東京電力の小早川智明社長は5日、福島第1原発が立地する福島県双葉町の伊沢史朗町長と面会し、同原発で故障した地震計を放置していた問題や、柏崎刈羽原発(新潟県)での核物質防護不備について「皆さんに不信、不満を生じさせ痛恨の極みだ。申し訳ない。生まれ変わる気持ちで立て直したい」と謝罪した。
伊沢氏は「社内体質を改善してしっかりやると聞いていたが残念だ」と述べた。面会後の取材に伊沢氏は「安全対策や危機管理の対応として、あり得ないことだ」と語り、不快感を示した。
小早川氏は面会後、同じく第1原発が立地する大熊町の吉田淳町長にも謝罪。午後は周辺自治体を訪問する。
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自民総裁任期残り半年、「ポスト菅」有力候補見当たらず…コロナ次第で「菅離れ」も
菅首相の9月末までの自民党総裁任期が、残り半年を切った。次期総裁選に向け、二階幹事長が首相の再選支持を早々に打ち出すなど、党内の動きが徐々に活発化している。現時点で首相を脅かす「ポスト菅」の有力候補は見当たらないが、新型コロナウイルス対応などで政権運営に失策があれば「菅離れ」が進み、波乱となる可能性もある。
「安定的によくやっている。文句をつけるところはありません」
二階氏は4日放送のBSテレ東の番組で、首相をこう評価した。二階氏はすでに3月29日の記者会見で、首相の再選を「全面的に支援する」と明言した。二階氏率いる二階派(47人)は昨年9月の総裁選でいち早く支持表明し、党内5派閥が首相を支援する流れを作っただけに、二階氏の発言は注目されている。
過去の総裁選で、現職首相が出馬した場合は圧倒的な強さを見せた。敗北したのは1978年の福田赳夫氏だけだ。首相が握る衆院解散権も大きな武器となる。党幹部は「総裁任期満了より前に解散し、衆院選に勝利すれば再選確実だ」と話す。
だが、政府の新型コロナ対応などを巡って国民の批判が高まれば、「菅首相では衆院選を戦えない」として交代論が広がるリスクがある。解散の機会を逸することにもなりかねない。
首相の総裁選後の続投を支持する世論が高まらないことも、懸念材料だ。読売新聞社の全国世論調査(2~4日実施)で「どのくらい首相を続けてほしいと思うか」を聞くと、「すぐに交代してほしい」と「9月の総裁任期まで」を合わせた回答が59%に上った。
ただ、党内では「現時点で首相に代わる有力候補はいない」との見方が大勢だ。
昨年9月の前回総裁選で2位だった岸田文雄・前政調会長は「チャンスがあれば挑戦したい」と再出馬に意欲を示すが、総裁選後に無役となって以降、存在感を示せていない。岸田派(47人)内では「今のままでは勝機はない」(中堅)との悲観論が漂う。
前回3位の石破茂・元幹事長は態度を明確にしていない。昨年10月に総裁選大敗の責任を取って石破派会長を辞任後、同派は退会者が相次ぎ、17人になった。派内で主戦論はほとんど聞かれない。
一方、麻生派(53人)の河野行政・規制改革相は、3月の読売新聞社の全国世論調査で、次の首相にふさわしい自民党政治家として26%の1位だった。とはいえ、新型コロナのワクチン担当閣僚も務めるだけに、「菅政権が倒れれば
一蓮托生
( いちれんたくしょう ) だ」(閣僚経験者)と見る向きが多い。
人気の高い小泉環境相(無派閥)も、首相を支える閣僚の一人として、河野氏と同様の難しさを抱える。野田聖子幹事長代行(無派閥)も出馬に意欲を示すが、立候補に必要な20人の推薦人確保が課題だ。
菅首相、「子ども庁」実現に意欲 国家公務員法の再提出表明
菅義偉首相は5日の参院決算委員会で、子ども関連政策の司令塔となる「子ども庁」の実現に意欲を示した。自民党有志の提言を踏まえ「施策の縦割りを打破し、組織の在り方を抜本から考えることが必要だ。要望を極めて重く受け止め対応したい」と強調した。国家公務員の定年を延長する国家公務員法改正案を今国会へ再提出する意向も表明した。
決算委は2019年度決算に関する質疑を実施した。首相は子ども庁について「日本の未来という大きな視点に立ち、まずは党内で検討してほしい」と述べた。既に自民党の総裁直属機関で検討するよう指示している。
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一部住民ら「その施設、必要?」 田園調布の公園再整備
東急東横線・多摩川駅前にある「田園調布せせらぎ公園」(東京都大田区田園調布1)の再整備が進んでいる。地域住民の交流・文化拠点として「田園調布せせらぎ館」がこのほど開館し、今後は体育施設の新設計画が本格化する。ただ、豊かな自然環境への影響や区の対応に不安を抱く一部の住民からは反対意見も出ている。【川村咲平】
せせらぎ公園の場所には、かつて「多摩川園」遊園地があり、その後民間のテニスクラブだった土地を区が買い取り、2008年に公園を開設した。約3万5000平方メートルの敷地内には、2カ所の湧水(ゆうすい)池や四季折々の樹木豊かな自然が広がる。
1月にオープンしたせせらぎ館は、世界的建築家の隈研吾氏が設計した。鉄骨2階建てで、総工費は約20億7000万円。1階は図書の閲覧スペースや、サークル活動向けの多目的室がある。2階は集会室で、室内は木材をふんだんに使い、ガラス張りの向こうには公園の緑が広がる。
施設の建設をめぐっては、地元町会から要望が上がった一方、一部の地域住民が「多くの樹木が伐採される」と反対し、市民団体を設立した。同団体によると、約3600筆の署名を集め、整備中止を求めて区や区議会に陳情を重ねた。開館当日も、施設前でビラを配って抗議した。安永正子代表は「木陰をゆっくり歩ける散歩道がなくなり残念。自然保護を最優先にする区の方針と正反対だ」と問題視する。
区によると、今回の整備に伴い、樹木約400本と植え込み274平方メートル相当を伐採したとしている。区の担当者は「樹木医の診断を基に極力移植し、整備に必要な最低限の伐採を行った」と話す。
区は今後、公園南側に体育施設を整備する予定。以前から区の計画に位置づけられ、地域からの要望もあったためで、区は住民を交えたワークショップを既に終え、建設に向けた設計を始める。
ただ、多摩川の氾濫や湧水による浸水を懸念し、防災上の理由から反対する声もある。安永さんは「地元の合意が得られたとは言えない。コロナ禍で財政事情が厳しい中、今の計画が本当に必要な施設か検証すべきだ」といい、2月にも住民協議会の設置を求めて区議会に陳情書を出した。今後も計画見直しを区に訴えるという。
玉川徹氏、吉村府知事のマスク会食義務化に疑問「会食は控えて下さいという局面。逆にマスクしているんだからいいでしょということに」
5日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)では、政府が新型コロナウイルスの感染が急拡大する大阪、兵庫、宮城の3府県の計6市に対し、飲食店への営業時間短縮などを命令できる「まん延防止等重点措置」を適用したことを特集した。
コメンテーターで同局の玉川徹氏は、まん延防止等重点措置の適用を受け、大阪府の吉村洋文知事がマスク会食を政令で義務化する方針を示したことに「大阪の感染者数は倍で増加していて、今週のどこかで1200人とかなってもおかしくない増え方で、大変な状況になっている時に、マスク会食というのがどうも僕は腑に落ちない。むしろ同居者以外の会食は控えて下さいという局面なんじゃないか。逆にマスクしているんだから、会食してもいいでしょということになってしまうのではないか」と疑問を呈した。
さらに「みんながマスクをずっと付けたり、外したりできますか!?やれる人も中にはいるかもしれないけど」とマスク会食の難しさをあげ、「企業でも会食自体を自粛している所がほとんどです。会食に行くこと自体がリスクなのだから、今の局面はそれを自粛しなさいと会社は組織的にいっている。そういう時にマスク会食はいいんですよ、という話が僕はこの感染状況とはそぐわないと思っています」と会食自体を控える必要性を強調した。
そして「この状況は、会食自体を控えて下さいと行政側も言うべき局面ではないか。食べる時は外して、話す時はマスクを付けてということを推奨している国が日本以外にあるんですか!?そんなことを言ったって、実効性はないだろうと考えるのが、僕は一番合理的な考え方だと思います」と話した。
官邸で“派閥”会合 菅首相の側近「坂井学官房副長官」は評判最悪
首相官邸で菅首相を支持するグループの会合を開いた坂井学官房副長官が総スカンだ。
当選4回以下の無派閥議員でつくる「ガネーシャの会」は4月1日、木曜定例の昼食会合を官邸で開催、坂井氏を含む13人が参加した。問題は、新型コロナ対策で政府が大人数の会食を控えるよう国民に呼び掛けている中での会食ということ以上に、「官邸」という公務の場に“派閥”のような政治活動を持ち込んだこと。自民党内からは「官邸は神聖な場だ。私の政治活動で聞いたことがない」(佐藤総務会長)と厳しい批判が飛び、野党からは「官邸で行う合理的な理由はない。当然辞めるべきだ」(立憲民主党の枝野代表)と辞任要求が出ている。
「自民党内でも誰も坂井副長官を擁護する人がいない。珍しいことです。まあ、仕方ないですね。坂井氏は評判が最悪。官房副長官の仕事は官邸と党のパイプ役で、毎朝、国対(国会対策委員会)に顔を出して報告するのですが、きちんとした説明や根回しができず、国対で怒られてばかり。今回問題となった会食についても、突然、記者にブリーフを始めたと思ったら、『何が問題なのか』とブチ切れて火に油を注ぐ始末。2日の衆院内閣委員会では、記者の質問の趣旨が曖昧だったので問い返しただけだと弁明していましたが、プライドが高いのか非を認められないタイプです」(官邸関係者)
坂井氏が仕切り役のガネーシャの会は規律が厳しく、会合の場所が記者に漏れようものなら「犯人捜し」まで行われるらしい。「無派閥グループなのに派閥以上」(自民党関係者)と揶揄されている。
これまでも坂井氏は、東京五輪について「どこかの段階で、実際に開催するかどうか判断を行う」と、中止もあり得ると受け取れる発言をして釈明に追われたり、コロナワクチンの確保について、担当の河野大臣と発言が食い違い、混乱を招くなど失態続きだ。菅首相は野党に要求されるまでもなく、自らの足を引っ張る副長官を交代させたらどうなのか。
「代わりが育っていないんです。坂井氏しかいないことが菅首相の限界。何でも自分でやるので、総理にはブレーンがいない。副長官問題でもその弊害が出ています」(前出の官邸関係者)
結局、原因は菅首相にあるということか。
宮城で入院患者が過去最多 自宅療養も 仙台圏の病床使用率94%
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、宮城県内では5日から5月5日まで、「まん延防止等重点措置」が適用される。村井嘉浩知事は仙台市内の全ての飲食店に営業時間を午後8時までに短縮するよう要請し、3月18日に県独自で出した緊急事態宣言も5月5日まで延長。仙台市以外でも酒類の提供と接待を伴う飲食店は午後9時に営業を終了するよう求めている。【神内亜実】
県内では3月以降、感染者が急増。4日は新たに未就学児から90代までの男女80人の感染が確認され、累計で6503人となった。県は同日、県内で入院していた患者1人の死亡も発表し、死者は累計で33人となった。
4日現在、入院患者数は過去最多の191人で、県内で確保している病床281床のうち、68%が埋まっている。県保健福祉部によると、仙台医療圏では病床使用率が94%に達している。自宅、宿泊施設で療養中の患者はそれぞれ233人、457人で、ともに過去最多を更新した。入院・療養先を調整中の患者は636人いる。
こうした医療体制の逼迫(ひっぱく)を受け、県はまん延防止等重点措置に合わせ、仙台市内の飲食店以外の運動施設などにも時短を要請している。プロ野球・楽天は4日、9日から5月2日まで本拠地「楽天生命パーク宮城」で開催する試合の前売り券の販売を4月5日午後9時に停止すると発表。球場内で提供していた飲食は午後8時まで、酒類は午後7時で販売を終了することも決定した。午後8時までの時短を求められている中で、ナイターの開始時間を繰り上げるかは「関係各所と協議中」(楽天広報担当者)としている。
4日の試合で観戦に訪れていた10年以上の楽天ファンという会社員の三浦春子さん(57)は「ナイターがどうなるか気になる。七回途中で試合が中止ということになれば、野球を楽しめない」と話した。
営業時間の短縮要請の概要
区域 仙台市 県内全域(仙台市を除く)
適用 まん延防止等重点措置 県独自の緊急事態宣言
期間 5日~5月5日 5日~5月5日
対象 食品衛生法上の営業許可を取得した飲食店 接待や酒類の提供を伴う飲食店
営業時間 午前5時~午後8時(酒類提供は同7時まで) 午前5時~午後9時
過料 命令違反に20万円以下 なし
協力金 1日あたり4万~20万円(事業規模に応じて支給) 1日あたり4万円
飲食店以外の時短 運動施設、図書館、映画館、劇場、集会所、パチンコなどの遊興施設など なし
※任意の要請
コロナで変わる死別の形 みとりや収骨できず…別れに暗い影
新型コロナウイルスは、人々の死別の形も変えている。3密や感染拡大を避けるため葬儀や法事の簡素化が進み、みとりや収骨もできないなど最期の別れに暗い影を落とす。専門家は「遺族の心のケアが課題」と指摘する。【真貝恒平、高橋由衣】
大正大地域構想研究所・BSR推進センターが2020年5月に全国の寺院関係者に行ったインターネット調査によると、新型コロナにより葬儀で変わった点について選択式(複数回答)で尋ねたところ、回答者517人のうち「会葬者の人数が減った」が458人(88・6%)で最多。「(通夜を省略した)『一日葬』など葬儀の簡素化」が212人(41%)と続いた。
また、法事でも「中止や延期」が454人(87・8%)を占めた。「親戚や家族に(感染リスクの高い)高齢者がおり、延期したいとの申し出が多いように感じる」といった記述もあり、新型コロナの影響で簡素化が進む実態が浮かぶ。
今年1月中旬、葬儀サービス会社「よりそう」(東京都)が全国の葬儀社90社に「最も多い葬儀の形式」を尋ねた調査でも一日葬が41%。一般葬はコロナ禍前に1割程度あったが1%になったという。
感染者が亡くなった場合、遺族らが収骨できるかについて北海道内の公営火葬場では対応が割れる。小樽市の担当者は「遺族全員に感染リスクがあるわけではないが、職員に感染者が出れば運営ができなくなる。感染予防のために遠慮いただいている」と理解を求めた。
新型コロナで亡くなった際、公営火葬場で遺族らが収骨できるか
札幌市 できない
小樽市 できない
苫小牧市 できない
旭川市 できる
函館市 できる
※道内主要自治体の一部。取材を基に作成。
【独自】木村花さん侮辱容疑で2人目、30代男を書類送検へ…迫る公訴時効
フジテレビの番組「テラスハウス」に出演していた女子プロレスラーの木村花さん(当時22歳)をツイッターで中傷したとして、警視庁は5日にも、福井県に住む30歳代の男を侮辱容疑で書類送検する方針を固めた。SNSで木村さんを中傷した人物の立件は2人目。侮辱罪の公訴時効(1年)が迫っており、東京地検が近く、刑事処分について判断するとみられる。
捜査関係者によると、男は昨年4月上旬、木村さんのツイッターに「死ねやくそが」「きもい」などと4回にわたって書き込み、木村さんを公然と侮辱した疑い。任意の調べに、容疑を認めているという。
SNSでの中傷は、インターネットの動画配信サービスで昨年3月末、木村さんが試合で着用する衣装を誤って洗濯した共演男性に怒りをぶつけるシーンが先行配信された直後から相次いだ。フジテレビは同5月19日の番組で同じシーンを放送し、木村さんは4日後に自宅で自殺した。
その後、投稿は大半が削除されたが、警視庁がこれらを復元して解析。昨年3~5月に約200のアカウントから書き込まれた計約300件が
誹謗
( ひぼう ) 中傷に当たると判断した。
警視庁はツイッター社に照会するなどして投稿者の特定を進め、まず大阪府の20歳代の男を昨年12月に侮辱容疑で書類送検。さらに、メールアドレスなどから、福井県の男を割り出した。
先に書類送検された大阪府の男は先月30日、同罪で略式起訴され、科料9000円の略式命令を受けた。一方、遺族から人権侵害の申し立てを受けた放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は同30日、フジテレビ側に「出演者の健康状態に対する配慮に欠けていた点で放送倫理上の問題があった」とする見解を公表している。
久しぶりに維新の自称ファクトチェック再始動。もちろんやります、ファクトチェックチェック
◆まずは吉村府知事の発言からファクトチェックせよ
また「大阪維新の会」が懲りずに市民を晒し上げています。
実質的な国政政党であり、大阪では「与党」であるにもかかわらず、市民のツイートを晒し上げ、デマではないのに「デマ扱い」をする「大阪維新の会・ファクトチェッカー」ですが、3週間ほど更新が止まり、もうやらないのかと思いきや、懲りずに第4弾を出してきました。しかも、大阪がこれだけ新型コロナウイルスで大変なことになっている時に、よりによって、新型コロナウイルスに関する市民のツイートをデマ扱いしてきたのです。ということで、まずは吉村洋文知事のツイートをご覧ください。
「何故大阪で感染が急拡大したのか。NEWS23で脇田座長がコメントしてた緊急事態宣言で大阪は感染を抑えすぎた、結果、変異株が既存株にとって変わる速度が早まり、変異株が急拡大してる説。逆説的でえっ?と思うが真実をついてるかもしれない。緊急事態宣言解除時の大阪の陽性者は1日約50人だった。」(吉村洋文大阪府知事のツイッターより)
まず「大阪維新の会」がファクトチェックするべきは、この吉村洋文知事のツイートではないでしょうか。大阪が千葉や埼玉と変わらず、厳しい状態だったにもかかわらず、わざわざ政府に申し出て、とっとと緊急事態宣言を解除したのが3月1日。しかし、2月10日の段階では兵庫県で変異株の感染者が複数確認されており、同じ時期に滋賀でも確認されているので、「大阪に入っていない」と考える方が不自然です。
そもそも「感染を抑えすぎた」と言っていますが、いつ何の対策をして感染を抑えたのでしょうか。イソジンでうがいする程度の対策しか打てていないくせに、どの口で「感染を抑えすぎた」と言っているのか。さあ、今日も大阪維新の会の自称ファクトチェックをチェックしましょう。
◆4回目のファクトチェックチェック!
今回、晒し上げられているツイートは、新型コロナウイルスによる死亡者が多いのは、大阪が10年間、医療を削減してきたからだというツイートです。正論です。
さて、この晒されたツイートを改めて、見てみましょう。
「コロナ感染者数が多く、死亡率が高いのは北海道、大阪、兵庫である。特に大阪が同一人口比で東京の1.5倍人が死んでいるのは、維新三羽鳥のこの10年の医療削減に原因がある。病床数、保健所、看護師など。吉村が国より緩い基準で緊急事態宣言を解除すると感染終息はさらに遅れる。正に維新災である。」
このファクトチェックの面白いところは、医療削減の話や、保健所や看護師の数が足らないという話を「デマ」だと言っていて、「吉村が国より緩い基準で緊急事態宣言を解除すると感染終息はさらに遅れる。まさに維新災である」の部分は、まったくのスルーだということです。これが「維新災」であることは「本当」だと思っているのかもしれません。それでは、彼らがデマだと思っているところを見ていきましょう。
”【POINT①】
病床数について
・平成30年11月現在の地域内医療機関情報の集計地によると、大阪府の人口10万人あたりの病院病床数は1182.94であり、東京都925.17、神奈川県810.30、愛知県881.41、兵庫県1154.10などを上回る水準で病床数が確保されている。”
よりによって、大阪維新の会は「平時の病床数」を持ち出して、「こんなに病床数がある」とドヤをしているのですが、大事なのは新型コロナウイルスの感染者を受け入れられる病床数がどれだけあるのかということです。普通のベッドがどれだけあっても、新型コロナウイルスの患者を受け入れられるベッドでなければ、どれだけ数があっても議論にならないからです。議論するべきは量ではなく「質」です。
NHKが第3波の山が高かった今年1月11日時点で、主要な都道府県の病床数をまとめてくれていますので、例に出た都道府県の数と人口比を見てみることにしましょう。
東京都:4000床(人口10万人比:28.63)
神奈川県: 919床(人口10万人比: 9.97)
埼玉県:1267床(人口10万人比:17.26)
千葉県: 975床(人口10万人比:15.52)
愛知県:1102床(人口10万人比:14.62)
北海道:1811床(人口10万人比:34.14)
大阪府:1478床(人口10万人比:16.78)〈出典:NHK〉
平時の病床数でドヤをしていましたが、大阪府が他の都道府県に比べて病床の確保ができているとは言えません。病床の確保ということで言えば、大阪より東京の方が圧倒的に整っています。埼玉県や北海道にも劣り、愛知県や千葉県よりは「数字の上ではマシ」というレベル。実際の運用はもっとシビアなのではないかと思われます。
ちょっと前後しますが、「看護師の数」についても、似たような話なので解説しておきたいと思います。
”【POINT③】
看護師の数について
・政府統計の隔年報によると大阪府内の看護師、正規雇用数はむしろ増加している。(平成20年で4万9103人だったものが平成30年で6万9126人になっている)”
大阪維新の会は、大阪府内の看護師の数はむしろ増加していると息巻いていますが、どこも看護師不足で大変な中、普段は出席していない全国知事会の会議にこんな時だけ顔を出し、厚かましくも「看護師を派遣してくれ」とSOSを出したのは、全国で大阪府ぐらいなものです。数字の上では十分な数の看護師がいるはずなのに、実際には数字と大きく乖離があって、全国で唯一、深刻な看護師不足に悩まされ、頑張っている他の自治体から看護師を引っ張り出さなければならなくなった場所、それが「大阪府」です。看護師の数が増えていて、デマだと言えるぐらいに看護師が足りているなら、看護師を派遣してくれた自治体に返してほしいし、むしろ手が足りていない都道府県に派遣してあげてほしいです。看護師が足らないことをデマだと言ってしまうなんて、派遣してくれた自治体への感謝の気持ちが足りません。
このように「数字」と「現実」に大きな乖離が見られるのも大阪の特徴です。入院を要する難病患者が入院できず、医者が「あなたみたいに入院できない人はたくさんいるんだから諦めてくれ」と言ってしまう所は、全国にも大阪ぐらいしかなく、数字を示して「まだまだ病床数に空きがある」と言いながら、実際には多くの患者が締め出されているのが大阪なのです。これは私の知人のリアルな体験談です。
”【POINT②】
保健所について
・平成15年9月の定例本会議における太田房江知事(当時)の発言のとおり、「健康危機管理機能の強化、高度で専門性の高い分野での相談・支援サービスの充実」のため、平成16年4月に保健所支所を本所へ統合するとし、「大阪府保健医療計画」の通り、再編統合した。
・平成16年4月当初は14か所あった府の保健所が現在は9か所となっているが、この間、府下5市が新たに中核市となったことにより、保健所機能が府から市に移行したためであり、保健所そのものが削減された事実はない。”
確かに、保健所の再編計画は、太田房江さんの時代に行われました。正確に言うと、20年以上前から保健所を再編する計画はあって、当時から大阪市内の各区(24ヶ所)にあった保健所は1ヶ所にまとめられています。
ただ、「身を切る改革」と言って、さまざまな行政サービスを削ってきた大阪維新の会が、まさか保健所を増やすような政策をするはずもなく、今日の今日まで太田房江府政で断行された1ヶ所の保健所をそのままにしてきたのは事実です。それどころか、このコロナ禍では「大阪都構想」を実現するための人質に使って、「大阪都構想が実現したら、保健所を1ヶ所から4ヶ所に増やす」という公約を掲げていました。こんなに卑劣な話があるでしょうか。保健所を増やすことは、べつに「大阪都構想」が実現しなくても増やせるのに、増やしてほしいんだったら「大阪都構想」に賛成しろと言わんばかり。これでは保健所を減らした張本人より、自分たちのエゴのために保健所を人質にとっている方が、よっぽどタチが悪いのではないでしょうか。
◆ 肝心の医療が二重行政を理由に破壊された話
大阪維新の会によって「質の高い医療が破壊されてしまった」という話をする時に、よく例に挙げられるのは「住吉市民病院」の話です。この話はあまりに有名なので、今回は二重行政を理由に統合されてできた「大阪健康安全基盤研究所」について触れておきたいと思います。
一言に「医療が削減されている」と言っても、それが「病院」であるとは限りません。大阪維新の会は2017年に、1880年設立の警察部衛生課を前身とする「大阪府立公衆衛生研究所」と、1906年設立の市立大阪衛生試験所を前身とする「大阪市立環境科学研究所」を「二重行政」だと言って統合し、ついでに民営化(独立行政法人化)まで強行しました。
大阪府立公衆衛生研究所と大阪市立環境科学研究所は、もともと保健所を指導・サポートする立場にあり、今回のような感染症が発生した際に、迅速な原因究明と被害拡大を防止するための重要な役割を担っていました。研究分野や検査方式がそれぞれ異なり、こんな時こそ役立つはずの機関が、大幅な人員削減と縮小化で、保健所との連携も薄れ、ほとんど機能しないものになってしまったのです。これこそまさに「維新災」であり、「二重行政」にこだわった結果、大阪府民の命を守れなくなってしまった典型例です。
つまり、大阪維新の会のファクトチェッカーは、「医療削減」という言葉をデマだと扱っていますが、大きく「医療」と括った時には当然、そのための研究機関も含まれるわけですから、大阪府内の保健所の数が減っていないことだけを理由に「デマ」と扱うのは乱暴にも程があるのです。
◆東海道新幹線の下りの乗客だけ検温する愚策
今、吉村洋文知事が打ち出している新型コロナウイルス対策は、東海道新幹線の下り列車に乗って、新大阪駅で降りた人たちへの検温です。これで新型コロナウイルスの水際対策をしているつもりになっているのです。
言うまでもありませんが、新型コロナウイルスの厄介なところは、無症状の人がたくさんいるということです。そもそも検温では気休め程度にしかならない上に、東京を出発する人を検温するわけでもなく、既に新大阪駅に降り立った人を検温をして、熱のある人に「保健所に連絡してください」とお願いしたところで、ただでも業務が逼迫して連絡が取れない大阪の保健所はどう対応すればいいのでしょうか。どうせ「しばらくの間、自主隔離してください」と言うに決まっていて、2週間も自腹でホテルに泊まれる経済力を持った人が一体、どれだけいるでしょうか。ましてや、今はどこのホテルも検温をしていて、チェックインの際にいちいち体温を測られるほどです。そこで引っかかったらホテルにも泊まれやしません。
車で来る人も、バスで来る人も、在来線で来る人も、はたまた飛行機で来る人もノーチェックなのに、どうしてわざわざ東海道新幹線の下り列車に限定して検温をするのか。それは、新型コロナウイルスの流行が大阪で起こっているものではなく、東京からの流入によって起こっていると言いたいからだと見ています。それが対策だというなら、ずっとやらなければならないはずなのに、あえて期間限定で取り組むのは、「東京からやってきた発熱のある人は、こんなにいたんだ」と言うためではないでしょうか。「自分たちは悪くない」と言うために、ちっとも対策になっていないことをやって、やっている感を演出しながら、自分たちの正当性は主張していく。この「ファクトチェッカー」も基本的な構造は一緒です。自分たちが批判されることに対して人一倍敏感なのは、維新がやっていることが「雰囲気」でしかなく、その「雰囲気」を壊されてしまうと支持してもらえなくなってしまうからだと思います。
◆日本という国で蔓延する「言葉遊びだけのやってる感」
実際のところは「緊急事態宣言」とほぼ同じ内容にもかかわらず、吉村洋文知事や菅義偉政権が何度も口にしている「マンボウ」こと「まん延防止等重点措置」。やっていることが「緊急事態宣言」と同じなら、今までと同じように「緊急事態宣言」でいいはずなのに、あえて「マンボウ」という言葉を使うのは、「緊急事態宣言ではない」という建前にすることで、やらかしているイメージを少しでも軽減するための「日本語大作戦」です。
大阪は率先して「緊急事態宣言」を解除して、中身はそのまま「緊急事態宣言」の「マンボウ」を発令しているのですから、本当は「すぐさま緊急事態宣言を再発令せざるを得なくなった」のです。これを「マンボウ」と呼ぶことで今までよりマシであるかのような演出をしているのですが、変異株の蔓延で起こっている第4波は、両手にマラカスを持ち、陽気なテンガロンハットをかぶりながら「緊急事態宣言」を発令しているぐらいのヤバさだと思ってもらった方がいいと思います。「ウー、マンボゥ!」です。今にも頭が狂って踊り出すのではないかというぐらい、大阪、マジでヤバいです。
<取材・文/選挙ウォッチャーちだい>
【選挙ウォッチャーちだい】
選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中