森友学園、問題になったあの土地は今 校舎は建ったまま 今後は?

長年求めていた文書の一端が明らかになった。学校法人「森友学園」を巡る財務省の公文書改ざん問題で、4日に財務省が関連文書の一部を開示した。
森友学園が小学校新設を目指した大阪府豊中市の土地には、2階建て(一部3階建て)の校舎が建ったままとなっている。建物の取り扱いを巡る争いが続いてきたが、売却への道筋が立ってきたという。
校舎建築は大阪府吹田市の業者が学園から請け負った。ごみの撤去費用を含めて費用は約20億円。ただ、学園の理事長らが詐欺事件で逮捕、起訴されたうえ、学園は2017年に民事再生法の適用を申請。業者は費用のほとんどを回収できていない。
土地は国が買い戻し、売買時の契約に従って校舎を撤去して更地にすることを求めている。一方、業者側は「校舎を有効活用すべきだ」として、土地と校舎を一体として売却することを目指しており、19年に調停を申し立てている。
関係者によると、国による土壌汚染と埋設物の調査が3月末までに終わった。25年以降も国や学園、業者の3者で協議が続けられる見込みで、土地と校舎を一括売却する方向で進みつつあるという。この関係者は「長く続いた問題がようやく最終的な方向に進む」と話した。【砂押健太】

大阪・関西万博のブラジル館で火災 天井材や配線が焼損

4日午後7時20分ごろ、大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)の大阪・関西万博の会場にあるブラジルパビリオン内で火災が発生し、煙が出ているのを関係者が見つけ、まもなく消し止めた。日本国際博覧会協会によると、天井材や配線が焼損した。けが人はなかった。
大阪市消防局は消防車16台を出動させた。警察や消防が詳しい状況を調べている。
万博会場ではこの日、関係者ら約1万人が参加した開幕前のテストラン(リハーサル)が実施された。ブラジルパビリオンは内装工事中で、テストランには参加していなかった。【岡崎英遠、根本佳奈】

25歳行員の過労自殺 遺族が東和銀行と和解 再発防止策もまとめる

前橋市に本店がある第二地銀・東和銀行の男性行員(当時25歳)が8年前に過労自殺したことを受け、男性の遺族が銀行側と続けてきた協議で和解したことが、遺族側への取材で明らかになった。男性は上司のパワーハラスメントなど複合的な要因があったとして労災認定されており、銀行側が遺族に謝罪したうえで解決金(額は非公表)を支払うことで合意したという。
遺族側によると、和解は訴訟手続きを経ずに3月17日付で成立した。和解条項には男性の死亡について「上司のパワハラや職場環境が原因で、銀行が配慮を欠いた結果だと認める」と明記された。
再発防止策としては、行員が精神疾患で療養・休職したり、自殺したりしたケースで、業務に原因があると疑われる場合には実態調査を進め、「ストレス要因を適正に把握する」とした。自殺については「十分な調査を行い、遺族が希望する場合は丁寧に報告する」とも盛り込まれた。
男性は入行4年目だった2017年4月、埼玉県川越市の支店に異動し、初めて法人向けの営業担当になった。異動後わずか2カ月の5月31日、自宅で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。
同僚の証言を集めた遺族によると、男性は同僚らがいる前で上司から「稟議(りんぎ)書の作成が遅い」などと叱責を受けていた。この上司は休日になると、自宅に男性ら部下を呼び出すこともあった。
遺族の労災申請を受けた川越労働基準監督署は23年8月、配置転換で心理的な負荷を受け、業務量の多さに追い込まれたと指摘。上司のパワハラもあり過労状態となり、自殺につながったとした。
この問題は24年5月、毎日新聞の報道で発覚した。銀行側は記者会見で男性の死亡を公表。社内調査で「ばか」「給料泥棒」と発言した上司のパワハラを認め、17年12月に処分したことを明らかにした。
ただ、この調査や処分は遺族側に知らされていなかった。男性の両親は和解を受け、「深い悲しみの中、銀行側の対応はさらに苦しませるものだった。再発防止を約束していただき、行員らが自分らしく働ける職場環境であってほしいと願っています」と話した。
遺族の代理人を務める立野嘉英弁護士は「家族は職場での出来事を把握しにくいことから、労災申請が困難になり、適正な補償を受けられなくなる恐れがある」と指摘。「調査結果があるのなら、遺族の意向に沿った丁寧な説明が求められる」と話す。
東和銀行は取材に「行員の自死に改めて哀悼の意を表します。今後もハラスメントの撲滅や風通しの良い職場環境に向け、再発防止策に真摯(しんし)に取り組みます」とコメントした。【土田暁彦】

「本人の言葉ではない」兵庫県・斎藤元彦知事が“ムチャ振り”で作らせたお詫びコメント「謝りたくない。でも…」

〈 《斎藤知事問題》 百条委員会・奥谷謙一委員長が単独取材に明かした「竹内さんが亡くなったことには……悲しみも怒りもある」 〉から続く
「一心不乱にこの3年間力を尽くしてきたからだとはいえ、その過程において至らない点があったということも事実でございます。とりわけ職員の皆様には不快な思いや負担をかけてしまったことを心からお詫びを申し上げます」
3月26日、兵庫県議会2月定例会の最終日。閉会挨拶に立った斎藤元彦知事(47)はそう述べて頭を下げたのだが……。
表向きは「お詫び」を口にしながら
昨年3月、元西播磨県民局長のX氏(故人)が〈齋藤元彦兵庫県知事の違法行為等について〉と題した文書で、斎藤氏のパワハラなど7つの疑惑を告発してから1年以上が過ぎた。
「県が設置した第三者委員会は3月19日に調査報告書を公表し、調査対象となったパワハラ疑惑16項目のうち10項目をパワハラと認定した。斎藤氏らによる告発者捜しは公益通報者保護法に違反すると指弾。先だって県議会が設置した百条委員会が3月4日に公表した調査報告書より、さらに踏み込んで厳しい評価を斎藤氏に突きつけたものでした」(社会部記者)
これに対し、斎藤氏本人は当初、「しっかり精査していくという意味で読み込みに時間がかかる」と語るのみで、自身の見解をなかなか示さなかった。そして26日の県議会で、冒頭のように初めて職員に向けた謝罪をしたのである。
「ただ、同日午後の会見ではテープレコーダーのように、1時間に実に30回も『真摯に受け止めたい』と繰り返した。自らのパワハラについても『第三者委で認定されたことは真摯に受け止めたい』と口にするばかりでした」(同前)
業を煮やした記者から「シンプルにお願いしたい。認めるのか認めないのか」と追及され、絞り出したのが、「パワハラの認定については……認めていきたい」という言葉だった。どうしても第三者委の指摘を認めたくない様子が窺える。
「県職員の懲戒処分指針ではパワハラ行為に対する処分規定があり、実際に斎藤県政下(1期目)でパワハラを理由に減給処分となった職員もいる。ただ今回、パワハラ認定を受けた斎藤氏は自身に対する処分は否定。『襟を正し、しっかり業務は遂行していくのが私の責任』と述べ、辞職も改めて否定しました」(同前)
表向きは「お詫び」を口にしながら、心が伴っていないように映る「冷血の知事」。県職員が証言する。
「閉会挨拶でのお詫びコメントは、本人の言葉ではありません。部下に指示して作らせたものです」
県幹部を苦しめたトンデモ指令
斎藤氏は3月19日に第三者委の報告書が公表されて以降、報道陣のぶら下がり取材はのらりくらりとかわしつつ、遅くとも21日には担当の県幹部にこう命じていたという。
「謝りたくない。でも、いかにも謝っているかのように聞こえるコメントを作れ」
無理難題と言うほかないトンデモ指令は、県幹部を苦しめた。
「そんなことできるわけないだろ……」
では、どのようにしてお詫びコメントは完成するに至ったのか。
現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および4月3日(木)発売の「週刊文春」では、斎藤知事のお詫びの裏側や県庁舎の再整備問題について詳しく報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年4月10日号)

《証拠入手》「自宅がある浦安まで18回も…」大井川茨城県知事(60)が公用車を“私物化”していた

「また、知事が公用車を私物化しているのではないかという話が出ている」
こう明かすのは茨城県庁の職員。「 週刊文春 」では過去3週にわたり、茨城県の大井川和彦知事(60)のパワハラ疑惑などについて報じてきたが、今回新たに発覚したのは、公用車の私物化疑惑である。
2020年にも指摘された「公用車の私的利用」
冒頭の職員が「また」と述べるのには理由がある。写真週刊誌「FLASH」(光文社)が2020年12月29日号で、県庁から約120キロ離れた千葉県浦安市にある〈本宅〉まで公用車で送迎される大井川知事の姿を掲載。「公用車の私的利用ではないか」との疑問が向けられた。
地元記者が解説する。
「知事は水戸市内に部屋を借りていますが、家族は浦安市内のマンションに住んでおり、時折帰っています。公用車の私的利用が問題視されると、報道各社に対し『直近1年で23回、自宅への往来で公用車を使用した』と説明。『7回はマンションとの往来のためだけに利用した』と言いつつ、『私的な利用には当たらない』と釈明しました」
県職員の問題提起を受け、週刊文春は開示請求で、知事公用車の運行先や走行距離などが記録されている59ページの「運転日誌」を入手。精査すると、2024年1月から今年2月までの間、18回に渡り公用車で「浦安市」まで出向いていることがわかった。
例えば――。
◇◇◇
4月2日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」並びに3日(木)発売の「週刊文春」では大井川和彦茨城県知事の新たな「疑惑」を報じる。情報開示請求で明らかになった公用車私的利用疑惑の詳細と県の回答。そして、先月行われた自民党茨城県連大会で知事が行った「大ヒンシュク」のあいさつの中身とは?
茨城県政について情報やご意見がある方は文春リークスまでお寄せください。
文春リークス: https://bunshun.jp/list/leaks
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年4月10日号)

【速報】住宅の冷凍庫で遺体発見 簡裁事務官の男ら3人を逮捕 滋賀・長浜市 きっかけは大阪で見つかった”遺書”

滋賀県長浜市の住宅の冷凍庫から女性とみられる1人の遺体が見つかりました。警察は死体遺棄の疑いで、この家に住む72歳の男ら3人を逮捕しました。
死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、滋賀県長浜市に住む無職・岩瀬浩一郎容疑者(72)と簡易裁判所の事務官・岩瀬龍彦容疑者(49)、大阪府堺市のアルバイト清掃員・野中秀紀容疑者(62)ら3人です。
警察によりますと、岩瀬容疑者らは4月2日までに、自宅の冷凍庫に女性とみられる1人の遺体を遺棄した疑いがもたれています。
◆発覚は大阪の遺書
発覚のきっかけは、大阪でした。
1日午後8時半ごろ、大阪府堺市中区福田の住宅で「両親が死んでいる」と警察に通報がありました。
警察によりますと、2階のウォークインクローゼットから、57歳の夫と71歳の妻が病院に搬送され、その後、死亡が確認されました。
2人に目立った外傷や争った形跡はなく、家からは遺書とみられるものが見つかったということです。
◆情報提供受けた滋賀県警が自宅訪問
遺書には、「岩瀬浩一郎(容疑者)の家に遺体がある」などの内容が書かれていたことから、大阪から情報提供を受けた滋賀県警が、岩瀬容疑者の自宅を訪問したところ、冷凍庫から遺体が見つかったということです。
遺体は1人で女性とみられて、年齢などはわかっていません。また警察は岩瀬容疑者ら3人の認否を明らかにしていません。
警察は身元の特定を進めるとともに岩瀬容疑者から話を聞くなどして、事件の詳しい状況を調べています。

「殺しちゃるけんな」包丁を持って近づき警察官の公務を妨害した疑い 90歳の男を逮捕

2日夜、福岡市博多区の市営住宅の敷地内で、警察官に包丁を突き付け職務を妨害したとして90歳の男が逮捕されました。
2日午後6時半ごろ、福岡市博多区板付の市営住宅の敷地内で目撃者から「酔っ払った状態で包丁を振り回している」などと警察に相次いで通報がありました。
駆けつけた警察官が包丁を振り回す男に声をかけたところ、男が「殺しちゃるけんな」と言いながら近づき包丁を突き付けたため公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕しました。
逮捕されたのは近くに住む無職の男(90)で取り調べに対し「間違いありません。警察官がいっぱい来て腹が立ったので刺そうと思いました」と容疑を認めているということです。

虫歯治療後に患者が死亡 不安和らげる「静脈内鎮静法」の注意点 認定医など確認を

《うたたねしているような心地よい気分》《不安や苦痛を感じることは一切ありません》-。虫歯治療などの際、点滴や注射で鎮静剤を投与する「静脈内鎮静法」について、こう宣伝していた東京都内の歯科医院で令和元年、女性患者が低酸素脳症で死亡した。警視庁は今年3月、当時の男性院長らを業務上過失致死容疑で書類送検。施術は適切に行えば安全性が高いとされるが、関係者は病院選びの際に認定資格者を確認することなどを推奨している。
「深く考えず」
「口の中に器具が入ると、吐きそうになる」。捜査関係者によると、亡くなった女性患者=当時(57)=は歯科治療にそんな不安があり、公式サイトなどで静脈内鎮静法の利点を強調していた東京都新宿区の同院(現在は閉院)を訪れたという。
女性は鎮静剤を投与された後、舌が気道をふさぐ「舌根沈下」を起こし呼吸が停止するなどして翌日に死亡した。
警視庁捜査1課は今年3月11日、鎮静剤投与の副作用を認識しながら、医療機器を使って血圧や脈拍を測定するなど必要な経過観察を怠ったなどとして、業務上過失致死容疑で当時院長の70代男性歯科医らを書類送検した。
捜査関係者によると、同院は平成7年の開院以降、静脈内鎮静法を約1700件実施。催眠鎮静剤の過剰投与も繰り返していたとみられるが、男性歯科医は調べに「大惨事が起きていなかったため、深く考えていなかった」と話したという。
リスクも警告
静脈内鎮静法は患者の不安や恐怖、緊張を抑制できる上、鎮静状態からの回復が早く、多くの場合は外来で受けられる。外科処置を伴うインプラント手術にも活用され、施術中の記憶をなくす効果も期待できるという。
一方、一般社団法人「日本歯科麻酔学会」が29年に改訂したガイドラインでは、投与の量や速度によっては、低酸素症や心停止などの合併症が発生するリスクも警告。「十分患者監視を行うとともに、それに対する対策を準備しておくことが重要」としている。
書類送検された歯科医らは催眠鎮静剤に副作用があると知りながら観察を怠り、歯科衛生士らにも指示しなかったとされる。歯科医らは当時、日本歯科麻酔学会には所属しておらず、学会関係者は「会員がモニタリングせずに静脈内鎮静法をすることはない」と話す。
認定施設は症例なし
16年度に全国の歯科大学や総合病院歯科などを対象に行われた調査によると、歯科治療での静脈内鎮静法は77施設中、70施設で実施。1年間の実施総件数は1万7971件で、5割超の施設が「術中に患者の呼吸抑制と舌根沈下を経験した」と回答した。患者が一時的に呼吸停止に陥ったケースは8施設、心停止は4施設で発生していた。
一方、日本歯科麻酔学会の認定を受けた32の歯科麻酔学指導施設で26~30年、行われた調査では12万7819件の静脈内鎮静法が実施されたが、麻酔関連の心停止、死亡症例はなかった。
同学会の宮脇卓也理事長は「日本歯科専門医機構認定の歯科麻酔専門医や、当学会の認定医は歯科麻酔の研修を十分に積んでいる」と説明。静脈内鎮静法を受ける場合、同学会のホームページに掲載されている認定資格者を確認した上で医院を選ぶことを推奨し「歯科麻酔科医が勤務している歯科医院が一目見て分かるようにすることも必要」としている。(前島沙紀)

奈良・橿原の4歳死亡 母親の元交際相手の無罪確定 検察が控訴断念

奈良県橿原市で2023年に元交際相手の長女(当時4歳)を暴行して死なせたとして、傷害致死と傷害の罪に問われた男性(28)を無罪とした奈良地裁判決が確定した。奈良地検が2日の控訴期限までに控訴しなかった。
男性は23年5~6月に元交際相手の長女に暴行を加えて死亡させたとして起訴された。男性は無罪を主張し、検察側は懲役8年を求刑していた。
25年3月19日の裁判員裁判判決は、元交際相手の母親の証言が変遷していることや、女児がチャイルドシートにぶつかった可能性があることを挙げ「男性が暴行を加えたとする立証が不十分」として男性に無罪を言い渡していた。
地検の大前裕之次席検事は「判決内容を精査した上、証拠関係に照らし、総合的に判断した」としている。【田辺泰裕】

科目の免許持たない教員が授業 北海道立高3校で判明、2~5年間

北海道教委は2日、必要な教員免許を持たない教員が授業をした事例が、釧路明輝高、礼文高、羅臼高で確認されたと発表した。
3月27日に釧路明輝高で「『情報1』担当の時間講師が免許を所持していない可能性がある」との申告があり、発覚。講師1人が情報の免許を持たず2年間授業をしていたと分かった。
事態を受け、道教委は緊急調査を実施。礼文高の「地域水産基礎」と、羅臼高の「海洋生物理論」「海洋生物実習」という科目で複数人の教員が少なくとも5年間、免許を持たず授業をしていたと判明した。3校は、教員に免許外の授業を担当させる許可申請や免許有無の確認を怠っていたという。
3校は2日、臨時の保護者説明会を開いた。礼文高、羅臼高で当該授業を受けた生徒は全員卒業しており単位は取り消さない。釧路明輝高は、授業が学習指導要領に沿っていたかを確認後、単位を認定する。【後藤佳怜】