新潟市の男性が殺害され金庫を奪われた事件。死体遺棄などで起訴された男が強盗殺人の疑いで再逮捕されて4月17日で1週間です。被害者との間に何があったのか。これまでの取材で犯行の様子が少しずつ見えてきました。
小山大輔容疑者(33)。新潟市中央区で男性を殺害し金庫を奪ったとして逮捕されてから17日で1週間が経ちました。
事件が発覚したのは4か月前。聖籠町の空き家の敷地で土の中から見つかったのは小杉英雄さん(78)の遺体でした。
その後の捜査で小杉さん名義の通帳などを不正に利用し345万円あまりを引き出していた小山容疑者が死体遺棄の疑いで逮捕、起訴されました。
■小山容疑者と小杉さんの接点は―?
リフォーム業を営んでいた小山容疑者。小杉さんから仕事を依頼されていたといいます。
〈小山容疑者を知る人〉
「(小杉さんは)いろんなお仕事をくれるのでいいお客さんだと(小山容疑者が)言うのも聞いている 」
自宅の改修工事を請け負うなど小杉さんとは日常的に接点があったとみられます。
■仕事で接点 なぜ殺害?
小杉さんを殺害し金庫を奪ったとされる小山容疑者。逮捕前、小山容疑者を知る人物は次のように証言していました。
〈小山容疑者を知る人〉
「(小山容疑者は)人をだましたり借金をこしらえて人をだましたりというトラブルは何回か起こしている」
捜査本部によると小杉さんが殺害されたのは去年10月14日ごろ。夜に小杉さんを訪ね殺害したことがわかっています。その翌日には小杉さんの口座から現金を引き出していました。
小杉さんの死因は「窒息死」。ひも状のもので首を絞められたとみられます。
2人の間に何あったのか。捜査本部が全容解明を進めています。
投稿者「F.Krueger」のアーカイブ
コンテナ3個を米国へ 原子力空母から放射性廃棄物搬出 神奈川
米海軍は17日、横須賀基地(神奈川県横須賀市)で定期修理中の原子力空母ジョージ・ワシントン(GW)から低レベル放射性廃棄物を収めたコンテナ3個を搬出し、運搬船に移し替えた。放射性廃棄物の搬出は2年ぶり。2009年以降、ほぼ毎年実施しており、今回が14回目となった。
作業は午前9時に始まり、GWから巨大なクレーンでコンテナ(長さ約6メートル、高さと幅約2・5メートル)3個をつり上げて運搬船へ移動させ、約2時間で終了した。米国政府から外務省への情報提供(10年4月)によると、コンテナの中には放射能を帯びた雑巾やプラスチックシート、作業用手袋などが詰められているとされる。運搬船で米国に運ばれ、最終処理されるという。
1964年に日米間で交わされた原子力艦船の寄港に関する文書(エード・メモワール)では、放射能にさらされた物質は日本の港で搬出せず、廃棄物を出した原子力艦船が米国へ運ぶことになっている。だが、米側は陸揚げせずにクレーンで運搬船に移送するのは違反ではないと主張し、実施を続けている。
市民団体「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」は「放射能漏れや被ばくの恐れがあり、危険」として、海上のボートや公園、横須賀中央駅などで監視・抗議活動を行った。共同代表の呉東正彦弁護士は「放射性廃棄物の搬出は日米合意違反。市民の安全や不安が無視されている」と訴えた。
一方、横須賀市の上地克明市長は10日の定例記者会見で「毎年行っている通常のメンテナンス作業」との見解を示している。
【福沢光一】
「ほんとに政治家なのか」松野明美が国会で持論を展開の大暴走、有権者も心配する“珍発言”
元オリンピックランナーの松野明美が、日本維新の会の議員となって約3年。彼女が国会で発する”珍発言”が国民からの批判の的となっている。
問題の発言は、4月15日に国会で行われた参議院農林水産委員会の中で発せられた。議論の中では、日本が掲げる米の価格高騰について様々な議論を繰り広げたが、松野は終盤になると自身の持論を呈したのだ。
世の中の流れに対して持論
「質疑応答が続く中、お米の代替えとして、パックごはんや、米粉などの需要も高まっているという話が上がると、松野さんは『たまたまNHKの朝ドラ『あんぱん』を見た』と突如発言。ドラマ内で子供たちが美味しそうにパンを食べている姿を見たといい、その上で『世の中が“おにぎり”から“あんパン”になっている』とNHKの朝ドラが『おむすび』から『あんぱん』の放送に切り替わったことにかけて、世の中の流れに対して持論を呈したんです」(政治ジャーナリスト)
周囲の議員から笑い声も出るほど、勢いのある力説を続けた松野。しかし、その発言は瞬く間にXで拡散され、国民は激怒。その内容の“幼稚さ”に批判が止まらないのだ。
《国会を何だと思ってるんだ》 《ちょっともう本当にいいかげんにしなさいよ》 《もうあきれ果てて頭が痛い》 《ほんとに政治家なのか。マラソンの監督の方があってるんじゃない》 《ワイドショーかなにかかと思ったら国会なんだよこれ…》
日本の未来を左右する議論の場。その中で飛び出した珍発言に唖然となった。
さらに、松野の突拍子もない発言は今回だけではないと前出・芸能ジャーナリストは続ける。
「3月28日に行われた参議院予算委員会の質疑に登場した松野さん。その中で少子化の話になると、自身の出産体験を披露。『出産しましたが難産で。痛みが鼻からスイカ出すぐらいの痛みですよと聞いたことがあったんですが、鼻からスイカを出す方が楽だった』語り、参加議員から笑いが巻き起こっていたんです。早口で力の入った松野さんらしい喋り口調が炸裂していました」
唯一無二ともいえるタレント性の高い松野だが、政界ではそのユーモアはそう簡単に通用しないようだ。
「今回の米の高騰や物価高については、今国民がかなり苦悩しているトピックです。真剣に悩む国民に対して、あっけらかんと”うまいこと言った”松野さんの温度差が今回の批判の理由のひとつでしょう。国や国民の未来を背負っているという自覚が今ひとつ見えない一幕でしたね」(前出・芸能ジャーナリスト)
一刻も早く国民の暮らしを“うまいこと”快方に向かわせて欲しいものだ。
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
秋篠宮家の長男、悠仁さま(18)の入学で注目が集まる筑波大学。4月5日の入学式では周囲の新入生と和気藹々と会話する様子や、キャンパス内で在学生らと笑顔で交流する姿が報じられた。SNS上にも〈うなぎパイ渡せた!〉など悠仁さまとの接触を喜ぶ在学生たちの投稿が見られた。
式典で永田恭介学長は「大学とは鍛錬や経験を積む場所。社会の将来について考え、自身の研鑽の目的を見極めるように」と激励した。
そんな永田学長の姿が、意外なところでも目撃されていた。
入学式前の3月25日、国賓のブラジル・ルラ大統領夫妻を招いて催された宮中晩餐会だ。
天皇皇后両陛下や愛子さま、秋篠宮夫妻、6月にブラジル訪問を控える佳子さまらも出席したこの晩餐会の出席者リストには、石破茂首相や日伯国会議員連盟会長の麻生太郎氏や岸田文雄前首相ら政財界の重鎮のほか、プロサッカー選手の三浦知良や歌手の小野リサなどブラジルにゆかりのある人物が並ぶ。
そのなかに、「筑波大学長」として永田氏が招待されていたのだ。宮内庁担当記者が言う。
「どうして筑波大学の学長が?と疑問の声が上がっていました。ブラジル側の要望で宮中晩餐会では初となる『平服』指定でしたが、永田学長は蝶ネクタイ姿で目立っていました。永田学長以外に教育関係の出席者はいませんでした」
永田学長が宮中晩餐会に招かれた経緯について宮内庁に問い合わせると、こう回答があった。
「日伯学長会議のとりまとめ大学長として招待されたものです」(総務課報道室)
日伯学長会議は、筑波大とブラジル・サンパウロ大の共催で行なわれた行事。今年1月31日に日本とブラジルの外交樹立130周年を記念して第1回が開催された。
「今回の宮中晩餐会はルラ大統領を招いて日本とブラジルの友好増進を図るものなので、日伯学長会議の繋がりで永田学長にも声をかけたようです」(別の宮内庁担当記者)
悠仁さまの入学と重なるタイミングでの宮中晩餐会だったこともあり、秋篠宮夫妻と永田学長が会話をする一幕はあったのだろうか。
この点について宮内庁に聞くと、次のように回答した。
「晩餐会本席の後に天皇皇后両陛下はじめ出席者が一同にお集まりになる後席がありますが、その席でお話しになられたかは承知しておりません」(総務課報道室)
一方、筑波大学にも質問すると、「そのような事実はありません」(広報室)とのことだった。皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。
「晩餐会の席ですから、秋篠宮夫妻と永田学長になんらかのやりとりがあっても不思議ではないと思いますが、大学側がそれを否定したのは“いらぬ誤解を招きたくない”という表明だったのかもしれません」
両親と進学先の“偶然のニアミス”を経て、悠仁さまの大学生活が始まった。
※週刊ポスト2025年5月2日号
「無茶苦茶な調査をやらされている」兵庫県・斎藤元彦知事疑惑の「文春の情報源」調査に県職員は悲鳴《公金約400万円を投入》
〈 「本人の言葉ではない」兵庫県・斎藤元彦知事が“ムチャ振り”で作らせたお詫びコメント「謝りたくない。でも…」 〉から続く
――文春の記事が調査対象になった経緯は?
「ちょっと今の立場ではお答えできないので……」
――調査の最高責任者である斎藤知事からはどんな指示があったのか?
「ちょっとそれはすみません、お答えできない……」
4月中旬の正午過ぎ、青空の下で記者が直撃したのは、この春まで兵庫県庁で法務文書課長だった人物だ。斎藤元彦知事(47)はこの法務文書課に――。
「週刊文春 電子版」と記された調査実施要綱
県政担当記者の解説。
「兵庫県では斎藤氏の疑惑を巡り、第三者委員会と呼ばれる委員会が3つ設置されました。順番に、(1)元西播磨県民局長X氏(昨年7月に自死)の告発文書で指摘された疑惑を調査する委員会、(2)前総務部長が元県民局長の公用パソコン内の私的情報を漏洩した疑惑を調査する委員会、(3)SNSなどで拡散された県保有情報の漏洩疑惑を調査する委員会です。法務文書課は3月31日、このうち(3)に関する調査報告書が県に提出された旨を公表しました」
同課は県HPに「調査実施要綱」もアップ。そこで示された調査対象の一覧によれば、全13項目のうち、YouTuberらへの情報漏洩(いずれもX氏の私的情報)が4項目。残る9項目は全て「週刊文春 電子版」の報道内容だったのだ。
兵庫県議の一人が言う。
「調査実施要綱を見て、愕然としました。もし報道機関が調査対象だったと事前に分かっていたら、予算を審議する県議会として問題視していたはず。ところが調査内容の説明はなく、第三者委の委員名簿は未だに非公表です」
この第三者委には弁護士への調査委託費用として、2月補正予算から約600万円が計上され、議会はこれを可決している。13項目のうち9項目が「週刊文春 電子版」の報道だから、単純計算で約415万円の公金が「文春の情報源暴き」に投入されたことになる。これを指示したのは、知事自身なのか。
「斎藤氏は4月9日の会見で『調査対象については所管課(法務文書課)が整理した』と述べていましたが、調査実施要綱には〈第1回の会議は、県知事が招集する〉と明記されている。つまり、斎藤氏が第三者委員会の会議を主導していた形です。担当部署の職員は『無茶苦茶な調査をやらされている』と悲鳴を上げていました」(前出・県政担当記者)
公金を投じてまで、斎藤氏が暴こうとした「週刊文春」の情報源。一体、どの記事の情報源を特定したかったのか。どの記事に隠したい事実が記されていたのか。
4月16日(水)正午配信の「 週刊文春 電子版 」および4月17日(木)発売の「週刊文春」では、公金を投じて暴こうとした「週刊文春」の記事や担当者とのやりとり、情報源を暴こうとする行為の問題点について詳しく報じている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年4月24日号)
現金給付見送りの石破政権「参院選の目玉がない」「自民党ごとトランプにつぶされる」消費減税をめぐっては公明と国民民主が“接近”、立憲は内紛勃発
「トランプ関税」や物価高への対策として石破政権が検討していた国民一律の現金給付は、二転三転の末に見送られることとなった。大型の経済対策の裏付けとなる補正予算も編成されず、自民党は国民にアピールできる「目玉」がないなかで夏の参院選に突入することになる。党内からは「現金給付をしてもバラマキと批判され、しなくても有権者にアピールできることがない。打つ手がない」との嘆きが聞こえる。
【画像】立憲の減税派の台頭に釘を刺したのが、党の創始者である最高顧問のこの人
予想外に大きかった「バラマキ」批判…「自民党がトランプ大統領につぶされる」
日経平均株価が大幅に下落するなど「トランプ関税」の影響の大きさに、国民への一律現金給付案が政府・与党内で浮上したのは4月8日ごろ。1人5万円など具体的な金額が検討され、公明党からは10万円給付を主張する声も出た。
しかし、参院選前の「バラマキ」に有権者からの反応はイマイチだった。NHKが4月11日からの3日間で実施した世論調査では、国民への給付に「反対」が50%で、「賛成」の38%を上回った。
さらに、野党からも「バラマキ」との批判が相次いだ。一律給付には財源の裏付けとなる補正予算の編成が必要とされたが、少数与党では野党の協力が得られないと、補正予算を成立させることも難しい。
政府・与党は、参院選前に有権者にアピールできる「目玉施策」を取り下げ、ガソリン価格の引き下げや電気・ガス料金への補助再開といった物価高対策にとどめることにした。
自民党内からは「現金給付をしてもバラマキと批判される。ただ、それもないと有権者にアピールできることがない。石破政権は打つ手がなくなっている状況。このまま参院選に突入しては、自民党がトランプ大統領につぶされてしまう」との嘆きの声が上がる。
一律給付立ち消えの後は、消費減税の議論へ
「バラマキ」批判が強かった一律給付を断念した石破政権だが、物価高対策を求める声は相変わらず根強い。代表的なものが消費減税だ。
「石破首相も食料品の消費減税について検討を始めています。一律給付がなくなった今、党内からは参院選公約に消費減税を掲げるよう求める声も高まっています」(全国紙政治部記者)
ただ自民党内では、財政規律の観点から消費減税への慎重論も根強い。石破首相は難しい判断を迫られそうだ。
一方で、党として消費減税に前向きな姿勢を示しているのが公明党と国民民主党だ。
公明は経済対策として、減税の必要を訴えている。斉藤鉄夫代表は11日の記者会見で食料品に限った消費減税についても「あらゆる手段のひとつの方法として検討している」と言及した。
また、国民民主は時限的な消費税率5%への引き下げを求めている。
「公明と国民民主は企業・団体献金をめぐっても、共同で規制強化策を提案するなど“接近”してきました。公明は、大阪で続けてきた維新との選挙協力が終わり、関係が悪化。勢いのある国民民主を新たに味方につけつつ、与党内で存在感を強めるねらいもありそうです」(同前)
国民民主もいち早く消費減税を主張し、政府に実現を求めることで、参院選を前に政策立案能力や実現力をアピールしたい考えだ。
ピンチなのは立憲…枝野氏は「分党」発言を「言ってやった」とご満悦だが
一方、消費税をめぐって党内の路線対立が顕在化しているのが立憲民主党だ。
立憲内では、江田憲司元代表代行が会長を務める党内勉強会が食料品の消費税を時限的にゼロとするよう主張。末松義規衆院議員らの党内勉強会も、消費税を時限的に5%へ引き下げることを求めている。
江田氏の勉強会には党所属国会議員の4割近くがメンバーとして参加。末松氏の勉強会にも江田氏の勉強会と重複している議員もいるとはいえ40人ほどが参加しており、党内で「減税派」は無視できない規模となっている。
ただ、こうした減税派の台頭に釘を刺したのが立憲の創始者である枝野幸男最高顧問だ。
減税派を念頭に「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党をつくってください」と牽制。それに対し江田氏が「言論の自由を封殺しようというのは看過できない」と反発するなど、党内に大きな亀裂が走った。
減税に慎重な野田佳彦代表も「今の(減税を求める)党内議論をポピュリズムとは思わない」と減税派に一定の配慮を見せるなど、対応に苦慮している。
「民主党は消費税引き上げをめぐる対立から分裂した過去があり、消費税議論は立憲にとって鬼門。枝野氏は『分党』発言後、『言ってやった』とご満悦の様子だったそうですが、あまりに党内からの反発が強く、今は『一部メディアが印象で記事を書いている』と火消しに躍起になっています」(立憲民主党関係者)
それでも、党内での枝野氏への不満は消えそうにない。江田氏らの求心力は決して高くなく、減税派が新党を結成することは現実的には容易ではないため、党内には火種が残ったままになりそうだ。
一律給付がなくなり、焦点は有権者の関心も高い消費税議論に移りつつある。減税派、慎重派双方からの突き上げに、石破首相や、立憲の野田代表の苦悩は続きそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
高校生3人が衣服切りつけられる 登校時間帯に 札幌・中央区
北海道警は17日までに、札幌市中央区南15西4の歩道上で、16歳の男子高校生3人が、何者かに衣服を切りつけられる事案が発生したと発表した。3人にけがはなかった。「向かいから40代くらいの女性が来て、すれ違う際に体が接触した」との証言があり、札幌南署は器物損壊事件として調べている。
道警によると、3人が切りつけられたのは15日午前8時ごろ。それぞれ友人と歩いて登校中に、前方から歩いてくる何者かと接触し、ブレザーの右上腕部や右ポケット部分、ジャンパーの右上腕部を切られたという。1人は15日、2人は16、17日に被害に気がついた。
現場は市営地下鉄南北線幌平橋駅の南西約150メートルの高校などが点在する住宅地で、発生時間帯は通学や通勤で人の往来が激しかったという。【谷口拓未】
判決は国の石綿救済「縮小」を批判 原告側「極めて正当」
「工場型」のアスベスト被害を巡る17日の大阪高裁判決は、被害者の救済範囲を狭めた国の対応を厳しく批判した。今回と同様に、国側が「除斥期間」の起算点を早める主張をしている訴訟は他にもあるといい、高裁判決は影響を与えそうだ。
17日午後、大阪市内で開かれた判決後の記者会見。大阪アスベスト弁護団の奥村昌裕弁護士は「極めて正当な判決。やっと正常に戻った」と切り出し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。
石綿訴訟では、国が敗訴した「泉南石綿訴訟」の最高裁判決を受けて、国は一定の条件を満たした被害者との和解に応じている。今回の訴訟の原告の男性も和解基準を満たしていたとみられたことから、弁護団は容易に和解に至るとみていた。
ところが協議は一向に進まない。提訴から約2年後、国が書面を出し、「原告の請求権は消失している」と主張し始めた。国に説明を求めたところ、2019年に和解の基準をひそかに変更し、賠償請求権が消滅する除斥期間(20年)の起算点を早めたと明らかにしたという。
理由として、国は、同じ石綿被害訴訟の福岡高裁判決(19年)を持ち出した。この訴訟で、賠償金の支払いが遅れたことに伴って支払われる利息「遅延損害金」の起算点が国側の主張よりさかのぼって認定されたため、除斥期間の起算点も併せて早めたとの理屈だった。この結果、男性は秘密裏の基準変更があった日から、わずか4日のうちに提訴しなければ請求権が消滅することになっていた。
弁護団は国の和解基準の見直しの決定プロセスを調べるため、何度も情報公開請求をかけたが、大半が黒塗り文書ばかりだったという。
国は被害者に基準変更を周知しないまま、石綿健康被害の和解手続きについて被害者向けのリーフレットを配り、「(和解条件を満たしているかは)法律の専門家に確認を」と記載していた。今回の訴訟を起こした原告の遺族は「リーフレット通り弁護士に相談したので国は和解するものだと考えていたが、争いとなり、ひどいと思った」と振り返る。
石綿被害を巡っては裁判所によって国の対応が違法とされた。言わば国は「加害者の立場」にある。弁護団は「多くの被害者が闘って勝ち取ってきた基準を勝手に変更するのは、国による意図的な被害者の切り捨てで、救済に背を向けている」と国の対応を批判した。【岩崎歩】
妻の香織さん「包み込んでくれるような存在でした」 岸本知事の葬儀で「周平コール」も
和歌山県知事在職中に68歳で死去した岸本周平氏の葬儀告別式が17日、和歌山市内の葬儀所で営まれた。出棺の際には後援会メンバーらから「周平コール」が沸き起こり、多くの人たちが別れを告げた。
遺影の前の棺で眠る岸本氏はブルーのジャケットに白いセーター姿。知事時代に自身が推し進めたカジュアルスタイルだった。
16日に営まれた通夜は県出身のバイオリニスト、沢和樹さんによる「タイスの瞑想(めいそう)曲」の演奏で始まり、焼香を待つ参列者の列は会場の外まで続いた。
妻でNHK解説委員の香織さんは「多くの方に来ていただき、ありがとうございました。優しく包み込んでくれるような存在、楽しい人でした。和歌山が大好きで、県知事として困っている人を助けたいと心から思っていました」と振り返った。
葬儀告別式には政界や経済界の要人らが大勢参列し、生前の幅広い人脈がうかがわれた。
不明10代女性か、車に遺体=遺棄疑い、24歳男逮捕―愛知県警
愛知県一宮市内の路上に放置した乗用車に遺体を遺棄したとして、県警は17日、死体遺棄容疑で、同県豊田市亀首町の無職、藤井貴也容疑者(24)を逮捕した。捜査関係者によると、遺体は行方不明になっている岐阜県内の10代後半の女性とみられ、藤井容疑者と交際関係にあったという。
藤井容疑者は容疑を認め、殺害をほのめかしている。愛知県警は一宮署に捜査本部を設置し、遺体の身元確認を急ぐとともに、殺人容疑を視野に調べている。
逮捕容疑は昨年8月中旬から今年4月16日ごろ、一宮市相生の路上に駐車中の車内に遺体を遺棄した疑い。
捜査本部によると、司法解剖の結果、遺体は20歳前後の女性と判明。死後数カ月以上経過しており、死因は不詳だった。
捜査関係者によると、行方不明の女性は現在19歳で、18歳だった昨年8月中旬から目撃などが途絶えた。愛知県警の捜査員が今月16日、女性の行方を追っていた岐阜県警から、路上に放置された藤井容疑者の親族名義の車に遺体が遺棄された疑いがあるとの連絡を受け、車内を確認し遺体を見つけた。 [時事通信社]