自身の過去の選挙で法定の上限を超える運動員に報酬を支払うなどしたとして、埼玉県警が今月に入り、同県長瀞町の鈴木日出男町長(66)を公職選挙法違反(買収)容疑で書類送検していたことが判明した。捜査関係者への取材で明らかになった。
鈴木町長は元秩父市職員で、2023年4月の長瀞町議選で初当選。1期目途中で辞職し、25年6月の同町長選で初当選した。昨秋以降、町議選で法定上限を超える人数の選挙運動員に報酬を支払っていた疑惑や、町長選で単純な労務に限って報酬の支払いが認められている「労務者」に選挙運動をさせていた疑惑が浮上。関係者が刑事告発し、県警が捜査していた。
鈴木町長は昨年12月、町議選で法定の35人を超える延べ58人に計66万円の報酬を支払っていたと報告。町長選でも労務者8人が選挙カーを運転するなど、選挙運動に該当する可能性がある行為をしていたことを明らかにした。
鈴木町長は記者会見で「確認漏れだった」と謝罪し、超過分の報酬を運動員から返還してもらった上で町選挙管理委員会への報告書を修正したとしていた。
この問題を受けて町議会は今月11日、鈴木町長の給与を4月から任期満了の29年7月まで半額にする議案を可決している。【田原拓郎、板鼻歳也】
2人組の男が店に押し入り…現金約170万円などを奪い逃走 東京・新宿
14日午後10時ごろ、東京・新宿区の携帯電話の買い取り販売店に2人組の男が押し入り、現金およそ170万円などを奪って逃走する強盗事件がありました。男らは現在も逃走中です。
視聴者提供(14日)
「泥棒、泥棒はいった。お店の中に」
警視庁によりますと、14日午後11時過ぎ、東京・新宿区で建物から「縛られた男性が出てきた」と110番通報がありました。
縛られていた男性は、携帯電話の買い取り販売店のベトナム人の店長で、客をよそおった男2人が店を訪れ男性を殴ったうえで、拳銃のようなものを突きつけ、「動くなよ」などと脅迫したということです。
その後、男性をUSBケーブルなどで縛り、現金およそ170万円と商品のiPhoneなど数十台を奪ったとみられています。
男らはいずれも20代から30代くらいでともに黒い服に黒いズボン帽子をかぶりマスクを着けていたということです。男らは現在も逃走中で、警視庁が行方を追っています。
「『全裸の写真をSNSにあげる』と…」内田梨瑚被告“舎弟X”からの脅迫トラブルを被害者が告白、目撃された蜜月ぶりと“悪アピール”「万引きとか常識」「あいつボコしてやった」
昨年、NEWSポストセブン取材班のもとに、ある不良少女Xとのトラブルに巻き込まれたという話が、北海道旭川市に住む一家から寄せられた。
「娘の由紀(仮名)が全治3週間のけがを負いました。暴行の原因は正直、今もよくわかっていない。強いて言えば、因縁をつけられて逆恨みされたこととしか……」(由紀さんの母親)
このXは、内田梨瑚被告(23)の”舎弟”として知られる少女だった。内田被告は北海道旭川市で2024年4月、女子高校生のAさん(当時17)がつり橋から落とされ殺害された事件で、殺人罪などで起訴されている。
被害者の由紀さんはおととし夏、XとXの知人男性の家を訪れた。ところが初対面だった男性が由紀さんに好意を寄せるようなそぶりを見せたところ、Xは急に帰宅してしまう。そして由紀さんは翌日、Xから殴る蹴るの暴行を加えられた。
この少女と「姉貴分」である内田被告との間柄はどんなものだったのか──。【前後編の後編。前編から読む】
昨年7月中旬、由紀さんはXからの暴行で大けがを負った。由紀さんの両親がトラブルを受けてXとの関係を断とうとすると、さらに”攻撃”が始まったという。
「娘には『もうそういう人たちとは関わるな』と伝え、携帯電話を解約させたんです。すると、Xが私に『由紀の裸の写真をSNSに上げる』とか言い始めて……。『死ね』『家に乗り込むからな』など脅迫まがいの言葉もありました。
私が連絡先をブロックしても、新しいアカウントをわざわざ作って連絡してきたり、私がSNSを消してもまたそれを見つけてメッセージを送ってきたり、とにかくしつこかった。結局、Xは9月から12月にかけて娘の裸の画像や、私とのプリクラなどをアップし出した。すべて証拠として押さえてあります」(前出・由紀さんの母親)
Xからの度重なる連絡の恐怖に耐えかねて、由紀さんの両親はNPO法人「トラブル相談センター」理事長の岸本和幸氏を頼った。岸本氏は旭川市の不良少年、少女らの事情に詳しく、若者の犯罪の温床になっていた旭川市の繁華街「サンロク街」にも精通している。岸本氏が街の事情についてこう語る。
「万引きは当たり前」と飲み屋で豪語
「梨瑚の事件があってから、多くの未成年が集まって薬物の乱用や飲酒をしていた”飲み屋”などが警察によって抜き打ちで調べられました。あと、たまり場になっていた旭川駅裏の取り締まりも厳しくなった。そうした状況を受けて、彼らは最近、カラオケや人の家に集まる傾向にあるようです。”立ちんぼ”も、SNSでの売春募集に移りかわった。
【高市早苗首相の“盛りだくさん”な1日】首相動静は面会ゼロでも大忙し 午前中は朝から確定申告 午後は手首の痛みも忘れてしっかり投げ込みも、WBC始球式は急遽キャンセルに
「3月7日の誕生日はWBCの韓国戦で始球式を務めるはずでしたが、イラン情勢の緊迫を受けて、急遽、欠席。この日のために練習を重ねてきただけに、首相は残念そうにしていました」(自民党関係者)
解散総選挙での歴史的な大勝から約1か月。大きな権力を手中に収めた高市早苗首相(65才)だが、そのマイペースな日常は選挙前とそう変わらないという。
「あいかわらず夜の予定はほとんど入れず、執務が一段落するとまっすぐ公邸に帰宅します。家庭では、まとめ買いした冷凍宅配セットを毎晩、夫の山本拓元衆議院議員と一緒に、レンジで”チン”して食べているそうです。仲間が少ないといわれる首相にとって、信頼できる夫との食事の時間は”精神安定剤”のようなものなのでしょう。
そんな中、最近注目されたのが、3月4日の首相動静。この日、高市首相は昼近くに官邸入りし、午後6時頃に公邸に戻った。動静はこの出退勤の記載のみで、あまりの簡潔さが話題となりました」(前出・自民党関係者)
平日に首相が面会ゼロというのは極めて異例だ。
「実はこの日、首相は朝から確定申告をしていたのではという話があります。以前から、自身で確定申告をすることで知られていましたが、まさか首相になってからもその習慣を変えていなかったとは……。
一国の首相が家計の管理まで自ら行っているのは異例でしょう。ちなみに、午後は官邸スタッフを相手にWBCの始球式に向けてキャッチボールをしていたそうです。選挙戦以来の手首の痛みも忘れ、かなりの球数を投げ込んでいたそうですよ。動静には反映されませんでしたが、首相にとっては”盛りだくさん”の一日だったようです」(前出・自民党関係者)
さらに高市首相に関連し、”不可解さ”が注目されたのが、暗号資産の一種である「SANAE TOKEN(サナエトークン)」だ。
「ブロックチェーンの技術を利用したデジタル資産で、2月25日に首相の名前を冠して発行されました。発行元の関係者も『高市首相サイドとはけっこうコミュニケーションを取っている』などと、まるで”首相公認”であるかのように宣伝していたため、価値が急騰。『トランプコインの再来か』といわれていました」(全国紙経済部記者)
しかし、当の高市首相とは認識の齟齬があったようで、3月2日、高市首相はXに《このトークンについては、私は全く存じ上げませんし、(中略)国民の皆様が、誤認されることのないよう、申し上げることと致しました》と投稿し、関与を否定した。
「トークンの発行サイドと発案者の藤井聡京都大学大学院教授などの人脈には、高市首相の秘書も連なっているとの話もあり、事務所として完全に無関係と言い切れるかは意見が分かれるところ。
一連のプロジェクトは早々に中止が発表されましたが、実態のよくわからない経営者らの企画に『サナエ』の名前が使われたことは事実で、初期段階で荒稼ぎした人もいるようです。結果として名前が利用された格好の首相にとっては痛恨事で、今後は金融庁も実態把握の調査に入る予定です」(前出・自民党関係者)
「高市一強」のもと、首相の手腕が問われる日々は続く。
※女性セブン2026年3月26日・4月2日号
書類作成について何度もミスをしたため平手で部下隊員の頭部を1回叩く 航空自衛隊 50歳代の防衛技官に停職30日の懲戒処分 島根県松江市
島根県松江市にある航空自衛隊西部航空警戒管制団第7警戒隊は部下隊員を平手で叩いたとして50歳代の防衛技官に対し3月12日付けで停職30日の懲戒処分を行ったことを発表しました。
航空自衛隊西部航空警戒管制団第7警戒隊本部総括班によりますと、防衛技官は2023年4月、書類作成について部下隊員を口頭で指導していましたが何度もミスをしたため平手で頭部を1回叩いたということです。
部下隊員にケガはありませんでした。
防衛技官は「反省しています」と話しているということです。
井上直哉 第7警戒隊長 兼ねて高尾山分屯基地司令は「隊員がこのような事案を生起させ誠に遺憾です。基地としては今後、教育を徹底し服務規律の維持に努め、このような事案が再び生起することのないように努めてまいります」とコメントしています。
マンションで74歳女性が死亡 外傷あり 殺人事件の可能性も 大阪・北区
大阪市北区のマンションで74歳の女性が死亡しているのが見つかりました。警察は殺人事件の可能性もあるとみて捜査しています。
きのう午後7時半ごろ、大阪市北区国分寺にあるマンションの一室で「帰宅したところ自宅内で妻が倒れている」と部屋に住む男性から消防に通報がありました。
警察によりますと、この部屋に住む男性の妻の野村博美さん(74)が倒れているのが見つかり、その場で死亡が確認されたということです。
野村さんには外傷があったということで、警察は事件に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査しています。
文春にW不倫をスッパ抜かれた松本洋平文科相はなぜ更迭されないのか
【永田町番外地】#68
永田町は、松本洋平文科相(52)のダブル不倫スキャンダルで大盛り上がりだ。週刊文春によれば、松本大臣は会議室やラブホでの逢瀬に飽き足らず、議員会館の自室をラブホ代わりにして欲望を満たしていたそうだから弁解の余地はない。教育行政のトップともあろう者がこれでは、世の子どもたちに顔向けできない。完全アウトのケースだ。
ところが、どうもおとがめはないらしい。高市首相は12日の予算委員会で、「文部科学行政のスぺシャリストとして就任をお願いした。仕事で返してほしい」と語り、松本大臣を続投させるハラらしい。
一般有権者からしたら「ハァ~?」ではないか。
確かに余人をもって代え難い人物というならともかく、慶大─三和銀─政界入りの松本議員の名前も功績も多くの人は知らない。それでスペシャリストというなら、自民党はよほど人材不足の証しだ。
「政治家の不倫スキャンダルについては、近頃の国民はかなり寛容です。部下との前代未聞のラブホ通いがバレて辞職した小川晶前橋市長は出直し選挙で再選を果たしているし、グラドルとの不倫疑惑が報じられた国民民主党の玉木雄一郎代表はしばらくの謹慎処分で許されています。“国民なんてすぐに忘れる”と高市首相もタカをくくっているのでしょうが、今回は別の理由もありそうですね」(全国紙デスク)
同じく文春砲が、林芳正総務相の元秘書が関与したとされる約23億円の巨額インサイダー取引事件についても報じている。
まだある。「しんぶん赤旗日曜版」が報じる高市早苗事務所の脱税幇助疑惑だ。赤旗は高市事務所が所得税の「寄付金控除」の対象ではない政治資金パーティー券の購入者に対して寄付控除のための申告書類を不正に発行していた“決定的証拠”を入手したそうだ。事実ならば脱税幇助の罪に問われかねない。
■ドミノ倒し恐れる高市首相
高市事務所については、資金決済法違反が指摘されている仮想通貨“サナエトークン”発行への関与が取り沙汰されており、すでに金融庁が実態把握に乗り出している。
「高市か。高市さん、大っ嫌いなんだよ」「最低だった、人として」
これは、文春が報じた先の松本文科相の高市評である。
普通なら「ナメんじゃないわよ」と更迭したいところだろうが、そうなると、林大臣にも自分にも厳しく対処しないといけなくなる。だから、ここはほおかぶりを決め込むしかないということなのだろう。
高支持率におごるのはいいが、予算の年度内成立、令和のオイルショック対策、トランプとの会談……と内憂外患だ。高市首相の“高転び”の気配が漂い始めている。
(特命記者X)
いじめ「重大事態」認定せず…第三者委が学校側の対応を批判 和歌山
和歌山県の海南市立小学校の女子児童(当時)がいじめを理由に登校できなくなったとして保護者が適切な対応を求めていた問題で、市教委が設置した第三者委員会は14日、いじめと不登校との因果関係を認めた上で、いじめ防止対策推進法で定める「重大事態」に認定すべきだったとする調査報告書を発表した。市教委が現在まで重大事態と認定していないことに対し、報告書は「不適切かつ誤った判断と言わざるを得ない」と指摘した。【安西李姫、恒成晃徳】
第三者委は弁護士や医師、教育専門家ら5人で構成。2023年8月~26年3月に計66回の会合を開き、学校や市教委の対応、いじめ行為の事実関係などについて、聞き取りを含めて調査した。
報告書では、ランドセルから携帯電話を取り出されて触られた▽「ミッション」と称する遊びで用水路に下りるよう指示された▽田んぼに入るよう指示された――など、1年時に同じ同級生から受けた行為が「いじめに該当する」と判断。児童は連絡帳などでトラブルを訴えたが、2年時の5月に加害児童と一緒にいる場で教員から「仲良くするように」と強い指導を受け「教員への信頼を失ったことで、不登校という結果が発生したと考えられる」と指摘した。
また女子児童側がいじめを訴えた後、5年以上が経過した後に今回の第三者委が設置されて調査が始まったことにも触れ、「記憶が曖昧であると回答する者が多かった。仮にもっと早く調査を開始していれば、より多くの事実が明らかになったであろう」とし、「早期に重大事態認定を行わなかったことは、大きな問題であったと指摘せざるを得ない」と学校と市教委の対応を批判した。
海南市内で市教委に答申後、記者会見した委員長の澤田裕和弁護士は「市教委が重大事態だと認めないことにがくぜんとしており残念」と述べ、「いじめ防止対策推進法とガイドラインをきちんと理解し、現場に浸透させることが全てだ」と再発防止を求めた。
女児、現在も苦しみの中に
女子児童は小学校を卒業した現在もいじめ行為などを思い出すフラッシュバックに苦しみ、医師のカウンセリングを受けているという。会見を傍聴した保護者を通じて「私の小学校時代は何もなかった。行事にも参加できなくて思い出が全くない」との本人のコメントが報道陣に配られ、保護者は「重大事態といまだに認めていないことが信じられない。娘は本当に苦しんでおり、同じような被害や苦しむ子どもが再び出ないようにしてほしい」と語った。
市教委の西原孝幸教育長は「調査結果を真摯(しんし)に受け止め、調査報告書の内容を慎重に精査し、今後の対応について検討する」とのコメントを出した。
国道で歩行者の男性がタクシーにはねられ重体 岡山・真庭市
14日午後11時25分ごろ真庭市久世の国道で歩行者の男性が70歳代の女性が運転するタクシーにはねられました。
この事故で男性は病院へ搬送されましたが意識不明の重体です。タクシーは客を迎えに行く途中で運転していた女性にけがはありませんでした。
現場は照明がある片側一車線の国道で、警察で男性の身元と事故の原因を調べています。
メルカリで偽ポケモンカードが横行…「お前がすり替えた」と逆ギレする出品者を提訴! 泥沼裁判で99万示談金を勝ち取ったYouTuberが語る執念の記録
家にいながら買い物ができるネットのフリマ市場は拡大を続けている。しかし、偽物が出品されたり、希望と違う商品が届くというトラブルも後を絶たない。世界的な人気を誇り、高額でやりとりされることが多いポケモンカードでもそのようなケースが相次いでいる。おもちゃ業界歴30年でカード系YouTuberでもあるカートンナイト氏も、出品者から偽物が送られてくる被害に遭った1人だ。そんな彼に聞いた出品者との1年がかりの法廷闘争とは。
【画像】逆ギレした出品者が送ってきた『ゴッホピカチュウ』
メルカリshopsで悪質な被害
ことの発端は2024年4月、カートンナイト氏がとあるポケモンカードをメルカリShopsで購入したことから始まる。
そのカードというのはオランダのゴッホ美術館とポケモンカードがコラボした『ゴッホピカチュウ』。現地にて期間限定配布されたレアカードで、中古相場は未開封の状態で13万円とされている(開封済みの場合は25,000円~30,000円程度)。
そんなレアカードの購入をきっかけに、出品した相手と1年以上をかけて裁判で争うことになった――。
カートンナイト氏がその旨をXでポストすると、瞬く間に拡散。 詳細を知るため取材を申し込むと、今回の投稿に至る経緯について詳しく明かしてくれた。
「メルカリShopsで、ポケモンカードの中でも人気のある『ゴッホピカチュウ』が売りに出されていました。販売相手の評判を見るとあまり良くなかったので、少し怪しいと思いつつ、中古相場より安い7900円だったので購入しました。
私は、カード系のYouTubeチャンネルを運営しているので、開封するところから動画を撮っていたんです。しかし、現物は明らかに偽物。不安は的中しました」(以下、カートンナイト氏)
フリマアプリの「メルカリ」は個人間(CtoC)でのやりとりだが、「メルカリShops」は事業者・個人事業主が新品や複数在庫を売るネットショップ(BtoC)である。
メルカリと違ってメルカリShopsでネットショップを開設するには詳しい情報の登録が必要で、匿名では販売できない点や禁止行為に対し厳しい処置が取られる点が大きな違いとして挙げられる。
一定の信用が必要とされるメルカリShopsで購入した『ゴッホピカチュウ』だが、カートンナイト氏は実物を手にして、すぐに偽物だと判断できたという。
「まず見た目です。色の濃淡が全然違いました。手で触っても、本物と偽物では写真用紙とコピー用紙くらい材質が異なり、厚さや重さも違う。トランプを曲げると『く』の字になって元に戻るように、トレーディングカードも元に戻るのですが、この偽物は材質が悪いので、曲げても元に戻りませんでした。
ポケモンカードは偽造対策をしっかりしているので、印刷技術も非常に高い。通常の印刷機では絶対にできないような色のグラデーションが入っていたりするのですが、偽物にはそれがありませんでした」
「あなたが偽物とすり替えたのではないですか?」
すぐさまカートンナイト氏は販売先に連絡。
「『偽物ではないですか?』と問い合わせたところ『あなたが偽物とすり替えたのではないですか? 私が買ったのは本物で、送ったカードも本物なので返品は受け付けません』と返答がきました。
まるで罪をなすりつけるような返信だったので、悪徳転売の常習犯だとすぐに感じました」
これまでに自身のYouTubeで同じような被害に遭った視聴者の声を聞いていたカートンナイト氏。違法転売をなくしたいという思いから、訴えることを決意。
メルカリShopsの場合、請求すれば出品者の住所は開示されるので、それを元に裁判を起こした。だが、民事裁判ゆえ、相手から返事が来るまでにとても時間がかかったようだ。
「記載されていた住所に、顧問弁護士から質問状を送るも、それに対し返事がありませんでした。そこから現地調査を行ない、裁判所へ。裁判所から本人に手紙が送付されたのですが、それでも出頭してこないので『あなたは訴えられましたよ』という通達をしてもらい、ようやく返事が来ました。ここまでで3か月もかかっています」
相手の不誠実な対応に怒りを抱きつつも、裁判に向けての準備を進めた。その一環として、送られてきた『ゴッホピカチュウ』が偽物であるという鑑定も行なったという。
「トレーディングカード鑑定機関ARS(株式会社Arsales)に、現物と『荷物が届いてから開封するまでの動画』をお渡しして依頼しました。動画は私が偽物とすり替えていないと言う証拠としてです。現物はもちろん、映像を通して見ても、間違いなく偽物だとする10ページほどの鑑定書(報告書)を作成してもらいました。それを裁判所に提出しています」
しかし、実際の裁判になると相手の様子がおかしかったと話す。
「相手は代理人を立てず本人訴訟をしてきましたが、答弁書や準備書面はAIで作成したのであろう内容でした。 また、この一年で5回の公判に対し『忙しい』『行けないから延期してほしい』などの主張や反論があり、おそらくAI頼りで訴訟に臨んだのだと思います」
裁判費用などの総額は99万円
今年1月に入り、相手から示談の交渉を持ちかけられた。最初は『ゴッホピカチュウ』を本物だと主張していた出品者だが、なぜ急に示談を提示したのか。
「示談を持ちかけるということは相手も偽物と認めているという解釈もできますが、『偽物だとは認めないが、もう勘弁してくれ』という可能性もある。結局は『お金を払うから俺が罪を犯したことは黙っていてくれ』という話だと思います。
示談が成立すれば犯罪にはならない(刑事事件になりにくい)との考えでしょう。実際、刑事で罪に問えるか、警察が詐欺で動いてくれるかは私にも分からないところです」
相手の交渉を不審に思いながら、今年2月に入ってから示談を承諾。その理由についてこう明かす。
「私の動画の視聴者の中には、同じような被害に遭い、『騙し取られたお金を取り返したい』という声も多かったので、刑事罰にするよりも、民事で被害額を取り返す方法を示したかった。被害者が泣き寝入りすることのないように、その手順を残せればと思いました」
偽物だった『ゴッホピカチュウ』の代金、弁護士費用・鑑定料を含んだ裁判費用、示談金も合わせると、その総額は99万円に及んだ。
1枚のカードをきっかけに1年以上かかって裁判を続けてきた彼だが、ネットショップの危険性についてどのように思っているのか。
「フリマサイトで個人間の取引が加速するほど、意図的に情報を伏せて偽物を売りつけたり、『こちらは偽物だと気づかなかった。偽物だと知っていたという証明を出せるのか』と嘘をつく犯罪行為が増えています。
偽物を売る人は軽い気持ちでやっているかもしれないけれど、騙した相手が本気で怒ったらどうなるのか、裁判を通して分からせたかった。
フリマサイトを利用する人は、購入する前にまず『世の中には悪い人がいる』ということを念頭におくべきです。もし被害に遭ったら、裁判は分からないことも多いし怖いと思うけれど、私の発信を見て解決の手段を知ってほしいです」
株式会社ポケモンの公式サイトでは、ポケモンカードについて「転売等の営利を目的とした商品購入を固くお断りしております」との記載がある。
それでも、ポケモンカードの人気に乗じて、転売目的での購入、1枚100万円などの高額転売、そうした人気カードの偽物の販売、出品しているポケモンカードが手元にない「無在庫転売」などが横行しており、この一件は氷山の一角に過ぎない。 こうした実情を踏まえ、買う側の眼識を高める必要がありそうだ。
PROFILE カートンナイト。おもちゃ業界歴30年/YouTuber。トレーディングカード関連の動画をYouTubeに投稿。TCGを愛する人々に正確な情報を届けるため日々発信している。
取材・文/小島ゆう