいた。マンションの関係者が話す。
「大平さんは1人で3階の部屋に住んでいた。いつからかは知らないけど、2週間前の土日で引っ越しをしている。夜逃げではなく、昼間に業者を呼んで引っ越しをしていた。
ポストを見てみなよ。空室のため、投函(とうかん)禁止の貼り紙が貼ってあるでしょ。いなくなってから荷物が二つ届いたんだけど、どうすればいいんかね」
関係者によると、届いた荷物は大平容疑者の名前ではなく、親族と思われる名義宛てだった。さらに、高級食材の一つである「燕の巣」と思われる“食材”も配達されていたという。
事件を受け、小池百合子東京都知事は29日午後に行われた定例記者会見内で、「犯罪でありますので、あってはならないことであります。加えて教育者であることは誠に遺憾であります」とコメントを発表した。
慕っていた先生が詐欺師だった……子どもたちの心の状態が心配される。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

赤沢再生相、訪米取りやめの理由めぐる一部報道を否定

Yoshifumi Takemoto
[東京 2日 ロイター] – 赤沢亮正経済再生相は2日午前の閣議後会見で、関税引き下げの米大統領令をめぐる一部報道を「事実でない」と否定し、「農産物関税引き下げの議論はない」と強調した。
赤沢氏が先週訪米を急きょ取りやめた理由について、米側が大統領令に日本のコメ輸入拡大を盛り込む意向を示したためと一部で報じられていた。
日米は7月に関税合意に至ったものの、相互関税の修正と自動車関税の引き下げが実施されておらず、日本側は大統領令を早期に訂正、発出するよう求めている。赤沢氏は「現在も事務レベルで協議が続いており、大統領令発出前に1回は訪米する」との見通しを改めて示した。
両国は米国からの日本のコメ輸入について、「ミニマムアクセス」と呼ばれる枠内で拡大することで合意している。
このほか赤沢氏は、自民党内で8日をめどに事実上のリコールである総裁選の前倒し是非が判断されるのを控え、石破茂首相が経済対策の策定検討を始めたとの報道についても否定した。

妊婦死亡で夫「胎児も被害者」 愛知交通事故、娘への罪も求める

愛知県一宮市で5月、31歳の妊婦が車にはねられて死亡し、事故後の緊急手術で生まれた女児は脳に重い障害が残った。運転していた女(50)は、妊婦への自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪のみに問われている。夫の研谷友太さんは「胎児も被害者だ」と主張。女児への過失傷害罪も問うよう求める署名を名古屋地検一宮支部に提出し、記者会見で胎児も被害者と訴えた。
死亡したのは沙也香さん。起訴状によると、5月21日に路側帯を歩行中、一宮市の無職児野尚子被告の車が時速約30キロで衝突し同23日に死亡した。遺族の弁護士によると、帝王切開で生まれた長女日七未ちゃんは事故の影響で低酸素性虚血性脳症になり、人工呼吸器が外せない。
沙也香さんへの過失致死罪に問われた児野被告の初公判は2日、名古屋地裁一宮支部で開かれた。検察官は、日七未ちゃんが受けたダメージの状況などについて補充捜査をすると明らかにした。被告は起訴内容を認めた上で「(沙也香さんと日七未ちゃんの)お二人に対するどのような処罰も受けます」と述べ、遺族に頭を下げた。

自民・参院選総括“最終版”「一から作り直す覚悟で解党的出直しを」

日本テレビは、自民党が取りまとめた参院選の総括文書を入手しました。文書は、12ページで構成され、選挙結果の敗因と分析や今後の対策、党の再生への誓いなどが盛り込まれています。
総括文書ではまず、敗戦の主な要因として「石破内閣の支持率低迷により自民党の基礎体力が低下した」「自民党支持層も固めきれなかった」「無党派層の訴求力も不足した」「若年層と一部保守層の流出を招いた」ことなどを挙げています。
また、自民党離れを招いたと考えられる9つの要因を挙げています。物価高対策について「国民に刺さらず争点設定も不発だった」とした上で、「給付金を支給する政策決定が選挙直前までずれこんだこともあり減税をすべきとの野党のわかりやすい主張に対して十分に抵抗できなかった」としています。
また、「政治とカネをめぐる不祥事により信頼を喪失した」として「この問題が引き続き自民党に対する不信の底流となっていることを自覚し猛省しなければならない」と記載されています。
さらに「若年層、現役世代と一部保守層の流出、支持離れを生じさせた」として「支持層の割合が高年齢層ほど高く逆に50代までの若年層・現役世代の支持率が低下し他へ流出している傾向が明らかになった」と総括しています。
その上で、党の再生にむけて「党を一から作り直す覚悟で解党的出直しに取り組み国民に信頼され負託に応えられる国民政党に生まれ変わる」と総括しています。
一方で石破首相、森山幹事長ら執行部の責任について直接的な記載はありませんでした。

「メイショウ」の冠名で知られる松本好雄オーナーが死去 今年8月に個人馬主として史上初のJRA通算2000勝

「メイショウ」の冠名で知られ、今年8月に個人馬主として史上初のJRA通算2000勝の大記録を達成した松本好雄さんが8月29日未明、すい臓がんのため死去していたことが関係者への取材で分かった。87歳だった。
日本競馬史に残る大物馬主が天国へ旅立った。2006年の皐月賞、日本ダービー、07年の天皇賞・春秋連覇を果たしたメイショウサムソンをはじめ、今年の宝塚記念をメイショウタバルで制するなど、数々の愛馬で競馬界を盛り上げてきた。今年8月23日の中京3Rで所有馬のメイショウハッケイが勝利。個人馬主として史上初となるJRA通算2000勝の偉業を成し遂げたばかりだった。その際にはJRAを通じて「生産牧場、育成牧場、調教師、厩舎スタッフ、騎手など、そういう人とのつながりを大事にしてきたつもりですけど、その結果が今回の2000勝につながったんだと思います」とコメントしていた。
船舶エンジンや航空機部品などの大型機械部品、産業機械の製造・販売や太陽光発電事業を扱う株式会社きしろ代表取締役会長で、馬主としては現在も日本馬主協会連合会名誉会長、中央競馬馬主相互会会長を務めるなど多大な貢献をしてきた。