万博でレジオネラ菌、事務総長が謝罪…菌との因果関係あれば治療費負担

大阪・関西万博の会場内の水場で指針値を超えるレジオネラ属菌が検出された問題で、日本国際博覧会協会(万博協会)の石毛博行事務総長は9日の記者会見で「多大な迷惑をかけおわびする。適切な対応を速やかにとれるよう改善していく」と謝罪した。
レジオネラ属菌は、噴水ショーを行う南側の「ウォータープラザ」の海水と、中央部の「静けさの森」の人工池で確認された。
万博協会は、水の循環や清掃による水質改善に取り組んでいる。医療機関がレジオネラ属菌との因果関係を認めた場合は、治療費を負担するという。
会場で蚊に似た虫のユスリカが大量発生している問題では、この日の対策本部で防虫計画を決定。パビリオンの外壁に薬剤を塗ったり、出入り口にネットを張ったりして飛来を防止する。

石破首相「所得5割増」公約 皮肉ツッコミ続出 「所得税5割増だろ」「税金と社会保険料下げたらすぐ」

石破茂首相は9日、今夏の参院選に向け「2040年に平均所得5割増」を公約に掲げることを明らかにした。

石破氏はこの日、「名目GDP1000兆円の経済を目指します。平均所得は現在から5割以上、上昇させるということを、来たる参院選挙における一番目の公約に掲げることを党幹部に指示した」と述べた。

野党各党が消費減税や軽減税率、消費税そのものの廃止を参院選の公約に掲げているのに対し、自民・公明の連立与党は消費減税をしない方針を固めた。そんな中、突然の所得増宣言に、ネットにはツッコミが相次いだ。

「所得5割増」は、X(旧ツイッター)のトレンドランキング上位に。まず多くのユーザーが指摘したのが、実現が15年先であること。「15年後って、国民は今苦しんでるんだよ!」「達成出来なくても、もうアンタはいないだろ」「だいたい先のことを公約にしても実現するかなんて誰にも分からない…」「目指すのを公約にしたら何とも言えてしまう」「政治家の公約って歌舞伎町のホストの姫への約束よりもひどいな」「目先の事よりも不確かな「15年後」の未来を予想し、ファンタジーみたいな公約をしちゃうまで落ちぶれたんだな」と、憤りや諦めの声が続出した。

また、実現可能かAIに質問をぶつけたユーザーは、「楽観的な見方は難しいのが現状です」などといった回答を得たことを報告した。

さらに「所得税5割増の間違いだろ」「税金と社会保険料下げたらすぐにでも所得5割増すると思うんだが」「所得5割増にします→物価2倍です 税金3倍ですとかなら余計なことせんでええわ」と、皮肉たっぷりな返しも。備蓄米放出を巡る小泉進次郎農相の働きぶりから、内閣支持率はわずかに回復基調にあるものの、即効性ゼロの公約に厳しい声が多数上がった。

大滝拓也容疑者(21) 山大生レーサー暴行容疑で逮捕

自動車レースのF4で活動する山形大学の学生が、栃木県内で女子高校生の腰を触ったとして11月、
暴行の疑いで栃木県警に逮捕されていたことがわかりました。
警察によりますと大学生は、「触っていない」などと容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、山形市に住む山形大学3年の大滝拓也容疑者(21)です。
栃木県警によりますと、大滝容疑者は、10月31日の午後7時過ぎ、栃木県芳賀郡の路上で高校1年の
女子生徒の腰を触ったとして、11月21日、暴行の疑いで逮捕されました。
栃木県警によりますと、調べに対して「触っていない」などと容疑を否認しているということです。
大滝容疑者は、山形大学に在籍しながらレーサーとしても活動し、ことしからF4のレースに初めて参戦
するなど、活躍が期待されていました。

「日本から来た佳子です」ブラジル訪問中の佳子さまが老人ホームで日系人入居者と交流

ブラジルを公式訪問中の秋篠宮家の次女・佳子さまが、日系人向けの老人ホームを訪れ、入居者と交流されました。
佳子さまは、現地時間の7日午前、ブラジル初の日系人向け老人ホーム「憩の園」を訪問し、入居者から花束を受け取られました。
「どのようにお過ごしですか?」
入居者 「幸せです」
「とても素敵なお花いただいてありがとうございました」
その後、入居者一人ひとりと目線を合わせ「日本から来た佳子です」「お体をお大事に」と声をかけるなど、交流をされました。
日系1世の入居者(89) 「手を出してもらったときに(手が)柔らかくて温かいの。ご訪問いただいて本当に嬉しく思います」
佳子さまは滞在中、ブラジルの8都市をまわり、各地で日系団体と交流されます。

ベッドで上半身裸でうつ伏せの状態…ホテルで死亡の男性は32歳会社員 争ったような痕跡なく事件と事故の両面で捜査

名古屋市中区栄4丁目のホテルで2025年6月7日午後、男性が死亡しているのが見つかりました。遺体に目立った外傷はなく、警察が事件と事故の両面で調べています。 6月7日午後3時ごろ、名古屋市中区栄4丁目のホテルで「室内で男性が倒れている」と、従業員から110番通報がありました。 警察によりますと、部屋のベッドの上には男性が上半身裸でうつ伏せの状態で倒れていて、すでに死亡していました。 争ったような跡はなく、男性に目立った外傷はないということです。 亡くなっていたのは春日井市内に住む32歳の会社員の男性で、連絡が取れないことを心配した知人の男性がホテルに連絡し、従業員とともに部屋で倒れていたところを発見したということです。 警察は死因を調べるとともに、事件と事故の両面で調べています。

群馬県知事「正直な思いは…」石破首相「群馬県怖い人たくさん」発言受けブログに心境つづる

群馬県の山本一太知事は8日までに公式ブログを更新し、7日に同県を視察に訪れた石破茂首相が「群馬県って聞くと、怖い人がたくさんいそう」と発言し、問題視されていることに対し「悪意のカケラも感じない!!石破さん独特のユーモアだ!!(笑)」などと反論し、発言の「真意」に理解を示した。
自民党参院議員出身の山本氏は、7日深夜に投稿したブログで、来県した石破首相との再会を報告。「石破首相と久々の再会だったが、石破さんは、全く変わっていない!!国会議員時代と同じように、気さくだし、率直だ。終始、リラックスした雰囲気で、話をすることが出来た!!(ニッコリ)」とした上で、県の人材育成も含めた「デジタル・クリエイティブ産業創設」のような取り組みへの支援などを要請したと記し、首相と並んだ写真も投稿。訪問に謝意を示した。
その上で「追伸」として、首相の発言報道に言及。「石破首相が、視察先の前橋市で、地元のまちづくり団体の関係者と意見交換した。その際、『群馬県と聞くと、怖い人たくさんいそう、女性強そう』みたいなことを言ったらしい!!」と記した上で「複数のメディアが、これを『首相の問題発言』であるかのように報道している!!が、正真正銘の群馬県人である自分の目から見ると、この言葉には、悪意のカケラも感じない!!石破さん独特のユーモアだ!!(笑)」と主張した。
その上で「考えて見て欲しい!そもそも『グンマー帝国』を『自虐ネタ』としてポジティブに受け止めている上州人(群馬県民)なのだ!!こんな程度のことで怒るわけないではないか!!(笑x2)」「大多数のひとは、『なるほど、外から見ると、そんなふう見えているのか!』『来県して、総理の印象が変わったならいいことじゃないか!』くらいに捉えている気がする!!」と、首相を擁護した。
また「ちなみに、知事の正直な感想は、『このことで、また群馬県が注目されて良かった!』という感じ。この件について、さっそく何人かの支持者と電話で話してみたが、マジに怒っているひとは、誰もいなかった!!(笑x3)」とも記した。
参院選が近づく中のタイミングであることに触れ「マスコミの『言葉狩り』は、益々、強まっていくだろう!!政府関係者の皆さん、与野党幹部の皆さん、くれぐれもご注意を!!」とも記した。
石破首相は7日の視察時のあいさつで、鳥取出身の自身を引き合いに「我々西日本の人間は、北関東って聞いただけで何か怖そう。群馬県って聞くとなんか、怖い人たくさんいそう、みたいなところがあってですね。あと女性強そうみたいな」と語った。視察後、報道陣に発言の真意を問われ「真意も何も、それはよく言われますよね、『かかあ天下とからっ風』って。そこに差別という意識は全くありません」と説明した。一方、発言が報じられるとSNSにさまざまな声があがり「差別の意識」がトレンドワード入りするなど波紋を広げた。

遺族「米兵が守られすぎている」 日米地位協定の壁 在日米兵の交通死亡事故

2等兵曹に言い渡された執行猶予付き判決
今年5月27日、横浜地裁横須賀支部。 在日米軍横須賀基地に所属する2等兵曹の男性(22)に、判決が言い渡された。
2等兵曹は去年9月、神奈川県・横須賀市の国道で、車を運転中に右折が禁止されている交差点を右折し、対向車線のバイクと衝突。バイクを運転していた会社員の伊藤翼さん(当時22)を死亡させた過失運転致死の罪に問われていた。
検察側の求刑は禁錮1年6か月。遺族は実刑を求めていた。 2等兵曹に言い渡された判決は、執行猶予4年が付いた禁錮1年6か月だった。
この事故の取材を通じ、日米地位協定の様々な問題点が浮き彫りになった。
法廷内に米軍法務官
在日米兵の刑事裁判の法廷は、一般的な裁判とは異なる。
裁判では証言台の後ろに、在日米軍の法務官らのための長いすと机が用意されていた。その理由は日米地位協定17条で、「合衆国政府の代表者を裁判に立ち会わせる権利」が保証されているためだ。
スーツ姿の法務官の男性が入廷した。法務官は、500mlのミネラルウォーターが入ったコンビニの袋だけを持っていた。被害者代理人による意見陳述の際には、右肘を長いすの背もたれに置きながら聞いていたが、遺族による被告人質問などはしっかりとメモを取っていた。
検察側が最初に請求した証拠は、一般的な裁判では存在しない文書だった。 それは、検察官が米軍側に対し、2等兵曹に裁判権を行使する(=起訴する)旨を伝えたとする通知書だった。日米両政府の合意では、検察官は米軍側に対し、容疑者が勾留されていない在宅事件でも、書類送致されてから20日以内に裁判権を行使するか否か、通知する必要があるからだ。
通常、在宅事件の場合は、書類送致後に検察官が起訴か不起訴かを判断するまでの期限は決められていない。
検察側が手続きを正しく行っていることを立証する必要があり、通知書を証拠として請求したとみられる。
「事故後も週に4回程度、運転している」
2等兵曹は弁護側の被告人質問で「事故などを起こすと、憲兵隊を呼ぶよう指示されていて、事故直後に憲兵隊を呼んだ」と証言した。また、我々の取材などから、2等兵曹が110番や119番通報をしていなかったことも明らかになっている。
日米地位協定では公務外の兵士が、事件・事故を起こし、警察が先に捜査を開始していた場合、日本側に捜査権があるとされている。この事故でも、警察官が憲兵隊よりも先に現場に到着し、捜査を開始していたが、2等兵曹は後から到着した憲兵隊に連れられ基地に帰っている。
一般的に日本で死亡事故を起こせば、免許取り消しになる。しかし、2等兵曹は「基地内だけ」と前置きしたうえで「週に4回程度、交際相手の車を運転している」と証言した。
米国で有効な運転免許証を持っている兵士らは、軍が発行する「許可証」を取得すれば、日本の公道で運転することができる。
警察庁によると、この「許可証」を持っている兵士らは日本の行政処分(免許取り消しなど)の対象ではないという。
警察が違反行為を取り締まっても、米軍側に内容を通知して、処分は米軍に委ねることになっている。今回の場合、米軍が2等兵曹の「許可証」を取り上げていなかったこともわかった。
横須賀基地の兵士に話を聞いたところ、「『許可証』を取得するには日本の交通法規などのテストに合格する必要がある」と話した。しかし、2等兵曹について、判決では「道路標識の意味を正しく理解していない」と厳しく指摘されている。
在日米軍が提出した“異例の書簡”に「司法の独立脅かす」と批判も
弁護側が提出した証拠にも、「異例の書簡」が含まれていた。 在日米海軍の法務部長から裁判官に宛てた書簡には、このように書かれていた。
米国の方針としては、仮に執行猶予付き有罪判決が言い渡され、それが受入国の法律に基づき確定した場合には、被告人を受入国から米国本土へ移送することを迅速に検討することになっています。再度逮捕されるような事案があった場合、長期の自由刑となる可能性があることから、最も例外的な事案を除いて、この措置が適切であると考えています。
遺族の代理人を務め、在日米軍の問題に詳しい呉東正彦弁護士は、判決後の会見で憤った。「米軍が組織として裁判官に対して、執行猶予付きの判決を求めたのだと受け止めた。一国の軍隊や政府機関が裁判所に書簡を出せば、司法の独立を脅かすような圧力がかかるのは間違いない」。
裁判官は執行猶予を付けた理由を「被告が事実関係と過失を素直に認め、真摯に謝罪していること。交通違反歴を含む前科前歴がないこと」などとした。書簡に記載されていた米軍側の「執行猶予付き判決が確定すると、迅速に帰国させる」という方針への言及はなく、書簡が判決に影響したのか否かはわからなかった。
裁判官の「沈黙の15秒」
法廷では、思いがけない場面があった。
裁判官が主文を言い渡し、淡々と判決理由を読み終えた。本来であれば「説諭」あるいは閉廷を宣言するタイミングだ。しかし、裁判官は何も言わず、法廷は静寂に包まれた。
通訳人や被害者代理人は、何が起きているのかわからず、不思議そうに裁判官の方を見た。
裁判官は机の上で組んだ手をじっと見つめていた。 沈黙は15秒ほど続き、やっと言葉を発した。
「判決の内容は以上の通りです。これで閉廷するので傍聴人は退席してください」。
この15秒間、裁判官は何を思っていたのだろうか。
弁護人から漏れた本音「よくある事故」遺族は「相手が守られすぎている」
翼さんの遺骨は、自宅の居間に保管されたままだ。翼さんの父親(64)は、涙ながらに話した。「まだ戒名もつけていない。こっちの世界で生きた時間があまりにも短すぎたので、『翼』として“上の世界”でも生きて欲しいんだ」。
1周忌の今年9月に納骨するつもりだったが「今の気持ちでは納骨できない」という。
事故当日に翼さんが履いていたズボンを見せてもらった。右ひざの部分が事故の衝撃で破れていた。母親(56)が買ってあげたズボンだった。
「仕事に行くときは、このズボンをいつも履いていた。お気に入りだったんだと思う」。
母親は、翼さんのピアスをネックレスに通して、肌身離さずつけている。
翼さんの死後、両親は翼さんの横顔を知ることになった。 両親は定期的に現場を訪れ、献花している。ある日、花束の隙間に置かれていた手紙を見つけた。翼さんの職場の同僚が書いたものだった。
「最初は怖そうだと思ったけど、忙しい時は残って手伝ってくれた。伊藤君の優しさはとても温かく、大好きだった」
母親は「家では仕事のことはあまり話すことはなかったけど、こうやって慕ってくれた仲間が心を痛めていることを知って、さらに悲しくなる」と話した。
2等兵曹側は、判決をどう受け止めたのか。 閉廷後、2等兵曹の弁護人に話しを聞いた。
判決への評価は避け「判決を受け入れるか、控訴するかは米軍と2等兵曹が決めることだ」とした。そのうえで「この事故はそこまで注目されるものなのか。1人が亡くなっているが、よくある事故じゃないか」と付け加えた。
判決から10日後の6月6日、両親は横須賀警察署を訪れ、翼さんのバイクを初めて見ることになった。
125ccの白いバイクの前方は、原形を留めておらず、事故の衝撃を物語っていた。 母親は、一輪の薄紅色のカーネーションを座席に供え、父親は翼さんが好きだった煙草を線香がわりに置いた。
その後、2人は翼さんが最後まで触れていたであろうアクセルを握り、そっと目を閉じた。
この日、両親は警察署だけでなく防衛省南関東防衛局の事務所を訪れ、横須賀市役所にも足を運んだ。3者に対し、実効性のある再発防止策を実施するよう申し入れを行った。いずれも「申し入れの内容を検討する」という趣旨の回答をしたという。
裁判は検察側と2等兵曹側の双方ともに控訴せず、執行猶予付きの判決が確定する見込みだ。そして、「米軍の方針」に従うと2等兵曹は間もなく米国本土に帰国する。
母親は「心の整理ができていないが、翼のためにできることをやっていきたい」と今の心境を語ったが、ぶつけようのない思いを抱えたままだ。
「あまりにも相手(2等兵曹)が守られすぎている」。
日米地位協定は1960年の締結以降、一度も改定されていない。
====== 岸将之 TBSテレビ 調査報道部特別報道班 東京・葛飾区出身。これまで所属した社会部では東京地検特捜部や裁判所などの取材を担当。その後、「報道特集」に所属し東京五輪での「弁当13万食廃棄問題」や、侵攻が始まった翌日からウクライナ・ベラルーシの両国で取材をした。 2024年7月から所属する特別報道班ではM&Aで中小企業が悪意ある買い手企業の被害に遭っている実態を取材。

砂川・一家5人死傷事故10年 唯一生存の次女を「そっと見守って」

北海道砂川市の国道で飲酒運転で暴走した車が永桶弘一さん(当時44歳)ら一家5人を死傷させた事故から6日で10年となった。事故で亡くなった長女恵さん(当時17歳)の高校の同級生らは7日、現場付近で手を合わせ犠牲者を追悼した。唯一生存した次女は、元気に働いていることを関係者が明らかにした。【和田幸栞】
その日は祖母の家で遊んでいた。母と姉、兄と一緒にいた。夜になると父親が迎えに来て、自宅に向かう車に乗った。その途中、飲酒後の無謀な運転に家族で巻き込まれ、両親と兄、姉を亡くした。
自身も意識不明の重体。唯一生存したのは12歳の少女だった。
砂川市の国道12号で2015年6月6日、酒に酔った男2人が運転する車が100キロ超のスピードで赤信号を無視して交差点に進入した。
1台は永桶さん一家が乗った車に衝突し、車は約60メートルはじき飛ばされ大破。永桶さん夫妻と恵さんは死亡。車外に投げ出された長男の昇太さん(同16歳)は、もう1台に約1・5キロ引きずられて死亡した。男2人は危険運転致死傷罪に問われ、17年に懲役23年が確定した。
事故から1年後に祖父が発表したコメントや刑事裁判では、唯一生存した当時12歳だった次女のその後が少しずつ明かされた。
次女は事故後、意識不明の重体で砂川市内の病院の集中治療室に搬送された。祖父から家族の死を聞かされたのは、意識が回復した後の16年4月だったという。事故から10カ月たっていた。
翌5月、歌志内市の祖父の自宅で家族の遺影と遺骨に対面した。涙は流さず、遺影の前にたたずんでいた。後に祖父が真意を問うと、「パパもママもお姉ちゃん、お兄ちゃんも私のことを見守っていてください、とお願いしたの」と答えたという。
恵さんの高校の担任で、事故の悲惨さや再発防止を訴える活動を続けている小田島数幸さん(64)によると、次女は成人式に振り袖姿で参加した。
22歳になった現在は「元気に働いている」という。知人経由で次女の現状を知った小田島さんは「お父さんもお母さんもきょうだいもいない。彼女一人でこれから乗り越えなければならないことがある」と話す。「事故の遺族」という人生を生きるのではなく、「別の人生を歩めるよう、彼女のこれからをそっと見守ってほしい」と願っている。
約束の日 変わらぬ気持ちで献花
長女恵さんの同級生4人は7日、事故現場となった砂川市の国道沿いで献花し、手を合わせた。「10年たっても気持ちは変わりない」。同級生は今後も恵さんの追悼を続けていく。
同級生たちにとって、事故があった6月の最初の土曜日は「約束の日」。現場に来られるなら、共に手を合わせようと決めている。
あの頃の思い出 カーネーション
現場近くのガードレールには、赤いカーネーションが添えられていた。10年間、冷え込む期間以外は植木鉢が置かれている。
赤いカーネーションは、恵さんが高校2年の時、クラスメートと教室で育てた思い出の花。小田島さんが事故から数週間後に供えてから、現在まで手入れを続けている。
手書きのメッセージが添えられていた。
「恵へ 教室のと同じ色のカーネーションだよ」
同級生らの思いを象徴する花に見えた。今年はややしおれて元気がない様子だが、小田島さんは「まだ生きてますから。生きている限り、大切にします」と話す。
同級生は年々成長し、仕事や育児に追われているが、記憶の中の恵さんは17歳のまま。同級生の原田玲於さん(27)は「皆が顔を合わせられる、恵が作ってくれた機会。10年たっても気持ちは変わりない。これからも(事故現場に)集まり続けたい」と語り、「飲酒運転は絶対にしてはいけない」と強調した。
小田島さんは「生きていれば、今年で28歳。将来の夢は保育士で、学費をためるために公務員を目指すと話していました」と振り返り、「もしかしたら同じ職場で働いていたかもしれない……」と恵さんが成長した姿を想像していた。

「ヤクザから暴力を受けてみかじめ料を要求された」顔面を平手打ちされながらも店員応じず…恐喝未遂容疑で暴力団員の46歳男を逮捕 旭川市「3・6街」

5日、北海道旭川市の歓楽街「3・6街」にある飲食店で、みかじめ料を要求し、応じなかった店員に対し顔面を平手打ちする暴行を加えるなどしたとして46歳の暴力団員の男が逮捕されました。
恐喝未遂の疑いで逮捕されたのは、旭川市5条通6丁目に住む、六代目山口組二代目旭導会構成員、井上亮平容疑者(46)です。
井上容疑者は、5日午前3時55分ごろから午前7時49分ごろまでの間、旭川市3条通6丁目にあるバーで、40代の男性店員に対し、みかじめ料を要求し、応じなかった店員の顔面を平手打ちする暴行を加えるなどした疑いが持たれています。
男性店員にけがはありませんでした。
店の関係者が、その日のうちに警察に「ヤクザから暴力を受けてみかじめ料を要求された」と通報し、事件が発覚。警察は裏づけ捜査を進め、容疑が固まったため、7日井上容疑者を逮捕しました。
井上容疑者が容疑を認めているかどうか、警察は明らかにしていません。
警察によりますと、井上容疑者は、男性店員に暴行を加えたあとも、しつこくみかじめ料を要求しましたが、店員は応じなかったということです。
警察は、井上容疑者の余罪の有無や暴力団が組織的に関わっていないかどうかなど調べています。

盛り上がる“進次郎劇場”に自民党内で「首相待望論」が急浮上 “備蓄米バーゲン”は石破首相からの小泉進次郎氏への政権禅譲をにらんだ布石か

公約通りコメ価格を引き下げた小泉進次郎・農相。支持率低迷に喘いでいた石破茂・首相や自民党執行部、そして財務省までもがその人気を利用しようとしている。少し前まで与党が惨敗するとみられていた夏の参院選も、“令和の小泉劇場”が始まったことで、景色は大きく変わりつつある。【全3回の第2回。第1回から読む】
純一郎氏の盟友らが語る期待
進次郎劇場はどこまで続くのか。自民党では首相待望論が急浮上している。父の純一郎氏は支持率1桁まで落ちた森喜朗内閣の後を受けて登板し、郵政民営化で国民の支持を得て自民党を危機から救った。
純一郎氏の盟友として知られる山崎拓・元自民党副総裁はこう言う。
「進次郎の言動は親父譲りで、問題提起の仕方も解決策も直球勝負の正面突破。正直、次の総理にはまだ早いと思うが、コメの件で成果を挙げれば、今までのチャラチャラしているという評価を払拭できるでしょう。国民は喝采し、人気も回復する。
そうなれば、いずれ行なわれる自民党総裁選で今度こそ党員投票で1位を取れるかもしれない。少数与党である自民党の起死回生を担う期待の星になるでしょう」
小泉内閣の官房副長官を務めた杉浦正健・元法相も期待を口にした。
「純一郎は郵政に立ち向かった。今度は息子の進次郎が農業・農協の改革を行なうことになるだろう。農協は郵政と同じく自民党の強力な支持組織だから、郵政民営化の時以上に党内から強い反発を受けるはずだ。それを乗り越えて日本の農業の将来を切り拓くことができるかどうかに彼の将来がかかっている」
政府備蓄米バーゲンの仕掛け人は誰なのか
とはいえ、今回の政府備蓄米バーゲンの仕掛け人は進次郎氏ではない。筋書きを描いたのは官邸だ。石破側近が明かす。
「自民党で農政に最も詳しいのは石破総理と林芳正・官房長官だ。2人とも農相経験者でコメ流通の問題点をよくわかっているから、官邸は米の価格を下げるために競争入札から随意契約への変更、売り渡し価格の大幅引き下げ、買い戻し条件をつけないなどのプランを検討してきた。
農水族で思い切った改革ができなかった江藤拓・前農相の失言更迭が方針転換の絶好のタイミングだった。自民党農林部会長時代に農協改革に取り組んだ経験があり、農協にしがらみがない進次郎がコメ安売り担当相に抜擢された」
抜擢の理由はそれだけではない。
進次郎氏は2012年の総裁選以来、一貫して安倍晋三・元首相ではなく石破氏を支持してきた。「世代交代を進めるのが私の役割」と公言する石破首相は、進次郎氏を意中の後継者と考えているという。
「総理は自分の後は進次郎に任せたい。そのためにも目に見える功績をあげさせたい。だから“責任は全部オレが取るから、あらゆる手段を使ってコメの価格を下げろ”と進次郎に指示した」(同前)
石破首相から進次郎氏への政権禅譲をにらんだ布石でもあるというのだ。
さらに進次郎氏に農相就任を打診したのは石破政権の大黒柱で“自民党農水族のドン”と呼ばれる森山裕・幹事長だ。
進次郎氏が農相就任前の会見でこう語っている。
「森山幹事長に打診を受けた際、私から申し上げたのは、今この局面で大事なのは、組織団体に忖度しない判断をすることだと思います。それでよろしいですかと申し上げたら、『それが大事だと思う』という話をさせていただいた」
その森山氏は進次郎氏の備蓄米値下げ販売について、「大臣の対応は、当然のことをしっかりやっていただいたと思う」とお墨付きを与えている。
(第3回に続く)
※週刊ポスト2025年6月20日号