埼玉県戸田市の首都高速で2024年、大型トラックが渋滞の車列に突っ込み、6人が死傷した事故で、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)などに問われた元トラック運転手の降籏紗京(ふりはたさきょう)被告(30)が、東京高裁への控訴を取り下げたことがわかった。懲役7年6月とした1審・東京地裁判決が確定した。
昨年11月の地裁判決によると、降籏被告は24年5月14日朝、発熱で意識がもうろうとした状態でトラックを運転。時速約75~80キロ・メートルで渋滞の車列に突っ込み、3人を死亡させ、他の3人に重軽傷を負わせた。
降籏被告は公判で起訴事実を認めたが、判決を不服として東京高裁に控訴した。昨年11月、判決後に東京拘置所で読売新聞の取材に応じた際は「命を奪った責任は重く、申し訳なく思う」と述べる一方、「1審では母親の証人尋問ができなかった。できる主張をやり残したくなかった」と控訴した理由を説明していた。
東京高裁によると、降籏被告は3月24日に控訴を取り下げたという。事故で夫の杉平裕紀(ゆうき)さん(当時42歳)を亡くした智里さんは6日、取材に「判決が確定しても、何も終わらない。遺族の苦しみや悲しみは、これからも続いていく。被告には、刑務所の厳しい環境の中で過酷な日々を過ごしてほしい」と話した。
津波から生還した石巻市職員、手探りの復興420日の日記…泊まり込み支援物資配布の調整・同僚救えず自責
職務中に東日本大震災の津波にのまれながら生還した宮城県石巻市職員の今野照夫さん(64)が震災当日から420日間、克明に書き続けた日記がある。同僚17人を失った職場でリーダーの一人として地域の復興を手探りで担い、被災自治体がどんな課題に直面したのかを時系列で記録していた。「後世の役に立つなら」と15年の歳月を経て日記の存在を明らかにした。(石巻支局 高倉正樹)
今野さんは当時、市北上総合支所の地域振興課補佐だった。2階建ての支所は指定避難所だったが、想定の2倍を超える高さ14メートルの津波が押し寄せ、職員や避難した住民ら57人のうち54人が犠牲となった。今野さんも波にさらわれて2時間ほど漂流し、民家に流れ着いて助かった。
翌朝、災害対策支部が置かれた中学校体育館まで歩き、公務に復帰した。日記にはこうある。
<甚大な災害だということは、理解できている。避難者と一緒に宿泊。ほとんど眠れない状態>(3月12日)
発生から2週間ほどは発電機やガソリンの確保に奔走した。連日泊まり込み、ろうそくの明かりで警察や自衛隊と協議し、ボランティアの受け入れや支援物資の配布を調整した。
4日目、職員をなるべく自宅で休ませるよう上司に提案した。以前、阪神大震災の報告書を読み、激務で自治体職員の体調悪化が相次いだとあったからだ。
4月に入ると不明者捜索に区切りをつけ、被災したまちの復旧に移っていく。
<遺体捜索を実施しながら、ガレキなどの撤去にシフトする必要がある。明日、展開方法を考えよう>(4月2日)
「行方不明310名、身元確認されたのは149遺体」「遺族に大変申し訳ない」とも記され、苦渋の決断だったとわかる。
支所職員は8人が死亡、9人が行方不明となった。同僚を救えなかったことに苦しみ、自分を責める記述が続く。業務は残された人員で手分けし、担当外の仕事もこなした。ようやく丸1日休めたのは6月4日。交代の泊まり勤務が終わったのは8月19日だった。
この年の夏、市職員の合同慰霊祭で代表としてお別れの言葉を読んだ。前日までに泣きながら書き上げた原稿の全文も日記にある。
<皆さんの無念さを思うと言葉がありません。なぜこれほど多くの人が死ななければならないのか? 答えが無いかもしれませんが、私はずっと問い続けることになるでしょう>(7月3日)
今野さんは2014年に市本庁に異動し、児童・教職員計84人が亡くなった大川小の震災遺構保存などを担当して遺族との調整にあたった。22年の定年退職後も再任用され、震災伝承課に勤める。「自分は『生かされた』という思いしかない。だからどんな仕事もつらいと感じたことはない」
当初の日記は紙に殴り書きで、途中からパソコン入力に切り替えた。夜に周りが寝静まってから書くことが多かった。「個人的な記述も多い」と存在を明かしていなかったが、十三回忌が過ぎた3年前に気持ちの整理がつき、世に問うことにした。今野さんは「当時を知らない世代が増えて震災の記憶が薄れている。災害対応の参考にしてほしい」と語る。
東洋大が残業代未払い、20年以上・年間1800万円か…労基署が是正勧告
教職員らの残業代の一部が未払いだったとして、東洋大(東京)が昨年10月、王子労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことがわかった。同大は未払いを認めつつも、対象人数や金額については「精査中」としている。大学関係者によると、未払いは20年以上にわたって続き、年間の未払い額は1800万円程度に上るという。
東洋大や大学関係者によると、教職員の残業代を算出する際の基準となる「月額給与」について、本来は住宅手当を給与に含めるべきだったのに誤って除外するなどしていたため、残業代の一部が支払われなかったという。対象は大学職員のほか、付属中高校などの教職員や退職者らも含まれる。
東洋大は取材に対し、労基署から是正勧告を受けたことを認め、「適法だと事実誤認していた」と説明した。その上で、未払い分の残業代については、「法的な時効や給与台帳の法的な保存期間等を総合的に勘案した」として、2020~25年度分を6月にも対象の教職員に支払う方針を示した。同大は「事態を重く受け止め、適正な労務管理の徹底に努める」としている。
東洋大は今回の問題を文部科学省に報告し、3月には学内向けの説明会を開催した。大学関係者によると、説明会では、残業代の算出時に月額給与から住宅手当を除外する運用が20年以上続き、年間の未払い額は1800万円程度とみられると大学側から報告されたという。
労基法では、残業代は1時間あたりの賃金を基準額として算定するよう定めている。賃貸住宅に住む従業員の家賃の一定割合分を支給する際などには、基準額から住宅手当分を控除できる。一方で、従業員に一律で定額を支払う場合などには、労働の対価とみなされて除外できない。
自治体4割「法規制必要」 災害時のSNS偽情報、AIで巧妙に
災害時にSNSなどで拡散する偽情報の対応について、都道府県と政令市の約4割が情報の拡散を法律で規制する必要があると認識していることが毎日新聞のアンケートで判明した。「必要ない」との回答はゼロで、「どちらとも言えない」「その他」とする自治体からも拡散防止策の必要性を指摘する声が相次いだ。
4月14日で発生から10年となる2016年の熊本地震では「ライオンが放たれた」との偽情報が画像付きでSNS上に拡散し、熊本市や熊本県警などに問い合わせが殺到する事態が起きた。24年1月の能登半島地震では虚偽の救助要請が投稿されて警察官が実際に救助に向かうケースもあった。人工知能(AI)の高度化で情報の真偽を見極めることがさらに難しくなるなか、アンケートでは自治体の強い危機感がにじんだ。
SNSの収益化システムを問題視
アンケートは2~3月に実施し、47都道府県と20政令市の全67自治体から回答を得た。偽情報対策として法規制が必要か尋ねたところ、29自治体が「必要」と回答。災害対応や被災者支援への影響を理由とする声がほとんどで、「閲覧数に応じ収益が発生する仕組みが真偽不明の情報や不安をあおる投稿の拡散を助長する恐れがある」(千葉市)とSNSの収益化システムを問題視する意見もあった。山梨県は「自制の呼びかけだけでは限界がある」と訴えた。
必要と回答した自治体に具体的な規制内容を聞いたところ、SNS運営者に閲覧数による収益化の停止を求める声が多く、アカウント凍結、投稿削除も例として挙がった。AIで生成された画像・動画には、AI由来であるとの表示義務化を求める意見もあった。
佐賀県は法規制の必要性を求めながらも、「災害時にはSNSなどが貴重な情報源となることもある。真に救助を求める発信をためらうような規制とならないことが必要」と指摘した。
法規制の是非を明確にしなかったのは38自治体で、その中にも「人命救助を阻害する可能性があるため(偽情報拡散の)防止策は不可欠」(福島県)といった意見があった。
表現の自由との兼ね合いも
一方、表現の自由の侵害につながらないか慎重な自治体もあり、新潟市は「SNSは個人が自由に意見や情報を発信できるツールであり、発信者が得た真偽不明の情報が流れるのはやむを得ない」と回答した。
能登半島地震で被害が大きかった石川県の奥能登4市町(輪島市、珠洲(すず)市、能登町、穴水町)にも同様の内容を聞いたところ、珠洲市と能登町が法規制を「必要」と回答した。珠洲市は「救助や救出の妨げになるような混乱を引き起こす場合には、法的な対応が必要だと考える」とした。
災害時の偽情報を巡っては総務省の有識者会議が抑止策を議論している。25年9月には法整備を含め検討する内容を盛り込んだ中間報告を取りまとめた。
また、25年12月に公表された首都直下地震の被害想定では、虚偽の被害写真や不安をあおるデマなどが大量に発生することで、被災地の活動に悪影響を与える可能性が指摘されている。
緊急時の社会心理に詳しい東京大大学院の関谷直也教授(災害情報論)は「悪意のある偽情報に対しては刑法に基づき毅然(きぜん)と対応すべきだが、災害時には、善意で発信されるものも少なくない。以前から誤情報・偽情報も多く、閲覧数に応じた収益化を止めたとしても効果は得られないだろう」と指摘する。「情報を発信する際は『自分が正しい』と思いがちだが、正義感は誤った方向に向かうこともある。発信する一人一人の認識を変えていくことが大切だ」と語る。【中里顕】
社民党支持者も嘆いた出直し会見の〝醜態〟 大椿裕子氏は怒りの途中退席
党勢衰退を象徴するような会見となってしまった。6日、決選投票となっていた社民党の党首選が開票となり、福島瑞穂氏が新党首に選ばれた。就任会見で「社民党リブート」を訴えた福島氏だが、対立候補の大椿裕子氏が会見途中で怒りの退席をするなど党内はガタガタ。再出発どころではなくなってしまった。
13年ぶりとなった党首選には現職の福島氏に大椿氏、そしてラサール石井副党首も名乗りを上げ、投票の結果、福島氏と大椿氏による決選投票にもつれ込んでいた。
決選投票の有効投票数は4156票で、福島氏が2364票を獲得。大椿氏は1792票だった。割合は6対4で、福島氏の圧勝とはならず、党内には一定程度の反福島票があることが明らかとなった。
福島氏は結果を受けての会見で「社民党リブート、再生に向かって大きくしていきたい」と意気込み、政治スクールの開設などを通して自治体議員を増やす目標を掲げた。一方で党内融和については「人事はまだ白紙」とだけ語った。
会見が異様な雰囲気となったのは、ある名物記者の質問からだった。記者は会見に同席していた大椿氏とラサール氏にもコメントを求めたのだが、司会者が「新党首の会見なので党首への質問に限ってほしい」と返答。これに大椿氏が「もう少し平等に候補者を扱ったらどうですか」「それはひどいと思います」と意見したのだ。
結局、発言は認められず、憤慨した大椿氏は会見途中にもかかわらず退席した。これを受けて記者らが「自民党総裁選でも敗者の弁はある」「みっともない」と会見の仕切りに苦言を呈せば、司会者も「静かにしてもらえませんか」「ちょっとやめてくださいよ」と反論。党再生に向けた会見のはずが、党の醜態をさらす結果となってしまった。
あまりにひどい会見内容に社民党支持者すら「党内の対立を国民に見せつけているようで、ますます社民党の印象が悪くなっていくばかりです」と嘆いた。
大椿氏は離党してしまうのか。会見退席後、大椿氏は名物記者のYouTubeチャンネルに出演し、「離党を考えているわけではない」と否定した。
異様な会見の仕切りについては、「数日前に当選者のみで会見すると聞いて、それはダメだと。自民党のように戦った者同士が手をつないで一致団結して頑張ろうっていう場を作らないといけない」と思い、党内で働きかけたが「福島さんはそれは嫌だっていうわけですね」と明かした。
結果的に3人が出席する会見にはなったが、大椿氏の発言については「答えさせない方針で臨んでいたと思います」と指摘した。
福島氏と大椿氏をめぐっては衆院沖縄2区の候補者擁立をめぐる対立がある。福島氏ら執行部が会見の場で沖縄の件を大椿氏に蒸し返されるのを嫌った可能性もある。
前出の支持者は「社民党の国会議員は2人。ラサール氏の改選となる2031年参院選までは政党として存続するでしょうがその後はないかもしれません」と、あり得ないレベルの会見にショックを受けていた。
「学校と反対方向へ歩く姿も見ていない」京都・男児不明…当日朝の新証言 防カメにも姿なく
京都府南丹市で11歳の男子児童が行方不明となって、6日で2週間です。6日夜、学校による保護者向けの説明会が行われました。
◇
現場周辺には、6日も多くの警察官の姿がありました。
京都府南丹市で行方不明となっている、小学6年生の安達結希くん、11歳。
懸命な捜索が続けられていますが、有力な手がかりはほとんどなく、その後の足取りは一切確認できていません。
そして行方が分からなくなって2週間となった6日、新たに分かったのは…。
当日の朝、結希くんの姿は学校側の防犯カメラに映っていなかったということですが、学校と反対方向へ歩く結希くんの姿も見ていないという証言です。
結希くんの行方は…。
6日夜。多くの保護者らが、学校へと入っていきます。
行われたのは、行方不明となっている安達結希くんと同じ小学6年生の保護者を対象とした保護者説明会です。
オンラインも含めて100人近くが参加し、学校のこれまでの対応や、今後の安全確保への取り組みについてなどを説明したということです。
先月23日に父親が小学校のすぐ近くに送り届けたのを最後に、行方が分からなくなっている安達結希くん。
結希くんについて、同学年の子は…。
結希くんと同学年
「めっちゃ元気な子。ずっと笑顔。心配だし早く見つかってほしい」
6日、「news zero」が現場周辺に向かうと…。
警察官
「お願いします」
「南北2班に分かれてこれより捜索開始、どうぞ」
警察官が、田んぼの周りを捜索する様子がありました。
中でも、特に慎重に調べていたのは田んぼの側溝で、棒を使いながら捜索していました。
結希くんにつながる手がかりが少ない中、新たに分かったのは、行方不明になった当日の朝に関する証言です。
結希くんが車で送られたのと同じ午前8時ごろ、駐車場の横にある児童クラブに子どもを預けた保護者によりますと、「駐車場の方から学校と逆方向に歩く児童は見ていない」というのです。
しかし、警察などによりますと、学校側の防犯カメラにも姿は映っておらず、教員や学校の保護者からの目撃情報もないといいます。
さらに、これまでに市内の防犯カメラで、結希くんの姿は確認できていないということです。
結希くんは、いつどこでいなくなってしまったのか。警察の捜索が進めば進むほど、謎が深まっています。
現時点で唯一の手がかりとなっているのが、結希くんの通学用リュックサックです。
見つかったのは、結希くんが通う小学校から3キロほど離れた山の中です。
行方が分からなくなった6日後に、親族によって発見されていますが、周辺はこれまで消防団が3度捜索を行っていたものの、その時には見つからなかったといいます。
捜索の範囲は広がっていて、先週金曜日(3日)からは池の中の捜索も始まっています。
リュックが見つかった場所近くの池だけでなく、小学校からおよそ1.5キロ南にある池でも捜索が行われています。
そしてもうひとつ、警察が重点的に捜索しているとみられる場所が、小学校から南側に9キロほど離れた「るり渓谷」の付近です。
5日は、警察官が一軒ずつ家を訪ねる様子がありました。
周辺住民によりますと、結希くんが行方不明になった翌日には、すでに警察の姿があったといいます。
近隣住民
「『子ども見かけなかったか』とそんなこと聞かれた」
警察はこれまでに、のべおよそ640人を投入し市内全域を捜索していて、情報提供は200件以上寄せられているといいますが、依然として発見には至っていません。
今後の捜索で、結希くんの発見につながる手がかりは見つかるのでしょうか。
(4月6日放送『news zero』より)
「教員不足、ここまで来たか」免許なしで合格→後から取得、さいたま市“異例採用”に賛否噴出…「現場ではすでに最悪の事態が」と専門家は指摘
各地で次年度の教員採用選考の実施要綱が発表される中、埼玉県さいたま市の選考が話題となっている。同市が新設した「小学校教員プレ・ライセンス特別選考」は、教員普通免許状を未所有でも受験が可能というもので、民間企業等で通算3年以上の勤務経験を有する人が対象だ。これに対し、SNSなどには懸念の声もあがっている。同市の担当者に話を聞くとともに、専門家の見解を聞いた。
【グラフ】受験者数、競争率は最低値に…令和7年度の公立学校教員採用選考試験の推移
全国的な教員のなり手不足に「危機感を覚える部分もあります」
さいたま市の学校教員採用選考試験で新たに導入された「小学校教員プレ・ライセンス特別選考」。
小学校教員普通免許状を取得していない志願者が、選考合格後に定められた期間内に免許状を取得することを前提として受験できる選考だ。民間企業や官公庁等で通算3年以上の勤務経験を有する人が対象となる。
この選考をめぐり、SNSには「教員不足の深刻さがここまで来たのか」「社会人経験者のほうが視野が広くて生徒にとっていいかも」など、さまざまな声があがっている。
制度新設の背景について、さいたま市教育委員会教職員人事課は次のように説明する。
「小学校教員プレ・ライセンス特別選考は、その免許状取得までの猶予期間を設けるというもので、免許状を取得していただいた後に教壇に立てるという形になります。
今、全国的に社会人登用が重要視されている中で、社会人経験者のスキルや多様な経験を教育現場で生かしてほしいと考え、社会人を経験されている方を広く登用して、教育に携わっていただきたいというところからこの選考を新設しました」
全国的に教員不足が深刻化している状況も影響しているのか。
「さいたま市に関しては倍率的には全国を上回っている状況もあります。ただ、全国的には教員のなり手が不足していますので、広い視野で見て先を見越していくと、やはり危機感を覚える部分もあります」
「小学校教員プレ・ライセンス特別選考」は、選考合格後に免許状を取得することを前提としているが、同担当者によれば通信制の大学で教職に必要な単位のみを取得するなどの形を想定しているという。
「(選考に合格した人が)お仕事をしながら免許状を取得することが前提条件になるため、免許状取得に関して合格者の方の相談なども受けられたらと考えています」
なお、免許状取得には期限があり、令和8年度実施分については、令和11年の3月31日までに取得できなかった場合は採用候補者名簿に登載しないという。
同市ではほかにも「ティーチャー・リターン選考」を新設。
過去にさいたま市で5年以上継続して教職に就き、なおかつ退職後5年を経過していない人を対象に、再度教員として登用することを目的とした選考だという。
「各自治体が危機感を持ってありとあらゆる手段を尽くしています」
賛否両論のさいたま市の教員採用選考について、名古屋大学の内田良教授は次のように話す。
「教員志願者が減っていく中で、思いつく手段はすべてと言っていいほど、次々に緩和策が取られているという印象です。
学部3年生で教員採用の一次選考を受験可能にしたり、普通免許状を持たない人に特別免許状や臨時免許状を授与したりするなど、同様の取り組みは各地で行なわれています。
また、文部科学省は教員採用試験の前倒しも進めています。従来は全国的に7月に実施されていましたが、これを5月に前倒しするよう方針を打ち出しました。人材が民間企業に流れる前に確保したいという意図があります。
ほかにも、秋や冬に選考を実施して追加募集を行なうケースもあります。各自治体が危機感を持ってありとあらゆる手段を尽くしています」
こうした動きに対する懸念として、内田教授は次のように話す。
「そもそも教員採用選考の倍率が1~2倍の自治体は多く、小学校では『受ければ採用される』というような状況です。
また、1年目での離職者も非常に増えていますし、そもそも教科の学力が十分でなかったり、コミュニケーションに課題を抱えたりする人たちが教員採用選考に合格しているという話も聞こえてきています。
こうした中で要件緩和が進むことで、質の保証は大丈夫なのかという懸念があります」
内田教授は「現場ではすでに最悪の事態が起きている」と指摘する。
「なぜこのようなことが起きているかというと、その前提として『教壇に教員がいない』という最悪の事態が起きているからです。
義務教育が提供できないというのは、教育現場の崩壊を意味します。義務教育を維持するために、現場はギリギリの対応を続けているという状況ではないでしょうか」
内田教授が指摘する「二つの課題」とは
教員の志願者を増やし、離職者を減らしていくために重要な課題として、内田教授は「長時間労働の削減」と「保護者対応」を挙げる。
「部活動の指導では土日が潰れることも多く、それを前提とした働き方は問題があります。17時に帰れて、家庭で子どもと過ごす時間も確保できれば、本当に魅力的な仕事になります。
今、現場の先生たちはよく『やりがい』を強調しますが、いっぽうでそれは長時間労働を隠すかのような説明にも聞こえます。そのやりがいが17時までに得られれば素敵だと思いませんか?というのが私の問いなんです」
また「保護者対応」については、特に若手教員に大きな負担をもたらしているという。
「かつては教員という存在は良くも悪くも権威がありました。それが低下した今、若い教員が自分よりも年上の保護者に対応する難しさもあります。
そういう中で、保護者はさまざまな無理を言ってくるケースがあります。
たとえば『スマホの扱い方を子どもに教えてほしい』『ゲームの課金トラブルを起こした子どもに指導してほしい』などと保護者が要求してくるという話は当たり前のように聞きます。
しかし、本来それは家庭の役割です。こうした状況は、もはや学校への『依存』です」
内田教授は、保護者と教員の間には溝があり、お互いの理解を深めることが重要だと指摘する。
「保護者と教員は近いところにいるようで、実はお互いに何も知らないまま、距離感がある状態です。
そうした中で今、PTAが教員の働き方を知ろうとする動きがあります。このような取り組みが現実的な課題解決につながることを期待したいと考えています」
教員の長時間労働の削減と保護者対応の改善の二つが進めば、職場環境の改善と、志願者の増加につながる可能性がある。
「実際、この1~2年で学校から部活がなくなるという自治体がいくつかあります。たとえば神戸市も今年の夏、公立中学校の部活動は完全に終了する予定です。
その話を聞いた教員志望の学生が、受験先に神戸市を選ぶというような動きもあると聞きます。人材が限られている中で、真っ先に取り組まなければならないのは職場環境の改善です」
義務教育制度を守るために各自治体が動きを加速させる中、現場の課題をどのように解決していくのか。さらなる議論と迅速な取り組みが求められている。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
「本当に悔しいです」九州国際大学付属高の“野球部内暴力”被害生徒と両親が独占告白《学校は「調査中」「異なる情報」と言うが、被害生徒に事情を聞かず…》
〈 九州国際大付野球部が「部内暴力」で警察沙汰を起こしていた! センバツ直前に「プロ注目選手が同級生を病院送り」 教頭は「調査中なので詳細は回答できません」 〉から続く
九州国際大付属高校野球部のグラウンドで今年2月、生徒が大けがをして “部内暴力”が疑われている問題 。学校が「調査中」と発表する中、 被害を訴える生徒と両親が「週刊文春」の独占インタビューに応じた 。生徒がこう胸中を告白した。
「自分は18年間しか生きていませんが、その中でも野球が自分にとってのかけがえのないもの、学校生活のすべてといってもいい存在でした。今回の件で転校することになってしまい、大好きな野球から離れることになってしまった。本当に悔しいです」
同校は今春の選抜高校野球大会(センバツ、甲子園)にも出場を果たし、ベスト16で敗退した。そのセンバツ開幕の2日前、同校のグラウンドで警察が実況見分を行っていた。
事の発端は2月28日土曜日のことだ。学校から車で30分ほどの場所に位置する野球部グラウンドで、部内の紅白戦が行われていた。そこで、別の選手にスパイクで顔面を蹴られる事件が起きたという――。
本件について、学校側は「事実関係、言動の趣旨等について相異なる情報がある」などと説明している。しかし、生徒の父が明かす。
「実は、学校側から私たちがまともに事情を聞かれたことは、これまでありません」
一体、何が起きているのか。生徒が語る事件の詳細、その後の日々、両親が語る失明寸前のケガの酷さ、そして学校が被害を訴える生徒から詳細に聞き取りをしていない現状など、独占告白記事を「 週刊文春 電子版 」で配信している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春)
「すき家」「はま寿司」ゼンショーHDの創業者・小川賢太郎さん死去 77歳
外食大手ゼンショーホールディングスの創業者で代表取締役会長の小川賢太郎さんが、4月6日に死去した。77歳。同社が7日、公式サイトで発表した。【写真】業界団体でも要職を歴任した小川賢太郎さん 発表によると、小川さんの逝去に伴い、同日付で代表取締役を退任した。通夜および葬儀は家族葬で執り行い、遺族の意向により供花や香典、弔問などは辞退するとしている。後日「お別れの会」を開催する予定で、詳細は改めて発表される。 小川さんは1948年7月29日、石川県生まれ。1982年にゼンショーを設立し、牛丼チェーン「すき家」や回転寿司チェーン「はま寿司」などを展開する外食大手へと成長させた。2011年にはゼンショーホールディングスの代表取締役会長兼社長に就任し、長年にわたりグループをけん引した。 また、業界団体でも要職を歴任。日本チェーンストア協会副会長や、国民生活産業・消費者団体連合会(生団連)会長などを務め、流通・外食業界の発展にも尽力した。2025年には同団体の名誉会長に就任している。
【速報】高市総理「経済活動にブレーキかける形で節約求める用意ない」 エネルギー安定供給と価格高騰の懸念に対し
中東情勢を受けエネルギー安定供給と価格の高騰が懸念されていますが、高市総理は7日、"経済活動にブレーキをかけるような形で今すぐ節約を求める用意はない"との考えを示しました。
立憲民主党・勝部賢志参院議員 「(石油など)十分に確保できているから、節約や節電は当面しないというふうにお考えなのか、それとも、長期的なことを考えれば、今すぐにでもやるべきとお考えなのか、その辺どのような考えかお聞かせください」
高市総理 「経済活動にあまりブレーキをかけるような形でですね、今すぐ、このように節約をしてくださいと申し上げる用意はございません。ただ、これは今後の状況見ながら臨機応変にしっかりと判断をさせていただきます」
参議院・予算委員会では7日、野党が中東情勢の緊迫の長期化によりエネルギーの安定供給と価格高騰が懸念されていることから、"長期的に見れば、節電や節約の対応はするべきとの声が上がっている"と指摘しましたが、高市総理は"経済活動にブレーキをかける形で節約を求める用意はない"との考えを示しました。
その上で、今後の状況を見ながら臨機応変に判断するとしたほか、7日にも産油国との電話での首脳会談を予定していると明らかにし、石油などの調達先の多角化を進めていると強調しています。