館野仁(53)桜井純(45) 金密輸容疑で男2人逮捕 韓国から1トン運び込んだか―警視庁

韓国から金を密輸したなどとして、警視庁生活経済課は21日までに、関税法違反容疑などで、職業不詳館野仁(53)=千葉県習志野市秋津、会社役員桜井純(45)=同県市川市国分=両容疑者を逮捕した。館野容疑者は「密輸するつもりはなかった」と否認し、桜井容疑者は認めている。
同課によると、両容疑者は2023~24年、韓国と日本を計216回往復。計約1トンの金(約108億円相当)を密輸して東京都内の金買い取り店で売却し、計約9億8000万円の利益を得たとみられる。

館野容疑者の逮捕容疑は昨年8月21日、金の延べ棒4本(約4600万円相当)をポーチに入れて韓国から密輸し、消費税の支払いを免れるなどした疑い。

同容疑者は同日、韓国から羽田空港に到着した際にポーチを紛失。同空港に落とし物として届けられたことで発覚した。

その翌日、桜井容疑者がかばんに金の延べ棒9本(約1億450万円相当)を隠し、韓国から密輸しようとしたところを同空港の東京税関職員に見つかった。

両容疑者は韓国で延べ棒を預かり、入国時に消費税相当額を納めないまま日本の金買い取り店で換金し、売却代金を韓国に持ち帰ろうとしていたとみられる。両容疑者が韓国出国時に提出した輸出申告に関する書類には、同一の金の販売先が記されており、同課は韓国に仲間がいるとみて調べている。

鈴木湧万(29) 福島県教委 県立高校の男性教諭を懲戒免職処分

福島県県教育委員会は県立清陵情報高校の鈴木湧万(29)教諭を14日付けで懲戒免職処分としました。 鈴木教諭は2025年7月、郡山市内の商業施設の女性用トイレに盗撮しようと侵入した疑いで警察に逮捕され、その後、罰金10万円の略式命令を受けています。

[社説]NHK性被害問題 人権意識の希薄さ露呈

放送業界の人権意識の低さが、再び浮き彫りになった。誤った対応の根底に、組織としての構造的な問題があるのではないか。
NHK職員が番組出演者から性被害を受け、休職に追い込まれた上、復職時の異動希望が認められなかった問題が明らかになった。
NHKの発表によると、職員は出演者らとの懇親会の後、意に沿わない性被害に遭った。その後、体調不良となり休職。被害から1年数カ月後、職場に被害を申告するとともに、フラッシュバックへの対処として別部局での復職を求めた。
しかし人事局は現所属での復帰が原則だとし元の職場に戻した。産業医も異動を提案するも、異動が受け入れられたのは被害から3年余り後のことである。
職員は心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されている。訴え出るだけでも相当の覚悟を必要としただろうに、心身の安全を守る措置が長く講じられなかったことは、人権意識に欠ける重大な問題だ。
さらに深刻なのは、NHKの上層部やリスク対策担当部局が問題を把握したのは昨年4月のこと。職員が労働組合を通じ異動が認められない理由を確認したからだという。
翌5月に弁護士らによる調査検討委員会が設置され、このほど調査結果が公表された。検討委は被害の深刻さの認識や組織的な対応が欠落していたことを厳しく批判している。
性被害対策で最も重要なのは告発した人を守ることだ。被害者救済を優先した対応が取られなかったことは、残念というほかない。
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加害者の出演者は「飲酒していたため記憶がない。もしそうした事実があったのであれば申し訳ない」と話しているという。番組は既に終了しており、NHKは現在放送中の番組ではこの出演者を起用していない。
また当時対応した人事担当者ら5人については注意したとする。だが懲戒処分には踏み込まなかった。
NHKの井上樹彦会長は、被害の発生を「痛恨」とコメントし、対応をわびた。
調査検討委は「(被害者の)心情に配慮した処遇の実現に向け汗をかく職員はいなかった」と言い切っている。
経緯の説明が不十分なこともあり、責任の所在があいまいで、担当者の処分にも釈然としないものが残る。
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被害に遭った職員が労組に相談する直前の昨年3月、フジテレビ問題で第三者委員会が、元タレントによる元アナウンサーへの性暴力を認定している。
フジテレビの報告書にある「人権問題の認識欠如」「組織の強い同質性・閉鎖性・硬直性」などは共通する問題ではないか。
公共放送の社会的責任としてNHKにはより高い人権意識が求められている。
なぜ寄り添った対応が取れなかったのか。なぜこんなに時間がかかったのか。被害者のプライバシーに配慮しつつ、視聴者へ説明を尽くすべきだ。

自衛隊指揮に国産AI、情報収集や分析担わせ迅速な意思決定…「サカナAI」有力・中国製排除

政府は、自衛隊の部隊運用における中枢の指揮統制に、国産の人工知能(AI)を導入する方向で検討に入った。国産AIを中核に据えつつ、世界最先端の外国製AIなどと連携させ、迅速な意思決定の体制づくりを目指す。先端技術で戦争の形態が変化する中、AIの導入によって「新しい戦い方」への対応を急ぐ。
複数の政府関係者が明らかにした。自衛隊の指揮統制にAIが組み込まれるのは初めて。年末に改定する国家安全保障戦略など安保関連3文書に、指揮統制でのAIの活用方針を盛り込む。
指揮統制は、脅威の状況把握を踏まえ、自衛隊部隊の対処計画の策定から命令を下すまでのプロセスを指す。無人機や衛星、センサーなど先端技術の進展を受け、膨大なデータを短時間に処理してミサイル防衛などの意思決定を行う能力の向上が課題となっていた。
政府は、自衛隊指揮官の迅速な判断を後押しするため、情報の収集、分析、評価などをAIに担わせることを想定する。機密保持など経済安全保障の観点から、国産AIを中心に据える方向だ。米軍も指揮統制に米国のAI企業「パランティア・テクノロジーズ」が開発した「メイブン・スマート・システム」を採用し、対イラン軍事作戦などで実戦投入している。
国産AIとして最有力視されるのは新興企業「サカナAI」(東京)が開発する「Sakana Fugu(サカナ・フグ)」だ。サカナ・フグは、司令塔となるAIが複数のAIに処理を割り振り、低コストで高性能を出せる「オーケストレーション」機能が特徴だ。米軍が導入済みの最先端のAIなどを統制させれば、安全性と世界水準の性能の両立が期待できる。
同社はサカナ・フグの開発段階で中国のAIモデルも利用していたが、防衛分野への提供では中国モデルを排除する。開発チームも日本国籍者に限る。政府関係者は、「データやシステムを外国に頼らず、自国で自律的に管理する『AI主権』を重視する政府の方針にも合致する」と説明する。
防衛省は7日、安保関連3文書のうち国家防衛戦略など2文書に関して骨格を公表し、この中でAIの支援により意思決定の速度・精度を向上させる方針を明記した。自民党が6月にとりまとめた提言では、AIを自律的に選択・運用できるように「AI主権」の確立を求めており、安全保障分野で国産AIの利用を求める声が強まっている。

大阪税関が見つけた中国向け「ニセiPhone」は消費税不正還付の道具だった〈背後に大がかりな偽造グループか〉

兵庫県・神戸市の宝石・貴金属輸出会社「清盛商事」ら3社が正規品を装った模造iPhoneを中国に輸出し、不正に消費税の還付を受けていたとして、大阪国税局が追徴課税(3社で約1億1000万円)したことが報じられた。事件をスクープした朝日新聞記者の市田隆氏が 月刊「文藝春秋」9月号 (8月10日発売)に寄稿し、消費税の不正還付の手口を明かした。
iPhone Pro Max15の模造品、約200台を押収
発端は2025年7月ごろ、関西空港の国際貨物地区で税関職員がX線検査をしていたところ、ある段ボール箱に違和感を抱いたことだった。市田氏は次のように述懐する。
「職員らが段ボール箱を開封して実際の中身を調べる開披検査を行ったところ、正規品とみられる外箱に入った、本物にしか見えないiPhoneだった。しかし、さらに調べると、職員の『違和感』の正体が明らかになる。すべてのiPhoneの中に電子機器類は入っておらず、本物と重量を合わせるための薄い鉄板などを入れた模造品であることが判明した」
押収されたのは、iPhone Pro Max15の模造品、約200台。当時20万円ほどで取引されていた高級機種だが、外箱、ホログラム、シリアルナンバーは正規品のものだったという。
大がかりな偽造グループが背後に関係している疑い
税関は輸出手続きを差し止め、大阪国税局に通報した。消費税の不正還付の疑いがあったからだ。消費税は業者が商品を販売したときに受け取った額から、仕入れ時に払った消費税額を差し引いて納税する。海外に輸出した場合、消費税がかからないため、仕入れで支払った消費税分の還付を受けることができる。この仕組みを業者が悪用したと国税局は判断したのだ。市田氏が続ける。
「消費税の調査に詳しい元国税職員に話を聞いたところ、『精巧な模造品の製作、関連する真正品の大量入手などから、大がかりな偽造グループが背後に関係している疑いがある』と語り、自分の経験でも『消費税の不正還付を生業としている組織が見え隠れすることがあった』と指摘した」
「真正品を輸出したつもり」業者らは騙されたと主張
業者らは、真正品を輸出したつもりであり、騙されたと主張している。だが、極めて疑わしいと言わざるを得ない。市田氏は次のように指摘する。
「取引の内情を知る関係者によると、3社とも真正品のiPhoneを仕入れた実績を示す根拠は乏しく、仕入れ業者も確認できない状態だった。仕入先とされる会社は、東京都内などを所在地とする複数のペーパーカンパニーが介在していた。さらにさかのぼっても、実態のない会社にしか行き着かない」
偽iPhoneの件は朝日新聞が8月5日の総合面でスクープしたが、市田氏による詳しいインサイドレポート「 iPhone、近鉄百貨店…消費税不正を追え 」は「文藝春秋」9月号(8月10日発売)及び、電子版「文藝春秋PLUS」(8月9日公開)に掲載されている。
ペットボトルの水を大手メーカーの高級化粧品と偽って輸出して不正に消費税の還付を受けた事例や、転売目的の中国人による免税品の大量購入で近鉄百貨店など大手百貨店が申告漏れを指摘された事例も紹介されている。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年9月号)

皇室典範改正は「だまし討ち」…五摂家筆頭・近衛家の血を引く元首相・細川護熙氏が見た高市首相の「皇室への信じがたい態度」

7月の報道各社の世論調査で、内閣支持率の急落に直面した高市早苗首相(65)。支持率低下の原因とされたのが、7月に閉会した特別国会で成立した改正皇室典範や強引な国会運営だ。
こうした高市首相の政権運営について、細川護熙元首相(88)が8月10日発売の 月刊「文藝春秋」9月号 に寄稿し、厳しく批判した。
「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」
細川氏は摂政・関白を輩出する五摂家の筆頭・近衛家の血を引き、昭和天皇に仕えた近衛文麿を祖父に、昭和天皇の弟宮である高松宮宣仁親王の御用掛を務めた細川護貞を父にもつ。その細川氏から見ると、「高市氏の皇室に対する態度は信じがたい」という。
象徴的な例として細川氏が挙げるのが、4月に行われた政府主催の昭和100年記念式典での高市氏の振る舞いだ。この式典では天皇のおことばが無かったことや、天皇皇后の入場にあたって先導役を務めたのが首相ではなく木原稔官房長官だったことが物議を醸した。細川氏はこう綴る。
「記念式典はまるで昭和の音楽祭とも言われたが、高市氏がガッツポーズや合いの手を入れるなどノリノリな様子だったのは周知の通りだ。恐らく天皇陛下の前で、高市氏は今この場での最高権力者は自分だと思っていたのではないか。それは危険なことである」
麻生太郎自民党副総裁が推進役だった皇室典範改正についても、国民の支持も乏しい中で「だまし討ちの様な形で成立した」と指摘する。今回の皇室典範改正については、あくまで皇族数確保が目的であり皇位継承の問題については扱わないとされていたにもかかわらず、政府作成の法案では養子皇族の男子子孫に皇位継承資格があるとされたことや、女性皇族が住民基本台帳に記載されるとされたことについて、細川氏は「背後の政治的意思の存在を思わせる」として、こう警鐘を鳴らす。
過去に否定された案が、いつの間にか息を吹き返している
「私が危惧するのは、そのような政治的意思が存在して、2005年の有識者会議の報告書で『国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、 採用することは極めて困難である』として否定された案が、いつの間にか息を吹き返し、衆参3時間ずつの審議だけで、多くの国民が危惧するなか、野党も同調して可決されたという事実である。この先、一旦過去に否定されたものでも、甦って時の権力の手で実現されることもあり得るかと思うと、正直暗澹とならざるを得ない」
細川氏は現在の天皇について「象徴天皇制の最大の擁護者で、かつ実践者である」と指摘。皇室と皇位継承の問題は「この国のかたち」の重要な要素だとしたうえで、こう綴った。
「現代国家との共生も考えず、女性差別の甚だしいやり方で、三十何親等も離れた赤の他人に皇位を移して、『男系継承は守られた』と言ったところで、国民が喜ぶわけでも、世界が称賛するわけでもない。『日本はいつまで時代遅れのことをやっているのか』と言われるのが落ちだろう」
8月10日発売の「文藝春秋」9月号では、「 高市総理よ、日本を壊すな 」と題した細川氏の寄稿を10ページにわたり掲載。改正皇室典範をめぐる問題点や、「数の力」で法案を押し通す高市氏の国会運営における懸念、高市早苗首相への疑問や、今の日本が目指すべき「この国のかたち」などについて綴っている(「文藝春秋」の電子版「 文藝春秋PLUS 」にも全文掲載中)。
(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2026年9月号)

靖国神社「コスプレ禁止」で終戦記念日〝混乱〟も 常連の参拝者どうなる

靖国神社が境内におけるコスプレ禁止を表明したことが話題だ。
靖国神社は7日、公式サイトで「境内における服装等に関するお願い」を発表。境内におけるコスプレ衣装着用の禁止と、境内における軍装(軍服・軍事装具等)の着用の禁止を呼びかけた。同サイトは「本方針は『英霊がお祀りされる神聖な境内における静謐と尊厳を維持すること』を目的としたものです」とし、参拝者に理解を求めている。
弁護士の紀藤正樹氏は9日にX(旧ツイッター)で、「靖國神社が8月7日付けで終戦記念日の恒例になっていた感のあるコスプレや軍服着用の禁止を打ち出しました。英断です。ただし混乱がなければ良いのですが」と投稿。コスプレ禁止を知らずに訪れる人もいるかもしれず、15日の終戦記念日を心配していた。
紀藤氏が指摘する通り、終戦記念日にいろいろな衣装を着て靖国神社に訪れる人はこれまでにたくさんいた。過去には取材に対し、「アメ横で1万9000円で買った」という軍服姿の男性や「日赤(日本赤十字社)から派遣された従軍看護婦」をイメージしたという看護師姿の女性もいた。なかにはチョンマゲを結った侍姿の男性も。
有名だったのが、栃木にある戦争博物館館長を務めていた栗林白岳氏だ。乃木希典将軍の格好をし、「みんな昭和の格好して来るだろうから俺は日露戦争時代の崇拝している乃木大将で来たんだよ」と話していた。毎年参拝に来る常連だったが、2019年に亡くなった。
靖国神社をめぐっては首相の参拝が取りざたされるが、木原稔官房長官は高市早苗首相の参拝について「首相が適切に判断されること」と回答。コスプレ禁止を受けて今年の終戦記念日はどんな変化があるのか。

高市政権の経済政策はなぜ評判が悪いのか? 支持率急落を招いた“変節”…「高市トレード」が「高市ショック」に変わった背景

高市政権の支持率が急落している。報道各社の世論調査で内閣支持率は軒並み下落し、10ポイント以上も減少した調査も。首相本人は「原因がわからない」と強がるが、人心の離反は明らかだ。7月には高市内閣として初めて「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」を閣議決定したものの、直後に円売りが進む「骨太ショック」も見られた。なぜマーケットは株高に沸いた「高市トレード」から、「高市ショック」に180度転換したのか。そこには市場にもてあそばれる首相の姿が浮かび上がる。
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国民の高市首相に対する評価が一変した理由
昨年10月の内閣発足から1年を待たず、国民の高市首相に対する評価が一変した。一時は支持率が7割超という高水準にあったものの、直近の各種調査を見ると厳しい視線が向けられていることがわかる。
読売新聞が7月24~26日に実施した世論調査によれば、内閣支持率は57%で6月調査時から12ポイント下落し、政権発足後最低だった。不支持率は13ポイント増の34%だ。
その他の世論調査でも同じような傾向が見られる。
朝日新聞の調査(7月18、19日)は支持率が前回調査時から7ポイント減の53%、不支持率は8ポイント増の35%。日経新聞の調査(7月24~26日)は支持率が10ポイント減の58%、不支持率が10ポイント増の37%。
共同通信の調査(7月25、26日)では支持率が2.1ポイント減の53.7%、不支持率は5.8ポイント増の33.7%だった。
高市首相の経済対策がここまで評判が悪い背景
支持率急落の要因については、様々な見方がある。最も下落幅が大きかった読売新聞は皇室典範改正などの重要法案や政策に関して首相の説明不足があったと指摘した上で、物価高への国民の不満が影響したとみられるとしている。
実際、読売の調査では皇室典範改正などについて首相の説明が十分だったと思うかについて質問し、「思わない」が62%を占めた。また、物価高に対する政府の対応を「評価しない」は71%に達し、前回調査から15ポイントも上昇したと報じている。
読売の調査をもとにした分析に異を唱える人は少ないだろう。だが、筆者には高市首相の経済対策がここまで評判が悪い背景には、プラスアルファの要因があるように映る。
その最大のものは、高市首相の言うことがころころと変わってきた点にあるのではないか。つまり、国民や市場からすれば「信頼性」の問題である。
ころころ変わる高市「減税論」のいい加減さ
まず首相が掲げてきた飲食料品の消費税ゼロ化について指摘したい。
高市氏は1月19日の記者会見で、物価高対策としての効果を見据え、2年間限定で税率を「ゼロ」にすることを自民党の衆院選公約とする意向を表明した。この時に首相は「ゼロ」が自らの悲願であったとまで言及している。
自民党は2月の衆院選で「飲食料品は、2年間に限り消費税の対象としないことについて、今後『国民会議』において、財源やスケジュールの在り方など、実現に向けた検討を加速します」と公約し、歴史的な大勝をつかんだ。
たしかに選挙後、野党にも呼び掛ける形で「国民会議」はスタートしたが、いつの間にかゴールは「税率1%」にすり替えられてしまったのだ。
レジシステム改修などに一定期間がかかるとする高市氏は「十分な負担軽減をいち早く的確な形で届けるため、実現に向けて強い思いをもって取り組んできた」と説明したが、来年4月からの「税率1%」化は首相の言動とは異なるものだ。
そもそも、首相は昨年10月に自民党総裁に選ばれた際の会見で、食料品の消費税率ゼロ化に関し「選択肢として放棄するものではないが、すぐに対応できることを優先したい」と慎重だった。
同12月23日の日経新聞インタビューでは「選択肢としては排除しないが、物価高対策としては即効性がないと判断をした」とも答えている。
市場や事業者にも悪影響を与えかねない
首相や与党の最高責任者に就いた後、政治家が“変節”する例を挙げればキリがない。
だが、それならば高市氏はなぜ消費税ゼロ化に慎重姿勢だったインタビューの約1カ月後の記者会見で「悲願」とまで言ったのか。そして、物価高対策に即効性がないと言っておきながら、今さら「負担軽減」を持ち出したのか解せない。
時の最高権力者が決断を下したのであれば、来年4月から飲食料品の消費税率は「1%」に2年間限定で変更されるのだろう。だが、信頼性という観点から言えば「2年後」に本当に税率を元に戻すことはできるのか不安になる。
その時にインフレが加速していたらどうするつもりなのか。首相の言動がコロコロと変わることは市場や事業者にも悪影響を与えかねない。
骨太ショックについても触れよう。6月に公表された「骨太の方針」原案には何と書いてあったか。
金融政策の具体的手段に首相が言及する異例の会談
そこには、日本銀行について「『強い経済』の実現のためにも安定的な物価上昇の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要」「日銀法第4条及び政府・日本銀行の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携」と記載されていた。
だが、7月に閣議決定されたものは「日銀の独立性」に配慮し、「日銀法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられる」との文言が付け加えられている。
さらなる円安進行や長期金利の上昇を招きかねないと事務方が加筆したのかもしれない。だが、時事通信は8月5日、首相が5月に植田和男・日銀総裁と会談した際、「長期金利の上昇を抑えるため、必要に応じて国債を買い入れるよう求めていたことが4日、分かった」と報道。金融政策の具体的手段に首相が言及する異例の会談だったと報じている。
政治には「表と裏」があるのだろう。たしかに日銀は6月の金融政策決定会合で政策金利を1%に引き上げるとともに、国債買い入れの減額措置停止を決定した。首相は利上げに難色を示していたとされ、両者にはすきま風が吹く。
多くは既存事業の焼き直し感が否めない「日本成長戦略」
歴史的な円安は28年ぶりの日米協調介入によって急激な円高に転じたが、円ドル相場が落ち着いていくのかといえば「否」だろう。背景にある日本と米国の金利差に加え、「責任ある積極財政」を掲げる高市政権への不安も国内外には存在する。
骨太の方針と同じく閣議決定された「日本成長戦略」は、首相が注力する経済安全保障の強化や危機管理投資、AI(人工知能)など先端技術に対する積極投資といった「高市カラー」が並ぶものの、多くは既存事業の焼き直し感が否めず、総花的で新味を欠く。
財源の裏打ちが怪しいものもあり、さらなる長期金利の上昇を招きかねないリスクを負っているとの見方は消えない。円安進行や金利上昇という“爆弾”は、高市政権に今後もつきまとい、常に市場の動向をにらみながらの政権運営を強いられることになるだろう。
皇室典範改正や経済安全保障の強化、スパイ防止法など高市首相が取り組む課題は国家にとって重要なテーマである。だが、その時々で国民に必要性を十分に説明してきたと言えるのか。
「高市トレード」から「高市ショック」へ
なぜ自らの言動が“変節”してきたのかについて市場や国民とコミュニケーションを図ってきたのか。そして、一向に止まない物価高騰に対して来年春からの「飲食料品の消費税率1%」化だけで対応できると本気で考えているのか。
自ら発信したい点はSNSなどで時間を割く首相だが、市場や国民との「対話」は限られているように映る。その姿勢が今後も「独りよがり」と見られれば、支持率下落の波はさらに高くなっていくのかもしれない。
「高市トレード」から「高市ショック」へ――。市場が首相に突きつけたのは、政策の中身以上に「言動の一貫性」への疑問符である。
消費税ゼロ化から一転しての「税率1%」化、骨太方針原案の書き換え、日銀への異例の関与。いずれの根底にも、掲げた旗をいつの間にか下ろす「信頼性」の揺らぎが横たわる。
国民が求めているのは巧みなSNS発信ではなく、なぜ考えを変えたのかを正面から語る誠実な「対話」だ。物価高という難題にその場しのぎで臨む限り、市場も民意も首相から静かに離れていく。
人心の離反を「原因がわからない」で片付けているうちは、支持率下落の波がさらに高まることを、首相は覚悟すべきだろう。
文/竹橋大吉

<独自>脱税で刑事告発の中国人経営企業 日本の在留資格便宜うたい勧誘、人件費水増しか

多数の外国人を雇用しているように装い、8000万円超を脱税したとして、東京国税局から東京地検特捜部に刑事告発された中国人経営の企業が、SNSで「日本の在留資格取得の相談に乗る」などとして協力者を集めていた疑いがあることが9日、関係者への取材で分かった。捜査当局は、同社が応募してきた中国人らに銀行口座を作らせ、給与を支払ったように見せかける手口で人件費を不当に水増しし、脱税していたとみて調べている。
令和7年6月に法人税法違反などの罪で告発されたのは、情報システムソフト開発会社「シーテクホールディングス」(東京都中央区)と中国籍の宮沢大海こと倪大海社長(47)。
関係者によると、会社側は中国の通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で、日本の在留資格取得の便宜を図ることをにおわせる内容を投稿。応募してきた延べ200人近くの中国人に銀行口座を開設させ、給与名目で一定額を入金した後、会社側で現金を引き出していたという。
同社はさらに、中国系の取引先と結託し、虚偽の請求書に基づく外注費を計上するなどして売り上げを圧縮した疑いがもたれている。
同社は5年3月期までの2年間で所得約1億4300万円を隠し、法人税約4000万円を脱税したほか、3年4月~5年3月、消費税約4200万円を免れたとされる。

熊本・氷川町 不明のペット ボランティアが捜索

震度7を観測した氷川町では、地震の後に行方が分からなくなったペットを見つけ出そうと、ボランティアによる捜索活動が続いています。
【映像】行方不明のペットを捜索する様子
千葉県から駆け付けたボランティアは8日、氷川町の住宅で飼いネコを探し出すための活動に当たっていました。
夜に活発に動くネコの動きをカメラで確認し、捕獲器による保護を目指します。すでに20件ほどの依頼を受けたということです。
動物レスキュー「チームうーにゃん」代表「うさ」さん(58)「その方が諦めてしまったら、頑張って生きておうちに帰りたいと思って迷子になっている子の帰る家がなくなってしまうので、とにかく諦めない気持ちが大事」
ペットの保護などを支援するNPO法人によりますと、地震発生後、県内では迷子などの相談が100件以上寄せられているということです。(ANNニュース)