横浜のアパート転落、重傷の50代ドイツ人男性は巻き込まれたか…住人の60代男性は死亡

17日午前4時40分頃、横浜市旭区さちが丘のアパート付近の路上で、男性2人が頭から血を流して倒れているのを通行人が見つけ、119番した。アパートに住む60歳代男性と、知人でドイツ国籍の50歳代男性が病院に搬送されたが、60歳代男性の死亡が確認された。ドイツ人男性は鎖骨を骨折する重傷。
旭署によると、アパートは高台にあり、敷地内の転落防止柵が約2メートル下に落下していた。柵付近から60歳代男性が落ち、下にいたドイツ人男性が巻き込まれた可能性があるという。同署が詳しい状況を調べている。

愛子さま、ラオスに到着=初の外国公式訪問

【ビエンチャン時事】天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは17日夜、ラオス公式訪問のため、民間機で首都ビエンチャンに到着された。外国公式訪問は初めてで、22日に帰国する。
東京・羽田空港から出発し、タイのバンコクを経由した。水色のスーツ姿の愛子さまは17日午前11時ごろ、羽田空港の搭乗口前で宮内庁幹部らの見送りを受け、「精いっぱい頑張ってきます」などと笑顔であいさつし、機内へと向かった。
日本との外交関係樹立70周年に当たっての訪問で、18日に公式行事としてトンルン国家主席への表敬訪問やパーニー国家副主席主催の晩さん会などに臨む。
19日にはベトナム戦争中に投下された不発弾の問題を啓発する施設「COPEビジターセンター」や、現地の中高一貫校の日本語授業を視察。20日は鉄道で古都ルアンプラバンを日帰りで訪れ、同地の党書記と面会し、小児病院を視察する。
21日にビエンチャンで織物の展示を見学し、在留邦人らと面会後、帰国の途に就く。 [時事通信社]

「俺たちは下駄の雪ちゃう」リスク含みの維新と急ごしらえの連立体制、土台は「別れても好きな人」

自民党70年<中>

昼食を取りながらの会合は釈明から始まった。
「水を差すような発言はしていない。しっかり実現していく」。11日昼、国会近くのホテルのレストラン。自民党幹事長の鈴木俊一(72)は食事が運ばれる前に、日本維新の会幹事長の中司宏(69)ら同党幹部に自らの発言の意図を説明した。
前日の記者会見で鈴木は、維新肝いりの衆院議員定数削減を「臨時国会で決めきるのは難しい」などと述べ、維新側が猛反発していた。中司らは鈴木の言葉に静かに耳を傾けて矛を収め、会食は無事に始まった。
この日の会合は、定例化された両党の幹事長、国会対策委員長、政調会長による「2幹2国2政」の3回目だった。自民はこのほかにも、重要政策を最終決定する与党政策責任者会議(与責)を設けるなど、維新との連立メカニズムを急ごしらえで整えつつある。
ベースにしたのは、自民、公明両党による「2幹2国」など、前の連立政権の仕組みだ。
1999年、小渕恵三内閣で自由党を含む自自公連立から始まった自公連立は、「55年体制」にならって「99年体制」とも言われるほど長続きした。ともに地方や業界団体などの意見を吸い上げ、党内で了承を積み上げて正式決定に至るボトムアップ型の組織文化だ。2幹2国の場などで公明側が自民にブレーキをかけることも多く、連立の安定化につながった。
かたや維新は、代表で大阪府知事の吉村洋文(50)を中心としたトップダウン型だ。定数削減や副首都構想の実現など12分野の政策実現を求めて様々な場で自民に迫り、自民が対応に苦慮する場面も多い。
維新の発足時メンバーの一人は、公明が「踏まれても踏まれてもついていく下駄(げた)の雪」と揶揄(やゆ)されたことを念頭に、「俺たちは下駄の雪ちゃうから、見誤らないことや」とすごむ。自民にとって「アクセル役」の維新は、合意が実現できなかった瞬間に連立が解消するというリスクをはらんだ相手でもある。
自維間で選挙協力の仕組みがないことも、自民が連立維持に苦心する要因となっている。
自公時代は、例えば衆院選では、自民候補が小選挙区で公明の推薦を受け、その代わり比例選で公明への投票を呼びかけるというバーターがあった。
これに対して自維は、昨年の衆院選で全国289の小選挙区の半数に上る145選挙区で激突した。特に維新は、本拠地の大阪府では19の小選挙区で全勝しており、自民との選挙協力は必要ないとの立場だ。
自民の地方組織は困惑しており、10月末に党本部で開かれた全国幹事長会議では、大阪府連が党執行部に「もう私たちは要らないのか。要らないなら、はっきり言ってほしい!」と迫った。大阪を差し出して安易な選挙区調整に入らないようくぎを刺した形だ。
もろさを抱える維新との関係を懸念し、自民内では将来的な公明の連立復帰を見据える動きもある。
「昔の歌に『別れても好きな人』というのがあった。自民議員は胸に刻んでおいた方がいい。(公明に)受けた恩とか情けを忘れたらダメだ」。99年当時に官房副長官を務めた自民の鈴木宗男(77)はそう指摘する。自民内では、公明との関係は断つべきではないという意見が大勢だ。
自民の歩みの約3分の1は連立の歴史でもある。「数合わせ」の打算とともに安定政権を維持してきた自民は、いま新たな局面に立たされている。(敬称略)

遺体写真をイラスト化、裁判員に配慮 「後回し」される被害者遺族

2009年に始まった裁判員裁判制度は、法廷で遺体の写真や凶器といった「刺激証拠」を示さず、イラストで代替する運用が定着しつつある。裁判所が裁判員の心のケアを優先しているためだ。被害者側はこうした「配慮」が有罪、無罪の事実認定や量刑に影響することを懸念している。
「被害が一目瞭然だった娘の写真は封印されてしまった」。15日に東京都内で開かれたシンポジウム「『刺激証拠』のイラスト化 隠される真実」で、一人の女性のビデオメッセージが流された。
女性の娘は、交際相手の男性にゴルフクラブで殴られ亡くなった。検察官が女性に見せた遺体の写真は、頭などの傷が凄惨(せいさん)なものだった。
殺人罪で起訴された男性は裁判員裁判の公判で「強く殴っていない」などと殺意を否認した。娘の遺体の写真は証拠として出されず、写真を基に作られたイラストで審理が進んだ。裁判所が裁判員の精神的負担を軽減しようとしたためだ。女性は、イラストでは傷のひどさが全く表現されていないように感じた。
検察側は殺人罪で懲役16年を求刑したが、判決は男性の殺意を認めず、傷害致死罪での懲役10年にとどめた。検察側は控訴せず、1審で確定した。
女性はビデオメッセージで「遺体の写真を見れば、被告の主張と合致しないことがすぐに分かったはずだ」と訴えた。そして「民意を反映させるための裁判員裁判なのに、被害者のことは後回しでいいのでしょうか。こんな悲しい結果を娘の仏壇に報告することは辛かった。私たちのように深く傷つけられる人がいなくなってほしい」と願った。
裁判所の運用は慎重
裁判所が「刺激証拠」に慎重な姿勢を示すのには理由がある。裁判員がどれだけショックを受けるかは証拠を見てもらうまでは分からず、実際に体調を崩した人もいる。国民の中から裁判員を選ぶ以上、体調不良が続発し、辞退する人が増えれば、制度が立ちゆかなくなる恐れがある。
このため裁判所はイラスト化の他に、裁判員候補者に衝撃的な証拠が出ることを伝えて辞退も認める▽衝撃的な証拠を示す際は裁判員に予告する――といった取り組みも進めている。
15日のシンポジウムで、中央大の椎橋隆幸・名誉教授(刑事法)は「裁判員の精神的な負担を理由に証拠採用されるかどうかが変わることは問題。適正な刑事裁判のために必要な証拠は認められるべきだ」と語り、裁判所が過剰反応しているとの懸念を示した。
元東京高検総務部長の十時(ととき)希代子弁護士は、防犯カメラの映像や、生きている被害者の傷の写真も証拠から除外される事態が生じているとし、「証拠を見ないまま裁くことは、被告と被害者の両方の人権侵害につながる」と述べた。
一方、あるベテラン刑事裁判官は毎日新聞の取材に「事実認定や量刑判断に必要性が認められれば、内容を予告した上できちんと生の証拠を裁判員に見てもらっている」と強調する。【安元久美子】

男性警察官が署内で死亡 近くに拳銃 兵庫・明石警察署

15日午後9時半すぎ兵庫県明石市の警察署内で、男性巡査長が頭から血を流して倒れているのが見つかり、その後死亡が確認されました。近くに拳銃が落ちていたということです。
警察によりますと、死亡したのは明石署に勤務する警務課の男性巡査長(43)で、署内の道場で制服姿で頭から血を流して仰向けで倒れているのを、巡査長を探していた別の警察官がみつけたということです。
巡査長は病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。
巡査長は宿直勤務中で、発見された際、近くに拳銃が落ちていたといい、発見の数分前に破裂音のような音がしたということです。
警察は拳銃が使われたとみて、巡査長が死亡した経緯を詳しく調べています。

日本政府関係者「今が分かれ道」 対話呼びかけるも緊張緩和に苦慮

日本政府は、高市早苗首相の国会答弁に対する中国の反発激化に苦慮している。中国が求める首相答弁の撤回は「到底、応じることはできない」(政府筋)と拒否する一方、対抗措置がレアアース輸出規制といった経済面に波及する事態を警戒。緊張緩和を図るため首脳級対話を呼びかけるが、ハードルは高そうだ。
首相は、台湾有事が集団的自衛権の行使を認める「存立危機事態」になり得るとした答弁に関し「最悪のケースを想定した。従来の政府の立場を変えるものではない」と説明。官邸幹部は「首相は丁寧に説明している。問題ない」と指摘する。
だが、訪日自粛呼びかけにまで発展した中国側の対応は日本にとって想定以上と言える。政府関係者は「今が分かれ道だ。これ以上こじれれば経済報復にエスカレートしかねない」と懸念する。
木原稔官房長官は15日「立場の違いがあるからこそ意思疎通が重要だ」と対話の必要性を指摘。日本側はG20首脳会議に合わせて高市首相と李強首相の会談を模索するが、外務省関係者は「何も決まっていないし、どうなるか分からない」と明かす。

「媚びでのし上がった」「ネトウヨの姫」…支持率8割の高市首相を叩き続ける女性の”複雑な胸中”

高市早苗氏が首相の座についてから、その評価をめぐって、ネット上ではものすごい盛りあがりを見せてきた。
私は当初、高市氏の評価をめぐって、「フェミニズムは一定程度社会に受け入れられたのだなぁ」としみじみとしていた。なぜなら、高市氏が首相の座に着くまで、男性たちによる「高市は、女だからダメだ、能力がない」といった批判が、ほとんど見られなかったからである。
2008年に、ヒラリー・クリントンがバラク・オバマとアメリカの大統領選の民主党の指名をめぐって予備選挙で争っていたとき、「俺たちは、ヒラリーの皺が増えていく過程を見せられなきゃいけないのか」といった発言をはじめとして、候補者が女性であることを揶揄する男性の声が多くあがっていた。アメリカでも、まだここまでひどい性差別的言動があるのかと、私はかなりの衝撃を受けた。
それから約15年が経過して、日本では高市氏に対し「女だからダメ」という声がほとんどみられなかったことに、私は多少、感動すらしたのである。
むしろ、批判は女性たち、とくにフェミニストを自認するひとたちのほうから見られたのは、意外であった。
例えば、選択的夫婦別姓制度の導入を求める一般社団法人「あすには」代表理事の井田奈穂さんは、10月9日に出演した動画ニュース番組「ABEMA Prime(アベプラ)」の中で、高市氏が自民党の総裁に選ばれたのは、男性支配的組織に同化する「女王蜂現象」であり、高市氏は「ネトウヨの姫」になって党内で認められていった人だと話している。彼女が自民党の総裁に選ばれたのは、組織が危機にある時に女性をリーダーに就かせ、矢面に立たせて“利用する”という「ガラスの崖」現象だったと指摘。男性らが不祥事の謝罪などを女性に押し付け、女性もそれを「認められるチャンスだ」と張り切って引き受けてしまうことが多いことにも言及していた。男性優位の社会の中では、こうした「ガラスの崖」に立たされた女性に対し、高みの見物をしている男性がおり、もしうまくいかなかった場合は、「やはり女性はダメだ」といって、切って捨てるというのである。
こういった分析には、もちろん、納得のいくところもある。例えば、高市氏は「男性支配的組織」であるだろう自民党に、適応しているようにみえる。無所属で初当選し、自民党に入党するときには、「一生もんの選択」と発言していた高市氏にとって、自民党内の組織政治の世界をうまく泳いでいくことは重要な課題であっただろう。そしてリベラルから保守へと鞍替えしていったのは、もちろん、個人の思想信条の変化もあっただろうが、いまの日本の政治の現実を考えるときに、保守を前面に打ち出さなければ、けっして与党にはなれず、ましてやそのなかでも力を得ることはできないだろうという冷徹な計算がなかったとはいえないだろう。
井田さんによる分析は、賛同できるところはあるものの、「ネトウヨの姫」という称号には、あまり賛同することはできない。この言葉はまるで、高市氏が実力もないのに、男性を手玉に取ることだけで出世していったような印象を与えるからだ。
「ガラスの崖」現象だという指摘も、事実に反するのではないかと思う。高市氏は、自民党が苦境に陥る前から総裁選に立候補していたのであるし、「やりがいの搾取」よろしく、面倒事を押し付けられたわけではないだろう。自民党のなかには、「高市さんにだけは総理になってほしくない」と考えるひとはたくさんいるようだし(前回の総裁選での石破茂総裁の誕生は、そうした事情の集積だったように、私には見える)、苦労して高市氏が総裁という座に就いたことについて、「高みの見物をしている男性がいる」というのは、やはり、事実とはいえないのではないか。それに、たとえそれが“崖”に立たされるようなポストであるにしても、自民党総裁、そして総理大臣になりたい男性は少なくはないだろう。
高市氏が総裁に選ばれた際に祝意を述べていた、若者の政治参加を進める「笑下村塾」代表のたかまつななさんは、高市氏の「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」という発言に対して、「政治家になりたいけど、立候補しないひとというのはいっぱいいるんですよ。……子育てしているひととか不妊治療しているひととか、介護しているひととか、そういう人の声だって国会に届く必要はある」、つまり、政治家がワーク・ライフ・バランスを捨てることを容認してしまうと、子育てや不妊治療、介護などで長時間労働ができない人を、政治の場から排除してしまうことになりかねないとして、批判する文脈で発言していた。
私はこれは、少々意地悪ではないかと思った。たかまつさんは今年1月に、自身のYouTubeで、高市氏のライフヒストリーをインタビューしており、彼女が子どもの頃にまだ赤ちゃんだった弟の世話をしていたこと、自分で学費を稼ぎながら大学に進学していたことは、知っていたはずである。また、このインタビューでは言及されていないが、高市氏は、脳梗塞で倒れた夫の山本拓氏の介護も経験している。そうした高市氏の経験を生かしてほしいというのであるならともかく、「弱者の気持ちをわかっていない」と決めつけることは、評価としてはあまりにアンフェアなのではないかと感じる。
フェミニストはなぜ、ここまで女性の首相に、冷たいのだろうか。保守的な右派の政治家は男性にもたくさんいるのに、なぜことさら熱心に高市氏を叩くのだろうか。
それはフェミニストの高い倫理性のせいではないかと思う。「女性初の総裁、総理大臣が誕生した。女性であるならば、女性の問題だけではなく、できればすべての差別問題に取り組んでほしい」という、強い願いがあるからである。すべての差別問題に取り組み、改革を目指す左派の女性にこそ総理大臣になってほしいのだ。そして、右派が総理大臣になるのであったら、せめてそれは女性であってほしくはないと考えているのである。
しかし、おそらく日本の現状では、左派の女性総理大臣というのは、そうかんたんには実現しないだろう。個人的には、最初から左派の女性総理大臣誕生を望んでも無理だろうという気持ちがある。女性を取り巻く政治状況の困難さを考えれば、まずは女性首相が当たり前になってからでなければ達成は難しいだろう、と想像する。
またフェミニストには、女性が右派的な主張を繰り返すのであったら、自分たちがなんとかしなければという責任感があるのではないか。保守的で、男性優位の社会を容認するような女性の言動は、ある意味で、「わたしたち女性」の課題であり、責任である、と感じているようにみえる。
もちろん、はっきり言ってしまえば、「『総理大臣になるのは、女でありさえすれば誰でもいい』と思っているような、倫理感の低いフェミニストであると思われたくない」という気持ちもあるだろう。
私は前回の記事で、「研究者は、旧姓では論文が書けないという小泉進次郎さんの主張は誤りで、アカデミアでは通称使用は浸透しているから不都合はない」と書いた。それについて、選択的夫婦別姓は必要ないといったわけではないのに、フェミニストの研究者から「夫婦別姓を否定するなんて」という批判を受けた。誤読であるとしても、「フェミニストのくせに、夫婦別姓を否定するとはけしからん」と信じてのことだろう。
ただ、同じ女性、しかも研究者でありフェミニストである私を叩くことによって、「高市氏に賛同するところなどまったくない」という自分の“潔白さ”を証明しようとする政治があることも、事実だなと思われた。こうした潔白さの証明にやっきになるありかたは、「フェミニストは、高市早苗のすべてを許さない」以外の意見を許容しないという点で、学問の自由を脅かし、一般の社会との乖離をひろげていくことに帰結するだろう。しかし、「高市氏のやることはすべて許さない」と最初に決めつけるのであったら、高市政権の施策のひとつひとつを検討していくことすら、不可能になってしまう。
高市氏がトランプ大統領と会見した際も、ネットでは彼女の一挙一動に批判が相次いだ。既にその書き込みは削除されているが、ある女性アーティストは、「こうやって男に散々媚びてきたんだろうな」とポストしていた。俳優の東ちづるさんも「媚びと過剰適応でのし上がってきたと想像できる」と、高市氏の振る舞いと首相就任を関連付けている。共産党の元衆議院議員、池内さおりさんは、「女性差別を『もろともせず』のし上がった人物の悲しい姿。彼女個人の自己顕示欲の強さも痛々しい」と述べたうえで、「現地妻」という言葉を思い浮かべたと批判している。
もちろん、男性からも高市氏を批判する声はあがっており、「対米従属だ」と怒ったり、聞くに堪えない言葉を投げつけたりしたひともいた。しかし多くの女性もまた、彼女の振る舞いを「媚び」だと断じ、彼女が首相に「のし上がった」のは、そうした媚びへつらい故であると批判したのである。
そこには微妙なポリティクスがあると思うのは私だけだろうか。
高市内閣の支持率は、読売新聞社の調査で71%、朝日新聞が68%、共同通信が64.4%、JNNの調査では82.0%と、いずれも非常に高い。男性にしてみれば、これほどに支持されており、史上初の女性首相を歓迎する声が多数あがるなかでは、さすがに高市氏を批判するのは気が引ける。女性たちが「こんな女性が首相だなんて!」「このひとは、媚びて首相の座に就いただけのひとなんです」と叩いてくれるならばありがたいだろう。
その一方で、こうも思う。この男性社会で、まったく「媚び」ずにいられる女性などいるのだろうか。
それに、これまでの男性首相は、アメリカにそれほど毅然とした態度をとることができていたといえるのか。
高市氏に向けられている批判は、さまざまなかたちで私たちにも返ってくる。笑顔を見せないと「お堅い」「愛想が悪い」と言われる。愛想よくすると、「媚びることでのし上がってきたのだ」と決めつけられる。「高市さんがかわいそう」――。高市氏に対する、女性からの批判は、批判者の意図とは異なって、結果として高市人気を高めることに貢献してしまうのではないだろうか。
懸念されていた韓国の李在明大統領との会談もうまくいったようである。李大統領は「一政治家の時と国家のかじ取りを担う立場では考えや行動が異なるべきだ。私も野党代表だった時と大統領になってからでは判断が違う」と述べた。この言葉からは、大統領が、高市氏は状況によって柔軟に立場を使い分けることができる人物だと評価したと受け取れる。個人的には、おそらく国防に関わるところは厳しめに、外交にかんしては、重要課題以外は柔軟にやっていくように予想している。
いずれにせよ、政権は発足したばかりであり、高市氏は、評価を下すことができるほどのことは、まだ何も達成していない。
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(武蔵大学社会学部教授 千田 有紀)

自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

やはり怒っているのか、それともただの牽制か──。自民党の麻生太郎副総裁(85)が、高市政権の経済政策に異論を唱え、関心を呼んでいる。
高市政権は、この臨時国会で巨額の補正予算案を成立させる方針だ。13日に開かれた自民党の会議では「例年通りの規模では物価上昇分に追いつけない」「20兆円規模を目指して欲しい」といった意見が飛びかったという。昨年の補正予算額13兆9000億円でさえ「規模が過大だ」との批判があったのに、昨年を大幅に上回るのは確実な情勢である。
「積極財政派」の高市首相も、大盤振る舞いするつもりだ。
ところが、麻生副総裁が同日、麻生派の会合で「単にいくら予算をつけるといったことだけでなく、お金を使わなくても大きな効果を生む政策、たとえば規制改革などもしっかり議論してほしい」と、水をかけたのだ。
■「積極財政派」vs「財政規律派」
もともと「積極財政派」の高市首相と、「財政規律派」の麻生副総裁は水と油。財務大臣を9年も務めた麻生氏は、財政規律を守りたい財務省の「守護神」のような存在だ。
ただ、麻生副総裁は高市政権をつくったキングメーカー。それだけに、この先、2人の関係がどうなるのか注目されている。
「主流派に返り咲いた麻生さんはご機嫌です。もちろん、高市首相に言いたいことは山ほどあるでしょう。首相動静を見るかぎり、2人はほとんど接触していない。麻生さんはキングメーカーなのに、政権に影響力を行使できていない可能性が高い。でも、麻生さんが出しゃばると、高市政権の支持率を下げかねない。実際、今回、麻生さんが財政出動に異論を唱えたら、さっそくネット上で『早く引退しろ』などと叩かれている。だから、高市政権のマイナスにならないように発言を控えているということもあるのでしょう」(政界関係者)
しかし、はたしてキングメーカーの麻生副総裁が、このまま高市政権に口出しせずにいられるのかどうか。
幹事長、総務会長、副総裁──と党の執行部を麻生派が押さえたことで「第2次麻生政権」と揶揄する声もあったが、大臣、副大臣、政務官の「政務三役」まで広げてみると、高市首相の仲間である「積極財政議連」のメンバーが大挙して登用されている。「積極財政議連」が最大勢力となっている状況なのだ。
この先「財政出動問題」が、高市首相vs麻生副総裁の火種になってもおかしくない。
「内閣支持率が高い間は、麻生さんも高市首相に注文をつけづらいと思う。2人の間に亀裂が走るとしたら、内閣支持率が下落した時でしょう。支持率が下がりはじめたら、高市首相はなおさらバラマキ政策に走り、麻生さんとの対立が強まっても不思議じゃありません」(自民党事情通)
もともと少数与党のうえ、党内基盤も弱い高市政権。支持率が下がったら、一気に弱体化する可能性がある。
◇ ◇ ◇
「奈良の女」である高市首相の子分にあたる「奈良の男」にも裏金問題が…。●関連記事【もっと読む】『高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生』で詳報している。

大阪の当番弁護士4割減で「緊急事態宣言」…報酬「割に合わない」「独自ルールでやる気そがれる」

逮捕直後の容疑者の勾留先に弁護士を派遣する「当番弁護士制度」を巡り、大阪弁護士会の昨年の登録者が5年前の2019人から4割減り、1196人に落ち込んでいる。登録するかどうかは各弁護士の自由で、同会は今年7月、会長名で会員の全弁護士に「緊急事態宣言!!」と題したメールを送ったが、登録者数は低調なままだ。
制度は、都道府県単位の弁護士会がそれぞれ運営している。大阪弁護士会の場合、毎日、登録弁護士が交代で待機。逮捕直後の容疑者やその親族の要請を受け、一度だけ無料で勾留先へ接見に行き、刑事手続きを説明したり、取り調べへの対応について助言したりする。
同会では、全会員に占める登録者の割合(登録率)が2019年の43・4%から昨年は23・8%に減少。登録率の低下は全国的な傾向だが、昨年の全国平均(32・3%)を大きく下回った。
当番弁護士は、容疑者に接見した場合、そのまま国選弁護人となるケースが多い。国選弁護人の報酬は、日本司法支援センター(法テラス)が基準を定めており、容疑者に資力がある場合を除き、国が負担している。
複数の弁護士によると、報酬は、当番弁護士として接見した場合、交通費を含め1万円程度。国選弁護人については、1審判決まで担当して15万円前後という。ある中堅弁護士は「手間と時間がかかる上、他の依頼が後回しになることも考えると割に合わない」と嘆く。
大阪弁護士会には、弁護士会館の維持費用などとして国選弁護の報酬の5%ほどを同会が徴収する独自ルールがあり、中堅や若手の弁護士は「独自ルールでさらにやる気がそがれる」と反発している。一方、ベテラン弁護士の一人は「報酬ではなく、社会奉仕の精神で取り組むべきだ」と語った。
同会は7月下旬、森本宏会長名で全会員約5000人に「緊急事態宣言!! 助けて!!刑事当番!!」とするメールを送信。「制度が危機に瀕(ひん)しています。あなたの助けが必要です」と呼びかけたが、あまり効果はなかったという。
現時点で、当番弁護士の派遣に影響が出ているわけではないが、このまま登録者の減少が続けば、制度が立ち行かなくなる恐れがある。同会の担当者は「会員の負担を減らす方策を検討したい」と語る。

「立花逮捕」が突きつける民主主義の深すぎる課題

政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が11月9日未明に兵庫県警に逮捕され、翌日午前には神戸地検にその身柄が移送された。罪状は名誉毀損罪で、1月18日に自死した竹内英明元兵庫県議を誹謗中傷した容疑だ。
【画像あり】兵庫県だけではない! 宮城県知事選でも拡散されたヤバすぎる「フェイクニュース」
神戸地検に移送される際、テレビカメラに向かってにっこりとほほ笑み、親指を立てた(サムズアップポーズ)のも、「無反省」のアピールだったに違いない。だが、間もなくそれは覆った。
立花氏と接見した石丸幸人弁護士は11月14日、「真実相当性については争わず、『自白』ということで手続きを進める」と述べ、立花氏が容疑を認めて遺族に謝罪する意向を明らかにした。「立花氏にとって最もよい方法をとる」というのがその理由で、2023年3月に不正競争防止法違反などで懲役2年6カ月・執行猶予4年の有罪判決が確定している立花氏の収監を防ぐためだった。だが、遺族は立花氏側からの示談の申し出をきっぱりと拒否している。
立花氏をめぐる一連の動きから、私たち有権者は何を理解すべきなのか。そのことを考える前提として、まずは立花氏の逮捕・送検に至るまでの流れを整理しておきたい。
警察に受理された6件の告訴内容
今回の逮捕の端緒となったのは、8月に竹内氏の遺族が行った6件の刑事告訴だ。これらはすべて兵庫県警に受理された。
この6件には、昨年12月に立花氏が立候補した大阪府泉大津市長選挙の選挙戦において「竹内氏はめちゃヤバい。警察の取り調べを受けているのは、たぶん間違いない」などと述べたほか、竹内氏が亡くなった翌日に「竹内元県議は、昨年9月頃から兵庫県警からの継続的な任意の取り調べを受けていました」とX(旧ツイッター)に投稿したこと、さらにユーチューブでの配信内容などが含まれる。
兵庫県警の村井紀之本部長(当時)は1月20日、県議会で「竹内氏を被疑者として任意の取り調べをしたことはない。ましてや、逮捕するという話はまったくない」と、立花氏の主張を完全に否定。「まったくの事実無根で、明白な虚偽がSNSで拡散されていることは極めて遺憾」と述べた。捜査機関として極めて異例の対応だった。
兵庫県警が明確に否定したのが効いたのか、立花氏はその翌日、「(竹内氏の逮捕は)事実ではなかった」と謝罪した。
このとき、立花氏はテレビの取材に対して「社会部的な情報の詳しい方から情報が入って、別の方にも確認した。この方も県議会議員とか詳しい方なので、『逮捕の事実はないけれど、取り調べを受けていると聞いている』と聞いて、それなりの自信はあった」と弁明した。「真実相当性がある、あるいは真実だと信じるに足る相当な理由があるから、違法性また故意はない」という主張だ。