《伊東市》学歴詐称、田久保市長の経歴をたどると…同級生が明かす“除籍までの学生時代”「バンドマン風の彼氏と同棲していた」

「市民のための政治、市民ファーストを実現する」

5月の市長選で“伊東のジャンヌ・ダルク”こと田久保眞紀氏(55)は、そう自信満々に語っていた。
田久保氏が窮地に陥ったのは、当選から1カ月も経たない6月初旬のこと。市の広報誌で『東洋大学法学部卒業』と紹介した学歴について、〈中退どころか、私は除籍であったと記憶している〉という匿名の投書が、全市議宛に届いたのだ。
そこで市議会は、田久保氏に説明を求めた。青木敬博副議長が語る。
「彼女は卒業証書と主張する紙と卒業アルバムらしきものを持ってきて、チラッとだけ見せてきた。ほんの2、3秒。その後、本物の証書を確認したが、レイアウトなどが明らかに違った」
観念したのか7月2日、田久保氏は「除籍」だったと明かし、7日には辞任する意向を示していたが……。
「私に与えられた使命、改めてその使命を、私の全身全霊を傾けて実現してまいりたい」
7月31日、会見で涙ながらに“辞めるのをやめた”ことを表明したのだ。
いま、市議会は彼女の疑惑を巡って空転し、役所には4千件以上の抗議が殺到。市内の建設会社の社長が公職選挙法違反の疑いで告発状を提出し、捜査も始まった。なぜこの期に及んでも、彼女は辞めないのか――。
田久保氏は1970年、千葉県船橋市で生まれる。10歳で父親が亡くなり、不登校気味になって母親と伊東に移住。市立北中学に通う。地元の同級生の回想。
「3年の1学期に転校してきました。当時は目立たず、地味な印象でした。県立伊東城ケ崎高校(現在は閉校)に進み、郷土研究部に所属していました」
東洋大学入学を機に上京。キャンパスがあった朝霞台のアパートで暮らした。大学の同級生が話す。
「下宿先が一緒でした。彼女は学生時代、ロックバンドのボーカルだったそうですが当時、金髪でギターを背負ったバンドマン風の彼氏と同棲していた。けれど2年生になる頃、急に姿を見なくなったのです」
大学除籍後の経歴について田久保氏は、
「都内で出版社専属のバイク便のライダーや広告代理店の営業職を経験、イベント企画会社を起業したと語っている」(全国紙記者)
ある市議はこう話す。
「イベント業務の中で、『司会をしたり、イベントコンパニオン、レースクイーンと仕事をする機会があった』と本人から聞きました」
そして2010年頃、彼女は伊東にUターンしてきた。田久保氏の知人が語る。
「お母さんは不動産管理の会社を経営していました。眞紀さんは自宅兼事務所に併設したオーガニックを売りにしたカフェを始めた」
その後、のめり込んだのが、2016年に持ち上がった伊豆高原メガソーラー計画の反対運動だ。
〈 この続き では、そんな彼女を支えた2人の男性「10年恋人」「番犬弁護士」の存在、2人への直撃を行っている。また、 第2弾記事 では12月まで市長でいた場合にもらえるボーナス額などを算出し、新たな証拠文書を入手した内容を詳報している〉
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年8月14日・21日号)

会場足止め、情報発信不十分=鉄道トラブル対応に課題―大阪・関西万博

四方を海に囲まれた大阪・関西万博の会場「夢洲」。先週発生した大阪メトロ中央線の運転見合わせによる来場者の足止めは、交通アクセスのもろさを浮き彫りにした。日本国際博覧会協会は18日、情報発信などが不十分だったことを認め、対応を見直す方針を表明した。今後も来場者数の増加が見込まれる中、混雑する中でいかに迅速に情報を伝えるかが大きな課題となる。
万博の入場券販売は伸び続けている。15日までに約1866万枚を売り上げ、協会は最終的な目標の2300万枚達成を目指す。会期終盤に向け会場内の混雑はさらに激しくなる見通しだ。「今回の事象を教訓として、改善すべき点は速やかに改善する」。協会の石毛博行事務総長は18日の記者会見でこう述べ、非常時の情報発信の在り方や飲食物配布などの対応を見直す考えを示した。
大阪メトロ中央線が運転を見合わせたのは13日夜。中央線は来場者輸送の約7割を担うアクセスの要で、来場者約3万人が一時足止めされ、会場内で一夜を過ごす人もいた。協会は防災実施計画で地震や水害などが発生した際の対応を定めているが、鉄道トラブルに関しては盛り込まれていなかった。
最も大きな課題が情報発信の在り方だ。来場者からは「アナウンスが全然ない」「放送内容が更新されない」との声が相次いだ。石毛氏は場内放送について「混乱を避けることが大きな目的になっていた」と釈明。情報がなくても、ないという現状を発信する必要があったとの認識を示した。
飲食物の配布にも課題が残る。自動販売機の飲料が軒並み売り切れとなり、給水スポットに長蛇の列ができた。協会が水1000本を配布したのは14日午前3時半以降。協会からの食料提供はなかった。
政府関係者は「今回は防災実施計画で想定される対応だったが、『運転見合わせ』の部分は抜け落ちていた」と語る。 [時事通信社]

火球?夜を駆ける光 九州各地で目撃情報

19日、夜空に火球とみられる明るい光が現れました。こちらは午後11時8分頃の福岡空港です。
オレンジ色の光が下に向かって流れていきました。
宮崎県では同じ時刻に一瞬空が真っ白になり、まるで朝のように明るくなる様子も。
西日本各地で突然現れた明るい光に、SNSでは
「流れ星かと思ったら、空が急に明るくなった!すげええええ!」
「眩しかった。・°・(>_<)・°・。」
などの投稿が相次ぎました。

「ローションに溶かして…」レーサム元会長が法廷で語った“薬物漬けパーティー”のきっかけ「ホテルに呼んだ女性に勧められた」【懲役2年、執行猶予4年】

ホテルで覚醒剤やコカインを所持したとして、覚醒剤取締法違反などの罪に問われていた不動産投資会社「レーサム」の元会長・田中剛被告(60)。ホテルに複数の女性を招き、前代未聞の“薬物性接待パーティー”を主催したとして多くの注目を集めた同被告の裁判員裁判が8月13日、東京地裁で開かれた。
本件についてこの日、裁判官は同被告に懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。少し痩せた雰囲気の田中被告だが、法廷では薬物使用の実態を明け透けに語っていた。【前後編の前編】
「ホテルに呼んだ女性に勧められて…」
20代で不動産投資会社を立ち上げ、ものの数年で急成長を果たし現在の「レーサム」を作り上げた田中被告。白髪をきっちりと七三に分け、姿勢良く法廷に座る田中被告だが、顔はかなり痩せているように見受けられた。
「(昨年7月に)保釈されたあとは暫く自宅にいて、その後は11月から更生施設で半年間過ごしてきました。タバコ、薬なしの生活を9か月間続け、ランニングもしています。
今後は、自分の過去の行動をしっかりと見つめ直し、薬のない心豊かな生活の素晴らしさを自分なりに伝えていきたいです」(田中被告の法廷での発言)
裁判官からの質問に淡々と答える田中被告。7月9日に開かれた初公判では、犯行当時の“パーティー”の様子が検察官によって明かされていた。全国紙社会部記者が語る。
「田中被告は2024年6月頃、宿泊先のホテルに複数の女性を派遣させる『性接待パーティー』を開催。宿泊中、複数回にわたって、覚醒剤、コカインなどの違法薬物を密売人の男に配達させたと検察側に指摘されています。現場に招かれた女性の知人が客室に赴き、田中被告と揉めて警察に通報。田中被告が立ち去った客室ベッドの枕の下からは、覚醒剤やコカインが見つかった。
同被告は薬物所持については起訴事実を認めていました」
薬物との関わりについて問われた田中被告は、「(薬物使用を始めたのは)昨年からです」と話した。
「それまでは合法ハーブ(を使ったこと)はありました。10年前にアダルトショップで買ったことがあります。
(違法薬物は)ホテルに呼んだ女性から勧められたのがきっかけです。入手先も彼女から聞いたのがきっかけで、自分で直接入手はしていません」
「快楽に対する依存」
田中被告は2021年に「レーサム」の会長職を退任している。薬物を使用した背景にはストレスがあったと主張した。
「高いストレスがあった。会社のことや、妻とも離婚したりと。そのストレスから解放されるためにやった」
保釈後は約半年の間、更生施設で過ごしてきたという同被告。「違法薬物使用に対する危機感はあるか」と問われると、真面目な口調でこのように明かした。
「自分は(リスクを)何も考えられていなかった。薬物はローションに溶かしていたので、身体への影響はありませんでした。ただし、快楽に対する依存がすごかったです」
薬物使用について真摯に認め、反省した様子だった田中被告。しかし、“パーティー”に参加した女性に対してはどうしても我慢できないことがあったのか、同被告は法廷で突如声を上げたのだった続編記事で詳報する。
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《眞子さんは出席拒否の見込み》紀子さま、悠仁さま成年式を控えて深まる憂慮 寄り添い合う雅子さまと愛子さまの姿に“焦り”が募る状況、“30度”への違和感指摘する声も

長男の成年式を控え、一層身に染みる長女との断絶。そして、そばに残った次女との間にも、隙間風が吹き続けていて──天皇ご一家のお姿を前に、娘たちとの関係に思い悩まれた紀子さまが取られた行動とは。
激しい雨に打たれた、広島・平和記念公園。その日、公園の中央にたたずむ「原爆死没者慰霊碑」の前には、一本の傘を互いに差し合う紀子さまと佳子さまのお姿があった。降りしきる雨の中、佳子さまが差し出す傘の下で静かに祈りを捧げられた紀子さまの横顔には、どことなく“焦燥”の翳りが見えた──。
8月10日から1泊2日の日程で、紀子さまと佳子さまのお二人は広島県を訪問された。
「公務ではなく私的なご訪問で、供花の際に側近ではなくご自身で交互に傘を差されていたのも、そのご配慮によるものです。現地では慰霊碑への供花だけでなく、被爆者の少女をモデルにしたミュージカルを鑑賞されたほか、被爆者らが生活する養護ホームを訪問し、入居者らと交流されました」(宮内庁関係者)
一方、やや唐突感のある今回のご訪問に、一部の関係者からは困惑の声も上がっている。
「秋篠宮ご一家は7月11日、都内で『被爆80年企画展ヒロシマ1945』を見学されています。さらに7月23日、24日には、秋篠宮ご夫妻がインターハイの開会式に出席されるため、広島を訪問されたばかり。現地で対応にあたった広島県や市の職員たちにとっても、青天の霹靂だったようです」(皇室記者)
降って湧いたような再訪の報だけでなく、そのご訪問先にも、“腑に落ちない”と指摘する声がある。
「2日目に訪問された養護ホームは、もともとは7月末に秋篠宮ご夫妻が訪問される予定だったものの、入居者の体調不良によってキャンセルとなっていた施設です。こうしたとき、日を改めて“リベンジ”訪問されることはよくありますが、本来はご夫妻での予定だったのですから、ご訪問もご夫妻でなさるのが筋というもの。なぜ、急きょ佳子さまとお二人で足を運ぶことにされたのか……」(前出・宮内庁関係者)
今回のご訪問は、紀子さまの強いご希望によって実現したものだという。
「秋篠宮家はいま、悠仁さまの成年式という一世一代の大イベントを控えています。男性皇族の成年式は実に40年ぶりで、紀子さまは“何としても成功させる”という確固たる決意をお持ちです。9月の本番に向けて、ご一家総出で盛り上げていきたいと思っていらっしゃるのです」(前出・宮内庁関係者)
その責任感からか、紀子さまは準備にあたる側近に対して厳しい口調で指示を出されることもあるという。
「当の悠仁さま以上に緊張感を高め、神経をとがらせていらっしゃいます。“将来の天皇の母”としての自覚が、紀子さまを駆り立てているのでしょう」(前出・宮内庁関係者)
しかし、秋篠宮家にとって晴れ舞台であるはずの成年式には、紀子さまの頭を悩ませる“懸念事項”もつきまとっている。
「長女の小室眞子さんが、成年式への出席を拒否されるとみられています。本来、悠仁さまの実姉で元皇族である眞子さんは、出席されてしかるべき存在です。しかし、結婚を巡る一連の問題で、紀子さまと眞子さんは絶縁状態にある。さらにその過程で、姉と心を通わせる佳子さまと紀子さまの間にも、軋轢が生じてしまいました。
長男の慶事にあたっても再会は叶わず、初孫の顔も見ることができない現状を突きつけられ、紀子さまは“長女の不在”をこれまで以上に感じられていることでしょう」(別の宮内庁関係者)
母と娘の断絶を感じさせる秋篠宮家とは対照的に、天皇家の長女・愛子さまと雅子さまは、常に寄り添い合っていらっしゃる。
「今年の夏、愛子さまはお仕事の合間を縫って、両陛下のすべてのご静養に同行されています。ここ数か月、お出ましの際に時折お疲れの色も見えた雅子さまも、愛子さまとゆっくり過ごされたことで、すっかり元気を取り戻されたようです」(前出・皇室記者)
愛子さまと雅子さまのご関係を目の当たりにされた紀子さまは、佳子さまとのわだかまりを少しでも解こうと、今回のご訪問に踏み切られたのかもしれない。
「紀子さまにとって佳子さまは、いまや直接コミュニケーションが取れる“唯一の娘”。焦燥の念を覚えた紀子さまは佳子さまとの絆をつなぎとめるため、お二人での広島行きを決められたのではないでしょうか」(前出・別の宮内庁関係者)
前のめりで話かけられ
家族関係のいざこざが取り沙汰される秋篠宮家と、ご一家での仲睦まじい様子が話題になる天皇家──長男が将来の天皇であるにもかかわらず、国民からの支持の盛り上がりに欠ける秋篠宮家の現状に、紀子さまが焦りを覚えていらっしゃるのも当然といえる。
「その焦りが空回りしているような様子も目撃されています。7月末の『ナイチンゲール記章授与式』でのこと。公の場での天皇皇后両陛下に対するお辞儀は45度以上の『最敬礼』が一般的ですが、紀子さまは雅子さまに30度ほどの浅い角度でお辞儀をされていたのです。さらに、帰り際に車に乗り込まれた雅子さまに対して、紀子さまが前のめりで話しかけられる場面もありました。
平成の時代、雅子さまは美智子さまに対し、直角に近い角度の最敬礼をされていた。雅子さまと美智子さまとは違って、嫁姑の関係ではなく年齢も近いとはいえ、皇后と皇嗣妃という厳然とした立場の差があります。紀子さまとしては雅子さまとのフランクな関係性を国民に示し、秋篠宮家を盛り立てていきたいという一心だったのでしょうが、“無礼”とも取られかねないこうした振る舞いに、違和感を持つ関係者がいるのも事実です」(前出・宮内庁関係者)
さらに8月12日には、そんな紀子さまの“焦り”をかきたてるようなサプライズがあった。
「慰霊の旅のしめくくりとなる9月の長崎ご訪問に、愛子さまも同行されることが発表されました。愛子さまにとっても被爆地への思い入れは深く、中等科時代の修学旅行で広島を訪問された際は、ご両親から何度もお話を聞かれた上で臨まれたようです。長崎でも、天皇家の一体感がより示されることでしょう」(皇室ジャーナリスト)
紀子さまの憂慮は、深まっていくばかりだ。
※女性セブン2025年9月4日号

女性アナからDM来たと思ったら…巧妙詐欺の実態

「まさか神社が騙すとは思わないじゃないですか。見た目もそっくりだったし、わかるわけがない」。60代女性はそう頭を抱える。
【これが手口だ】神社になりすまし、PayPayポイントを餌に応募者を集めようとしている…
ある日、女性のもとに、ある神社のInstagramアカウントから「1000円分のPayPayポイントプレゼント」という旨のメッセージが届いた。
「ちょっとおかしいとは思ったんです。神社のInstagramアカウントがなぜPayPayポイントをくれるのって。でも、届いたメッセージのリンクをタップしたら、能登の地震支援ページが出てきて、神社はこういうこともするんだなって……」
女性は神社の言う通り、被災地の支援をしようと思ったが、夫に「おかしい」と止められ、アカウントが偽モノであることに気づけた。被害に遭わずに済んだものの、女性は自分では見抜けないと途方に暮れる。
なりすましの対象はYouTuber→神社、地方局アナに
このようなInstagramのなりすましアカウントによる被害が続いている。
以前は大企業や芸能人、著名YouTuberがなりすましの対象として狙われていたが、近年はトレンドが変化し、神社のなりすましアカウントまで生まれている状況だ。
東京大神宮、亀戸天神社、猿田彦神社、上野東照宮、丹生都比売神社。神社に足を運び、参拝や祈祷などをした方は多いだろう。しかし、上述の神社すべてが、なりすまし被害に遭っている。
東京大神宮、上野東照宮などは、一時120を超えるなりすましアカウントが乱立していた。神社曰く、通報しても次々と増えていく状態だったという。
フォローすると、冒頭の女性のように偽サイトに誘導されたり、投資を持ちかけられたりすることがほとんど。個人情報などを入力すると、お金を騙し取られたり、個人情報を盗まれたりする。
地方局アナから相談が寄せられた

「地方局アナウンサーのチャットグループがあるのですが、みんなが続々と『自分の偽アカウントが現れた』『私も』と言っていて。なぜ私たちが狙われるのですか?」と、筆者はある地方局アナウンサーから質問を受けた。
「みんな、フォロワーが数千人とかであまり多くないんですよ。それなのになりすまして、どんなメリットがあるのでしょうか」
札幌テレビ放送、石川テレビ放送、テレビ山梨、チューリップテレビなどの地方局のアナウンサーが、続々となりすまし被害に遭っているという。

石破首相が「きれいに身を引ける」タイミングは…総裁選前倒し判断に向け自民選管始動、退陣表明へ圧力強まる

自民党の総裁選挙管理委員会が臨時総裁選実施の判断に向けて始動したことで、石破首相(党総裁)に退陣表明を促す圧力がいっそう強まりそうだ。前倒し実施が決まれば事実上の退陣勧告となるだけに、党内では決定前の首相による自発的な判断を求める意見が根強い。外交日程にも区切りがつく今月末以降、決断の節目を迎えるとの見方もある。(谷口京子、阿部雄太)
「総裁の身分に関わることだ。厳正に慎重に責任を果たしたい」
総裁選管の逢沢一郎委員長は19日の会合後、記者団に臨時総裁選の是非を決める重みをこう強調した。
自民では、総裁の自発的な辞任によらない臨時総裁選は前例がない。党則6条4項による総裁選の前倒しは、党からの不信任に等しく「首相にとっても党にとっても汚点となる」(首相周辺)と危惧する向きが多い。選管委員の一人も「決定前に首相が自ら決断するのが一番だ」と漏らした。
今後は総裁選管の動きをにらみつつ、退陣を求める議員と、外交日程などを考慮して進退表明の時期を見極める首相側の神経戦が繰り広げられる見通しだ。
総裁選管は月末に見込まれる党の参院選総括の取りまとめを受け、議員らへの意思確認を始める構えで、9月上旬にも結論が出る。前倒し決定には所属国会議員と47都道府県連代表の総数の過半数の賛同が必要となるが、閣僚経験者は「直接的な退陣要求でない。首相にも出馬する権利があるだけに、賛成するハードルは低いだろう」と見る。
実施の是非の決定前に、首相が退陣を表明すれば議員らへの意思確認などの手続きは不要となり、総裁選が行われる。
参院選惨敗の責任を取るべきだと迫られている首相は、米国の関税措置への対応や首脳外交などに支障が出ないよう進退を明確にしてこなかった。関税交渉には一定のメドがついた。20日に開幕する第9回アフリカ開発会議(TICAD9)、23日の韓国の李在明(イジェミョン)大統領の来日、29日を予定するインドのナレンドラ・モディ首相の来日を終えれば、首相がホスト役を務める主要な外交日程もメドがつく。
首相が頼みとする森山幹事長は参院選総括に合わせた辞任を示唆する。他の党四役も追随する構えで、政権運営が行き詰まる公算は大きい。党幹部は「首相が月末にも『責任を取る考えだったが、外交日程もあり明らかにできなかった』と説明すれば、きれいに身を引ける」と語る。

排外主義の根底にある「貧困」――日本ペンクラブ、炎上覚悟で発した声明の意図は 桐野夏生会長に聞く

作家や編集者、ジャーナリストらで構成される日本ペンクラブは7月15日、「選挙活動に名を借りたデマに満ちた外国人への攻撃は私たちの社会を壊します」との緊急声明を発出した。
日本ペンクラブはこれまでも、2017年には共謀罪強行採決に抗議する声明、2022年にはロシアのウクライナ侵攻に関する共同声明(日本文藝家協会、日本推理作家協会と連名)を出すなどしてきたが、今回、排外主義的言論に対する共同声明を発出するに至った経緯はどのようなものだったのか。
2021年に会長に就任し、現在3期目を務める小説家の桐野夏生氏にSNS全盛の時代におけるペンクラブ活動の意義や情報発信のリスク、今後の執筆活動などについて話を聞いた。
●日本ペンクラブとは
1921年にロンドンで創設された国際的な作家の団体である国際ペン(PEN International)の要請を受け、作家の島崎藤村を初代会長に約100名の作家が集まり1935年に発足。「表現の自由に対するあらゆる形態の抑圧に反対する」といった国際ペン憲章の理念の下、活動を継続。作家のみならず詩人、劇作家、ジャーナリスト、編集者、研究者など正会員1166人、賛助会員41社(2025年3月末)が所属する。
●深刻な状況、看過できず
――日本ペンクラブは、これまでもさまざまな声明を発出してきたが、今回の共同声明は、表現の自由を守るという活動趣旨に必ずしも直結しないようにも思われる。声明を出した経緯を教えてほしい。
入管法をめぐる問題などについて執筆活動を行っている作家の中島京子さん(日本ペンクラブ常務理事)の発案により、声明を出すことになった。先の参院選(7月3日公示、20日投票)において、与野党を問わず一部の政党の主義主張の中に「違法外国人ゼロ」「日本人ファースト」「管理型外国人政策」など、排外主義的で外国人を犯罪者や社会の邪魔者扱いするようなものが見られ、それが拡散されていく状況に危機感を覚えたのが理由だ。
これまでもヘイトスピーチの問題などはあったが、政党が選挙運動に乗じて堂々とそのポリシーとしてヘイト的な主張を行うという、より深刻な状況になったのを看過できなかった。中島さんのみならず、理事の多くが同様の思いを抱いていたと思う。
一方で、排外主義と言っても、それも1つの意見・考えであると言われればそうかもしれず、難しい問題をはらんでいるとは思う。だが、戦争のない平和な世の中や、外国人を含む皆が平等に扱われるという前提があって、はじめて表現の自由が担保されることを思えば、今回の声明発出は日本ペンクラブの活動趣旨に合致する。

どんなスキャンダルも参政党を崩せない…組織論の専門家が語る「盤石さの裏にある他の政党にはない要素」

参政党の参院選での躍進の要因として、党組織の力がしばしば指摘されます。全国47都道府県に280以上の支部を設置し、150名以上の地方議員を擁する組織力は、新興政党としては際立っています。
神谷宗幣代表の演説中の差別的発言をはじめ、複数のスキャンダルが物議を醸していますが、組織の勢いが衰えたようには見えません。党員やサポーターを結束させる何らかの仕組みがあると見てよいでしょう。
私の専門である経営組織論から分析すると、参政党は「メンバーシップ」を重視している点が興味深いです。
各政党の公式サイトを見比べると、参政党が党員やサポーターの「役割」を非常に強調していることが分かります。入党を募るページには、先頭に「一緒に学び合う党」を掲げ、独自の配信コンテンツでの学習や社会活動への参加を呼びかけています。「党員は何をすべきか」が具体的に列挙されているわけです。
他の政党の公式サイトにも党員募集のページは設けられていますが、真っ先に役割を明記して具体的な行動を促すといったことはなされていません。参政党は党員やサポーターを、集票達成のための利害関係者というよりも、協働して組織を支えるコミュニティの一員として捉えているのだと思います。
なぜメンバーシップが重要なのかといえば、集団を「組織化」するからです。組織論において「集団」と「組織」は区別されます。経営学者のバーナードは、組織の成立要件として「共通目的、協働意欲、コミュニケーション」の3つを挙げていますが、参政党は党員やサポーターに役割を与えることでこの要件を揃えています。
業界団体などの支援を受けずに、ボランティアを中心に全国で選挙運動を展開できるのは、党員の組織化に成功しているからでしょう。
加えて、参政党は「帰属意識」の醸成にも成功しているように見えます。
帰属意識は、今では一般的な言葉として定着していますが、もともとは産業社会学者の尾高邦雄による造語だったようです。尾高は帰属意識を「ある集団の成員がたんに形の上でそれに所属しているだけでなく、心から、つまり生活感情の上でも(中略)自分の生活根拠として感じている度合」と定義しています。
「生活感情」というフレーズが示唆的です。参院選での「日本人ファースト」のフレーズや政策は、人々の生活感情に強く訴えかけるものでした。しばしば「排外主義」と批判を浴びる、参政党の外国人政策に注目が集まった背景には、インバウンドの急増などによる人々の生活上の不満があったことは想像に難くありません。
既存政党がすくい上げられなかった生活感情を「日本人ファースト」の主張で包摂したことで、党員やサポーターの帰属意識が高まり、組織の結束力をさらに高めたのではないでしょうか。
ある党員が参政党の活動を「大人の部活」と評している記事を目にしたことがあります。主張の是非はともかく、政治活動が趣味のサークルやカルチャースクールに感じられるほど生活感情に寄り添った組織を構築しているのが、参政党の特異な点だと思います。
メンバーシップ、組織化、帰属意識と聞いて、「古臭い」と感じるかもしれません。
私の専門である経営学でも、日本的な雇用慣行である「メンバーシップ型雇用」は、昨今では旧弊と批判される場面が目立ちます。企業と従業員が明示的な契約関係にある前提で職務内容が明確に定義される「ジョブ型雇用」に移行すべきだという論調も根強いです。
企業と政党は必ずしも一致しませんが、現代の企業組織では機能しないとされる仕組み、例えばメンバーシップ制度が、同時代の政党組織では強力な武器になるのは何とも不思議です。なぜ、こうした現象が起こるのか。
あくまで仮説ですが、現代の企業組織では機能しない“からこそ”、政治の領域で力を持ってしまったのではないでしょうか。
例えば、1920年代以降の日本の賃金体系には「生活給」という発想がありました。「企業は労働者が家族を養うための生活費を基準にして賃金を設定すべき」という思想に基づく賃金です。その後、戦後復興を経て、高度経済成長とともに生活給は職能給に入れ替わっていきますが、現在もある家族手当や住宅手当はその名残とされます。
ここから分かるのは「かつての日本企業には社員の生活を保障する意思と機能があった」ということです。一般に「日本的経営」と呼ばれるシステムも、終身雇用や家族主義的な経営で、社員の生活を公私にわたり支えていました。
しかし、それが今では否定され、ジョブ型雇用のような構成員の生活面には触れない仕組みに塗り替わりつつあります。かつて、メンバーシップや帰属意識を重視していた企業文化はやせ細り、人々を包摂できなくなりました。
生活ごと包摂する組織が減少するなかで、参政党が生活感情の拠り所として求心力を持つのは理解できなくはありません。つまり、参政党とは「古い日本に回帰した政党」というのが私の見立てです。強い批判を浴びた神谷代表の「高齢女性は子どもを産めない」発言にしても、事の是非はさておき、かつての日本社会ではまかり通っていた主張ではあります。
「そんな価値観は現代に通用しない」という批判は真っ当だと思います。私も参政党の政策や主張に首を捻るところが少なくありません。
一方で、あらゆる人が古い価値観を一新することは、果たして可能かという疑問もあります。社会学者の太郎丸博氏は、日本人の価値意識を調査した文献で「社会全体の大きな価値観の変化は時代によってすべての世代の人が態度を変えない限り、なかなか起きえない、と考えたほうがよさそうである」と述べています。
国語の教科書にかつて採用されていた『最後の授業』という短編小説をご存知でしょうか。19世紀後半、普仏戦争での敗戦によりフランス語での授業を禁止されたフランス領アルザス地方の教師が、母語による最後の授業を行うという物語です。ある日を境に突然母語が変わってしまうという社会的にショッキングな描写を含んでいます。
この小説は「実際のアルザス地方ではドイツ語系アルザス語が話されていたのに、あたかもフランス語が母国語かのように書かれている」との批判があり、現在では国語の教科書にも掲載されていませんが、その経緯を含めて重要な視点を提供してくれるように思います。
つまり古い価値観が入れ替わるときには大きな社会的アクシデントが起きるもので、その変容はときに暴力的なのです。アルザス地方は政治的状況や戦争により、何度も過去の価値観が更新されてきたといえます。その新しい価値観が常に正しかったといえるのでしょうか。裏を返せば、暴力的といえる大きなショックでもなければ、根付いた文化や習慣を人々は容易に変えられないのでしょう。
もちろん暴力は否定されるべきです。価値観の変容のためには、丁寧な説明を通じてアップデートを促すしかありません。しかし、説明や説得が万能でない以上、反発したり、関心を示さなかったりする層が現れるのは避けられません。無下に否定すれば、反発の色はより濃くなるでしょう。SNSでも無下な否定が目立ちましたし、それは逆効果だという指摘も多数みられました。
おそらく参政党が支持者として想定しているのも「かつての価値観を否定されて反感や違和感を覚えている人」なのではないでしょうか。
一方で、参政党の勢いがこのまま継続するかには疑問を持っています。まず、成長期は組織にとって危機でもあるからです。拡大期の組織が、人手不足や資金繰りの失敗により内部から崩壊するのは企業経営の“あるある”です。
組織が拡大するほどに、強みであるメンバーシップや帰属意識の維持は難しくなっていくでしょう。政治活動は就業とは異なり、生活のために必ずしも継続する必要がないため、党員やサポーターが活動に飽きてしまうことも十分にありえます。とはいえ、生活の一部になるほどメンバーが活動に入れ込むことが参政党の強みでもありますが。
それよりも心配なのは、世論が直近の参政党の勢いを過大に評価して取り乱すことです。
参院選で大幅に躍進したとはいえ、参政党の国会議員数は衆参合わせて18名。国会では未だ少数派であり、支持者の数も日本国民全体から見れば「予想よりも多かった」という規模に留まります。その勢力を過大に見積もって、過剰反応することで呼び寄せてしまう脅威もあるのではないでしょうか。
参院選の期間中に自民党は「違法外国人ゼロ」を訴える動画を公開しました。公開のタイミングや訴えの内容から、参政党の勢いに迎合して、支持を取り込もうとする意図が伺えます。少数派にすぎない勢力が過大に評価されることで、実態としては全体の一部でしかなかったはずの主張に多数派が歩み寄った、ということが起きたと理解できます。
「化物の正体見たり枯れ尾花」という古句があります。恐れおののいていた脅威の正体が実際には取るに足らないものだったという意味です。
参政党の組織や勢力の実態を知ることなく過剰に攻撃的な態度を取るのは、在日外国人の増加によるリスクを過剰に煽って排外主義を打ち出すプロパガンダと構図は同じなのではないでしょうか。いずれにせよ、「適切な理解がなければ、適切な批判はできない」という姿勢を堅持し、冷静にみつめる必要があるように思います。
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(経営学者、東京大学大学院経済学研究科講師 舟津 昌平)

浜田港沖で漁船が防波堤に衝突 11人が病院に搬送 島根県浜田市

20日午前0時半過ぎ、浜田市の浜田港沖の防波堤に沖合底引き網漁船が衝突する事故があり、乗組員11人が病院に搬送されました。いずれも命に別条は無いという事です。
漁船の衝突事故があったのは、浜田市の浜田港の沖合約1キロほどの新西防波堤です。20日午前0時40分ごろ、沖合底引き網漁船の「第二十八 浜吉丸」が、防波堤に衝突。浜田市消防本部から浜田海上保安部に「防波堤に衝突しけが人が複数出ている模様」と通報がありました。
第二十八浜吉丸は、九州での漁を終えて浜田港に入港する途中に防波堤に衝突したとみられ、船の船首部分の水面下の部分を損傷し、浸水は認められていますが、沈没する状況では無かったということです。
乗組員は11人で、全員が病院に搬送されましたがいずれも意識はあり命に別条は無いという事です。浜田海上保安部が事故の詳細を調査しています。