「俺だって(事件の原因は)なにもわからない。こっちが知りたいよ。ひとつ言えるのは、死んだヤツはなにも言えないし、死んだら終わりなんだよ!」──怒りをあらわにしながら記者に言葉を投げかける男性。この人物こそ、7月6日に刺殺事件に巻き込まれたガールズバー店長・竹内朋香さん(27)の夫である。夫はおよそ30分にわたって、亡くなった妻に対する思いや容疑者への怒りを明かした。【前後編の後編。前編から読む】
事件が起きたのは6日午前1時頃のことだった。
JR浜松駅から500メートルほど離れた歓楽街にあるガールズバーに、両手にナイフを持った山下市郎容疑者(41)が店員の伊藤凛さん(26)を連れて訪店。店に入るや否や、勤務中の竹内さんを所携のナイフで何度も刺した。続けて逃走を図った伊藤さんにも襲いかかり、2人はいずれも搬送先で亡くなった。大手紙社会部記者が話す。
「犯行に使われたのはネパールの軍隊でも採用されていることで知られる、『ククリナイフ』と呼ばれる特殊な刃物でした。このナイフは殺傷能力が高く、一般的に使用されることはまずない。捜査関係者は、男が凶器を計画的に用意し、殺意をもって犯行におよんだとみています。
8日には容疑者が住んでいたアパートの家宅捜索もあり、ナイフの入手ルートや犯行動機について、引き続き調べが行われています」
大手紙社会部記者がさらに続ける。
「警察関係者の間では、容疑者が伊藤さんに好意を寄せていたのではないかという見立てもあるようです。両者の間になんらかの“トラブル”があり、店長の竹内さんがそれに巻き込まれてしまった可能性もある」
“常連客”だったという山下容疑者。伊藤さんとは事件の2日前にも食事をしており、“お気に入り”のスタッフだったことがうかがえるが、竹内さんとの関係性はまだわからないままだ。
竹内さんが勤務していたガールズバーは、2023年12月に竹内さんの夫がオープン。もともと2016年頃から竹内さんの夫がバーを経営していた場所をリニューアルし、その後、夫婦で切り盛りしていたようだ。8日午後、亡くなった竹内さんの自宅に記者が訪ねると、彼女の夫が取材に応じた。
竹内さんの夫は「理由なんてわからない」「容疑者と飲んだこともある」
「俺だって(事件の原因は)なにもわからない。こっちが知りたいよ。ひとつ言えるのは、死んだヤツはなにも言えないし、死んだら終わりなんだよ! あなたもそうだろ! 生きているから、うまい飯も食えるんだろ? 彼女は完全に八つ当たり、とばっちりを受けただけだよ。理由なんてあるわけないだろ。原因について聞かれても、困るんだ」
田久保市長が辞任表明再立候補、「面の皮が厚い」同世代・山尾志桜里&蓮舫と並ぶ“メンタルお化け”
学歴詐称疑惑が取り沙汰されている静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)が、7日夜の記者会見で、市長を辞職し、市長選挙に改めて立候補する考えを明らかにした。
田久保氏を巡っては、辞職勧告の決議案が7日の市議会で全会一致で可決されていた。卒業したとしていた東洋大学は実際には卒業しておらず、大学での記録では『除籍』で、市の広報誌の『東洋大学法学部経営法学科卒業』との記載は事実に反していたと認めた。
田久保市長『卒業証書』をチラ見せ
「田久保氏は、東洋大学卒業を主張するため、市議会議長らに『卒業証書』をチラ見せしていたようですが、集まった記者団にそれを開示することはなく、上申書と共に検察に提出し、捜査してもらうようでうす。
その後、速やかに市長を辞職し、改めて“市民の判断を仰ぐため”に再度市長選挙に立候補するようです。ただ、自身の『卒業証書』の真偽を検察に丸投げするなど、これまでの疑惑が払拭出来ていないだけに、厳しい追及は免れないでしょう。
それでも、パワハラなどが問題となり失職し、『出直し選挙』で再選された斎藤元彦兵庫県知事(47)のような展開を狙っているのかもしれません」(全国紙社会部記者、以下同)
この田久保氏の一連の行動についてX上では、
《一端辞任して出直し選挙に出馬宣言か…面の皮が厚い上にメンタル超合金やなww》
《田久保、どんなメンタルなんだろう。学歴詐称、卒業証書の偽造もして、バレたら辞職し再出馬するって普通の神経の人間には出来ない》
《どこまでもメンタル強~い。一度喰い付いたら離さないタイプなんだね。市民を知る前に、まず己を知れ!》
と、彼女のメンタルの強さに非難と共に驚きの声があがった。
同じく、鋼のメンタルとして話題になっているのが、山尾志桜里元衆議院議員(50)だ。
7月20日に投開票を迎える参議院議員選挙をめぐり、山尾氏は当初、国民民主党から比例代表に立候補することを表明していた。だが、党内から過去のW不倫などの不祥事に対する説明が不十分という批判が相次ぎ、公認が取り消された。それでも山尾氏は、「日本の自立と国民の尊厳をしっかり両立させる。そんな政治をもう1度試みたい」などと述べ、参議院選挙の東京選挙区に無所属で立候補した。
弁明する蓮舫氏
さらに、持ち前のメンタルの強さを見せているのは、立憲民主党から参院選比例代表に立候補した前参院議員・蓮舫氏(57)も同じだ。蓮舫氏は、昨年の都知事選に敗れた後、SNSで「国政選挙はもう考えていない」、「これで国政に戻ったら渡り鳥みたいだ」などと国政復帰を否定していたため、党内からも批判が出ている。
参院選出馬発表後、6月27日に都内で報道陣の取材を受け、過去の発言との矛盾について指摘されると、「これからの発信は、本当に気をつけようと思います」などと弁明していた。
一般市民では考えられない田久保氏、山尾氏、蓮舫氏のタフネスに対し、X上では、
《謝れない女ってタチが悪いな。伊東市長の田久保。山尾志桜里。蓮舫》
《女性議員に多いよね盛る癖と開き直る癖。威勢は良いがすぐ逆ギレする。素直に謝れば良いのにプライドが邪魔して謝れない人間なのだろう》
などと否定的な意見が出る一方で、
《田久保市長のメンタルの強さをある意味見習わないとな(笑)》
《良くも悪くも山尾志桜里から学ぶべき事多いよ。強メンタルにも程があるw》
《蓮舫さんってほんと、メンタル強いな~》
と、呆れを通り越し、一周回って称える声もあがっている。
「55歳の田久保氏、50歳の山尾氏、57歳の蓮舫氏、みなバイタリティーがあって、『メンタルお化け』とも言われています。女性が政治家をやるなら、彼女達ほどの強さが無ければ生き残れない。それくらい厳しい世界なのでしょう。彼女達がこれまでに起こしてしまった出来事の是非はさておき、そのメンタルを見習いたいとあっけにとられる人々が多いようです」
メンタルお化けとしてある意味最強となった田久保氏、山尾氏、蓮舫氏。この夏、それぞれの戦いはどのような結末を迎えるのだろうか。
関東~九州の各地で35℃以上の猛暑日予想 東京都心も3日連続か
今日7月9日(水)は晴れる東日本や西日本を中心に気温が高くなります。東京、大阪、福岡など、各地で最高気温が35℃以上の猛暑日予想となっています。
こまめに涼しい所で休憩して水分補給を行うなど、熱中症予防を意識的に行ってください。
熱中症警戒アラートも32都府県に 岩手・宮城・福島は今年初
暑さ指数(WBGT) 6日(日)14時
今日の西日本や東日本では、強い日差しや暖気の流れ込み、高気圧による下降気流などの影響で各地で気温が高くなり、最高気温が35℃以上の猛暑日となるところが多くなる予想です。
予想最高気温はさいたま、甲府、熊本などで36℃、東京、大阪、福岡などで35℃となっています。東京都心で35℃に達し猛暑日になれば3日連続となります。
関東や東海の内陸の地域では体温を上回る危険な暑さになる所もある見通しです。環境省と気象庁は、熱中症警戒アラートを32都府県に発表して警戒を呼びかけています。
熱中症のリスクが非常に高くなりますので、炎天下での長時間の活動を避け、エアコンの効いた涼しいところで過ごすなどし、こまめな水分補給を心がけるなど熱中症予防を意識的に行ってください。
熱中症警戒アラート(環境省・気象庁)
暑さから、自分の身を守りましょう
■熱中症警戒アラートを発表中の府県予報区(19)
岩手県 宮城県 福島県 茨城県 埼玉県 東京都(東京地方) 千葉県 神奈川県 山梨県 静岡県 愛知県 三重県 新潟県 富山県 京都府 兵庫県 和歌山県 広島県 島根県 鳥取県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 山口県 福岡県 大分県 長崎県 佐賀県 熊本県 宮崎県 鹿児島県(奄美地方除く)
熱中症警戒情報対象地域の皆様へ:
○熱中症警戒アラートが発表された地域において、気温が著しく高くなることにより熱中症による人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるので、他人事と考えず、暑さから、自分の身を守りましょう!!
○まずは、室内等のエアコン等により涼しい環境にて過ごしましょう。
○その上で、こまめな休憩や水分補給・塩分補給をしましょう。
○高齢者、乳幼児等の方は熱中症にかかりやすいので特に注意し、周囲の方も声かけをしましょう。
○皆で、身近な場所での暑さ指数(WBGT)を確認し、涼しい環境以外では、運動等を中止しましょう(皆で熱中症対策を積極的に取りやすい環境づくりをしましょう。)!!
警察学校初任科63人が10カ月の研鑽積み卒業 「警視庁の原動力」と警視総監が激励
新人警察官らが研鑽(けんさん)に励んできた警視庁警察学校(東京都府中市)で8日、卒業式が開かれた。初任科生63人は、恩師らとの別れに涙を流すなどし、都民の安全・安心のため最前線の27警察署などに配属された。
卒業式には、迫田裕治警視総監、佐野裕子警務部長、筒井朝彦調布署長ら約550人が出席した。卒業生は男性28人、女性35人。高卒・短大卒相当の長期課程の初任科生で、約10カ月にわたって寮生活を共にし、逮捕術や警察実務に関する知識を学んできた。
卒業式で、吉田知成警察学校長は式辞で、「一人一人がより向上心を持ち、真摯(しんし)に努力を重ね、さらなる高みを目指してほしい」と呼びかけた。
迫田総監は匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)や組織に属さない単独犯「ローンオフェンダー」によるテロなど「警察は数々の重要な課題に直面している」と指摘。「自分こそが警視庁の原動力だという信念と気概を強く持ち、都民のために大いに活躍することを心から祈念している」と訓示した。
卒業生を代表して答辞した大高瑠奈巡査(20)は「都民・国民の命を守るという崇高な使命を片時も忘れず、勇往邁進していく覚悟です」と決意を語った。
卒業式終了後は、初代大警視、川路利良の像が立つ「川路広場」で家族らと写真撮影。指導した教官らは別れを惜しみながらも「応援しているからね」と卒業生を激励し、握手を交わした。
南千住署に配属された八納大聖巡査(26)は「事案が発生した際には速やかに臨場して、迅速に解決したい」と意気込む。高井戸署勤務となった秋元美妃巡査(20)は「110番通報に駆け付け、腰軽く動ける警察官を目指したい」と抱負を語った。
警視庁によると、初任科の卒業式が報道陣に公開されるのは初めて。警察学校について広く知ってもらうことで、採用につながることを期待している。(宮野佳幸)
福岡・田川市長の不倫セクハラ問題、女性側「問題が放置され人格権の侵害続く」…心身不調も訴え
福岡県田川市の村上卓哉市長が不倫関係と認識していた女性職員からセクハラ被害を訴えられた問題で、女性の代理人弁護士は8日、市が真相究明に向けた第三者調査委員会を設置せず、不利益な状態が続いているとして、県弁護士会に人権救済を申し立てたことを明らかにした。
村上市長は2月、公務出張先に同行した女性と不倫関係だったと認めたが、女性は3月、立場を利用したセクハラだったと主張し、市公平委員会に苦情を申し立てるなどした。市公平委は5月、女性が主張する第三者委の早期設置を市に求めたが実現しておらず、女性は休職が続いている。
代理人弁護士は同日、福岡市で記者会見し、これまでの市の対応について「問題を放置し、不作為にあたる。真相究明がなされず、(女性は)不安定な地位に置かれ、人格権が侵害され続けている」などと批判。
会見では、心身の不調を訴える女性の手記も公開。村上市長が5月に法的手続きを取る意向を示したことについて、女性は「精神状態悪化に追い打ちをかけている」と訴えた。
唯一無二の「夫婦」、夫は「女性」になれるのか 「体にメス」は違憲でも、迫られる離婚
京都市に住むみきさん(仮名、50代)は、仕事関係で知り合った妻チロさん(仮名、40代)と付き合う前に、打ち明けていたことがある。 「時々変身するんです」 みきさんは、戸籍上は男性。仕事上も男性として生活していたが、ときどきスカートなど「女性らしい」服装で外出した。チロさんは「面白い」と興味を示してくれた。一緒にいることに居心地の良さをともに感じ、交際1年で結婚した。 それから約10年。みきさんは女性として生活するようになった。夫婦関係は円満だ。しかし、見た目と書類上の性別が違うため、身分証明の際にはカミングアウトをよぎなくされることもある。 その苦痛や不利益もあり、性同一性障害特例法に基づき、戸籍の性別を女性に変更するよう、昨年、京都家裁に申し立てた。 結果は却下。 理由は、結婚しているから、だ。性別変更への理解はどこまで広がったのか、どのような条件を満たせば認められるのかー。現在地を探る。(共同通信=小玉明依)
取材に応じるみきさん(左、仮名)と妻のチロさん(仮名)=2024年7月、京都市
▽唯一無二の関係
みきさんは結婚後もしばらく、男性として社会生活を続けていた。数年後、ブラジャーの跡が付いていたのをチロさんに見つかり、こう怒られた。 「私に隠れてやらないで」。チロさんに嫌われるかと思っていたが、むしろ女性として社会生活を送ることを後押ししてくれた。このことをきっかけに、髪の毛を伸ばし、服装も変え、法律上の名前も女性名にした。 お互いにない部分を補い合いながら、唯一無二の関係を築いた。お互いについてこう話す。「趣味はぜんぜん違う」「でも安心して眠れるんです」。みきさんは外見や名前を女性に変えたことで、男性として社会生活を送るストレスから解放された。
▽「この人しかいない」 チロさんは、みきさんとの結婚生活をどう感じているのか。 まず、自身の性的指向が男性から女性に変わったわけではない。「テレビで俳優さんを見て、かっこいいと思うのは男の人」という。みきさんについては「性別が変わっても、私が大事にしているこの人であり続けるなら、その時間を分かち合いたい」と話す。 みきさんは、言う。 「今ここで一緒でなければ体験できないことを味わえるのは、この人しかいないかなって思う」 夫婦関係の最重要事項は性別ではない。 みきさんが、戸籍上は男性のままで困ることは何か。 問題は身分証を示す場面だという。「私が私であることを認識してくれない。それが一番つらい」。カミングアウトしなければならないこともある。
▽5要件
性同一性障害者特例法では、性別を変更するには、2人以上の医師から性同一性障害の診断を受けた上で、5つの要件を全て満たす必要がある。
みきさんは、②「婚姻していない」(非婚要件)以外の4つを満たしているが、②を満たすためには、離婚しなければならない。 しかし、みきさんは2024年7月、既婚のままの性別変更を求め、京都家裁に家事審判を申し立てた。
申し立て後に記者会見するみきさん(右、仮名)と妻のチロさん(仮名)=2024年7月、京都市
▽「離婚も考えるが…」
知人から「(自治体が同性カップルを公的に認める)パートナーシップ制度があるじゃないか」と言われたこともある。しかし、婚姻関係で保障されていることが、パートナーシップの関係では保障されない。妻が交通事故、病気などで「もしもの事」があった時、相続人になれないといった不利益が生じる。入院した際に、家族として病室に入れない恐れもある。 婚姻関係を解消する選択も、社会上の性別と法律上(戸籍)の性別が異なる生活を送る苦痛を我慢する選択も受け入れられない。みきさんは、申立書で「過酷な二者択一」を迫る特例法は憲法違反だと主張した。 2025年1月、裁判官から聞き取りを受ける「審尋」の手続き。チロさんは、性別変更が認められなかった場合を裁判官に問われると、こう回答した。 「離婚するつもりはないが、結婚したままだとみきさんが女性として生きることが難しくなり、それが重く苦しいことであれば、離婚することも考える。でも、お互いが幸せになる道であるとはいえないし、そういう選択を迫られることは、ものすごく苦痛です」
チロさん(仮名)の手作り人形。名前は「う三郎」で、裁判の「広報隊長」としてXで発信している
▽「ほんと、なんでやねん」 2025年3月19日、京都家裁(中村昭子裁判長)は決定を出した。 「却下」 性別変更は認められなかった。 非婚要件について、「婚姻の継続という重要な法的利益を制約するものということができる」と指摘し、妻と離婚して性別を変えるか、離婚せず社会上の性別と法律上の性別が異なることによる不利益を甘受するかの二者択一を迫っていることは認めた。しかし、「直ちに憲法に反して無効と解することはできない」と判断した。 京都家裁の決定を受け、チロさんはこう声を振り絞った。 「それぞれ幸せの形は違うのに、時代遅れというか、ずれている印象です。ほんと、なんでやねん」
京都家裁の決定を受け、記者会見でメッセージを掲げるみきさん(右、仮名)とチロさん(仮名)=2025年3月、京都市
▽同性婚が先? 京都家裁の決定でも指摘されたが、非婚要件が求められる理由は、「同性婚」という今の法律では認められていない状態を避けるためだ。2人が結婚したまま、みきさんの性別が女性になると、女性と女性が結婚した状態になる。 それでは、同性婚が認められないと非婚要件はなくせないのだろうか。 明治大法学部の渡辺泰彦教授(家族法)は「同性婚は婚姻の成立段階の問題、非婚要件は望まない離婚を強いるという問題であり、意味合いが違う」と指摘する。
取材に応じる明治大の渡辺泰彦教授=2025年3月
渡辺教授によると、ドイツで非婚要件が撤廃されたのは2008年。2017年の同性婚法制化より先だったという。 その理由について「ドイツの場合は、基本法(憲法)に『婚姻と家族は特別な国家の保護の下にある』との規定があり、国家が離婚を強制することが違憲だと結びつけやすかったのだろう」と話す。 近年はヨーロッパや南米を中心に、性別変更の要件そのものをなくし、個人の自己決定で性別変更を可能とする法律を制定する国が増えているという。 「日本で特例法の要件撤廃が進むことは望ましい。ただ、学校や職場、専門機関での相談体制を拡充し、当事者を支援する体制を整えておかなければいけない」
▽4要件に? 2004年に施行された性同一性障害特例法。2023年10月には、最高裁が身体に負担がかかり、リスクもある手術を伴う「生殖能力要件」を違憲・無効と判断した。背景にあったのは、最高裁も認めた社会情勢の変化だ。 この判決以降、生殖能力をなくす手術を受けていなくても、家裁が性別変更を認めるようになった。最高裁によると、2024年の1年間で、少なくとも54件あったという。 外観要件についても、広島高裁が2024年7月に「違憲の疑いがある」と判断した。 非婚要件については、最高裁は2020年、みきさんと同様に既婚のままの性別変更を求めた申し立てを認めなかった。非婚要件を合憲と判断、「異性間においてのみ婚姻が認められている現在の婚姻秩序に混乱を生じさせかねないなどの配慮に基づくもの」とし、現在も覆す判断は出ていない。
生殖能力要件を違憲・無効とした最高裁判所
▽違憲判断続く 同性婚を巡っては、当事者らが法制化を求め、国を相手に損害賠償訴訟を札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の各地裁で提訴。2021年3月、札幌地裁が同性婚を認めない現行法は違憲と初めて判断した。 2021年3月、札幌地裁が同性婚を認めない現行法は違憲と初めて判断した。 一審は憲法判断が分かれたが、2025年3月までに二審では五つの高裁全てが 違憲と判断した。 みきさんとチロさんが指摘したように、家族や幸せの形は人それぞれだ。性的マイノリティーへの理解は着実に広がっている。むしろ特例法の要件こそ、「秩序」を混乱させる要因になっていないか。 みきさんは4月1日付で、性別変更を認めない京都家裁の決定を不服として、大阪高裁に即時抗告した。
同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=2021年3月、札幌市
▽取材後記 みきさんとチロさんに初めて会ったのは、2024年7月、家事審判を申し立てる少し前の時です。チロさんは「私は感性で生きている感じ。でも、こっち(みきさん)は論理的」と言いました。違うところに魅力を感じるのだそうです。 一方のみきさんは、「うっとうしいと思っているくせに」とつっこみます。 掛け合いはとてもコミカルで、取材する間、2人の仲の良さが随所に見え、男女や恋愛といった「夫婦」のイメージにはとらわれない姿勢も感じました。 チロさんは、性別はみきさんを構成する一部分でしかなく、性別が変わってもみきさんの「中身」は変わらないと言います。「人それぞれが、どこかしらマイノリティー。最初から無理だと思わないというのが、自分の生き方です。みんながみんな、同じ方向を見て、同じにならなくていい」。出会った当初、みきさんの「変身する」という発言に興味を持った背景にも、こうした考え方があったからなのかもしれません。 出会うべくして出会ったかのようなみきさんとチロさん。2人は、法律のたった一つの文言のために、一緒に築き上げた生活の形を変えざるをえないのでしょうか。ドイツがそうしたように、法律の側が、生活する個々人に寄り添って変わっていくのでしょうか。
「普通の子」の母は知る、娘が風俗店で働かされていたと…「若者に高額な借金を負わせるやり方は許せない」
強引な営業や金銭トラブルが問題視されてきたホストクラブへの罰則を強化する内容を盛り込んだ改正風俗営業法が、6月28日に施行された。法改正を機に、悪質なホストに苦しめられた20歳代の娘を持つ愛知県内在住の50歳代の母親が取材に応じ、「社会経験の浅い若者に高額な借金を負わせるやり方は許せない」と訴えた。(西谷有理沙)
改正風営法で悪質ホストの罰則強化
母親によると、娘は専門学校生で、「アニメが好きな普通の子」だという。派手な遊びや夜遊びをするタイプではなかったが、ある時期から、帰宅が遅い日が増え、ため息をつきながらスマートフォンをいじる様子が目につくようになった。
娘からある日、「家を出て住み込みで働く」とのメールが届いた。驚いて何があったのか尋ねると、「ホストクラブに借金があって風俗店で働かされていた」と打ち明けられた。ホストと出会ったきっかけはオンラインゲームだったという。
母親は「一緒に食事に行くようになると『実はホストだ』と告げられ、『俺の恋人として店に来てくれ』と言われたそうです」と説明した。
最初の1、2回は楽しんだものの、ホストの行動はどんどんエスカレートしていった。数万円する飲み物などを勝手に注文され、「お金がない」と言っても、「(借金して)返せるだろう」と押し切られる。返済が滞ると「早く払え」とどなられ、来店を促すメッセージもたびたび届いた。監視されているような恐怖から断り切れず、ついには風俗店で働いて借金を返すよう強いられたという。
母親は「娘がホストクラブに費やしたのは総額約300万円で、ツケ払いの『売掛金』が約70万円ありました。風俗店で働かされた経験を、娘は『地獄だった』と言い、今も男性に対する恐怖心が消えないままです」と、傷痕の深さを語った。
「娘自身も反省しなければなりません。しかし、社会経験の浅い若者をターゲットにして借金を背負わせ、風俗店で働かせるのはやりすぎです。法改正で悪質な店がなくなり、利用者が守られることを願います」。母親はそう強調した。
広告「No.1」の文言に規制
改正風営法は、支払いのために売春や風俗店での勤務を迫る行為などを禁じ、違反した場合は6月以下の拘禁刑か100万円以下の罰金を科す。虚偽の料金説明や客の恋愛感情につけこんだ飲食の要求も禁じた。
また、ホストの売り上げ順位や営業成績を直接的に示す「No.1」や「○億円プレーヤー」などの文言を広告や宣伝に使うことも、改正法で禁じる行為を助長するとして規制対象になった。同法の施行を機に、名古屋・栄では看板に黒いテープを貼るなどして宣伝文句を隠す店が目立つようになった。栄のホストクラブの男性経営者は「業界全体に厳しい目が向けられている。今後は『売掛金』を制限し、健全な営業をしていく」と話した。
参政党人気「理解できない」人が見誤る熱狂の本質
世論調査で支持が急上昇した参政党。今やちょっとしたダークホースになっている。
「事実上の票の買収ではないか」との声も…。石破政権「2万円ばら撒き」公約が現役世代を完全に舐めているワケ
NHK世論調査によれば、参政党の支持率は前回より+1.2ポイントの3.1%となり、野党の中で立憲民主党に次ぐ高い上昇率を示した。ちなみに、国民民主党は5.8%(+0.4)、共産党は2.9%(+1.0)、日本維新の会は2.1%(-0.4)、れいわ新選組は2.0%(+0.3)などとなっており、共産党や維新を超える支持率となっている(参議院選挙前トレンド調査、6月30日更新)。
日本経済新聞社とテレビ東京の世論調査でも、立憲、国民民主は前回(12%)と変わらなかったが、参政党は7%(前回3%)と増加しており、NHKの調査と同じく維新(6%)、れいわ(5%)、共産(3%)を上回っている(日経世論調査、6月27~29日実施)。
「カルト」「低能」…集まる批判
しかし、その一方で、主にSNS上で参政党の政策や支持者に対して、「カルト」「低能」「知性の劣化」などといった批判が集まっている。平たく言えば、「参政党の支持者は頭が悪い」といった内容である。
要因は、国民主権や基本的人権を軽視した新憲法構想案や、根拠薄弱な情報の拡散などだろう。
例えば、新憲法構想案には、「国は、主権を有し、独立して自ら決定する」(第4条)や、「国民の要件」として「日本を大切にする心を有することを基準」(第5条)にするなどとある。
また、自民党の細野豪志衆議院議員が7月2日、X(旧Twitter)で「参政党の神谷宗弊代表の『多国籍企業がパンデミックを引き起こしたということも噂されているし、戦争を仕掛けるのも軍需産業』という日本記者クラブの党首討論会での発言は、国政政党としてはさすがに非常識。陰謀論の類だろう」とポストしたが、街頭演説などにおいても事実誤認と思われる情報を度々発信している。
レッテル貼りで片付けるのも問題だ
だが、単なる蔑称やレッテル貼りで片付けることは大いに問題があると言わざるを得ない。この党勢拡大の背後にある真因に目を向けなければ状況を見誤るだろう。ポピュリズム政党の躍進には、必ず合理的な理由が存在する。何らかの策略に踊らされて支持や投票行動をしているわけではない可能性が高いのだ。
世界最大規模の世論調査会社イプソスのポピュリズムに関する動向調査の結果には、近年日本でポピュリズム政党が台頭している理由が明快に示されている。
通称使用、下がるハードル 個人情報保護、経歴追えず
戸籍上の本名ではなく、通称で選挙を戦う候補者が増えている。交流サイト(SNS)の普及で選挙管理委員会が「本名より浸透している」と認めやすくなったためだ。プライバシーが守られることで立候補のハードルが下がる一方「選挙ごとに名前を変えれば経歴をたどれなくなる」と有権者の不利益を指摘する声も上がる。
「選挙に出ると個人情報が全て公開され、落選したら元の生活に戻りにくい」。政治団体「AI党」党首のAIメイヤー氏は、本名で立候補することのデメリットをこう説明する。この通称で、顔の一部をマスクで隠しながら昨年の東京都知事選などに挑んできた。
党が掲げるのは、プライバシーを守り、誰でも政治参加できる社会。賛同者がAIメイヤー2号、4号の通称で各地の選挙を戦った。AIメイヤー氏は「学歴なども非公表にすることで政策だけに注目してもらえる」と話す。
総務省によると、立候補届には本名を記載する必要がある。その上で選管が「社会に通用している」と認めれば通称での選挙運動が可能で、選挙公報やポスター、政見放送などで使える。
参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去
参院選の序盤から「日本人ファースト」を掲げる参政党が飛ばしている。マスコミ各社の世論調査によると、比例代表の投票先で3位に浮上。立憲民主党を抜き去りかねない勢いだが、連中の「愛国心」はホンモノなのか?
田植え直後の稲を食い荒らす侵略的外来種「ジャンボタニシ」をまき散らし、国民食のコメ生産に汗する農家の足を引っ張った行状は消し去れない。
参政の悪事が露呈したのは昨春のこと。国政選挙などに擁立している党員がX(旧ツイッター)に〈我が家は40年以上ジャンボタニシ活用して無農薬米作ってる。地域ぐるみでJA福岡市が指導しました〉と投稿。当然騒ぎになり、奈良支部がインスタグラムで〈慣行農法では嫌われ者のジャンボタニシくん。自然農法では味方になってくれます〉と「ジャンボタニシ農法」を推奨していることが発掘された。
1981年に食用目的で輸入されたジャンボタニシは養殖業者の廃業による大量投棄や脱走により野生化。食害の元凶と言ってよく、農家の敵だ。農水省は騒動にすぐさま反応し、Xに〈【#ジャンボタニシ 放飼は止めてください!】〉と怒気を含んだ注意喚起を投稿。巻き込まれたJA福岡市も〈ジャンボタニシを活用した除草を推奨している事実は一切ございません〉と完全否定した。
行政に一喝された参政は直後の声明で「推奨」を否定。〈誤解を招く可能性のある発信を行った支部や党員には、発信内容を訂正し、今後はそのような発信を控えるよう指導しました〉と釈明した。カルト問題に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏はこう言う。
「参政党は反グローバリズムの排外主義を訴えて勢力を伸ばしているのに、日本の稲を食い物にする外来種をもてはやすなんてお笑いです。党員にとって主張や理念はどうでもいいのがよく分かる。そもそも参政党は反ワクチン、陰謀論、スピリチュアル系など有象無象の寄せ集め。科学的な裏付けを求めず、いいと思ったものにのめり込むタイプが支持する傾向がある。ジャンボタニシ問題は氷山の一角。参院選には波動米ビジネスを展開した疑いのある候補も立てています」
ブラックホールに吸い込まれるように参政を支持する岩盤保守層は目を覚ました方がいい。
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参政党の急伸で、参院選首都圏選挙区では異変が起きている。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。