【解説】日の丸を破いたら“罪”に? 「国旗損壊罪」創設へ初会合【イチから確認 高市政策】

高市政権が進める政策や法案について、そのポイントをイチから確認していきます。自民党は31日、日本の国旗を損壊する行為を処罰するいわゆる「国旗損壊罪」の創設に向け初会合を開きました。今回は「国旗損壊罪」をめぐる議論について解説します。
日本には外国の国旗を傷つけた場合は罪になる法律があるんですが、日の丸にはないため、保守派の議員などから新たな法律が必要との声があがっていました。
主な論点は3つあります。
・「国旗」とは何をさす?
・「損壊」とはどんな行為?
・罰則について
まず、ひとつめは「国旗」とは何をさすかです。日本の国旗は私たちのよく知る「日の丸」です。実は、「日の丸」は法律で縦と横の比率などが厳密に決められていて、「白地」に赤い部分は「紅色」と定められているんです。そのため、法律上はサイズや色が少しでも違えば「日の丸」とはみなされません。
今回の法案で、対象を厳密な「日の丸」だけに限るのか、対象を拡大し自作したものや、日の丸風のデザインなどまで含めるのか、慎重な議論が求められます。
――次のポイントは「損壊」とはどんな行為かです。スポーツの現場で日の丸を持って走ったりする選手がいますが、途中で落として汚したり、傷つけてしまった場合は罪になるんですか?
誤って傷つけてしまった場合は罪にはならない見通しです。一方で、「侮辱」する目的で損壊した場合は罪に問われる可能性があります。
ただ、アートやデジタル作品、さらには風刺的な表現などで「表現の自由」が「侮辱」とされてしまうことがないか、極めて慎重に議論することが求められます。
憲法学者である武蔵野美術大学の志田陽子教授は、「社会的につらい立場にある人の言葉は、乱暴になりやすく『侮辱』ととられかねない。これを処罰すれば個人の思想信条の自由に踏み込むことになる」と警鐘を鳴らしています。
会議の主要メンバーの議員からは、「『侮辱』かどうか客観的に判断できるようにする必要がある」との声があがっています。
――3つめのポイントは「罰則」です。法案には罰則がつくんでしょうか?
罰則については海外の事例も参考にする方針です。まず、ドイツ、中国、韓国などでは懲役や罰金が科されます。一方、アメリカは「罰金」などを科す法律がありますが、「表現の自由」を理由に違憲であるとの判決が出ています。また、イギリスやカナダにはこうした法律はありません。
自民党は、現状では罰則を設ける方向で議論を進める方針です。一方、国民民主党の玉木代表は「内心の自由は憲法上で最も保護される権利だ」としたうえで、罰則を科してまで今回の法律で何を守るのかと疑問を呈しています。
また、志田教授は「萎縮効果があり、政府に批判的な言論が抑えられてしまう懸念がある」と指摘しています。
政府・与党は今の国会での法案成立を目指していて、今後、議論が本格化する見通しです。

「周り巻き込んで死ぬ」=東京・池袋の女性刺殺で死亡の男―警視庁

東京都豊島区東池袋の商業施設でアルバイトの女性(21)が刺殺された事件で、元交際相手の職業不詳、広川大起容疑者(26)=死亡=が昨年12月にストーカー規制法違反容疑で逮捕された際、「周りを巻き込んで死ぬことを考えてしまう」という趣旨の供述をしていたことが31日、捜査関係者への取材で分かった。
当時、果物ナイフを所持していたといい、警視庁は交際関係を解消された同容疑者が自暴自棄になり、女性を襲ったとみて調べている。
同庁によると、昨年12月25日、「元彼が付きまとってくる」と相談してきた女性を自宅に送り届けた際、広川容疑者が女性宅付近にいたためストーカー規制法違反容疑で逮捕した。近くに駐車していたレンタカーから果物ナイフを発見し、今年1月に銃刀法違反容疑で追送致した。
捜査関係者によると、同容疑者は逮捕後の調べに対し、「復縁したかった」「自殺を考えていた」と供述。さらに、「周りを巻き込んで死ぬことを考えてしまう」という趣旨の話をしていたという。
同容疑者は同30日に略式起訴され、罰金を支払って釈放された。
事件は3月26日夜、女性が働いていた商業施設「サンシャインシティ」内にある「ポケモンセンターメガトウキョー」で発生。同容疑者が女性や自らの首付近を果物ナイフで複数回刺し、いずれも死亡した。 [時事通信社]

“突風”か 枕崎市でビニールハウス17棟が倒壊 農家「がっくり」気象台が現地調査

全国的に春の嵐となった31日。枕崎市では、17棟のビニールハウスが倒壊するなどの被害が出ました。気象台は突風が吹いた可能性があるとみて、原因を調べています。
骨組みがゆがみ、潰れてしまったビニールハウス。風に飛ばされたのでしょうか、地面にはこれから旬を迎えるソラマメが。木も根元から折れてしまっています。
突風と見られる被害があったのは枕崎市。午前2時すぎに最大瞬間風速20.7メートルを観測し、これらの被害も未明に発生したと見られています。市によりますと、白沢西町とあけぼの町で計17棟のビニールハウスが倒壊し、屋根がはがれるなどの被害も。ケガ人はいませんでした。
(農家)
「がっくりだな。(生育が)だいぶ遅れると思う」
(農家)
「これから大きくなっていくのを楽しみにしていた。そしたら一晩でこんなでしょ」
31日午後には、鹿児島地方気象台の職員が現地を訪れ、被害状況の確認や原因の調査を行いました。
(鹿児島地方気象台・高田朋尚調査官)
「突風と思われる被害。季節の変わり目で。雨雲が発達したり積乱雲の通過でこういった現象が起こりやすい。必ずしもここだけではないので、どこでも起こってもおかしくない」
4月1日に詳しい結果を発表するということです。
4月1日も大気の状態が非常に不安定となる見込みで、種子島・屋久島地方と奄美地方は、竜巻などの激しい突風や激しい雨に注意が必要です。

京都・小5男児の行方不明から8日 消防団“捜索当初リュックなかった”

男の子が行方不明になった翌日から捜索する消防団長は「ある違和感」を覚えていました。29日に発見された男の子のリュックが捜索当初、同じ場所では見つかっていなかったことが新たに分かりました。
【画像】リュックの発見場所は?
男児不明から8日 捜索で違和感
捜索にあたる南丹市消防団長
野中大樹さん

「発見された所はもちろん捜索対象になっていて、何回も確認、捜索はしたはずだが、29日に発見されたということでショックなりいろいろあるが、複雑な気持ち」
京都府南丹市で行方不明になっている小学5年生の安達結希さん(11)。31日午前、捜索にあたる地元消防団長が取材に応じました。
「23日、今月の月曜日。卒業式に登校したはずの5年生児童が行方不明という情報を得たのは、翌日24日の午前10時前ですね。あらかじめ役付けの人には連絡しておいたが、すぐに10時ぐらいになったら消防団にも出動要請がかかって」

「当日は平日午前10時で、消防団員は仕事を持ちながらの活動なので。そしたら皆さん小学5年生

ということで、心配してまして。どうにか仕事を続けて当日206人の消防団員に集まってもらい、警察、消防署、消防団と合同の捜索チームを作り立ち上げて、それから園部中一円を捜索した」

「警察から情報をもらったのが『放課後児童クラブの校舎の前で降ろした後、一切の足取りがつかめません』『それで捜索をお願いしたいんです』と」
捜索は、どのように行われたのでしょうか。
「通行者や工事現場のガードマンとか、いろんな買い物をする所に『見かけなかったか』という声がけをしながら、午後3時30分ぐらいまでいたが何ひとつ手がかりなく」

「学校のすぐ校舎が北側にあるが、この山一帯を山狩りと、途中、防空壕(ごう)とか何カ所かあるので、その辺りも消防団員が洞窟の中に入っていって見たり。消防も入って見たりしているが、手がかりがなかった。初日は」
一度探した場所も、人を替え捜索したそうです。
「同じエリアを、今度は目を変えるのに担当した地域を変えながら捜索。目が変わればまた見る時も変わるということで、自宅周辺も含め捜索を重点的にしたが。まして、これから農業用水としてためている池まで抜いてもらって、もしはまっていたらいけないということで。それでも何も手がかりなく

28日を終えたところです」
日曜日に手がかりが…
消防の捜索が手詰まりとなる中、大きな手がかりが見つかったのは29日。親族が黄色いリュックを発見します。発見した場所は山間の道路付近で、消防団が初日から捜索していた場所だということです。
警察から、リュックが発見された詳細な場所も聞いたそうです。見つかったのは、小学校から北西およそ3.5キロにある山間。
「(Q.親族がリュックを発見した)3日間出動した(24・25・28日)。発見された場所は捜索対象。何回も確認・捜索はしたはず。29日の(リュック)発見は若干の違和感・ショック。複雑」

「(Q.リュックが見つかった『山中』とは)私も現場近くまで行った。林道から見える範囲じゃないか。道路から見える範囲。親族が見つけたのは道路上から」

「こういう(草木の)緑の中で黄色は目立つ。黄色いリュックという情報で捜索しているので、消防団員が見かけたら必ず発見していたと思う。2、3回行って発見できず、29日に親族が発見。ショックでもある。同じエリアは何回も(捜索に)行った」
建物も少なくなり、隣町へ続く交通量の少ない道路となっています。
近隣住民

「朝晩は結構通り抜けしている」

「(Q.街灯などは…)何もない。真っ暗。(通るのは)地域の人が多い」
当初見当たらなかったリュックが6日目に見つかったことは、何を意味するのでしょうか。
元警視庁刑事 吉川祐二氏

「以前にも、このような件はある。前日、見た所で証拠品・遺留品が発見されるパターンはある。本人の意思、第三者の介在、可能性は非常に高い。いいかえれば事件性も強くなっている」
見つかった場所が山深い場所ではないことは、どういう意味があるのでしょうか。
「これは本人ではなく第三者が介在しているなら、何らかの形で急きょ遺留しなければならない。通行人・車が来たことが考えられる。遺留した人、本人も含めて、違和感がある動きがある」
電車・バスに乗った形跡は
安達さんは23日朝、父親に小学校付近にある駐車場まで車で送り届けられた後、行方が分からなくなりました。
野中さん

「(Q.親御さんには会った?)捜索する前に『お願いします』と。5つの班分けした中に、お二人がそこの班ごとに『お願いします』と頭を下げてまわっていた。早く見つけてほしい。それしかない。普段『訓練はやめておこう』という団員まですぐ駆け付けた。やっぱり人の命は大事なので」
安達さんの足取りについて、もう一つ分かったことがあります。警察への取材で、安達さんは電車やバスに乗った姿が確認されていないことが分かりました。
「今、全然情報もなく突然失踪みたいな形になって、親御さんだけでなく南丹市民も今不安だらけだと思う。一日も早く保護され、元気な姿を見せてほしい」
情報提供:京都府南丹警察署
0771-62-0110
(2026年3月31日放送分より)

青森知事、再処理工場の審査遅れ指摘 使用済み核燃料搬入認めず

原発から出る使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設を巡り、青森県の宮下宗一郎知事は31日、2026年度分の核燃料の搬入を容認しない方針を明らかにした。26年度は東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)から使用済み核燃料60トンを搬入する計画だが、実施できなくなる可能性がある。
中間貯蔵施設は、原発の敷地外で、使用済み核燃料を再処理するまで保管する国内唯一の施設。
宮下知事は報道各社に、最長50年間の保管後に搬出先となる日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)に関して原子力規制委員会の審査が遅れていると指摘。再処理という“出口”が見えない限り「なし崩し的に使用済み核燃料が搬入される環境を作るわけにはいかない」と述べた。また「(再処理工場の審査が)のびのびになっていることが、核燃料サイクル全体に大きな影響を及ぼしている」と日本原燃を批判した。
日本原燃は当初、規制委の審査会合での説明を25年11月に終了できると見込んでいたが、現時点で終わっていない。今後、審査に進展があった場合について宮下知事は「仮定の話に申し上げることはない」と述べるにとどめた。
中間貯蔵施設は「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が運営し、東電と日本原子力発電の原発から出る使用済み核燃料を保管する。24年に稼働し、これまでに36トンを受け入れている。
搬入を認めるかどうかについて、県は毎年度、再処理事業などの実施環境を確認した上で判断する取り決めを国と結んでいる。県の判断に法的拘束力はないが、原子力事業者は県の同意を重視している。
日本原燃は31日、規制委への説明を「あと2回で終了し、見通しをつけられるよう取り組む」とするコメントを出した。【足立旬子、米江貴史】

異例事態「すごいこと起きた」“1票差の町長選”再点検へ 栃木県那須町

その差、わずか「1票」でした。大接戦となった町長選挙。敗れた候補者は票の「数え直し」を訴えています。一体、どうなるのでしょうか。
【画像】「初めてのこと」行政も驚きの事態
異例事態「すごいこと起きた」
町民(60代)

「すごいことが起きた。いろんな人が、この話題について話している」
町民も…行政も、驚いています。
那須町 総務課 池沢秀勝課長

「那須町では過去に、こういった事例はなかった。初めてのこと」
栃木県那須町。自然豊かなリゾート地として知られるこの町で今問題となっているのは、9日前、今月22日に実施された那須町の町長選。現職の平山幸宏さんが3回目の当選を果たしましたが、この結果について5日後に、再点検=票の数え直しをするというのです。
選挙実施から2週間後の異例の再点検。一体、何があったのかというと…。
1万人以上が投じた票が、ほぼ真っ二つに…。この結果に、異議を申し立てたのが、わずか1票差で2位だった小山田典之さんです。
「(結果に)『驚いた』ほうが大きかった。その後に、だんだん悔しさが出てきた。“受け入れられなかった”というのが本音。こんなことが本当にあるのか、間違いじゃないのか」
開票に誤りがあった可能性はあるのでしょうか?町の総務課に聞きました。
池沢課長

「トータルすると3回、名前をチェック。トリプルチェックしている」
那須町によると、今回の開票では職員が交代するかたちで合わせて3回、目視による確認が行われたといいます。
「選挙管理委員会としては、ここまでチェックしているので(誤りは)あまり考えられないが、それも含めて再点検をする」
今回、投票者の総数は1万566人。そのうち平山氏が5099票、小山田氏が5098票、3位だった候補が229票で、無効票が140票でした。
1票差で落選した小山田さんが疑問視するのは、この「無効票」の扱いです。
池沢課長

「(小山田氏側から)“無効票の中に、本来なら有効票とみられるものがあったのではないか”“そういったものの点検をお願いしたい”と申し出があった」
小山田さん

「何かの間違いがあるかもしれないし、そういった誤差が出て、この1票差になったと思う。そこは真実をしっかり明確にしていただきたい」
“1票差の町長選”再点検へ
実はわずか“1票差”で再点検を行ったケースが、過去にも…。
例えば、2015年に実施された神奈川県相模原市の市議会議員選挙。この時、立候補した小林丈人さんはギリギリ当選したものの、次点だった候補が異議申し立てを行い再点検することに。
担当者

「再点検の結果…」
その結果、なんと次点だった候補の有効票が見つかり、当選者が入れ替わりました。
再点検で“逆転落選” 小林丈人さん

「(Q.こういった経験は?)もちろん、初めて」
逆転で落選となった小林さん。当時の心境を聞くと…。
「自分自身が頑張ればもうちょっと票を、安心できるような票を取れたかなという思いはあった。その当時は」
投票結果の再点検が繰り返し起きていることについては…。
「日本の場合は即日開票だから、夜中までに結果を出す。現場の職員さんも本当に大変だと思う。プレッシャーの中で開票作業するので。(確認を)徹底してもらうことしかないのかな。ただ、選挙はドラマチックなことも起こる。選挙の面白さもあらわれるケースではあるかな」
果たして、那須町ではどのような結果が出るのか。再点検は来月5日に行われます。
(2026年3月31日放送分より)

民営の火葬料金、8万円以上が7割 高騰受け東京都が調査

東京都は31日、火葬場の運営に関する実態調査の結果を公表した。調査に応じた都内外の民営火葬場の約7割が火葬料金を8万円以上に設定していた。
23区で火葬料金が高騰しているという指摘を受け、都は2025年12月~26年3月、都内外の公営・民営火葬場計44施設と都内外の計75区市町村を対象に火葬場の運営実態に関する調査を実施した。
その結果、都内の民営火葬場は8カ所すべての火葬料金が8万円以上だった。公営火葬場は約9割が当該の住民は無料または2万円未満に設定する一方、住民以外は6万円以上としている施設が約7割だった。
直近3年間で物価高騰などを理由に料金改定した火葬場は公営が臨海斎場、八王子市斎場、南多摩斎場、日野市営火葬場の4カ所、民営が戸田葬祭場、多磨葬祭場、葬祭会社「東京博善」(港区)が運営する都内6斎場など計9施設だった。
都は火葬場の需要増に対する意見も収集。公営の火葬場では、現状でも住民以外を受け入れる余力がほとんどないとしている。今後需要がさらに増えた場合は当該住民を優先し、運営日数や時間帯を増やして対応するといった方針が多かった。
一方、民営の火葬場では現状で稼働率に余裕がみられた。
都は今後、都内自治体や有識者らで構成する検討会を設置。調査結果を基に火葬能力の確保や火葬場の適切な経営管理について議論する。【加藤昌平】

宮崎県知事選に出馬意向の東国原氏「宮崎はまだまだ伸びしろがある」

来年1月に任期満了を迎える宮崎県知事選に出馬する意向を固めた元同県知事の東国原英夫氏(68)が30日までに都内で取材に応じ、宮崎の未来について語った。九州内の地域格差、観光の停滞、外国人労働者の必要性、行政のAI化、新幹線構想まで披露した。現職の河野俊嗣氏(61)が5選を目指し、出馬すると表明している。前回2020年12月の知事選では、異例の「現職VS元職」対決となり、事実上の一騎打ちに。大激戦を演じたが、約2万3000票差で敗れている。元県議の右松隆央氏(57)も立候補を表明している。

―決戦を迎える心境は。
「平常心です。3年前から決めていたことでもあり、もともと選択肢の一つでした。ですから、『いよいよだ』という高揚感が特別にあるわけではありません。ここまでの3年間の活動の延長線上に、今があるという感覚です」
―この3年間、地元・宮崎をかなり回ってきたそうですね。
「YouTubeの撮影も含めて、さまざまな地域を回り、ごあいさつもしてきました。そうした中で、宮崎の現状や地域ごとの空気感に触れる機会は多かったですね」
―九州の中での宮崎の位置付けは? 福岡県に勢いがあるように思うが。
「九州には、昔から東西格差と南北格差があります。北の方が栄え、西の方が新幹線も含めて活力がある。その中で東南に位置する宮崎は、どうしても活力に欠ける側に置かれてきました。歴史的にも『陸の孤島』と呼ばれた時代があったほどです」
「かつては新婚旅行ブームで『日本の南国』としてにぎわいましたが、沖縄の返還や海外旅行の一般化で、その立ち位置は変わりました。それでも宮崎は『ちょうどいい南国』としての魅力を持っている。問題は、その価値をどう現代的に再構築するかです」
―宮崎の基幹産業の現状をどう見ていますか。
「今も農林水産業と観光サービス業が基幹産業だと言われていますが、農業生産額は全国で5~6位だったのが、7位まで落ちています。観光も厳しい。特にインバウンドが非常に少なく、コロナ後の回復でも、ほかの都道府県ほど戻っていない。観光面でなおコロナ前の水準に達していないことが、県全体の活力を引き下げている面はあると思います」
―では、今後の政策はどのように打ち出していく考えですか。
「今回は記者会見で細かな政策を一気に発表するつもりはありません。まずは全体の骨格を示し、その後はブロードリスニング、つまり幅広く県民の声を聞きながら、夏ごろまでに練り上げていくつもりです。改めて政策発表の場を設けたいと考えています」
―賛否を呼びそうな「目玉政策」もあるとか。
「『目玉』というより、ハレーションが起きるような案はあります。賛否両論は出るでしょう。ただ、それをそのまま出すかどうかも含めて、県民の意見を丁寧に聞きながら最終的に判断したい。政策は、一方的に押し出すだけではなく、対話を通じて仕上げるべきだと思っています」
―現職の河野氏は5選を目指すとしています。首長の任期、多選の是非についてはどう考えますか。
「私はもともと、多選はあまり良くないと考えています。長く続けば、弊害や閉塞感、硬直化が生じやすい。県民がどう判断するかは別として、少なくとも私はそう思っています」
「首長としての一つのスパンは10年くらいではないかとも感じています。今の4年任期は少し短く、8年だと、やや中途半端。むしろ1期5年で2期まで、というような仕組みの方が、為政者にとってもわかりやすいのではないか。そんな考えを持っています」
―では、10年後の日本、宮崎をどう見通しますか。
「日本全体では人口減少がさらに進むでしょう。宮崎も例外ではありません。その中で、外国人労働者の存在は今以上に重要になると見ています。宮崎では、企業に話を聞くと、すでにベトナム、インドネシア、タイ、ミャンマーなどから人材を受け入れている。実際には大きな軋轢(あつれき)は少なく、地域として極端な拒否感もそれほど強くないと感じています」
―労働力不足への対応として、AIやロボット化はどこまで進むと見ていますか。
「生産性を上げるには、デジタル化、ロボット化、AI化は待ったなしです。10年後には、単純作業の2割から3割くらいはロボットが担っていてもおかしくない。行政も同じで、役所の事務も2割、3割はAI化・自動化していく必要があると思っています。そうなれば効率が上がり、残業も減り、余暇も増える。労働人口が減っても、社会を回していく余地が生まれます」
―前回知事選では宮崎の将来インフラとして、新幹線にも言及していました。 「宮崎県の10年後を考えたとき、新幹線を通しておかなければならないと思っています。今の時代は、20年、30年かけてゆっくり考える余裕がありません。新幹線を通すためには、その前提として何が必要かを逆算しなければいけない。人の流れをどう作るのか、何を整えるのか、そこまで含めて考える必要があります」
「(10年後)人口は90万人程度になるかもしれません。そのとき、26市町村がどう持ちこたえているのかが大きなテーマになります。特に中山間地域をどう支えるか。自動運転、ロボット、ドローン、デジタル化、AI化をどこまで実装できるかが、地域の持続可能性を左右すると思います」
―宮崎には伸びしろがある、と。
「私は、宮崎にはまだまだ潜在能力があると思っています。現状に課題があるということは、裏を返せば伸びしろが大きいということでもある。言ってみればブルーオーシャンです。リニアモーターカーの実験は、もともと宮崎で進めていました。先端技術の実証実験を受け入れる土壌が以前からあったのです。だったら今こそ、地方の中山間地域における自動運転、AI化、ライドシェアなどの実証実験を積極的にやるべきだと思います。『実験場』という言い方は聞こえがよくないかもしれませんが、未来のモデル地域になると思います。

「杉原千畝」講演会延期、早稲田大が国際情勢など踏まえ…識者「親イスラエルと見なされる状況警戒か」

早稲田大の大隈講堂(東京都新宿区)で4月に開催予定だった杉原千畝(1900~86年)に関する講演会が延期されることがわかった。早大側は、国際情勢など様々な状況を踏まえ、来場者らの安全確保などを考えて判断したとしている。
杉原は、第2次世界大戦中、リトアニアの領事館でユダヤ人に日本通過ビザを発給した外交官。早大高等師範部(現・教育学部)で学んだ杉原の没後40年などを記念し、4月14日に「NPO杉原千畝命のビザ」の主催で開く予定だった。講演者には、杉原が発給したビザで日本に到着したユダヤ系ポーランド人の子どもや、杉原の孫・千弘さんが予定されていた。
早大広報室によると、外部団体などからの働きかけがあったわけではなく、特定の国・地域、立場への支持や評価を示す決定でもないという。「主催者が調整・準備を進めているのに、ご迷惑をおかけして大変心苦しい」などとコメントしている。
杉原を研究する名城大の稲葉千晴教授は「杉原について講演をすることが親イスラエルと見なされてしまう状況がある。警備などで万が一のことがあってはいけないと考えたのではないか。文化的な話が国際政治にすり替えられてしまうのは悲しい」と話している。

99年主婦殺害、夫が賠償請求 名古屋地裁、民法の規定どう判断

1999年に名古屋市西区のアパートで主婦が殺害された事件で、夫の高羽悟さん(69)が、殺人罪で起訴された安福久美子被告(69)に損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。高羽さんが30日、地裁前で報道陣の取材に明らかにした。賠償請求額は非公表。
民法は不法行為から20年で損害賠償請求権がなくなると規定している。安福被告が昨年10月31日に逮捕されるまで、高羽さんは請求の相手が不明なまま20年以上が過ぎた。訴訟では規定がハードルとなる。
高羽さんは民法の規定について「請求先がやっと分かったのに、裁判自体が排除されるのは社会正義に反する」と提訴の理由を説明。訴訟を通じて「未解決事件の遺族が20年たっても損害賠償で提訴できるような道筋をつけたい」と話した。
事件で高羽さんの妻奈美子さん=当時(32)=が殺害された。捜査は難航し、容疑者が特定できない状態が長く続いた。現場に残された血痕と安福被告のDNA型が一致し、愛知県警が逮捕。名古屋地検は今月5日に起訴した。