政府、ワクチンの地域別配分発表 都道府県が要望、1800万回分

政府は22日、高齢者約3600万人を接種対象とした新型コロナワクチン約1800万回分について、都道府県別の配分を発表した。5月10日の週から2週間で配送を予定している。高齢者の人口割合ではなく、今回は都道府県からの要望を考慮して配分を決めた。
河野行革担当相が明らかにした。感染拡大が懸念される地域への優先配分に関し「接種できず在庫になってしまったら意味がない」と改めて否定的な考えを示した。
都道府県への配分で最多は東京都。約295万3千回分を希望したのに対して、約241万5千回分を配る。最少は、約7万7千回分を希望した鳥取県に対する約6万2千回分だった。

三重大元准教授に有罪判決 カルテ改ざん「立場悪用」

実際は使っていない薬剤を患者に投与したように電子カルテを改ざんし、診療報酬をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた三重大病院元准教授境倫宏被告(48)に、津地裁は22日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)の判決を言い渡した。
四宮知彦裁判長は判決理由で「自己の立場を悪用し、常習性も認められる。直接的な利得はなかったとはいえ、被害は少額にとどまらない」と非難した。一方、懲戒解雇された点などを考慮し、執行猶予を付けた。
判決によると、上司だった元教授亀井政孝被告(54)=詐欺罪などで起訴=と共謀し、診療報酬計約84万円を病院の口座に入金させた。

野党からIOC会長へ相次ぐ批判=緊急事態「無関係」発言―東京五輪

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が新型コロナウイルス感染対策の3回目の緊急事態宣言発令は東京五輪・パラリンピック開催と「無関係」と述べたことに対し、野党各党から22日、批判が相次いだ。
共産党の志位和夫委員長は記者会見で「憤りを感じた。責任ある立場(にある人物)の発言ではない」と強調し、現状で五輪開催は難しいとの認識を表明。国民民主党の玉木雄一郎代表も「公衆衛生の在り方はわが国で判断すべきで、バッハ氏からとやかく言われるものではない」と不快感を示した。
バッハ氏は5月中旬に来日する方向。これに関し、立憲民主党の泉健太政調会長は会見で「緊急事態宣言(の期限)に関連してはいけない」と述べ、来日のタイミングを考慮して宣言の期間を定めないようくぎを刺した。
[時事通信社]

大阪、新たに1167人感染=東京861人、兵庫547人―新型コロナ

大阪府は22日、新たに1167人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。1日当たりの新規感染者が1000人を超えたのは3日連続。東京都では2日連続で800人を超える861人の感染が判明した。
全国の新規感染者は2日連続で5000人を超える5501人。死者は41人、重症者は前日から14人増の805人だった。
兵庫県ではこれまでで2番目に多い547人が陽性となり、奈良(125人)、三重(68人)、福井(38人)各県は2日連続で最多を更新。大分県(42人)も過去最多となった。埼玉(233人)、神奈川(318人)、京都(148人)、福岡(268人)各府県では、2回目の緊急事態宣言の解除以降で最多を更新した。
東京都の新規感染者の直近1週間平均は684.1人で、前週より30.7%増えた。この日感染が判明した中で重症化リスクの高い65歳以上は105人だった。都基準の重症者は48人で前日と変わっていない。
神戸市は、入院調整中だった女性1人が、21日に自宅で死亡しているのが見つかったと発表した。同市では20日にも自宅で入院調整中の男性1人が死亡していた。
[時事通信社]

ワクチン接種で集中投下論、東京と大阪優先の是非 政令市や地方も要求の「争奪戦」 あす緊急事態宣言正式決定

政府は新型コロナウイルスの感染が広がる東京都、大阪府、京都府、兵庫県に23日、3度目の緊急事態宣言発令を正式決定する。収束の切り札となるワクチンだが、感染中心地の大阪や東京への供給を優先すべきだとの議論が浮上する一方、政令指定都市や地方からも供給を求める声は強く、争奪戦の様相だ。
感染地域への優先接種論が浮上したのは20日。東京都の小池百合子知事と面会した自民党の二階俊博幹事長が「火が燃え盛っているところを重点に抑えられるよう、ワクチン確保についてもっと声を上げた方がいい」と発言。小池氏は「そういった助言は大切にしたい」と応じた。橋下徹元大阪市長もツイッターで「重症化リスクの高い地域にワクチンを集中投下すべきだ」と投稿した。
同日の政令指定都市の市長会の会合では「戦略的なワクチン供給が大事だ」(熊本市の大西一史市長)、「政令市には別枠で配分してもらった方がいい」(京都市の門川大作市長)とする要求が相次いだ。
山形県の吉村美栄子知事は「地方は高齢者が多く、重症化のリスクが高い。一概に感染者が多い所からにはならないのではないか」と反論する。
長崎大熱帯医学研究所所長の森田公一教授(ウイルス学)は「長崎も第4波の入り口だが、80%程度の感染は大都市に関連している。地方都市のためにも首都圏など人口密集地域から高齢者と若年層の両方を接種して集団免疫を目指すのがいいだろう。ただ、現状では供給量不足から不可能ではないか」との見解だ。
政府は6月末までに約3600万人の高齢者全員が2回接種できる量のワクチンを配送するめどをつけたと発表。米ファイザー社から5000万回分(2500万人分)の追加供給を受けることでも調整しており、9月中に国内の接種対象者全員分を確保できるとした。ただ、現状の供給量はわずかで、医療従事者への接種も遅れている。
元厚労省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は「国民が接種を心待ちにする中で、東京や大阪など感染拡大地域から接種した場合、次の優先自治体の選択で紛糾する恐れがある。自治体の首長の発言も有権者へのアピールの要素もあるのではないか」と指摘する。
木村氏は「1人か2人重症者が出れば医療が逼迫(ひっぱく)する地域もある。重症者の広域搬送や、医療人員の派遣体制の整備が前提で、接種の優先順位の議論は時期尚早だ」と語った。

相次ぐ薬の欠品、厚労省の責任を問う 製薬会社に処方薬価の決定権なく原価割れも…患者の治療と命に関わる 国防ジャーナリスト小笠原理恵氏が緊急寄稿

高血圧治療薬や、老人介護施設での床ずれ治療に使う軟膏(なんこう)など、薬の欠品が業界で問題となっている。代替薬を手に入れると、それも欠品になるというイタチごっこだという。国防ジャーナリストの小笠原理恵氏が緊急寄稿した。

「一部薬品の確保が難しくなってきた。昨日、Aが回収になったからBに変更したら、今日はBも回収になって何を採用したらええねん!」
薬局経営者のこんな嘆きを聞いた。薬局の経営だけではない。そこには治療中の患者さんがいる。処方薬が手に入らなければ治療に影響が出る。これは命の問題だ。
今年に入って、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」にもとづく行政処分が相次いだ。16日、新たに小林化工の12品目が製造販売取り消し見込みと発表された。届け出た製造過程の内容と齟齬(そご)があるなら処分は当然だ。薬は安全でなくてはならない。
2018~19年にかけて、日本では重要な抗菌剤が供給不足となった。薬価原価割れで、原材料を中国に依存した結果だ。中国の原末製造停止で全国的に抗菌剤不足になり、手術延期などの深刻な事例も起こった。
なぜ、こうも度々、薬の安定供給が阻害されるのか。
処方箋の必要な薬価は、製薬会社ではなく厚労省が決める。原価を下回る価格も要求される。
規定された製造工程を省略したり、ごまかしたりする企業があることは問題だが、業務停止や自主回収、製造販売取り消しで薬の供給が滞る。安全性が担保できるような投資や必要な人材を雇用できる適切な利益が出る薬価にしてはどうか。
政府は4月以降、新型コロナ禍で営業収益も悪化している製薬会社に、4300億円減の薬価切り下げを突き付けた。これでは、さらに薬の欠品、製薬会社の廃業、行政処分での業務停止が増えかねない。厚労省の責任を問いたい。

「“暴力団”はいいけど“反社”とは呼ばれたくない」ヤクザとして生きる男たちの“不思議な本心”とは

高級クラブは50万、ゲームセンターは毎月100万 ヤクザと「みかじめ料」の知られざるリアル から続く
暴力団排除条例によって、ヤクザの暮らしにはさまざまな制限がかけられている。それでも、彼らはヤクザとして生き続ける道を選択しているのだ。男たちはいったいどんな矜持を胸に生活を送っているのだろうか。
ここでは、裏社会の事情に精通するノンフィクション作家溝口敦氏、鈴木智彦氏の著書『 教養としてのヤクザ 』(小学館新書)を引用。ヤクザとして生き続ける男たちの思いを紹介する。(全2回の2回目/ 前編 を読む)
◆◆◆
法の下の平等がない
鈴木 三代目山口組の田岡一雄組長は、組員に対し、「正業を持て」「法律に触れない仕事を持て」と繰り返し言っていました。博奕は裏の仕事で法律上はアウトだから、土建業みたいな表の仕事を持てと。それで仕事をして税金も納めよと。実際に会社を作って、土建業や飲食業などをやっているヤクザは多くて、税金も納めているし、健康保険料も払っている。正業で儲かっているヤクザは、税務署を怖がっていますよ(笑)。
しかし、暴排条例はそれさえも否定してしまうわけですからね。
溝口 今はもう警察が正業を認めない。田岡時代とは全然違います。
鈴木 もっとも、ヤクザが住んでいるからといって、電気を止めたりはしないし、水道も止めない。新幹線や飛行機にも乗れる。携帯電話の契約もできる。
溝口 渡航が制限されているわけでもない。
鈴木 しかし認められているとはいっても、本当に最低限の「生存権」(憲法第25条)が認められているだけです。
溝口 今ヤクザに対しては「法の下の平等」が全然ないんですよ。彼らが言いたいことはよくわかる。現状はあまりにも酷い。殴られて、殴られっぱなしになっている。
情けないのはヤクザの側で、これだけ突っ込みどころのある暴排条例に対して、ちょっと声を上げただけで、すぐに引っ込めて長続きしないことですよ。
鈴木 長続きしないですね。
溝口 要するに彼らは言い出しっぺだけで、この問題を心得ていない。生存権に関わってくる状況なのに、何もしていないでしょ。もはや末端の組員のセーフティネットは刑務所だけになっている。刑務所に入れば、とりあえず本人の衣食住は保障される。だけど、女房・子供の分までは出ないから、お前らは勝手にやってくれよとなる。だから、離婚するヤクザはすごく多い。上の人間は現状でも食えているが、下の人間は苦しんでいるということです。「法の下の平等」とかもっともらしいことを言うけど、下の人間の生活を見ていないから、生活感がない。
鈴木 言葉が上滑りするんですよね。
溝口 山口組三代目・田岡一雄は、田中清玄と仲が良かった。田中は、戦前の非合法時代の共産党幹部で、戦後に右翼の政治活動家になった男。右翼とはいえ、民主社会主義をよしとし、国民の基本的人権をよしとする感性を持っていた。そういう人間と非常に密接な関係にあったことが大きい。田岡は古いタイプの親分だったにもかかわらず、そういった考えを受け入れる要素はあった。だから、組員に「正業を持て」と口を酸っぱくし、若い衆が金を持ってきても、「俺は子分に食わせてもらうほど落ちぶれていない」と受け取らなかった。今とは時代が違うとはいえ、自分が子分を食わせていくという気概があった。
今のヤクザはセミナー好き
鈴木 言葉が重い。今のヤクザは勉強会とかセミナーとかけっこう好きなんですよね。昨年は六代目山口組が共謀罪に関する勉強会を開いていました。直参組長から勉強会で使った資料を渡されて、「これを読んでどう思うか」と聞かれたり。
溝口 共謀罪というから、ヤクザの場合なら、「下っ端の組員が上に命令されてヒットマンになりました」というケースで共謀罪が成立するかといったことを勉強するのかと思ったら、そうでもないんですよ。そういうことは書いていない。
鈴木 紙には残さないでしょう、それは。
溝口 だけど、そういうケーススタディはやってないと思いますよ。上っ面の勉強会。
鈴木 そもそも共謀罪も何も、子分が敵対する団体の誰かを殺すときは、必ず親分に言われてやっているわけです。それが裁判で教唆と認められるかどうかが問題になるわけですけど、今の若い衆はお前が実行犯、お前が支援部隊、武器はこれを使えと具体的に指示をしないと動かないんだそうです。親分が認めていない殺しをすれば処分されかねない。
だから、今の山口組分裂抗争がかつての山一抗争のように泥沼化しないのは、上が「やれ」って言わないから。上が抑えているからですよ。
溝口 今の法律で上に辿るためには組長の「使用者責任」があるが、組長の使用者責任は民事なんですよね。
鈴木 そう、刑事は関係ない。
溝口 刑法でやろうと思ったら、犯罪を共謀したけど実行しなかった人間に適用される「共謀共同正犯」。六代目山口組組長の司忍も、共謀共同正犯で逮捕されている。
鈴木 共謀共同正犯の適用はそんなにハードルは高くなくて、今はすぐに上と紐付けられてしまうから、簡単には「やれ」って言えないんです。山一抗争の頃とは時代が違う。
溝口 組織犯罪処罰法の共謀罪が成立して間もない頃に、新聞の解説記事を読んだけど、殺人や傷害、強姦とかは出てこない。どういう犯罪を想定しているのかよくわからないんですよね。
鈴木 だから、共謀罪なんてあんまり関係なくて、勉強したっていう建前だけでしょうね。親分に「こういう勉強会をやりましょうよ」と吹き込む組員がいて、親分も「おう、やろう」と。
溝口 取り巻きの弁護士に焚き付けられたりするのだろうけど、みんな真剣に考えていない。具体的に問題が起きていて、切羽詰まっているならともかく、こんなペーパー配られただけで身を入れて勉強できるかと言われてもできないと思いますよ。我々だってできないですよ。
鈴木 ある山口組の二次団体は、毎日のニュースのなかから「暴力団」というキーワードで検索した記事をプリントアウトして、全国の傘下にFAXで送っていました。いったい何の意味があったんだろう。
「無法者」が法に頼る自己矛盾
溝口 ヤクザのなかには、法律に詳しい組長がいる一方で、「ヤクザ風情にもかかわらずワシらが法律に頼っていいのか」という伝統的なヤクザ美学に縛られている人間も多い。世の中の人たちは「ヤクザの分際で何だ!」という目で見るという“ヤクザ分際論”がある。ヤクザ側にとっても、「こんなこと言ったら世間のいい物笑いのタネだ」という伝統的な美意識がある。
鈴木 それはありますね。
溝口 そもそも、英語では「アウトロー」、日本語では「無法者」というように、法の埒外にいるというのがヤクザの出発点なんだから。
鈴木 にもかかわらず、法に頼ろうとするのは、自己矛盾と言えなくもないですね。
溝口 憲法14条の「法の下の平等」を守れと言いながら、憲法12条の「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」というのを暴力団は守ってないからね。
鈴木 溝口さんが論破しないでください(笑)。
溝口 共謀罪と違って暴排条例のときはさすがに勉強していた。あのときは企業側もどう対応すべきか、ものすごく勉強をしていました。ヤクザから出前の注文があったとき、「寿司1人前なら配達できるけど、5人前だと会合に使われるからできない」という話だから。宅配便でお中元やお歳暮を送ろうとしても、差出人が「何々組」で一度にたくさん発送しようとすると、宅配会社がストップをかける。デパートなども注文を受けない。
鈴木 どこまでがセーフで、どこからアウトなのか線引きが難しいですが、とにかくあらゆる場面で暴力団が排除されているということだけはよくわかります。
暴力団はいいけど反社はダメ
溝口 面白いのが、暴対法にある「暴力団」という呼び名はいいけど、「反社」とは呼ばれたくないというヤクザが多いこと。
五代目山口組組長の渡辺芳則は「暴力団という名付けはけっこうである。なぜなら我々は暴力を基本としているから」と言っていました。その一方で、社会の役に立ちたいという気持ちはあるから、「反社」という名は受け入れがたいものであると。
鈴木 「暴力団」という呼称を認めるというのは、革命的な一言ですね。当時の暴力団は「暴力団と呼ばれるのは心外である」という古い親分ばかりでしたから。
溝口 任侠山口組組長の織田絆誠は、最終目標は「脱反社」だとして、治安維持で世の中に貢献したいと言っていました。不良外国人を追放し、半グレに特殊詐欺をやめさせる。裏社会のアンテナを活用したテロ対策や、海外に在留する邦人の警護などをやるんだと真顔で言う。考えるのは自由だけど、本当にやり出したら日本の警察は黙っていないでしょうと。
鈴木 それはそうでしょうね。
溝口 だから、古びた美学というか、世の中の人たちのお役に立って、「自分たちの有用性に着目してもらいたい」という気持ちと、「我々は反社会的勢力ではない。だから、『反社』とは呼ばれたくない」という美意識がある。
「暴力団」という言葉は、遡ると大正時代からあって、それなりに歴史はある。今でも警察が「こいつは暴力団」と言えば暴力団です。行政が決める。愚連隊または青少年不良団、テキ屋、博徒の3つを総称して暴力団と呼んでいて、法的に規定されたのは、暴対法が最初ですけどね。
鈴木 「反社」と呼ばれるくらいなら、「暴力団」のほうがマシってことですかね。あとヤクザが面白いのが、「表現の自由」(憲法第21条)という建前を認めてくれる。「結社の自由」と並んで表記されているからですかね。「こんなことを書くな」と文句言ってきたときに、「僕らには表現の自由があります」って言うと、「おっ!」となって、武闘派と呼ばれる組織ほど大目に見てくれます。「そんなもん、関係あるか!」って怒鳴るほうが暴力団っぽいのに、意外にそうはならない。
溝口 法的に曖昧な存在だからこそ、それに対する意識が高いんでしょうね。
朝日新聞を取る護憲派も一定数いる
鈴木 意識高い系ですね。ところで、ヤクザにも改憲派と護憲派がいるって、ご存じですか?
溝口 私は面と向かって聞いたことはないな。
鈴木 厳密に改憲派、護憲派に分けられるかはわからないんですが、組の事務所は必ず新聞を取っていますよね。私、こういうこと調べるのが大好きで(笑)、全国紙でざっくり分類するなら、朝日新聞派と読売新聞派に二分される。朝日は護憲派で読売は改憲派でしょうから、数で言えば愛国や保守を叫ぶヤクザのほうが圧倒的に多いですが、護憲派のヤクザも一定数いるということ。
溝口 共産党と親和性が高いからかもしれない。共産党に対して一目置いているヤクザはけっこう多いから。距離は置いているが、敬意は払うという。
鈴木 そうですよね、昔から。なんでですかね。
溝口 古くは、刑務所の中での触れ合いがあったと聞いている。戦前に治安維持法で逮捕された共産党幹部と刑務所で一緒になって交流を持ったらしい。
鈴木 暴力的な取り調べにも音を上げなかった根性を認めているんでしょうね。
溝口 やっぱり刑務所のなかに入れば人間性が問われるから、彼らも一目置かざるを得なかったと。
鈴木 刑務所入ったら、何をカッコつけてもダメですからね。
◆◆◆
※著者の溝口氏、鈴木氏両名によるシリーズ最新作『 職業としてのヤクザ 』(小学館新書)も現在好評発売中です。
【前編を読む】 高級クラブは50万、ゲームセンターは毎月100万?! ヤクザと「みかじめ料」の知られざるリアル
(溝口 敦,鈴木 智彦)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ ワクチン接種、なぜ日本は遅れてる? データで見る「感染者数」との深い関係

筆者は、本コラムに限らず、編集部から「お題」をもらって書くことにしている。今回の編集部の求めは、「ワクチン接種 日本はなぜ遅れているのか」だ。
ちょっとワクチンの話を探してみると、日本のワクチン接種率は先進国で最低なので、オリンピックなんてやっていられない、などという記事が出てくる。
オリンピックを止めろという主張が先になり、そのためにワクチン接種率を持ってきたのだろう。ジャーナリストは、とにかく主張したいばかりで、そのための分析はないことがしばしばだ。
ワクチン供給は新型コロナが酷い国ほど多くないと不味い
まず、データを「Our World in Data」で調べてみよう。このサイトには、新型コロナウイルス関係の各種データがよくまとまっており、全データのダウンロードもできるし、国を選択してチャートを描くこともできる。
そこで、人口百人あたりのワクチン接種回数について、OECD諸国の国名をいれてチャートで見ると、日本は1.6回しかなく、トップのイスラエルの119.5回に遠く及ばないばかりか、断トツの最下位だ(2021年4月19日時点)。
そこで、なぜかを考えてみた。同じサイトの全データをダウンロードして、ワクチン接種回数と関係のありそうなものを片っ端からデータ解析した。そうしたら、ワクチン回数が、感染者数と深い関係があることがわかった。
具体的には、データ入手可能な84ヶ国のこれまでのワクチン接種回数とこれまでの感染者数(ともに人口当たり)をみると、相関係数は0.73もあった。具体的には、感染者一人当たりに4回分のワクチンが平均的には供給されていることになる。要するに、感染者が多い国ほどワクチン接種が多いのだ。
これは考えてみれば、医療では当たり前で、ワクチン供給は新型コロナが酷い国ほど多くないと不味い。供給制約がある場合であれば当然のことだ。もし感染が酷くないのに、カネにものを言わせて、ワクチンを大量にかき集めたら、世界中から批判されるだろう。
日本は感染に応じた平均的なワクチン接種
そこで、感染の度合を加味して、より多くワクチン接種が行われているかを見てみよう。実際のワクチン接種状況(百人当たり)と平均的なワクチン供給(百万人当たりの感染者数に0.0004を掛けた数)の差を見て、これがプラスならばワクチン接種が多い国、これがマイナスならばワクチン接種の少ない国とみよう。すると、イスラエルは81、日本はゼロとなった。
このコロナ感染を補正しない人口百人あたりのワクチン接種回数でみると、データ入手可能な世界84ヶ国で日本は71位、OECD諸国31ヶ国で最下位31位だった。しかし、補正した数字では、世界84ヶ国で日本は45位、OECD諸国31ヶ国で19位である。
褒められた順位ではないが、先進国では真ん中の少し下、世界ではほぼ真ん中だ。新型コロナ感染に応じた平均的なワクチン接種であり、カネにものを言わせて集め批判を受けることもなく、あくまで日本らしく控えめではないだろうか。
こうしてみると、オリンピック中止という議論にはとてもならないだろう。
++ 高橋洋一プロフィール 高橋洋一(たかはし よういち) 内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

ボビー・オロゴン被告に罰金10万円求刑、妻暴行で

40代の妻の頬を指で突いたとして暴行の罪に問われた、タレントのボビー・オロゴン(本名・近田ボビー)被告(55)=千葉県=の論告求刑公判が22日、さいたま地裁(一場修子裁判官)であり、検察側は罰金10万円を求刑した。判決は5月13日に言い渡される。
検察側は論告で、家族に不満を持ったオロゴン被告が自宅のガス元栓を閉めたことを妻からとがめられ、口論になったことで暴行したと指摘、「家族に対して支配的な、自己本位な態度が現れた犯行」と断じた。オロゴン被告は被告人質問で「わざとではなく、傷つける意図はなかった」と強調、弁護側は「夫婦げんかの一種で行為は軽度。妻側の挑発で誘発された可能性もある」と主張した。
起訴状などによると、オロゴン被告は昨年5月16日午前、さいたま市浦和区の当時の自宅で妻に「ボコボコにするから」などと告げ、左の頬を右手の指先で突いたとしている。

東京都 飲食店に時短要請、酒類提供終日禁止へ 緊急事態宣言で

新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況を受け、東京都は、都内に緊急事態宣言が発令された場合、飲食店に対して酒類を終日提供しないよう求める方向で調整に入った。営業時間は午後8時までとすることも要請する。都内では22日、新型コロナの感染者が新たに861人確認されており、1日あたりの感染者が800人を超えるのは2日連続。感染状況は深刻化しており、都は21日夜、政府に緊急事態宣言の発令を要請していた。
都は緊急事態宣言の発令に向け、休業要請対象などについて政府と調整作業を進めている。政府は23日にも宣言発令を決定する見通しで、都は速やかに措置を公表したい考えだ。現時点では、百貨店のような大型商業施設には休業を要請する方向で検討している。【斎川瞳】