立民・野田代表「早急に辞任を」 首相官邸筋の核兵器保有発言

野党各党は19日、安全保障政策を担当する官邸筋の核兵器保有発言を受け、速やかに発言者を更迭するよう政府、与党に要求した。自民党の中谷元・前防衛相も交代させる必要性に言及した。木原稔官房長官は記者会見で「政策上の方針として非核三原則を堅持している」と述べ、事態の沈静化を図った。官邸筋の進退への回答は避けた。
官邸筋は、高市早苗首相に安保政策を助言する立場にある。立憲民主党の野田佳彦代表は記者会見で「こういう方が(首相の)そばにいては良くない」と指摘した上で「早急に辞めてもらうことが妥当だ」と語った。立民の斎藤嘉隆参院国対委員長は、自民の磯崎仁彦参院国対委員長と国会内で会談し、直ちに更迭すべきだと伝えた。
公明党の斉藤鉄夫代表は記者団に「罷免に値する重大な発言だ」と非難。共産党の田村智子委員長も「断じて許されない」として、更迭と非核三原則の順守を求めた。
中谷氏は国会内で記者団に「お友達内閣と言われないよう、しっかりした方を人選すべきだ」と指摘した。

佐藤副長官の起用巡る混乱を陳謝 木原官房長官、参院野党幹部に

木原稔官房長官は19日、立憲民主党など野党の参院幹部と国会内で会談し、自民党派閥裏金事件に関係した佐藤啓参院議員の官房副長官起用を巡り、臨時国会で混乱を生じさせたとして陳謝した。野党は、選挙で有権者の信任を得ていないのに要職を務めている点を問題視していた。
佐藤氏は臨時国会の期間中、参院議院運営委員会などに出席できず、政府と国会の調整役を担えなかった。来年の通常国会の対応について、野党は改めて協議する。

診療報酬本体、3.09%上げ=物価高対応で30年ぶり水準―政府

政府は19日、来年度の診療報酬改定で医師らの人件費などに当たる「本体」部分を3.09%引き上げる方針を固めた。2024年度の前回改定の0.88%を大きく上回り、物価高騰の中で経営に苦しむ医療機関を支援する。3%台の水準となるのは、3.4%だった1996年度以来30年ぶり。
高市早苗首相と片山さつき財務相、上野賢一郎厚生労働相が首相官邸で協議し、厚労相の提案内容で大筋合意した。来週前半にも正式決着する。 [時事通信社]

体調悪化の男性見て「死ねへん」 愛知留置死、署員ら「雑談」

愛知県警岡崎署の留置場で2022年、持病があった男性=当時(43)=が勾留中に適切な医療を受けられず死亡した事件で、亡くなる2日前に体調悪化でほとんど動かない様子を見た署員らが「雑談」として「大丈夫。死ねへん」といった会話をしていたことが19日、検察が開示した供述調書で分かった。医師が男性の入院を勧めた際には、署員が診療簿に「現状維持でいい」と記載していたことも判明した。
留置主任官だった元警部=辞職=が業務上過失致死罪で略式命令を受け、当時の署長ら27人が処分されている。危機感が欠如した組織の実態が改めて浮き彫りとなった。
共同通信は元警部の刑事確定記録を請求。元警部を含む当時の署員二十数人の供述調書が開示された。
男性は22年11月25日に公務執行妨害の疑いで逮捕された。身体拘束は計約144時間に及び、12月4日に腎不全で死亡した。
確定記録によると、亡くなる2日前、留置担当の署員がほとんど動かない男性をモニター越しに見て「死んじゃあへん?」と言った際、別の署員が「大丈夫。死ねへん」と応じた。

殺人容疑の男不起訴=ホテルで父を刃物で刺す―那覇地検

ホテルの客室内で、父親の首などを刃物で刺し、殺害したとして、殺人容疑で那覇地検に送検された20代の男について、那覇地検は19日、不起訴処分とした。「精神鑑定の結果を踏まえ、その他の証拠関係を総合的に考慮した」としている。
男は9月8日、那覇市の国際通りにあるホテルの客室内で、父親の首と顔を刃物で刺し、殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。その後、父親が死亡し、殺人容疑で送検されていた。 [時事通信社]

「税制改正大綱」正式決定 “年収の壁”178万円に引き上げ・「環境性能割」廃止・住宅ローン減税延長拡充など「減税メニュー」並ぶ

自民と維新は先ほど、「年収の壁」の178万円への引き上げなどを盛り込んだ与党税制改正大綱を正式決定しました。
自民党 小野寺五典税調会長 「今回の税制改正は、物価高への対応や強い経済の実現、公平性の確保など、重要な課題にしっかり取り組むことができる内容になった」
最大の焦点だった「年収の壁」については、中間層の手取り増を求める国民民主に大幅譲歩し、全ての年収層を対象に所得税の課税最低限を178万円まで引き上げます。税収は6500億円ほど減少します。
さらに、車の購入時に課される税「環境性能割」についても、国民民主からの強い求めに応じて廃止。地方自治体の税収は2000億円ほど減る計算です。
さらに、▼NISAの「つみたて投資枠」の年齢制限撤廃や、▼住宅ローン減税の延長・拡充など、多くの「減税メニュー」が並びます。
一方、増税や減税措置の廃止もあり、▼超富裕層への課税強化や、▼大企業向けの「賃上げ促進税制」の廃止、▼子どもや孫に教育資金を一括贈与する場合、非課税となる特例措置の廃止などで1兆2000億円程度を確保しました。
ガソリンの暫定税率廃止や高校無償化の財源とします。
また、防衛力強化のため、2027年1月から所得税額に対して税率1%を課す「防衛特別所得税」を新たに設けます。ただ、同時に「復興特別所得税」の税率が1%引き下げられるため、実質的な税負担は当面変わりません。

「断固として抗議」=高市政権高官の核保有発言―被団協

日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は19日、高市政権高官が「日本は核を保有すべきだ」と発言したことを受け、「断固として抗議する」との談話を公表した。内閣府に送付したという。
談話は「発言は被爆者の存在を無視し、核戦争を容認するもので、絶対に許すことはできない」と非難。政府に対し、「『唯一の戦争被爆国』と自称するなら、核兵器禁止条約に参加し、核廃絶に向けて世界の先頭に立つべきだ」と訴えた。 [時事通信社]

陸自ヘリに再びレーザー照射、1分ほど緑色の光が向けられる…静岡県三島市上空

陸上自衛隊立川駐屯地(東京都立川市)は18日、東部方面航空隊所属のヘリコプター1機が静岡県三島市上空でレーザー照射を受けたと発表した。搭乗していた3人にケガはなく、機体の損傷もなかった。
発表によると、17日午後6時50分頃、多用途ヘリコプター「UH―1J」に緑色の光が1分ほど向けられた。浜松飛行場での離着陸訓練を終え、立川駐屯地に戻る途中だった。
現場付近では16日にも、陸自第1ヘリコプター団(千葉県木更津市)所属のヘリがレーザーを照射されていた。

小泉防衛大臣「国民の命守るため、あらゆる選択肢を排除せず議論」非核三原則めぐり

小泉防衛大臣はきょう、非核三原則について「日本は政策上の方針として堅持している」としたうえで、「日本国民の命と暮らしを守るためには、あらゆる選択肢を排除しない」と述べました。
小泉進次郎防衛大臣 「我が国としては、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず、この非核三原則を政策上の方針として堅持しているというのは、高市総理も再三言ってる通りだと思ってます」
小泉防衛大臣は先ほどの会見でこのように述べたうえで、非核三原則の「持ち込ませず」については、「その時の政権の命運をかけて決断し、国民の皆さんに説明する」とした、2010年当時の岡田外務大臣の答弁を引き継いでいくと話しました。
一方、記者から「非核三原則を未来永劫変えるべきでないと考えるか」と問われると、「防衛大臣として日本の国民の皆さんの命と平和な暮らしを守るために、あらゆる選択肢を排除せず、検討を進める、議論をするのは当然のことだ」と答えました。
また、「明らかに日本を取り巻く安全保障環境は変わっていて、攻撃側が圧倒的に有利な環境が次々に出ている」と述べ、安全保障関連の3文書の改定を進めていくと強調。
そのうえで、「日本が平和であり続けるために、まもりの形も時代や環境で変わってくるのは安全保障や政治の現実だと思う」と指摘し、「国民の皆さんに説明して、必要な防衛力の整備をお願いし、理解を得るという不断の営みが必要だ」と述べました。

「首都圏の実態反映せず」 東京都知事が批判

政府の作業部会が公表した首都直下地震の新たな被害想定について、東京都の小池百合子知事は19日の定例記者会見で「首都圏の実態を十分に反映したものではない。自治体などが必要な対策を講じることができない」と批判した。
都は同日、災害関連死の算定が特性の異なる震災被害の実績に基づいており、根拠が不十分とする見解を明らかにした。小池氏は「国に今回の被害想定の検証を強く求めていきたい」と述べ、今後、専門家の意見を踏まえながら、都としての新たな被害想定をまとめる方針を示した。