冬の味覚といえば「カキ」ですが、2026年1月中旬の夜、浦安市内の川で行われていたのは、このカキの殻を撤去する工事でした。
【報告・土肥記者】 「午後9時前の浦安市内です。あたりはだいぶ冷え込んできましたが、あちらの川底では作業にあたっている人がいます」
この川を管理する千葉県から特別な許可を得て、川底に降りてみました。
【報告・土肥記者】 「見てください。こちら一面に広がっているのは、カキの殻です」
テニスコート2面分の広さにわたり、大人の膝の高さほどまで堆積したカキの殻。行われていたのは、こうしたカキ殻を撤去する工事でした。
県によりますと、2025年12月から行っているこの工事の最大の目的は、災害対策。カキ殻が集中するこの場所には、雨水を川へ流す「雨水管」があります。堆積したカキ殻が雨水の排水を妨げると、大雨の際に雨水がさばききれず、周辺で洪水などの恐れが高まるということです。
工事をあえて、冬の夜間に行うのにも理由があります。
【千葉県葛南土木事務所 湯浅 康弘次長】 「河川内での作業になりますので、水位の低い時期に施工することになります。非出水期といわれるこの時期で、潮位が低いタイミングが夜間になりますので、この時間帯で施工することとしています」
重機を川に下ろせない現場条件のため、撤去は手作業で進められ、潮の満ち引きもあることから、限られた時間との勝負になります。
【尾頭建設 尾頭 研哉次長】 「堆積したカキ殻を人力で掘り下げて、運搬用の小さい入れ物に入れて、荷揚げをする作業」 「付近に荷揚げ用のクレーンがつけられないので、クレーンがあるところまで川底にカキ殻がある足元が悪い中、運搬するのが大変です。カキ殻を撤去するとヘドロ混じりになるのでどんどん重くなってくるので苦労しています」
水質の面から食用には適さないこのカキ。なぜこの川で大量に発生しているのか、専門家に聞きました。
【千葉工業大学 亀田 豊教授】 「実は浦安の水域、江戸川の水域、三番瀬、このあたりはカキとか貝類の生息場所としては日本有数の地域と知られています」 「塩水と川の淡水が交わる境界線ができる。その境界線あたりにカキのエサとなるにごり成分が濃縮される。カキはそこを好んでどんどん集まってきますので、汽水域=淡水と海水の交わる地点は生息しやすい場所と考えて間違ってないと思います」
排水機能の低下以外にも、懸念点を指摘します。
【千葉工業大学 亀田 豊教授】 「もしこの水路が船舶の航行とかに重要な水路である場合は船舶の航行に非常に危険なので、定期的に掘削などする必要があると思います。そのほかにも、潮が引いたときにかなり悪臭が生じてしまう場合もありますので、そのあたりも懸念事項になると思います」
工事は2月中旬まで行われ、撤去されるカキ殻は約53トンにのぼる見込みです。カキ殻は最終的に、市内のクリーンセンターで処分されるということです。
【尾頭建設 尾頭 研哉次長】 「市民が安全に暮らせるように、心配ないように作業を進めていきたいと思っています」
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夜行バス車内で就寝中の女性に“わいせつ” 中国籍の男(38)を逮捕 「わざとした覚えない」
夜行バスの車内で隣に座っていた女性にわいせつな行為をしたとして、大学の研究生の38歳の男が逮捕されました。
警察によりますと、逮捕された島根県立大学の研究生で、中国籍のヤン・ハン容疑者は、去年10月、東京行きの夜行バスが岡山駅から横浜まで向かう間、隣に座っていた24歳の女性の上半身を触るなどのわいせつな行為をした疑いがもたれています。
当時、女性は就寝中でしたが、隣の席との間を仕切るカーテン越しに下着の中に手を入れられたことに気がつき、横浜でバスを降りたあと、警察に通報したということです。
調べに対しヤン容疑者は「わざとした覚えはありません」などと、容疑を否認しているということです。
アジア最大の犯罪組織を追っていったら…行き着いたのは北海道・ニセコ 10億円別荘の所有者は誰? 正体は超大物の親族だった
世界有数のスキーリゾートとして訪日客が殺到する北海道・ニセコエリア。そこに、あるアジアの国の政権中枢に近い一族が所有する高級別荘がある。推定10億円規模。もちろん、物件購入自体は違法ではない。だが、リゾートの国際化が急速に進む中、日本の有名観光地を取り巻く状況も変化しているようだ。超富裕層の別荘地を取材して垣間見えた実態とは。(共同通信=武田惇志、北藤稔道)
「プリンス・ホールディング・グループ」が本社としていたプノンペンのビル=2025年11月(共同)
▽10億円規模の別荘地 私たちがニセコに目を向けるようになったきっかけは、アメリカが制裁リストに加えたある企業の取材だった。カンボジアの華人系企業「プリンス・ホールディング・グループ」。アメリカ政府は、大規模な投資詐欺や資金洗浄など国際的な犯罪に関与したと指摘。「アジア最大級の国際犯罪組織」と名指ししていた。 トップはチェン・ジー会長。中国系でカンボジア国籍を持つ。カンボジア政府に食い込んで首相顧問も務めていたとされ、公爵の称号も得ていた。だが、カンボジア政府は2026年1月6日にチェン会長の身柄を拘束し、中国に引き渡した。その後の消息は伝わっていない。
身柄を拘束されたカンボジアの華人系企業「プリンス・ホールディング・グループ」のチェン・ジー会長(中央)。中国国営中央テレビが1月8日放映した(同テレビの電子版から、共同)
取材の中で、このチェン会長が、日本の東京・北青山の高級マンションに登記上の住所を置いていたことが判明する。たびたび日本を訪問していたらしい。さらに、幹部が大阪のタワーマンションに住所を登記していることも分かった。 このグループは、実は日本に根を張っているのではないか。そこで「カンボジア」をキーワードに、関連する日本国内の土地・建物登記を調べてみようと考えた。 その過程で、こんな情報を得た。 「北海道のニセコにもカンボジアの関係者がいるらしい」 この情報を精査して浮かび上がったのが、ニセコエリアの高級別荘だった。 入手した登記簿などによると、別荘は2階建てで総面積は計約430平米。ベッドルームと浴室は6つずつある。土地・建物合わせて10億円規模とみられる。現在の所有者は、これを昨年3月に一括で購入したようだ。住所はカンボジア・プノンペン。名前はフン・マリー氏。カンボジア前首相のフン・セン氏の次女だ。
息子のフン・マネット首相(右)と話すフン・セン氏=2025年6月、カンボジア・プノンペン(AP=共同)
フン・セン氏はただの政治家ではない。泥沼となった同国の内戦を生き抜き、軍事指導者として台頭。首相として1985年から38年間、カンボジアを統治してきた。2023年に長男のフン・マネット氏を自身の後任首相として禅譲したため、まるで世襲の王国のように見られ「フン・セン王朝」とやゆされた。今なお、最高権力者として事実上の院政を敷いているとみられている。 現首相のフン・マネット氏をはじめ、フン・セン氏の子どもたちはカンボジアの政財界に多大な影響力を持つ。フン・マリー氏もショッピングモールの経営者として知られる。 そんな一族がなぜ、ニセコの物件を所有しているのか。実際に別荘使用の実態はあるのか。私たちは現地を訪ねてみることにした。
▽絶好の場所にある別荘 札幌市中心部から車で約2時間。問題の別荘地は、ニセコエリアへの入り口に位置していた。雄大な羊蹄山を何の障害物もなく見渡せる絶好の場所にある。足を運んだ1月上旬は雪が降りしきった直後。絶好のスキー日和だった。 建物は2階建てで三角屋根の西洋風。玄関側の表一面がガラス張りだった。室内には暖色のルームランプがともり、一面の銀世界を優しく照らしている。1階にはガレージも付属していた。 周囲には似た構造の別荘が10件ほど建ち並び、レストランも併設している。ほかの別荘に出入りする利用者に話しかけると、多くが中国人だった。 距離を置いて別荘からの車の出入りを眺めていると、「わ」ナンバーのレンタカーが現れた。 しばらくして車から男性が降りてきたので、英語で声をかけた。 「フン・セン一族の関係者の方ですか?」 男性は流ちょうな英語で応答した。一族の関係者と認めた上で、こう言って立ち去った。 「家族でスキーに来ているだけだ。記者に話すことは何もない」 この男性は、後に資料と照合した結果、フン・マリー氏の夫のソック・プティブット氏と判明した。アメリカの軍事学校出身で、コングロマリット企業「ソーマグループ」のオーナーだ。カンボジア政府の高官を務めたこともある人物だった。
訪日客らで賑わう北海道倶知安町のスキー場付近=1月、尾崎純子撮影
車両にはフン・マリー氏とみられる女性も乗っていた。冬の休暇に家族水入らずで、ニセコを訪れたのだろうか。 カンボジア在住の情報筋によると、フン・セン氏の子どもたちが冬に訪日することは、国内でも知られているという。 「年中暑い国なので、雪山でのスキーが好きみたいなんです。ニセコに別荘があるとは知りませんでしたが、とにかく(一族には)お金があり余ってますから。アメリカやオーストラリアに不動産を所有しているという噂もあります。日本で所有していても不思議ではありません」
訪日客らで賑わう北海道倶知安町のスキー場=1月9日、尾崎純子撮影
▽「VIPも招かれる外国人の食事会」 カンボジアの政権中枢にいる一族がニセコに高級別荘を持っている。この別荘群のほかの所有者はどんな人たちなのか、興味がわいた。 登記情報を基に確認していくと、所有者はアジア各国にまたがっていた。 香港やシンガポール、タイの個人や法人などだ。タックスヘイブンとしても知られ、国際的な投資拠点となっている英領ヴァージン諸島に登記された法人も名を連ねていた。 登記情報からは、ニセコエリアの別荘地が日本人向けの一般的な別荘開発とは異なり、国境を越えた国際資本、しかも超富裕層の受け皿になっている実情がうかがえる。
北海道倶知安町によると、ニセコ町と蘭越町を含むニセコエリアの外国人宿泊数は、2023年度で延べ約74万人。スキー場近くの道路沿いを歩けば英語や中国語が飛び交い、日本人の姿はまばら。「まるで異国」などと報道されることも多い。 ラーメンは2千円、サンドイッチは5千円。「ニセコ化」とも称される外国人バブルの一端には、フン・マリー氏に代表されるような、各国の政財界に影響力を持つ超富裕層の姿があったのだ。 以前からニセコエリアに住む人々も、そうした変化を肌で感じているようだった。ある日本人住民は、こんな話を明かした。 「このあたりの別荘地ではよく、外国人が集まる食事会が開かれていて、VIPと言われるような人たちもたびたび招かれています。私も以前、『中国人のVIP』と称される人物に引き合わされたことがあります。一体どんな人物なのか、顔を見ても分かりませんでしたけど。でもカンボジア政府の大物まで関係しているとは知りませんでしたね」
物価高騰するニセコエリアの飲食店=1月9日
その後も周辺で取材を続けようと試みた。だが管理人とみられる外国人男性が現れると、英語でこうとがめられ、すぐに立ち去るよう促された。 「ここはプライベートなエリアだ」 交渉しようとしたが、取りつく島がない。 現時点で取材はここまでだが、ニセコエリアに世界中から人と資本が集まり、バブルがヒートアップしている様子は垣間見えた。各国の要人クラスの超富裕層も熱い視線を送り続けている。
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少年らと共謀し現金詐取した疑い 男を逮捕 受け子勧誘の「リクルーター」役か
「もうかる仕事がある」などと少年を勧誘し、特殊詐欺をさせたとして、リクルーターとみられる男が逮捕されました。
警視庁によりますと、上田達也容疑者は去年、当時16歳の少年らと共謀し、80代の男性に息子を装って電話をかけ、「会社の小切手をなくして至急お金が必要になった」などとウソを言って現金50万円をだまし取った疑いが持たれています。
上田容疑者は特殊詐欺グループのリクルーター役とみられ、少年に「1週間で30万もうかる仕事がある」などと言って勧誘していたということです。
調べに対し、上田容疑者は容疑を否認しているということです。
警察官なのに「闇バイト」 口座売却の元巡査部長に執行猶予付き判決
「闇バイト」で銀行口座を他人に売り渡したとして、犯罪収益移転防止法違反や詐欺罪などに問われた警視庁の元巡査部長、米川和行被告(41)=懲戒免職処分=に対し、東京地裁は28日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役4年)の有罪判決を言い渡した。村田千香子裁判長は「犯罪を取り締まる立場だったのに口座売買を繰り返した」と批判した。
判決によると、被告は2025年3~5月、自分名義の銀行口座を他人に譲渡したほか、偽造した運転免許証で他人名義の口座を開設するなどした。
判決は、被告が譲渡した口座について、社会問題となっている特殊詐欺に使われる危険性を認識していたと指摘。一方で、警察官としての知識や立場を使っていないことや起訴内容を認めて反省していることなどを挙げ、執行猶予を付けた。
警視庁によると、被告が闇バイトグループに渡した口座には特殊詐欺の被害金とみられる計約7000万円が振り込まれていた。【安達恒太郎】
【 訃報 】声優・塩屋浩三さん 死去 71歳 【ドラゴンボールZ・魔人ブウ役/機動戦士ガンダムZZ・モンド・アガケ役など】
人気アニメ作品「ドラゴンボールZ」の魔人ブウ役や、「忍たま乱太郎」の第三協栄丸役、「機動戦士ガンダムZZ」のモンド・アカゲ役などで知られる、声優・俳優の塩屋浩三さんが、死去していたことが分かりました。71歳でした。
所属事務所の青二プロダクションは公式サイトで「弊社所属俳優 塩屋 浩三 儀(71歳) 令和8年1月20日に永眠いたしました」と、報告。
続けて「ここに生前賜りましたご厚誼を深謝し謹んでご通知申し上げます」「なお葬儀につきましては ご遺族のご意向により近親者のみにて執り行われました」と、明かしました。
そして「ご通知が遅くなりましたこと ご諒恕のほどお願い申し上げます」と、綴っています。
【 塩屋浩三さん プロフィール 】
誕生日:8月18日 出身地:鹿児島県 芸歴:劇団ひまわり~太陽プロモーション~青年座養成所 方言:鹿児島弁
◆主な出演作と役柄◆
「ドラゴンボールZ」 魔人ブウ 「忍たま乱太郎」 第三協栄丸 「戦国BASARA」 今川義元 「ゲゲゲの鬼太郎」 子泣きじじい:四代目 「SLAM DUNK」 高宮 「NARUTO-ナルト-」 ジグモ 「勇者王ガオガイガー」 天海勇 「機動戦士ガンダムZZ」 モンド・アガケ ほか
【担当:芸能情報ステーション】
れいわ・女性立候補者が街宣中のセクハラを告発 「次は警察を呼びます」
れいわ新選組の政策委員で、衆院選に比例近畿ブロックで立候補している西郷南海子氏が2026年1月27日にXを更新し、街頭演説中に初対面の男性からセクハラを受けたことを明かした。
「同意のない身体接触はやめてください」
西郷氏はXに「候補者へのセクハラを許さない」とつづり、「今日の街宣中、わたしを支持する?男性(初対面)から抱きつかれ、その手がわたしの胸部に触れるという出来事がありました。」と見知らぬ男性から身体接触を受けたことを告発した。
西郷氏は「同意のない身体接触はやめてください」と抗議し、「触られた部位、そして精神的にも、強烈な気持ち悪さが残ります」と明かした。
一方、そのトラブルが起こった直後は「その場を離れなければ」という判断から「警察に連絡するということができませんでした」とのこと。また、「候補者は移動スケジュールを優先せざるをえず、警察を呼ぶことが難しいです」と警察を呼ばなかった理由を説明した。
しかし西郷氏は、「こんなこともう何回目でしょうか」と呆れたようにつづり、「握手ならまだしも、同意のない身体接触はやめてください。次は警察を呼びます」と訴えていた。
このポストに西郷氏の元には、「移動やスケジュールの都合で警察を呼べない状況に追い込まれてる構造自体がおかしい」「犯罪です。カメラ映像あるのでは」「周りのスタッフがキチンと守ってあげて欲しい」という声が集まっていた。
【候補者へのセクハラを許さない】 今日の街宣中、わたしを支持する?男性(初対面)から抱きつかれ、その手がわたしの胸部に触れるという出来事がありました。 同意のない身体接触はやめてください。触られた部位、そして精神的にも、強烈な気持ち悪さが残ります。…
「菊池事件」再審請求を棄却…ハンセン病理由「特別法廷」で死刑判決、執行 熊本地裁
74年前に熊本県で役場職員が殺害され、殺人の罪に問われた男性の死刑が執行された「菊池事件」。熊本地裁は28日、男性の遺族が求めた再審=裁判やり直しの請求を棄却しました。
熊本地裁は、28日午後2時に菊池事件の再審請求を退ける決定書を交付しました。不当決定の旗が出された瞬間、熊本地裁の前に集まった男性の弁護団や支援者からは落胆の声が聞こえました。
菊池事件は1952年に熊本県の北部で役場職員が殺害されたもので、ハンセン病とされた当時29歳の男性が逮捕され、死刑が確定しました。
男性は再審請求を繰り返しましたが1962年に死刑が執行され、4回目の再審を遺族が求めていました。
男性の裁判は、ハンセン病を理由に隔離された「特別法廷」で開かれ、熊本地裁が2020年、この特別法廷を「ハンセン病を理由とした差別で憲法違反」と認めたことから、遺族の弁護団は「憲法違反の裁判はやり直すべき」と主張。また、有罪の根拠とされた「凶器」や男性の親族の供述には矛盾があるとも訴えていました。
一方、検察側は刑事訴訟法の再審の条件に憲法違反が明記されていないことから、「再審が認められる余地はない」と反論し、凶器や親族の供述についての弁護団の主張も否定していました。
28日の決定で熊本地裁は、弁護団の主張をいずれも認めず、再審請求を棄却しました。
弁護団は即時抗告する方針です。
「売掛債権は必ず回収できる」と虚偽説明、出資金詐欺の疑いで2人逮捕…計3億円詐取か
売掛債権を買い取る金融サービス「ファクタリング」事業への出資名目で現金約4250万円をだまし取ったとして、警視庁は28日、無職の女(43)(東京都新宿区)ら男女2人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。2人が2022~23年、大阪府の女性から現金計約3億円を詐取したとみている。
他に逮捕されたのは、会社役員の男(48)(横浜市西区)。
発表によると、2人は共謀して22年6~8月、男のファクタリング会社が他社の売掛債権を買い取ると装い、「出資してくれれば、利益を上乗せして返金する」とうそを言って、大阪府の50歳代の女性から現金4250万円を詐取した疑い。逮捕は26日。
2人は知人を介して女性と知り合い、偽造した取引資料を示して、「売掛債権は大手企業に対するもので、必ず回収できる」と虚偽の説明をしていたという。無職の女が指示役で、会社役員の男は偽造書類を作成していたとみられる。同庁は他にも被害者がいるとみて調べている。
死刑執行から60年後の再審請求 遺族を縛った根深い差別の実態
熊本県で起きた殺人事件を巡り、ハンセン病患者とされた男性が隔離先の「特別法廷」で死刑判決を受けて1962年に執行された「菊池事件」の第4次再審請求審で、熊本地裁(中田幹人裁判長)は28日、やり直しの裁判(再審)を認めない決定を出した。
第4次再審請求をしたのは男性の遺族だ。だが、請求に至ったのは死刑執行から約60年後。これほど長い時間を要したのは、根強く残る差別と偏見が大きな「壁」として立ちはだかったからだ。
男性は、1952年に熊本県北部の村の元職員が刺殺体で見つかった事件で殺人罪などに問われた。
隔離先の国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園(けいふうえん)」(熊本県合志(こうし)市)に設置された特別法廷で無実を訴えたが、熊本地裁は53年、患者だと通報されたことへの逆恨みが動機と認定して死刑判決を下し、57年に確定。第3次再審請求が退けられた翌日の62年9月14日、40歳で執行された。
遺族「どうしてもできない」
再審弁護団で共同代表を務める徳田靖之弁護士(81)=大分県弁護士会=は99年春ごろ、園の入所者自治会の関係者から「自分は高齢で、あと何年生きられるか分からないが、男性が無実であることを証明しないと死んでも死にきれない」と相談された。
すぐに遺族の一人に連絡を取り、「冤罪(えんざい)なので再審請求してほしい」と説明した。
30分ほど話した後、遺族が口を開いた。「無実だとは分かっている」。だが涙を流し、続けた。「再審運動に取り組めば、事件のことを多くの人に知られてしまう。自分には家族を守る責任がある。どうしてもできない」
遺族は、男性がハンセン病とされたことを周囲に気づかれぬよう息を潜めて生きてきた。患者の家族だと知られた後に親族の縁談が破談になったケースなどを見聞きしてきたからだ。
今なお差別と闘わなければならない苦痛をまざまざと見せつけられた徳田弁護士は、菊池事件の特別法廷は憲法違反だったとの思いを強め、動き出した。
まずは「検察官が自ら再審請求すべきだ」と考え2012年、検察庁に要請書を出した。検察はなかなか判断を示さなかった。
「だったら最高裁に検証を求めよう」と13年、最高裁に特別法廷の検証を要請。最高裁は16年に「差別的な取り扱いが強く疑われる」とする調査報告書を公表し、謝罪した。
国賠請求訴訟は「違憲」判決
菊池事件を巡って元患者らが起こした国家賠償請求訴訟でも代理人を務めた。熊本地裁は20年2月に「特別法廷は憲法違反」と認める判決を出した。
この画期的な判決を基に熊本地検に対し、菊池事件で検察官が自ら再審請求するよう要求。応じないと20年11月、市民や元患者1205人による「国民的再審請求」に打って出た。
再審請求できるのは、刑事訴訟法で被告となった本人、親族と検察官に限るとされており、正式なものではない。
だが、特別法廷をテーマにしたシンポジウムで内田博文・九州大名誉教授(刑事法)が「憲法違反である場合、本人や親族でなくても、主権者たる国民が請求できる」という新説を示したことを参考にした。
権利保持のための「不断の努力」を国民に求める憲法12条の規定を根拠に「憲法違反の特別法廷で下された判決を放置させないことが国民の義務」と訴えた。
こうした積み重ねが、ついに遺族の心を動かした。徳田弁護士と連絡を取り合っていた遺族の一人が21年4月、第4次再審請求を熊本地裁に起こした。
徳田弁護士は訴える。「菊池事件の特別法廷は公平、公開の裁判を受ける権利をうたう憲法を著しく踏みにじった。背景にハンセン病への差別があり、遺族が声を上げられないことこそが事件の本質だ」【客員編集委員・江刺正嘉、野呂賢治】