福岡市中央区の「みずほペイペイドーム福岡」付近で男女2人が刺された事件で、逮捕された無職山口直也容疑者(30)が襲撃前日、事件が起きたエレベーターホール付近をうろついていたことが16日、捜査関係者の話で分かった。
アイドルグループ「HKT48」のメンバーがSNSに投稿する写真などを頻繁に撮影する関係者用駐車場が、襲撃現場近くにあることも判明。福岡県警は、同容疑者がHKTメンバーが現れるのを待ち伏せしていた可能性もあるとみて調べる。
捜査関係者などによると、同グループ関係者は13日、ドーム駐車場のエレベーターホール付近をうろつく山口容疑者を確認。行動が不審だったため、警戒を強めていた。同容疑者はHKTのイベントの常連客だった。
山口容疑者は翌14日にも同じ場所に姿を見せた。同日午後5時前、HKT48の男性スタッフ(44)が「関係者以外立ち入り禁止だ」などと注意したところ、突然、刃物で刺された。
山口容疑者は調べに対し、「(スタッフに)なんでそこにいるんですかと言われたので、刺し殺そうと思った」と供述している。
県警は16日、殺人未遂容疑などで同容疑者を送検。動機の解明などを急いでいる。 [時事通信社]
政府、ガザ支援機関に人員派遣へ=復旧・復興に積極関与
日本政府はパレスチナ自治区ガザで停戦監視や人道支援の調整を担う「民間軍事調整センター(CMCC)」に早ければ年内に人員を派遣する方針を固めた。関係者が16日明らかにした。国際協力機構(JICA)やNGOの職員ら1~2人の派遣を検討しており、ガザの復旧・復興に積極的に関与する姿勢を示す。
茂木敏充外相は同日の記者会見で「2国家解決の実現、中東地域の平和と安定に貢献すべく、ガザの復旧・復興に積極的な役割を果たす考えだ」と述べた。
CMCCはイスラエルとイスラム組織ハマスによる10月の停戦発効後、米政府主導でイスラエルに設置された。20カ国超の軍・民間関係者が活動する。 [時事通信社]
政府、国光外務副大臣を厳重注意=立民議員巡り誤認発言
尾崎正直官房副長官は16日の記者会見で、国光文乃外務副大臣が立憲民主党議員について事実誤認の内容をインターネット番組で発信したとして、木原稔官房長官が国光氏を同日厳重注意したと明らかにした。国光氏は11月にもSNSへの事実誤認の投稿で木原氏から注意を受けている。
立民の斎藤嘉隆参院国対委員長によると、国光氏は番組で、立民の小西洋之参院議員の国会質問の対応に追われ「辞めた女性官僚もたくさんいた」などと発言したという。尾崎氏は国光氏が発言を撤回し、小西氏に謝罪文を手交したと説明した。
国光氏は11月、「野党の質問通告が遅い」などとX(旧ツイッター)に投稿。野党から抗議を受け、事実誤認を認めて陳謝している。斎藤氏は記者団に、国光氏について「(副大臣に)不適任ではないか」と語った。 [時事通信社]
東京・板橋で小5男児がトラックにはねられ死亡 下校中か
16日午後3時40分ごろ、東京都板橋区志村1の都道交差点(信号機なし)で、横断歩道を歩いて渡っていた近くの小学5年生、松原千明さん(10)がトラックにはねられた。松原さんは意識不明で搬送され、病院で死亡が確認された。
警視庁志村署によると、松原さんは左側から都道を直進してきたトラックにはねられた。1人で下校中だったとみられる。
署は、トラックを運転していた板橋区新河岸3の会社員、横山浩二容疑者(65)を自動車運転処罰法違反(過失致傷)の疑いで現行犯逮捕し、容疑を過失致死に切り替えて事故の経緯を調べている。
横山容疑者は「焦っていて、もっと遠くを見ていた」と話し、容疑を認めているという。【菅野蘭】
上野の双子パンダ来月返還 “4時間待ち”の熱烈ファン涙「大きくなる過程見てきた」
来月返還されることが発表された上野動物園の双子パンダ。ひと目見ようと開園前から大行列ができました。およそ1分の観覧制限の中、一時4時間待ちとなりましたが、パンダを見たファンからは涙を浮かべている姿も見られました。
開園から2時間たっても長蛇の列ができていて、最後尾が見えないほど並んでいます。双子パンダの来月下旬の返還発表後、初の開園日を迎えた東京「上野動物園」。動物園の中も外も大行列。パンダ舎までの待ち時間は一時180分待ちとなりました。
ぬいぐるみのパンダしか見たことがない子どもに“本物”を見せてあげようと、急きょ仙台から駆けつけた人も。
仙台からのファン「かわいかった」「さみしさも…もう見られないんだと。(子どもが)『何で見られないの?』と」
その後、待ち時間は最大240分に…
園のスタッフ「きょうはパンダの列を(午後)1時で締め切ります。そのため見られない可能性もあります」
せっかく関西から来たのに、午後1時の締め切りを知らず、パンダを見られず帰っていく人も。
パンダを見られなかった関西からのファン「私たち午後1時4分に着いたので。トイレ行っちゃったんですよね。(締め切りが)1時って知らなくて。ショック。今年一番のショックかも。二度と会うことないもんな。生きている限り」
早くも広がる“パンダロス”。
2021年6月23日、上野動物園ではじめて誕生した双子のジャイアントパンダ、シャオシャオとレイレイ。双子で仲良く転がったり、じゃれあったり…
双子の名前を決める応募は19万件以上。以来、パンダ人気を支えてきたシャオシャオとレイレイ。来月、中国へ返還されると、日本国内にいるパンダはおよそ50年ぶりに「ゼロ」になります。
園は双子の姿を少しでも多くの人に見てほしいと…
園のスタッフ「はい、時間となります」
16日からは、2頭ともに観覧時間を「1分程度」に変更。パンダを見られる時間は短くなっても…
パンダを見た人「うれしかったです」「バイバイって」
しっかりパンダと“お別れ”。“4時間待ち”でパンダを見たという人は…
“4時間待ち”パンダを見た人「赤ちゃんで小さかったのにひとり立ちもちゃんとして、ずっと見てきたので。大きくなる過程を見てきているので、ちょっと思うところあります」
一方で、今回の返還をきっかけに…
「ホッキョクグマとかペンギンが好きなので、それは見たい。(パンダのレンタル代が)1億円なら、ほかのことに使う方がいいのでは」
“パンダ頼み”から脱却すべきだという声もあがり始めています。
伊勢原・日向山の山林火災が鎮火 登山道の通行止め、順次解除へ 1.3ヘクタール焼く
伊勢原市と厚木市にまたがる日向山(404メートル)で9日に発生した山林火災について、伊勢原市は16日、鎮火したと発表した。これに伴い、日向方面の登山道の通行止めは17日以降、順次解除するという。
火災は9日午後2時50分ごろ、同市日向の浄発願寺奥ノ院から西北西の斜面で発生し、周辺の約1.3ヘクタール(速報値)を焼いた。応援要請を受けた横浜市や東京消防庁、千葉市、自衛隊の消防ヘリが計110回を超える空中消火を行い、12日には伊勢原市が延焼の恐れがない鎮圧を宣言した。
13日からは近隣自治体の協力を得て地上部隊が熱源を探る鎮火作業にあたっていた。
福岡市の商業施設でHKT48スタッフら2人刺され負傷、30代男性から事情聴取
きのう夕方、福岡市の商業施設で男女2人が男に刃物のようなもので刺された事件で、警察は30代男性から話を聴いていると発表しました。
きのう午後5時すぎ、福岡市中央区地行浜の商業施設で、ライブ観客の女性とHKT48のイベントスタッフの男性が、男に刃物のようなもので刺されました。いずれも命に別状はありませんでした。
7階の劇場にいた人 「(劇場を出たら)警察の方が6、7名いて、トイレの中やいろいろなところを探していた。まさかそんな事件が起きているとは思わず、ちょっと怖い」
2人を刺した男は現場から逃走していましたが、警察は30代男性から事情を聴いていると発表しました。また、凶器とみられる刃物も見つかったということです。
今は習近平のおかげで高支持率だが…安倍晋三氏にあって、後継者を自称する高市早苗氏にない“首相の資質”
永田町には、昔から「高転び」という言葉がある。
戦国時代、毛利家の家臣だった安国寺恵瓊(あんこくじえけい)が、当時権勢の絶頂期にあった織田信長について「信長の全盛は3年から5年で終わる。やがて公家になるかもしれないが、その後には高転びに転んでしまうだろう」と予言したことに由来すると言われている。
確かに、権力の階段を駆け上がった政治家が、思わぬことで足を掬われる。あるいは得意の絶頂のときに、突然、権力の座から転げ落ちるという事はしばしば起きる。
1997年、当時の橋本龍太郎首相は、初めての小選挙区選挙に勝利した余勢を駆って「橋本改革」に邁進しようとした矢先に、内閣改造人事でロッキード事件で有罪判決を受けた議員を起用したことで支持率が急落した。「龍さま」と呼ばれるほどの人気ぶりだった橋本氏もその後は支持率が低迷し、翌年の参院選で惨敗して退陣した。
また、2006年、小泉純一郎政権の後を継いで戦後最年少で首相に就任し、高い支持率を誇った安倍晋三首相(第1次)も、「お友達内閣」と揶揄された閣僚の不祥事などが続いて、翌年の参院選で思わぬ大敗を喫して退陣した。
いずれも永田町の「高転び」の例として筆者の記憶に残っている。驕りなのか、油断なのか、いずれにしても調子が良い時ほど、高転びに転ぶリスクが潜んでいるのが永田町なのだ。
ロケットスタートに成功して高支持率が続く高市早苗政権だが、「高転び」のリスクはないのだろうか。
就任から1カ月半が過ぎても、高市内閣は70%前後の高い支持率を維持している。
公明党の政権離脱、日本維新の会とのアクロバティックな連立合意と、難産の末に誕生した政権だが、高市首相の大胆で分かりやすい発言と行動力によって、アメリカのトランプ大統領や中国の習近平国家主席との首脳会談を相次いでこなし、新しい外交スタイルを打ち出した。
憲政史上初の女性首相、分かりやすい発言、行動力、そうした「自民党らしくない政治姿勢」が期待感につながり高支持率に結びついたことは間違いない。
しかし、その持ち味の歯切れの良い分かりやすい発言が早くも波紋を広げている。
首相として臨んだ初めての予算委員会では、立憲民主党の岡田克也氏の質問に「(台湾有事が)戦艦を使って武力行使を伴うものであれば『存立危機事態』になり得る」と答弁した。台湾有事は日本有事つまり日本も自衛隊を出動させることがあり得るという意味だ。
これに中国が激しく反応した。どのような状況にせよ中国の一部である台湾をめぐって日本が武力行使を示唆したというのが怒りの理由だ。その後中国は、経済はじめ人的、文化的交流までも制限して日本への圧力を強めている。
高市首相自身は「具体的なケースを挙げたのは反省点。今後は控える」と事実上修正したが、撤回は拒否した。
また党首討論では、「言いたくはなかったが、岡田氏が繰り返し聞くので予算委を止められないように誠実に答弁した」と岡田氏に責任転嫁するような言い方だが、いずれにしても不用意な発言だったことは認めている。しかし中国側は更に批判をエスカレートさせている。
ところが、大阪総領事の「汚い首を斬ってやる」という極めて不穏当な投稿や、訪中した外務省幹部に対し中国側の外交官がポケットに両手を突っ込んだ尊大な態度で応対したことなど、中国側の強圧的で傲慢な対応が日本の世論の反発を招く事態になった。
むしろネット上を中心に、「高市首相は当然のことを言っただけで悪いのは威圧的な中国の方だ」「同じ質問をくりかえして高市答弁を引き出した立憲民主党の岡田克也議員の責任だ」といった論調があふれている。
立憲の議員たちのもとには、「発言を引き出した岡田氏に責任がある」「中国の手先のような岡田質問は許せない」などの批判のメールが殺到している。なかには立憲支持者からの厳しい声も寄せられているという。
ある立憲の議員は「岡田氏は必要な質問をしただけで、失言したのは高市首相の責任だ」といくら説明しても全く聞く耳を持ってくれない。なかには『岡田議員は何度も中国に行っている。中国のスパイだから中国が喜ぶ質問をしたのだろう。ネット上ではみんなそう言っている』という支持者までいた」と頭を抱えていた。
SNSなどで真偽が定かでない情報が拡散することが問題になっているが、日中問題でも根拠が不明確で首をかしげたくなるような情報がネット空間を席巻している。
そういえば、高市応援団の大御所、櫻井よしこ氏も、民放テレビに出演した際、中国の主張がいかに的外れかという根拠について「ネットのみなさんがそう言っている」と発言していた。いまや学識経験者や専門家の発言より、「知らない人が呟いている」ネット上の言説の方が信頼される世の中なのだろうか。
それはともかく、中国側の威圧的な態度はエスカレートする一方だ。6日には公海上で中国海軍空母にスクランブルをかけた自衛隊機が、中国軍機にレーダー照射を受ける事案まで発生した。中国側は威嚇の意図は否定しているが、緊張状態のなかでこうした事案が起きること自体、偶発的な衝突に発展しかねず危険極まりない。
なぜ中国はここまで態度を硬化させるのだろうか。ある政府関係者はこう指摘した。
「習近平は、高市首相が歴史認識や台湾問題では中国に厳しい姿勢だと警戒して、実は首脳会談にも消極的でしたが、日中関係を重視する指導部内の側近から言われてしぶしぶ首脳会談に応じたんです。ところが高市首相が、会談の直後にAPECの台湾代表との2ショット写真をSNSにアップしたことで神経を逆なでされ、そして『台湾有事は日本の有事』という発言が出た。実は同じことを安倍元首相や麻生太郎元首相も言っていたのですが、どちらも首相を辞めた後の発言です。しかし高市さんは現職首相の発言であり、これは中国としては絶対に認められない。習近平のメンツにも関わるので、周辺も強硬姿勢を取らざるを得なくなったんです」
しかしその尊大で強引な中国の姿勢が、むしろ日本人の素朴な反中意識を刺激し、それが高市支持を押し上げるという皮肉な状況になっている。
自民党にとって日中関係は一筋縄ではいかない問題だ。
1972年、アメリカのニクソン大統領に先を越されるかたちで、日本も国交正常化に舵を切った。当時の田中角栄首相と大平正芳外相のコンビで外交交渉が進んだか、水面下での密かな折衝に一役買ったのが、当時の公明党の竹入義勝委員長だ。公明党は、それ以前から独自に中国とのパイプを築いていた。
この時、安倍派の源流でもある福田赳夫元首相率いる福田派は、親台湾の議員が多かったこともあって台湾を見捨てるべきではないと激しく抵抗した。結局、田中・大平連合が押し切るかたちで日中国交正常化は実現したのである。
もともと田中派と福田派は、「角福戦争」と呼ばれた激しい権力闘争を繰り広げていた。日中関係も、親中派が多い田中派・大平派(宏池会)と親台湾派が多い福田派の対立という図式が出来上がり、その系譜は今に続いている。
親中派の系譜には宏池会の岸田文雄元首相や田中角栄元首相を師と仰ぐ石破茂前首相がいる。一方、親台派は、福田派の流れを汲む小泉純一郎元首相、安倍元首相、そして安倍氏の後継を自任する高市首相だ。高市首相は、就任前のことし4月には台湾を訪問し現地に建立された安倍氏の銅像に献花している。
中国が激しく反発するのは高市首相が、親台派、タカ派の系譜にある政治家だと認識しているからだ。
ただ政治は、タカだ、ハトだという対立など超えて大きく動く時もある。
冒頭で高転びの例として取り上げた第一次政権の安倍元首相だが、公平を期すと、対中外交について、安倍氏はしたたかで大胆な決断を幾度かしている。
当時を知る外務省OBによると、小泉元首相の靖国神社参拝に反発して05年に中国国内で大規模な反日デモが起きるなど日中関係が危機的な状況になったとき、これを一気に打開したのが安倍氏だったという。
06年に小泉氏の後を受けて首相に就任した安倍氏は、直後に電撃的に訪中して、関係改善の糸口をつかんだ。そして「戦略的互恵関係」という大きな枠組みを提唱し、中国との関係を修復したのである。
この外務省OBは、「小泉政権末期から安倍さんは当時の外務事務次官の谷内正太郎さんらを通じて水面下で中国側と接触していた。その頃の安倍さんは親台保守派のリーダーだったから中国と手を握ることにはリスクもありましたが、国益を考えて決断した。それに保守派のスターだったから強硬派の反対を抑えることができたんです」と証言する。
タカ派で中国に対する強硬姿勢で知られる安倍氏だが、政治的には冷徹なリアリズムに立って大胆な決断をしたのだった。
その後、12年に発足した第2次安倍政権では、前任の野田内閣の尖閣国有化に中国が猛反発し、またも反日デモが繰り返される危機的な状況で政権を引き継いだ。
そして13年には右派言論人らの強い圧力に抗しきれず安倍氏自身が靖国神社に参拝して、さらに中国を刺激したが、ここでも安倍氏は外務省や経産省に加えて経済界の支援も得て翌14年には北京で開かれたAPECの場で習近平国家主席との初会談にこぎつけ、関係修復の第一歩となった。
そしてこれをもとに、二階俊博氏ら自民党の親中派の大物議員、さらには公明党のパイプも通じて、中国との関係改善を進め4年後の18年には単独で北京を訪れて日中首脳会談を実現した。
注目すべきなのは、同時にアメリカや東南アジア諸国との関係強化で中国封じ込めを狙う「自由で開かれたアジア太平洋構想」を推し進めたことだ。中国に単に譲歩するのではなく、戦略的、長期的な視点で関係をつくっていくという大きな構想がそこにあった。
台湾で銅像が建てられるほどの政治家が、国益のため地域の平和と安定を優先する冷徹な判断をし、自らを支援する勢力を説得してでも中国と大胆な妥協をしたのである。
高市首相に問われているのは、反中の世論が高まっている時だからこそ、冷静に情勢を鎮静化させて、中国に対して、振り上げたこぶしをどう降ろさせるか、そのために何をすべきかを考えることだ。
気になるのは自衛隊機がレーダー照射を受けた後もトランプ大統領が沈黙を守っていることだ。
高市首相が米空母の艦上で、ロックスター並みのパフォーマンスで日米同盟の絆を演出したのも、台湾はじめ東アジアの安定を脅かす中国への軍事的な牽制のためだったはずだ。高市首相の肩に手を回して最高の首相だと持ち上げたトランプ大統領だが、習近平主席との電話会談の後は、高市首相に中国とあまり揉めるなと「助言」したとされている。
単なる国会答弁に過ぎないことで日本と中国との関係が拗れている。こんなことで中国とのディールに影響が出てはまずい。トランプ氏にそんな気持ちがあることは想像に難くない。問題は、だとすると日本には後ろ盾が頼りにならない状態で中国と向き合わなければならないということだ。
対立が1カ月を超え、世論にも微妙な変化が現れ始めた。世論調査では高市首相の答弁に問題はないという声が依然として圧倒的に多いが、今後の経済などへの影響を懸念する声も出始めている。
政府内では問題の長期化を覚悟すべきだという声が出ているが、米中関係の行方も見通せない中で、どう事態を収拾していくのか、高市首相にとっては難しい判断が続くことは確かだ。
自民党のあるベテラン議員は、「高市は威勢はいいが、他人の言うことは聞かず、チームで支える体制もできていない。だから一時の思いつきや、その場しのぎの発言が目立つ。いち議員ならともかく、総理大臣がそれでは必ず足元をすくわれる。日中関係だけでなく、高市政権の最大の弱点はその言葉の軽さだ」と漏らしていた。
高市首相の「高転びのリスク」は、いまそこにあるのだ。
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(ジャーナリスト、元NHK解説委員 城本 勝)
「待ってろよ」広島県警が執念燃やす25年前の未解決殺人 逮捕に賭けた「今の顔」を公開
広島県大朝町(現北広島町)で平成12年12月、特別養護老人ホーム「やすらぎ」の男性施設長=当時(49)=が刺殺された事件は12月8日、未解決のまま25年を迎えた。広島県警山県(やまがた)署捜査本部は当時目撃された不審な男2人について、加齢による顔の変化を推定した新たな似顔絵を公開し、情報提供を求める。主観的な記憶に基づく「今の顔」の公開にあたっては、組織内で賛否が出たが、一切の妥協なく、解決への糸口を見いだしたい考えだ。
目撃された男2人
「似顔絵を更新しました。ささいなことでもいいので情報提供をお願いします」。今月8日朝、北広島町大朝の商業施設駐車場。署員らは訪れた買い物客らに新たな似顔絵が描かれたビラを示し、協力を呼び掛けた。
殺害されたのは郷田和昭さん。25年前の12月8日夕、勤務後に事件に巻き込まれたとみられる。胸などを計十数カ所を刃物で刺され、遺体は翌9日、ホームから約200メートル離れた田んぼで見つかった。発見現場から約100メートルの路上には、郷田さんのワゴン車が脱輪したまま放置され、シートやハンドルに血痕が付着していた。
現場には、郷田さんの財布が残されており、捜査本部は怨恨(えんこん)の線に力点を置く。収集した証拠や交友関係を徹底的に洗い出し、当時より格段に精度が向上した科学鑑定の領域からも犯人をあぶりだす。
現場付近は田畑が広がる農村地帯で人の往来も少ない。防犯カメラも普及していなかった。手がかりが限られる中で、捜査本部が追いかけるのは不審な男2人だ。
捜査本部によると、事件発生前の8日夕、ホーム駐車場や周辺で郷田さんと話す姿が目撃されている。現在も施設で働く60代女性は勤務を終えて車でホームを離れる際、駐車場で郷田さんと男が向かい合っているのを運転席から見た。
男は背が高く、痩せ形だったという。「真剣な雰囲気。今のように電灯がなく、相手の顔までは分からなかった」。女性は取材に、当時の記憶をたどる。遺体発見現場付近の路上でも別の職員が、郷田さんがこの男らしき人物と話している姿を目撃した。
これらより前の時間帯にも、隣町(旧千代田町)の国道261号沿いのガソリンスタンド(当時)で、車で乗り付けた男が施設の場所を尋ねたという。
あらゆる手尽くす
事件から約5カ月後に公開された似顔絵の男2人はこうした目撃証言が基になっている。ただ、長い年月とともに人相は変わる。県警は新たな似顔絵の作成に着手した。
実際に描いたのは写実にたけた県警鑑識課の似顔絵捜査官だが、加齢変化の推定などの技術を持つ科学捜査研究所の研究員の知見を取り入れた。
もっとも、手配写真などを基にした推定ではなく、似顔絵は目撃者の記憶に依拠するため不確実性を伴う。捜査関係者によると、組織内からは確度の低い手がかりを更新し、公開する意味を問う声も出た。新たな似顔絵のイメージに影響され、目撃者の記憶の変容を呼び起こすリスクもある。
同時に、情報提供が年に数件にとどまる中で人々の記憶の断片を手繰り寄せる必要もある。「少しの可能性に懸けてやる価値はある」(県警幹部)との判断に傾いた。
福岡県警本部長や警察大学校長などを歴任した田村正博・京都産業大教授は「(新たな似顔絵公開で)誤解に基づく情報提供が寄せられたとしても、捜査を進展させるきっかけになるかもしれない。殺人事件の公訴時効はなく、警察は被害者遺族と同じ思いを共有できる。公開はあらゆる手を尽くすという県警の姿勢の表れだ」と指摘する。
殺人など凶悪事件を担当する県警捜査1課にも在籍した山県署の小田豊署長は同僚が施設長刺殺事件の解決へ汗を流す姿を折に触れて見ていた。
「被害者は戻らず、ご遺族にとって終わりはないと思うが、一日、一時間でも早く検挙したい。犯人には『待ってろよ、必ず召し捕る』と言いたい」
「コールドケース」とも呼ばれ、長らく未解決だった名古屋市の主婦殺人事件は今年、26年の歳月を経て、容疑者逮捕に至った。広島県警の捜査員も施設長刺殺事件の全容解明へ執念を燃やす。
情報提供は広島県警山県署捜査本部(0826・22・0110)へ。県警のホームページでも事件の詳細を掲載している。(矢田幸己)
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郷田さん遺族のコメント 悲惨な事件が発生して、25年の年月が経(た)ちましたが、故人のことを忘れることはありません。一日も早い犯人の逮捕を望んでおります。
上野の双子パンダ、1月返還へ 50年ぶり国内飼育ゼロに
上野動物園の双子のジャイアントパンダ、雄シャオシャオと雌レイレイが来年1月下旬に中国へ返還されることが15日、関係者への取材で分かった。国内で飼育されるパンダは約50年ぶりにいなくなる見通しとなった。2頭は繁殖研究目的で貸与された親から生まれたため所有権は中国にあり、返還期限が来年2月に迫っていた。都によると最終観覧日は1月25日。
今年6月、和歌山の「アドベンチャーワールド」の4頭が中国に返還され、国内での飼育は上野の双子だけとなっていた。台湾有事に関する高市早苗首相の発言を機に日中関係は悪化しており、新たな貸与は見通せない。市民に親しまれた「友好のシンボル」が国内から姿を消す。
上野動物園では92年に来日した雄のリンリンが08年に死に、パンダの一般公開が一時途絶えたが、東日本大震災直前の11年2月に雄リーリーと雌シンシンが来日した。
2頭の間には17年に雌シャンシャン、21年に双子のシャオシャオとレイレイがそれぞれ誕生した。