やまゆり園での採火、「ありえない」と考える6つの理由 作家の佐藤幹夫氏に聞く

東京パラリンピック聖火をめぐり、2016年7月に障害者19人が殺害される事件が起きた神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」が採火場所に選ばれた。世間では驚きを持って受け止められ、「浅はかだ」「不快な気持ちになった」と異論もわき起こっている。相模原市は「共生社会の実現を目指すパラリンピックの理念に沿って、あらゆる差別をなくしていくとの思いを発信する。事件の風化も防ぎたい」としているが、遺族らにも事前の説明がないなど、決定プロセスの雑さが明らかになった。「やまゆり園での採火はありえない」。作家の佐藤幹夫さんはそう断言する。養護学校教員の経験が20年、その後の20年はジャーナリストとして障害者が起こした数々の事件を追い、背景にある社会の差別意識や忌避感情を浮かび上がらせてきた佐藤さんに真意を語ってもらった。(聞き手、構成 共同通信=真下周)
―相模原市長は、「パラリンピック聖火リレーは、コンセプトである『Share Your Light/あなたは、きっと、誰かの光だ』に基づいて、この大会を契機に共生社会を実現し、人と人、人と社会との、『新しいパートナーシップ』を考えるきっかけとなることを目指す」と表明している。―
なぜ「ありえない」と感じたのか整理してみます。
1点目。五輪とパラそのものが、開催誘致段階から、巨額贈収賄の疑惑がもたれて日本オリンピック委員会(JOC)の前会長の引責辞任があったり(本人は否定)、原発事故の状況が「アンダーコントロールされている」という前首相による、事実とはおよそ異なる復興アピールが世界に発信されたりしました。その後もエンブレムの盗作疑惑があり、この2月には、東京オリ・パラ組織委員会の前会長の発言が女性蔑視だと批判され、辞任を余儀なくされるなど、さまざまな信じがたい問題を露呈させながら進んできました。今、国民が開催を歓迎し、総出で選手を応援しようという雰囲気にはなっていません。コロナウイルスの対応を見ていても、オリンピック開催が最優先事項であり、それ以外は、人命にかかわることでも付随事項という印象がぬぐえません。開催を強行することへの疑念をどうしても持ってしまうのです。
作家の佐藤幹夫さん
2点目。主催者は、やまゆり園で採火することで、共生社会の実現をアピールするといいます。しかし、やまゆり園は大惨事が起きた場所です。亡くなった方々への哀悼も十分でないまま共生社会のアピールの場とする、というその考え方に強い疑義を持ちます。自分たちを利するときだけ障害者の存在を持ち出し、アリバイ作りとする。そう思えてならないのです。市長のいう「共生社会」や「新しいパートナーシップ」をどう考えるか。
誤解を受けやすいところですが、たとえば近代的に整えられた施設があり、そこで利用者の方たちが安全と安心を満喫して過ごしている。専門的な訓練を受けたスタッフによって、手厚い支援を受けることができる。設備も外観も整えられている。そのような施設が各地に完備されていくことが、共生社会の実現に向かっている姿だと私は考えません。
むしろ施設の存在は、私たちの社会がいまだ共生社会への道半ばであることを示す一つの指標だと考えます。どうしても施設を必要とする方がおられることは承知していますが、だから施設は必要だと考えるのではなく、どうすれば彼らの地域生活を私たちの社会が受け入れることができるか、私たちに何が足りないのか、そうした方向で考えなくてはならないのだと思います。共生社会の考え方をはき違えていないか、という疑念が拭えません。
殺傷事件から4年となり、献花台で手を合わせる女性=2020年7月26日、相模原市
3点目は、津久井やまゆり園が、理不尽な理由で命を奪われた人たちの追悼の場所であることです。そのような場所で採火をすることが、本当に死者を悼むことになるのでしょうか。私の違和感は、原発事故が起きた福島で聖火リレーがスタートしたことから始まっているのですが、オリンピックの祭典に犠牲者を利用している、言葉が強すぎるかもしれませんが、政治利用している、そう感じるのは私だけではないはずです。
先日、沖縄・辺野古の基地建設のために、沖縄戦で亡くなった方たちの遺骨の混じった土砂が埋め立てに使われており、そのことを強く抗議する報道がありました。この問題にも通じます。死者を悼む、弔う、といった気持ちを疑われるようなことが、なぜ繰り返し起きてしまうのか。死者をおとしめる権利は、生きている人間のだれにもありません。共生社会とは生きている人間の問題だけではないはずです。死者も含まれます。死者や犠牲者を悼む気持ちを失った社会が、共生社会を口にする資格があるのかどうか。
4点目。県は、聖火リレーについて「厳かに実施していきたい」と言っていますが、死者を悼みながら「厳かに執り行われる聖火リレー」というものを、私は思い浮かべることができません。いま、各地の様子がテレビで放映され、手を振り笑顔で走る姿が映し出されています。有名タレントでも一般の人でも、誇りと喜びに満ちたイベントのはずです。「厳かに走る聖火ランナー」というのは、私の感覚では矛盾以外の何ものでもありません。加えてランナーは白地のユニフォーム姿で走っています。やまゆり園の敷地内を白いユニフォーム姿のランナーたちが走っている、という光景は受け入れがたいものです。あのエリアだけ哀悼の意を示すために黒いユニフォームで走る、などというわけにもいかないし、すべきことでもないでしょう。
集まった人たちに手を振る聖火ランナー=3月30日、群馬県大泉町
やまゆり園での採火に、障害をもつ人たちにもメンバーとして加わってほしいと依頼したとき、どれくらいの人がそれに応じるでしょう。私の想像では、過半の方が、怒りとともに拒否するだろうと思います。障害をもつ人たちの気持ちを踏みにじるようなことが、「共生社会ニッポン」というアピールのために行われようとしているわけです。
ここで事件について少し触れてみます。この事件には、考えなくてはならないことが多すぎするのですが、採火問題に関連する内容にとどめます。まず、県も、やまゆり園を指定管理者として運営していた「かながわ共同会」も、そしてやまゆり園も、この事件の「当事者」のはずですが、それを疑わせるような報道が散見されます。今回の問題にしても、園や共同会は、反対、賛成の表明はしない、あくまで市や県の決定に従うというスタンスだと聞きました。ある方からの情報ですが、以下は、推測を交えながらの意見になります。
裁判が終わって以後、やまゆり園で、入所者への身体拘束などが常態化していた事実が報告されました。そのことが植松死刑囚に与えた影響は大きい、とも指摘されています。学校現場で同様の事件が起こったとき、学校側が、自分たちも被害者であるなどという態度に終始することは到底許されないでしょう。管理責任が厳しく問われます。やまゆり園とかながわ共同会も同様です。弁明の余地はないはずです。しかし私が知る限り、園や法人から、自分たちの取り組みや運営を、真摯(しんし)に振り返るような報告は出てきていません。さらに「かながわ共同会」が、再び指定管理者になったという報道もありました。トップの総入れ替えというかたちで事件の〝けじめ〟をつけたがっているようですが、県のこの判断は納得できるものではありません。納得できる説明もなされていないようです。先ほど「当事者性を疑う」と述べましたが、それはこうした点を指しています。
「津久井やまゆり園」=2016年8月
やまゆり園での採火を世界に向けた共生社会のアピールとする、という判断は、園や法人や県がもつ「当事者性を欠いたあり方」と同根なのではないか、いみじくもそのことを物語っているのではないか。まずはこの点を指摘しておきたいと思います。これが5点目。
―やまゆり園での採火方針について、相模原市は事前に犠牲者の遺族らへの意向確認を行っていなかった。一部報道では、「想像もしていなかった」とコメントを寄せた遺族もいるが、ほとんどは沈黙を貫いており、反応はうかがい知れない。―
相模原市議からの情報によると、やまゆり園での採火の話は、コロナウイルスの感染拡大によって五輪の延期判断が論じられた1年ほど前から出ていたといいます。県内33自治体で採取した火を横浜市に集める、という議論があり、その話し合いのなかで相模原市長が「やまゆり園での採火は、共生社会のテーマに合致する」と発案したといいます。このアイデアに県も乗っていった。しかし市民や県民にも、遺族や利用者の家族にも伏せられていました。それをNHKがすっぱ抜くような形で報道し、公開せざるを得なくなったというのが、幾つかの筋から得た私の情報です。なぜ伏せてきたのか。
主催者は、これから遺族や利用者家族の意向と真摯に向き合い、具体的な検討を進めていきたいとのことですが、その意向がどこまで反映されるか、私は疑っています。これまでの経緯を見ていると、「一緒に考えていこう」とアピールはするのですが、自分たちの決定の基本的なところは譲らない。何度も言われてきたことですが、意思決定のプロセスを明確にしようとはしません。「決めるのは自分たち。黙ってそれに従うのがあなたたちの役目」というのが、当初からのあり方です。
一方、被害者遺族の方々は、事件当初から自分たちの意見を表に出さない、出せない、そういう所に置かれてきました。裁判では意見陳述をしましたが、それもまた匿名であり、名前と顔を出して意見を述べることはできなかった。採火問題にしても、賛成だと言えば当事者から批判される、県や法人をおもんばかれば反対だとは言えない。そう考えているのではないでしょうか。これほどの事件の「被害者遺族」であり、その意見は最大限尊重されて当然であるにもかかわらず、まったく逆の場所に自分たちを置かなくてはならなかった。それがこの事件の大きな特徴です。また他の事件とは異なる難しさだと感じてきました。
事件当日の16年7月26日朝、津久井やまゆり園で救急活動する消防関係者ら(共同通信社ヘリから)
注意して話す必要があるのですが、その理由は、犠牲になったのが「重度知的障害者」の方々であり、その場所が、彼らが暮らしていた大規模障害者施設であったこと。戦後福祉そのものにかかわる問題だということです。70年代に表面化してくるのですが、施設で暮らしていた障害当事者の方たちは、施設を出たい、地域で暮らしたいと、希望を表明するようになります。その実現のための激しい闘いを始めるわけですが、自立生活を阻もうとする大きな壁が、家族であり親でした。まず親との闘いがあったわけです。
事件後、利用者の家族は元のようなやまゆり園の再建を望むのですが、地域での暮らしを勝ち取ってきた当事者の方と支援者によって、猛烈な批判を受けることになります。命を奪われたのは施設生活を強いられていたためであり、親や家族は加害者に等しいではないか。そう批判されました。匿名の問題では、植松死刑囚に命を奪われ、次は親によってその生きてきた証しを消されてしまった。そんなふうに責められることになったわけです。
施設批判も匿名批判も正論です。ところが正しければ正しいほど、被害者の遺族や家族は批判の対象となってしまう。他の事件ではありえないことです。犯罪被害者の遺族や家族がどれほど手厚いケアとサポートを必要とする存在か、2001年大阪市の附属池田小事件以降、私たちは学んできたはずです。しかし今回は批判の対象となっている。どちらが正しいか間違っているかではなく、発言を封じられた存在になってしまっている。どうしてこういうねじれた構造が生まれてしまうのか。今もって私の宿題です。
事件後、県や市、かながわ共同会が遺族に対してどんなサポートをしてきたのか、ほとんど知らされていません。見舞金が支払われたことは聞き及んでいますが、そのことをもって十分なケアがなされたとは、私は考えません。先ほど、「当事者性」という文脈で批判したのですが、ここでも同じように、被害者遺族や家族の方々へ、どこまで当事者として向かい合ってきたか。これが6点目の「ありえない」理由です。
神戸の障害者団体「自立生活センターリングリング」が出した抗議文の一部
―神戸の障害者団体から、今回の決定への抗議文が県知事や相模原市長などに出された。「あの痛ましい殺戮(さつりく)事件を、19人の無念の死を、美談にすり替え終決させようとしている」などと批判する。また、作家の雨宮処凛さんはウェブ上で「植松死刑囚は『喜ぶ』のではないか」と指摘した。「彼はおそらく『自分の起こした事件は正しかったのだ。平和の祭典にふさわしい事件だったのだ』と思うのではないか。ある意味、『最悪のお墨付き』を与えるようなものではないだろうか」と投げかけた。―
今回の決定にはさまざまな意見があるはずです。直接、相模原市に伝えるなり、SNSで発信するなりして、多くの人が意見表明していくことが大事だと思います。特に障害当事者の方々の意見は、大きな影響力をもつはずです。
もちろん、難しい問題がないわけではありません。「障害当事者」とひとくくりにされてしまいがちですが、生活の仕方や意思表明のありようは千差万別です。私は基本的に、どれほど「重度障害者」と呼ばれる人でもコミュニケーションの取れない人はいない、交流は可能だと考えています。そのうえでの見解ですが、私の『知的障害と裁き』という本は、知的障害の人たちを理解し、意見のやり取りをすることがどれほど難しいかを示しました。千葉県東金市で2008年に5歳の女児が殺害された事件を取り上げたのですが、弁護団の苦慮と、私自身の躓きの記録になっています。いま、意思決定支援が盛んに言われます。もちろん反対ではありません。ただ、言葉だけが独り歩きしていないかという危惧を持ちます。誰かが誰かの「代弁者」になることはできないし(そう私は考えています)、どう意思をくみ取り、受けとめていくか、そうとう慎重に考えていく必要があると思います。いずれにしても色々な立場の方が、それぞれの意見を表明していく。機会を見つけて、どんどんやったほうがいいと思います。
植松聖死刑囚を「喜ばせない」ためにはどうするか。採火問題をきっかけに、共生社会をどう考えるか、パートナーシップを作っていくためには何が必要か、その議論を怠らずに続けていくことが大切です。社会が障害をもつ人たちについて十分な議論を怠ってきたその事実をめがけて、植松死刑囚は爆弾を放り込んできたわけですから。
障害をもつ人たちも、どんどん外に出てきてください。そして交流するための接点を作りましょう。その小さな積み重ねを粘り強く続けていくことが大事だと思います。地域で生活していると言っても、ネットワークをつくれないまま孤立しているのであれば、意味は半減してしまいます。私のこれまでの裁判ドキュメントは加害者の擁護と受け取られがちですが、そうではなく、自立が孤立にならないような、地域でのネットワークをどう作っていくか、その重要性を訴えたものです。
いまコロナの問題があって難しいのですが、地域に出てきていただく、地域の側もそこでコミュニケーションの機会を大事にしていく。特効薬はありません。この採火問題もその機会にし、議論を続けることが、植松死刑囚を「喜ばせない」ために私たちにできることだと思います。

普天間返還合意25年 裏切られた期待「何も変わらない」

沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場の返還合意から12日で四半世紀がたった。太平洋戦争末期の沖縄戦時、住民が暮らしていた土地に米軍が建設した飛行場は今も返されず、フェンスの中には沖縄独特の「亀甲墓(かめこうばか)」が残る。近くの宜野湾市野嵩(のだけ)で暮らす電気工事業、大川千尋さん(66)は11日、米軍から立ち入りの許可を受け、今年も年1回だけの墓参を済ませた。「25年もたったのか……。返ってきてほしいが、期待を裏切られ続け、半分あきらめている」
先祖崇拝の文化が根強い沖縄では旧暦の3月、墓前に親族が集まり、ごちそうを食べて先祖を供養するシーミー(清明祭)という風習がある。米軍基地内の亀甲墓はこのシーミーの時期に年に1日だけ墓参が許される。普天間飛行場は11日に立ち入りが許可され、353人が事前に申請した。
大川さんの先祖の墓があるのは普天間飛行場内の北側の一角だ。農家だった先祖が約300年前に沖縄本島中部から移り住み、一帯を開墾したが、1945年の沖縄戦で米軍に接収された。周辺にはガジュマルやアカギの木が生い茂り、普段はフェンス越しに墓を見ることさえできない。
11日は朝から息子ら8人で基地内に入った。1年間で伸びきった草を刈り、墓を掃除した。午後2時半ごろには妻や娘、孫らを呼び寄せ、計15人で墓の前で重箱料理をつついて供養を済ませた。本来は親族や先祖とゆっくりとした時を過ごすシーミーだが、「制限時間」の午後4時半を前に慌ただしく基地を出た。
大川さんは「1年に1回しか入れないから、墓を修理しようにもしきれない」と語る。2年前に墓を訪れると、前年の台風で倒れたらしいガジュマルの大木が墓を覆っていた。昨年のシーミーからチェーンソーやなたを持ち込んで木を取り除く作業を始めたが、今年も作業が終わらなかった。墓の周囲の石垣も以前に地震で崩れ、毎年、セメントでの修繕が必要だ。
「普天間飛行場は今後5年ないし7年ぐらいに全面返還される」。96年4月、当時の橋本龍太郎首相がモンデール駐日米大使と並んで会見し、こう発表した姿を大川さんは覚えている。当時はその言葉に期待を膨らませたが、あれから5年が過ぎ、10年が過ぎ、20年が過ぎ……。「前に進んでいると感じない。もう返ってこないか、いつかは返ってくるのか、半々。それまで自分が生きているかどうかだ」。期待は薄れた。
政府は普天間飛行場の代替施設を建設するため、名護市辺野古の沿岸部で埋め立て工事を進めている。県民の反対が根強い中、選挙の度に辺野古移設に「容認」か「反対」かを迫られてきた宜野湾市民。「辺野古にも移ってほしくないが、普天間は返してほしい。新しい基地を造るのは沖縄にとって返還とは言えない」。大川さんの思いは複雑で「商売をしているし、本音は言えない」とも漏らす。
自宅は滑走路の延長線上にあり、昼夜問わず米軍機が飛び交う。ある程度の騒音には慣れたつもりだが、近くの保育園で米軍機の部品が発見されたこともあり、自宅の真上を通ると「何か落ちてこないか」と不安で空を見上げる。そんな思いは政府に届いているのだろうか。返還合意から四半世紀が過ぎ、無力感が募る。「一市民がどうのこうの言っても始まらない。声をあげたところで何も変わらないから」【竹内望】

蓮舫氏、高齢者へのワクチン接種開始で菅首相に要望「自治体に丸投げではない計画を示して欲しい」

立憲民主党の蓮舫参院議員(53)が13日、自身のツイッターを更新。12日から高齢者への新型コロナウイルスワクチンの接種が始まったことについて、コメントした。
この日、今後のワクチン接種について国会で「いつまでに高齢者に打ち終わるのか」と聞かれた菅義偉首相(72)が「1日も早く終えることができるように」とだけ繰り返し、論戦となったという記事を貼り付けた蓮舫氏。
「『ワクチン接種が始まった』というのはニュースかもしれません。『いつ、全ての人に打ち終わるのか』が政治です。その計画あっての国民への自粛のお願いです」とつづると、「その計画を聞いても菅総理は的を得ない答弁しかしません。自治体に丸投げではない計画を示して欲しいです」と要望していた。

運転士「考え事していた」、車掌が非常ブレーキ…ホームを200m過ぎて停車

11日午後1時50分頃、福岡市博多区のJR鹿児島線吉塚駅で、久留米発小倉行き快速列車(6両編成)がホームを約200メートル過ぎて停車した。乗員と乗客約300人にけがはなかった。JR九州によると、運転士(60歳代)がブレーキをかけるのが遅れ、車掌が非常ブレーキをかけた。運転士は考え事をしていたと話しているという。吉塚駅で降りる予定だった約150人は次の箱崎駅で普通列車に乗り換えるなど、乗降客に影響が出た。

踏切で回送列車と軽が衝突…車は大破、運転手が死亡

11日午前7時55分頃、兵庫県姫路市広畑区則直のJR山陽線踏切で、姫路行き回送列車(8両)と軽自動車が衝突した。兵庫県警網干署などによると、車は大破し運転手の赤穂市の勢納孝朗さん(59)の死亡が確認された。回送列車の運転士にけがなどはなかったという。
署の発表などによると、現場は遮断機や信号のある踏切。東向きに進んでいた回送列車の運転士が、踏切内に北から進入してくる勢納さんの軽自動車に気づいてブレーキをかけたが、間に合わずに衝突した。
JR西日本によると、この事故の影響で山陽線は姫路―相生駅間で約3時間10分、運転を見合わせた。上下線40本が運休・部分運休し、17本に最大3時間12分の遅れが生じた。影響人員は約1万2000人。

クレーン車が送電線に接近し地面に放電、タイヤが飛散…近くの男性「爆発音がして自宅揺れた」

北陸電力送配電は12日、福井県敦賀市中の配電線の工事現場で同日午前9時45分頃、クレーン車が誤って送電線に接近し、電流が地面に放電されるトラブルがあったと発表した。
同社などによると、けが人はなかったが、衝撃でクレーン車のタイヤ三つが飛散。建物の外壁が壊れるなどしたという。近くの男性(82)は「大きな爆発音が数回して、自宅が揺れた」と話した。トラブルの影響で、関西電力は12日、定期検査中の美浜原発3号機(美浜町)で、外部からの一部の送電線で電気が一時受けられなくなったと発表した。

タスク管理ツールの情報漏洩事件 マルチ商法や新興宗教団体のデータまで漏れていた

この一年くらいで、リモート勤務が広がると同時に、インターネット上にデータを置いて、同僚や上司とネット越しにやりとりする仕事のやり方に馴染んだ人も多いだろう。その便利さに水を差すような、プロジェクト管理ツールからの情報漏洩トラブルが起きている。ライターの森鷹久氏が、今回のトラブルから見えてきた、意外な分野で浸透するシステマティックな仕事ぶりについてレポートする。 * * * 今や、名だたる大手企業から個人のフリーランスまで、あらゆる情報をインターネット上に置き、いつでもどこからでもスマホで確認できる便利なツールが広く活用されている。いわゆるクラウドを活用したサービスを使って業務上の諸々を管理することは当たり前になった。無料で使えるサービスも多く、情報の保秘については気になりつつも、業務改善のために取り入れる動きが加速している。WordやExcel、画像などのデータをやりとりするだけの簡単なものから、スケジュール管理やチャット機能などを同時に使えるプロジェクト管理に至るまで、できることの範囲も広がっている。最近ではすっかり便利さに慣れたという人も多いだろう。そんな中で、同じサービスでなくても、類似のものを利用している人なら背筋が寒くなるようなトラブルが発生した。 「複数の企業の内部データが、しかも、かなりの分量が掲載されていました。その企業の人事情報や採用情報、なかには個人の住所や電話番号がついているものまで。インターネットバンキングのIDやパスワード、社外秘の経営方針、社員同士のプライベートな写真にもアクセスできる状態のものもあり、情報が漏洩してしまった企業の担当者に取材すると、青い顔をして何がどこまで漏れているのか把握も難しいと話していました」 日本国内の利用者も少なくないプロジェジェクト管理ツール「Trello」で、クラウド上に保存していた各種データの公開設定をユーザーが「全体に公開」としていたために発生した情報漏洩騒動。取材した大手新聞社の経済担当記者によれば、一般企業や官公庁のデータではないかと思われる資料まで確認できたという。 「日本だけでなく、海外の会社の情報にもアクセスできるようになっていました。社員が個人的に使っていたアカウント、会社全体で使っていたアカウントからも多くの情報が漏れ出し、前代未聞ということで、漏洩企業は対応に追われています」(大手紙経済担当記者)
この一年くらいで、リモート勤務が広がると同時に、インターネット上にデータを置いて、同僚や上司とネット越しにやりとりする仕事のやり方に馴染んだ人も多いだろう。その便利さに水を差すような、プロジェクト管理ツールからの情報漏洩トラブルが起きている。ライターの森鷹久氏が、今回のトラブルから見えてきた、意外な分野で浸透するシステマティックな仕事ぶりについてレポートする。
* * * 今や、名だたる大手企業から個人のフリーランスまで、あらゆる情報をインターネット上に置き、いつでもどこからでもスマホで確認できる便利なツールが広く活用されている。いわゆるクラウドを活用したサービスを使って業務上の諸々を管理することは当たり前になった。無料で使えるサービスも多く、情報の保秘については気になりつつも、業務改善のために取り入れる動きが加速している。WordやExcel、画像などのデータをやりとりするだけの簡単なものから、スケジュール管理やチャット機能などを同時に使えるプロジェクト管理に至るまで、できることの範囲も広がっている。最近ではすっかり便利さに慣れたという人も多いだろう。そんな中で、同じサービスでなくても、類似のものを利用している人なら背筋が寒くなるようなトラブルが発生した。
「複数の企業の内部データが、しかも、かなりの分量が掲載されていました。その企業の人事情報や採用情報、なかには個人の住所や電話番号がついているものまで。インターネットバンキングのIDやパスワード、社外秘の経営方針、社員同士のプライベートな写真にもアクセスできる状態のものもあり、情報が漏洩してしまった企業の担当者に取材すると、青い顔をして何がどこまで漏れているのか把握も難しいと話していました」
日本国内の利用者も少なくないプロジェジェクト管理ツール「Trello」で、クラウド上に保存していた各種データの公開設定をユーザーが「全体に公開」としていたために発生した情報漏洩騒動。取材した大手新聞社の経済担当記者によれば、一般企業や官公庁のデータではないかと思われる資料まで確認できたという。
「日本だけでなく、海外の会社の情報にもアクセスできるようになっていました。社員が個人的に使っていたアカウント、会社全体で使っていたアカウントからも多くの情報が漏れ出し、前代未聞ということで、漏洩企業は対応に追われています」(大手紙経済担当記者)

千代田区の名門公立中学校で通知表に「1」を連発した新校長の主張

「髪型も服装も自由」「宿題なし」「中間・期末テスト廃止」──こんな改革を行なう公立中学がある。都内の千代田区立麹町中学校だ。先進的な教育を行なう同校に、ある異変が起きている。 * * * 「これまでの通知表は『3』や『4』が並んでいたのに、校長が変わると『1』ばかりに……」 「ずっと『5』を取っていた科目が『2』になったので驚きました」 そう困惑するのは、3月まで麹町中に子供を通わせていた保護者たちだ。 永田町や霞が関に近い麹町中は古くから名門として知られ、麹町中から都立屈指の進学校・日比谷高校へと進むのが“エリートコース”とされていた。OBには岸田文雄・元外相やアナウンサーの露木茂氏などがいる。 そんな麹町中に革命をもたらしたのが、2014年に赴任した工藤勇一・前校長だ。 それまで都や区の教育委員会の職員だった工藤前校長は、赴任するや担任制度や宿題、定期テストを廃止。生徒の自主性を重んじる改革を断行し、一躍“教育界の風雲児”に。4冊の著書を出版したほか「教育再生実行会議」の有識者メンバーにも名を連ねている。 中でも注目されたのが、「単元テスト」の導入だ。 麹町中では宿題や定期テストの代わりに、授業の進捗ごとに単元テストと呼ばれる小テストを受ける。点数が低ければ、納得のいく点数に到達するまで何度でも再テストを受けることができる。 この方式は、「通知表の評価が上がりやすい」とある教育関係者が言う。 「ほかの公立中学は一発勝負の中間・期末テストの成績で判断されますが、麹町中は繰り返し再テストを受けて好成績を収めれば高評価が得やすい。 都の教育委員会は毎年、各公立中学の成績割合を公開しており、2019年の麹町中は生徒の45%が数学で『5』を、英語を除く他教科でも生徒の50%超が『4』以上を取っていた。工藤氏は雑誌のインタビューなどでも『生徒全員に5を付けて何が悪いのか』と公言しており、わざわざ住民票を学区内に移す“越境入学者”も絶えなかった」(同前) だが、冒頭の保護者のひとりは、「昨年3月に工藤先生が退任してから学校の印象は一変した」と話す。 署名運動の動きも 工藤前校長の退任後、2020年4月に新校長に就任したのは、元新宿区教育委員会職員の長田和義氏。工藤前校長とは旧知の間柄で、宿題や定期テスト廃止など工藤体制下で行なわれた改革路線を引き継いだが、生徒の通知表には変化があった。
「髪型も服装も自由」「宿題なし」「中間・期末テスト廃止」──こんな改革を行なう公立中学がある。都内の千代田区立麹町中学校だ。先進的な教育を行なう同校に、ある異変が起きている。
* * * 「これまでの通知表は『3』や『4』が並んでいたのに、校長が変わると『1』ばかりに……」
「ずっと『5』を取っていた科目が『2』になったので驚きました」
そう困惑するのは、3月まで麹町中に子供を通わせていた保護者たちだ。
永田町や霞が関に近い麹町中は古くから名門として知られ、麹町中から都立屈指の進学校・日比谷高校へと進むのが“エリートコース”とされていた。OBには岸田文雄・元外相やアナウンサーの露木茂氏などがいる。
そんな麹町中に革命をもたらしたのが、2014年に赴任した工藤勇一・前校長だ。
それまで都や区の教育委員会の職員だった工藤前校長は、赴任するや担任制度や宿題、定期テストを廃止。生徒の自主性を重んじる改革を断行し、一躍“教育界の風雲児”に。4冊の著書を出版したほか「教育再生実行会議」の有識者メンバーにも名を連ねている。
中でも注目されたのが、「単元テスト」の導入だ。
麹町中では宿題や定期テストの代わりに、授業の進捗ごとに単元テストと呼ばれる小テストを受ける。点数が低ければ、納得のいく点数に到達するまで何度でも再テストを受けることができる。
この方式は、「通知表の評価が上がりやすい」とある教育関係者が言う。
「ほかの公立中学は一発勝負の中間・期末テストの成績で判断されますが、麹町中は繰り返し再テストを受けて好成績を収めれば高評価が得やすい。
都の教育委員会は毎年、各公立中学の成績割合を公開しており、2019年の麹町中は生徒の45%が数学で『5』を、英語を除く他教科でも生徒の50%超が『4』以上を取っていた。工藤氏は雑誌のインタビューなどでも『生徒全員に5を付けて何が悪いのか』と公言しており、わざわざ住民票を学区内に移す“越境入学者”も絶えなかった」(同前)
だが、冒頭の保護者のひとりは、「昨年3月に工藤先生が退任してから学校の印象は一変した」と話す。
署名運動の動きも
工藤前校長の退任後、2020年4月に新校長に就任したのは、元新宿区教育委員会職員の長田和義氏。工藤前校長とは旧知の間柄で、宿題や定期テスト廃止など工藤体制下で行なわれた改革路線を引き継いだが、生徒の通知表には変化があった。

妹が事故死「あと1歩違う場所にいたら」兄の悔しさ消えず 19人死傷の祇園暴走9年

2012年4月に京都市東山区の祇園で軽ワゴン車が歩行者らをはねて19人が死傷した事故は12日、発生から9年を迎えた。犠牲になった埼玉県蕨市の鴨下孝子さん=当時(62)=の兄は、穏やかな暮らしを取り戻した今も「妹はその場を歩いていただけ。なぜ、亡くならなければいけなかったのか」とやりきれない思いを抱えている。
毎年4月12日になると、鴨下義康さん(76)=同県戸田市=の自宅には弟や子、孫ら10人ほどが集う。孝子さんの遺影を飾り、食事をしながら在りし日の思い出を語り合ってきた。義康さんの孫をかわいがり、月に2回は遊びに来ていた孝子さん。「旅行好きで、よく京都の社寺を観光していた。夏の高校野球を見に甲子園にも行ってね…」と義康さんは懐かしむ。
事故から9年がたち、怒りの感情は徐々に薄らいできたという。酒造りの杜氏(とうじ)として今も働き、「生活はだいぶ落ち着きました」。孝子さんと一緒に京都を訪れて事故に遭い、左脚骨折の重傷を負った妻(73)はランニングを楽しむまでに回復した。
それでも、「行ってくるね」と言って京都に出掛けた時の孝子さんの笑顔が忘れられない。醍醐寺の桜を見てから祇園を訪れ、昼食を食べようと歩いていた妹を、暴走した車が襲った。「あと1歩、あと1メートル、違う場所にいたら…。その悔しさは消えないですよ」
義康さんは月命日の墓参を欠かさず、6、12月にも菩提(ぼだい)寺の住職に読経してもらう。供養することで気持ちが落ち着くといい、心の中で「みんな元気にしているから、見守ってくれよ」と妹に語り掛けている。
祇園暴走事故 2012年4月12日、京都市東山区の祇園で藍染め製品販売会社の元従業員=当時(30)=の軽ワゴン車が赤信号で交差点に突っ込み、7人が死亡、12人が重軽傷を負った。元従業員も事故で死亡。京都府警はてんかん発作が原因として、自動車運転過失致死傷容疑(当時)で元従業員を書類送検した(容疑者死亡で不起訴)。
■地域住民ら犠牲者の鎮魂を祈る
事故現場近くにある京都市左京区の檀王法林寺では12日、毎年続けている追悼法要が営まれ、地域住民ら約30人が犠牲者の鎮魂を祈った。 犠牲者を弔うために立てられた地蔵の前で住職が読経する中、東山区交通安全対策協議会のメンバーや地域の子どもたちが焼香した。同会の北川高範会長(72)は「徐々に事故が風化していると感じる。10年の節目に向けて広報活動に力を入れ、このような事故が起こらないようにしたい」と話した。

【独自】米で流行の変異型、日本人の6割は免疫効果低下か…東大など解析

米国で流行している新型コロナウイルスの変異型に対し、日本人の6割は免疫の効果が低くなる可能性があるとする解析結果を、東京大や熊本大などの研究チームが明らかにした。日本でもこの変異型が広がった場合、ワクチンの効果が下がるなどの影響が出る恐れがあるという。
この変異型は、ウイルス表面の突起に「L452R」という変異を持つ。米疾病対策センター(CDC)によると、米カリフォルニア州では3月中旬時点で感染者の56%を占めた。3月下旬には沖縄県でも1例見つかった。
チームは、白血球の血液型とも言われる「HLA(ヒト白血球抗原)」に注目。日本人の6割が持つ「HLA―A24」というタイプの白血球は、L452R変異に対し、免疫効果が弱くなることが細胞実験で確かめられたという。L452R変異は感染力を高める可能性も指摘されている。チームの佐藤佳・東大医科学研究所准教授(ウイルス学)は「やっかいな変異だが、1人が持つHLAは複数あり、免疫効果が全くなくなるわけではないと考えられる」と指摘する。
東京農工大の水谷哲也教授(ウイルス学)の話「L452R変異は以前から注目されていたが、日本人は感染により気をつけなければいけない可能性がある」