「安倍氏以外の政治家では弱い」法廷で見せた被告の本音 事件の目的問われ15秒沈黙も 銃撃裁判・被告人質問3回目詳報

令和4年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)の第12回公判が2日、奈良地裁で開かれ、3回目の被告人質問が行われた。被告は事件当日の状況や心境などを供述。安倍氏を標的とした理由については、安倍氏以外の「ほかの政治家では意味が弱い」と述べた。
前回の被告人質問は、検察側が銃の自作を始めた経緯や製造方法などを尋ねたところまで進んだ。この日は引き続き検察側が、事件前日の7月7日の行動についての質問から始めた。被告は7日未明に自宅近くにあった教団の関連施設に向けてパイプ銃を撃って壁を損壊させたことを認め、その理由を説明した。
検察官「撃った理由は」
被告「(旧)統一教会に怒りを感じているということを示すために撃った」
検察官「撃ち込みの時点では、安倍氏を狙うことを決めていた」
被告「そうです」
検察官「怒りの対象が統一教会だということを示すために撃った」
被告「はい」
検察官「本来の怒りの対象は安倍氏ではなく、統一教会か」
被告「はい」
検察官「それを示すために、先に統一教会に撃ち込みをしたのはなぜ」
被告「統一教会の関係者であれば、安倍元首相と(教団との)関係が深いのは常識。一般社会ではそうではないので、あらかじめ示しておかないと、違う理由が取り沙汰されると思った」
安倍氏の奈良入り 「まさか自分が銃撃に失敗した翌日に」
帰宅して睡眠をとると、今度は別のパイプ銃をショルダーバッグに入れ、岡山市に向かった。
検察官「目的は」
被告「参院選の応援演説に訪れる安倍元首相を襲撃するため」
検察官「(会場の)岡山市民会館に行ったが、襲撃できなかった。なぜか」
被告「出入りを狙うことにしていたが、車を横付けするような具合で、銃撃の機会がなかった」
検察官「(奈良の自宅に帰る)電車で自民党のホームページを見て、翌日に(奈良で)応援演説をすると知った」
被告「はい」
検察官「街頭演説を知り、どう考えた」
被告「(約10日前にも)安倍元首相が奈良で応援演説をしたと知っていたので、まさか自分が銃撃に失敗した翌日に、もう一度来るとは思いもしなかった。偶然とは思えないような気もした」
検察官「それで翌日、安倍氏を襲撃しようと考えた」
被告「はい」
撃つ瞬間「何も考えないように」
質問は7月8日の銃撃事件当日の話に移る。演説会場の奈良市の近鉄大和西大寺駅前に午前10時ごろに到着して待つ中、午前11時17分に安倍氏が現れた。
検察官「様子を見て、どんなことを考えていたか」
被告「本当に来たんだなと思った」
検察官「どういうタイミングで近づいた」
被告「銃撃するなら後方から。真後ろに警備がいて、どうしたものか、このまま演説が終わってしまうのではないかと思った。横の方がいいかと考えていると、後ろの警備が移動したので、これも何かの偶然かと、偶然とは思えない何かと思ったので『今だ』と」
検察官「撃つ瞬間は何を考えていたのか」
被告「(射撃に関する)何かの本で『射撃の心得はなるべく無心で撃つ』とあり、何も考えないようにしていた」
検察官「それは家にあった本か」
被告「あったと思う」
検察官「ほかの人に当てないように、何か手立てはあったのか」
被告「自分の撃った場所からは(安倍氏の周りに立つ人まで)広がらないだろう、20メートルほど離れていれば威力も落ちるという見通しがあった。90メートル以上離れた(立体駐車場の)壁にめり込んでいたというのは考えづらい結果だった」
目的果たしたかの問い 「お答えできかねる」
その後、質問者は裁判所側に移り、「なぜ安倍氏を標的としたのか」という核心部分に踏み込んだ。これまでの公判で被告は、安倍氏が事件10カ月前の3年9月、教団の友好団体に対して好意的な内容のビデオメッセージを寄せていたことを指摘し、「『困る』という感情だった」などと述べていたものの、事件にどうつながるかは判然としていなかった。
裁判員「『困る』ということから殺人にいたる心情の変化は」
被告「困惑した、失望したというか。今後も安倍元首相と統一教会の関係が公に増えるとすれば、統一教会が公的に認められる。それは受け入れがたいので、安倍元首相に対する表面に出る強い怒りではないが、心の底に引っ掛かり続けることで嫌悪感、敵意が徐々に強まった。そうした中で、ということかと思う」
裁判員「事件後に統一教会を巡る動きがあった。目的は達成したのか」
被告「非常にいろいろな問題を含むので、お答えはできかねます」
裁判官「前提として、今回の事件の目的は何だったのか」
下を向き、15秒間ほど沈黙した後、被告は口を開いた。
被告「別の機会に答えさせてもらえればと思います」
裁判官「銃撃の対象をいつごろ安倍氏にすると決めたのか。ビデオメッセージがどうつながったのか」
再び沈黙する。
被告「もう少し、考えさせていただければと思います」
回答を避けた被告だが、質問が続くと、ある程度具体的な内容を答えるようになった。
裁判官「犯行は旧統一教会への怒りや恨みや葛藤からになるのか」
被告「はい」
裁判官「そういった感情は母親には向かわなかったのか」
被告「そういうこともあった。パイプ銃の試射をしている期間」
裁判官「実行しなかった理由は」
被告「(教団幹部の襲撃が)できなくなる。そもそも母が献金している統一協会に抗議したかった。母個人ということでもない」
裁判官「(教団本部がある韓国にいる幹部ではなく)国内の統一教会関係者を狙うことは考えなかったのか」
被告「日本の幹部を襲撃したとしても解決にはならない」
裁判官「解決とは」
被告「統一教会への献金や家族の不和、争いごとを無くすこと」
裁判官「安倍氏以外の政治家は対象にはならなかったのか」
被告「私の認識だが、安倍元首相は統一教会と政治との関わりの中心にいる方だと思っていた。ほかの政治家では『意味が弱い』と思った」
裁判官「殺人を思いとどまることはできなかったのか」
被告「銃の製造に費用や時間がかかった。経済的に行き詰まり、やめると『何のためにこんなことをしたのか』となる。統一教会に対してさらに敗北したようなことは避けたかったので、思いとどまることはなかった」
事件当時「破綻してしまう可能性あった」
その後、弁護側の質問では被告が銃撃の約1時間前に現場近くで参院選の期日前投票を行い、自民候補者の佐藤啓参院議員(官房副長官)に一票を投じていたことが明らかに。安倍氏が応援のために演説していた本人で、被告は「襲撃を実行すれば演説が中止になり、そこにいる候補には迷惑になるので」と述べた。さらに検察側の再質問では、事件当時の生活状況を確認した。
検察官「教団幹部を狙わないことにした理由は、いつになっても来ないし、経済的に待てないと思ったからか」
被告「何もできなくなるよりは、今やった方がいいと考えた」
検察官「令和4年以降、幹部はほとんど来なかった」
被告「はい」
検察官「4年7月は経済的に行き詰まっていた」
被告「完全に行き詰まっていたわけではないが、破綻してしまう可能性もあった」
検察官「経済的な理由のため、対象を安倍氏に変更したのか」
被告「そういった要素もあったかと思う」
この日の被告人質問はここで終了。宗教社会学者への証人尋問をはさみ、12月3日午後に次回の被告人質問が行われる。

再逮捕へ警視庁暴力団対策課の警部補の男(43)スカウトG「ナチュラル」に約20か所のカメラの場所のリストを漏らしたか 警視庁

スカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を漏洩したとして警視庁暴力団対策課の警部補が逮捕された事件で、警視庁がきょう、警部補を再逮捕する方針を固めたことがわかりました。
捜査関係者によりますと、警視庁がきょう再逮捕する方針を固めたのは警視庁暴力団対策課の警部補、神保大輔容疑者(43)です。
神保容疑者は今年7月下旬、「ナチュラル」関係者に対しグループが独自に開発した特殊なアプリを使い、捜査のために設置したおよそ20か所のカメラの場所のリストを漏らした疑いがもたれています。
神保容疑者をめぐっては今年4月と5月、「ナチュラル」に対して関係先に設置した捜査用カメラの画像数枚を漏洩したとして、先月、警視庁に逮捕されていました。
捜査関係者によりますと、今年8月に神保容疑者の自宅を捜索した際に現金900万円が押収されていて、捜査情報の見返りとして受け取った可能性もあるとみて捜査を進めています。
警視庁によりますと、神保容疑者はおととしから今年3月までの間、「ナチュラル」が関与する事件の捜査に携わり、組織犯罪の捜査を14年間担当していました。
「ナチュラル」は女性をスカウトし違法に風俗店に紹介した上で、女性の売り上げに応じて風俗店から支払われる「スカウトバック」と呼ばれる報酬を得ていたなどとして警視庁が摘発を進めていた日本最大のスカウトグループです。
2022年だけで年間およそ44.5億円を手に入れたとみられ、およそ1500人が所属しているということです。
警視庁は「匿名・流動型犯罪グループ」通称「トクリュウ」とみて捜査し、スカウトバックのうちの一部が反社会的勢力に流れているとみて数年前から摘発を強化し、グループ幹部を次々と逮捕するなどグループの壊滅を目指していました。

「ナイフで刺された」と通報 蹴って殴ってナイフで刺した傷害容疑 18歳無職少年を逮捕 17歳少年は軽傷 新潟・新発田市

新潟県新発田市の商業施設の駐車場で1日夜、17歳の少年に対し蹴ったり殴ったりナイフで腕を刺したりしたとして、18歳の無職の少年が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは住所不定・無職の18歳の少年です。少年は1日午後8時30分ころ、新発田市内の商業施設の駐車場で17歳の少年と何らかのトラブルとなり 腹部を蹴ったり顔を殴ったり所持していたナイフで腕を刺したりした疑いが持たれています。
「ナイフで刺された」という通報が消防にあり、17歳の少年は軽傷とみられています。2人は面識がないとみられ、直前に何らかのトラブルがあったとみて警察が調べています。逮捕された18歳の少年は「いらついて蹴ったり殴ったり刺したりした」と容疑を認めているということです。

紙コップに”隠しカメラ”日常襲うサイバー攻撃

2025年9月末、日経新聞が取材を元に「STB(Set Top Box)」が証券口座の乗っ取りに利用されたと報じた。STBは、ケーブルテレビやホテルのテレビなどに利用される受信機で、「テレビの受信機が乗っ取られる」事件としてちょっとした騒ぎとなった。
【写真を見る】偏光フィルターで隠しカメラを発見できる装置
狙われたのは「スマートTV」だった
家電製品やSTBのような生活に溶け込んだ機器が狙われるのは珍しいことではないが、報道を受けてケーブルテレビ各社、STBメーカー、日本ケーブルテレビ連盟などが「自社製品、サービスは対策されており、被害は確認されていない」といった声明を発表している。
実際、攻撃を受けたのは一般的なケーブルテレビ契約で設置されるSTBではなく、スマートTVやチューナーレスTVなどと呼ばれる製品だった。スマートTVとは、オンデマンド配信やストリーム配信専用の「テレビ」であり、中身はスマートフォンやタブレット、PCに近い。
形状は大型テレビと同じだが、本体のみを小さな箱として販売し、ディスプレイは自宅のテレビやPCモニターに接続するタイプも存在する。今回の事件で利用されたのはこのタイプのようだ。
PCやスマートフォン以外の製品でインターネット接続が可能なものをIoT機器という。ルーターなどのネットワーク機器、FAX・プリンターの複合機、エアコンや冷蔵庫などの家電、自動販売機やデジタルサイネージ、最近では自動車もIoT機器に分類される。
つまり「テレビ受信機による口座乗っ取り」は、古くからあるIoT機器へのサイバー攻撃ということになる。IoT機器へのサイバー攻撃で身近な例は、Webカメラを踏み台とした大規模なDDoS攻撃を行うというものだ。
世界中に点在する監視カメラを乗っ取ること(ボット化)で、大量の妨害トラフィックを発生させることができる。2016年にはSNSやECサイトに世界的な規模で被害が発生した「Miraiボットネット」の事例がある。
証券口座乗っ取りの事件でも、STB(スマートTV)は、証券会社システムへの踏み台として利用された。サイバー攻撃対策が進む証券会社のサイトに対して、家庭のスマートTVからのアクセスなら正規利用者のアクセスを偽装しやすかったからだ。あまりメジャーではないスマートTVからのアクセスは対策が行き届いていないことも狙われた理由だろう。
いまやIoTという言葉が必要ないくらい、インターネットに接続していないものを見つけるほうが困難だ。つまり、サイバー攻撃の対象が現実の世界に遍在していて、いつ攻撃にあってもおかしくない状況にある。

日本は米国と袂を分かつ覚悟はあるのか…「台湾有事に巻き込まれたくない」と話す人にどうしても伝えたいこと

※本稿は、オオカミ少佐『元海上自衛隊幹部が教える 国を守る地政学入門』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
中国の視点に立ってみましょう。台湾の継戦意思を挫(くじ)く、アメリカの軍事介入を阻止する、日本の中立化=在日米軍基地を使用させない、これら3つのうち1つでも達成することができれば、台湾侵攻が成功する公算が大いに高まります。
2003年の中国共産党中央委員会及び中央軍事委員会において採択された中国人民解放軍政治工作条例のなかに「三戦」の記載があります。
三戦とは世論戦、心理戦、法律戦で、世論戦は中国軍の敢闘精神を鼓舞し、敵の戦闘意欲の減退を目的とする世論を醸成すること、心理戦は敵の抵抗意思を破砕(はさい)すること、法律戦とは中国の武力行使の合法性を確保して敵の違法性を暴き、第三国の干渉を阻止することを指します。
たとえば、インターネットを通じて「日本は中立化すべき」だとか、「アメリカの軍事介入はよくない」「中国と台湾は1つ」……といった意見を流すことは意味があるわけです。こうしたことは平時でもできますし、対象は一般の人々ですからね。
そして、いざ有事となったときは、日米が介入してくる前に日本を叩くという選択肢をとったほうがよいと中国は考えるかもしれません。
台湾有事について、専門家の間では中国の出方は大きく分けて2つのシナリオがあると考えられています。1つは「攻撃を台湾に集中させる」、もう1つは「日米への先制攻撃を加えてから台湾に着上陸する」というものです。
台湾制圧を目的とするなら、台湾だけを攻撃すればよいように思うかもしれませんが、どちらを選択しても米軍の軍事介入があるならば、最大の障害となる米軍とその兵站拠点である日本を先に叩いて戦力を削ったり、来援を遅延させたりするほうが合理的でしょう。
これをふまえて、日本はどうすべきなのでしょうか。
「台湾有事なんて日本には関係ないのだから、とにかく巻きこまれたくない!」というなら、日米安全保障条約を破棄して日本から米軍を追い出せば、少なくとも「台湾有事において」日本が巻きこまれる可能性は大きく下がります。そこまでせずとも、「在日米軍の基地から台湾への出撃を認めない」ということをあらかじめ取り決めて、中国にそのことを伝えれば、日本が巻きこまれる可能性をわずかながら下げることができると思います。
ただし、どちらも私としてはまったくおすすめできない策です。日・米・台いずれかの意思を挫いて連携を阻止できれば、中国は台湾を制圧できる可能性が高いわけですから、日本が中立化するなら、台湾有事が起きる可能性は一気に高まります。
中国が台湾制圧に成功したのち、日本の安全はどうなるでしょうか。
「台湾は日本と関係がないから助けない」という理屈が成り立つなら、同じ理由で諸外国が日本を助ける必要もなくなります。また、台湾は中国沿岸をふさぐように位置しているため、今のところはおのずと中国海軍の行動を制限していますが、台湾制圧となれば、中国は今よりも強大化し、日本にとってより大きな脅威となるでしょう。
日米安全保障条約が消滅していた場合はいうまでもないので省きますが、そうでなくとも在日米軍の基地使用を認めなかった日本に対してアメリカは不信感を抱き、日米間に大きな亀裂が生じることは間違いありません。台湾有事で中立を選んだ場合、今よりもハードな安全保障環境が日本を待ち受けているのです。
その場合は、いっそ中国の軍門に下ったほうがよいかもしれませんが、そうなるといずれ、中国側に立ってアメリカと事を構えなければならなくなるかもしれません。
日本がアメリカの味方であれば、台湾有事など東アジアでアメリカが軍事介入するなら最強の後方拠点として機能しますが、逆に中国についた場合、東からやってくるアメリカの攻撃を防ぐ最硬の盾となるのが日本の地理的特性。
味方にしておけば非常に有用ですが、敵にまわせば厄介なことこのうえない、東アジアにおける要衝が日本なのです。
日本は、ナンバー1であるアメリカや、ナンバー2である中国をどうこうすることはできませんが、どちらを勝たせるかを選ぶことはできます。単独で立ち向かうほどの軍事力はないにしろ、日本の影響力はけっして小さくはありません。
日本が相対的に弱く見えるのは、周辺に軍事力世界ランキング1位のアメリカ、2位のロシア、3位の中国、5位の韓国と上位国が集まっているからです。アメリカは国土の距離は離れていますが、在日米軍が駐留しています。「強い弱い」というのは相対的なものです。たとえるなら、スポーツの県大会で優勝した人が、全国大会に行くと他の県の優勝者のレベルに及ばず、1回戦で敗退してしまう……みたいな感じでしょうか。
どちらに付いても勝敗が変わらないのなら、勝ち馬に乗るのがよいでしょうが、日本は「どっちが勝ったほうが、よりマシか」ということを選べる国です。地理的条件から、どちらの陣営に付くかを選択できない国が多いことを考えれば、日本は相当に恵まれています。
そして、これを選べるのは「今」だけです。いざ、台湾有事が起きてから米軍の基地使用を認めるかどうかでもめたりすれば、遅れた分だけ中国にとって有利に働き、アメリカに不信を抱かせます。真偽不明ですが、天下分け目の関ヶ原の戦いでは裏切りを約束していた小早川秀秋がいつまでたっても動かないことに徳川家康が激怒したという逸話もあります。旗幟は早めに鮮明にしておいたほうがよいという教訓です。
事が起きてからでは遅いのです。どちらを選んでも無傷ではいられませんが、選ばない、あるいは選ぶのが遅れると、選択肢がなくなったり、より酷いことになりますからね。
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(元海上自衛隊幹部、YouTuber オオカミ少佐)

出産無償化へ、分娩費用は全額保険案…出産後の「お祝い膳」やエステなどは原則自己負担に

厚生労働省が4日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で、出産にかかる費用の無償化に向け、分娩(ぶんべん)費用を公的医療保険で全額賄う案を提示することがわかった。出産の経済的不安を軽減し、少子化対策を拡充する狙いがある。早ければ来年の通常国会に関連法案を提出する方針で、詳細な制度設計を詰め、実施は2027年度以降となる見通しだ。
少子化対策として支給されている出産育児一時金(50万円)に代わり、実施される。出産費用は現在、医療機関が自由に価格を設定しているが、物価高などで年々上昇している。24年度の正常分娩の平均出産費用は51万9805円で、東京都は平均で64万円を超えるなど、地域差が大きいことも問題となっていた。
保険適用により、全国一律の公定価格を設定することで、居住地や利用施設による不公平感をなくすとともに、費用の透明化を図る。通常の保険診療でかかる3割の自己負担はゼロにする。分娩にかかるコストは妊婦の個人差が大きいため、同省は分娩に対応した数に応じて各医療機関に診療報酬を支給することを検討している。
帝王切開などの異常分娩や妊娠合併症への対応など、保険適用済みの診療行為は、現行の3割の自己負担を継続する方向だ。出産後に出される「お祝い膳」やマッサージ、エステ、写真撮影など出産に付随するサービスは、原則として全額を自己負担とする。
6月に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」では、「26年度をめどに標準的な出産費用の自己負担の無償化に向けた対応を進める」と明記していた。

【速報 午前8時すぎに鎮火】函館繁華街の火事 発生から17時間以上

函館市本町にある2階建ての不動産会社で2日午後3時前に発生した火事で、函館市消防は発生から17時間以上たった午前8時14分に鎮火したと発表しました。
警察によりますと、建物1階裏口付近にあるトイレから出火したということです。
けが人はいませんが、隣接する飲食店などが入っているとみられるビルに延焼しました。
2日に一時運転を見合わせていた函館市電は、3日始発から通常運転しています。
警察などは今後、出火原因を調べることにしています。

大阪府警捜査4課の捜査員3人を書類送検 家宅捜索に立ち会った男性に暴行か 男性は全治1か月のけが

大阪府警捜査4課の捜査員が、家宅捜索中に男性に暴行したとして逮捕・起訴された事件で、この捜査員を含む3人が、別の事件でも捜索に立ち会った男性に暴行を加えていた疑いで書類送検されました。
書類送検されたのは、大阪府警捜査4課の巡査部長、阪口裕介被告(33)ら3人です。
今年5月、大阪府警が大阪市内の会社事務所で家宅捜索を行った際、捜索に立ち会った事件とは無関係の男性が、捜査員に押し倒されたり、顔を蹴られたりするなどの暴行を受け、全治1か月のけがを負ったとして、刑事告訴していました。その後、大阪府警が捜査を行い、3人を2日付で書類送検したということです。認否は明らかにされていません。
阪口被告は今年8月、別の事件の家宅捜索で男性に暴行したとして逮捕・起訴されていて、10月に行われた初公判では、「間違いありません。職務の範疇を超えてしまった」などと話し、起訴内容を認めています。

ミサイルも魚雷も無し!? 初の新ジャンル自衛艦「OPV」とは? “武装貧弱”でも日本に必須なワケ

防衛省の新艦種「哨戒艦」が横浜市のJMU磯子工場で2025年11月13日、2隻同時に進水しました。艦名は「さくら」と「たちばな」。哨戒艦とは、どういうコンセプトを求めた船なのでしょうか。
海自初の新艦種「OPV」って何の略?
JMU(ジャパンマリンユナイテッド)横浜事業所磯子工場で2025年11月13日、防衛省が発注した哨戒艦2隻の命名・進水式が行われました。「さくら」「たちばな」と名付けられた2艦は、これまで海上自衛隊が保有していなかった新しい艦種で、艦種記号も「Offshore Patrol Vessel」を略して「OPV」というのが使われます。
配備先は、2025年度末に新編が計画されている「水上艦隊」の傘下に置かれる「哨戒防備群」となります。
哨戒艦はJMUを主契約者に、三菱重工業を下請負者として建造が進められています。中国など周辺国の海洋活動の急速な拡大と活発化が続く中、日本周辺海域の警戒監視を平時から長期間にわたって行い続ける艦艇として導入が決まりました。
2023年度の防衛省予算で4隻の調達費用約357億円が盛り込まれており、今回、進水した「さくら」は1番艦、「たちばな」は2番艦に当たります。
主任務である洋上での警戒監視の特性を踏まえて、長期にわたる滞洋性を確保するとともに、乗組員数は約30人という少人数での運用を可能とするため、自動化・省人化を図っているのが特徴的です。
海上幕僚監部の広報担当者は「商船で使われている技術を盛り込み、自動で操舵できる機能を導入している」と説明します。
哨戒艦が搭載する航空機とは
哨戒艦の全長は95m、最大幅12m。基準排水量は1900トンで、機関はディーゼル電気・ディーゼル複合推進方式(CODLAD形式)を採用し、ディーゼル主機と推進電動装置をそれぞれ2基ずつ搭載しました。速力は約25ノット(約46.3km/h)以上を発揮できるようになっています。
ただ、警戒監視という用途に限定することから、固定の武装は30mm機関砲1基のみ。このほかに後日装備として小型UAV(無人航空機)や電磁波情報収集器材を搭載することを予定しています。UAVやヘリコプターの発着艦に対応した多目的甲板が艦尾側に配置されているほか、艦尾揚収装置や多目的格納庫、多目的クレーンも備えます。また、7.5mの複合型作業艇を2隻搭載します。
「多目的甲板では海上自衛隊が運用するSH-60K/LやMCH-101の発着艦は可能だが、ヘリコプターのローターをたたみ、格納庫に入れて行動することはできない。格納庫ではUAVの整備などを行うが、『多目的』と書いてあるとおり、それ以外の使い道もあるかと思う」(海幕広報室)
哨戒艦に搭載される小型UAVは米シールドAI (Shield AI)が開発した垂直離着陸(VTOL)型の無人航空機システム(UAS)「V-BAT」です。同機はわずか4.6m×4.6mという狭いエリアからでも発着可能という特徴を持ち、格納時はピックアップトラックやUH-60の荷台に収まってしまうほど、コンパクトになります。こうした設計によって、2人チームで30分以内に展開することが可能。EO/IR(電子光学・赤外線)ペイロード搭載時の最大飛行時間は12時間で、最大航続距離180kmとなっています。
「V-BAT」は2025年度の防衛省予算で、水上艦艇の警戒監視・情報収集能力を向上させる「艦載型UAV(小型)」として、6機を取得する費用40億円が盛り込まれました。今年6月には、同機の操縦教育を受けるため海自隊員が渡米しています。
地方の中小港湾への接岸も考慮
また、さくら型哨戒艦には、自衛艦としては珍しく艦首喫水線下にバウスラスターが装備されています。これは、タグボートの力を借りずに出入港を可能にするためのもので、これにより十分な設備がない港でも接岸でき、運用の幅を広げています。これに加えて波の荒い外洋で行動することを前提としているため、横揺れを抑えるためアクティブ方式の特殊な減揺装置も採用されています。
海幕広報は「護衛艦(DE)とミサイル艇の役割を併せ持つという感じになる」と説明します。
「ミサイルのような装備はないので、基本的には平素の警戒監視を主任務とすることに特化した仕様になっている。これまでそういった任務をDE(沿岸防衛用の小型護衛艦)やミサイル艇が担いがちだったので、それを代替していくことになる。あぶくま型DEの乗員が120名なのに対して、さくら型は30名になるのでだいぶ少ない。自動航行などのシステムによる省人化もあるが、純粋に武器がないのが大きい。搭載武装が最低限というのは、それに関わる整備員がいらないということであり、そういったオペレーションに関する人数が減っているのが大きい要素と言えるだろう」(海幕広報)
2022年末に策定された現行の「防衛力整備計画」において、さくら型哨戒艦は約10年で12隻を整備する方針が掲げられています。すでに、さくら型は2026年度予算の概算要求で5番艦と6番艦の建造費用287億円を計上済み。なお、2026年3月には3番艦と4番艦の命名・進水が予定されています。
このたび進水した「さくら」は2027年1月に、「たちばな」は同2月に就役する予定です。艦名の由来では京都御所・紫宸殿の正面に植えられている「左近の桜」「右近の橘」についても言及されており、3番艦以降の艦名にも要注目でしょう。(深水千翔(海事ライター))

土星の環「消えた」、佐世保で観測…撮影した天文協会長「15年に一度の珍しい現象」

土星の環(わ)が“消えた”様子を、長崎県天文協会の松本直弥会長が佐世保市で観測し、撮影した。
松本会長などによると、土星の環は、氷の粒が集まってできており、厚さはわずか10メートルとも言われ、大きさと比べてかなり薄い。土星は、環が傾いたまま約30年かけて太陽の周りを公転しており、環が地球から見て真横になる時などに、ほとんど見えなくなる。環の消失は約15年ごとに観測され、今年は3、5、11月に起きた。
松本会長は11月23日午後9時25分頃、佐世保市の自宅の天文台で撮影した。「土星のシンボルである美しい環が見えないのは寂しいかもしれないが、15年に一度の珍しい現象。これから環が目立っていく様子にも注目してほしい」と話している。